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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2019-219842(P2019-219842A)
(43)【公開日】2019年12月26日
(54)【発明の名称】車両管理システム及び車両管理方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20191129BHJP
【FI】
   G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2018-115987(P2018-115987)
(22)【出願日】2018年6月19日
(71)【出願人】
【識別番号】000003997
【氏名又は名称】日産自動車株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】507308902
【氏名又は名称】ルノー エス.ア.エス.
【氏名又は名称原語表記】RENAULT S.A.S.
(74)【代理人】
【識別番号】110000486
【氏名又は名称】とこしえ特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】河合 諭司
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC11
(57)【要約】
【課題】車両の適切な清掃時期を報知又は清掃を実施する車両管理システム及び車両管理方法を提供する。
【解決手段】少なくとも1台の車両2を一又は複数のユーザで利用する場合の、前記車両の清掃を含むメンテナンスを管理する車両管理システムSにおいて、前記車両の利用情報を取得する利用情報取得部16と、前記車両の利用情報に基づいて、前記車両の汚れ度合を推定する汚れ度合推定部17と、前記汚れ度合推定部で推定された汚れ度合が所定の閾値に達したか否かを判断する判断部18と、前記判断部により前記汚れ度合が所定の閾値に達したと判断された場合に、前記車両に清掃が必要である旨の報知を実行する報知部19a、及び/又は、前記車両の清掃を実施する清掃実施部19bと、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1台の車両を一又は複数のユーザで利用する場合の、前記車両の清掃を含むメンテナンスを管理する車両管理システムにおいて、
前記車両の利用情報を取得する利用情報取得部と、
前記車両の利用情報に基づいて、前記車両の汚れ度合を推定する汚れ度合推定部と、
前記汚れ度合推定部で推定された汚れ度合が所定の閾値に達したか否かを判断する判断部と、
前記判断部により前記汚れ度合が所定の閾値に達したと判断された場合に、前記車両に清掃が必要である旨の報知を実行する報知部、及び/又は、前記車両の清掃を実施する清掃実施部と、を備える車両管理システム。
【請求項2】
前記利用情報取得部は、前記車両の最終清掃日時と、前記最終清掃日時から現在に至るまでの前記車両の利用情報とを取得し、
前記汚れ度合推定部は、前記最終清掃日時から現在に至るまでの前記車両の利用情報に基づいて、前記車両の汚れ度合を推定する請求項1に記載の車両管理システム。
【請求項3】
前記汚れ度合推定部は、ユーザが前記車両に乗車した時間、ユーザが前記車両に乗車した距離、ユーザが前記車両に乗車した回数のうちの1つ又はこれらの2つ以上の組み合わせに基づいて、前記車両の汚れ度合を推定する請求項1又は2に記載の車両管理システム。
【請求項4】
前記汚れ度合推定部は、前記汚れ度合を加速又は減速させる係数を用いて前記汚れ度合を推定する請求項1〜3のいずれか一項に記載の車両管理システム。
【請求項5】
前記汚れ度合を加速又は減速させる係数は、前記車両を利用した日時、前記車両を利用した日時の天気、前記車両を利用した走行地域の特性、前記車両を利用したユーザの特性のうちの1つ又はこれらの2つ以上の組み合わせに基づいて、設定する請求項4に記載の車両管理システム。
【請求項6】
前記判断部は、前記所定の閾値として、前記車両の車室外の汚れ度合を判断するための車室外閾値と、前記車両の車室内の汚れ度合を判断するための車室内閾値とを含む請求項1〜5のいずれか一項に記載の車両管理システム。
【請求項7】
プログラムにより動作するコンピュータを用いて、少なくとも1台の車両を一又は複数のユーザで利用する場合の、前記車両の清掃を含むメンテナンスを管理する車両管理方法において、
前記コンピュータは、
前記車両の利用情報を取得し、
前記車両の利用情報に基づいて、前記車両の汚れ度合を推定し、
前記推定された汚れ度合が所定の閾値に達したか否かを判断し、
前記汚れ度合が所定の閾値に達したと判断された場合に、前記車両に清掃が必要である旨の報知を実行するか、及び/又は、前記車両の清掃を実施する車両管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両管理システム及び車両管理方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
複数人で1台の自動車を使用するカーシェアリングサービスにおいて、苦情回数が多い会員に対しては、メンテナンス終了日及び車両登録日が新しい順に並べた車両リストを画面に表示することで、比較的綺麗な状態の車両が当該会員に選択され易くなるようにし、会員からの苦情を抑制したり、会員がカーシェアリングサービスに抱く不快感を払拭したりするカーシェアリング予約システムが知られている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第5537217号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来のカーシェアリング予約システムでは、いつ車両を清掃すべきかについては何ら考慮されていない。すなわち、上記従来のカーシェアリング予約システムは、単にメンテナンス終了日及び車両登録日が新しい車両、つまり清掃日が近くて新車に近い車両を上から順に画面表示するだけのシステムであるため、その車両が、予約をした会員に提供されるまでの利用状況が考慮されていない。したがって、清掃日が近くて新車に近い車両を予約しても、利用日までの間に他の会員に利用されるなどして車両が汚れることも少なくないので、実際に綺麗な車両が画面に表示されているのか不明である。たとえば、無人自動運転車を利用するサービスなどにおいては、基本的に乗り捨て型の利用形態が増えると考えられるため、清掃するタイミングをいつに設定するべきかといった問題があるほか、清掃人員をいつ、何人確保すべきかといった問題もある。
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、車両の適切な清掃時期を報知又は清掃を実施する車両管理システム及び車両管理方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、少なくとも1台の車両を一又は複数のユーザで利用する場合に、車両の利用情報を取得し、車両の利用情報に基づいて車両の汚れ度合を推定し、汚れ度合が所定の閾値に達したと判断された場合に、車両に清掃が必要である旨を報知するか、車両の清掃を実施することによって上記課題を解決する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、車両の利用情報に基づいて車両の汚れ度合を推定し、汚れ度合が所定の閾値に達したと判断された場合には、車両の清掃を促すので、ユーザに対して一定レベル以上の清浄性を有する車両を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の車両管理システムの一実施の形態を示すブロック図である。
図2図1のサーバにて実行される車両の清掃管理処理の一例を示すフローチャートである。
図3図2のステップS2のサブルーチンを示すフローチャートである。
図4図1の判断部にて用いられる汚れ度合の閾値の一例を説明する車両の清浄性と時間との関係を示すグラフである。
図5図1の車両情報データベースに登録される会員情報の一例を示すデータシートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明の車両管理システムSの一実施の形態を示すブロック図である。本実施形態の車両管理システムSは、本発明に係る車両管理方法を使用したシステムでもある。本実施形態の車両管理システムSは、少なくとも1台の車両2を一又は複数のユーザ(利用者)で利用する場合に適用して好ましいシステムであり、予約した車両をユーザが取りに行って自ら運転して利用するといったカーシェアリングのような形態のサービス、ドライバーが運転する車両を用いて一又は複数のユーザを目的地まで輸送する形態のサービス、又は、ドライバーが乗車しない無人運転車両を用いて一又は複数のユーザを目的地まで輸送する形態のサービスなどに適用することができる。
【0010】
また、このような営業用車両のほか、個人が所有する車両(いわゆる自家用車)や会社が所有する車両(いわゆる社用車)に対して、定期的な清掃を提供するサービスにも適用することができる。要するに、各種の車両に対して、清掃を含むメンテナンスのタイミングを知らせたり、実際に清掃を実施したりする機能を備えたシステムである。なお、以下に説明する実施形態は、本発明をドライバーが乗車しない無人運転車両を用いて一又は複数のユーザを目的地まで輸送する形態のサービスに適用した一例を示す。本実施形態の車両管理システムSは、サーバ1と、車両2と、ユーザ端末機3とを含む。以下、各構成を説明する。
【0011】
《サーバ1》
サーバ1は、1台もしくは複数台のコンピュータ(CPU,ROM,RAMなどを備えたハードウェアに、後述する機能を実現するソフトウェアをインストールしたもの)で構成され、外部からの信号入力を受け付けた上で、様々な処理を行う、プログラム可能なサーバである。サーバ1の構成方法の詳細は、特に限定されるものではなく、一般的なサーバを用いればよい。サーバ1には、車両情報データベース11、地図データベース12、車両リクエスト管理部13、車両計画部14、車両予約部15、利用情報取得部16、汚れ度合推定部17、判断部18、報知部19a及び清掃実施部19bが含まれる。これらの各部のうち、車両情報データベース11及び地図データベース12は、記憶装置により構成され、その他の車両リクエスト管理部13、車両計画部14、車両予約部15、利用情報取得部16、汚れ度合推定部17、判断部18、報知部19a及び清掃実施部19bの各機能は、サーバ1にインストールされたソフトウェアにより実現される。
【0012】
車両情報データベース11は、予め既知である車種、車両の登録日その他の静的な情報に加え、車両2の車両情報送信部23から所定時間間隔で送信される動的な車両情報を記憶するデータベースである。後述するように、車両2は複数台存在するので、所定のサービス区域内に存在する全ての車両情報がここに格納される。車両情報は、車両2の位置情報と車両向き、車速、ドアロック及びドアの開閉状態、シートベルトセンサー値、自動運転中か否かなどの各種車両状態を含む。また、車両リクエスト受信可能か否か、清掃中か否か、乗客の有無及び人数、輸送指示の目的地に到着したか否かなど、無人自動運転の遠隔監視に関する情報も、同じ車両のIDに関連付けて記憶される。
【0013】
地図データベース12は、少なくとも車両2が走行可能な道路リンク情報を含んだいわゆるナビゲーション地図に加え、ユーザの乗降可能場所、給油及び/又は充電場所、車両2の待機場所の情報を含む。その他に、ユーザが歩行するルートを計算するための歩行者道路リンク情報を含んでもよい。
【0014】
車両リクエスト管理部13は、ユーザ端末機3から、車両2の利用要求情報を受信し、車両計画部14に車両2の利用要求情報を出力する。また、車両計画部14から利用要求情報に対する利用要求結果情報を入力し、ユーザ端末機3に利用要求結果情報を送信する。
【0015】
車両計画部14は、車両リクエスト管理部13から出力された車両2の利用要求情報と、車両情報データベース11に格納された車両情報とを用いて、車両2の配車計画情報を算出し、算出した車両2の配車計画情報を車両リクエスト管理部13及び車両予約部15に出力する。ここで、車両2の配車計画情報の算出方法について説明すると、まず車両2の利用要求情報に含まれる出発地点及び目的地点の位置情報と、地図データベース12に含まれる乗降場所の位置情報とを用いて、最も近い乗降場所を、それぞれ乗車場所、降車場所として決定する。次に、車両2の利用要求情報が受信可能な全ての車両2のうち、最も乗車場所に近い車両2を、割り当て車両として決定する。なお、車両2の配車計画情報の算出方法は、特に限定されず、これ以外の他の手法を用いてもよい。
【0016】
車両予約部15は、車両計画部14から出力される車両2の配車計画情報と、車両情報データベース11に含まれる車両情報とを用いて、ユーザを乗せる地点までの走行ルート、ユーザを降ろす地点までの走行ルートを算出し、これにその他の無人の自動運転車両を運行する上で必要な情報を加味して、車両2のサーバ情報受信部24に送信する。
【0017】
利用情報取得部16は、ユーザの利用要求情報に対して割り当てられた車両2に関し、車両情報データベース11に格納された車両2の車両情報から、当該車両2の車両IDに関連付けられた最後に清掃を行った日時の情報(以下、最終清掃日時ともいう)を取得する。ここで取得する最終清掃日時については、車室外の洗車のみ、車室内の清掃のみ、又は車室外及び車室内の双方ともに清掃を実施した日時など、複数の情報を含んでもよい。最終清掃日時は、車両情報データベース11へアクセスできる端末装置があれば、清掃実施担当者が直接入力したり、清掃実施担当者から情報を得た遠隔監視の担当者が入力したりする。その他にも、車両2に搭載された端末装置によって清掃の実施を入力して車両情報送信部23から車両情報データベース11へ記憶させてもよい。なお、本実施形態では、最終清掃日時から起算して現在までの車両2の汚れ度合を推定するが、最終清掃日時とは異なる基準日、たとえば車両2の初期登録日から起算し、清掃を実施する度に汚れ度合を減じることで現在までの車両2の汚れ度合を推定してもよい。
【0018】
汚れ度合推定部17は、車両の利用情報に基づいて車両2の汚れ度合を推定する。より具体的には、利用情報取得部16で取得した最終清掃日時から現在に至るまでの車両2の利用情報に基づいて車両2の汚れ度合を推定する。ここで、車両2の利用情報の代用特性として、本実施形態では、ユーザが車両2に乗車した時間、ユーザが車両2に乗車した距離、ユーザが車両2に乗車した回数のうちの1つ又はこれらの2つ以上の組み合わせの積算値を用いる。汚れ度合の推定方法の具体例は後述する。
【0019】
判断部18は、汚れ度合推定部17にて推定された汚れ度合について、サービス提供者が任意に設定した閾値を超えるか否かを判断する。そして、汚れ度合推定部17にて推定された汚れ度合が閾値を超える場合には、その車両2は清掃が必要であると判断し、汚れ度合推定部17にて推定された汚れ度合が閾値を超えない場合には、その車両2は清掃が必要でないと判断する。
【0020】
報知部19aは、判断部18で車両2の清掃が必要であると判断された場合に、その旨を報知する。特に限定されないが、報知部19aの報知先としては、輸送サービスの提供会社又はその担当者、清掃を実施する会社又はその担当者等が挙げられる。報知部19aによる報知方法は、視覚又は聴覚による認識が可能な方法、たとえばディスプレイへの表示、車両2の所定位置に設けられた表示器の点灯、音声を含む音による報知などが挙げられる。
【0021】
清掃実施部19bは、判断部18で車両2の清掃が必要であると判断された場合に、その車両2の清掃を実施する。具体的には、清掃実施部19bは、地図データベース12を参照して現在位置から清掃場所までの走行ルートを演算し、無人自動運転機能付き車両2へ当該走行ルートを送信する。車両2は、清掃実施部19bから送信された走行ルートを、サーバ情報受信部24を介して走行制御部25に入力し、自動運転機能を用いて清掃場所まで走行して自動的に車両2の清掃を実施する。
【0022】
車両2の清掃は、車室外の清掃であれば洗車ロボットを含む自動洗車機を用いることができるほか、車室内の清掃であれば清掃ロボットを用いて自動的に清掃することができる。またはこれに代えて、自動運転機能を用いて清掃場所まで車両を走行し、所定の清掃場所に停車させることで、清掃会社の清掃担当者が当該車両2の清掃を行うようにしてもよい。また、これに代えて又はこれに加えて、清掃実施部19bによる車両2の清掃は、車両2のウインドウォッシャーを噴射してワイパーを作動し、フロントウィンド、リヤウィンド及び/又はヘッドランプなどを洗浄することも含まれる。
【0023】
なお、報知部19aと清掃実施部19bは、判断部18で車両2の清掃が必要であると判断された場合に、少なくともいずれか一方を機能させればよく、報知部19aのみを機能させる場合、清掃実施部19bのみを機能させる場合、報知部19a及び清掃実施部19bの両方を機能させる場合が含まれる。
【0024】
《車 両》
車両2は、ユーザからの利用要求(リクエスト)に応じて提供されるサービス車両であり、本実施形態では、当該サービスが展開される地域に複数台配置されているものとする。ただし、上述したとおり、自家用車や社用車など、非サービス車両を除外する趣旨ではない。車両2には、車両位置算出部21、車両状態検出部22、車両情報送信部23、サーバ情報受信部24及び走行制御部25が含まれる。
【0025】
車両位置算出部21は、車両2の位置を算出し、車両情報送信部23に出力する。車両位置算出部21は、たとえばGPS/INSセンサーと接続されたECUであり、GPS/INSセンサーから出力される緯度経度の位置情報を、一定時間(たとえば100msec)毎に出力する。位置情報の算出方法は、特に限定されず、たとえば、地図データに基づくマップマッチングなど、位置を特定可能な他の手法を用いてもよい。
【0026】
車両状態検出部22は、車速、ドアロック及びドアの開閉状態、シートベルトセンサー値、自動運転中か否か、などの各種車両状態をはじめとして、車両2への利用要求情報の受信が可能か否か、清掃中か否か、乗客の有無及び人数、移動指示の目的地に到着したか否かなど、無人自動運転の遠隔監視に関する情報も検出して、車両情報送信部23に出力する。
【0027】
車両情報送信部23は、たとえば4G/LTEのモバイル通信機能を備えた車載デバイスであり、CANやLAN等で車両位置算出部21及び車両状態検出部22から出力される情報を、一定時間(たとえば100msec)毎に、サーバ1の車両情報データベース11に送信する。
【0028】
サーバ情報受信部24は、たとえば4G/LTEのモバイル通信機能を備えた車載デバイスであり、サーバ1の車両予約部15及び清掃実施部19bから送信された、待機場所へのルート、ユーザを乗せる地点までの走行ルート、清掃場所への走行ルート等の各種走行ルートをはじめ、その他無人の自動運転車両を運行する上で必要な情報を受信する。
【0029】
走行制御部25は、車両2の走行駆動源(エンジン及び/又はモータ)、操舵機構、制動機構、方向指示器やワイパーを含む各種電装機器を自動制御するコントローラであり、サーバ1の車両予約部15及び清掃実施部19bから送信された、待機場所へのルート、ユーザを乗せる地点までの走行ルート、清掃場所への走行ルート等の各種走行ルートをはじめ、その他無人の自動運転車両を運行する上で必要な情報に基づいて、車両2の走行駆動源、操舵機構、制動機構及び各種電装機器を自動制御する。
【0030】
《ユーザ端末機》
ユーザ端末機3は、輸送サービスを希望するユーザが利用要求を行うために使用される端末装置であり、たとえばスマートフォンなどの携帯端末装置であり、利用要求するためのアプリケーションソフトウェアを実行して、4G/LTEやWiFi(登録商標)などの電気通信回線網を介して、サーバ1にアクセスする。なお、ユーザ端末機3は、特に限定されず、上記手段のほか、たとえばWEBアプリケーションソフトウェアとして実装されたパーソナルコンピュータからインターネットを介して利用要求を行うなど、他の実装方法を用いてもよい。
【0031】
ユーザによる入力に基づき、下記に説明する車両2の利用要求情報を車両リクエスト管理部13に送信する。また車両リクエスト管理部13から、利用要求情報に対する利用要求結果情報を受信し、ディスプレイなどを介してユーザに提示する。
【0032】
車両リクエスト管理部13に送信する車両2の利用要求情報は、出発地と目的地を含み、目的地はユーザからの入力で取得し、出発地はユーザの位置情報、またはユーザからの入力で取得してもよい。その他に、経由地の指定、乗降地点の指定、乗車人数、予約時間、相乗り可否などの付加的な情報を更に含んでもよい。
【0033】
車両リクエスト管理部13から送信される利用要求結果情報については、ユーザの乗車場所と降車場所、予約された車両2の現在位置、及び予約車両を識別するための情報を含み、車両予約部15で算出された情報に基づき、乗車場所に車両が到着する時間、乗車場所から降車場所までの移動時間、ユーザが乗車場所まで移動するための推奨徒歩ルートなどの付加情報を含んでもよい。
【0034】
次に、図2及び図3を参照しながら具体的な処理フローを説明する。この処理フローは、所定時間間隔、又は1名のユーザの利用が終了する毎など、周期的に実行されることが好ましい。なお、以下の説明では汚れ度合の推定代用特性値として、その車両2へのユーザの乗車時間を用いた例を示すが、ユーザの乗車距離やユーザの乗車回数も同じ考え方で処理することができる。
【0035】
図3のステップS1では、車両計画部14で割り当てられた車両2について、車両情報データベース11を参照して最終清掃日時を抽出し、ステップS2へ進む。ステップS2では、その最終清掃日時から現在までのユーザの乗車時間の合計時間を、汚れ度合の推定代用特性値(たとえばA=100分)とし、ステップS3へ進む。
【0036】
ステップS3では、サービス提供者が設定する乗車時間の合計時間の閾値B(たとえばB=120分)と、ステップS2で算出した汚れ度合の推定代用特性値Aとを比較し、汚れ度合の推定代用特性値Aの方が大きい場合は(A≧B)、ステップS4へ進み、汚れ度合の推定代用特性値Aの方が小さい場合は(A<B)、処理を終了する。ステップS4では、報知部19aによる清掃が必要である旨の報知が行われるとともに、これに代えて又はこれに加えて、清掃実施部19bによる清掃の実施が行われる。
【0037】
図4は、サーバ1の判断部18にて用いられる汚れ度合の閾値の一例を説明する車両2の清浄性と利用時間との関係を示すグラフである。図4(a)は、通常の定期清掃タイミングによる車両の清浄性を示すグラフであり、定期清掃のタイミングT1は経験則に基づいて定められる値とする。このように定期清掃のタイミングを経験則に基づいて定めると、実際の車両2の利用状況を考慮していないため、車両2の清浄性が、汚れが目立つレベルゾーンに入ってしまった後に、定期清掃タイミングを迎えることになる。これに対して、図4(b)は、本実施形態に係る判断部18で用いる閾値を設定する場合を示すグラフである。この場合には、汚れ度合の推定代用特性値として車両の乗車時間の合計値Aを算出し、この値Aが、サービス提供者が任意に設定した乗車時間用閾値Bに達した時に、清掃が必要である旨の報知及び/又は清掃が実施される。こうすることで、車両2の清浄性が、汚れが目立つレベルゾーンに入ることを抑制している。
【0038】
なお、ステップS3において、サービス提供者が設定する合計乗車時間の閾値Bを、車室内清掃用閾値B1(たとえば、B1=120分)と、車室外清掃用閾値B2(たとえば、B2=180分)の2つ設定してもよく、その比較により、車室内の清掃が必要である旨の報知及び/又は清掃の実施と、車室外の清掃が必要である旨の報知及び/又は清掃の実施とに分けることもできる。
【0039】
汚れ度合の推定代用特性値については、ユーザが車両2に乗車した時間、ユーザが車両2に乗車した距離、ユーザが車両2に乗車した回数のうちの1つを用いることができるほか、これらの2つ以上の組み合わせの積算値を用いてもよい。たとえば、ユーザが車両2に乗車した距離と、ユーザが車両2に乗車した回数とを組み合わせる場合は、図2のステップS2において、最終清掃日時から現在までにユーザがその車両2に乗車した距離の合計値と、最終清掃日時から現在までにユーザがその車両2に乗車した回数とを乗算した値を、汚れ度合の推定代用特性値として算出し、ステップS3へ進む。そして、ステップS3において、サービス提供者が設定する乗車距離の合計値の閾値と乗車回数の閾値とを乗算した値を算出し、ステップS2で算出した汚れ度合の推定代用特性値と比較すればよい。
【0040】
図2のステップS2において汚れ度合の推定代用特性値を算出するにあたり、汚れ度合を加速あるいは減速させる係数X(以下、加速/減速係数ともいう)を用いて汚れ度合の推定代用特性値を算出(補正)してもよい。図3は、図2のステップS2のサブルーチンを示すフローチャートである。この処理フローは、図1の汚れ度合推定部17の他例(拡張機能)である。加速/減速係数Xは、最終清掃日時から現在までに、ユーザが車両2を利用した日時、ユーザが車両2を利用した日時の天気、ユーザが車両2を利用した走行地域の特性、車両2を利用したユーザの特性のうちの1つ、又はこれらの2つ以上の組み合わせた値を用いることができる。
【0041】
ステップS21では、図2のステップS2で抽出した、割り当てられた車両2の最終清掃日時から現在までの汚れ度合(乗車時間)を取得し、ステップS22へ進む。ステップS22では、加速/減速係数Xの適用の判断が行われる。ここで、加速/減速係数Xの数値は、サービス提供者が任意の値に設定できるが、説明を簡便にするために、以下においては仮に設定した値で説明する。
【0042】
たとえば、加速/減速係数Xとして、ユーザが車両2を利用した日時を用いる場合、昼食時間帯をX=1.2としたり、年末の夕食時間をX=1.5としたりする。食事時間帯に車両2を利用すると、他の時間帯の利用に比べて車室内などが汚れる可能性が高くなり、なかでも、昼食時間帯はテイクアウトによる車室内への持ち込みの可能性が高くなり、また年末や年始の夕食時間帯は、外食に車両2を利用する頻度が高くなるからである。
【0043】
また、加速/減速係数Xとして、ユーザが車両2を利用した日時の天気を用いる場合、晴天時をX=1.0(つまり不適用)としたり、雨天時をX=1.5としたりする。取得する天気の情報は、車両2のワイパーの稼働情報等から判断することができる。雨天時に車両2を利用すると、晴天時に車両2を利用する場合に比べて車室外などが汚れる可能性が高くなったり、ユーザの服や靴によって車室内が汚れる可能性が高くなったりするからである。
【0044】
また、加速/減速係数Xとして、ユーザが車両2を利用した走行地域(運送サービスの展開地域など)の特性を用いる場合、市街地をX=1.0(つまり不適用)としたり、観光地をX=1.2としたり、山間部又は未舗装道路をX=1.5としたりする。市街地は舗装道路が多いのに対し、山間部は未舗装道路が多いので、山間部や未舗装道路を走行した場合には、市街地を走行した場合に比べて車室外などが汚れる可能性が高くなるからである。また観光地を走行した場合には、観光地で販売している飲食物を車室内で食する機会が比較的多く、市街地に比べて車室内などが汚れる可能性が高くなるからである。
【0045】
また、加速/減速係数Xとして、車両2を利用したユーザの特性を用いる場合、ユーザ情報を管理している会員データベース(車両情報データベース11に記憶してもよい)の情報を参照し、車室内にごみを置いて帰るユーザをX=1.2としたり、車室内のごみを片付けて帰るユーザをX=0.8としたりする。図5は、図1の車両情報データベース11などに登録される会員情報の一例を示すデータシートである。会員情報としては、その会員の個人情報をはじめとして、サービス利用に必要な情報に加えて、車内カメラで撮像した映像データから、ごみの置き帰り回数やごみの持ち帰り回数を解析及び演算して記録しておき、サービス提供者の係数Xの算出の材料とする。
【0046】
また、加速/減速係数Xとして、車両2を利用したユーザの特性を用いる場合、車両2を利用予約する本人だけではなく、同乗者の特性を考慮してもよい。たとえば、同乗者が大人ばかりの場合にはX=1.0(つまり不適用)としたり、同乗者に小中学生以下などの子供が多い場合にはX=1.5としたりする。小さい子供が同乗者に多いと車室内が汚れる可能性が高いからである。また、同乗者が会員データベースに登録されている場合には、その同乗者の特性を図5に示すデータシートから抽出し、利用予約する本人の特性に加えた係数Xとしてもよい。
【0047】
なお、加速/減速係数Xとしては、最終清掃日時から現在までに、ユーザが車両2を利用した日時、ユーザが車両2を利用した日時の天気、ユーザが車両2を利用した走行地域の特性、車両2を利用したユーザの特性のうちの何れか1つを用いることができるほか、これらの2つ以上の組み合わせた値を用いることができる。たとえば、天候が雨天で走行地域が観光地のように、加速/減速係数Xの要素が同時に発生している場合には、各要素の加速/減速係数Xを乗算した値を最終的な加速/減速係数Xとすればよい。
【0048】
図3に戻り、ステップS22において、加速/減速係数Xが不適用(つまりX=1.0)と判断された場合は処理を終了するが、加速/減速係数Xを適用すると判断された場合はステップS23へ進み、適用する加速/減速係数Xを汚れ度合の推定代用特性値に乗算したのち、図2のステップS3へ進む。
【0049】
以上のとおり、本実施形態の車両管理システムS及び車両管理方法によれば、車両2の利用情報に基づいて車両2の汚れ度合を推定し、汚れ度合が所定の閾値に達したと判断された場合には、車両2の清掃を促すので、ユーザに対して一定レベル以上の清浄性を有する車両2を提供することができる。その結果、会員からの苦情が減少したり、会員が輸送サービスに抱く不快感を払拭したりすることができる。
【0050】
また、本実施形態の車両管理システムS及び車両管理方法によれば、最終清掃日時から現在に至るまでの車両2の利用情報に基づいて、車両2の汚れ度合を推定するので、汚れ度合の推定精度が向上し、ユーザに対して一定レベル以上の清浄性を有する車両2をより一層確実に提供することができる。
【0051】
また、本実施形態の車両管理システムS及び車両管理方法によれば、ユーザが車両2に乗車した時間、ユーザが車両2に乗車した距離、ユーザが車両2に乗車した回数のうちの1つ又はこれらの2つ以上の組み合わせ、すなわち、より具体的な汚れ度合の推定代用特性値に基づいて、車両2の汚れ度合を推定するので、汚れ度合の推定精度がより一層向上し、ユーザに対して一定レベル以上の清浄性を有する車両2をより一層確実に提供することができる。
【0052】
また、本実施形態の車両管理システムS及び車両管理方法によれば、汚れ度合を加速又は減速させる係数Xを用いて汚れ度合を推定するので、外部環境や車両2の使われ方も含めた汚れ度合が推定される。その結果、汚れ度合の推定精度がより一層向上し、ユーザに対して一定レベル以上の清浄性を有する車両2をより一層確実に提供することができる。
【0053】
また、本実施形態の車両管理システムS及び車両管理方法によれば、汚れ度合を加速又は減速させる係数Xは、車両2を利用した日時、車両2を利用した日時の天気、車両2を利用した走行地域の特性、車両2を利用したユーザの特性のうちの1つ又はこれらの2つ以上の組み合わせに基づいて設定するので、より具体的に加速/減速係数Xが設定される。その結果、汚れ度合の推定精度がより一層向上し、ユーザに対して一定レベル以上の清浄性を有する車両2をより一層確実に提供することができる。
【0054】
また、本実施形態の車両管理システムS及び車両管理方法によれば、所定の閾値として、車両2の車室外の汚れ度合を判断するための車室外閾値と、車両2の車室内の汚れ度合を判断するための車室内閾値とを含むので、車両2の清掃タイミングを分散させることができ、サービスの中止期間である清掃時間を短くすることができる。
【符号の説明】
【0055】
S…車両管理システム
1…サーバ
11…車両情報データベース
12…地図データベース
13…車両リクエスト管理部
14…車両計画部
15…車両予約部
16…利用情報取得部
17…汚れ度合推定部
18…判断部
19a…報知部
19b…清掃実施部
2…車両
21…車両位置算出部
22…車両状態検出部
23…車両情報送信部
24…サーバ情報受信部
25…走行制御部
3…ユーザ端末機
図1
図2
図3
図4
図5