特開2019-219885(P2019-219885A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 日産自動車株式会社の特許一覧
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2019-219885(P2019-219885A)
(43)【公開日】2019年12月26日
(54)【発明の名称】運転支援方法及び運転支援装置
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/16 20060101AFI20191129BHJP
   B60T 7/12 20060101ALI20191129BHJP
【FI】
   G08G1/16 C
   B60T7/12 C
   B60T7/12 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
【全頁数】24
(21)【出願番号】特願2018-116464(P2018-116464)
(22)【出願日】2018年6月19日
(71)【出願人】
【識別番号】000003997
【氏名又は名称】日産自動車株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】507308902
【氏名又は名称】ルノー エス.ア.エス.
【氏名又は名称原語表記】RENAULT S.A.S.
(74)【代理人】
【識別番号】100103850
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 秀▲てつ▼
(74)【代理人】
【識別番号】100114177
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 龍
(74)【代理人】
【識別番号】100066980
【弁理士】
【氏名又は名称】森 哲也
(72)【発明者】
【氏名】青木 元伸
(72)【発明者】
【氏名】平松 真知子
【テーマコード(参考)】
3D246
5H181
【Fターム(参考)】
3D246DA01
3D246EA02
3D246EA18
3D246GB30
3D246GC16
3D246HA03A
3D246HA08A
3D246HA13A
3D246HA86A
3D246HB11A
3D246HB12A
3D246HB18A
3D246HB24A
3D246HC07
3D246JA02
3D246JB11
5H181AA01
5H181BB04
5H181BB05
5H181CC03
5H181CC04
5H181CC14
5H181FF04
5H181FF13
5H181FF14
5H181FF22
5H181FF25
5H181FF27
5H181FF32
5H181LL01
5H181LL02
5H181LL04
5H181LL06
5H181LL09
5H181LL11
(57)【要約】
【課題】自車両の前方の障害物をスムーズに追い越すことができる運転支援方法を提供する。
【解決手段】自車両が走行する自車線上において自車両の前方の障害物を検出し(S11)、自車両が障害物を追い越すために自車線に隣接する隣接車線に進入する際に、自車線の幅方向における障害物の隣接車線側の端部が、自車線と隣接車線との境界よりも隣接車線側に有るか否かを判定し(S12)、端部が隣接車線側に有ると判定された場合、端部を基準に障害物の手前における自車両の停車位置を決定し(S13)、端部が隣接車線側に無いと判定された場合、境界を基準に停車位置を決定する(S14)。
【選択図】図11
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自車両が走行する自車線上において前記自車両の前方の障害物を検出し、
前記自車両が前記障害物を追い越すために前記自車線に隣接する隣接車線に進入する際に、前記自車線の幅方向における前記障害物の前記隣接車線側の端部が、前記自車線と前記隣接車線との境界よりも前記隣接車線側に有るか否かを判定し、
前記障害物の隣接車線側の端部が前記境界よりも隣接車線側に有ると判定された場合、前記障害物の隣接車線側の端部を基準に前記障害物の手前における前記自車両の停車位置を決定し、
前記障害物の隣接車線側の端部が前記境界よりも隣接車線側に無いと判定された場合、前記境界を基準に前記停車位置を決定する
ことを特徴とする運転支援方法。
【請求項2】
前記障害物の隣接車線側の端部が前記境界よりも隣接車線側に有ると判定された場合には、前記自車線の幅方向において前記自車両の隣接車線側の端部が、前記障害物の隣接車線側の端部と一致する位置もしくは前記障害物の隣接車線側の端部よりも所定距離だけ前記自車線寄りとなる位置を前記停車位置として決定することを特徴とする請求項1に記載の運転支援方法。
【請求項3】
前記障害物の隣接車線側の端部が前記境界よりも隣接車線側に無いと判定された場合には、前記自車線の幅方向において前記自車両の隣接車線側の端部が、前記境界と一致する位置もしくは前記境界よりも所定距離だけ前記自車線寄りとなる位置を前記停車位置として決定することを特徴とする請求項1に記載の運転支援方法。
【請求項4】
前記障害物の隣接車線側の端部が前記境界よりも隣接車線側に無いと判定された場合には、前記自車線の幅方向において前記自車両の隣接車線側の端部が、前記境界よりも所定距離だけ前記自車線寄りあってかつ、前記障害物の隣接車線側の端部よりも隣接車線側となる位置を前記停車位置として決定することを特徴とする請求項3に記載の運転支援方法。
【請求項5】
前記境界を示す車線境界線が有る道路において、前記障害物の隣接車線側の端部が前記車線境界線よりも前記隣接車線側に有るか否かを判定することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の運転支援方法。
【請求項6】
前記境界を示す車線境界線の無い道路において、前記道路上に仮想的に前記車線境界線を設定し、
前記道路の前記仮想的な車線境界線よりも前記自車両が走行する側の領域を仮想的に前記自車線として設定し、
前記道路の前記仮想的な車線境界線を挟んで前記仮想的な自車線とは反対側の領域を仮想的に前記隣接車線として設定する
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の運転支援方法。
【請求項7】
前記障害物の隣接車線側の端部が前記仮想的な車線境界線よりも前記仮想的な隣接車線側に有るか否かを判定し、
前記障害物の隣接車線側の端部が前記仮想的な隣接車線側に有ると判定された場合、前記障害物の隣接車線側の端部を基準に前記停車位置を決定し、
前記障害物の隣接車線側の端部が前記仮想的な隣接車線側に無いと判定された場合、前記仮想的な車線境界線を基準に前記停車位置を決定する
ことを特徴とする請求項6に記載の運転支援方法。
【請求項8】
前記仮想的な車線境界線を基準にして前記停車位置を決定する場合、前記車線境界線が有る道路において前記車線境界線を基準にして前記停車位置を決定する場合よりも、前記停車位置の横位置を前記仮想的な隣接車線から離れる方向にオフセットすることを特徴とする請求項7に記載の運転支援方法。
【請求項9】
前記停車位置は、前記隣接車線である対向車線を対向車両が接近し、前記自車両が前記対向車両とすれ違う場合に前記自車両が減速して通過する位置として用いることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の運転支援方法。
【請求項10】
前記障害物の隣接車線側の端部を基準に前記停車位置を決定する場合、前記境界を基準に前記停車位置を決定する場合よりも、前記停車位置の縦位置を前記障害物から離して設定することを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の運転支援方法。
【請求項11】
前記障害物が前記自車線上に複数存在する場合、前記複数の障害物のうちの前記障害物の隣接車線側の端部が最も前記隣接車線側に有る前記障害物の隣接車線側の端部が、前記境界よりも前記隣接車線側に有るか否かを判定することを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の運転支援方法。
【請求項12】
自車両が走行する自車線上において前記自車両の前方の障害物を検出するセンサと、
前記自車両が前記障害物を追い越すために前記自車線に隣接する隣接車線に進入する際に、前記自車線の幅方向における前記障害物の前記隣接車線側の端部が、前記自車線と前記隣接車線との境界よりも前記隣接車線側に有るか否かを判定し、前記端部が前記隣接車線側に有ると判定された場合、前記端部を基準に前記障害物の手前における前記自車両の停車位置を決定し、前記端部が前記隣接車線側に無いと判定された場合、前記境界を基準に前記停車位置を決定するコントローラ
とを備えることを特徴とする運転支援装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、運転支援方法及び運転支援装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、自車両の前方の駐車車両の位置に応じて自車両の停車位置を設定し、停車位置で停止後の追い越し走行をしやすくする車両用走行制御装置が知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016−112911号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の車両用走行制御装置では、駐車車両が右寄りに停車している場合には自車両の停車位置が左寄りに設定される。このため、停車位置で停止した自車両から見て対向車両が駐車車両の死角に入り、追い越し判断が困難となると共に、駐車車両を回避するための操舵量も大きくなる。この結果、駐車車両をスムーズに追い越すことができない場合がある。
【0005】
本発明は、自車両の前方の障害物をスムーズに追い越すことができる運転支援方法及び運転支援装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る運転支援方法及び運転支援装置は、自車両が走行する自車線上において自車両の前方の障害物を検出し、自車両が障害物を追い越すために自車線に隣接する隣接車線に進入する際に、自車線の幅方向における障害物の隣接車線側の端部が、自車線と隣接車線との境界よりも隣接車線側に有るか否かを判定し、端部が隣接車線側に有ると判定された場合、端部を基準に障害物の手前における自車両の停車位置を決定し、端部が隣接車線側に無いと判定された場合、境界を基準に停車位置を決定することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、自車両の前方の障害物をスムーズに追い越すことができる運転支援方法及び運転支援装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の第1実施形態に係る運転支援装置の一例を示すブロック図である。
図2】本発明の第1実施形態に係る運転支援装置が適用される運転シーンの一例を示す概略図である。
図3】本発明の第1実施形態に係るコントローラの一例を示すブロック図である。
図4】本発明の第1実施形態に係る運転支援装置の横位置決定処理の一例を示す概略図である。
図5】本発明の第1実施形態に係る運転支援装置の横位置決定処理の一例を示す概略図である。
図6】本発明の第1実施形態に係る運転支援装置の横位置決定処理の一例を示す概略図である。
図7】本発明の第1実施形態に係る運転支援装置の縦位置決定処理の一例を示す概略図である。
図8】本発明の第1実施形態に係る運転支援装置の縦位置決定処理の一例を示す概略図である。
図9】本発明の第1実施形態に係る運転支援装置の停止処理の一例を示す概略図である。
図10】本発明の第1実施形態に係る運転支援装置の停止処理の一例を示す概略図である。
図11】本発明の第1実施形態に係る運転支援方法の一例を示すフローチャートである。
図12】本発明の第2実施形態に係るコントローラの一例を示すブロック図である。
図13】本発明の第2実施形態に係る運転支援装置が適用される運転シーンの一例を示す概略図である。
図14】本発明の第2実施形態に係る運転支援装置の仮想境界線設定処理の一例を示す概略図である。
図15】本発明の第2実施形態に係る運転支援装置の横位置決定処理の一例を示す概略図である。
図16】本発明の第2実施形態に係る運転支援装置の横位置決定処理の一例を示す概略図である。
図17】本発明の第2実施形態に係る運転支援方法の一例を示すフローチャートである。
図18】本発明のその他の実施形態に係る運転支援装置が適用される運転シーンの一例を示す概略図である。
図19】本発明のその他の実施形態に係る運転支援装置が適用される運転シーンの一例を示す概略図である。
図20】本発明のその他の実施形態に係る運転支援装置が適用される運転シーンの一例を示す概略図である。
図21】本発明のその他の実施形態に係る運転支援装置が適用される運転シーンの一例を示す概略図である。
図22】本発明のその他の実施形態に係る運転支援装置が適用される運転シーンの一例を示す概略図である。
図23】本発明のその他の実施形態に係る運転支援装置が適用される運転シーンの一例を示す概略図である。
図24】本発明のその他の実施形態に係る運転支援装置が適用される運転シーンの一例を示す概略図である。
図25】本発明のその他の実施形態に係る運転支援装置が適用される運転シーンの一例を示す概略図である。
図26】本発明のその他の実施形態に係る運転支援装置が適用される運転シーンの一例を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下において、図面を参照して、本発明の第1及び第2実施形態を説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を貼付している。但し、図面は模式的なものである。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された請求項が規定する技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。
【0010】
(第1実施形態)
(運転支援装置)
本発明の第1実施形態に係る運転支援装置は、例えば車両に搭載される(以下、本発明の実施形態に係る走行支援装置が搭載される車両を「自車両」という)。本発明の第1実施形態に係る運転支援装置は、自車両が走行経路に従って走行するように自動で運転する自動運転と、自車両が走行経路に従って走行するように運転者に対して促す案内とを、運転支援として実行可能である。自動運転は、乗員(運転者)が関与せずに自車両の駆動、制動及び操舵のすべての制御を実行する場合を含み、自車両の駆動、制動及び操舵の少なくとも1つの制御を行う場合も含む。自動運転は、先行車追従制御、車間距離制御、車線逸脱防止制御等であってもよい。
【0011】
本発明の第1実施形態に係る運転支援装置1は、図1に示すように、周囲センサ群10、ナビゲーションシステム20、車両センサ群30、コントローラ40、走行制御装置50及びアクチュエータ群51を備える。
【0012】
周囲センサ群10は、自車両の周囲環境、例えば自車両の周囲の物体を検出するセンサ群である。周囲センサ群10は、例えば自車両が走行する自車線上において自車両の前方の障害物を検出する。周囲センサ群10は、測距装置11とカメラ12を含んでよい。測距装置11とカメラ12は、自車両周囲に存在する物体、自車両と物体との相対位置、自車両と物体との距離等の自車両の周囲環境を検出する。測距装置11は、例えば、レーザレンジファインダ(LRF)やレーダであってよい。カメラ12は、例えばステレオカメラであってよい。カメラ12は、単眼カメラであってもよく、単眼カメラにより複数の視点で同一の物体を撮影して、物体までの距離を計算してもよい。測距装置11とカメラ12は、検出した周囲環境の情報である周囲環境情報をコントローラ40へ出力する。
【0013】
ナビゲーションシステム20は、自車両の現在位置と、その現在位置における道路地図情報を認識する。ナビゲーションシステム20は、乗員が入力した目的地までの走行経路を設定し、この走行経路に従って乗員に経路案内を行う。ナビゲーションシステム20は、設定した走行経路の情報をコントローラ40へ出力する。自車両の走行状態が自動運転モードである場合、コントローラ40は、ナビゲーションシステム20が設定した走行経路に沿って走行するように自車両を自動で運転する。
【0014】
ナビゲーションシステム20は、ナビコントローラ21、測位装置22、地図データベース(DB)23、表示部24、操作部25、音声出力部26及び通信部27を備える。ナビコントローラ21は、ナビゲーションシステム20の情報処理動作を制御する電子制御ユニット(ECU)である。ナビコントローラ21は、プロセッサとその周辺部品とを含む。プロセッサは、例えばCPU(Central Processing Unit)、やMPU(Micro-Processing Unit)であってよい。周辺部品には記憶装置等が含まれる。記憶装置は、半導体記憶装置、磁気記憶装置及び光学記憶装置のいずれかを備えてよい。記憶装置は、レジスタ、キャッシュメモリ、主記憶装置として使用されるROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等のメモリを含んでよい。
【0015】
測位装置22は、自車両の現在位置を測定する。測位装置22は、例えばGPS(Global Positioning System)受信器であってよい。また測位装置22は、GLONASS(Global Navigation Satellite System)等の他の衛星測位システムの衛星信号に基づいて自車両の現在位置を測定してもよい。また測位装置22は、慣性航法装置であってもよい。
【0016】
地図データベース23は、道路地図データを記憶している。道路地図データは、道路線種、道路形状、勾配、車線数、法定速度(制限速度)、道幅、優先道路を指定する優先規制、一時停止などを指定する停止規制、合流地点の有無等に関する情報を含む。道路線種には、例えば一般道路と高速道路が含まれる。
【0017】
表示部24は、ナビゲーションシステム20において様々な視覚的情報を出力する。例えば、表示部24には、自車両周囲の地図画面や推奨経路の案内を表示してよい。操作部25は、ナビゲーションシステム20において乗員の操作を受け付ける。操作部25は、例えばボタン、ダイヤル、スライダなどであってよく、表示部24に設けられたタッチパネルであってもよい。例えば操作部25は、乗員による目的地の入力操作や、表示部24の表示画面の切り替え操作を受け付けてよい。
【0018】
音声出力部26は、ナビゲーションシステム20において様々な音声情報を出力する。音声出力部26は、設定した走行経路に基づく運転案内や、自車両周囲の道路地図データに基づく道路案内情報を出力してよい。通信部27は、自車両の外部の通信装置との間で無線通信を行う。通信部27による通信方式は、例えば公衆携帯電話網による無線通信や、車車間通信、路車間通信、又は衛星通信であってよい。ナビゲーションシステム20は、通信部27によって外部装置から道路地図データを取得してもよい。
【0019】
車両センサ群30は、自車両の走行状態を検出するセンサと、運転者により行われた運転操作を検出するセンサとを含む。自車両の走行状態を検出するセンサには、車速センサ31と、加速度センサ32と、ジャイロセンサ33が含まれる。車速センサ31は、自車両の車輪速を検出し、車輪速に基づいて自車両の速度を算出する。加速度センサ32は、自車両の前後方向の加速度、車幅方向の加速度及び上下方向の加速度を検出する。ジャイロセンサ33は、ロール軸、ピッチ軸及びヨー軸を含む3軸回りの自車両の回転角度の角速度を検出する。
【0020】
運転操作を検出するセンサには、操舵角センサ34と、アクセルセンサ35と、ブレーキセンサ36が含まれる。操舵角センサ34は、操舵操作子であるステアリングホイールの現在の回転角度(操舵操作量)である現在操舵角を検出する。アクセルセンサ35は、自車両のアクセル開度を検出する。例えばアクセルセンサ35は、自車両のアクセルペダルの踏み込み量をアクセル開度として検出する。ブレーキセンサ36は、運転者によるブレーキ操作量を検出する。例えばブレーキセンサ36は、自車両のブレーキペダルの踏み込み量をブレーキ操作量として検出する。
【0021】
車両センサ群30の各センサが検出した自車両の速度、加速度、角速度、操舵角、アクセル開度、ブレーキ操作量の情報を総称して「車両情報」と表記する。車両センサ群30は車両情報をコントローラ40へ出力する。
【0022】
コントローラ40は、自車両の運転支援を行うECUである。コントローラ40は、プロセッサ41と、記憶装置42等の周辺部品とを含む。プロセッサ41は、例えばCPUやMPUであってよい。記憶装置42は、半導体記憶装置、磁気記憶装置及び光学記憶装置のいずれかを備えてよい。記憶装置42は、レジスタ、キャッシュメモリ、主記憶装置として使用されるROM及びRAM等のメモリを含んでよい。なお、汎用の半導体集積回路中に設定される機能的な論理回路でコントローラ40を実現してもよい。例えば、コントローラ40はフィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)等のプログラマブル・ロジック・デバイス(PLD)等を有していてもよい。
【0023】
コントローラ40は、周囲センサ群10から入力した周囲環境情報と、車両センサ群30から入力した車両情報とに基づいて、ナビゲーションシステム20により設定された走行経路を自車両に走行させる走行軌道を生成する。コントローラ40は、生成した走行軌道を走行制御装置50へ出力する。周囲センサ群10、ナビゲーションシステム20、車両センサ群30及びコントローラ40により、自車両に走行させる走行軌道を生成する走行軌道生成装置2を構成することができる。
【0024】
走行制御装置50は、自車両の走行制御を行うECUである。走行制御装置50は、プロセッサと、記憶装置等の周辺部品とを含む。プロセッサは、例えばCPUやMPUであってよい。記憶装置は、半導体記憶装置、磁気記憶装置及び光学記憶装置のいずれかを備えてよい。記憶装置は、レジスタ、キャッシュメモリ、主記憶装置として使用されるROM及びRAM等のメモリを含んでよい。なお、汎用の半導体集積回路中に設定される機能的な論理回路で走行制御装置50を実現してもよい。例えば、走行制御装置50はFPGA等のPLD等を有していてもよい。走行制御装置50は、コントローラ40が生成した走行軌道を自車両が走行するようにアクチュエータ群51を駆動して自動的に自車両を走行させる。
【0025】
アクチュエータ群51は、コントローラ40からの制御信号に応じて、自車両のステアリングホイール、アクセル開度及びブレーキ装置を操作して、自車両の車両挙動を発生させる。アクチュエータ群51は、ステアリングアクチュエータ52と、アクセル開度アクチュエータ53と、ブレーキ制御アクチュエータ54を備える。ステアリングアクチュエータ52は、自車両のステアリングの操舵方向及び操舵量を制御する。アクセル開度アクチュエータ53は、自車両のアクセル開度を制御する。ブレーキ制御アクチュエータ54は、自車両のブレーキ装置の制動動作を制御する。
【0026】
ここで、図2を参照して、本発明の第1実施形態に係る運転支援装置1が適用される運転シーンを説明する。図2に示すように、片側1車線道路において、自車両71が自車線L1上で停止し、自車線L1に隣接する隣接車線(対向車線)L2を対向車両72が接近している。自車両71の右側前部には、図1に示した周囲センサ群10に含まれるセンサ74が搭載されている。自車線L1上の自車両71の前方には障害物70が存在し、障害物70が車線境界線(中心線)L0を越えて対向車線L2にはみ出している。障害物70を回避するため、自車両71は対向車線L2に進入し、障害物70を追い越す必要がある。
【0027】
ここで、図2に示すように、自車両71が障害物70の手前において、自車線L1の幅方向において中央付近の位置で停止する場合を考える。この場合、自車両71のセンサ74から見て対向車両72が障害物70の死角A1に入り、追い越し判断が困難になると共に、障害物70を回避するための自車両71の操舵量が大きくなる。この結果、障害物70をスムーズに追い越すことができない場合がある。これに対して、本発明の第1実施形態に係る運転支援装置1は、障害物70の手前における自車両71の停車位置を適切に設定し、障害物70をスムーズに追い越すことを可能とするものである。
【0028】
図1に示した本発明の第1実施形態に係る運転支援装置1のコントローラ40は、図3に示すように、境界線検出部61、障害物検出部62、停止判定部63、障害物端比較部64、横位置決定部65、縦位置決定部66及び軌道生成部67を備える。境界線検出部61、障害物検出部62、停止判定部63、障害物端比較部64、横位置決定部65、縦位置決定部66及び軌道生成部67の機能は、例えばコントローラ40のプロセッサ41が、記憶装置42に格納されたコンピュータプログラムを実行することによって実現されてよい。
【0029】
境界線検出部61は、周囲センサ群10から出力される周囲環境情報と、ナビゲーションシステム20から出力される道路地図データを受信する。境界線検出部61は、周囲環境情報及び道路地図データ等から、自車両が走行中の自車線(走行車線)と、自車線と隣接する隣接車線との車線境界線(白線)を検出し、車線境界線の位置等の情報を境界線情報として取得する。
【0030】
例えば図4に示すように、片側1車線道路において、自車両71が自車線L1上を走行し、自車線L1に隣接する隣接車線(対向車線)L2を対向車両72が接近している。図4において自車両71及び対向車両72に付した矢印は進行方向を示している。境界線検出部61は、自車線L1と対向車線L2との車線境界線(中心線)L0を検出する。
【0031】
障害物検出部62は、周囲センサ群10から出力される周囲環境情報を受信する。障害物検出部62は、周囲環境情報から、自車両71が走行する自車線上で、且つ自車両71の進路前方に存在する障害物を検出(特定)し、障害物の位置等の情報を障害物情報として取得する。本明細書において「障害物」とは、自車両が回避すべき回避対象であり、例えば乗用車や大型トラック、二輪車等の駐車中、停車中、減速中の車両や、車両以外の静止物体、又は道路の規定車速に対して低速の移動体を含む。車両以外の静止物体は、道路上の工事現場等の仮設物や落下物を含む。低速の移動体は、自転車、歩行者、動物を含む。障害物検出部62は、例えば図4に示した運転シーンにおいて、自車線L1上で且つ自車両71の前方の障害物70を特定する。
【0032】
停止判定部63は、境界線検出部61により取得された境界線情報と、障害物検出部62により取得された障害物情報に基づき、自車両が自車線上の障害物を回避するために、自車両が障害物の手前における停止又は減速(徐行)が必要か否かを判定する。停止判定部63は、例えば図4に示した運転シーンにおいて、自車両71が障害物70と自車線L1の幅方向において所定の間隔で自車線L1内を走行して追い越すことが不可能であり、対向車線L2に進入して障害物70を追い越す必要がある場合には、自車両71が障害物70の手前における停止又は減速が必要であると判定する。一方、障害物70が更に小さく、自車両71が障害物70と自車線L1の幅方向において所定の間隔で自車線L1内を走行して追い越すことが可能な場合には、自車両71が障害物70の手前における停止又は減速は不要と判定する。
【0033】
また、図5に示すように、自車線L1上の障害物70が車線境界線L0を越えて対向車線L2まではみ出している場合が想定される。この場合も、自車両71が対向車線L2に進入して障害物70を追い越す必要があるため、自車両71が障害物70の手前における停止又は減速が必要であると判定する。また、図6に示すように、自車線L1上の障害物70が左に寄らずに、車線境界線L0を越えて対向車線L2まではみ出している場合が想定される。この場合も、自車両71が対向車線L2に進入して障害物70を追い越す必要があるため、自車両71が障害物70の手前における停止又は減速が必要であると判定する。
【0034】
障害物端比較部64は、停止判定部63により自車両が障害物の手前における停止又は減速が必要と判定された場合に、障害物検出部62により検出された障害物の自車線の幅方向における車線境界線側の端部と、境界線検出部61により検出された車線境界線とを比較する。そして、障害物端比較部64は、障害物の車線境界線側の端部が、車線境界線より対向車線側にあるか否か(換言すれば、障害物の車線境界線側の端部が、車線境界線を越えて対向車線にはみ出しているか否か)を判定する。
【0035】
障害物端比較部64は、例えば図4に示した運転シーンにおいては、自車線L1上の障害物70の右側端部の位置P1が対向車線L2にはみ出しておらず、車線境界線L0より左側(自車線L1側)にあると判定する。一方、図5及び図6に示した運転シーンにおいては、障害物端比較部64は、自車線L1上の障害物70の右側端部の位置P1が対向車線L2まではみ出しており、車線境界線L0より右側(対向車線L2側)にあると判定する。
【0036】
横位置決定部65は、障害物端比較部64による比較結果に応じて、自車両の停車位置の横位置(自車線L1の幅方向の位置)を決定する。自車両の停車位置は、自車両が障害物を回避すべく対向車線に進入する前に、障害物の手前において自車両が停止する位置である。或いは、自車両の停車位置は、自車両が徐行(減速)して通過する位置であってもよい。
【0037】
例えば図4に示したように、障害物70の右側端部の位置P1が車線境界線L0より左側にある場合は、横位置決定部65は、車線境界線L0を基準に停車位置の横位置を決定する。例えば、横位置決定部65は、自車両71の右側端部又はセンサ74の横位置が車線境界線L0と一致するように停車位置の横位置を決定してもよい。或いは、横位置決定部65は、自車両71の右側端部又はセンサ74の横位置が車線境界線L0よりも所定の距離だけ自車線L1寄り(左側)となるように停車位置の横位置を決定してもよい。なお、自車両71の右側端部又はセンサ74の横位置が車線境界線L0よりも所定の距離だけ自車線L1寄り(左側)となるように停車位置の横位置を決定する場合、自車両71の右側端部又はセンサ74の横位置は障害物70の右側端部の位置P1よりも車線境界線L0側の位置となるように停車位置を決定することが望ましい。すなわち、自車両71の右側端部又はセンサ74の横位置は、車線境界線L0から自車線側に所定距離の位置であって且つ、障害物70の右側端部の位置P1から車線境界線L0の間であることが望ましい。
【0038】
一方、図5及び図6に示したように、障害物70の右側端部の位置P1が車線境界線L0より右側にある場合は、横位置決定部65は、障害物70の右側端部の位置P1を基準に停車位置の横位置を決定する。例えば、横位置決定部65は、自車両71の右側端部又はセンサ74の横位置が障害物70の右側端部の位置P1と一致するように停車位置の横位置を決定してもよい。或いは、横位置決定部65は、自車両71の右側端部又はセンサ74の横位置が障害物70の右側端部の位置P1よりも所定の距離だけ自車線L1寄り(左側)となるように停車位置の横位置を決定してもよい。なお、自車両71の右側端部又はセンサ74の横位置が障害物70の右側端部の位置P1よりも所定の距離だけ自車線L1寄り(左側)となるように停車位置の横位置を決定する場合、自車両71の右側端部又はセンサ74の横位置は車線境界線L0よりも対向車線L2側の位置となるように停車位置を決定することが望ましい。すなわち、自車両71の右側端部又はセンサ74の横位置は、障害物70の右側端部の位置P1から自車線側に所定距離の位置であって且つ、車線境界線L0から障害物70の右側端部の位置P1の間であることが望ましい。
【0039】
縦位置決定部66は、障害物端比較部64による比較結果及び横位置決定部65により決定された停車位置の横位置に応じて、自車両の停車位置の縦位置(自車線L1の進行方向の位置)を決定する。例えば、縦位置決定部66は、横位置決定部65により決定された停車位置の横位置に基づき、所定の舵角で障害物を回避可能な距離だけ障害物から離間するように停車位置の縦位置を決定する。或いは、縦位置決定部66は、障害物端比較部64による比較結果及び横位置決定部65により決定された停車位置の横位置に依存せず、障害物から予め設定された所定の距離だけ離間するように停車位置の縦位置を決定してもよい。
【0040】
例えば図7に示すように、障害物70の右側端部の位置P1が車線境界線L0より左側にある場合は、縦位置決定部66は、障害物70から所定の距離D2だけ手前に縦位置P2を決定する。縦位置決定部66は、障害物70の右側端部の位置P1と車線境界線L0との距離D1が小さいほど、障害物70と縦位置P2の距離D2が大きくなるように縦位置P2を決定してもよい。或いは、縦位置決定部66は、自車両71の左側端部と、障害物70の右側端部の位置P1の距離が小さいほど、障害物70と縦位置P2の距離D2が小さくなるように縦位置P2を決定してもよい。
【0041】
一方、図8に示すように、障害物70の右側端部の位置P1が車線境界線L0より右側にある場合は、縦位置決定部66は、障害物70から所定の距離D2だけ手前に縦位置P2を決定する。ここで、縦位置決定部66は、図8に示すように、障害物70の右側端部の位置P1が車線境界線L0より右側にある場合の距離D2が、図7に示すように、障害物70の右側端部の位置P1が車線境界線L0より左側にある場合の距離D2よりも大きくなるように縦位置P2を決定する。
【0042】
また、自車両の駆動、制動及び操舵の少なくとも1つの制御を行う自動運転(完全自動運転)時の障害物70と縦位置P2の距離D2が、乗員が関与せずに自車両の駆動、制動及び操舵のすべての制御を実行する自動運転(運転支援)時の障害物70と縦位置P2の距離D2よりも小さくなるように縦位置P2を決定してもよい。完全自動運転時には、センサ74により対向車両72を検出できればよいが、運転支援時には運転者の視界を確保することも必要となる。そこで、運転支援時の縦位置P2をより後方に決定することにより、運転者の視界を確保し易くなる。
【0043】
軌道生成部67は、周囲センサ群10から出力される周囲環境情報、ナビゲーションシステム20から出力される道路地図データ及び走行経路、車両センサ群30から出力される車両情報等に基づいて、自車両に走行させる走行軌道を生成する。軌道生成部67は、横位置決定部65により決定された停車位置の横位置と、縦位置決定部66により決定された停車位置の縦位置に基づいて、自車両が障害物の手前の停車位置に到達するための走行軌道を生成する。軌道生成部67は、車両センサ群30から出力される車両情報等に基づいて、自車両が停車位置で停止したり、停車位置を減速して通過したりするための速度のプロファイルを含むように走行軌道を生成してもよい。軌道生成部67は、生成した走行軌道を走行制御装置50へ出力する。
【0044】
軌道生成部67は、例えば図7に示すように、障害物70の右側端部の位置P1が車線境界線L0より左側にある場合に、横位置決定部65により決定された、車線境界線L0に相当する横位置と、縦位置決定部66により決定された縦位置P2とで構成される停車位置まで到達するための走行軌道T1を生成する。また、軌道生成部67は、図8に示すように、障害物70の右側端部の位置P1が車線境界線L0より右側にある場合に、横位置決定部65により決定された、障害物70の右側端部の位置P1に相当する横位置と、縦位置決定部66により決定された縦位置P2とで構成される停車位置まで到達するための走行軌道T1を生成する。
【0045】
走行制御装置50は、軌道生成部67により生成された走行軌道に基づき、自車両71を停車位置まで走行させる。走行制御装置50は、例えば図7に示すように障害物70の右側端部の位置P1が車線境界線L0より左側にある場合に、軌道生成部67により生成された走行軌道T1に基づき、図9に示すように、自車両71を停車位置まで走行させる。自車両71が車線境界線L0に寄っているため、センサ74の死角A1を小さくすることができ、対向車両72を検出し易く、追い越し判断をし易くなる。更に、障害物70を回避するための操舵量も低減することができる。
【0046】
また、走行制御装置50は、例えば図8に示すように障害物70の右側端部の位置P1が車線境界線L0より右側にある場合に、軌道生成部67により生成された走行軌道T1に基づき、図10に示すように、自車両71を停車位置まで走行させる。図10に示すように、自車両71が車線境界線L0を越えて障害物70の右側端部の位置P1付近に寄っているため、センサ74の死角A1を小さくすることができ、対向車両72を検出し易く、追い越し判断をし易くなる。更に、障害物70を回避するための操舵量も低減することができる。
【0047】
更に、図10に示した障害物70の右側端部の位置P1が車線境界線L0より右側にある場合の距離D2が、図9に示した障害物70の右側端部の位置P1が車線境界線L0より左側にある場合の距離D2よりも大きい。このため、センサ74の死角A1をより小さくすることができ、対向車両72を検出し易く、追い越し判断をし易くなる。更に、対向車線L2に進入する際の操舵量も低減することができる。
【0048】
(運転支援方法)
次に、図11のフローチャートを参照しながら、本発明の第1実施形態に係る運転支援方法の一例を説明する。ステップS11において、境界線検出部61は、周囲センサ群10から出力される周囲環境情報等から、自車両71が走行する自車線と、自車線と隣接する隣接車線との車線境界線を検出する。障害物検出部62は、周囲センサ群10から出力される周囲環境情報等から、自車両71が走行する自車線上で、且つ自車両71の進路前方に存在する障害物を検出する。停止判定部63は、境界線検出部61により検出された車線境界線と、障害物検出部62により検出された障害物に基づき、自車線上の障害物を回避するために自車両71が自車線を走行不可能であり、対向車線L2に進入して障害物70を追い越す必要があると判断する。
【0049】
ステップS12において、障害物端比較部64は、障害物検出部62により検出された障害物の端部と、境界線検出部61により検出された車線境界線とを比較し、障害物の端部が車線境界線より対向車線側にあるか否か(換言すれば、障害物の端部が対向車線にはみ出しているか否か)を判定する。例えば、図4図6に示した運転シーンでは、障害物端比較部64は、障害物70の右側端部の位置P1が車線境界線L0より対向車線L2側(右側)にあるか否かを判定する。
【0050】
ステップS12において障害物の端部が車線境界線より対向車線側に有る(障害物の端部が対向車線にはみ出している)と判定された場合、ステップS13に移行する。ステップS13において、横位置決定部65は、障害物の端部を基準に停車位置の横位置を決定する。一方、ステップS12において障害物の端部が車線境界線より対向車線側に無い(障害物の端部が対向車線にはみ出していない)と判定した場合、ステップS14に移行する。ステップS14において、横位置決定部65は、車線境界線を基準に停車位置の横位置を決定する。
【0051】
ステップS15において、縦位置決定部66は、ステップS12の障害物端比較部64による比較結果及びステップS13,S14で横位置決定部65により決定された停車位置の横位置に応じて、停車位置の縦位置を決定する。
【0052】
ステップS16において、軌道生成部67は、ステップS13,S14で横位置決定部65により決定された停車位置の横位置と、ステップS15で縦位置決定部66により決定された停車位置の縦位置とで構成される停車位置に到達するための走行軌道を生成する。走行制御装置50は、軌道生成部67により生成された走行軌道に基づき、自車両を停車位置まで走行させる。
【0053】
(第1実施形態の効果)
本発明の第1実施形態によれば、周囲センサ群10が、自車両が走行する自車線上において自車両の前方の障害物を検出する。障害物端比較部64が、自車両が障害物を追い越すために自車線に隣接する隣接車線に進入する際に、自車線の幅方向における障害物の隣接車線側の端部が、自車線と隣接車線との境界よりも隣接車線側に有るか否かを判定する。そして、障害物端比較部64により障害物の隣接車線側の端部が境界よりも隣接車線側に有ると判定された場合、横位置決定部65及び縦位置決定部66が、障害物の隣接車線側の端部を基準に停車位置を決定する。例えば、自車線の幅方向において自車両の隣接車線側の端部が、障害物の隣接車線側の端部と一致する位置もしくは障害物の隣接車線側の端部よりも所定距離だけ自車線寄りとなる位置を停車位置として決定する。一方、障害物端比較部64により障害物の隣接車線側の端部が境界よりも隣接車線側に無いと判定された場合、横位置決定部65及び縦位置決定部66が、自車線と隣接車線との境界を基準に障害物の手前における自車両の停車位置を決定する。例えば、自車線の幅方向において自車両の隣接車線側の端部が、自車線と隣接車線との境界と一致する位置もしくは自車線と隣接車線との境界よりも所定距離だけ自車線寄りとなる位置を停車位置として決定する。或いは、自車線の幅方向において自車両の隣接車線側の端部が、自車線と隣接車線との境界よりも所定距離だけ自車線寄りあってかつ、障害物の隣接車線側の端部よりも隣接車線側となる位置を停車位置として決定する。これにより、対向車両等の隣接車線を走行する他車両を妨害しない範囲で、自車両を隣接車線側に寄せることができる。このため、対向車線の見通しがよくなり、追い越し判断がし易くなると共に、追い越しのための操舵量も低減することができる。したがって、自車両の前方の障害物をスムーズに追い越すことができる。
【0054】
更に、自車線と隣接車線との境界を示す車線境界線が実際に有る道路においては、障害物端比較部64が、障害物の端部が実際の車線境界線よりも隣接車線側に有るか否かを判定する。これにより、自車線と隣接車線との境界を示す実際の車線境界線に基づき、適切に停車位置を決定することができる。
【0055】
更に、横位置決定部65及び縦位置決定部66により決定される停車位置は、隣接車線である対向車線を対向車両が接近し、自車両が対向車両とすれ違う場合に自車両が減速して通過する位置として用いてもよい。これにより、自車両が対向車両とのすれ違いを停止せずに行える場合も、追い越し判断がし易くなる。
【0056】
更に、縦位置決定部66は、障害物の端部を基準に停車位置を決定する場合には、車両境界線を基準に停車位置を決定する場合よりも、停車位置の縦位置を障害物から離して後ろ寄りに設定する。これにより、障害物の端部を基準に停車位置を決定する場合にも、障害物による死角を更に低減することができ、追い越し判断がし易くなると共に、障害物を回避するための操舵量も低減することができる。
【0057】
(第2実施形態)
(運転支援装置)
本発明の第2実施形態に係る運転支援装置は、図1に示した本発明の第1実施形態に係る運転支援装置1と基本的には同様の構成であり、重複した説明を省略する。本発明の第2実施形態に係る運転支援装置では、図12に示すように、コントローラ40が、境界線検出部61の代わりに仮想境界線設定部68を備える点が、第1実施形態に係る運転支援装置1と異なる。
【0058】
仮想境界線設定部68は、周囲センサ群10から出力される周囲環境情報と、ナビゲーションシステム20から出力される道路地図データ等に基づき、自車両が走行する道路について車線境界線(白線)の有無を判定する。仮想境界線設定部68は、自車両が走行する道路に車線境界線が無い場合、周囲センサ群10から出力される周囲環境情報と、ナビゲーションシステム20から出力される道路地図データに基づき、道路上の例えば道路幅の中央に仮想的な車線境界線(仮想境界線)を設定する。
【0059】
仮想境界線設定部68は、例えば図13に示すように、自車両71が車線境界線の無い道路L3を走行している場合、図14に示すように、道路L3の道路幅の中央に仮想境界線L4を設定する。仮想境界線設定部68は、仮想境界線L4で区切られた左右の領域のうち、自車両71が走行する側(左側)の領域を仮想的に自車線(仮想自車線)として設定すると共に、自車両71が走行する側とは反対側(右側)の領域を仮想的に隣接車線(仮想隣接車線)として設定する。障害物端比較部64は、仮想自車線上の障害物の仮想隣接車線側の端部が、仮想境界線よりも仮想隣接車線側に有るか否かを判定する。
【0060】
横位置決定部65は、障害物端比較部64の比較結果に基づき、停車位置の横位置を設定する。横位置決定部65は、例えば図15に示すように、障害物70の右側端部の位置P1が仮想境界線L4よりも仮想自車線側(左側)に有る場合、仮想境界線L4を基準として停車位置の横位置を決定する。この際、自車両71の右側端部が仮想境界線L4と一致するように停車位置の横位置を決定してもよい。或いは、自車両71の右側端部が仮想境界線L4よりも左側に所定の距離D3だけオフセットした横位置P3を停車位置の横位置として決定してもよい。一方、横位置決定部65は、図16に示すように、障害物70の右側端部の位置P1が仮想境界線L4よりも仮想隣接車線側(右側)に有る場合、障害物70の右側端部の位置P1を基準として停車位置の横位置を決定する。
【0061】
(運転支援方法)
次に、図17のフローチャートを参照しながら、本発明の第2実施形態に係る運転支援方法の一例を説明する。ステップS21において、仮想境界線設定部68は、自車両が走行する自車線と、自車線に隣接する隣接車線との境界を示す車線境界線の無い道路を走行している場合、周囲センサ群10から出力される周囲環境情報等に基づき、道路上に仮想境界線を設定する。仮想境界線設定部68は、仮想境界線よりも自車両が走行している側の領域を仮想自車線として設定し、仮想境界線を挟んで仮想自車線とは反対側の領域を仮想隣接車線として設定する。
【0062】
ステップS22において、障害物検出部62は、周囲センサ群10から出力される周囲環境情報等から、自車両が走行する仮想自車線上で、且つ自車両の進路前方に存在する障害物を検出する。停止判定部63は、仮想境界線設定部68により設定された仮想境界線と、障害物検出部62により検出された障害物情報に基づき、仮想自車線上の障害物を回避するために自車両が仮想自車線を走行不可能であり、仮想隣接車線に進入して障害物を追い越す必要があると判断する。
【0063】
ステップS23において、障害物端比較部64は、障害物検出部62により検出された障害物の端部と、仮想境界線設定部68により設定された仮想境界線とを比較して、障害物の端部が仮想境界線より仮想隣接車線側にあるか否かを判定する。例えば図15及び図16に示すように、障害物端比較部64は、仮想自車線上の障害物70の仮想隣接車線側の右側端部の位置P1が、仮想境界線L4よりも仮想隣接車線側(右側)に有るか否かを判定する。
【0064】
ステップS23において障害物の端部が仮想境界線より仮想隣接車線側にあると判定された場合、ステップS24に移行する。ステップS24において、横位置決定部65は、障害物の端部を基準に停車位置の横位置を決定する。一方、ステップS23において障害物の端部が仮想境界線より仮想自車線側にあると判定した場合、ステップS25に移行する。ステップS25において、横位置決定部65は、仮想境界線を基準に停車位置の横位置を設定する。ステップS26において、横位置決定部65は、設定した停車位置の横位置を、仮想隣接車線から離れる方向に所定の距離だけオフセットする。なお、ステップS26の手順は省略してもよい。
【0065】
ステップS27において、縦位置決定部66は、ステップS24,S26で横位置決定部65により決定された停車位置の横位置に応じて停車位置の縦位置を決定する。
【0066】
ステップS28において、軌道生成部67は、横位置決定部65により決定された停車位置の横位置と、縦位置決定部66により決定された停車位置の縦位置で構成される停車位置に自車両を到達させるための走行軌道を生成する。走行制御装置50は、軌道生成部67により生成された走行軌道に基づき、自車両を停車位置まで走行させる。
【0067】
(第2実施形態の効果)
本発明の第2実施形態によれば、周囲センサ群10が、自車両が走行する自車線上において自車両の前方の障害物を検出する。障害物端比較部64が、自車両が障害物を追い越すために自車線に隣接する隣接車線に進入する際に、自車線の幅方向における障害物の隣接車線側の端部が、自車線と隣接車線との境界よりも隣接車線側に有るか否かを判定する。そして、障害物端比較部64により障害物の端部が隣接車線側に有ると判定された場合、横位置決定部65及び縦位置決定部66が、障害物の端部を基準に停車位置を決定する。一方、障害物端比較部64により障害物の端部が隣接車線側に無いと判定された場合、横位置決定部65及び縦位置決定部66が、自車線と隣接車線との境界を基準に障害物の手前における自車両の停車位置を決定する。これにより、対向車両等の隣接車線を走行する他車両を妨害しない範囲で、自車両を隣接車線側に寄せることができる。このため、対向車線の見通しがよくなり、追い越し判断がし易くなると共に、追い越しのための操舵量も低減することができる。したがって、自車両の前方の障害物をスムーズに追い越すことができる。
【0068】
更に、仮想境界線設定部68が、自車線と隣接車線との境界を示す車線境界線の無い道路において、道路上に仮想境界線を設定する。更に、仮想境界線設定部68が、道路の仮想境界線よりも自車両が走行する側の領域を仮想自車線として設定し、道路の仮想境界線を挟んで仮想自車線とは反対側の領域を仮想隣接車線として設定する。これにより、実際の車線境界線が無い道路であっても、停止位置を適切に決定することができ、障害物を安全に追い越すことができる。
【0069】
更に、障害物端比較部64が、仮想自車線の幅方向における障害物の仮想隣接車線側の端部が、仮想境界線よりも仮想隣接車線側に有るか否かを判定する。障害物端比較部64により障害物の端部が仮想隣接車線側に有ると判定された場合、横位置決定部65及び縦位置決定部66は、障害物の端部を基準に停車位置を決定する。一方、障害物端比較部64により障害物の端部が仮想隣接車線側に無いと判定された場合、横位置決定部65及び縦位置決定部66は、仮想境界線を基準に停車位置を決定する。これにより、実際の車線境界線が無い道路であっても、対向車線の見通しがよくなり、停止後の追い越し判断がし易くなる。
【0070】
更に、実際の車線境界線が無く、仮想境界線を基準にして停車位置を決定する場合には、横位置決定部65は、実際の車線境界線を基準にして停車位置を決定する場合よりも、停車位置の横位置を仮想隣接車線から離れる方向にオフセットして設定する。これにより、車線境界線が無い道路において、対向車両等の他車両が仮想境界線を認識できず、他車両の挙動を予測し難い場合であっても、より安全な場所で停止することができる。
【0071】
なお、図12に示したコントローラ40が、図3に示した境界線検出部61を更に備えていてもよい。そして、境界線検出部61が、周囲センサ群10から出力される周囲環境情報や、ナビゲーションシステム20から出力される道路地図データ等から車線境界線を検出できない場合に、仮想境界線設定部68が仮想境界線を設定してもよい。
【0072】
(その他の実施形態)
上記のように、本発明は第1及び第2実施形態によって記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面は本発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替の実施形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
【0073】
例えば、本発明の第1及び第2実施形態では、自車両が左側通行の道路を例示したが、自車両が右側通行の道路にも適用可能である。この場合には左右逆で考えればよく、自車両の前方の障害物を回避するため、自車両は自車線の左側の隣接車線に進入することとなる。障害物端比較部64は、障害物の隣接車線側の端部として、障害物の左側端部が、車両境界線よりも隣接車線側に有るか否かを判定する。
【0074】
また、本発明の第1及び第2実施形態では、自車線の隣接車線が対向車線である場合を例示したが、図18に示すように、自車両71が走行する自車線L5と、自車線L5に隣接する隣接車線L6が同一進行方向である道路にも適用可能である。この場合、隣接車線L6を走行する他車両75の走行を妨害しないように、障害物70の手前に停止位置を設定する。図18に示すように障害物70の右側端部の位置P1が車線境界線L7よりも自車線L5側にある場合、横位置決定部65は、車線境界線L7を基準として停車位置の横位置を決定する。一方、図19に示すように、障害物70の右側端部の位置P1が車線境界線L7よりも対向車線L6側にある場合、横位置決定部65は、障害物70の右側端部の位置P1を基準として停車位置の横位置を決定する。
【0075】
また、本発明の第1及び第2実施形態では、道路が直線の場合を例示したが、図20に示すように、自車両71が右カーブを走行中でも同様に適用できる。図20に示すように、障害物70の右側端部の位置P1が車線境界線L0よりも自車線L1側にある場合、横位置決定部65は、車線境界線L0を基準として停車位置の横位置を決定する。この際、例えば自車両71の右側前部又はセンサ74が車線境界線L0上となるように停車位置を決定してもよい。一方、図21に示すように、障害物70の右側端部の位置P1が車線境界線L0よりも対向車線L2側にある場合、横位置決定部65は、障害物70の右側端部の位置P1を基準として停車位置の横位置を決定する。或いは、図22に示すように、自車両71の左側端部が障害物70の右側端部の位置P1と一致するように停車位置を決定してもよい。これにより、障害物70を回避し易くなる。
【0076】
また、図23に示すように、自車両71が左カーブを走行中でも同様に適用できる。図23に示すように、障害物70の右側端部の位置P1が車線境界線L0よりも自車線L1側にある場合、横位置決定部65は、車線境界線L0を基準として停車位置の横位置を決定する。一方、図24に示すように、障害物70の右側端部の位置P1が車線境界線L0よりも対向車線L2側にある場合、横位置決定部65は、障害物70の右側端部の位置P1を基準として停車位置の横位置を決定する。
【0077】
また、障害物が所定の範囲内で自車線上に複数存在する場合、複数の障害物のうちの端部が最も隣接車線側に有る障害物を判定対象として、障害物の端部が、自車線と隣接車線との境界よりも隣接車線側に有るか否かを判定する。例えば図25に示すように、障害物70,76が存在し、障害物76の右側端部が障害物70の右側端部よりも隣接車線L2側に有る場合、障害物76を比較対象として、障害物76の右側端部の位置P1と車線境界線L0とを比較する。図25に示すように、障害物76の右側端部の位置P1が車線境界線L0よりも自車線L1側に有る場合、車線境界線L0を基準として自車両71の停車位置の横位置を決定する。一方、図26に示すように、障害物76の右側端部の位置P1が車線境界線L0よりも対向車線L2側に有る場合、障害物76の右側端部の位置P1を基準として自車両71の停車位置の横位置を決定する。また、複数の障害物70,76のうち、自車両71に最も近い障害物70の手前に停止位置の縦位置を決定する。このように、複数の障害物70,76が有る場合でも、自車両71の停止位置を適切に決定することができるので、複数の障害物70,76による死角を減らすことができ、追い越し判断がし易くなる。
【0078】
このように、本発明は、ここで記載していない様々な実施形態等を含むことは勿論である。したがって、本発明の技術的範囲は上記の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。
【符号の説明】
【0079】
1…運転支援装置,2…走行軌道生成装置,10…周囲センサ群,11…測距装置,12…カメラ,20…ナビゲーションシステム,21…ナビコントローラ,22…測位装置,23…地図データベース,24…表示部,25…操作部,26…音声出力部,27…通信部,30…車両センサ群,31…車速センサ,32…加速度センサ,33…ジャイロセンサ,34…操舵角センサ,35…アクセルセンサ,36…ブレーキセンサ,40…コントローラ,41…プロセッサ,42…記憶装置,50…走行制御装置,51…アクチュエータ群,52…ステアリングアクチュエータ,53…アクセル開度アクチュエータ,54…ブレーキ制御アクチュエータ,61…境界線検出部,62…障害物検出部,63…停止判定部,64…障害物端比較部,65…横位置決定部,66…縦位置決定部,67…軌道生成部,68…仮想境界線設定部,70,76…障害物,71…自車両,72…対向車両,74…センサ,75…他車両
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26