特開2019-220062(P2019-220062A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2019-220062(P2019-220062A)
(43)【公開日】2019年12月26日
(54)【発明の名称】運転支援システム及び運転支援方法
(51)【国際特許分類】
   G05B 23/02 20060101AFI20191129BHJP
【FI】
   G05B23/02 301Y
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2018-118728(P2018-118728)
(22)【出願日】2018年6月22日
(71)【出願人】
【識別番号】000006208
【氏名又は名称】三菱重工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】特許業務法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】花田 聡
(72)【発明者】
【氏名】内海 正文
【テーマコード(参考)】
3C223
【Fターム(参考)】
3C223AA02
3C223AA03
3C223BA01
3C223BB08
3C223BB09
3C223CC01
3C223DD01
3C223FF13
3C223FF16
3C223FF17
3C223FF35
3C223FF42
3C223FF43
3C223GG01
3C223HH02
(57)【要約】
【課題】人的負荷を軽減し、運転員を適切に支援することで、運転品質の向上を図ることができる運転支援システム等を提供する。
【解決手段】原子力発電プラントの運転操作を行う運転員に対して支援情報を提供すると共に、原子力発電プラントから独立して設けられる運転支援システム10であって、支援情報を表示する表示部14と、原子力発電プラントの中央制御室100を撮影する撮影部15と、所定の事象であるか否かを判断するための判断情報と、判断情報に関連付けられた支援情報とを記憶する記憶部12と、撮影部15により撮影された撮影画像から得られる複数の取得情報と、記憶部12に記憶された判断情報とを比較した結果、所定の事象であると判断した場合、判断情報に関連付けられた支援情報を、表示部14に表示する制御部11とを備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラント設備の運転操作を行う運転員に対して支援情報を提供すると共に、前記プラント設備から独立して設けられる運転支援システムであって、
前記支援情報を表示する表示部と、
前記プラント設備を撮影する撮影部と、
所定の事象であるか否かを判断するための判断情報と、前記判断情報に関連付けられた前記支援情報とを記憶する記憶部と、
前記撮影部により撮影された所定の撮影タイミングにおける撮影画像から得られる複数の取得情報と、前記記憶部に記憶された前記判断情報とを比較した結果、所定の事象であると判断した場合、前記判断情報に関連付けられた前記支援情報を、前記表示部に表示する制御部と、を備えることを特徴とする運転支援システム。
【請求項2】
前記プラント設備は、前記プラント設備を制御するための中央制御室を有し、
前記撮影部は、前記中央制御室を撮影し、
前記記憶部は、複数の前記取得情報の組み合わせに関連付けて、前記判断情報を記憶しており、
前記制御部は、前記中央制御室の前記撮影画像から得られる複数の前記取得情報の組み合わせから、前記判断情報に基づいて、所定の事象を判断することを特徴とする請求項1に記載の運転支援システム。
【請求項3】
前記記憶部は、前記取得情報の経時的な変化に関連付けて、前記判断情報を記憶しており、
前記制御部は、前記撮影画像から得られる前記取得情報の経時的な変化から、前記判断情報に基づいて、所定の事象を判断することを特徴とする請求項1または2に記載の運転支援システム。
【請求項4】
前記判断情報は、異常事象であるか否かを判断するための第1判断情報と、前記異常事象以外の事象であるか否かを判断するための第2判断情報と、を含み、
前記制御部は、
前記取得情報と前記第1判断情報とを比較して、前記異常事象であるか否かを判断する第1判断処理と、
前記取得情報と前記第2判断情報とを比較して、前記異常事象以外の事象であるか否かを判断する第2判断処理と、を段階的に実行することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の運転支援システム。
【請求項5】
前記撮影部は、前記プラント設備を撮影する第1カメラと、前記運転員を撮影する第2カメラと、を有することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の運転支援システム。
【請求項6】
プラント設備から独立して設けられる運転支援システムにより実行され、前記プラント設備の運転操作を行う運転員に対して支援情報を提供する運転支援方法であって、
前記プラント設備を撮影する撮影部により撮影された所定の撮影タイミングにおける撮影画像を取得する画像取得工程と、
所定の事象であるか否かを判断するための判断情報を取得する判断情報取得工程と、
前記撮影画像から得られる複数の取得情報と前記判断情報とを比較する比較工程と、
前記比較工程において比較した結果、所定の事象であると判断した場合、前記判断情報に関連付けられた前記支援情報を取得する支援情報取得工程と、
取得した前記支援情報を、前記運転支援システムに設けられる表示部に表示する支援情報提供工程と、を備えることを特徴とする運転支援方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プラント設備の運転操作を行う運転員に対する支援を行う運転支援システム及び運転支援方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、運転支援システムとして、プラント設備の制御盤に設けられる警報窓を撮像し、撮像した警報窓に表示された複数の項目に対応する手順情報を表示する運転支援装置が知られている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2016/189954号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の運転支援装置では、警報窓から得られる情報に基づいて、手順情報等の情報を提供していることから、運転員を支援するために提供される支援情報が限定的なものとなる。つまり、プラント設備から広範な情報を得ることが難しいことから、運転員に対して様々な情報を提供することが困難である。このため、運転員は、プラント設備から得られる広範な情報に基づいて、プラント設備の運転状況を把握し、運転状況に応じた対策を適宜講じる必要がある。一方で、広範な情報に基づく判断は、運転員の習熟度に応じて判断に係る作業効率が異なることから、運転の品質を一定に保つことが難しいものとなり、また、広範な情報に基づく判断は、運転員に対する人的負荷が高いものとなっている。
【0005】
そこで、本発明は、人的負荷を軽減し、運転員を適切に支援することで、運転品質の向上を図ることができる運転支援システム及び運転支援方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の運転支援システムは、プラント設備の運転操作を行う運転員に対して支援情報を提供すると共に、前記プラント設備から独立して設けられる運転支援システムであって、前記支援情報を表示する表示部と、前記プラント設備を撮影する撮影部と、所定の事象であるか否かを判断するための判断情報と、前記判断情報に関連付けられた前記支援情報とを記憶する記憶部と、前記撮影部により撮影された所定の撮影タイミングにおける撮影画像から得られる複数の取得情報と、前記記憶部に記憶された前記判断情報とを比較した結果、所定の事象であると判断した場合、前記判断情報に関連付けられた前記支援情報を、前記表示部に表示する制御部と、を備えることを特徴とする。
【0007】
本発明の運転支援方法は、プラント設備から独立して設けられる運転支援システムにより実行され、前記プラント設備の運転操作を行う運転員に対して支援情報を提供する運転支援方法であって、前記プラント設備を撮影する撮影部により撮影された所定の撮影タイミングにおける撮影画像を取得する画像取得工程と、所定の事象であるか否かを判断するための判断情報を取得する判断情報取得工程と、前記撮影画像から得られる複数の取得情報と前記判断情報とを比較する比較工程と、前記比較工程において比較した結果、所定の事象であると判断した場合、前記判断情報に関連付けられた前記支援情報を取得する支援情報取得工程と、取得した前記支援情報を、前記運転支援システムに設けられる表示部に表示する支援情報提供工程と、を備えることを特徴とする。
【0008】
これらの構成によれば、プラント設備に対して改造または変更等を行うことなく、システムを構築することができるため、拡張性の高いシステムにできる。また、撮影部によりプラント設備全体を撮像することで、様々な取得情報を所定の撮影タイミングにおいて収集することができ、種々の取得情報に基づいて、運転員に対する様々な支援を適切に行うことが可能となる。特に、プラント設備を構成する各種装置が異なるメーカーであっても、撮影部によってプラント設備を撮像することにより、広範な取得情報を収集することが可能となる。そして、表示部に表示された支援情報を運転員が視認することで、支援情報に基づくプラント設備の運転操作を実行することが可能となり、運転員への人的負荷を軽減し、また、運転員によるプラント設備の運転品質の向上を図ることができる。また、撮影部により撮像した撮影画像を運転員が視認することで、他の運転員の動作を監視することが可能となる。なお、判断情報としては、異常事象を判断するための異常判断ロジック情報、過去の運転履歴(数値)に関する情報、過去の表示履歴(撮影画像)に関する情報等がある。また、取得情報としては、撮影画像の情報、撮影画像から画像認識によって抽出される運転データ等がある。さらに、支援情報としては、プラント設備の運転状態に関する情報、設計図面、予測運転情報、保守に関する情報等がある。
【0009】
また、前記プラント設備は、前記プラント設備を制御するための中央制御室を有し、前記撮影部は、前記中央制御室を撮影し、前記記憶部は、複数の前記取得情報の組み合わせに関連付けて、前記判断情報を記憶しており、前記制御部は、前記中央制御室の前記撮影画像から得られる複数の前記取得情報の組み合わせから、前記判断情報に基づいて、所定の事象を判断することが、好ましい。
【0010】
この構成によれば、複数の取得情報の組み合わせから、判断情報に基づいて、所定の事象を判断することで、一つの取得情報よりも、所定の事象を精度よく判断することが可能となる。
【0011】
また、前記記憶部は、前記取得情報の経時的な変化に関連付けて、前記判断情報を記憶しており、前記制御部は、前記撮影画像から得られる前記取得情報の経時的な変化から、前記判断情報に基づいて、所定の事象を判断することが、好ましい。
【0012】
この構成によれば、取得情報の経時的な変化から、判断情報に基づいて、所定の事象を判断することで、経時的に変化する所定の事象を捉えることが可能となる。
【0013】
また、前記判断情報は、異常事象であるか否かを判断するための第1判断情報と、前記異常事象以外の事象であるか否かを判断するための第2判断情報と、を含み、前記制御部は、前記取得情報と前記第1判断情報とを比較して、前記異常事象であるか否かを判断する第1判断処理と、前記取得情報と前記第2判断情報とを比較して、前記異常事象以外の事象であるか否かを判断する第2判断処理と、を段階的に実行することが、好ましい。
【0014】
この構成によれば、段階的な判断を経て、支援情報を提供することができるため、様々な事象に対する種々の支援情報を提供することが可能となる。
【0015】
また、前記撮影部は、前記プラント設備を撮影する第1カメラと、前記運転員を撮影する第2カメラと、を有することが、好ましい。
【0016】
この構成によれば、原子力設備の撮影と運転員の撮影とを、個別のカメラでそれぞれ撮影することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1図1は、本実施形態の運転支援システムが設置された原子力発電プラントを模式的に表す概略構成図である。
図2図2は、本実施形態の運転支援システムの構成図である。
図3図3は、本実施形態の運転支援方法の一例に関するフローチャートである。
図4図4は、本実施形態の運転支援方法の判断処理に関するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に、本発明に係る実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。さらに、以下に記載した構成要素は適宜組み合わせることが可能であり、また、実施形態が複数ある場合には、各実施形態を組み合わせることも可能である。
【0019】
[本実施形態]
本実施形態の運転支援システム及び運転支援方法は、例えば、原子力発電プラントや火力発電プラント等のプラント設備を運転操作する運転員を支援するシステム及び方法である。本実施形態では、プラント設備として、原子力発電プラントに適用して説明する。図1は、本実施形態の運転支援システムが設置された原子力発電プラントを模式的に表す概略構成図である。図1に示すように、運転支援システム10は、プラント設備として原子力発電プラントが適用される場合、原子力発電プラントの中央制御室100に設けられる。
【0020】
中央制御室100には、原子力発電プラントを制御するための制御盤101が設けられており、制御盤101には、アナログまたはデジタルな機器が設けられている。具体的に、制御盤101には、原子力発電プラントの運転状況を示すための各種プラントデータを表示する表示部104と、原子力発電プラントを運転操作するための操作部105とが設けられている。表示部104としては、例えば、各種計器104a、指示器104b、複数のランプ106を含む警報機104c、CRTモニタ104d及び液晶モニタ104e等が含まれる。また、操作部105としては、操作スイッチ、操作レバー、マウスやキーボード等の入力デバイスが含まれる。
【0021】
運転支援システム10は、原子力発電プラントとは独立して設けられたシステムとなっている。つまり、運転支援システム10は、原子力発電プラントの制御盤101に組み込まれたシステムではなく、既存の原子力発電プラントに対して、別体で取り付け可能なシステムとなっている。
【0022】
図2は、本実施形態の運転支援システムの構成図である。図2に示すように、運転支援システム10は、各種処理を実行可能な制御部11と、各種プログラムおよびデータを記憶する記憶部12と、キーボード等の入力デバイスで構成された操作部13と、モニタ等の表示デバイスで構成された表示部14と、原子力発電プラントを撮影する撮影部15と、を備えている。なお、運転支援システム10は、単体の装置で構成してもよいし、他の装置と一体に構成してもよいし、演算装置及びデータサーバ等の各種装置を組み合わせたシステムとして構成してもよく、特に限定されない。また、本実施形態では、操作部13と表示部14とが一体となったタッチパネルモニタ等の操作表示部として図示しているが、この構成に限定されない。
【0023】
撮影部15は、定点カメラ(第1カメラ)とアクティブカメラ(第2カメラ)とを含む複数のカメラを含んで構成されている。定点カメラは、制御盤101を含む中央制御室100の全体を撮影するカメラであり、例えば、中央制御室100の天井に固定され、撮影する領域が固定された状態となっている。アクティブカメラは、制御盤101を操作する運転員P1を追従して撮影するカメラであり、例えば、中央制御室100の天井に固定され、運転員P1を含むように撮影する領域が可動される。撮影部15は、撮影した撮影画像を制御部11へ向けて出力する。
【0024】
記憶部12は、例えば、データサーバであり、後述する判断処理の実行時において用いられる判断情報、及び運転員を支援するための支援情報が記憶されている。判断情報及び支援情報は、適宜関連付けられて予め記憶されている。判断情報は、原子力発電プラントに発生する事象を判断するための情報であり、制御盤101の表示部104の表示形態と所定の事象とを関連付けた情報を含んでいる。表示部104の表示形態は、後述する撮影画像から抽出される取得情報により取得可能となっており、例えば、警報機104cに設けられるランプ106の点灯パターンの組み合わせ、または指示器104bの指示値の組み合わせ等がある。また、判断情報は、取得情報の経時的な変化と所定の事象とを関連付けた情報を含んでいる。さらに、判断情報は、原子力発電プラントに異常事象が発生しているか否かを判断するための異常判断ロジック情報(第1判断情報ともいう)と、異常事象以外の事象が発生しているか否かを判断する情報(第2判断情報ともいう)とを含んでいる。第2判断情報としては、例えば、過去の運転履歴に関する情報、及び過去の撮影画像に関する情報を含んでいる。なお、判断情報は、原子力発電プラントに発生する事象を判断するための情報であれば、いずれの情報であってもよく、特に限定されない。支援情報は、運転員に提供する情報であり、原子力発電プラントの運転状態に関する情報、原子力発電プラントの設計図面、原子力発電プラントの予測運転情報、原子力発電プラントの保守に関する情報等がある。
【0025】
制御部11は、例えば、CPU(Central Processing Unit)等の集積回路を含む演算装置であり、各種プログラムに従って各種処理を実行する。各種プログラムとしては、例えば、撮影部15により撮像した撮影画像に含まれる情報を抽出するためのプログラム、後述する判断処理を実行するためのプログラム等がある。また、制御部11は、撮影部15により撮影された撮影画像の情報、撮影画像から画像認識によって抽出される運転データの情報を、取得情報として取得している。
【0026】
ここで、図3及び図4を参照して、運転支援システム10による運転支援方法に関する処理フローについて説明する。図3は、本実施形態の運転支援方法の一例に関するフローチャートである。図4は、本実施形態の運転支援方法の判断処理に関するフローチャートである。
【0027】
図3に示すように、運転支援システム10において、制御部11は、撮影部15の定点カメラ及びアクティブカメラにより撮像した撮影画像を取得する(ステップS11:画像取得工程)。画像取得工程S11では、定点カメラにおいて撮影した制御盤101を含む中央制御室100全体の撮影画像を取得すると共に、アクティブカメラにおいて撮影した運転員の撮影画像を取得する。このとき、取得した撮影画像には、所定の撮影タイミングであることを識別するためのタイムスタンプが付される。
【0028】
続いて、制御部11は、撮影画像を取得すると共に、撮影画像に対して画像処理を施して、撮影画像に含まれる情報を取得情報として抽出して取得する(ステップS12)。ステップS12では、撮影画像から複数の取得情報を取得しており、撮影画像には、タイムスタンプが付されていることから、取得した複数の取得情報は、所定の撮影タイミングにおいて取得したものとなる。また、複数の取得情報は、同時に撮影された画像から抽出されてもよい。ステップS12において撮影画像から抽出される取得情報としては、例えば、アナログ機器である計器の針が指し示す値、警報機104cに設けられる点灯するランプ106の情報、表示モニタに表示されるプラントデータの数値、操作部105に対する運転員P1の運転操作に関する情報等がある。警報機104cに設けられる点灯するランプ106の情報としては、ランプ106の警報色に関する情報、ランプ106の点灯タイミングに関する情報、ランプ106の点灯箇所に関する情報、ランプ106の点灯数に関する情報等がある。また、上記した各種値および情報の経時的な変化に関する情報等であってもよい。さらに、取得情報としては、撮影画像の画像情報であってもよい。つまり、取得情報は、撮影画像から得られる情報であれば、いずれの情報であってもよい。また、複数の取得情報は、同じ撮影タイミングで同時に取得してもよい。
【0029】
次に、制御部11は、記憶部12に記憶された判断情報を取得する(ステップS13:判断情報取得工程)。判断情報取得工程S13では、判断情報として、第1判断情報及び第2判断情報を取得する。
【0030】
そして、制御部11は、取得した取得情報と判断情報とを比較する判断処理を実行する(ステップS14:比較工程)。判断処理は、判断情報に対する取得情報の適合率(一致度)を判定することで、取得情報が判断情報に係る所定の事象であるか否かを判断している。なお、本実施形態では、適合率に基づいて、所定の事象であるか否かを判断しているが、この構成に限定されない。撮影画像から得られる取得情報に基づいて、原子力発電プラントの運転状況を判定可能な判断手法であれば、何れの判断手法であってもよい。
【0031】
ここで、比較工程S14は、図4に示すように段階的に実行される。図4に示すように、制御部11は、判断処理を実行すると、先ず、取得情報と第1判断情報とを比較して、異常事象であるか否かを判断する第1判断処理を実行する(ステップS21:第1判断処理ステップ)。具体的に、第1判断処理ステップS21では、異常判断ロジック情報に基づいて、取得情報から原子力発電プラントに異常事象が発生しているか否かを判断している。異常事象とは、原子力発電プラントの過渡的な変化であり、第1判断処理ステップS21を実行することで、異常事象を迅速に捉えることが可能となる。
【0032】
続いて、制御部11は、第1判断処理ステップS21の実行後、取得情報と第2判断情報とを比較して、異常事象以外の事象であるか否かを判断する第2判断処理を実行する(ステップS22:第2判断処理ステップ)。具体的に、第2判断処理ステップS22では、例えば、過去の運転履歴または過去の撮影画像に基づいて、取得情報から原子力発電プラントの現在の事象(運転状況)がいかなる事象であるか否かを判断している。異常事象以外の事象としては、例えば、原子力発電プラントに設けられる機器の保守が必要である旨の事象、原子力発電プラントに対する所定の運転操作が必要である旨の事象等があり、異常事象以外の事象であれば、いずれの事象であってもよい。
【0033】
制御部11は、比較工程S14の実行後、比較工程S14における判断処理において特定した異常事象及び異常事象以外の事象に基づいて、記憶部12から支援情報を取得する(ステップS15:支援情報取得工程)。支援情報取得工程S15では、比較工程S14において適合率の高い判断情報に関連付けられた支援情報を取得している。つまり、支援情報取得工程S15では、例えば、異常判断ロジック情報を含む第1判断情報に関連付けられた支援情報、つまり、異常判断ロジック情報に含まれる所定の異常事象に関連付けられた支援情報を取得している。同様に、支援情報取得工程S15では、例えば、第2判断情報に関連付けられた支援情報、つまり、過去の運転履歴等によって特定された所定の事象に関連付けられた支援情報を取得している。異常事象に関連付けられた支援情報、及び異常事象以外の事象に関連付けられた支援情報としては、原子力発電プラントの異常事象の警報、原子力発電プラントの運転操作に関する手順書、原子力発電プラントの設計図面等の各種情報が含まれる。
【0034】
そして、制御部11は、取得した支援情報を、表示部14に表示し(ステップS16:支援情報提供工程)、運転支援方法に関する処理を終了する。そして、表示部14に支援情報が表示されると、運転員は、支援情報を視認することで、支援情報に基づく原子力発電プラントの運転操作を実行することが可能となる。
【0035】
なお、制御部11は、図3及び図4に示す処理の他、取得した撮影画像から、運転員P1の運転操作に関する情報を取得情報として取得し、この情報を表示部14に支援情報と共に表示している。表示部14に、運転員P1の運転操作に関する情報を表示することで、運転員P1を管理する当直長(管理長)P2は、表示部14を視認することにより、運転員P1の運転操作を監視することが可能となる。
【0036】
以上のように、本実施形態によれば、運転支援システム10は、独立したシステムであることから、原子力発電プラントに対して改造または変更等を行うことなく、システムを構築することができるため、拡張性の高いシステムにできる。また、撮影部15により原子力発電プラントの中央制御室100全体を撮像することで、様々な取得情報を収集することができることから、種々の取得情報に基づいて、運転員に対する様々な支援を適切に行うことが可能となる。そして、表示部14に表示された支援情報を運転員が視認することで、支援情報に基づく原子力発電プラントの運転操作を実行することが可能となり、運転員への人的負荷を軽減し、また、運転員による原子力設備の運転品質の向上を図ることができる。
【0037】
また、本実施形態によれば、ランプ及び指示値等の複数の取得情報の組み合わせから、判断情報に基づいて、所定の事象を判断することで、一つの取得情報よりも、所定の事象を精度よく判断することが可能となる。
【0038】
また、本実施形態によれば、取得情報の経時的な変化から、判断情報に基づいて、所定の事象を判断することで、経時的に変化する所定の事象を捉えることが可能となる。
【0039】
また、本実施形態によれば、比較工程S14における判断処理において、段階的な判断を経て、支援情報を提供することができるため、様々な事象に対する種々の支援情報を提供することが可能となる。
【0040】
また、本実施形態によれば、定点カメラとアクティブカメラとを設けることで、中央制御室100の撮影と運転員の撮影とを、個別のカメラでそれぞれ撮影することができる。
【0041】
なお、本実施形態の運転支援システム10に、マイク等の音声取得部を接続してもよい。この構成によれば、取得情報として、撮影画像の他、音声を取得することができるため、より広範な取得情報を収集することができる。
【符号の説明】
【0042】
10 運転支援システム
11 制御部
12 記憶部
13 操作部
14 表示部
15 撮影部
100 中央制御室
101 制御盤
図1
図2
図3
図4