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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2019-219856(P2019-219856A)
(43)【公開日】2019年12月26日
(54)【発明の名称】周辺監視システム
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/16 20060101AFI20191129BHJP
   B60R 11/02 20060101ALI20191129BHJP
   B60K 35/00 20060101ALI20191129BHJP
【FI】
   G08G1/16 C
   B60R11/02 C
   B60K35/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2018-116184(P2018-116184)
(22)【出願日】2018年6月19日
(71)【出願人】
【識別番号】000101732
【氏名又は名称】アルパイン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100099748
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 克志
(74)【代理人】
【識別番号】100103171
【弁理士】
【氏名又は名称】雨貝 正彦
(74)【代理人】
【識別番号】100105784
【弁理士】
【氏名又は名称】橘 和之
(74)【代理人】
【識別番号】100098497
【弁理士】
【氏名又は名称】片寄 恭三
(72)【発明者】
【氏名】瀧沢 昭彦
【テーマコード(参考)】
3D020
3D344
5H181
【Fターム(参考)】
3D020BA04
3D020BA20
3D020BB01
3D020BC02
3D020BE03
3D344AA19
3D344AA20
3D344AA26
3D344AB01
3D344AC25
5H181AA01
5H181CC04
5H181CC14
5H181LL01
5H181LL02
5H181LL08
5H181LL15
(57)【要約】
【課題】より直感的に他車の位置や挙動を把握可能な「周辺監視システム」を提供する。
【解決手段】表示制御装置4は、自車Sの走行レーンと隣接するレーンを後続走行、または、並行走行している他車Wについては(a1、a2、a3)、他車Wが走行しているレーンの前方を向いた運転者の視界に入る部分が、後方より照明されているようすを表す他車提示図形42を作成しヘッドアップディスプレイ5に表示する(b1、b2、b3)。また、表示制御装置4は、他車Wから自車Sまでの距離が、より近いほど、他車が走行しているレーンの、より前方の部分まで、後方より照明されているようすを表すように他車提示図形42を表示する。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車周辺の移動体を提示する周辺監視システムであって、
前記自動車の運転者に前方の景色に重畳して視認されるように画像を投影するヘッドアップディスプレイと、
前記自動車周辺の移動体を認識する移動体認識手段と、
前記ヘッドアップディスプレイの表示を制御する表示制御手段とを有し、
前記表示制御手段は、前記移動体認識手段が認識した、前方を向いた前記運転者の視界の外に、前記自動車の前方の範囲に向かう方向を向いて位置している移動体と、前記移動体認識手段が認識した、前方を向いた前記運転者の視界の外に位置する、前記自動車の前方の範囲に向かう方向に移動している移動体とのうちの一方もしくは双方を、少なくとも提示対象移動体として、前記ヘッドアップディスプレイに、灯火装置による路面の照明パターンを模擬した画像を、前記前方の景色中の前記自動車の前方の路面が、前記提示対象移動体が位置する方向側から照明されているようすを表すように表示することを特徴とする周辺監視システム。
【請求項2】
自動車周辺の移動体を提示する周辺監視システムであって、
前記自動車の後方を撮影するカメラと、
前記カメラが撮影した前記自動車の後方のようすを表す映像を表示するディスプレイと、
前記自動車周辺の移動体を認識する移動体認識手段と、
前記ディスプレイの表示を制御する表示制御手段とを有し、
前記表示制御手段は、前記移動体認識手段が認識した、前記カメラによって撮影され前記ディスプレイに表示される範囲外に、前記自動車の後方の範囲に向かう方向を向いて位置している移動体と、前記移動体認識手段が認識した、前記カメラによって撮影され前記ディスプレイに表示される範囲外に位置する、前記自動車の後方の範囲に向かう方向に移動している移動体とのうちの一方もしくは双方を、少なくとも提示対象移動体として、前記ディスプレイに、灯火装置による路面の照明パターンを模擬した画像を、前記ディスプレイに表示されている前記映像中の前記自動車の後方の路面が、前記提示対象移動体が位置する方向側から照明されているようすを表すように表示することを特徴とする周辺監視システム。
【請求項3】
自動車周辺の移動体を提示する周辺監視システムであって、
前記自動車の前方を撮影するカメラと、
前記カメラが撮影した前記自動車の前方のようすを表す映像を表示するディスプレイと、
前記自動車周辺の移動体を認識する移動体認識手段と、
前記ディスプレイの表示を制御する表示制御手段とを有し、
前記表示制御手段は、前記移動体認識手段が認識した、前記カメラによって撮影され前記ディスプレイに表示される範囲外に、前記自動車の前方の範囲に向かう方向を向いて位置している移動体と、前記移動体認識手段が認識した、前記カメラによって撮影され前記ディスプレイに表示される範囲外に位置する、前記自動車の前方の範囲に向かう方向に移動している移動体とのうちの一方もしくは双方を、少なくとも提示対象移動体として、前記ディスプレイに、灯火装置による路面の照明パターンを模擬した画像を、前記ディスプレイに表示されている前記映像中の前記自動車の前方の路面が、前記提示対象移動体が位置する方向側から照明されているようすを表すように表示することを特徴とする周辺監視システム。
【請求項4】
請求項1、2または3記載の周辺監視システムであって、
前記表示制御手段は、前記移動体認識手段が認識した移動体中に、すり抜けを行っている二輪車が存在する場合には、当該二輪車のみを前記提示対象移動体とすることを特徴とする周辺監視システム。
【請求項5】
請求項1、2、3または4記載の周辺監視システムであって、
前記表示制御手段は、前記提示対象移動体と前記自動車との距離が小さいほど、前記提示対象移動体が位置する方向と反対方向により進んだ地点まで前記路面が照明されているようすを表すように、前記画像の表示を行うことを特徴とする周辺監視システム。
【請求項6】
請求項1、2、3または4記載の周辺監視システムであって、
前記表示制御手段は、前記路面が、前記提示対象移動体が位置する方向側から前記提示対象移動体が向いている方向に向かって照明されているようすを表すように前記画像を表示することを特徴とする周辺監視システム。
【請求項7】
請求項6記載の周辺監視システムであって、
前記表示制御手段は、前記提示対象移動体と前記自動車との距離が小さいほど、前記提示対象移動体が向いている方向により進んだ地点まで前記路面が照明されているようすを表すように、前記ヘッドアップディスプレイへの前記画像の表示を行うことを特徴とする周辺監視システム。
【請求項8】
請求項1、2、3または4記載の周辺監視システムであって、
前記表示制御手段は、前記路面が、前記提示対象移動体が位置する方向側から前記提示対象移動体が移動している方向に向かって照明されているようすを表すように前記画像を表示することを特徴とする周辺監視システム。
【請求項9】
請求項8記載の周辺監視システムであって、
前記表示制御手段は、前記提示対象移動体と前記自動車との距離が小さいほど、前記提示対象移動体が移動している方向により進んだ地点まで前記路面が照明されているようすを表すように、前記ヘッドアップディスプレイへの前記画像の表示を行うことを特徴とする周辺監視システム。
【請求項10】
請求項1、2、3、4、5、6、7、8または9記載の周辺監視システムであって、
前記表示制御手段は、前記表示する前記画像のサイズを、前記提示対象移動体と前記自動車との距離が小さいほど大きくすることを特徴とする周辺監視システム。
【請求項11】
請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9または10記載の周辺監視システムであって、
前記表示制御手段は、前記表示する前記画像の表示色を、前記提示対象移動体と前記自動車との距離の変化に伴い変化させることを特徴とする周辺監視システム。
【請求項12】
請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10または11記載の周辺監視システムであって、
前記移動体認識手段は、前記自動車周辺の移動体の種別を認識し、
前記表示制御手段は、前記表示する前記画像の形状を、前記提示対象移動体の種別に応じて切り替えることを特徴とする周辺監視システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車周辺の他車の存在を提示する技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
自動車周辺の他車の存在を提示する技術としては、ヘッドアップディスプレイを用いて、運転者から見て他車を囲むように視認される図形を表示すると共に、運転者から見てヘッドアップディスプレイの表示エリア外から表示エリア内に進入する方向に向かって移動している他車が存在する場合に、当該他車の表示エリアへの進入位置を予測し、予測した進入位置に他車の方向を向いた矢印を表示する技術が知られている(たとえば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016-62368号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した技術によれば、運転者から見てヘッドアップディスプレイの表示エリア外にいる他車については、運転者から見て表示エリア内に進入する方向に向かって移動している他車についてしか、その存在をユーザに提示することができない。
【0005】
また、矢印の表示からでは、運転者から見てヘッドアップディスプレイの表示エリア外にいる他車の位置や挙動を、運転者が直感的に把握することは難しい。
そこで、本発明は、より直感的に他車の位置や挙動を運転者が把握可能なように、自動車周辺の他車の存在を提示することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題達成のために、本発明は、自動車周辺の移動体を提示する周辺監視システムを、前記自動車の運転者に前方の景色に重畳して視認されるように画像を投影するヘッドアップディスプレイと、前記自動車周辺の移動体を認識する移動体認識手段と、前記ヘッドアップディスプレイの表示を制御する表示制御手段とを含めて構成したものである。ここで、前記表示制御手段は、前記移動体認識手段が認識した、前方を向いた前記運転者の視界の外に、前記自動車の前方の範囲に向かう方向を向いて位置している移動体と、前記移動体認識手段が認識した、前方を向いた前記運転者の視界の外に位置する、前記自動車の前方の範囲に向かう方向に移動している移動体とのうちの一方もしくは双方を、少なくとも提示対象移動体として、前記ヘッドアップディスプレイに、灯火装置による路面の照明パターンを模擬した画像を、前記前方の景色中の前記自動車の前方の路面が、前記提示対象移動体が位置する方向側から照明されているようすを表すように表示する。
【0007】
このような周辺監視システムによれば、前方の実景上で、移動体の灯火装置による路面の照明を模擬した表示を行って移動体を提示するので、運転者は、視界の外に位置する移動体の存在や位置を直感的に把握することができるようになる。
【0008】
また、前記課題達成のために、本発明は、自動車周辺の移動体を提示する周辺監視システムに、前記自動車の後方を撮影するカメラと、前記カメラが撮影した前記自動車の後方のようすを表す映像を表示するディスプレイと、前記自動車周辺の移動体を認識する移動体認識手段と、前記ディスプレイの表示を制御する表示制御手段とを備えたものである。ここで、前記表示制御手段は、前記移動体認識手段が認識した、前記カメラによって撮影され前記ディスプレイに表示される範囲外に、前記自動車の後方の範囲に向かう方向を向いて位置している移動体と、前記移動体認識手段が認識した、前記カメラによって撮影され前記ディスプレイに表示される範囲外に位置する、前記自動車の後方の範囲に向かう方向に移動している移動体とのうちの一方もしくは双方を、少なくとも提示対象移動体として、前記ディスプレイに、灯火装置による路面の照明パターンを模擬した画像を、前記ディスプレイに表示されている前記映像中の前記自動車の後方の路面が、前記提示対象移動体が位置する方向側から照明されているようすを表すように表示する。
【0009】
このような周辺監視システムによれば、ディスプレイに表示されている後方のようすを表す映像上で、移動体の灯火装置による路面の照明を模擬した表示を行って移動体を提示するので、運転者は、ディスプレイに表示されている画像の外に位置する移動体の存在や位置を直感的に把握することができるようになる。
【0010】
また、前記課題達成のために、本発明は、自動車周辺の移動体を提示する周辺監視システムに、前記自動車の前方を撮影するカメラと、前記カメラが撮影した前記自動車の前方のようすを表す映像を表示するディスプレイと、前記自動車周辺の移動体を認識する移動体認識手段と、前記ディスプレイの表示を制御する表示制御手段とを備えたものである。ここで、前記表示制御手段は、前記移動体認識手段が認識した、前記カメラによって撮影され前記ディスプレイに表示される範囲外に、前記自動車の前方の範囲に向かう方向を向いて位置している移動体と、前記移動体認識手段が認識した、前記カメラによって撮影され前記ディスプレイに表示される範囲外に位置する、前記自動車の前方の範囲に向かう方向に移動している移動体とのうちの一方もしくは双方を、少なくとも提示対象移動体として、前記ディスプレイに、灯火装置による路面の照明パターンを模擬した画像を、前記ディスプレイに表示されている前記映像中の前記自動車の前方の路面が、前記提示対象移動体が位置する方向側から照明されているようすを表すように表示する。
【0011】
このような周辺監視システムによれば、ディスプレイに表示されている前方のようすを表す映像上で、移動体の灯火装置による路面の照明を模擬した表示を行って移動体を提示するので、運転者は、ディスプレイに表示されている画像の外に位置する移動体の存在や位置を直感的に把握することができるようになる。
【0012】
ここで、以上のような周辺監視システムは、前記表示制御手段において、前記移動体認識手段が認識した移動体中に、すり抜けを行っている二輪車が存在する場合には、当該二輪車のみを前記提示対象移動体とするように構成してもよい。
【0013】
また、以上の周辺監視システムは、前記表示制御手段において、前記表示制御手段は、前記提示対象移動体と前記自動車との距離が小さいほど、前記提示対象移動体が位置する方向と反対方向により進んだ地点まで前記路面が照明されているようすを表すように、前記画像の表示を行うように構成してもよい。
【0014】
このようにすることにより、運転者は、移動体の接近等の挙動を直感的に把握することができるようになる。
または、以上の周辺監視システムは、前記表示制御手段において、前記路面が、前記提示対象移動体が位置する方向側から前記提示対象移動体が向いている方向に向かって照明されているようすを表すように前記画像を表示するように構成してもよい。
【0015】
また、この場合には、前記表示制御手段において、前記提示対象移動体と前記自動車との距離が小さいほど、前記提示対象移動体が向いている方向により進んだ地点まで前記路面が照明されているようすを表すように、前記ヘッドアップディスプレイへの前記画像の表示を行うようにしてもよい。
【0016】
または、以上の周辺監視システムは、前記表示制御手段において、前記路面が、前記提示対象移動体が位置する方向側から前記提示対象移動体が移動している方向に向かって照明されているようすを表すように前記画像を表示するように構成してもよい。
【0017】
また、この場合には、前記表示制御手段は、前記提示対象移動体と前記自動車との距離が小さいほど、前記提示対象移動体が移動している方向により進んだ地点まで前記路面が照明されているようすを表すように、前記ヘッドアップディスプレイへの前記画像の表示を行うようにしてもよい。
【0018】
このようにすることにより、運転者は、移動体の接近等の挙動を直感的に把握することができるようになる。
また、以上の周辺監視システムは、前記表示制御手段において、前記表示する前記画像のサイズを、前記提示対象移動体と前記自動車との距離が小さいほど大きくするように構成してもよい。
【0019】
また、以上の周辺監視システムは、前記表示制御手段において、前記表示する前記画像の表示色を、前記提示対象移動体と前記自動車との距離の変化に伴い変化させるように構成してもよい。
【0020】
また、以上の周辺監視システムは、前記移動体認識手段において、前記自動車周辺の移動体の種別を認識し、前記表示制御手段において、前記表示する前記画像の形状を、前記提示対象移動体の種別に応じて切り替えるように構成してもよい。
【発明の効果】
【0021】
以上のように、本発明によれば、より直感的に移動体の位置や挙動を運転者が把握可能なように、自動車周辺の移動体の存在を提示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明の実施形態に係る周辺システムの構成を示すブロック図である。
図2】本発明の実施形態に係るカメラの撮影範囲とレーダの検出範囲を示す図である。
図3】本発明の実施形態に係るヘッドアップディスプレイと電子ミラー用ディスプレイの配置を示す図である。
図4】本発明の実施形態に係る前照灯光模擬図形を示す図である。
図5】本発明の実施形態に係る他車提示画像の表示例を示す図である。
図6】本発明の実施形態に係る他車提示画像の表示例を示す図である。
図7】本発明の実施形態に係る他車提示画像の表示例を示す図である。
図8】本発明の実施形態に係る他車提示画像の表示例を示す図である。
図9】本発明の実施形態に係る他車提示画像の表示例を示す図である。
図10】本発明の実施形態に係る他車提示画像の表示例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施形態について説明する。
図1に、本実施形態に係る周辺監視システムの構成を示す。
周辺監視システムは自動車に搭載されるシステムであり、図示するように、複数のカメラ1と、複数のレーダ2と、障害物検知装置3と、表示制御装置4と、ヘッドアップディスプレイ5と、電子ミラー用ディスプレイ6とを備えている。
【0024】
そして、複数のカメラ1とレーダ2は、たとえば、図2に示すように、各カメラ1によって自動車の全方位の周辺を撮影でき、各レーダ2によって自動車の全方位の周辺の各位置の物体の有無を検出できるように配置されている。
【0025】
また、ヘッドアップディスプレイ5は、図3aに示すように、運転席の前方のフロントウインドシールドに下方から画像を投影することにより、図3bに示す表示領域51内に自動車前方の景色と重なって視認されるように画像を表示することがきる。
【0026】
また、電子ミラー用ディスプレイ6は、フロントウインドシールドの上部の、伝統的にルームミラーが配置されてきた位置に、表示面を自動車後方に向けて配置されている。
図1に戻り、障害物検知装置3は、各カメラ1で撮影した画像と、各レーダ2で検出した自動車の周辺の各位置の物体の有無とにより、自動車周辺に存在する他車の位置や移動ベクトルや種類を検知し、他車情報として表示制御装置4に通知する。なお、他車の種類としては、四輪自動車、自動二輪車、自転車などの種類を検知する。
【0027】
そして、表示制御装置4は、障害物検知装置3から通知された他車情報を用いつつ、ヘッドアップディスプレイ5と電子ミラーディスプレイ6の表示を制御する。
以下、この表示制御装置4のヘッドアップディスプレイ5と電子ミラー用ディスプレイ6の表示を制御する動作について説明する。
まず、表示制御装置4のヘッドアップディスプレイ5の表示を制御する動作について説明する。
表示制御装置4には、予め、図4に示すように、車両の種類毎に対応して設けられた前照灯光模擬図形41が設定されている。
ここで、図4aは四輪自動車に対応する前照灯光模擬図形41を、図4bは自動二輪車に対応する前照灯光模擬図形41を、図4cは自転車に対応する前照灯光模擬図形41を表している。そして、各前照灯光模擬図形41は、対応する種類の車両の前照灯による路面の照明パターンを模擬した図形である。
【0028】
さて、表示制御装置4は、障害物検知装置3から通知された他車情報が示す他車の内、自車の前方の範囲に向かう方向を向いて、前方を向いた状態の運転者の視界外に位置している他車を提示対象他車として、提示対象他車の種類に対応する前照灯光模擬図形41を加工して他車提示図形を生成し、他車提示図形をヘッドアップディスプレイ5に表示することにより運転者に提示対象他車の存在を提示する。
【0029】
すなわち、まず、表示制御装置4は、自車の走行レーンと隣接するレーンを後続走行、または、並行走行している提示対象他車については、提示対象他車が走行しているレーンの前方を向いた運転者の視界に入る部分が、後方より照明されているようすを表すように、前照灯光模擬図形41から他車提示図形を作成しヘッドアップディスプレイ5に表示する。また、表示制御装置4は、提示対象他車から自車までの距離が、より近いほど、提示対象他車が走行しているレーンの、より前方の部分まで、後方より照明されているようすを表すように他車提示図形を表示する。
【0030】
すなわち、図5a1に示すように、提示対象他車Wが自車Sの右側のレーンを自車Sの後方において走行しており、自車Sから提示対象他車Wまでの距離が比較的大きいときには、図5b1に示すように、自車Sの右側のレーンの自車Sより前方の部分のうちの、自車Sに比較的近い部分だけが後方より照明されているようすを表すように、前照灯光模擬図形41から他車提示図形42を作成しヘッドアップディスプレイ5に表示する。
【0031】
また、図5a2に示すように、提示対象他車Wが自車Sの右側のレーンを自車Sの後方において走行しており、自車Sから提示対象他車Wまでの距離が比較的小さいときには、図5b2に示すように、自車Sの右側のレーンの自車Sより前方の部分のうちの、自車Sから中程度に前方に遠い部分まで後方より照明されているようすを表すように、前照灯光模擬図形41から他車提示図形42を作成しヘッドアップディスプレイ5に表示する。
【0032】
そして、図5a3に示すように、提示対象他車Wが自車Sの右側のレーンを自車Sと併走しているときには、図5b3に示すように、自車Sの右側のレーンの自車Sより前方の部分のうちの、自車Sから前方に遠い部分までが後方より照明されているようすを表すように、前照灯光模擬図形41から他車提示図形42を作成しヘッドアップディスプレイ5に表示する。
【0033】
ここで、図5b1、b2、b3に示したように、他車提示図形42は、図4の前照灯光模擬図形41から、たとえば、以下のようにして生成する。すなわち、まず、ヘッドアップディスプレイ5に当該前照灯光模擬図形41を表示したときに、運転者から見て、図4における前照灯光模擬図形41の上方向が他車提示図形42によって照明されているようすを表すレーンに沿って進む方向となるように、前照灯光模擬図形41を傾けたり歪ませることにより変形する。そして、変形した前照灯光模擬図形41のヘッドアップディスプレイ5に表示したときにレーンに沿って進む方向側端となる端が、他車提示図形42によってようすを表す照明の範囲のレーンに沿って進む方向側の端の位置に運転者から見て重なるように、前照灯光模擬図形41をヘッドアップディスプレイ5に表示したときに、ヘッドアップディスプレイ5の表示領域51に収まる範囲を他車提示図形42とする。
【0034】
ここで、このようにして作成した他車提示図形42は、ヘッドアップディスプレイ5に表示したときに他車提示図形42のレーンに沿って進む方向側の端となる端が、他車提示図形42によってようすを表す照明の範囲のレーンに沿って進む方向側の端の位置に運転者から見て重なるようにヘッドアップディスプレイ5の表示領域51に表示する。
【0035】
このような他車提示図形42のヘッドアップディスプレイ5への表示によれば、図5a1、a2、a3に示すように、提示対象他車Wが後方より自車Sの走行レーンの右側のレーンを走行して自車に近づいてきて自車Sに追いついた場合、提示対象他車Wが自車Sに後方より近づいてくるにつれて、図5b1、b2、b3に示すように他車提示図形42は、より前方まで右側のレーンが照明されているようすを表すように変化する。
【0036】
したがって、運転者は、この他車提示図形42の表示より、他車が後方より自車の走行レーンの右側のレーンを走行して自車に近づいていることを直感的に把握することができる。
【0037】
ここで、以上の他車提示図形42の表示による提示対象他車の提示は昼間においても行う。また、昼間においても、表示された他車提示図形42が良好に運転者によって視認できるように、他車提示図形42の表示色は設定する。
【0038】
なお、図5a4に示すように、提示対象他車Wが後方より自車Sの走行レーンの右側のレーンを走行して自車に近づいてきて自車Sを追い越した場合、図5b4に示すように提示対象他車Wが運転者の視界内に侵入した時点で、この提示対象他車Wとなっていた他車は提示対象他車Wではなくなり、この他車についての他車提示図形42の表示は終了する。
【0039】
ただし、以上の動作は、表示制御装置4において、障害物検知装置3から通知された他車情報が示す他車の内、自車の前方の範囲に向かう方向を向いて、前方を向いた状態の運転者から見て表示領域51外に位置している他車を提示対象他車とするようにして行ってもよい。この場合には、提示対象他車Wが運転者から見て表示領域51内に侵入した時点で、この提示対象他車Wとなっていた他車は提示対象他車Wではなくなり、この他車についての他車提示図形42の表示は終了する。
【0040】
また、以上の動作は、表示制御装置4において、障害物検知装置3から通知された他車情報が示す他車の内、自車の前方の範囲に向かう方向に移動している、前方を向いた状態の運転者の視界外に位置している他車、または、障害物検知装置3から通知された他車情報が示す他車の内、自車の前方の範囲に向かう方向に移動している、前方を向いた状態の運転者から見て表示領域51外に位置している他車も、提示対象他車に含めて行ってもよい。
【0041】
このようにすることにより、自車の前方の範囲に後進(バック)で向かっている他車についても、他車提示図形で、その存在を運転者に提示することができる。
ところで、このような自車の走行レーンと隣接するレーンを後続走行、または、並行走行している提示対象他車についての他車提示図形42の表示は、図6に示すように、自車と提示対象他車との距離が小さくなるにつれて他車提示図形42が大きくなるように行ってもよい。
【0042】
すなわち、図6a1に示すように、提示対象他車Wが自車Sの右側のレーンを自車Sの後方において走行しており、自車Sから提示対象他車Wまでの距離が比較的大きいときには、図6b1に示すように他車提示図形42を小さなサイズで表示し、図6a2に示すように、提示対象他車Wが自車Sの右側のレーンを自車Sの後方において走行しており、自車Sから提示対象他車Wまでの距離が比較的小さいときには、図6b2に示すように他車提示図形42を中位のサイズで表示し、図6a3に示すように、提示対象他車Wが自車Sの右側のレーンを自車Sと併走しているときには、図6b3に示すように、他車提示図形42を大きなサイズで表示するようにしてもよい。
【0043】
また、このような自車の走行レーンと隣接するレーンを後続走行、または、並行走行している提示対象他車についての他車提示図形42の表示は、自車と提示対象他車との距離に応じて他車提示図形42の表示色を変化させるようにしてもよい。すなわち、たとえば、他車提示図形42の表示色を、自車と提示対象他車との距離が近づくにつれて緑(または青)から赤に変化させるようにしてもよい。
【0044】
次に、表示制御装置4は、自車の走行レーンと同じレーンを後続走行している提示対象他車については、自車の走行レーンの前方を向いた運転者の視界に入る部分が、後方より照明されているようすを表すように、前照灯光模擬図形41から他車提示図形42を作成しヘッドアップディスプレイ5に表示する。また、表示制御装置4は、提示対象他車から自車までの距離が、より近いほど、自車の走行レーンの、より前方の部分まで、後方より照明されているようすを表すように他車提示図形42を表示する。
【0045】
すなわち、図7a1に示すように、提示対象他車Wが自車Sと同じレーンを自車Sの後方において走行しており、自車Sから提示対象他車Wまでの距離が比較的大きいときには、図7b1に示すように、自車Sの走行レーンの自車Sより前方の部分のうちの、自車Sに比較的近い部分だけが後方より照明されているようすを表すように、前照灯光模擬図形41から他車提示図形42を作成しヘッドアップディスプレイ5に表示する。
【0046】
また、図7a2に示すように、提示対象他車Wが自車Sと同じレーンを自車Sの後方において走行しており、自車Sから提示対象他車Wまでの距離が比較的小さいときには、図7b2に示すように、自車Sの走行レーンの自車Sより前方の部分のうちの、自車Sから前方に遠い部分まで後方より照明されているようすを表すように、前照灯光模擬図形41から他車提示図形42を作成しヘッドアップディスプレイ5に表示する。
【0047】
このような他車提示図形42の表示によれば、自車の同じレーンを自車後方において走行している他車の存在や、他車までの距離や、他車の接近などを、運転者は他車提示図形42の表示より直感的に把握することができるようになる。
【0048】
なお、このような自車の走行レーンと同じレーンを後続走行している提示対象他車についての他車提示図形42の表示も、自車と提示対象他車との距離が小さくなるにつれて他車提示図形42が大きくなるように行ったり、自車と提示対象他車との距離に応じて他車提示図形42の表示色を変化させるようにしてもよい。
【0049】
次に、表示制御装置4は、自車の前方の範囲に向かう方向を向いて、自車の左右方向に位置している提示対象他車については、自車の前方の路面が提示対象他車が位置する方向側から照明されているようすを表すように、前照灯光模擬図形41から他車提示図形42を作成しヘッドアップディスプレイ5に表示する。また、表示制御装置4は、提示対象他車から自車までの距離が、より近いほど、提示対象他車が位置する方向と反対側により進んだ部分まで、提示対象他車が位置する方向側から照明されているようすを表すように他車提示図形42を表示する。
【0050】
すなわち、たとえば、図8a1に示すように、自車Sの右方から自車Sの前方の範囲方向に向かっている提示対象他車Wが存在し、提示対象他車Wまでの距離が比較的大きい場合には、図8b1に示すように、自車Sの前方の路面のうちの、運転者から見てヘッドアップディスプレイ5の表示領域51の右端に重なる地点から少し左に進んだ位置まで、右方より照明されているようすを表すように、前照灯光模擬図形41から他車提示図形42を作成しヘッドアップディスプレイ5に表示する。
【0051】
また、図8a2に示すように、自車Sの右方から自車Sの前方の範囲方向に向かっている提示対象他車Wが存在し、提示対象他車Wまでの距離が比較的小さい場合には、図8b2に示すように、自車Sの前方の路面のうちの、運転者から見てヘッドアップディスプレイ5の表示領域51の右端に重なる地点から大きく左に進んだ位置まで、右方より照明されているようすを表すように、前照灯光模擬図形41から他車提示図形42を作成しヘッドアップディスプレイ5に表示する。
【0052】
このような他車提示図形42の表示によれば、自車に左右から近づいてくる他車の存在や、他車までの距離や、他車の接近などを、運転者は他車提示図形42の表示より直感的に把握することができるようになる。
【0053】
なお、このような自車に左右から接近する提示対象他車についての他車提示図形42の表示も、自車と提示対象他車との距離が小さくなるにつれて他車提示図形42が大きくなるように行ったり、自車と提示対象他車との距離に応じて他車提示図形42の表示色を変化させるようにしてもよい。
【0054】
ところで、以上のような他車提示図形42の表示において、他車提示図形42の表示は、提示対象他車の向き、または、移動方向に応じた向きで行うようにしてもよい。
すなわち、たとえば、図9a1に示すように、提示対象他車Wが自車Sの走行レーンの右側のレーンを使って自車Sを追い越して、自車Sの走行レーンに戻るために自車Sの走行レーン方向にレーンに対して斜めに進行しているときには、図9b1に示すように、自車の前方の路面が、提示対象他車Wの進行方向と反対方向側から提示対象他車Wの進行方向に向かって照明されているようすを表すように、前照灯光模擬図形41から他車提示図形42を作成しヘッドアップディスプレイ5に表示するようにしてもよい。
【0055】
また、表示制御装置4において、提示対象他車の向き/移動方向の変更を予測し、予測した変更後の向き/移動方向に応じた向きで他車提示図形42の表示を行うようにしてもよい。この場合における、提示対象他車の向き/移動方向の変更の予測は、カメラで撮影した画像から他車のウインカの点滅状態を検出して、点滅している方向に提示対象他車が向き/移動方向を変更すると予測したり、周辺監視システムに車車間通信装置を設けると共に、車車間通信で他車から向き/移動方向の変更の予告を受信し、受信した予告が示す向き/移動方向に提示対象他車が向き/移動方向を変更すると予測する事などより行う。
【0056】
また、以上のような表示制御装置4のヘッドアップディスプレイ5の表示の制御においては、必ずしも、常時、運転者の視界外の他車の全てを提示対象他車とせずに、予め定めた条件に従って定まる運転者に提示する優先度が高い運転者の視界外の他車のみを提示対象他車とするようにしてもよい。
【0057】
すなわち、たとえば、図9a2に示すように、自車Sの後方に、他車の間をすり抜けて自車Sに接近してきている自動二輪車が存在する場合には、この自動二輪車の接近を運転者に明確に提示することが優先されるので、この自動二輪車のみを提示対象他車Wとして、図9b2に示すように前照灯光模擬図形41から他車提示図形42を作成しヘッドアップディスプレイ5に表示するようにしてもよい。
【0058】
以上、表示制御装置4のヘッドアップディスプレイ5の表示を制御する動作について説明した。
次に、表示制御装置4の電子ミラー用ディスプレイ6への表示を制御する動作について説明する。
表示制御装置4は、常時、カメラ1で撮影した画像から、自動車の左右方向中央位置から自車後方を観察したようすを表す画像である後方画像を生成し電子ミラー用ディスプレイ6に表示する。
【0059】
また、表示制御装置4は、障害物検知装置3から通知された他車情報が示す他車の内、後方画像の撮影範囲の外に位置する、自車の後方の範囲に向かう方向を向いている他車を提示対象後方他車として、提示後方他車の種類に対応する前照灯光模擬図形41を加工して後方他車提示図形を生成し、後方他車提示図形を、後方画像に重畳する形態で電子ミラー用ディスプレイ6に表示することにより運転者に提示対象後方他車の存在を提示する。
【0060】
ここで、表示制御装置4は、自車の後方の路面が提示対象後方他車が位置する方向側から照明されているようすを表すように、前照灯光模擬図形41から後方他車提示図形を作成し電子ミラー用ディスプレイ6に表示する。また、表示制御装置4は、提示対象後方他車から自車までの距離が、より近いほど、提示対象後方他車が位置する方向と反対側により進んだ部分まで、提示対象後方他車が位置する方向側から照明されているようすを表すように他車提示図形42を表示する。
【0061】
すなわち、たとえば、図10a1に示すように自車Sの右側後方に自車Sの後方の範囲の方向に向かって来る提示対象後方他車BWが存在し、提示対象後方他車BWまでの距離が比較的大きい場合には、図10b1に示すように、自車Sの後方の後方画像に写り込む範囲内の路面が、提示対象後方他車BWの方向と反対方向に少し進んだ位置まで、提示対象後方他車BWの方向より照明されているようすを表すように、前照灯光模擬図形41から後方他車提示図形43を作成し電子ミラー用ディスプレイ6に後方画像に重畳させた形態で表示する。
【0062】
また、図10a2に示すように自車Sの右側後方に自車S方向に向かって来る提示対象後方他車BWが存在し、提示対象後方他車BWまでの距離が比較的小さい場合には、図10b2に示すように、自車Sの後方の後方画像に写り込む範囲内の路面が、提示対象後方他車BWの方向と反対方向大きく進んだ位置まで、提示対象後方他車BWの方向より照明されているようすを表すように、前照灯光模擬図形41から後方他車提示図形43を作成し電子ミラー用ディスプレイ6に後方画像に重畳させた形態で表示する。
【0063】
このような他車提示図形42の表示によれば、自車の後方において左右から近づいてくる他車の存在や、他車までの距離や、他車の接近などを、運転者は後方他車提示図形43の表示より直感的に把握することができるようになる。
【0064】
なお、このような提示対象後方他車についての後方他車提示図形43の表示も、自車と後方提示対象他車との距離が小さくなるにつれて後方他車提示図形43が大きくなるように行ったり、自車と後方提示対象他車との距離に応じて後方他車提示図形43の表示色を変化させるようにしてもよい。
【0065】
また、このような提示対象後方他車についての後方他車提示図形43の表示も、提示対象他車の向き、または、移動方向に応じた向きで行うようにしてもよい。
また、他車情報が示す、後方画像の撮影範囲の外に位置する、自車の後方の範囲に向かう方向を向いている他車のうちに、他車の間をすり抜けて自車に接近してきている自動二輪車が存在する場合には、この自動二輪車のみを提示対象後方他車として、後方他車提示図形43の表示を行うようにしてもよい。
【0066】
以上、表示制御装置4の電子ミラー用ディスプレイ6への表示を制御する動作について説明した。
ところで、以上の動作は、表示制御装置4において、障害物検知装置3から通知された他車情報が示す他車の内、後方画像の撮影範囲の外に位置する、自車の後方の範囲に向かう方向に移動している他車も、提示対象後方他車に含めて行ってもよい。
【0067】
このようにすることにより、自車の後方の範囲に後進(バック)で向かっている他車についても。後方他車提示図形で、その存在を運転者に提示することができる。
また、以上の周辺監視システムには、自動車の側部の位置から後方を観察したようすを表す画像を表示する電子サイドミラー用ディスプレイを設けるようにしてもよい。
そして、この場合は、表示制御装置4は、電子サイドミラー用ディスプレイの表示の制御として、電子ミラー用ディスプレイ6への表示の制御と同様な制御を行う。すなわち、表示制御装置4は、常時、カメラ1で撮影した画像から、自動車の側部の位置から自車後方を観察したようすを表す画像であるサイド後方画像を生成し電子サイドミラー用ディスプレイに表示する。また、表示制御装置4は、上述した電子サイドミラー用ディスプレイの表示の制御において、後方画像をサイド後方画像に置換した動作を行って、電子サイドミラー用ディスプレイへの後方他車提示図形43の表示を行う。
【0068】
また、以上の周辺監視システムは、電子ミラー用ディスプレイ6に代えて、または、電子ミラー用ディスプレイ6と共にメータクラスタ内のディスプレイや、ダッシュボード中央に配置したディスプレイ等の他ディスプレイを設け、設けたディスプレイに、以上において電子ミラー用ディスプレイ6に行った表示と同様の表示を行うようにしてもよい。
【0069】
また、以上の周辺監視システムは、ヘッドアップディスプレイ5に代えて、または、ヘッドアップディスプレイ5と共にメータクラスタ内のディスプレイや、ダッシュボード中央に配置したディスプレイ等の他ディスプレイを設け、設けたディスプレイに、カメラ1で撮影した前方の映像を表示すると共に、当該映像に重畳して他車提示図形を、当該ディスプレイの表示より、以上に説明してきた前方の景色とヘッドアップディスプレイ5表示から運転者が視認するようすと同様のようすが視認されるように表示するようにしてもよい。
【0070】
また、以上の実施形態は、四輪自動車、自動二輪車、自転車に加え、パーソナルモビリティや自走式のロボットなどの任意の移動体を、他車提示図形や後方他車提示図形で存在を提示する対象として行うようにしてもよい。
【0071】
以上、本発明の実施形態について説明した。
【符号の説明】
【0072】
1…カメラ、2…レーダ、3…障害物検知装置、4…表示制御装置、5…ヘッドアップディスプレイ、6…電子ミラー用ディスプレイ、41…前照灯光模擬図形、42…他車提示図形、43…後方他車提示図形、51…表示領域。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
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図10