【解決手段】レストランを訪れる顧客の顔画像を捉え、該顔画像から特徴を抽出し、該顔画像から抽出した特徴を使って年齢、性別および民族属性を予測する顔認識システム1116と、インターネット1112経由で取得したイベント情報と、天候情報が含まれる環境情報と顧客に関する取引データの関連付けをして、データベースに格納するアルゴリズムを実行するサーバー1122を含む装置1000において、該アルゴリズムは選択基準に基づいて該データベースから該好ましい選択肢を選択するステップと該選択された好ましい選択肢を、該POSを経由して該携帯端末に転送するステップとを含む、ことを特徴とするレストランのメニューから好ましい選択肢を予測する装置。
少なくとも2台のカメラを含む顔認識システムであって、該2台のカメラの内、第1のカメラは、レストランを訪れる顧客の顔画像を捉えるように配置され、第2のカメラは該レストランを去る顧客の顔画像を捉えるように配置され、顧客の顔画像に基づいて、顧客の推定年齢と民族的属性を含む人口学的プロフィール作成するように構成された顔認識システムと、
携帯端末がリンクされたPOS(ポイントオブセールス)システムであって、該携帯端末は、顧客からの注文を入力でき、メニューからの好ましい選択肢を含む取引データを表示でき、該端末から入力した注文は該POSに転送できるように構成されたPOSシステムと、
アルゴルリズムを実行するサーバーとで構成されるレストランのメニューから好ましい選択肢を予測する装置であって、
該アルゴリズムは
該顔認識システムから該人口学的プロフィールを受信するステップと、
インターネット経由で関連するウェブサイトから天候情報とイベント情報を含む環境情報を取得するステップと、
該POSシステムから該顧客の該取引データを取得するステップと、
予め決められた時間内に該レストランに滞在する顧客からの料理のタイプを含む注文入力と、前記予め決められた時間内に該レストランに滞在する顧客の人口学的プロフィールと、天候情報とイベント情報を含む該環境情報などの関連のないデータを関連づけて該サーバーのデータベースに格納するステップと、
前記好ましい選択肢の数を狭めるために選択基準に基づいて該データベースから前記好ましい選択肢を選択するステップと、
前記選択された好ましい選択肢を、該POSを経由して該携帯端末に転送するステップと
からなる、ことを特徴とするレストランのメニューから好ましい選択肢を予測する装置。
少なくとも2台のカメラから構成される顔認識システムであって、該2台のカメラの内、第1のカメラは、レストランを訪れる顧客の顔画像を捉えるように配置され、第2のカメラは該レストランを去る顧客の顔画像を捉えるように配置され、顧客の顔画像に基づいて、顧客の推定年齢と民族的属性を含む人口学的プロフィール作成するように構成された顔認識システムと、
該レストラン内の温度を測定する、または音声信号を捉えるセンサーシステムと、
携帯端末がリンクされたPOS(ポイントオブセールス)システムであって、該携帯端末は、顧客からの注文を入力でき、メニューからの該好ましい選択肢を含む取引データを表示でき、該端末から入力した注文は該POSに転送できるように構成されたPOSシステムと、
アルゴルリズムを実行するサーバーとで構成されるレストランのメニューから好ましい選択肢を予測する装置であって、
該アルゴリズムは
該顔認識システムから該人口学的プロフィールを受信するステップと、
インターネット経由で関連のウェブサイトから天候情報とイベント情報を含む環境情報を取得するステップと、
該POSシステムから該顧客の該取引データを取得するステップと、
取得した該レストラン内の音声信号を解析するステップと
該音声信号を解析することによって該顧客の満足度を取得するステップと、
予め決められた時間内の顧客からの料理のタイプを含む注文入力と、前記予め決められた時間内に該レストランに滞在する顧客の人口学的プロフィールと、天候情報とイベント情報を含む該環境データなどの関連のないデータを関連づけて該サーバーのデータベースに格納するステップと、
該好ましい選択肢の数を狭めるために、選択基準に基づいて該データベースから該好ましい選択肢を選択するステップと、
該選択された好ましい選択肢を該レストラン内部または該レストランの外部に設置されたデジタル表示器に表示するステップと
からなる、ことを特徴とするレストランのメニューから好ましい選択肢を予測する装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の一つの目的は、上記に記述した現行技術の欠点を克服し、リアルタイム情報収集と状況アップデート技術、サービスAPIを介した環境データおよび顔認識を利用した個人特定データ収集技術、環境データを含む業務自動化技術、論理データ解析操作技術を利用したデジタル情報収集および解析方法ならびにその装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
大量の汎用データ(年齢、性別、時間など)を収集し、いかなる個人にも迅速に適用可能な知識バンクを作ることによってタイムリーに必要なマーケットデータを効率的に入手できることが可能となる。
【0009】
本発明の第1の態様は、顧客プロフィール、過去の取引データおよび環境情報を使って、メニューから顧客にとって好ましい選択肢を提示する装置と方法に関するものであり、以下の構成要素を含むことを特徴とするものである。すなわち
少なくとも2台のカメラを含む顔認識システムであって、該2台のカメラの内、第1のカメラは、レストランを訪れる顧客の顔画像を捉えるように配置され、第2のカメラは該レストランを去る顧客の顔画像を捉えるように配置され、顧客の顔画像に基づいて、顧客の推定年齢と民族的属性を含む人口学的プロフィール作成するように構成された顔認識システムと、
携帯端末がリンクされたPOS(ポイントオブセールス)システムであって、該携帯端末は、顧客からの注文を入力でき、メニューからの好ましい選択肢を含む取引データを表示でき、該端末から入力した注文は該POSに転送できるように構成されたPOSシステムと、
アルゴルリズムを実行するサーバーとで構成されるレストランのメニューから好ましい選択肢を予測する装置であって、
該アルゴリズムは
該顔認識システムから該人口学的プロフィールを受信するステップと、
インターネット経由で関連するウェブサイトから天候情報とイベント情報を含む環境情報を取得するステップと、
該POSシステムから該顧客の該取引データを取得するステップと、
予め決められた時間内に該レストランに滞在する顧客からの料理のタイプを含む注文入力と、前記予め決められた時間内に該レストランに滞在する顧客の人口学的プロフィールと、天候情報とイベント情報を含む該環境情報などの関連のないデータを関連づけて該サーバーのデータベースに格納するステップと、
該好ましい選択肢の数を狭めるために選択基準に基づいて該データベースから該好ましい選択肢を選択するステップと、
該選択された好ましい選択肢を、該POSを経由して該携帯端末に転送するステップと
からなる、ことを特徴とするレストランのメニューから好ましい選択肢を予測する装置。
【0010】
上記の態様によれば、各ステップはCPU上で動作するアルゴリズムによって、従業員の手を煩わせることなく、自動的に処理される。これらの処理の各ステップは過去には人間の手で処理されていたものである。このため、レストランの従業員は時間を節約することができ、顧客サービスにより多くの時間を使うことができる。これにより、販売効率を向上させ、レストランの活動を活発化させることができる。
【0011】
そのほかの本発明の態様は、メニューから顧客にとって好ましい選択肢を提示する装置と方法に関するものであり、以下の構成要素を含むことを特徴とするものである。すなわち、
少なくとも2台のカメラから構成される顔認識システムであって、該2台のカメラの内、第1のカメラは、レストランを訪れる顧客の顔画像を捉えるように配置され、第2のカメラは該レストランを去る顧客の顔画像を捉えるように配置され、顧客の顔画像に基づいて、顧客の推定年齢と民族的属性を含む人口学的プロフィール作成するように構成された顔認識システムと、
該レストラン内の温度を測定する、または音声信号を捉えるセンサーシステムと、
携帯端末がリンクされたPOS(ポイントオブセールス)システムであって、該携帯端末は、顧客からの注文を入力でき、メニューからの該好ましい選択肢を含む取引データを表示でき、該端末から入力した注文は該POSに転送できるように構成されたPOSシステムと、
アルゴルリズムを実行するサーバーとで構成されるレストランのメニューから好ましい選択肢を予測する装置であって、
該アルゴリズムは
該顔認識システムから該人口学的プロフィールを受信するステップと、
インターネット経由で関連のウェブサイトから天候情報とイベント情報を含む環境情報を取得するステップと、
該POSシステムから該顧客の該取引データを取得するステップと、
取得した該レストラン内の音声信号を解析するステップと
該音声信号を解析することによって該顧客の満足度を取得するステップと、
予め決められた時間内の顧客からの料理のタイプを含む注文入力と、前記予め決められた時間内に該レストランに滞在する顧客の人口学的プロフィールと、天候情報とイベント情報を含む該環境データなどの関連のないデータを関連づけて該サーバーのデータベースに格納するステップと、
該好ましい選択肢の数を狭めるために選択基準に基づいて該データベースから該好ましい選択肢を選択するステップと、
該選択された好ましい選択肢を該レストラン内部または該レストランの外部に設置されたデジタル表示器に表示するステップと
からなることを特徴とするレストランのメニューから好ましい選択肢を予測する装置。
【0012】
上記の態様によれば、メニューの中から、好ましい選択肢の宣伝が自動的にレストランの内あるいは外に設けられたデジタル表示器に従業員の手を煩わせることなく表示できる。この宣伝は、特定の顧客を狙って自動的になされるので、宣伝の正確性と効率が向上出来、これによってタイムリーに売り上げ向上が期待できる。
【発明を実施するための形態】
【0014】
レストランや小売店が店舗の利益と売上げを向上させるために使用するデジタル情報収集および解析方法ならびにその装置に関する本発明の実施例の詳細について、図面を参照して説明する。
【0015】
図1はデジタル情報収集および解析装置100のシステム構成を示したものである。デジタル情報収集および解析装置100はデータ収集サブシステム110、データ解析サブシステム120およびデータ利用サブシステム130からなる3個のサブシステムから構成されている。データ収集サブシステム110は、インターネット112を介して環境情報を取得し、POS(ポイントオブセールス)システム114を介して取引データを、そして、カメラ116を介して顧客の画像データを取得するように構成されている。環境情報は、気象データ、スポーツ、会議およびセミナー等のイベント情報や株価やインデックス等の経済情報などサードパーティーのウェブサイトからインターネット112を介して供給される情報を含む。POS(ポイントオブセールス)システム114は、デジタル情報収集および解析装置100にリンクしたPOS端末から取得する顧客の取引情報を提供するものである。カメラ116はお店を訪れる顧客の画像データを取るようにしてある。カメラ116は静止画を撮影するカメラまたは、動画を撮影するビデオカメラでもよい。
【0016】
データ解析サブシステム120はCPU(中央処理装置、図示せず)122を含み、CPU122上では、インターネット112経由でウェブサイトのデータ、POSシステム114およびカメラ116からのデータを取得しデータを解析するためのアルゴリズムの命令を実行するように構成されている。データ解析サブシステム120は上記のアルゴリズムを格納するメモリ、インターネット112経由で結ばれるウェブサイト、取引データを入力するためのPOSシステム114および顧客の画像を撮影するためのカメラ116との通信をおこなう通信インターフェースを含む。
【0017】
応用サブシステム130は解析サブシステム120で解析された解析データを使って、顧客への推奨と特定顧客への宣伝を行うアルゴリズムを実行する機能をもつ。応用サブシステム130と関連するアルゴリズムは、デジタル情報収集および解析装置100内のデータ解析サブシステム120にあるCPU122上で実行されるように設計されている。
【0018】
図2は本実施例におけるサードパーティーウェブサイトからインターネット112を介して取得できる内容を示したものである。環境情報は、気象情報を含み、この気象情報はサードパーティーウェブサイトから供給されるものである。このサードパーティーウェブサイトはウェブサービスAPI(アプリケーションプログラムインターフェース)を提供する。このウェブサービスAPIは、ユーザーが様々な方法によりインターネット経由でそのサービスを受けられるように設計されている。このウェブサイトでは、現在の気象情報、気象予測(晴天、雨および曇りなど)、気温および湿度などを提供する。環境情報は、さらに、レストラン近くで開催される、野球、フットボールなどのゲームや、音楽祭や交通情報など、サードパーティーウェブサイトで提供される情報を含む。これらのイベントはそのお店にとって多くの顧客が立ち寄る可能性を秘めている。大きなスポーツイベントの場合、ゲーム結果がスポーツバーやレストランに立ち寄る顧客数の影響をあたえる。このため、イベントの開催場所はそのレストランの近隣地区に限定されるものではない。例えば、ニューヨークで開催されたロスアンゼルスに関係するチームの試合の結果が、ロスアンゼルスのレストランやスポーツバーを訪れる可能性のある顧客数に影響を与える。さらに、環境情報には、株価格を含む経済情報も含まれる。
【0019】
POS(ポイントオブセールス)システム114はレストランに来店する顧客や顧客グループの取引データを提供する。取引データは、販売された商品の種類、販売された時間、商品の販売金額、販売価格、この取引での利益、顧客が着席したテーブルの番号、グループ顧客を含む顧客数および販売された商品とこれに関連して販売された商品などが含む。POSシステムにリンクしたPOS端末から取得されるこれらのデータは、クリテイカルでありまた、ビジネス上、重要な情報である。なぜなら、後述するが、これらのデータは、他の情報、例えば、環境情報、顧客顔認識情報を含む映像データから抽出した特徴などと関連付けられて顧客データベースに構成され、将来利用されるからである。本発明の一実施例では、これらのデータは顧客の傾向や振る舞いを分析するために利用されることもあり、これらの解析は顧客の満足度や売上げに関連する数値を向上させるためにも利用される。
【0020】
カメラ116はお店に来る顧客の顔画像を撮影するように配置されている。顔画像は、顧客の顔の特徴を含んでおり、この顔の特徴から、CPU122上で稼動する顔認識アルゴリズムによって、顧客の性別、年齢および顔の表情が、抽出、計算される。また、顧客が属する民族グループも、カメラ116によって撮影された顔画像から抽出された顔の特長から推定される。顔認識技術を使うことによって、各顧客のID、お店の中での顧客の追跡情報、お店での滞在時間、顧客の満足度などが顔の表情から計算され、求められる。本発明の一実施例におけるこれら顧客の鑑定処理は、顔画像を使用して顧客個人の個人情報を得る目的で行われるものではなく、顔の表情から、顧客の年齢、年齢グループおよび性別など推定し、顧客に対する推奨や、特定顧客を狙った宣伝などを行う場合に利用することが目的としていることを明記する。
【0021】
カメラ116で撮影された画像を使って、CPU122上で実行される顔認識アルゴリズムは自動的に、年齢、性別、満足度などを各々の顧客の顔の表情から推定し、さらに顧客グループの人数も推計される。顔認識アルゴリズムは、従業員、重要人物を撮影された画像から抜き取る機能も併せ持つ。複数のカメラが店内に配置され、これによって複数の場所から顧客の顔画像を撮影できるように構成されている。少なくとも、1台のカメラ116は店内の入り口に向けて配置され、さらに、1台のカメラ116は店内の方向を向けて配置される。これによって、顧客がお店を訪れたときと、お店を去るときの顧客の顔画像を撮影するように構成されている。しかし、目的とする顧客がカメラ方向以外の方向を向いていて、カメラは、顧客の顔画像を撮影できない場合も想定される。このため、顧客の顔画像を撮影するために、複数のカメラを店内の複数の場所に配置することを推奨する。カメラで撮影された各々の画像は、タイムスタンプが記録されるように構成されている。このため、このタイムスタンプを使って、顧客の最初のタイムスタンプと同じ顧客の最後のタイムスタンプを使って、顧客の滞在時間を計算することができる。発明者は、この方法によって得られた滞在時間は、本来の滞在時間とは多少異なるかもしれないが、顧客の滞在時間とみなしても問題ないと考えている。
【0022】
上述したとおり、カメラ116が配置された各々の場所から顧客の顔画像を撮影するとき、タイムスタンプが画像データに追加され、カメラ116で撮影された、同じ顔画像、または、充分に同じと推定される顧客を特定することで、顧客の来店時間とその顧客の帰る時間の差を求めることで、お店での滞在時間を求めることができる。さらに、喜んでいる表情、落ち込んでいる表情などの顧客の感情的な反応もメモリに保存されている顧客データベースを解析することで推定が可能である。この方法によって、顧客の満足度の度合いを得ることができる。
【0023】
顧客の満足度はCPU122上で動作する顔認識アルゴリズムを使って撮影された顔画像を分析することで推定ができる。顔認識アルゴリズムは静止画像やビデオ信号の各々のフレームでも動作するため、店内に設置するカメラは、静止画を撮影するカメラであっても、ビデオカメラであっても、または、その組み合わせでも良い。さらに、顧客の属する民族グループもカメラで撮影した顔画像から抽出した特徴を分析することで特定することができる。
【0024】
本実施例で、各顧客に割り振られたIDは匿名の名前であり、このIDはCPU122上で動作する顔認識アルゴリズムを使って、カメラ116で撮影された各顧客または、各顧客グループの各々に割りつけられている。年齢グループ、性別および顔の表情は、CPU122上で実行される顔認識アルゴリズムを使って、自動的に読み取られる。このため、カメラ116でその画像が撮影されたときに、時間データと共に、これらのデータは各顧客のIDと併せて、データ解析サブシステム120にあるメモリ(図示せず)に記録される。
【0025】
サードパーティーウェブサイトによって供給された環境情報、POSシステム114から供給された取引データおよびカメラ116で撮影された顧客、および、顧客グループの画像データはデータ解析サブシステム120に転送される。その後、CPU122上で実行するように設計されたアルゴリズムは、環境情報、取引データおよび画像データ間の数値的な相関ファクタを得るために解析される。
【0026】
別の言い方をすれば、CPU122で実行されるアルゴリズムは、データ解析サブシステムの中のメモリに格納されているデータベース内の顧客プロフィール(年齢、年齢グループ、性別)、環境情報、取引データとの関係で、ある事象、例えば、レストランのメニューから選択される物の確率分布を計算するものである。確率分布は、ある顧客プロフィールを有する顧客が、環境情報および過去の顧客の取引データとのかかわりの中で、ある好みの選択物をメニューから選択する確率を求めるものである。
【0027】
カメラ116によって撮影された顔認識データをPOSシステム114によって提供された取引データと関連付けるために、例えば、カメラ116をテーブル番号付きのテーブルの近くに配置させ、そのテーブルに着席した顧客を撮影する。テーブル番号はレストランの各々のテーブルにつけられている。例えば、従業員が顧客の注文を取るときに、テーブル番号を、注文書面に記録し、取引データとして使う。これにより、IDが付与された顔認識データは、対象の顧客が着席したテーブル番号を介してPOSデータとの関連付けがなされる。
【0028】
さらに、顧客が店に留まる時間は、顧客がレストランに入店した時と帰るときの顔画像上のタイムスタンプから求めることができる。入店時と帰る顧客の顔画像以外に、顧客が店に留まる時間は、その顧客の最初に撮影された顔画像のタイムスタンプと最後の顔画像のタイムスタンプからもとめられる。
【0029】
他の実施例においては、カメラ116がPOSシステムに組み込まれていて、POSデータとIDを割り振られた顔認識テータがPOSシステム114によって提供された取引データと関連づけられる。環境情報は、顧客がレストランに入店したときにカメラ116で撮影された顔画像によってトリガーされ、取得されるので、環境情報、IDが付与される顧客プロフィールを構成するために使用される顔認識データと取引データは各々自動的に関連づけられる。
【0030】
図3は デジタル情報収集および解析装置100で使用される顔認識システム300を図示したものである。この例では、カメラ310は二人の人の画像を撮影している。各々の人の撮影された顔画像の特徴を解析するための顔認識アルゴリズムは、データ解析サブシステム120(
図1参照)内のCPU112上で実行されるように構成されている。この顔認識アルゴリズムは年齢、年齢グループ、性別および満足度を、撮影時に追記された顔画像上のタイムスタンプとともにカメラ310で撮影された画像の顔の表情を使って推定する機能を有している。この例では、カメラ310は二人の人の写真をとっているが、二人に限定するものではなく、二人より多い複数の人間を対象としても問題ない。
【0031】
この例では、顔認識システム300の出力は、顧客の顔の要素に関連する特定なデータを使うことで、2人の人が含まれ、一人は年齢グループ30〜35歳、性別:男性、もう一人は、年齢グループ23〜28歳、性別:女性、画像が撮影された時間:午後6時35分のデータであることを示している。
【0032】
図4は顧客や顧客グループのデータ要素の基本コンセプトを示す。デジタル情報収集および解析装置100は、新たに発生したデータを蓄積、解析および、蓄積したデータを将来の使用に向けて修正する学習機能を実行するように構成されている。本発明の一実施例のデジタル情報収集および解析装置100は、蓄積されたデータを単に比較するものではなく、幅広なデータをより深く慎重に解析する点が、従来のものとの本発明による技術との基本的なちがいである。
【0033】
お店で求められる特定のニーズで求められる特定の市場情報を構築するためには、大量データが正しく解析されなければならない。このため、これに使われるアルゴリズムでは、大量のデータを取り込み、各データの関連性を規定しなければならない。
図4は、二つの顧客グループ400および460を図示する。両方の顧客グループ400および460は各々3名の顧客410〜412および470〜472によって構成されている。二つのグループはレストランに同じ時間データ450に入店している。カメラ310(
図3参照)は、すべての顧客の顔影像410〜412および470〜472を撮影している。データ要素420〜422および480〜482は各々の顧客の属する年齢グループである。データ要素430〜432および490〜492は各々の顧客が選択したメニューを表している。図示以外の取引がなされたときには、関係するデータは現時点での顧客データ、あるいは顧客グループのデータに追加され、データベースがアップデートされる。この例では、二つの顧客グループ400および460が同じ時間データ450で関連づけられる。これらのデータから、例えば、選択されたメニュー、各々の顧客が属する年齢グループとの相関値を計算で求めることができ、将来の市場情報として利用することができる。相関値はこれに限定されるものではない。例えば、選択されたメニュー、気象データ、気温データおよび湿度データも前述のアルゴリズムを使って計算することができる。
【0034】
最新のアルゴリズムによって求められる統計的に関連する情報と相互の関連性は、人間の想像をはるかに超えるものである。デジタル情報収集および解析装置100は上述したとおり、新たな情報を取り込み、変化する動向と新しい情報をアップデートするように構成されている。
【0035】
つぎに、本発明に関する自己学習アルゴリズムについて説明する。自己学習アルゴリズムはどのようなデータがデータベースに追加されるかに大きく依存するものである。本発明に関連する自己学習アルゴリズムの一例を示す。自己学習アルゴリズムが組み込まれたデジタル情報収集および解析装置100が設置されたレストランに、顧客あるいは顧客グループが立ち寄ったと仮定する。レストランの入り口に設置されたカメラ116は顧客(複数の顧客を含む)の顔画像を撮影する。さらに、時間データ、曜日、気温および湿度を含む気象情報がデジタル情報収集および解析装置100によって、コンピュータネットワークやインターネットを介して取得される。デジタル情報収集および解析装置100は、現行の顧客プロフィール、現在の気象情報を含む現在の環境情報を、該顧客プロフィールに関連した取引データを含むデジタル情報収集および解析装置100の顧客データベースに格納されている過去のデータと比較する。
【0036】
現在のデータが過去のデータの中の一つと合致、あるいは近いものである場合、デジタル情報収集および解析装置100は該顧客のプロフィールが年齢や性別などでカテゴライズされ、それらが環境情報などとの過去の組み合わせと合致した場合に、過去に、その組み合わせ時によく売れたメニューをピックアップする。その後、セールス担当者がそのメニューを顧客に薦めるか、あるいは、デジタル情報収集および解析装置で選択されたメニューを使って、顧客向けに宣伝を実施する。
【0037】
この結果はPOSシステム114を介して、リアルタイムベースあるいは、後に、帰還情報としてデジタル情報収集および解析装置100に入力される。この結果、顧客が新しいメニュー、あるいは同じメニューを選択したかどうかによらず、デジタル情報収集および解析装置100はさらなる情報を入手することができる。これによって、格納されている顧客プロフィールの精度を高めることができる。この自己学習機能は本発明の一実施例のアルゴリズムに組み込まれている。
【0038】
次に本発明の実施例のいくつかの機能の例をあげる。
【実施例1】
【0039】
以下の特定環境下で、デジタル情報収集および解析装置100によって自動的に選択された追加メニューの提示を行う場合に使われる自己学習アルゴリズムの一例を示す。
現在時間と曜日:17:00〜17:30、木曜日
現在のレストランの顧客の性別分布:男性70%、女性30%
現在の天候/温度/湿度:快晴/21.1〜23.9℃(70〜75F)/35〜40%
【0040】
デジタル情報収集および解析装置100に格納されている過去のデータでは、現在の天候と上記の顧客データから、フレンチフライが73%の確率で販売可能であり、ビールが61%の確率で販売可能である。
【0041】
そこで、デジタル情報収集および解析装置100は、レストランのウェイター/ウェイトレスに対し、フレンチフライとビールを顧客に薦めるように指示を出す。あるいは、レストランのウェイター/ウェイトレスが所持している表示デバイスやレストランの電子看板(表示デバイス)にフレンチフライとビールの表示を行う。フレンチフライとビールが売れれば売上げ増加となる。もし、不成功に終われば、このデータはPOSデータに反映され、過去のデータを最新のものに修正する。この例では、電子看板(表示デバイス)はレストラン内に設置されている例を示したが、レストランの屋外あるいは、屋内と屋外に設置されていてもよい。
【0042】
図5は、本発明の一実施例であるデジタル情報収集および解析装置500のシステム構成を示したものである。データ収集サブシステム510は、POSシステムによって得られたPOSデータ、サードパーティーウェブサイトから得られる気象情報データを含む環境情報およびカメラで撮影された顔認識データを含む。これらのデータは、データ解析サブシステム520に転送される。POSデータ、環境情報および顔認識データは、デジタル情報収集および解析装置500の基本データとして利用される。アルゴリズム/データ解析サブシステム520は以下の2つのアルゴリズムを有する。すなわち、
1)ウェブサイトからコンピュータネットワークあるいはインターネットを介してえられた環境情報、POSデータおよび顔認識データを取得し、これらのデータを制御して、取引データや環境データを含む顧客に関係するイベント(事象)の確率分布を取得するために、各々のイベントの相関関数を計算するアルゴリズム、および
2)顧客プロフィールを作成するため、カメラで撮影した顔画像から特徴を抽出し、年齢や年齢グループを推定するための顔認識アルゴリズム。
【0043】
このアルゴリズムを使って、例えば、その日の天候、温度および湿度の情報を含む環境条件、一日の中の時間、曜日などの特定の環境下で売れる各々のメニューの確率が計算できる。言い換えれば、各メニューの相関係数が、気象情報や、POSデータに関連する性別、年齢グループを含む顧客プロフィールに関連する形で計算できる。
【0044】
アルゴリズム/データ解析サブシステム520は現行の顧客が過去のデータのうちの一つと合致、あるいは近いデータかどうかについて、新しく取得したデータと過去のデータを比較することで判断する。さらに、顔認識データ、気象データおよびPOSデータを含む過去のデータは、解析され、現行の環境下、例えば、気象データ、温度、湿度、年齢グループ、一日のうちの時間、曜日、および取引データの条件のもとで売れる見込みのあるメニューの販売確率が計算される。これによって、高い確率で販売見込みのある推奨メニューが準備される。データ解析サブシステム520の決定事項をベースに、マーケットシステム530は、過去のデータをもとにして、顧客に直接推奨する商品を提示し、店内のデジタル表示装置やソーシャルネットワークサービスなどのSNSを介して表示する。このプロセスは、デジタル情報収集および解析装置500によって自動的に実行されるので、レストランのスタッフは顧客への対応に時間を使うことができる。
【0045】
販売(取引データ)および/または推薦対象のメニューの宣伝の結果は、
図5に示すPOSシステムとフィードバックループ560または570を介して、過去のデータに追加される。
【0046】
顧客または顧客グループがレストランに立ち寄ると、デジタル情報収集および解析装置500は、レストランに立寄った顧客プロフィールとデジタル情報収集および解析装置500によって得られた環境データを、POSシステムによって取得された取引データに関連した顧客プロフィールと、環境情報を含む保存されているデータを
図5に示すデータ解析サブシステム520で比較する。そして、現行のデータが保存されているデータと合致しない、あるいは、近いものではないと判断された場合、デジタル情報収集および解析装置500は、これらのデータをデジタル情報収集および解析装置500にとって、取引データを含めて新しいデータとしてデータベースに追加する。
【0047】
商品の販売や宣伝結果はデジタル情報収集および解析装置500のフィードバックループ560または570を介して、POSシステムからリアルタイムあるいは、後に入力される。
【0048】
図6は、顧客がレストランに立寄ったときのデジタル情報収集および解析装置500の処理に関するフローチャートである。この装置が設置されているレストランを顧客が訪れたとき、顔画像データがレストランの入り口に設置されたカメラによって撮影される(ステップ610)。そして、顔画像データは解析され、顧客の顔の特徴が抽出され、この結果、顧客の推定年齢あるいは年齢グループ、性別および顧客の顔の表情が得られる。気象情報、レストランの場所に関連する交通情報、例えば、レストランに関連性のある道路、高速道路などを含む交通情報を含む環境情報が収集される(ステップ620)。
【0049】
解析された顧客の顔認識データはデジタル情報収集および解析装置500に格納されている過去の顧客データと比較される(ステップ640)。
【0050】
デジタル情報収集および解析装置500が、現行顧客プロフィールは、過去のデータと一致あるいは、充分に近いデータであると判断した場合、ウェイターまたはウェイトレスはこの情報を、携帯端末を通して入手し、過去にその顧客あるいはプロフィール的に類似した顧客に販売したことのあるメニューを推奨する(ステップ670)。デジタル情報収集および解析装置500が、この顧客はレストランにとって、新しい顧客あるいは、プロフィール的に類似した顧客がいなかったと判断した場合、性別、年齢グループ、気象情報の組み合わせからより高い確率分布をベースに、過去の取引データで高い確率で販売が見込まれるものが自動的にピックアップされ、顧客へ推奨される。
【0051】
デジタル情報収集および解析装置500が、この顧客と同じあるいは近いプロフィールを持つ顧客が見つけられない場合、顔人認識データ、POSデータ、現在の気象情報やそれ以外の環境情報を含む環境情報が、デジタル情報収集および解析装置500の過去のデータに追加される(ステップ660)。
【実施例2】
【0052】
図7は本発明の他の実施例を示したものである。本発明の一実施例によれば、デジタル情報収集および解析装置500は関連する商品で、組み合わせで販売できる見込みのあるものを提供するように構成されている。この例では、
気象条件が以下の場合:夏で晴天の日、
時間帯:午後4時〜5時、気温:26.7〜32.2℃(80〜90F)、
目標とする顧客の年齢幅:21〜24歳、
コカ・コーラ(登録商標)、ペプシコーラ(登録商標)およびプリングルズ(登録商標)の市場での組合せ販売の見込みについての概要を示す。
【0053】
この例によれば、好天の暑い日には、ペプシコーラ(登録商標)に比べてコカ・コーラ(登録商標)が比較的良く売れる。プリングルズ(登録商標)はしばしば、コカ・コーラ(登録商標)と一緒に売れる。このため、コカ・コーラ(登録商標)とプリングルズ(登録商標)が若人向けの宣伝として実行される。
【0054】
図8は、ソーシャルネットワークサービス(SNS)がデジタル情報収集および解析装置と関連して使用される本発明の一実施例におけるデジタル情報収集および解析装置500の出力の一例を図示する。
【0055】
クチコミマーケティング(WOMマーケティング)いわゆる、クチコミ宣伝は、満足した顧客が他人にビジネス、商品、サービスまたはイベントがどのように好ましいかについて伝える無料の販売促進形式である。SNS(ソーシャルネットワークサービス)はウェブ(Web)ベースのサービスで、構成、操作が簡単であり、記述内容はクラウドから送付されるものである。
【0056】
SNS(ソーシャルネットワークサービス)はクチコミマーケティング(WOMマーケティング)と宣伝戦略の力をフルに活用した新しい大きなチャンスをつくるものである。SNS(ソーシャルネットワークサービス)はWOM(クチコミ)宣伝を可能にし、これによって家族から仕事仲間、あるいは見知らぬ人まで対象範囲を持つソーシャルサークルとして取り込むことが可能である。
【0057】
本発明の一実施例としてのデジタル情報収集および解析装置を以下に示す。
【実施例3】
【0058】
図8はSNS(ソーシャルネットワークシステム)を使った宣伝の一例を示す。この例では、特定の年齢グループに属する対象顧客を狙って、特定の商品の宣伝をソーシャルネットワークシステム上に掲示するものである。
現在の時間、日、:12:00PM、6月28日、
気温、気象条件:30.6℃(87F)、晴れ
【0059】
本発明によるデジタル情報収集および解析装置500は、10〜15歳の女性顧客の来店が予測され、この年齢層の顧客はイチゴアイスクリームを好物とすることを掲示している。
【0060】
そこで、SNS(ソーシャルネットワークサービス)のスクリーン上には、「特別なイチゴアイスクリームの宣伝」がポップアップし、これに関する宣伝が
図8に示すようにアップロードされる。この例では、現在の気象条件が、上記のように使用されている。他の実施例では、メニューの中身が、気象予測と保存されている過去のデータとの比較結果にしたがって変更される例がある。例えば、数時間後に降雨が予測される場合、過去のデータを参照して、気象予測に従ってレストランのメニューの中身を変更するものである。
【0061】
図9は本発明の実施例に関連する利点の説明図である。本発明の実施例の利点は、
1)商品の保存、在庫量の低減910、
2)SNS(ソーシャルネットワークサービス)の自動化920、
3)POSデータの自動傾向分析930、
4)リアルタイム宣伝940
等である。在庫量は顧客プロフィール、気象予測データおよびPOSデータの組合せを基本的なビジネス計画に加えて利用することで最適化ができる。これにより、在庫の最適化が可能である。SNS(ソーシャルネットワークサービス)では、最新のビジネス、環境条件をベースにピンポイントの目標を自動的に狙うことができるため、従業員の特別な作業の必要性がない。また、POSデータ、環境データ、および顧客プロフィールを使うことによって、詳細なセールスレポートが自動的に作成できる。最新の気象情報、過去のセールスデータ、をもとに特定の目標を狙った宣伝が自動的に、また、タイムリーに実行できる。
【実施例4】
【0062】
図10は、本発明の好ましい実施例の別のデジタル情報収集および解析装置1000のシステム構成を示す図である。この実施例においては、システム構成は、本明細書の
図1に示したシステム構成による装置よりも、経済性に優れ、ソフトウエアの負荷が軽くなるように設計された構成となっている。
【0063】
例えば、レストランに設置された顔認識システム1116で使われているカメラの数は2台あるいは3台である。これらのカメラは、レストランの入り口近傍に設置されている。以前に記述された明細書の例では、カメラは各テーブルの近く設置され、テーブル番号を捉えるように設置されていた。本明細書の段落[0027]に記載したように、カメラで捉えられたテーブル番号は、サーバーによって処理され、ウェイターまたはウェイトレスによってそのテーブルを指定された顧客から受けた注文(取引データ)と、その顧客の顔認識データとに関連付けされる。言い方を変えれば、
図1に示したシステムに関連する実施例では、各々の顧客からの注文は顧客の顔認識データと1:1で関連付けされている。
【0064】
図10に図示したデジタル情報収集および解析装置1000では、ビデオカメラの数は2台である。これらカメラは
図11で説明されるようにレストランの入り口近傍に設置されている。この件については後に説明される。さらに、本発明の実施例では、顧客からの注文、推定性別、推定年齢範囲を入力するための携帯端末11142はPOS1114にリンクされている。レストランのウェイターまたは、ウェイトレスは推定年齢幅と性別を入力することができる。あるいは、もし、顧客が同意すれば、その年齢幅と性別を入力してもよい。顧客の性別と年齢幅は顧客からの料理の注文(取引データ)と関連付けられ、サーバー1122の歴史(過去)データに蓄積される。POSデータにおいては、注文された時間および日付情報と、顧客からの料理の注文(取引データ)とはインターネット1112経由で得られた環境データとPOSデータサーバー上で関連付けされる。
【0065】
インターネット経由で得られた環境データはレストラン近郊(レストランからの50マイル未満の領域でもよい)の天気情報を含む天候情報を含む。天候情報はそのレストラン近郊の天気に加えて、少なくとも温度、湿度情報を提供するものである。さらに、デジタル情報収集および解析装置1000は温度、湿度および音声信号(オーディオ信号)を測定するセンサーシステム1110を含む。この場合、センサー1110から音声信号はレストラン内の音声信号を解析、評価によって、顧客の雰囲気と満足度を評価するために使われる。センサー1110で捉えた特定の言語信号はサーバー1122上で稼働するタスク自動アルゴリズム(TAA)に含まれる音声認識機能で解析され、これによって顧客の満足度がチェックされる。顧客の音声レベルは顧客の満足度レベルを知るために使われる。さらに温度センサーは顧客の盛り上がり度(満足度)を知るために使われるだけでなく、レストラン内に設置された空調機を制御することによって室温をセットするために利用しても良い。
【0066】
図11はレストランの入り口1160近傍で、顧客1150がレストランを訪れたときに、レストランに入る顧客の顔画像を捉えるように設置したビデオカメラ1と、顧客1150がレストランを去るときにその顧客1150の顔画像を捉えるように設置されたビデオカメラ2が設けられた本発明の一実施例の概要を示す図である。この実施例では、ビデオカメラシステム1116上で稼働する顔認識アルゴリズムによって、顧客1150の顔画像に含まれる顔画像の特徴から推定年齢、(男性か女性などの)性別、民族グループ(白人、アフリカ系米国人、ラテン系アメリカ人、アジア人)の推定と分類が行われる。サーバー1122がビデオカメラシステム1116の代わりに顔認識アルゴリズムを走らせてもよい。
【0067】
本実施例では、顧客1150が入り口1160を入った時に、ビデオカメラ1が自動的にスタートして顧客1150の顔画像を捉えるように構成されており、タイムスタンプがその顔画像のフレーム上に記録されるように構成されている。さらに、顧客がそのレストランを去るときにビデオカメラ2が捉えた顔画像のフレーム上にタイムスタンプが記録される。これにより、顧客1150のレストランでの滞在時間がその顧客がそのレストランを去る時間からレストランに入った時間を差し引くことで計算できる。
【0068】
図12は、年齢幅1210、性別1220、民族性1230など人口学的な測定結果を示したものである。これらの人口学的測定結果は、予め決められた時間枠内にレストランに滞在する顧客1150の顔画像から抽出した特徴に基づいて、ビデオカメラシステム1116、あるいはサーバー1122上で稼働する顔画像アルゴリズムによって分析されるものである。サーバー1122上で稼働するTAA、すなわちアルゴリズムは、予め決められた時間にそのレストランに滞在する顧客の取引データ、すなわちPOSデータからの各々の顧客からの注文と、性別、年齢幅(年齢枠)レストラン近傍で予定されるイベント情報、温度情報、湿度情報および年、月、曜日などのカレンダーデータを天候情報などと関連付けを行う。上述したとおり、
図10に示すシステムに関連した実施例ではある時間枠内の顧客からの注文は、分析された顧客の人口学的情報と、同じ決められた時間枠の環境情報と関連付けられる。この場合、全体としての関連付けであり、たとえ携帯端末11142によって顧客の推定年齢や民族情報が入力されるが、顧客一人毎の1:1の関連付けではない。
【0069】
図13は、男性客より女性客の人数が多い場合の、時間枠T1からTnまでの各々の時間枠内に顧客が選んだ各々の料理の種類の割合を示す図であり、この割合はサーバー1122上で稼働するTAAによって解析された結果を示すものである。この割合が示すとおり、男性より女性客が多い場合、時間枠T1ではメニューの中の料理から顧客は魚2または魚3より魚1を選択する傾向がある。この事実から、年間での曜日、週、または月単位での過去の歴史における売上に基づいて各料理の数量見込みを予測することが可能となる。しかしながら、同時に、天気情報とイベント情報によって各々の料理の売り上げ予測が変化する。
【0070】
図14は、天候が晴天から曇りに変化することを前提した時の、顧客がメニューから選んだデザートの種類の変化を示す図である。この実施例では、図に示すように天候は晴天から曇りに変化するが、晴天の状態では、顧客はデザート2またはデザート3よりデザート1を選択する傾向にある。しかし、天候が晴天から曇りに変化するにつれて、時間枠T1からTnに変化するにつれて、顧客がデザート2を選択する率が徐々に増加する傾向にある。この事実から、天候予測に基づいてデザートの需要予測が可能であることがわかる。この場合、温度と湿度の予測も考慮にいれる必要があり、これはデザートの総売り上げに影響を及ぼすものである。
【0071】
次もタスク自動アルゴリズム(TAA)の出力の事例である。天気情報によれば、午後、天候は雨の予測である場合、TAAは子供連れの顧客数は減少し、デザートに関しては、バニラアイスクリームより粉状グリーンティーアイスクリームが売れるとの予測をしている。
【0072】
図15は、ある時間帯(午後5時から午後6時までの1時間の例)でのデザートの選択についての動向結果の一例を示す。この例は、性別情報は、58%が男性顧客であり、42%が女性顧客で、天候は曇りである。この条件の場合、タスク自動アルゴリズムTAAは“過去の歴史情報に従えば、コンソメスープよりもクラムチャウダーの売行きが良いとの予測を提供している。この情報は、POS1114経由でサーバー1122にリンクしている携帯端末11142の表示画面にポップアップする。これにり、ウェイターまたはウェイトレスはこの情報に基づいて顧客にクラムチャウダーを勧める。
【0073】
さらに、上記と同じ条件で、「ビールを注文した顧客の内、75%の顧客はキムチを買うかもしれない」という情報が、POS1114経由でサーバー1122にリンクしている携帯端末11142の表示画面にポップアップする。
【0074】
レストランの近くで週末にアメリカンフットボールのゲームが予定され天気予報では当日は雨のケースの例では、2年前に同じようなケースがあり、TAAはその時のセール記録におけるPOSデータからの取引データに基づいて、その時点で売れる予測が出ている料理の材料の仕込み量について予測を行う。さらに、レストランにいる顧客数あるいは、レストラン内の音声信号の解析結果に応じて、センサーシステム1110によって捉えた室温に基づいて、室温が制御される。この種類のレストラン内の温度制御は極めて新しい試みであり、売り上げ面で良く役立っている。
【実施例5】
【0075】
図16はレストラン近傍で開催される予定のイベントを訪れると予測される顧客の注文見込みの料理を自動的に作るための処理に関するフローチャートを示す図である。本発明の実施例ではアメリカンフットボールの試合は次の金曜日にレストラン近くの球場で開催されると仮定している。
図10で説明した通り、デジタル情報収集解析装置1000はPOSに記憶されている過去の取引データを含む過去データベースを含み、このデータベースには関連するウェブサイトからインターネット経由で得られた天気情報と過去のイベント情報を含む環境データを有しており、これらは各々関連付けがなされている。この例では、アメリカンフットボールの試合が行われるとしたが、これに限らず、音楽コンサート、野球の試合、大きな会議など、どんなイベントでも良い。
【0076】
図16に示したとおり、タスク自動アルゴリズム(TAA)はサーバー1122上で稼働を開始する(ステップ1600)。レストランの近くで開催予定のアメリカンフットボールの試合が行われる日に売れると予測される好ましい料理の予測を作る場合、まず、イベントについて特定する必要がある。特定を完了すると、TAAは自動的に予め決められた期間、例えば、イベントの7日前を指定すると、7日前に、自動的にイベント情報を取得する。この場合、7日に限定されるのでなく、どのような期間でも指定できる。また、イベント情報は、例えば、野球の試合、フットボールの試合、音楽コンサートなどのイベントの種類、週の中の曜日、月の中の週、あるいは月など、そのイベントの開催予定などを指定できるように構成されている。これにより、TAAはレストランの人々にイベントに関する通知を出すように構成されている。また、そのイベントを訪れる顧客に対して売れそうな料理の予測をするために、イベント当日、イベント情報を手作業で入力できるようにも構成されている。
【0077】
こうしてイベント情報を入力すると、TAAはイベントが予定されるときの天候情報を天気予報ウェブサイトから取得する。この天候情報は、予期される料理の予測に対して大きな影響をあたえる(ステップ1620)。TAAは少なくとも同じタイプの試合のイベント情報の参考データをできる限り多く取得するように構成されている。過去の同じ種類のイベントを抽出するために、まず第1に、過去の同じ種類のイベントをできる限り多く選択するため、低めの選択基準をセットする。この場合の低めの選択基準は、例えば、アメリカンフットボールの試合とか、野球の試合といったイベントの種類である(ステップ1630)。次にTAAは参考資料を取得するために過去のデータベースをサーチする。サーチで得られた参考資料の数は充分に多いと判断された場合、TAAは高い精度のマッチングを狙って、時間情報、たとえば、イベント開催予定の曜日、週、あるいは月などより高い基準をセットする(ステップ1660)。
【0078】
次に、TAAは過去データベースから得られた参考資料の数が予め決めた数、Nよりも小さいかどうかをチェックするように構成されている。もし、過去データベースから得られた参考資料の数が予め決めた数、Nと比較し(ステップ1650)、これよりも大きいとき、上述したように、TAAは高い精度のマッチングを狙って、時間情報、たとえば、イベント開催予定の曜日、週、あるいは月などより高い基準をセットする。
【0079】
上記の実施例によれば、過去のPOSデータベースから好まれる料理とその材料の予測を作成することが可能となる。
図1に示した、顧客とその取引データの相関を得るためにテーブル番号を捉えるカメラを含めたシステムと比べて、サーバーによって同時に処理される総データ量を低減でき、これによりサーバー制御の費用と処理コストを低減することができる。これにより、イベントが予定される日の予め決められた時間枠内にレストランを訪れると予測される顧客数と、予測される顧客に売れる見込みの料理を把握することが可能となる。
【0080】
さらに、得られた見込み料理または、メニューの中から好まれそうな料理を見込み客が到着しそうな時期にあわせて、自動的にレストランの中に設置されたデジタル表示装置に表示できるため、レストランを運営する人々にとっては効率的な宣伝ができるので有効である。また、これらの情報はレストランのバックオフィスで働く人々にとっても、見込み客の来店や、予測される料理などの情報が表示されるので役立つ。
【0081】
さらに、本発明の一実施例は新しい場所に新しいレストランを開設するときビジネスの可能性をシミュレーションできるので有効である。例えば、新しいレストランをテキサス州で開設を計画するとき、平均所得や、人種の分布が近いオハイオ州の人口統計に従うことによって、オハイオ州で適用した本発明の一実施例のTAAをこれと類似のテキサス州での新しいレストラン開設に適用することで、新たにゼロから検討を開始することなく、ビジネスのシミュレーションが可能となる。
【0082】
レストラン業界では、従業員がもっているノウハウがジョブホッピングによって失われることが問題となっている。本発明のシステムと装置を利用することでこのノウハウの蓄積が可能となる。
【0083】
前述の議論は単に本発明の実施例を例示したものである。いわゆる当業者であれば、これらの議論、添付された図面および特許請求の範囲から、様々な変更、修正および改変が、本発明の精神と次に示す特許請求の範囲を逸脱することなく可能である。これらの実施例においては、レストランに関連する実施例が記述されている。しかしながら、本発明の実施例は、スーパーマーケット、小売店、デパート、ホテル、アミューズメントパーク、ショッピングセンターおよびフードコートなどにも適用可能である。
【0084】
本願は2018年6月15日出願の米国特許出願、出願番号16/010,277の明細書の内容に基づく優先権を主張し、その内容の全体を参照として本明細書に組み込むものである。