【解決手段】フレキシブルユーザーインターフェース装置が、フレキシブル本体部と、フレックスセンサと、制御ユニットとを備える。フレックスセンサは、フレキシブル本体部が外部屈曲力を受けていることを検知するように構成されている。制御ユニットは、フレキシブル本体部が外部屈曲力を受けていることを検出することと、外部屈曲力に抵抗する抵抗フィードバックを生成するか否かを判断することと、外部屈曲力に抵抗するようにフレキシブル本体部に剛性を増加させることとを行うように構成されている。剛性は、空気嚢、マイクロファイバー複合体材料等の作動可能材料の層、静電接着、電磁引力、マイクロウェッジを介して、又は他の或る方法で増加される。
前記フレキシブル本体部内に配置されたフレキシブル表示層を更に備え、前記フレキシブル表示層は、有機発光装置(OLED)表示層であり、前記フレキシブル本体部は、フレキシブル基板又はフレキシブルシェルから形成されている、請求項2に記載のフレキシブルユーザーインターフェース装置。
前記制御ユニットは、抵抗フィードバックを生成するとの前記判断に応答して、前記空気ポンプに、前記嚢内の空気圧を10水銀柱インチ(inHg)以下の値に減少させるように構成されている、請求項2に記載のフレキシブルユーザーインターフェース装置。
前記制御ユニットは、前記空気ポンプに、前記嚢内の空気圧を5水銀柱インチ(inHg)以下の値に減少させて、前記嚢内の前記層の積層体を実質的に曲げることができないものにするように構成されている、請求項7に記載のフレキシブルユーザーインターフェース装置。
前記制御ユニットは、前記フレキシブル本体部が受けている前記外部屈曲力の大きさを求めるように構成され、前記空気ポンプに、前記嚢内の空気圧を前記外部屈曲力の前記大きさに基づくレベルに減少させるように構成されている、請求項7に記載のフレキシブルユーザーインターフェース装置。
前記フレックスセンサは歪ゲージであり、前記制御ユニットは、前記歪ゲージによる前記測定信号に基づいて、前記空気ポンプが起動される時間の量を制御するように構成されている、請求項2に記載のフレキシブルユーザーインターフェース装置。
前記フレキシブル本体部内に配置されたフレキシブル表示層を更に備え、前記フレキシブル表示層は、有機発光装置(OLED)表示層であり、前記フレキシブル本体部は、フレキシブル基板又はフレキシブルシェルから形成されている、請求項11に記載のフレキシブルユーザーインターフェース装置。
前記フレキシブル本体部は、前記フレキシブル基板から形成され、前記フレキシブル基板は、折り目を有し、前記アクチュエータは、前記折り目と前記フレキシブル基板のエッジ又はコーナーとの間に配置されている、請求項12に記載のフレキシブルユーザーインターフェース装置。
前記作動可能材料の前記層は、前記電圧差が前記作動可能材料の反対に位置する端部間に生成されると、前記層の長さ又は幅に沿って前記伸張力を作用させるように構成された圧電材料層であり、前記作動可能材料の前記層の前記第1の表面と前記フレキシブル基板との間の前記接合は、前記作動可能材料の前記層の前記第1の表面における前記作動可能材料の前記層の伸張を防止するか、又は、前記作動可能材料の前記層の前記第1の表面において前記作動可能材料の前記層を前記作動可能材料の前記層の第2の対向表面よりも小さな規模だけ伸張させ、前記接合は、前記作動可能材料によって生成される前記伸張力を、前記フレキシブル基板において前記外部屈曲力に抵抗する曲げ力に変換するようになっている、請求項14に記載のフレキシブルユーザーインターフェース装置。
前記制御ユニットは、前記抵抗フィードバックを生成するとの前記判断に応答して、前記作動可能材料の前記反対に位置する端部の間の前記電圧差を、前記外部屈曲力の大きさに基づく大きさにするように構成されている、請求項13に記載のフレキシブルユーザーインターフェース装置。
前記アクチュエータから分離し、前記フレキシブル本体部内に配置され又は前記フレキシブル本体部に取り付けられ、前記フレキシブル本体部が前記外部屈曲力を受けていることを検知するように構成されたフレックスセンサを更に備え、前記制御ユニットは、前記フレックスセンサからの測定信号に基づいて前記外部屈曲力を検出するように構成されている、請求項11に記載のフレキシブルユーザーインターフェース装置。
前記少なくとも1つの電極は複数の電極を含み、前記積層体の前記第1層は電気絶縁材料を含み、前記複数の電極は、前記第1層の前記電気絶縁材料内に組み込まれ又は前記第1層の前記電気絶縁材料に接合されている、請求項19に記載のフレキシブルユーザーインターフェース装置。
前記第1層及び前記第2層は、第1層の対を形成し、前記積層体は、少なくとも追加の4対の層を含み、前記4対のそれぞれは、前記第1層の対と同じ構造を有する、請求項19に記載のフレキシブルユーザーインターフェース装置。
前記少なくとも1つの電極は、前記第1層と前記第2層との間に少なくとも1.5ニュートンの接着力を生成するように構成されている、請求項19に記載のフレキシブルユーザーインターフェース装置。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の上述の特徴、目的及び利点並びに他の特徴、目的及び利点は、添付の図面に示されるような本発明の実施形態の以下の詳細な説明から明らかであろう。本明細書に組み込まれるとともに本明細書の一部をなす添付の図面は更に、本発明の原理を説明するとともに、当業者が本発明を実施及び使用することを可能にする役割を果たす。図面は一定縮尺ではない。
【0015】
以下の詳細な説明は本来例示的なものでしかなく、本発明又は本発明の用途及び使用を限定するように意図されていない。さらに、前述の技術分野、背景技術、発明の概要又は以下の詳細な説明に提示されている、明示又は暗示されるいかなる理論にも制限されることは意図されていない。
【0016】
本明細書において説明される実施形態の1つの態様は、抵抗フィードバックの形態の触覚効果を提供することに関する。この抵抗フィードバックは、フレキシブル電子リーダー(eリーダーとも呼ばれる)、フレキシブルフォン、フレキシブルタブレットコンピューター、ゲームコントローラー等のフレキシブルリモコン装置、ウェアラブル装置、又は他の任意のフレキシブルユーザーインターフェース装置等のフレキシブルユーザーインターフェース装置について生成することができる。一実施形態では、抵抗フィードバックは、フレキシブルユーザーインターフェース装置が受ける外力に抵抗することができる。幾つかの場合には、外力は、ユーザーから与えられている外部屈曲力とすることができる。幾つかの場合には、フレキシブルユーザーインターフェース装置は、屈曲ジェスチャー(flex gesture)等のユーザー入力の形態として外部屈曲力を受けることができるものとすることができる。屈曲ジェスチャーは、Heubelに対する「Method and Apparatus for Haptic Flex Gesturing」という発明の名称の米国特許第9,411,423号により詳細に論述されている。この米国特許の全内容は、引用することによって本明細書の一部をなす。フレキシブルユーザーインターフェース装置は、外部屈曲力に応答して全体変形(gross deformation)を受ける十分な可撓性を有することができる。全体変形は、例えば、(単に顕微鏡スケールにすぎない変形ではなく)巨視的スケールで起こる曲げ、ねじり、巻き、又は他の任意の変形を含むことができる。外部屈曲力は、ユーザーが印加してフレキシブルユーザーインターフェース装置の全体変形を引き起こす外部トルクを包含することができる。
【0017】
一実施形態では、抵抗フィードバックは、そのような全体変形に抵抗することができる。すなわち、フレキシブルユーザーインターフェース装置において生成される抵抗フィードバックは、触覚フィードバックの形態とすることができ、より一般的には、ユーザーからの外力に抵抗する触覚効果の形態とすることができる。幾つかの場合には、抵抗フィードバックは、フレキシブルユーザーインターフェース装置のどの部分も能動的に作動させないが、代わりに、ユーザーからの外力にのみ反応する完全に受動的な形態のフィードバックとすることができる。すなわち、抵抗フィードバックは、幾つかの場合には、フレキシブルユーザーインターフェース装置とのユーザーインタラクションにのみ応答して生成することができる。
【0018】
一実施形態では、抵抗フィードバックは、ユーザーからの外力に対抗し、又は別の方法でその効果を打ち消すことができるので、運動触覚フィードバックの形態と更にみなすことができる。幾つかの場合には、抵抗フィードバックは、フレキシブルユーザーインターフェース装置の剛性レベルを変化させることによって提供される。剛性レベルが増加すると、フレキシブルユーザーインターフェース装置は、可撓性を減少させ、全体変形に対するより大きな抵抗を呈することができる。ユーザーが、フレキシブルユーザーインターフェース装置に外力を印加すると、抵抗の増加によって、例えば、ステータス情報、ユーザー入力が受信されたとの確認若しくはユーザー入力が無効であるとの表示、又は他の任意の種類の情報を伝達することができる。例えば、フレキシブルユーザーインターフェース装置が、曲げジェスチャーを検出するように構成されている場合、抵抗フィードバックは、ユーザー入力が受信されたとの確認を提供するデテント効果を生成することができる。このデテント効果は、例えば、フレキシブルユーザーインターフェース装置の剛性レベルを急速に増加させ、その後、剛性レベルを減少させることによって生成することができる。そのような抵抗フィードバックは、ユーザーが曲げジェスチャーに関連付けられた機械的クリックを知覚することを可能にすることができる。ユーザーは、電話を取り出し、友人がユーザーに拡張現実(AR)メッセージを送信したことを知ることができる。ユーザーは、電話をロック解除し、このメッセージを再生することができる。メッセージは、その友人との集合場所を示すテキストメッセージであってもよく、集合場所の画像の上に重ね合わせることができる。ユーザーは、メッセージを終了し、電話で他のメッセージをブラウジングしている間、自身の電話を曲げてデテントを知覚することができる。
【0019】
一実施形態では、抵抗フィードバックは、エアジャミングを用いる実施態様を通じて提供することができる。そのような実施態様は、単数又は複数の様々な材料を保持するフレキシブル膜を有する気密性嚢を提供することができる。1気圧(atm)の空気圧等のベースラインの空気圧量が嚢内にあるとき、嚢は、可撓であり、全体変形を受けることができるものとすることができる。空気が、ポンプ等を介して嚢から除去されると、嚢に対する外部圧力によって、嚢内の材料をより小さな空間内に詰め込むことができる。材料は、外部圧力によってより小さな空間内に詰め込まれた結果、より硬くすることができ、したがって、嚢を全体としてより硬くすることができる。嚢内の空気圧が擬似真空レベルを有するとき、屈曲ジェスチャーに関連した通常の力の大きさによって嚢を実質的に曲げることができないように、嚢を実質的に硬くすることができる。
【0020】
一実施形態では、嚢内の材料は、離散層の積層体として提供することができる。この離散層の積層体は、単に層の積層体と呼ばれる場合がある。幾つかの場合には、離散層の積層体の各層は、織布層とすることができる。織布層のそれぞれは、互いに絡合又は織合された複数の繊維(糸とも呼ばれる)から形成することができる。例えば、織布層のそれぞれは、布又は他の織物の層とすることができ、繊維は、綿繊維、リネン繊維、ポリエステル繊維、又は他の任意の繊維とすることができる。繊維は、絡合又は織合されて、メッシュ又は他の任意のタイプの織布構成を形成することができる。さらに、織布層のそれぞれは、空気に対する透過性を有することができる。別の実施形態では、積層体の各層は織布層ではなく、他の或る構造を有することができる。例えば、積層体の各層は、紙のシート又はプラスチックのシートとすることができる。幾つかの場合には、紙のシート又はプラスチックのシートは、空気を透過させない。層の積層体内の層の総数の幾つかの例は、2から15の範囲、2から20の範囲、又は他の或る範囲内の数とすることができる。幾つかの場合には、嚢内の材料は、層の積層体ではなく単一の層として形成することができる。
【0021】
一実施形態では、抵抗フィードバックは、フレキシブルユーザーインターフェース装置が受ける外力に抵抗するスマート材料アクチュエータ等のアクチュエータを通じて提供することができる。例えば、スマート材料アクチュエータは、圧電材料層アクチュエータ、電気活性ポリマー(EAP)材料層アクチュエータ、形状記憶合金(SMA)アクチュエータ、又は他の或るスマート材料アクチュエータとすることができる。より具体的な例では、スマート材料アクチュエータは、ポリマーマトリックスに組み込まれた複数の圧電ファイバーを含むことができるマクロファイバー複合体(MFC)材料層を備えることができる。幾つかの実施態様では、スマート材料アクチュエータは、フレキシブルユーザーインターフェース装置の表面に接合することができる。スマート材料アクチュエータが起動されると、作動可能材料層は、作動可能材料層をその長さ又は幅に沿って伸張又は収縮することに資する伸張力又は収縮力を生成することができる。スマート材料アクチュエータは、フレキシブルユーザーインターフェース装置の別の層に接合されて、例えば、ユニモルフ構造体を形成することができる。そのような構造体では、フレキシブルユーザーインターフェース装置の層は、層の長さ又は幅に沿った伸張性又は収縮性を実質的に小さくすることができる。その結果、フレキシブルユーザーインターフェース装置に近い側の作動可能材料層の第1の部分又は厚さが、層の長さ又は幅に沿って伸張することを防止することもできるし、少量だけ伸張することを可能にすることもできる一方、フレキシブルユーザーインターフェース装置から遠い側の第2の部分又は厚さは、層の長さ又は幅に沿ってより多くの伸張を受けることができるものとすることができる。伸張量の差は、作動可能材料層によって生成される伸張力を曲げ力に変換することによって、ユニモルフ構造体を曲げることに資することができる。スマート材料アクチュエータによって生成される曲げ力は、ユーザーによって印加されている外部曲げ力に抵抗することができ、したがって、抵抗フィードバックを生成するのに用いることができる。その結果、スマート材料アクチュエータは、フレキシブルユーザーインターフェース装置の剛性を効果的に増加させることができる。
【0022】
一実施形態では、抵抗フィードバックは、少なくとも2つの分離した層の間に静電接着又は電磁接着を生成することによって提供することができる。この静電接着又は電磁接着は、2つの層を互いに係合又は接触させることもできるし、2つの層の間の係合/接触の量を増加させることもできる。係合の量の増加は、2つの層の間の接触面積の量の増加、又は、2つの層を互いに引き寄せ合う力の量の増加に反映させることができる。係合の量の増加は、2つの層の間の摩擦レベルを増加させることができ、これによって、層の間のスライドする動きを防止又は制限することができる。積層体における或る層の別の層に対するそのようなスライドは、紙シートの積層体が曲げられるときと同様にして、積層体が曲げられているとき又は別の方法で変形されているときに発生し得る。積層体内の層が、それらの層の間の高い摩擦量等に起因して互いに対してスライドすることを制限される場合、積層体は、より一層、実質的に硬い単一の構造体として振る舞うことができ、より一般的には、変形することを困難にすることができる。したがって、静電接着又は電磁接着は、ユーザーインターフェース装置を曲げようとしている外力又は別の方法で変形させようとしている外力に対する抵抗フィードバックを生成するのに用いることができるフレキシブルユーザーインターフェース装置の剛性レベルを増加させるのに用いることができる。
【0023】
一実施形態では、2つの層の間の摩擦は、上記で論述したような静電接着又は電磁接着に代えて又はこれに加えて、層のうちの1つ以上に配置されたマイクロウェッジのアレイを介して増加させることができる。2つの層が係合され、又は係合レベル(例えば、2つの層の間の引力レベル)を増加させると、第1層上のマイクロウェッジのアレイは、他方の第2層に対する表面積の露出量を増加させるように変形することができる。第1層のマイクロウェッジのアレイと第2層の表面との間の表面積の増加によって、2つの層の間の摩擦量を増加させることができる。一実施形態では、マイクロウェッジのアレイの各マイクロウェッジは、例えば、ミクロンのオーダーのサイズを有することができる。マイクロウェッジのアレイは、ヤモリの足の剛毛の振る舞いを模倣することができる。ヤモリの足は、足と、足が押圧される表面との間に大きな摩擦量を生成することができる。この振る舞いは、2つの層が互いに接離することによって容易に係合又は係合解除することを可能にすることができるが、それらの層が互いに対してスライドすることを実質的に制限することができる。
【0024】
一実施形態では、抵抗フィードバックは、折り畳み可能装置について生成することができる。例えば、抵抗フィードバックは、折り畳み可能装置のヒンジの周辺において実施することができ、折り畳み可能装置を折り畳むか又は広げるために印加されている外力に抵抗することができる。
【0025】
一実施形態では、静電接着又は電磁接着を提供するのに用いられる電極又は電磁石等の上記で論述した構成要素の幾つか又は全ては、ユーザーインターフェース装置を変形させる能動的触覚効果を生成するのに用いることができる。この変形は、ユーザーインターフェース装置の長さ寸法又は幅寸法に垂直なものとすることもできるし、ユーザーインターフェース装置の長さ寸法又は幅寸法に沿ったものとすることもできる。
【0026】
上記で論述したように、本明細書に説明される実施形態の1つの態様は、エアジャミングを介して抵抗フィードバックを提供することに関する。
図1Aは、エアジャミング技法を用いて抵抗フィードバックを生成するように構成されたフレキシブルユーザーインターフェース装置100のブロック図を示している。フレキシブルユーザーインターフェース装置100は、フレキシブル本体部110、フレックスセンサ120、嚢130、空気ポンプ140、制御ユニット150、メモリ155、及びエネルギ貯蔵装置170を備える。一実施形態では、フレキシブルユーザーインターフェース装置100は、フレキシブルディスプレイ装置である。例えば、
図1Bは、フレキシブルユーザーインターフェース装置100のより具体的な実施形態であるフレキシブルユーザーインターフェース装置100Aを示している。フレキシブルユーザーインターフェース装置100Aは、
図1Aに示す構成要素の全てを備えるが、液晶表示(LCD)層又は有機発光装置(OLED)層等のフレキシブル表示層112を更に備える。
図1Bにおけるフレキシブルユーザーインターフェース装置100Aは、例えば、eリーダー、モバイルフォン、タブレットコンピューター、又は他の任意のフレキシブルユーザーインターフェース装置とすることができる。別の実施形態では、フレキシブルユーザーインターフェース装置100は、表示層も表示機能も有しない。そのような実施形態では、フレキシブルユーザーインターフェース装置100は、例えば、ゲームコントローラー、テレビのリモコン、ステレオのリモコン、及び/又はウェアラブル装置等のリモート制御装置とすることができる。
【0027】
一実施形態では、フレキシブル本体部110は、ユーザーからの外力に応答して、全体変形、より詳細には、材料が元の形状に戻ることを可能にする弾性的な全体変形(塑性変形とは対照的)を受けることができるように十分可撓である1つ以上の材料から形成することができる。全体変形は、フレキシブル本体部110の曲げ、ねじり、巻き、又は他の巨視的変形を含むことができる。一例として、フレキシブル本体部110は、0.5ニュートン又は1ニュートンの力が印加されたときに少なくとも10ミリメートル偏向するように十分可撓なものとすることができる。一実施形態では、フレキシブル本体部110は、ポリカーボネート等のプラスチック材料、シリコーン等のエラストマー、及び/又は他の任意のフレキシブル材料の成形構成要素とすることができる。
【0028】
一実施形態では、フレキシブル本体部110は、フレキシブル基板を備えることができる。例えば、
図2Aは、フレキシブル本体部110のより具体的な実施形態であるフレキシブル本体部210を示している(本出願における図は一律の縮尺で描かれていない)。フレキシブル本体部210は、eリーダーとすることができるフレキシブルユーザーインターフェース装置200の一部である。
図2A及び
図2Bの実施形態では、フレキシブル本体部210は、プラスチック基板、シリコーン基板、又は他の任意のフレキシブル基板等のフレキシブル基板とすることができる。幾つかの場合には、フレキシブル基板は、プラスチック、シリコーン、又は他のフレキシブル材料のシートとすることができる。ユーザーインターフェース装置200の様々な構成要素をフレキシブル基板内に組み込むこともできるし、別の方法で配置することもできる。これらの構成要素には、
図2Aに示すように、嚢230、この嚢に取り付けられたポンプ240、及びフレックスセンサ220と、
図2Bに示すように、制御ユニット250及びエネルギ貯蔵装置270とが含まれる。フレキシブルユーザーインターフェース装置200は、同じくフレキシブル基板に組み込まれるOLED層等のフレキシブル表示層212を更に備える。一実施形態では、フレキシブル本体部210のフレキシブル基板は透明基板である。別の実施形態では、フレキシブル基板は不透明又は半透明である。例えば、フレキシブルユーザーインターフェース装置200は、別の実施形態では、表示層も表示機能も有しないリモート制御装置とすることができる。そのような実施形態では、フレキシブル本体部210のフレキシブル基板は、不透明、半透明、又は透明とすることができる。
図2A及び
図2Bは、フレキシブルユーザーインターフェース装置200の様々な構成要素がフレキシブル本体部210のフレキシブル基板内に組み込まれていることを示しているが、別の実施形態では、それらの実施形態のうちの幾つかをフレキシブル基板の外表面に接合することもできるし、別の方法で取り付けることもできる。例えば、嚢230は、そのような実施形態では、接着剤を介してフレキシブル基板の外表面に接合することができる。
【0029】
一実施形態では、フレキシブル本体部110は、フレキシブルシェルを備えることができる。例えば、
図3は、フレキシブル本体部110の一実施形態であるフレキシブル本体部310を示している。フレキシブル本体部310は、モバイルフォン又はタブレットコンピューター等のフレキシブルユーザーインターフェース装置300の一部である。フレキシブル本体部310は、フレキシブルユーザーインターフェース装置300の様々な構成要素が配置される筐体又はハウジングを合わせて形成することができるフレキシブルシェル314及びフレキシブル表示層312を備えることができる。1つの例では、フレキシブルシェル314はポリカーボネートシェルである一方、フレキシブル表示層312はOLED表示層である。フレキシブル表示層312は、例えば、使用中にユーザーに面する表面とすることができるフレキシブル本体部310の前部外表面を形成することができる。フレキシブルシェル314は、前部外表面の反対側とすることができるフレキシブル本体部310の後部外表面を形成することができる。
【0030】
一実施形態では、フレキシブル本体部310によって形成される筐体は、フレキシブルユーザーインターフェース装置300の抵抗フィードバックを提供するのに用いられる嚢330及び空気ポンプ340をカプセル化することができるとともに、フレキシブル回路基板380、制御ユニット350、及びフレキシブルエネルギ貯蔵装置370、例えば、フレキシブルバッテリー等のフレキシブルユーザーインターフェース装置の他の構成要素をカプセル化することができる。一実施形態では、嚢330は、内表面、より一般的には、
図3に示すように、フレキシブル本体部314のフレキシブルシェル314の内向き表面又はフレキシブル回路基板380の表面に接合することができる。別の実施形態では、嚢は、フレキシブル表示層312の内向き表面に接合することができる。更に別の実施形態では、嚢330は、フレキシブルユーザーインターフェース装置300の外側に配置することができ、装置300の前部外表面又は後部外表面に接合することができる。
【0031】
本発明の実施形態によれば、フレキシブル本体部110/210/310は、様々な寸法を有することができる。一実施形態では、フレキシブルユーザーインターフェース装置100は、モバイルフォンとすることができ、フレキシブル本体部100は、140ミリメートルから165ミリメートルの長さ、65ミリメートルから85ミリメートルの幅、及び4ミリメートルから9ミリメートルの厚さを有することができる。一実施形態では、フレキシブルユーザーインターフェース100は、100グラムから200グラムの範囲又は別の範囲にある重さを有することができる。
【0032】
一実施形態では、フレキシブルユーザーインターフェース装置100は、ウェアラブル装置とすることができる。例えば、フレキシブルユーザーインターフェース装置は、ゲーミング又は仮想現実(VR)環境を制御するのに用いられるグローブとすることができる。本明細書において論述される抵抗フィードバックは、このグローブの剛性のレベルを制御するのに用いることができる。
【0033】
図1A及び
図1Bを再び参照すると、フレックスセンサ120は、フレキシブル本体部110が受けている外部屈曲力を検知するように構成されている。この外部屈曲力は、抵抗フィードバックが存在しない場合の(又は抵抗フィードバックが存在する場合であっても)フレキシブルユーザーインターフェース100の全体変形を引き起こす力又はトルクとすることができる。例えば、フレックスセンサ120は、外部屈曲力に起因したフレキシブルユーザーインターフェース装置100のフレキシブル本体部110の曲げ、ねじり、巻き、又は他の屈曲(より一般的には、全体変形)を検知するように構成することができる。
図2Aは、フレックスセンサ120のより具体的な実施形態であるフレックスセンサ220を示している。フレックスセンサ220は、ストリップ等の細長形状を有する歪ゲージとすることができ、フレキシブルユーザーインターフェース装置200のフレキシブル本体部210の長さL(図示)又は幅Wに沿って整列することができる。一実施形態では、フレックスセンサ220は、フレキシブル本体部210に印加される外部屈曲力の大きさを測定する間接的方法とすることができるフレキシブル本体部210の変形の大きさを測定するように構成することができる。一実施形態では、フレックスセンサ220は、
図2Aに示すように、フレキシブル本体部210のフレキシブル基板内に組み込むこともできるし、フレキシブル本体部210の外表面に取り付けることもできる。
図3に示すように、フレキシブルシェル314を有するフレキシブル本体部110/310を伴う別の実施形態では、この実施形態のフレキシブルユーザーインターフェース装置300は、フレキシブルシェル314の内向き表面又は外表面に接合されたフレックスセンサを有することができる。
【0034】
一実施形態では、嚢130が気密性を有するように、嚢130は、空気を透過させないフレキシブル膜を備える。このフレキシブル膜は、空気が嚢130から除去されると、合わさってコンパクト化(例えば、圧縮)することができる材料を有することができる。
図4A及び
図4Bは、嚢130の一実施形態である嚢430を有するフレキシブルユーザーインターフェース装置400を示している。嚢430は、フレキシブル膜432及び離散層434−1から434−nの積層体434(単に層の積層体とも呼ばれる)を備える。フレキシブル膜432は、層434−1から434−nの積層体434を保持する筐体を形成することができる。上述のように、フレキシブル膜432は、嚢430内の空気の全て又はほとんどがフレキシブル膜432を通って嚢430の内又は外に透過するのに、長くない場合であっても、少なくとも数時間又は数日要するように、空気(例えば、酸素及び窒素)を実質的に透過させないポリプロピレン等の可撓で非伸縮性を有する材料から作製することができる。
【0035】
一実施形態では、層434−1から434−nの積層体434の各層は、綿繊維、リネン繊維、ポリエステル繊維、又は他の任意の繊維等の複数の絡合繊維を含む織布層とすることができる。各層内の絡合繊維は、例えば、空気を透過することができるメッシュ網を形成することができる。一実施形態では、積層体434の各層434−1から434−nは、布又は他の織物のシートとすることができる。一実施形態では、各層434−1から434−nは、フレキシブルユーザーインターフェース装置の寸法に近い寸法を有することができる。例えば、ユーザーインターフェース装置が方形のモバイルフォン又はタブレットコンピューターである場合、層434−1から434−nの積層体434の各層は、それぞれ、モバイルフォン又はタブレットコンピューターの長さ又は幅の少なくとも60パーセント、75パーセント、又は80パーセントの長さ及び/又は幅を有することができる。例えば、積層体434の各層は、140ミリメートルから170ミリメートルの長さを有することができ、60ミリメートルから85ミリメートルの幅を有することができる。そのような寸法を有することによって、嚢430は、フレキシブルユーザーインターフェース装置の一部分の局所的な剛性のみに影響を与えるのではなく、フレキシブルユーザーインターフェース装置400全体の全剛性により大きな影響を与えることを可能にすることができる。
【0036】
一実施形態では、積層体434の各層434−1から434−nは、0.09ミリメートルから5ミリメートル又は0.5ミリメートルから5ミリメートルの範囲の厚さを有することができる。一実施形態では、積層体434内の層の総数は、2個から15個の範囲、15個から50個の範囲、50個から100個の範囲、又は他の或る範囲とすることができる。別の実施形態では、嚢430は、単一の織布層のみを有することができる。一実施形態では、空気が嚢からポンプ排出される前の嚢430の全体の厚さは、1ミリメートルから5ミリメートルの範囲とすることができる。空気が嚢430からポンプ排出されると、嚢は、フレキシブル膜432がどのように形成されているかに応じて、実質的に方形の形状又は他の任意の形状を有することができる。本発明の実施形態によれば、積層体434内の層434−1から434−nは、同じ寸法を有することもできるし、異なるそれぞれの寸法を有することもできる。
【0037】
一実施形態では、嚢430は、或る容量の空気を保持するように構成され、嚢430に取り付けられた空気ポンプ440は、そのポンプ440が起動されると、嚢430から空気をポンプ排出するように構成することができ、その後、空気を嚢430内に戻すことを可能にするように制御することができる。ポンプ440は、
図4Aに示すように、エネルギ貯蔵装置470(例えば、リチウムバッテリー又はキャパシタ)によって電力供給を受けることができ、制御ユニット450によって制御することができる。一実施形態では、ポンプ440は、MEMS構成要素から形成される微小電気機械システム(MEMS)ポンプとすることができる。一実施形態では、ポンプ440は、嚢430から空気をポンプ排出することができるように構成されたロータリーベーンポンプ又は他の任意のタイプのポンプとすることができる。一実施形態では、ポンプ440は、真空レベル又は擬似真空レベルの圧力を嚢430内に生成するように構成することができる。一実施形態では、ポンプ430は、嚢430内の空気圧を、10水銀柱インチ(inHg)以下若しくは5inHg以下又はそれよりも更に低いレベルに減少させるように構成することができる。一実施形態では、嚢430とポンプ440との間に気密性接続を形成することができる。空気が嚢430からポンプ排出された後、空気が嚢430に戻るのを弁によって防止することができる。一実施形態では、この弁は、制御ユニット450によって制御可能とすることができる。例えば、制御ユニット450は、空気が嚢430内に戻るのを弁が防止する時点、及び、空気を嚢430内に戻すことを弁が可能にする時点を制御できるようにすることができる。
【0038】
一実施形態では、ベースラインの量の空気が嚢430内に存在するとき、嚢430は、嚢430が属するフレキシブルユーザーインターフェース装置400の他の変形の屈曲と干渉しないように可撓である。例えば、
図4Bに示すように、嚢430内の空気圧が、ユーザーインターフェース装置400の周囲の外気圧、例えば、1atmと同じであるとき、積層体434の各層434−1から434−nを可撓にすることができ、嚢430全体が可撓であり、ユーザーがフレキシブルユーザーインターフェース装置400を曲げ、又は別の方法で変形させることができることに対する影響は存在しないか又は小さなものにすぎない。ポンプ440が嚢430から空気をポンプ排出するにつれて、積層体434の層434−1から434−nを互いに圧縮していくことができ、フレキシブル膜432も積層体434に対して押圧していくことができ、これらの構成要素は、ジャミングされ(jammed:押し込まれ)、又は互いにきつく締め付けられるようになる。この圧縮によって、積層体434及び嚢430全体の剛性を高めることができる。
図4Cは、空気がポンプ440によって嚢430から排出された状況を示している。
図4Cにおける嚢430は、例えば、外気圧の10分の1の空気圧を有することができる。一実施形態では、
図4Cにおける嚢430は、嚢430内が真空状態又は擬似真空状態となるように、ゼロの空気圧又はほぼゼロの空気圧を有することができる。この状況において、ユーザーからの通常の力の大きさでは、フレキシブルユーザーインターフェース装置400の曲げ、屈曲、又は別の方法による全体変形を引き起こすことができないように、嚢430を大幅に硬化させることができる。幾つかの場合には、ユーザーは、それでも、フレキシブルユーザーインターフェース装置400を曲げ、又は別の方法で屈曲させることができる場合があるが、嚢430が外気圧を有するときにフレキシブルユーザーインターフェース装置400を変形させるのに必要な力よりも、例えば、2倍、3倍、又は10倍大きな力を作用させることが必要であり得る。一実施形態では、嚢430は、
図4Cに示す大幅に硬化された状態にあるとき、フレキシブルユーザーインターフェース装置400が、屈曲、ねじり、又は他の全体変形を受けることなく、2ニュートン、5ニュートン、又は10ニュートンの力まで耐えることを可能にすることができる。
【0039】
一実施形態では、制御ユニット150/250/350/450は、ポンプ140/240/340/440を制御することによって嚢130/230/330/430の剛性のレベルを制御するように構成されている。例えば、制御ユニット150は、フレキシブルユーザーインターフェース装置100のフレキシブル本体部110が外力を受けているとの判断に応答して、ポンプ140を起動するように構成することができる。制御ユニット150は、例えば、フレックスセンサ120からの測定信号に基づいて、外部屈曲力を受けていると判断することができる。より具体的には、制御ユニット150は、フレックスセンサ120からの測定信号に基づいて、フレキシブル本体部110が外部屈曲力を受けていることを検出するように構成することができる。幾つかの場合には、このステップは、測定信号の大きさが少なくとも規定閾値(例えば、規定電圧閾値)であるか否かを判断することを伴うことができる。
【0040】
一実施形態では、フレキシブル本体部110が外部屈曲力を受けていることを検出したことに応答して、制御ユニット150は、外部屈曲力に抵抗する抵抗フィードバックを生成するか否かを判断するように構成することができる。例えば、外部屈曲力は、フレキシブルユーザーインターフェース装置100に記憶されたテキストメッセージを順次ブラウジングするジェスチャー等の屈曲ジェスチャーに対応することができる。フレキシブルユーザーインターフェース装置100が曲げられ、又は別の方法で屈曲されるごとに、フレキシブルユーザーインターフェース装置100は、一連のテキストメッセージにおける次のテキストメッセージを表示することができる。制御ユニット150は、フレキシブルユーザーインターフェース装置100が曲げられ、又は別の方法で屈曲されるごとに、デテント効果が付随すべきであると判断するように構成することができる。この判断は、例えば、テキストメッセージングアプリケーション等のフレキシブルユーザーインターフェース装置100において実行されているアプリケーションのコンピューターコード又は他の非一時的コンピューター可読命令に基づくことができる。制御ユニットは、デテントの感覚を生成するために、抵抗フィードバックを短期間生成して、フレキシブルユーザーインターフェース装置100を硬化させる必要があると判断することができる。
【0041】
幾つかの実施形態では、抵抗フィードバックは、情報をユーザーに提供するのに用いることができる。1つの例では、この情報は、特定の屈曲ジェスチャーが無効な屈曲ジェスチャーであるか否かを示す表示とすることができる。例えば、フレキシブルユーザーインターフェース装置に対する曲げジェスチャー又は他の屈曲ジェスチャーは、フレキシブルユーザーインターフェース装置100において現在実行されているアプリケーションについて、関連付けられたアプリケーション動作を有しないものとすることができる。制御ユニット150が、無効な曲げジェスチャー、より具体的には、この曲げジェスチャーに関連付けられた外部曲げ力を検出すると、制御ユニット150は、この曲げジェスチャーに関連付けられた有効なアプリケーション動作が、現在フレキシブルユーザーインターフェース装置100において実行されているアプリケーション、例えば、テキスト入力アプリケーションに存在しないことを示す表示を提供する抵抗フィードバックを生成すると判断することができる。
【0042】
一実施形態では、上記抵抗フィードバックを生成するとの判断に応答して、制御ユニット150は、空気ポンプ140を起動して嚢130から空気をポンプ排出することによって、嚢130に剛性を増加させるように構成することができる。その結果、
図4Aから
図4Cの実施形態の織布層434−1から434−nの積層体434等の嚢130内の材料は、曲げもそれ以外の変形も実質的に不可能になる。一実施形態では、制御ユニット150は、嚢130からポンプ排出される空気の量又は嚢130内の空気圧を制御するように構成することができる。例えば、制御ユニット150は、フレキシブル本体部110に対して印加された外部屈曲力の大きさを求め、空気ポンプ140に、嚢130内の空気圧をこの外部屈曲力の大きさに基づくレベルに減少させるように構成することができる。外力の大きさは、例えば、フレックスセンサ120を介して求めることができる。制御ユニット150は、例えば、空気ポンプ140が起動されている時間の量を制御することによって嚢130内の空気圧を制御するように構成することができる。一実施形態では、制御ユニット150は、ゲーミングアプリケーション又は他のアプリケーションにおける値等の他の或る値に基づいて嚢130内の空気圧を制御するように構成することができる。
【0043】
一実施形態では、空気嚢130は、ポンプ140の起動が停止した後、低い空気圧を維持することができる。例えば、空気嚢130と空気ポンプ140との間の弁が、空気が空気嚢130に再び入るのを防止することができる。幾つかの場合には、この弁は、その弁を開放又は閉鎖するアクチュエータ等を介して開放又は閉鎖するように制御ユニット150によって制御可能とすることができる。そのような場合において、制御ユニット150は、抵抗フィードバックを停止すると判断するように構成されている場合、空気を空気嚢130内に戻すことを可能にするために、弁を開放することができる。嚢130内の空気圧は、そのシナリオでは、その後、外気圧に戻ることができる。一実施形態では、空気嚢内の空気圧が外気圧に戻る時間の量を短縮するために、制御ユニット150は、空気ポンプ140を起動して、空気嚢130内に空気をポンプ吸引させるように構成することができる。
【0044】
一実施形態では、制御ユニット150は、1つ以上のプロセッサ(例えば、マイクロプロセッサ)、フィールドプログラマブルゲートアプリケーション(FPGA)回路、プログラマブルロジックアレイ(PLA)回路、特定用途向け集積回路(ASIC)、又は他の任意の制御回路として実施することができる。一実施形態では、制御ユニット150の機能は、制御ユニット150内にハードコーディングすることができる。一実施形態では、制御ユニット150の機能は、メモリ155又は他の記憶装置に記憶された複数の非一時的コンピューター可読命令に基づくことができる。その実施形態では、制御ユニット150は、そのような命令を実行してそのような様々な機能を提供するように構成されたプロセッサとすることができる。このプロセッサは、フレキシブルユーザーインターフェース装置100用の汎用プロセッサであってもよいし、抵抗フィードバック及び/又は他のタイプの触覚フィードバックを制御することに専用化された制御ユニットであってもよい。この実施形態及び本出願の他の実施形態では、メモリ155は、制御ユニット150の一部であってもよいし、制御ユニット150から分離されていてもよい。一実施形態では、制御ユニット150及びエネルギ貯蔵装置170がともに、空気ポンプ140の信号ジェネレーターを形成することができる。
【0045】
図20Aは、嚢130の一実施形態でもあり得る嚢2130を示している。一実施形態では、嚢2130は、ゲーミンググローブ等のウェアラブル装置の材料に取り付けることもできるし、この材料内に組み込むこともできる。空気が嚢2130からポンプ排出されると、嚢2130は、例えば、ゲーミンググローブ内の指関節の曲げに抵抗することができる。一実施形態では、嚢2130は、フレキシブル膜2132と、層2134A−1、2134A−2、2134A−3、2134B−1、2134B−2、2134B−3の積層体2134とを備える。フレキシブル膜2132は、層の積層体2134を保持する筐体を形成することができる。フレキシブル膜2132と同様に、フレキシブル膜2134は、空気を実質的に透過させない可撓性及び非伸縮性を有する材料から形成することができる。一実施形態では、フレキシブル膜2132は、45ミリメートル×65ミリメートルの寸法を有することができる。一実施形態では、シリコーンシートが空気嚢2130を取り囲むことができる。
【0046】
一実施形態では、積層体2134は、第1の積層体2134A及び第2の積層体2134Bを備えることができる。
図20Bに示すように、積層体2134Aは、例えば、
図20Eに示すような3M(登録商標)468MPテープの10ミリメートル幅ストリップ等の第1の接着剤層2136A−1及び第2の接着剤層2136A−2を介して、互いに接合され又は別の方法で取り付けられた複数の層2134A−1、2134A−2、及び2134A−3を備えることができる。同様に、積層体2134Bは、例えば、第1の接着剤層2136B−1及び第2の接着剤層2136B−2を介して互いに取り付けられる複数の層2134B−1、2134B−2、及び2134B−3を備えることができる。
図20A、
図20C、及び
図20Dに示すように、積層体2134Aの層は、積層体2134Bの層と交互配置することができ、積層体2134Aの1つ以上の層は、積層体2134Bの2つの層と直接接触することができるようになっているとともに、積層体2134Bの1つ以上の層は、積層体2134Aの2つの層と直接接触することができるようになっている。一実施形態では、積層体2134A及び積層体2134Bの各層は、切り込み2138A−1及び切り込み2138A−2等の1つ以上の切り込みを有することができる。これらの1つ以上の切り込みは、積層体2134A、2134Bの各層を複数のストリップに分割することができる。
【0047】
一実施形態では、嚢2130は、その嚢2130から空気をポンプ排出するように構成された空気ポンプ2140に取り付けることができる。一実施形態では、空気ポンプ2140は、例えば、5水銀柱インチ(inHg)、14水銀柱インチ(inHg)、又は他の或る値に嚢2130内の空気圧を低減可能なものとすることができる。一実施形態では、空気ポンプ2140は、1秒未満(例えば、200ミリ秒)の時間内に目標空気圧に達することができるものとすることができる。一実施形態では、空気ポンプ2140は、マイクロポンプ3A120CNSNを用いて実施することができ、820cc/分の最小自由流れと、12.3inHg(415ミリバール)のデッドヘッドにおける最小真空状態とを達成することができるものとすることができる。幾つかの場合には、空気ポンプ2130は、ポンプ440と同じものとすることができる。
【0048】
一実施形態では、嚢2130内に空気が存在するとき、積層体2134Aの層は、スライド軸2137に沿って積層体2134Bの層に対してスライド可能とすることができる。例えば、
図20C及び
図20Dは、積層体2134Aの層及び積層体2134Bの層が、(37ミリメートルの全長から47ミリメートルの全長に)互いに対して10ミリメートルスライドしていることを示している。空気が擬似真空状態レベル等にまで嚢2130からポンプ排出されると、積層体2134A及び積層体2134Bの層を互いに詰め込むことができ、これによって、それらの間の摩擦を大幅に増加させることができる。摩擦の増加によって、2つの積層体2134A、2134Bの層が互いに対してスライドすることを防止することができる。
【0049】
上述のように、嚢2130は、ゲーミンググローブ等のグローブに取り付けることもできるし、そのグローブ内に組み込むこともできる。一実施形態では、スライド軸2137がグローブの指カバーに平行になるように嚢2130の向きを定めることができる。一実施形態では、積層体2134A、2134Bのうちの少なくとも一方は、グローブの少なくとも1つの指カバーの全て又は実質的部分に沿って(例えば、グローブの各指カバーに沿って)伸長することができる。
図21A及び
図21Bに示すように、ユーザーの指がグローブ内で曲がると、その指を取り囲む対応する指カバーは、長さが37ミリメートルから47ミリメートル等に伸長しなければならない場合がある。一実施形態では、層の詰め込みを用いて、グローブ内での指の曲げを制限することができる。より具体的には、ユーザーの指が曲がると、指カバーの長さが伸長することを可能にするために、積層体2134A、2134Bの層がスライド軸2137に沿って互いに対してスライドするように、嚢2130をグローブの指カバーに取り付けることができる。一方、空気が嚢2130からポンプ排出されると、積層体2134A、2134Bの層が互いに対してスライドすることを阻止又は別の方法で制約することができる。その結果、グローブの1つ以上の指カバーの長さが伸長することを不可能にするか又は制限することができ、これによって、指カバー内で指を曲げることを防止又は制限することができる。したがって、空気嚢2130は、グローブ内での指の屈曲に抵抗するロックメカニズムとして機能することができる。一実施形態では、空気嚢2130は、少なくとも10ニュートンの外部曲げ力に抵抗することができるものとすることができる。
【0050】
上記で論述したように、本明細書における実施形態の1つの態様は、マクロファイバー複合体(MFC)アクチュエータ等のスマート材料アクチュエータを介して抵抗フィードバックを提供することに関する。
図5Aは、そのようなアクチュエータを介して抵抗フィードバックを生成するように構成されたフレキシブルユーザーインターフェース装置500のブロック図を提供する。より具体的には、フレキシブルディスプレイ装置500は、フレキシブル本体部510、このフレキシブル本体部510上に配置された少なくとも1つのスマート材料アクチュエータ531、制御ユニット550、メモリ555、及びエネルギ貯蔵装置570を備える。一実施形態では、フレキシブルユーザーインターフェース装置500は、ディスプレイ装置とすることができる。例えば、
図5Bは、フレキシブルユーザーインターフェース装置500のより具体的な実施形態であるフレキシブルユーザーインターフェース装置500Aを示している。フレキシブルユーザーインターフェース装置500Aは、
図5Aに示すものと同じ構成要素を備えることができるが、LCD層又はOLED層等のフレキシブル表示層512、追加のアクチュエータ532から534、及びフレックスセンサ520を更に備える。フレックスセンサ520は、例えば、フレキシブル本体部510が受けている外力を検出するように構成された歪ゲージとすることができる。フレックスセンサ520は、アクチュエータ531から534から分離されていてもよい。別の実施形態では、フレキシブルユーザーインターフェース装置500は、表示層及び表示機能を有しないものとすることができ、及び/又は、分離したフレックスセンサを有しないものとすることができる。そのような実施形態では、フレキシブルユーザーインターフェース装置500は、少なくともスマート材料アクチュエータ531を用いて、フレキシブル本体部に対する外部屈曲力を検出することができる。他の実施形態に関して上記で論述したように、フレキシブルユーザーインターフェース装置500は、モバイルフォン、タブレットコンピューター、リモート制御装置、eリーダー、ウェアラブル装置、又は他の任意のユーザーインターフェース装置とすることができる。
【0051】
図6A及び
図6Bは、フレキシブルユーザーインターフェース装置500のより具体的な実施形態であるフレキシブルユーザーインターフェース装置600を示している。フレキシブルユーザーインターフェース装置600は、フレキシブル基板を備えるフレキシブル本体部610を備えることができるが、別の実施形態では、フレキシブル本体部610は、フレキシブルシェルを備えることもできるし、フレキシブルシェル及びフレキシブル基板の組み合わせ等の他の任意のタイプのフレキシブル本体部を備えることもできる。フレキシブルユーザーインターフェース装置600は、フレキシブル本体部610のフレキシブル基板内に組み込まれ、又は別の方法で配置されたフレキシブル表示層612を更に備えることができる。
【0052】
一実施形態では、フレキシブル本体部610は、1つ以上の折り目613、614を有することができる。1つ以上の折り目613、614は、フレキシブル本体部610の曲げ又は他の変形を容易にすることができる。例えば、折り目614は、フレキシブル本体部610のエッジ部分617をリビングヒンジの回りにフレキシブル本体部610の中央部分に向けて曲げることを容易にするリビングヒンジとして形成することができる。同様に、折り目613は、フレキシブル本体部610の反対側のエッジ部分615をヒンジの回りにフレキシブル本体部610の中央部分に向けて同様に曲げることを容易にするリビングヒンジとして動作することができる。幾つかの場合には、折り目613又は614は、フレキシブル本体部610の一部分を折り目613又は614の回りに180度近く曲げることを可能にすることができ、その場合、この曲げは、フレキシブル本体部610のその部分を折り畳むことと呼ぶことができる。一実施形態では、1つ以上の折り目613、614は、フレキシブル本体部610の形成中、すなわち、製造中又はユーザーによる使用中のいずれかにおいて作製される薄厚部分等のリビングヒンジとすることができる。一実施形態では、1つ以上の折り目613、614は、スタンプ動作によって形成することができる。一実施形態では、1つ以上の折り目613、614の各折り目は、浅い溝又は隆起部を形成することができる。例えば、折り目613又は614のそれぞれは、フレキシブル本体部610の第1の外表面上に浅い溝を形成するとともに、フレキシブル本体部610の第2の外表面上に隆起部を形成することができる。
【0053】
一実施形態では、フレキシブルユーザーインターフェース装置600は、フレキシブル本体部610の外表面610a上に配置されたアクチュエータ631、632、633、634と、これらの複数のアクチュエータ631から634のそれぞれと通信する制御ユニット650とを備える。複数のアクチュエータ631から634の各アクチュエータは、例えば、フレキシブル基板の外表面610aに接合することができる。幾つかの場合には、複数のアクチュエータ631から634のそれぞれは、フレキシブル本体部610のフレキシブル基板とユニモルフ構造を形成することができる。さらに、複数のアクチュエータ631から634の各アクチュエータは、作動可能材料層と、この作動可能材料層の反対に位置する端部に配置された2つの電極とを有することができる。電圧差が、2つの電極を介して作動可能材料の反対に位置する端部の間に生成されると、作動可能材料は、その作動可能材料の平面に沿って、例えば作動可能材料の長さ又は幅に沿って、伸張力又は収縮力を生成することができる。例えば、
図6Bは、アクチュエータ633及びアクチュエータ634を示し、これらのアクチュエータのそれぞれは、作動可能材料層を有することができる。
図6Bは、アクチュエータ633の作動可能材料層の反対に位置する端部上に配置された2つの電極633a、633bと、アクチュエータ634の作動可能材料層の反対に位置する端部上に配置された2つの電極634a、634bとを更に示している。電極633a、633bは、アクチュエータ633の作動可能材料層の長さ又は幅に沿って整列することができ、電極634a、634bは、アクチュエータ634の作動可能材料層の長さ又は幅に沿って整列することができる。
図6Bに示すように、電圧差が、例えば、電極634a及び634bの間に生成されると、アクチュエータ634の作動可能材料は、軸601に沿った伸張力を生成することができる。電圧差の極性が反転されると、作動可能材料は、同じ軸に沿って収縮力を生成することができる。以下でより詳細に論述するように、伸張力は、ユーザーからの外力F
extに抵抗する力F
resistに変換することができる。
【0054】
一実施形態では、複数のアクチュエータ631から634のうちの1つ以上の作動可能材料層は、電圧差が圧電材料の反対に位置する端部の間に生成されると、層の長さ又は幅に沿って伸張力又は収縮力を生成するように構成された圧電材料層とすることができる。幾つかの場合には、圧電材料は、マクロファイバー複合体(MFC)材料とすることができる。このMFC材料は、接着剤等のポリマーマトリックス内に組み込まれた複数の圧電ファイバーを含むことができる。そのような状況が
図6Dに示されている。
図6Dでは、材料層はMFC材料であり、アクチュエータ634はMFCアクチュエータである。
図6Dは、アクチュエータ634の反対に位置する端部上に配置された電極634a及び634bを更に示しており、電極634a、634bの間の電圧差は、MFC材料層をこの図に示す矢印の方向に伸張させることができる。
【0055】
図6Dは、アクチュエータ634の第1の表面634cと、アクチュエータ634の第2の対向表面634dとを更に特定している。一実施形態では、アクチュエータ634がフレキシブル本体部610に接合されると、アクチュエータ634の第1の表面634cは、フレキシブル本体部610の表面610aと直接接触することができる。
【0056】
一実施形態では、アクチュエータ634及び他のアクチュエータ631から633は、ユーザーからの外部曲げ力に抵抗する曲げ力又は他の屈曲力をフレキシブル本体部610に作用させるように構成することができる。曲げ力は、アクチュエータ634の作動可能材料によって生成される伸張力から変換又は別の方法で発生させることができる。より具体的には、アクチュエータ634は、上記で論述したように、アクチュエータ634の作動可能材料層の表面634cとフレキシブル本体部610のフレキシブル基板との間が接合されるように、その表面634cを介してフレキシブル本体部610に接合することができる。一実施形態では、フレキシブル本体部610は、曲げ可能なものとすることができるが、軸601に沿った伸張性及び/又は軸601に沿った収縮性は、アクチュエータ634の作動可能材料に対してはるかに低くすることができる。ここで、軸601は、作動可能材料層の長さ又は幅に沿って整列された軸とすることができる。そのような状況において、第1の表面634cはフレキシブル本体部610に接合されているので、フレキシブル本体部610は、その第1の表面634cにおいて軸601に沿った作動可能材料層の伸張及び/又は収縮を防止又は制限することができる。換言すれば、アクチュエータ634の作動可能材料層は、第1の表面634cにおいて層の長さに沿っても幅に沿っても伸張することができないものとすることもできるし、第2の表面634dにおける作動可能材料の伸張に対して小さな規模で伸張することもできる。同様に、この接合によって、アクチュエータ634の作動可能材料層が第1の表面634cにおいて層の長さ又は幅に沿って収縮することを防止することもできるし、あらゆる収縮の規模を第2の表面634dにおける作動可能材料の収縮に対して小さくすることもできる。アクチュエータ634の作動可能材料層の対向する2つの側部における伸張又は収縮のそれぞれの量のこの差は、
図6Bにおける軸601に沿った伸張力又は収縮力を、外力F
extに抵抗する
図6Bにおける曲げ力F
resist等の曲げ力に変換することができる。一実施形態では、アクチュエータ634又はアクチュエータ631から633のうちの他の任意のものによって生成される曲げ力又は他の屈曲力は、フレキシブルユーザーインターフェース装置600の剛性のレベルを高めることができる。
【0057】
一実施形態では、フレキシブルユーザーインターフェース装置600の制御ユニット650は、フレキシブル本体部610が外部屈曲力である第1の屈曲力を受けていることを検出するように構成することができる。幾つかの場合には、フレキシブルユーザーインターフェース装置600は、アクチュエータ631から634とは別個のフレックスセンサを有することができる。例えば、
図6Cは、フレキシブルユーザーインターフェース装置600の一実施形態であるフレキシブルユーザーインターフェース装置600Aを示している。フレキシブルユーザーインターフェース装置600Aは、
図6A及び
図6Bの構成要素の全てを備え、フレキシブル本体部610に組み込まれたフレックスセンサ621及びフレックスセンサ622を更に備える。制御ユニット650は、フレックスセンサ621又は622からの測定信号に基づいて外力の検出を行うように構成することができる。幾つかの場合には、制御ユニット650は、複数のアクチュエータ631から634を用いることによって外部屈曲力を検出するように構成することができ、フレキシブルユーザーインターフェース装置600は、別個のフレックスセンサを有しないものとすることができる。そのような場合、複数のアクチュエータ631から634は、更に、機械的入力を電気出力に変換するように構成されたトランスデューサーとすることができる。例えば、複数のアクチュエータ631から634の作動可能材料は、抵抗フィードバックを生成するように起動される前に、まず、
図6Bの外部屈曲力F
extを検出するのに用いることができる。外部屈曲力F
extがフレキシブル本体部610の少量の変形を開始すると、作動可能材料は、電気信号を生成することができ、この電気信号は、出力信号とすることができる。制御ユニット650は、フレックスセンサ621、622又は複数のアクチュエータ631から634からの出力電気信号を測定信号として用いて、外部屈曲力F
extを検出することができる。例えば、外部屈曲力Fがフレキシブル本体部610の少量の変形を開始すると、アクチュエータ634又はフレックスセンサ622からの測定信号は大きさを増し、例えば、外部屈曲力F
extの開始後10m秒以内の規定閾値に達し得る。以下で論述するように、その後、複数のアクチュエータ631から634を起動して、フレキシブル本体部610の更なる変形に抵抗することができる。
【0058】
一実施形態では、フレキシブル本体部610が受けている外部屈曲力の検出に応答して、制御ユニット650は、この外部屈曲力に抵抗する抵抗フィードバックを生成するか否かを判断するように構成することができる。抵抗フィードバックを生成するとの判断に応答して、制御ユニットは、1つ以上のアクチュエータ631から634の各アクチュエータの電極に駆動信号を印加することによって、複数のアクチュエータ631から634のうちの1つ以上を起動するように構成することができる。一実施形態では、制御ユニット650は、駆動信号を生成する信号ジェネレーターを形成するエネルギ貯蔵装置を装備することができる。これらの駆動信号は、1つ以上のアクチュエータの各アクチュエータについて、アクチュエータ634等のアクチュエータの電極を介してアクチュエータの作動可能材料の反対に位置する端部の間に電圧差を生成することができる。この電圧差によって、作動可能材料層は、上記で論述したように、外部屈曲力に抵抗する第2の屈曲力F
resistを作用させる。
【0059】
一実施形態では、複数のアクチュエータ631から634を用いて、抵抗フィードバックのみを生成することもできるし、様々な時点で能動的触覚効果/能動的触覚フィードバックも生成することもできる。能動的触覚効果は、フレキシブルユーザーインターフェース装置600のフレキシブル本体部610において変形又は他の動きを能動的に生み出すように設計することができる。例えば、ユーザーインターフェース装置600がユーザーのポケット内にある間、又は、ユーザーインターフェース装置600がユーザーの手に上にある間、能動的触覚効果は、フレキシブル本体部610を曲げる力を生成することができる。抵抗フィードバックは、ユーザーが印加しようとしている変形に抵抗するように設計することができ、ユーザーからの外力のみに応答して生成することができる。さらに、抵抗フィードバックは、外力と方向が逆でかつ外力以下の大きさの力を生成することができる。幾つかの場合には、抵抗フィードバックからの力の大きさは、外力の大きさに比例するように制御することができる。例えば、制御ユニット650は、複数のアクチュエータ631から634のうちの1つ以上の作動可能材料の反対に位置する端部の間の電圧差が、フレキシブル本体部610に印加されている外部屈曲力F
extの大きさに比例した大きさ、又は、別の方法で外部屈曲力F
extの大きさに基づく大きさを有するように構成することができる。複数のアクチュエータ631から634を抵抗フィードバックのみに制限することによって、節電することができる。したがって、幾つかの場合には、フレキシブルユーザーインターフェース装置600は、バッテリーレベルが規定閾値未満になると、複数のアクチュエータ631から634のその使用を抵抗フィードバックのみに制限するように構成することができる。
【0060】
一実施形態では、複数のアクチュエータ631から634のうちの1つ以上は、圧電材料と異なる作動可能材料を有することができる。例えば、1つ以上のアクチュエータは、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)等の電気活性ポリマー(EAP)、形状記憶ポリマー(SMP)材料、形状記憶合金(SMA)材料、又は他の任意の作動可能材料を備えることができる。
【0061】
図6A及び
図6Bに示すように、アクチュエータ631から634のそれぞれは、フレキシブル本体部610のフレキシブル基板の折り目613、614のうちの一方と、それぞれのエッジとの間に配置することができる。一実施形態では、複数のアクチュエータ631から634と折り目613、614のそれぞれとの間に重なり合いはない。
【0062】
一実施形態では、
図7に示すように、フレキシブルユーザーインターフェース装置700は、その折り目とコーナーとの間にそれぞれ配置されたアクチュエータを有することができる。より具体的には、
図7は、フレキシブル本体部710と、フレキシブル本体部710の中央部分とフレキシブル本体部710のそれぞれのコーナーとの間の斜めの折り目とを有するフレキシブルユーザーインターフェース装置700を示している。フレキシブルユーザーインターフェース装置700は、フレキシブル本体部710のそれぞれの折り目とそれぞれのコーナーとの間に配置されたアクチュエータ731、732、733、734を更に備える。アクチュエータ731、732、733、734のそれぞれは、電圧差が層の2つの端部間に生成されると、伸張力又は収縮力を生成するように構成されたMFC材料層等の作動可能材料層を有することができる。外力が、フレキシブル本体部710の1つ以上のコーナーに印加されると、1つ以上のコーナーにおいて、アクチュエータ731、732、733、734のそれぞれを介してそれぞれのフィードバックを提供することができる。
【0063】
上記で論述したように、本発明による幾つかの実施形態は、少なくとも2つの層を有する積層体の間に静電接着又は電磁接着を生成することに基づいて抵抗フィードバックを提供することができる。
図8は、少なくとも第1層860及び第2層870を備える積層体を有するとともに、第1層860と第2層870との間に接着を生成することによって抵抗フィードバックを提供するように構成されたフレキシブルユーザーインターフェース装置800を示している。フレキシブルユーザーインターフェース装置800は、第1層860及び第2層870がその内部又はその上に配置されるフレキシブル本体部810を更に備えるとともに、制御ユニット850、メモリ855、1つ以上のフレックスセンサ821、822、及びエネルギ貯蔵装置880を備える。一実施形態では、フレキシブルユーザーインターフェース装置800は、層860、870だけでなくそれよりも多くの層を備える積層体を有することができる。例として、積層体は、例えば、10層、20層、又は100層を有することができる。積層体は、0.1ミリメートルから1ミリメートルの範囲、1ミリメートルから5ミリメートルの範囲、又は他の或る範囲の厚さを有することができる。一実施形態では、フレキシブルユーザーインターフェース装置800は、フレキシブルディスプレイ装置となるように、フレキシブル表示層を更に備えることができる。
【0064】
図9A及び
図9Bは、少なくとも2つの層を有する積層体の間に静電接着を生成することに基づいて抵抗フィードバックを提供するフレキシブルユーザーインターフェース装置800の一実施形態であるフレキシブルユーザーインターフェース装置900を示している。フレキシブルユーザーインターフェース装置900は、フレキシブル本体部910と、フレキシブル本体部910の対向エッジに又はその近くに配置されたフレックスセンサ921、922と、制御ユニット950と、バッテリー等のエネルギ貯蔵装置980と、少なくとも層960及び層970から作製された積層体とを備える。一実施形態では、フレキシブル本体部910は、フレキシブル基板及び/又はフレキシブルシェルから形成することができる。一実施形態では、フレキシブル本体部910は、
図9Bに示すように、層960、970の積層体が配置されるコンパートメント911、キャビティ、又は他の空間を形成することができる。別の実施形態では、層960、960の積層体は、フレキシブル本体部910に接合することができる。
【0065】
図9Bにおいて、複数の電極916−1から916−nを、層960内に組み込むこともできるし、別の方法で配置することもできる。別の実施形態では、電極916−1から916−nは、層960の外表面上に配置することができる。一実施形態では、層960及び層970はそれぞれ、ポリイミド等のフレキシブル電気絶縁材料から形成することができる。幾つかの場合には、層970は、本質的に電気絶縁材料からなることができる。層960、970は、例えば、5センチメートルから10センチメートルの範囲、10センチメートルから20センチメートルの範囲、又は他の或る範囲の寸法を有することができる。一実施形態では、層960、970のそれぞれは、50ミクロンから1ミリメートルの範囲の厚さを有する。幾つかの場合には、フレキシブル電気絶縁材料は、少なくとも100V、500V、又は1kVの電圧レベルに耐えることができる良好な誘電特性を有することができる。一実施形態では、層960、970は、電荷が電極916−1から916−nに印加されておらず、フレキシブル本体部910が屈曲されているとき、互いに対して自由にスライドすることができるように構成することができる。
【0066】
一実施形態では、電極916−1から916−nのそれぞれは、エネルギ貯蔵装置980に切り替え可能に接続することができる。エネルギ貯蔵装置980は、電極916−1から916−nに正電圧又は負電圧を提供するように制御ユニット950によって制御することができる。この正電圧又は負電圧は、それぞれ正電荷又は負電荷を電極916−1から916−nに提供することができる。一実施形態では、制御ユニット950及びエネルギ貯蔵装置980は、信号ジェネレーターを形成することができる。上記電圧は、例えば、100Vから1kVの範囲内とすることができる。この電圧によって、層960、970は、互いに係合することもできるし、互いの係合レベルを増加させることもできる。係合のレベルの増加は、層960、970を互いに対して引動又は押動することによる層960、970の間の接触面積の量の増加又は引き付ける力の量の増加に反映させることができる。したがって、係合レベルの増加は、2つの層960、970の間の摩擦レベルを増加させることができ、これによって、2つの層960、970が互いに対してスライドすることを阻止又は別の方法で制限することができる。
【0067】
より具体的には、電荷が層960の電極916−1から916−nに提供されると、その電荷は、層970の表面に逆の電荷を誘導することができる。これらの逆の電荷は、層960及び970の間に静電引力を引き起こすことができ、この静電引力は、層970を層960に向けて又は層960を層970に向けて引き寄せる力Fを生成する。この力は、層960、970の寸法に依存することができる。一例として、層960、970は、それぞれ10センチメートル×18センチメートルの寸法を有することができ、静電引力は、層970を層960に向けて引き寄せる1.5ニュートンの力を生成することができる。上述のように、2つの層960、970の間の引力の量の増加は、2つの層960、970の間の静止摩擦等の摩擦を増加させることができる。上記例では、増加した静止摩擦量は、2つの層960、970が互いに対してスライドする前に、0.6ニュートンまでの剪断力に抵抗することができる。
図9Bにおいて、電荷が電極に印加されていないとき、2つの層960は引き続き接触することができるが、接触面積は少なくなる場合があり、その結果、摩擦は低下する場合がある。
【0068】
図9Bでは、電極916−1及び916−2又は電極916−2及び916−3等の連続する電極に、エネルギ貯蔵装置980によって、それぞれの逆の電荷を提供することができる。そのような構成は、層970に誘導される電荷によって、層960、970が互いに対してスライドすることを更に制限することができる。例えば、
図9Bは、電極916−1が、その電極916−1の正面にある層970の領域に負電荷を誘導することを示している。同様に、電極916−3は、その電極916−3の正面にある層970の領域に負電荷を誘導する。層970に誘導された負電荷は、層960内の電極916−2上の負電荷とともに反発し合うことができる。この反発力は、層970に対する層960のスライド動作に更に抵抗することができる。別の実施形態では、電極916−1から916−nの全ての電極には、同じ電荷を提供することができる。
【0069】
一実施形態では、フレキシブルユーザーインターフェース装置900は、複数の層の対、例えば、25個の層の対を備える積層体を有することができ、これらの対のそれぞれは、層960と同じ構造を有するそれぞれの第1層と、層970と同じ構造を有するそれぞれの第2層とを有する。別の実施形態では、層970は、電気絶縁材料の代わりに導電材料から作製することができる。例えば、層970は、代替の実施形態では、本質的に単一の電極からなることができる。
【0070】
一実施形態では、制御ユニット950は、電荷を電極916−1から916−nにいつ印加するのかを制御することができる。例えば、制御ユニット950は、フレックスセンサ921及び/又は922からの測定信号に基づいて、フレキシブル本体部910が外部屈曲力を受けているか否かを検出するように構成することができる。屈曲力の検出に応答して、制御ユニットは、外部屈曲力に抵抗する抵抗フィードバックを生成するか否かを判断することができる。さらに、抵抗フィードバックを生成するとの判断に応答して、制御ユニット950は、エネルギ貯蔵装置980に、電荷、より一般的には電気駆動信号を電極916−1から916−nに提供させることによって、層960、970の間に静電接着を生成するように構成することができる。層960、970の間の静電接着によって、これらの層が互いに対してスライドすることを防止することができる。1つの例では、
図9Bにおける電極は、例えば、100Vから1kVの電圧を用いて起動されると、例えば、0.03ニュートンから1ニュートンの範囲の剪断力に抵抗する摩擦量を生成することができる。一実施形態では、制御ユニット950は、エネルギ貯蔵装置980から電極916−1から916−nに提供される電気信号を制御することができる。この電気信号は、直流(DC)信号であってもよいし、1500Vの振幅を有する正弦波電圧信号等の交流(AC)信号であってもよい。そのような正弦波信号の周波数は、例えば、2Hzから300Hzの範囲内とすることができる。そのような振動は、2つの層960、970が互いに対してスライドするときの空間デテントを生成又は模擬することができる。
【0071】
図10は、少なくとも2つの層を有する積層体の間に静電接着を生成することに基づいて抵抗フィードバックを提供するフレキシブルユーザーインターフェース装置800の一実施形態であるフレキシブルユーザーインターフェース装置1000を示している。フレキシブルユーザーインターフェース装置1000は、フレキシブル本体部1010と、少なくとも層1060、1070を備える積層体と、制御ユニット1050と、エネルギ貯蔵装置1080とを備える。層1060、1070は、フレキシブル本体部1010内に形成されたコンパートメント1011又は他の空間内に配置することができ、電気接着が生成されていないときに互いに対して自由にスライドすることができる。
【0072】
一実施形態では、層1060は、電気絶縁材料と、この電気絶縁材料に接合された第1の電極とを備えることができる。より具体的には、
図10における層1060は、化学接着剤又は他の形態の接合を介して互いに永久接合される単一の電極1061及び単一の電気絶縁層1063のみから作製することができる。別の実施形態では、電極1061は、絶縁層1063に組み込むことができる。電極1061は、層1060に含まれる唯一の電極とすることができ、層1060の面積と等しいか又は実質的に等しい面積を有することができる。電気絶縁層1063は、例えば、誘電エラストマー又は他の或る材料を含むことができる。一実施形態では、層1070は、
図10に示すように、層1070に組み込まれ、又は層1070を形成する追加の単一の電極を備える。例えば、層1070は、本質的にこの追加の電極からなることができる。
【0073】
一実施形態では、エネルギー蓄積ユニット1080は、2つの逆の電荷、より一般的には極性が逆の2つの信号を、層1060の電極1061及び層1070の電極にそれぞれ与えるように構成することができる。逆の電荷は、層1060、1070を互いに引き寄せ合うことができる静電引力を層1060、1070の間に引き起こすことができる。一実施形態では、制御ユニットは、フレキシブル本体部1010が外部屈曲力を受けていることを検出することができ、抵抗フィードバックを生成すると判断することができる。抵抗フィードバックを生成するとの判断に応答して、制御ユニットは、層1060、1070が互いに対してスライドすることを防止するために、電極1061に対して第1の電荷を印加するとともに、層1070によって形成された電極に対して第2の逆の電荷を印加することができる。
【0074】
図11は、電磁石を用いて電磁接着を生成するフレキシブルユーザーインターフェース装置1100を示している。フレキシブルユーザーインターフェース装置1100は、フレキシブルユーザーインターフェース装置800の一実施形態とすることができ、フレキシブル本体部1110、制御ユニット1150、エネルギ貯蔵装置1180、及び少なくとも層1160、1170の積層体を備えることができる。層の積層体は、層1160内に組み込まれ、又はこの層に接合された第1の電磁石セット1161−1から1161−nを備えることができるとともに、層1170内に組み込まれ、又はこの層に接合された第2の電磁石セット1171から1171−nを備えることができる。別の実施形態では、層1160、1170のそれぞれは、複数の電磁石ではなく、単一の電磁石のみを備えることができる。
【0075】
一実施形態では、電磁石のそれぞれは、コイルの形状に印刷又は別の方法で形成された電気トレース(すなわち、プリントコイル)を備えることができる。一実施形態では、層1160の全て又は一部分は、電磁石1161−1から1161−nによって生成される磁場を強化することができるフレキシブルスチールから作製することができる。
【0076】
一実施形態では、制御ユニット1150は、
図11における電磁石を制御するように構成することができる。例えば、抵抗フィードバックを生成するとの判断に応答して、制御ユニットは、
図11に示すように、第1の電磁石セット1161−1から1161−nに、第1の磁気極性を有するそれぞれの磁場を生成させるとともに、第2の電磁石セット1171−1から1171−nに、第2の逆の磁気極性を有するそれぞれの第2の磁場を生成させるように構成することができる。これらの逆の磁気極性は、第1の電磁石セット1161−1から1161−nと、第2の電磁石セット1171−1から1171−nとの間に電磁引力を生成することができ、この電磁引力は、層1160と1170との間に引力を生成することができる。層1160、1170の間の引力は、それらの層の間の摩擦を増加させることができ、これによって、層1160、1170の積層体の剛性レベルを増加させることができる。
【0077】
一実施形態では、第1の電磁石セット1161−1から1161−nは、第2の電磁石セット1171−1から1171−nのそれぞれの磁石と位置を合わせすることができる。
図11に示すように、第1の電磁石セット1161−1から1161−nは、同じ極性を有する磁場を有することができ、第2の電磁石セット1171−1から1171−nは、同じ極性を有する磁場を有することができる。別の実施形態では、第1の電磁石セット1161−1から1161−nは、その連続した電磁石が逆の磁気極性を有するように、磁気極性を交互にすることができる。同様に、第2の電磁石セット1171−1から1171−nも、その連続した電磁石が逆の磁気極性を有するように、磁気極性を交互にすることができる。この代替の実施形態では、電磁石対1161−1及び1171−1等の、それぞれの第1の電磁石セット及び第2の電磁石セットからの位置合わせされた各電磁石対は、逆極性の磁場を有することができる。
図11は、第1の電磁石セット1161−1から1161−n及び第2の電磁石セット1171−1から1171−nを伴うが、別の実施形態は、これらの電磁石セットのうちの一方を永久磁石のセットに取り替えることができる。
【0078】
上記で論述したように、2つの層の間の摩擦は、層のうちの一方の表面上にマイクロウェッジのアレイを形成することによって増加させることができる。2つの層が互いに対して押圧又は別の方法で係合されると、一方の層におけるマイクロウェッジは、他方の層と接触する表面積をより多く露出するように変形することができる。接触面積の増加によって、2つの層の間の摩擦の総量が増加する。マイクロウェッジのアレイは、ヤモリの足とその足が押圧される表面との間に大きな摩擦を生成可能であり得るヤモリの足の剛毛の振る舞いを模倣することができる。
図12は、例えば、シリコーンから形成されたそのようなマイクロウェッジのアレイを用いることができるフレキシブルユーザーインターフェース装置1200を示している。より具体的には、フレキシブルユーザーインターフェース装置1200は、フレキシブル本体部1210、制御ユニット1250、メモリ1255、エネルギ貯蔵装置1280、フレックスセンサ1220、第1層1260、第2層1270、及びアクチュエータ1240を備える。
【0079】
一実施形態では、第1層1260は、その第1層1260の表面上に形成又は別の方法で配置されたマイクロウェッジのアレイを有することができる。一実施形態では、これらのマイクロウェッジは、複数のパッチに分割することができ、各パッチは、マイクロウェッジのサブアレイを有する。一実施形態では、アクチュエータ1240は、層1260を層1270に向けて又はその逆に押圧又は引動することによって、第1層1260及び第2層1270を係合させるように、又は2つの層1260、1270の間の係合レベルを増加させるように構成することができる。2つの層1260、1270が係合していないとき又はベースライン係合レベルしか有していないとき、それらの層は、外部屈曲力がフレキシブル本体部1210に印加されると、互いに対して自由にスライド可能とすることができる。2つの層1260、1270がこのプロセス中に係合されていない場合、第1層1260上のマイクロウェッジは、第2層1270に接触していない場合がある。それらの層がベースライン係合レベルを有する場合、第1層1260上のマイクロウェッジは、第2層1270に軽く触れて通るだけの場合もあるし、別の方法で僅かに接触するだけの場合もある。アクチュエータ1240は、起動されると、第1層1260上のマイクロウェッジと第2層1270の表面との間の接触を増加させるために、第1層1260を第2層1270に対して又はその逆に押圧するように構成することができる。アクチュエータ1240の起動が停止されると、第1層1260及び第2層1270は、例えば、重力又はそれらの層の間の付勢ばね力を介して、自然に係合解除することができる。
【0080】
一実施形態では、制御ユニット1250は、フレックスセンサ1220からの測定信号に基づいてアクチュエータ1240を起動するように構成することができる。例えば、制御ユニット1250は、フレックスセンサ1220からの測定信号に基づいて、フレキシブル本体部1210が受けている外部屈曲力を検出するように構成することができる。フレキシブル本体部1210に印加されている外部屈曲力の検出に応答して、制御ユニット1250は、外部屈曲力に抵抗する抵抗フィードバックを生成するか否かを判断するように構成することができる。抵抗フィードバックを生成するとの判断に応答して、制御ユニット1250は、アクチュエータ1240を起動して、第1層1260の第1の表面を第2層1270の第2の表面に向けて作動させるように構成することができる。ここで、第2層1270の第2の表面は、第1層1260の第1の表面に向いている。この作動によって、第1層1260上のマイクロウェッジのアレイと第2層1270の第2の表面との間の接触面積を増加させることができる。
【0081】
図13Aから
図13Dは、マイクロウェッジのアレイを用いることができるフレキシブルユーザーインターフェース装置1200のより具体的な実施形態であるフレキシブルユーザーインターフェース装置1300を示している。フレキシブルユーザーインターフェース装置1300は、フレキシブル本体部1310と、フレキシブル本体部1310に印加されている外部屈曲力を検知するように構成されたフレックスセンサ対1321、1322とを備える。フレキシブル本体部1310は、第1層1360及び第2層1370が配置されるコンパートメント1311、キャビティ、又は他の空間を備えることができる。一実施形態では、
図13Bに示すように、複数のアクチュエータ1341、1343、1345を第1層1360に取り付けて、第1層を第2層1370に対して押圧することによって第1層1360を第2層1370と係合させるように構成することができる。複数のアクチュエータ1341、1343、1345は、支持基板1390に取り付けることもできる。この支持基板は、アクチュエータ1341、1343、1345及び第1層1360が実装される実装基板と呼ばれる場合もある。フレキシブルユーザーインターフェース装置1300は、アクチュエータ1341、1343、1345に電力を供給するエネルギ貯蔵装置1380と、アクチュエータ1341、1343、1345をいつ起動するのかを制御する制御ユニット1350とを更に備えることができる。
【0082】
一実施形態では、第1層1360及び第2層1370の各層は、ポリイミド、又はシリコーン、例えばポリジメチルシロキサン(PDMS)等のフレキシブル材料から形成することができる。上述のように、マイクロウェッジのアレイは、層のうちの一方においてパッチに編成することができる。
図13A及び
図13Bに示すように、第1層1360は、第1層1360の表面1360a上に配置された複数のパッチ1361−1から1361−7を有することができる。パッチ1361−1から1361−7及びその上に配置されたマイクロウェッジは、第2層1370の第2の表面1370bに向き合ったものとすることができる。パッチ1361−1から1361−7の各パッチは、マイクロウェッジのサブアレイを有することができる。
【0083】
図13Cは、マイクロウェッジのパッチとして、マイクロウェッジ1363−1を備えるパッチ1361−1を示している。一実施形態では、マイクロウェッジは、第1層1360の表面から材料をエッチング除去することによって形成することができる。そのようなマイクロウェッジの製作は、Parness他「A microfabricated wedge-shaped adhesive array displaying gecko-like dynamic adhesion, directionality and long lifetime」(Journal of the Royal Society (March 18, 2009))及びHawkes他「Human climbing with efficiently scaled gecko-inspired dry adhesives」(Royal Society Publishing (June 28, 2017))により詳細に論述されている。これらの文献の全内容は、引用することによって本明細書の一部をなす。一実施形態では、マイクロウェッジは、基板上に形成することができ、この基板は、その後、第1層1360に取り付けることができる。
図13Cの実施形態では、マイクロウェッジ1363−1は、このマイクロウェッジを層1360に取り付ける方形の基部1363−1bと、三角形形状の第1の対向表面対1363−1d、1363−1eと、方形形状の第2の対向表面対1363−1a、1363−1cとを有することができる。この例では、方形の側面のうちの1つ以上、例えば1363−1aは、層1360の表面1360aと斜角を更に形成することができる。一実施形態では、幅又は高さ等のマイクロウェッジ1363−1の各寸法は、10ミクロンから100ミクロンの範囲内にある。マイクロウェッジ1363−1は、例えば、PDMS又は他の或る材料から形成することができる。
【0084】
一実施形態では、マイクロウェッジ1363−1は、変形されていないとき、マイクロウェッジの基部1363−1bからマイクロウェッジの基部1363−1bに対向する端部の先端に先細になった形状を有することができる。一実施形態では、以下で論述するように、マイクロウェッジと接触する表面積をより多く露出させるために、マイクロウェッジ1363−1を含むマイクロウェッジのそれぞれは、別の物体に対して押圧されたとき、又は、その物体がマイクロウェッジを押圧したときに、マイクロウェッジが曲がるように又は別の方法で変形するように、十分に可撓性のあるものとすることができる。すなわち、マイクロウェッジ1363−1が変形されると、表面1363−1a又は別の表面の実質的部分をその物体と完全に接触した状態にすることができ、したがって、マイクロウェッジ1363−1と物体との間の接触レベル及び摩擦レベルを増加させることができる。
【0085】
より具体的には、アクチュエータ1341、1343、1345は、層1360を層1370に対して押圧することによって、層1360及び層1370を係合させるように構成することができ、より一般的には、それらの係合レベルを増加させるように構成することができる。例えば、アクチュエータ1341、1343、1345のそれぞれは、層1360の法線方向を指すことができる
図13Bに示す矢印に沿って拡張又は収縮するように構成されたMFCアクチュエータとすることができる。アクチュエータ1341、1343、1345は拡張すると、層1360を層1370と係合させることができ、より具体的には、層1360上のマイクロウェッジを層1370と係合させることができる。層1360、1370が係合されると、層1360上にあるマイクロウェッジは、層1370の表面1370bを押圧することができ、その結果、変形することができる。
【0086】
マイクロウェッジが層1370と係合されていないとき、又は、層1370と最小限にしか係合していないとき、マイクロウェッジが示す表面1370との接触面積は、小さなものとすることができ、生成される接着は存在しないか又は無視できるものとすることができる。剪断方向に負荷がかけられると、マイクロウェッジは曲がり、より大きな表面接触面積をもたらす。例えば、
図13Dは、層1360、1370が互いに係合される前のマイクロウェッジ1363−1を示している。この場合、マイクロウェッジ1363−1は、直立することができ、層1370の表面1370bと接触していない場合もあるし、マイクロウェッジ1363−1の先端のみが表面1370と接触している場合もある。
図13Eは、層1360、1370が互いに係合された後、より具体的には、層1360上のマイクロウェッジが層1370と係合された後のマイクロウェッジ1363−1を示している。この係合は、アクチュエータ1341、1343、1345によって提供される力Fが層1360を層1370に対して押圧することによって引き起こすことができる。この場合、マイクロウェッジ1363−1を力Fによって曲げることができる。マイクロウェッジ1363−1の曲げによって、その表面1363−1aの実質的部分は表面1370bと接触することができ、したがって、2つの層1360、1370の間の表面接触面積を増加させることができる。同様に、層1360上の他のマイクロウェッジの全ても変形させて、層1370の表面1370bとの表面接触面積を増加させることができる。その結果、2つの層1360、1370の間の摩擦量を増加させることができ、したがって、2つの層1360、1370が互いに対してスライドすることを阻止又は制限することができる。その結果、2つの層1360、1370を曲げることをより困難なものとすることができる。したがって、2つの層1360、1370は係合され、又は係合レベルが増加すると、ともにより硬くなることができる。したがって、制御ユニットは、抵抗フィードバックを生成すると判断すると、層1360と層1370との間の係合レベルの増加をもたらすために、アクチュエータ1341、1343、1345を起動して、層1360を層1370に対して又はその逆に押圧することができる。一例として、アクチュエータ1341、1343、1345は、層1360、1370を係合させる1ニュートンから2ニュートンの間の力を生成することができる。この例では、複数のパッチの各パッチは、140平方センチメートルの面積を有することができ、950ニュートンまでの剪断力に抵抗することができる。
【0087】
本明細書における実施形態の1つの態様では、互いに対して折り畳み可能である2つのフラップを有するeリーダー等の折り畳み可能装置に抵抗フィードバックを適用することができる。これらの実施形態は、上記で論述したエアジャミング、電気接着、スマート材料作動、又は他の実施態様のうちの任意のものを用いることができる。これらの実施態様のうちの幾つかにおいて、折り畳み可能装置は、ヒンジを有することができ、抵抗フィードバックは、ヒンジに又はその周辺に適用することができる。例えば、
図14Aは、第1のフラップ1412及び第2のフラップ1414を互いに対して折り畳み可能にすることができるヒンジ1430を有する折り畳み可能装置1400を示している。幾つかの場合には、この折り畳み可能装置は、例えば、
図8における装置800と同じ構成要素のうちの幾つかを有することができるが、フラップ1412、1414は、幾つかの場合には、可撓なものではなく、硬いものとすることができる。
【0088】
一実施形態では、抵抗フィードバックは、ヒンジ1430において電気接着を介して生成することができる。
図14Bは、外側スリーブ1432に挿入される内側シャフト又は内側軸1434を備えることができるヒンジ1430の一例を示している。内側シャフト1434は、タブ1435a、1435bを介して第2のフラップ1414に接続することができる一方、外側スリーブ1432は、第1のフラップ1412に接続することができる。内側シャフト1412は、外側スリーブ1432に対して回転可能とすることができる。その結果、ヒンジ1432に接続された2つの対応するフラップ1412、1414は、互いに対して回転させることによって折り畳み可能とすることができる。
図14Bは、内側シャフト1434及び外側スリーブ1432のうちの少なくとも一方に電荷を印加するのに用いることができるエネルギ貯蔵装置1480を更に示している。
図14Bの実施形態では、外側スリーブ1432は、内側シャフト1434を外側スリーブ1432から電気的に絶縁する電気絶縁層1432aを有することができる。幾つかの場合には、エネルギ貯蔵装置1480は、制御ユニットとともに、電荷を提供する信号を形成することができる。
【0089】
図14Cは、ヒンジ1430のより具体的な実施形態とすることができるヒンジ1430Aを示している。この実施形態では、外側スリーブ1432は、電極1432bを有することができ、内側シャフト1434も、電極1434bを有することができる。これらの2つの電極1432b、1434bは、互いに同心とすることができ、外側スリーブ1432の一部とすることができる絶縁層1432aによって分離することができる。エネルギ貯蔵装置1480は、電極1432b、1434bに逆の電荷を印加することができる。一実施形態では、これらの逆の電荷は、
図10に示す方法と同様の方法で、電極1432b、1434bの間の電気接着及び内側シャフト1434と外側スリーブ1432との間の電気接着の増加を引き起こすことができる。電気接着量の増加によって、折り畳み可能装置1400を折り畳むために又は広げるために印加されている外力に対する抵抗フィードバックを生成するのに用いることができる、内側シャフト1434と外側スリーブ1432との間の相対回転に対する抵抗の量を増加させることができる。装置1400を「折り畳む」又は「広げる」は、それぞれ、この装置を「閉じる」又は「開く」と呼ばれる場合もある。
図14Cの実施形態では、内側シャフト1434は、電気絶縁コア1434aの周囲に配置された電極1434bを有することができる。別の実施形態では、内側シャフト1434全体を金属等の導体から形成することができる。
【0090】
図14Dは、ヒンジ1430の別の実施形態であるヒンジ1430Bを示している。ヒンジ1430Bは、
図9Bと同様の方法で相互嵌合電極を有する外側スリーブ1432を有することができる。より具体的には、外側スリーブ1432は、第1の電荷が提供される第1の電極セット1432b−1、1432b−3、1432b−5と、逆の電圧が提供される第2の電極セット1432b−2、1432b−4、1432b−6とを有することができる。第1の電極セット及び第2の電極セットは、正電荷を有する電極が負電荷を有する電極に直接隣接し、負電荷を有する電極が正電荷を有する電極に直接隣接するように外側スリーブ1432の周囲に交互に配置することができる。一実施形態では、AC信号を電極1432b−1から1432b−6に印加することができる。そのような状況では、第1の電極セット1432b−1、1432b−3、1432b−5には、第1のAC信号を提供することができ、第2の電極セット1432b−2、1432b−4、1432b−6には、第1のAC信号と位相が180度異なる第2のAC信号を提供することができる。電気信号は、電極1432b−1から1432b−6に印加されると、抵抗フィードバックを生成することができる静電摩擦を生成することができる。
【0091】
図14Dの実施形態では、内側シャフト1434は、単一の導電材料体とすることができ、外側スリーブ1432は、内側シャフト1434を電極1432b−1から1432b−6から分離する電気絶縁層1432aを有することができる。別の実施形態では、内側シャフト1434は、単一の電気絶縁材料体とすることができ、外側スリーブ1432は、電気絶縁層1432aを省略することができる。
【0092】
図15は、エアジャミングが、折り畳み可能装置の抵抗フィードバックを提供するのに用いられる一実施形態を示している。より具体的には、
図16は、本体部1610を備える折り畳み可能装置1600を示し、この本体部は、
図15における形式と同じ又は類似の形式でその本体部1610に形成された第1のフラップ1612、第2のフラップ1614、及び折り目1613を有する。折り畳み可能装置1600は、本体部1610内に配置され、又は本体部1610の表面に取り付けられた空気嚢1630を更に備えることができる。空気嚢1630は、上述した嚢130から430と同じ又は類似のものとすることができ、折り目1613と重ね合わせることができる。
【0093】
一実施形態では、折り畳み可能装置1600は、外力が折り畳み可能装置を閉じるために印加されている時を検出するのに用いられる歪ゲージ等のフレックスセンサ1620を備えることができる。折り畳み可能装置1600は、この外力に応答して、空気嚢1630から空気をポンプ排出することができる。その結果、空気嚢1630は、剛性を増加させることができ、これによって、外力に対する抵抗フィードバックを提供することができる。
【0094】
上記実施形態は、外力に対する抵抗フィードバックの提供を論述しているが、本明細書において論述される技法は、より一般的には、ユーザーインターフェース装置の剛性レベルを調整するのに用いることができ、ユーザーインタラクションから独立して行うことができる。例えば、上記で論述されたエアジャミング又は電気接着の実施形態は、外力が折り畳み可能装置を閉じるために印加されているか否かにかかわらず、折り畳み可能装置を開いた状態にロックするのに用いることができる。
【0095】
本明細書に説明される実施形態の1つの態様は、抵抗フィードバックを提供することに関するが、別の実施形態は、装置の能動的形状変化又は他の変形を生成することに関するものとすることができる。幾つかの場合には、この変形は法線方向におけるものとすることができ、この法線方向は、装置の厚さ寸法に沿ったものとすることができ、装置の前部表面又は後部表面に垂直なものとすることができる。幾つかの場合には、変形は、横方向におけるものとすることができ、この横方向は、装置の長さ寸法又は幅寸法に沿ったものとすることができる。例えば、
図16A及び
図16Bは、法線方向に変形を生成するように構成されたユーザーインターフェース装置1700を示している。より具体的には、ユーザーインターフェース装置1700は、シリコーンシェル又は他のエラストマー材料から形成される本体部等の弾性本体部1710を有することができる。一実施形態では、上記で論述されたフレキシブル本体部110から1310は、例えば、本体部が湾曲又は別の非平坦性を有するように、曲がる機能又は別の方法で屈曲する機能を有する本体部を指すことができるが、弾性本体部は、本体部の長さ、幅、又は厚さに沿って伸張又は収縮(例えば、圧縮)することができる本体部を指すことができる。この弾性本体部は、可撓なものであってもよいし、硬いものであってもよい。
【0096】
図16A及び
図16Bでは、フレキシブルユーザーインターフェース装置1700は、弾性本体部1710内に配置され、又は弾性本体部1710の一部を形成する表示層1712を更に備えることができるとともに、弾性本体部1710内に配置されたフレキシブル基板1780、MFCアクチュエータ1731、制御ユニット1750、及びエネルギ貯蔵装置1770を備えることができる。幾つかの場合には、MFCアクチュエータ1731は、フレキシブル基板1780の第1の表面の中央に接合することができる。
【0097】
一実施形態では、制御ユニット1750は、MFCアクチュエータ1731を起動することによって弾性本体部1710の変形を引き起こすことができる。より具体的には、MFCアクチュエータ1731は、MFC材料層を備えることができ、ユーザーインターフェース装置1700は、MFC材料層の両側部にその長さ寸法又は幅寸法に沿って配置された2つの電極を有することができる。制御ユニット1750は、エネルギ貯蔵装置1770に、これらの2つの電極の間に電圧差を生成させるように構成することができる。この電圧差によって、MFC材料層は、そのMFC材料層の長さ寸法又は幅寸法に沿った軸である軸1761に沿って収縮力を作用させることができる。さらに、MFC材料層は、ユニモルフ構造を形成するように、その第1の表面をフレキシブルボード等のフレキシブル基板1780に接合することができる。フレキシブル基板1780は、軸1761に沿って実質的に収縮も伸張もできないものとすることもできるし、収縮又は伸張が可能な量は少なくともMFC材料層よりも小さいものとすることもできる。したがって、MFC材料層の第1の表面とフレキシブル基板1780との間を接合することによって、MFC材料層のその第1の表面における収縮を防止することもできるし、第1の表面において引き起こされるあらゆる収縮を、MFC材料のその第2の対向表面における収縮に対して少なくとも小さな規模とすることもできる。この収縮は、軸1761に沿った収縮を指す。この制約は、軸1761に沿った収縮力を、フレキシブル基板1780及びMFC材料層に対する曲げ力に変換することができる。その結果、フレキシブル基板1780及びMFCアクチュエータ1731は、
図16Bに示すように、曲がり、又は別の方法で屈曲して凹形状又は凸形状を有することができる。曲がることによって、フレキシブル基板1780は、高さを増し、表示層1712に対して押動力を作用させることができる。この押動力は、軸1761に垂直な法線軸1760に沿ったものとすることができ、法線軸1760に沿って弾性本体部1710を伸張することができる。
【0098】
一実施形態では、1つ以上の電磁石を用いて、法線方向における装置の変形を引き起こすことができる。例えば、
図17は、弾性本体部1810、表示層1812、永久磁石1816、電磁石1817、制御ユニット1850、及びエネルギ貯蔵装置1870を有するユーザーインターフェース装置1800を示している。弾性本体部1810は、弾性本体部1710と同様のものとすることができ、電磁石1817は、
図11に示すものと同様の導電コイルとすることができる。軸1860に沿った変形を生み出すために、制御ユニット1850は、エネルギ貯蔵装置1870に、電流を電磁石1817に提供させることによって、電磁石1817を起動させることができる。この電流によって、電磁石1817は、
図17に示すように、永久磁石1816の磁場と逆の極性を有する磁場を生成することができる。これらの磁場の間の相互作用によって、電磁石1817が永久磁石1816に反発する力を生成することができ、これによって、弾性本体部1810は、軸1860に沿って伸張又は別の方法で変形される。別の例では、制御ユニット1850は、電磁石1817に、永久磁石1816の磁場と同じ極性を有する磁場を生成させることができる。その結果、この例における磁場の間の相互作用によって、永久磁石1816を電磁石1817に引き寄せることができ、これによって、弾性本体部1810は軸1860に沿って収縮することができる。
図17の実施形態は、永久磁石1816を伴うが、別の実施形態は、永久磁石1816を電磁石に取り替えることができる。
【0099】
上記で論述したように、電磁石は、横方向における変形を引き起こすのにも用いることができる。例えば、
図18A及び
図18Bは、そのような変形を生み出すことができるユーザーインターフェース装置1900を示している。装置1900は、弾性本体部1910と、弾性本体部1910内に配置された第1層1960及び第2層1970とを備える。一実施形態では、弾性本体部1910は、エラストマー等の伸張可能な材料から作製することができる。一実施形態では、弾性本体部1910は、弾性表面1911又は他の変形可能な表面を有することができる。幾つかの場合には、弾性表面1911は、弾性本体部1910のシェルを形成する弾性膜の一部とすることができる。一実施形態では、層1970は、表面1911に対して押動されると、弾性膜を変形させることができる実質的に剛性の平板とすることができる。
【0100】
一実施形態では、第1層1960は、その層1960上又はその内部に配置された第1の電磁石1961−1又は第1の電磁石セット1961−1から1961−nを有することができ、第2層1970は、その層1970上又はその内部に配置された第1の永久磁石1971−1又は第1の永久磁石セット1971−1から1971−nを有することができる。別の実施形態では、第2層1970における永久磁石は、電磁石に取り替えることができる。
【0101】
第1の電磁石セット1961−1から1961−nは、起動されると、永久磁石1971−1から1971−nを引き寄せる力又はこれらの永久磁石に反発する力を生成することができる。例えば、電磁石1961−1及び1961−2の双方は、永久磁石1971−1を引き寄せる力F
1及びF
2をそれぞれ生成することができる。電磁石1961−1から1961−n及び永久磁石1971−1から1971−nは、それらの間に生成される力が横方向成分及び法線成分の双方を有するように整列されていない。
図18Aは、F
1及びF
2の双方が横方向成分を有するこの状況を示している。幾つかの場合には、電磁石1961−1及び1961−2は、力F
1及びF
2が等しくないように制御又は配置することができる。例えば、電磁石1961−1は、より強い磁場を生成するように制御することもできるし、永久磁石1971−1のより近くになるように層1960内に配置することもできる。その結果、F
1及びF
2は、
図18Aに示すように、層1970を作動させる正味の横方向力F
Latを生成することができる。一実施形態では、正味の法線力も生成することができるが、ユーザーインターフェース装置1900は、層1970を層1960に向けて移動させないスペーサーを有することができる。
【0102】
一実施形態では、
図18Bに示すように、電磁石1961−1から1961−nは、磁気極性を交互にすることができ、永久磁石1971−1から1971−nも、極性を交互にすることができる。そのような構成は、幾つかの場合には、より強い横方向力を生成することができる。例えば、
図18Bに示すように、この構成における永久磁石1971−1は、電磁石1961−1によって一方の側に向けて引き寄せられるだけでなく、電磁石1961−2によって同じ側に向けて反発も受ける。その結果得られる構成によって、より強い正味の横方向力F
Latを得ることができる。
【0103】
図19は、電極を用いて横方向変形を生み出すことができる一実施形態を示している。より具体的には、
図19は、第1層2060及び第2層2070を備える弾性本体部2010を有するユーザーインターフェース装置2000を示している。これらの構成要素は、それぞれ弾性本体部1910、層1960、及び層1970と同じもの又は類似のものとすることができる。第1層2060は、第1層2060内又はその上に配置された第1の電極2061−1又は第1の電極セット2061−1から2061−nを有することができ、第2層2070は、第2層2070内又はその上に配置された第2の電極2071−1又は第2の電極セット2071−1から2071−nを有することができる。第1の電極セット2061−1から2061−nは、第2の電極セット2071−1から2071−nとずらして、それらの電極の相互作用が横方向力を生成するようにすることができる。一実施形態では、ユーザーインターフェース装置2000は、第1の電極セット2061−1から2061−nへの正電荷の提供と、負電荷の提供とを交互にすることができる。装置2000は、同様に、第2の電極セット2071−1から2071−nへの正電荷の提供と、負電荷の提供とを交互にすることができる。
図19に示すように、電極2071−1は、力F
1を介して電極2061−1上の正電荷への引き寄せを受けることができるとともに、力F
2を介して電極2061−2の負電荷による反発を受けることができる。幾つかの場合には、第2の電極セット2071−1から2071−nのうちの少なくとも1つの電極について、第1の電極セット2061−1から2061−nから最も近い2つの電極が逆の電荷を有するように、電荷を印加することができる。
図18A及び
図18Bに関して上記で論述したように、電極の間の力F
1、F
2は、法線成分及び横方向成分を有することができる。これらの力は合算され、層1970を作動させて横方向の変形を生成する正味の横方向力F
Latを与えることができる。
【0104】
一実施形態では、上記で論述した抵抗フィードバック又は変形効果は、振動触知性効果と組み合わせることができる。例えば、本明細書において論述した装置のいずれも、振動触知性触覚効果を生成するように構成されたリニア共振アクチュエータ等の振動触知性アクチュエータを組み込むことができる。幾つかの場合には、振動触知性触覚効果は、抵抗フィードバック又は変形効果と同時に生成することができる。
【0105】
以下、様々な実施形態の追加の考察を提示する。
【0106】
実施形態1は、
フレキシブル本体部と、
フレックスセンサと、
嚢と、
空気ポンプと、
制御ユニットと、
を備えるフレキシブルユーザーインターフェース装置に関する。
【0107】
フレックスセンサは、フレキシブル本体部内に配置され、又はフレキシブル本体部に取り付けられて、フレキシブル本体部が外部屈曲力を受けていることを検知するように構成されている。
【0108】
嚢は、フレキシブル膜を有し、その嚢は、フレキシブル本体部内に配置され又はフレキシブル本体部の表面に取り付けられ、その嚢は、空気容量を保持するように構成されるとともに、その嚢内に配置された少なくとも2つの材料層の積層体を備え、その嚢は、空気がその嚢からポンプ排出されると柔軟性を減少させ、空気がその嚢の内部に戻されると柔軟性を増加させる。
【0109】
空気ポンプは、嚢に取り付けられ、起動されると、空気を嚢内にポンプ吸引し又は嚢からポンプ排出するように構成されている。
【0110】
制御ユニットは、フレックスセンサ及び空気ポンプと通信し、
フレックスセンサからの測定信号に基づいて、フレキシブル本体部が外部屈曲力を受けていることを検出することと、
フレキシブル本体部が外部屈曲力を受けていることを検出したことに応答して、外部屈曲力に抵抗する抵抗フィードバックを生成するか否かを判断することと、
抵抗フィードバックを生成するとの判断に応答して、空気ポンプを起動して嚢から空気をポンプ排出することによって、嚢内の材料層の剛性を増加させることと、
を行うように構成されている。
【0111】
実施形態2は、実施形態1のフレキシブルユーザーインターフェース装置を含み、このフレキシブルユーザーインターフェース装置は、フレキシブル本体部内に配置されたフレキシブル表示層を更に備え、前記フレキシブル表示層は、有機発光装置(OLED)表示層であり、フレキシブル本体部は、フレキシブル基板又はフレキシブルシェルから形成されている。
【0112】
実施形態3は、実施形態1又は2のフレキシブルユーザーインターフェース装置を含み、層の積層体の各層は、互いに絡合された複数の繊維を有する織布層である。
【0113】
実施形態4は、実施形態3のフレキシブルユーザーインターフェース装置を含み、積層体の各層は織物層である。
【0114】
実施形態5は、実施形態3又は4のフレキシブルユーザーインターフェース装置を含み、積層体は、少なくとも15層の織布層を含む。
【0115】
実施形態6は、実施形態1から5のいずれか1つのフレキシブルユーザーインターフェース装置を含み、制御ユニットは、抵抗フィードバックを生成するとの判断に応答して、空気ポンプに、嚢内の空気圧を10水銀柱インチ(inHg)以下の値に減少させるように構成されている。
【0116】
実施形態7は、実施形態6のフレキシブルユーザーインターフェース装置を含み、制御ユニットは、空気ポンプに、嚢内の空気圧を5水銀柱インチ(inHg)以下の値に減少させて、嚢内の層の積層体を実質的に曲げることができないものにするように構成されている。
【0117】
実施形態8は、実施形態6又は7のフレキシブルユーザーインターフェース装置を含み、制御ユニットは、フレキシブル本体部が受けている外部屈曲力の大きさを求めるように構成され、空気ポンプに、嚢内の空気圧を外部屈曲力の大きさに基づくレベルに減少させるように構成されている。
【0118】
実施形態9は、実施形態1から8のいずれか1つのフレキシブルユーザーインターフェース装置を含み、フレックスセンサは歪ゲージであり、制御ユニットは、歪ゲージによる測定信号に基づいて、空気ポンプが起動される時間の量を制御するように構成されている。
【0119】
実施形態10は、実施形態1から9のいずれか1つのフレキシブルユーザーインターフェース装置を含み、嚢内の層の積層体は、嚢内の空気圧が実質的に1気圧以上であるときに柔軟である。
【0120】
実施形態11は、
フレキシブル本体部と、
アクチュエータと、
制御ユニットと、
を備えるフレキシブルユーザーインターフェース装置に関する。
【0121】
アクチュエータは、作動可能材料層と、前記作動可能材料層の反対に位置する端部に配置された2つの電極とを有するアクチュエータであって、電圧差が2つの電極を介して作動可能材料の反対に位置する端部の間に生成されると、作動可能材料は、作動可能材料層に沿って伸張力又は収縮力を生成するように構成され、作動可能材料層の第1の表面は、フレキシブル本体部に接合されている。
【0122】
制御ユニットは、
フレキシブル本体部が外部屈曲力である第1の屈曲力を受けていることを検出することと、
フレキシブル本体部が外部屈曲力を受けていることを検出したことに応答して、外部屈曲力に抵抗する抵抗フィードバックを生成するか否かを判断することと、
抵抗フィードバックを生成するとの判断に応答して、作動可能材料層が第1の屈曲力に抵抗する第2の屈曲力を作用させる電圧差を、2つの電極を介して作動可能材料の反対に位置する端部の間に生成することによって、アクチュエータを起動することと、
を行うように構成されている。
【0123】
実施形態12は、実施形態11のフレキシブルユーザーインターフェース装置を含み、このフレキシブルユーザーインターフェース装置は、フレキシブル本体部内に配置されたフレキシブル表示層を更に備え、前記フレキシブル表示層は、有機発光装置(OLED)表示層であり、フレキシブル本体部は、フレキシブル基板又はフレキシブルシェルから形成されている。
【0124】
実施形態13は、実施形態12のフレキシブルユーザーインターフェース装置を含み、フレキシブル本体部は、フレキシブル基板から形成され、フレキシブル基板は、折り目を有し、アクチュエータは、折り目とフレキシブル基板のエッジ又はコーナーとの間に配置されている。
【0125】
実施形態14は、実施形態13のフレキシブルユーザーインターフェース装置を含み、アクチュエータは折り目と重なっていない。
【0126】
実施形態15は、実施形態12から14のいずれか1つのフレキシブルユーザーインターフェース装置を含み、作動可能材料層は、電圧差が作動可能材料の反対に位置する端部の間に生成されると、層の長さ又は幅に沿って伸張力を作用させるように構成された圧電材料層であり、作動可能材料層の第1の表面とフレキシブル基板との間の接合は、作動可能材料層の第1の表面における前記作動可能材料層の伸張を防止するか、又は、作動可能材料層の第1の表面において前記作動可能材料層を前記作動可能材料層の第2の対向表面よりも小さな規模だけ伸張させ、接合は、作動可能材料によって生成される伸張力を、フレキシブル基板において外部屈曲力に抵抗する曲げ力に変換するようになっている。
【0127】
実施形態16は、実施形態15のフレキシブルユーザーインターフェース装置を含み、圧電材料層は、ポリマー材料内に組み込まれた複数の圧電ファイバーを含むマクロファイバー複合体(MFC)材料の層である。
【0128】
実施形態17は、実施形態16のフレキシブルユーザーインターフェース装置を含み、制御ユニットは、アクチュエータが起動される前に、MFC材料によって生成された測定信号を検出するように構成され、測定信号は、MFC材料が屈曲されたことに応答してMFC材料によって生成され、制御ユニットは、MFC材料によって生成された測定信号に基づいて外部屈曲力を検出するように構成されている。
【0129】
実施形態18は、実施形態13から17のいずれか1つのフレキシブルユーザーインターフェース装置を含み、制御ユニットは、抵抗フィードバックを生成するとの判断に応答して、作動可能材料の反対に位置する端部の間の電圧差を、外部屈曲力の大きさに基づく大きさにするように構成されている。
【0130】
実施形態19は、実施形態11から14のいずれか1つのフレキシブルユーザーインターフェース装置を含み、アクチュエータは、電気活性ポリマー(EAP)アクチュエータである。
【0131】
実施形態20は、実施形態11から19のいずれか1つのフレキシブルユーザーインターフェース装置を含み、このフレキシブルユーザーインターフェース装置は、アクチュエータから分離し、フレキシブル本体部内に配置され又はフレキシブル本体部に取り付けられ、フレキシブル本体部が外部屈曲力を受けていることを検知するように構成されたフレックスセンサを更に備え、制御ユニットは、フレックスセンサからの測定信号に基づいて外部屈曲力を検出するように構成されている。
【0132】
実施形態21は、
フレキシブル本体部と、
フレキシブル本体部内に配置された少なくとも第1層及び第2層の積層体と、
フレックスセンサと、
制御ユニットと、
を備えるフレキシブルユーザーインターフェース装置に関する。
【0133】
積層体は、第1層内に配置され、又は第1層に接合された少なくとも1つの電極を備え、前記少なくとも1つの電極は、第1層と第2層との間に静電接着を生成して、第1層が第2層に対してスライドすることと、第2層が第1層に対してスライドすることとを防止するように構成されている。
【0134】
フレックスセンサは、フレキシブル本体部内に配置され、又はフレキシブル本体部に取り付けられており、フレキシブル本体部が外部屈曲力を受けていることを検知するように構成されている。
【0135】
制御ユニットは、フレックスセンサと通信し、
フレックスセンサからの測定信号に基づいて、フレキシブル本体部が外部屈曲力を受けていることを検出することと、
フレキシブル本体部が外部屈曲力を受けていることを検出したことに応答して、外部屈曲力に抵抗する抵抗フィードバックを生成するか否かを判断することと、
抵抗フィードバックを生成するとの判断に応答して、電気信号を少なくとも1つの電極に印加して、第1層と第2層との間に静電接着を生成し、それによって、第1層が第2層に対してスライドすることと、第2層が第1層に対してスライドすることとを防止することと、
を行うように構成されている。
【0136】
第1層及び第2層は、電気信号が少なくとも1つの電極に提供されておらず、フレキシブル本体部が屈曲されているとき、互いに対してスライドすることができるように構成されている。
【0137】
実施形態22は、実施形態21のフレキシブルユーザーインターフェース装置を含み、少なくとも1つの電極は複数の電極を含み、積層体の第1層は電気絶縁材料を含み、複数の電極は、第1層の電気絶縁材料内に組み込まれ又は第1層の電気絶縁材料に接合されている。
【0138】
実施形態23は、実施形態21又は22のフレキシブルユーザーインターフェース装置を含み、第2層は、本質的に電気絶縁材料からなる。
【0139】
実施形態24は、実施形態21又は22に記載のフレキシブルユーザーインターフェース装置を含み、第2層は、本質的に複数の電極とは別個の追加の電極からなる。
【0140】
実施形態25は、実施形態21から24のいずれか1つのフレキシブルユーザーインターフェース装置を含み、第1層及び第2層は、第1層の対を形成し、積層体は、少なくとも追加の4対の層を含み、前記4対のそれぞれは、第1層の対と同じ構造を有する。
【0141】
実施形態26は、実施形態21から25のいずれか1つのフレキシブルユーザーインターフェース装置を含み、少なくとも1つの電極は、第1層と第2層との間に少なくとも1.5ニュートンの接着力を生成するように構成されている。
【0142】
実施形態27は、
フレキシブル本体部と、
フレキシブル本体部内に配置された少なくとも第1層及び第2層の積層体と、
フレックスセンサと、
制御ユニットと、
を備えるフレキシブルユーザーインターフェース装置に関する。
【0143】
積層体は、第1層内に配置され又は第1層に接合された第1の電磁石と、第2層内に配置され又は第2層に接合された第2の電磁石とを備え、第1の電磁石及び第2の電磁石は、第1層と第2層との間に電磁接着を生成して、第1層が第2層に対してスライドすることと、第2層が第1層に対してスライドすることとを防止するように構成されている。
【0144】
フレックスセンサは、フレキシブル本体部内に配置され、又はフレキシブル本体部に取り付けられており、フレキシブル本体部が外部屈曲力を受けていることを検知するように構成されている。
【0145】
制御ユニットは、フレックスセンサと通信し、
フレックスセンサからの測定信号に基づいて、フレキシブル本体部が外部屈曲力を受けていることを検出することと、
フレキシブル本体部が外部屈曲力を受けていることを検出したことに応答して、外部屈曲力に抵抗する抵抗フィードバックを生成するか否かを判断することと、
抵抗フィードバックを生成するとの判断に応答して、第1の電磁石及び第2の電磁石にそれぞれの電気信号を印加して第1層と第2層との間に電磁接着を生成し、それによって、第1層が第2層に対してスライドすることと、第2層が第1層に対してスライドすることとを防止することと、
を行うように構成されている。
【0146】
第1層及び第2層は、電気信号が第1の電磁石又は第2の電磁石のうちの少なくとも一方に提供されておらず、フレキシブル本体部が屈曲されているとき、互いに対してスライドすることができるように構成されている。
【0147】
実施形態28は、実施形態27のフレキシブルユーザーインターフェース装置を含み、第1の電磁石は、第1層内に組み込まれ又は第1層に接合された第1の複数の電磁石のうちの1つであり、第2の電磁石は、第2層内に組み込まれ又は第2層に接合され、第1の複数の電磁石のそれぞれの電磁石と位置合わせされた第2の複数の電磁石のうちの1つであり、制御ユニットは、抵抗フィードバックを生成するとの判断に応答して、第1の複数の電磁石及び第2の複数の電磁石のそれぞれ位置合わせされた電磁石対に、逆極性のそれぞれの磁場を生成させるように構成されている。
【0148】
実施形態29は、
フレキシブル本体部と、
フレキシブル本体部内に配置された少なくとも第1層及び第2層の積層体と、
フレックスセンサと、
制御ユニットと、
を備えるフレキシブルユーザーインターフェース装置に関する。
【0149】
第1層は、電気絶縁材料と、前記電気絶縁材料に接合された第1の電極とを備える。第2層は、前記第2層内に配置され又は前記第2層を形成する第2の電極を備え、第1の電極及び第2の電極は、第1層と第2層との間に静電接着を生成し、第1層が第2層に対してスライドすることと、第2層が第1層に対してスライドすることとを防止するように構成されている。
【0150】
フレックスセンサは、フレキシブル本体部内に配置され、又はフレキシブル本体部に取り付けられており、フレキシブル本体部が外部屈曲力を受けていることを検知するように構成されている。
【0151】
制御ユニットは、フレックスセンサと通信し、
フレックスセンサからの測定信号に基づいて、フレキシブル本体部が外部屈曲力を受けていることを検出することと、
フレキシブル本体部が外部屈曲力を受けていることを検出したことに応答して、外部屈曲力に抵抗する抵抗フィードバックを生成するか否かを判断することと、
抵抗フィードバックを生成するとの判断に応答して、第1の電極に第1の電荷を印加するとともに第2の電極に逆の第2の電荷を印加して、第1層と第2層との間に静電接着を生成し、それによって、第1層が第2層に対してスライドすることと、第2層が第1層に対してスライドすることとを防止することと、
を行うように構成されている。
【0152】
第1層及び第2層は、電気信号が第1の電極及び第2の電極に提供されておらず、フレキシブル本体部が屈曲されているとき、互いに対してスライドすることができるように構成されている。
【0153】
実施形態30は、実施形態29のフレキシブルユーザーインターフェース装置を含み、第1の電極は、第1層に含まれる唯一の電極であり、第1層の面積と実質的に等しい面積を有し、第2層は、本質的に第2の電極からなる。
【0154】
実施形態31は、
フレキシブル本体部と、
フレキシブル本体部内に配置された第1層及び第2層の積層体と、
1つ以上のアクチュエータと、
フレックスセンサと、
制御ユニットと、
を備えるフレキシブルユーザーインターフェース装置に関する。
【0155】
第1層は、前記第1層の第1の表面上に配置されたマイクロウェッジのアレイを有する。
【0156】
1つ以上のアクチュエータは、第1層の第1の表面を第2層の第2の表面に向けて作動させて、第1層及び第2層を係合させるように構成され、マイクロウェッジのアレイは、第1の表面及び第2の表面が互いに向けて作動されているときに変形するように構成され、マイクロウェッジのアレイの変形は、第1の表面及び第2の表面が互いに向けて作動されているときと比較して、第1層のマイクロウェッジのアレイと第2層の第2の表面との間の接触面積を増加させ、第1層及び第2層は、1つ以上のアクチュエータが起動されておらず、フレキシブル本体部が屈曲されているとき、互いに対してスライドするように構成されている。
【0157】
フレックスセンサは、フレキシブル本体部内に組み込まれ、又はフレキシブル本体部に取り付けられており、フレキシブル本体部が外部屈曲力を受けていることを検知するように構成されている。
【0158】
制御ユニットは、
フレックスセンサからの測定信号に基づいて、フレキシブル本体部が外部屈曲力を受けていることを検出することと、
フレキシブル本体部が外部屈曲力を受けていることを検出したことに応答して、外部屈曲力に抵抗する抵抗フィードバックを生成するか否かを判断することと、
抵抗フィードバックを生成するとの判断に応答して、第1層上のマイクロウェッジのアレイと第2層の第2の表面との間の接触面積を増加させるために、1つ以上のアクチュエータを起動して、第1層の第1の表面を第2層の第2の表面に向けて作動させ、又は第2層の第2の表面を第1層の第1の表面に向けて作動させることと、
を行うように構成されている。
【0159】
実施形態32は、実施形態31のフレキシブルユーザーインターフェース装置を含み、マイクロウェッジのアレイの各マイクロウェッジは、0.1ミリメートル未満の寸法を有する。
【0160】
実施形態33は、実施形態32のフレキシブルユーザーインターフェース装置を含み、マイクロウェッジのアレイの各マイクロウェッジの全ての寸法が0.1ミリメートル未満である。
【0161】
実施形態34は、実施形態31又は32のフレキシブルユーザーインターフェース装置を含み、マイクロウェッジのアレイの各マイクロウェッジは、シリコーンから形成されている。
【0162】
実施形態35は、実施形態31から34のいずれか1つのフレキシブルユーザーインターフェース装置を含み、マイクロウェッジのアレイは、少なくとも1000個のマイクロウェッジを備える。
【0163】
実施形態36は、実施形態31から35のいずれか1つに記載のフレキシブルユーザーインターフェース装置を含み、マイクロウェッジのアレイは、複数の分離したパッチに分割され、前記分離したパッチの各パッチは、第1層に接合された基板を備え、マイクロウェッジのアレイのサブアレイが基板から形成されている。
【0164】
実施形態37は、実施形態31から36のいずれか1つのフレキシブルユーザーインターフェース装置を含み、積層体は、少なくとも5つの層を備え、前記5つの層のうちの少なくとも4つは、それぞれの層の表面から突出したマイクロウェッジのアレイを有する。
【0165】
実施形態38は、実施形態31から37のいずれか1つのフレキシブルユーザーインターフェース装置を含み、第1層及び第2層のそれぞれが、少なくとも140平方センチメートルの面積を有する。
【0166】
実施形態39は、実施形態31から38のいずれか1つのフレキシブルユーザーインターフェース装置を含み、1つ以上のアクチュエータが、少なくとも1ニュートンの大きさを有する力を用いて第1層を第2層に押圧し、又は第2層を第1層に押圧するように構成されている。
【0167】
実施形態40は、
弾性本体部を伸張する変形を受けることができる前記弾性本体部と、
制御ユニットと、
アクチュエータと、
を備える、ユーザーインターフェース装置に関する。
【0168】
アクチュエータは、作動可能材料層の第1の表面の中心に接合されたフレキシブル基板を有し、アクチュエータは、作動可能材料層の反対に位置する端部上に配置された2つの電極を更に有し、作動可能材料は、電圧差が、2つの電極を介して前記作動可能材料の反対に位置する端部の間に生成されると、層に沿って伸張力又は収縮力を生成するように構成されている。
【0169】
作動可能材料層の第1の表面とフレキシブル基板との間の接合は、作動可能材料によって生成される伸張力又は収縮力を、フレキシブル基板を凹形状又は凸形状に曲げるフレキシブル基板に対する曲げ力に変換するようにして、作動可能材料層の第1の表面における作動可能材料層の伸張及び収縮を防止し、又は、作動可能材料層の第1の表面において、作動可能材料層の第2の対向表面よりも小さな規模だけ作動可能材料層を伸張若しくは収縮させる。
【0170】
制御ユニットは、変形触覚効果を生成するか否かを判断することと、変形触覚効果を生成するとの判断に応答して、作動可能材料層の反対に位置する端部の間に電圧差を生成して、フレキシブル基板を凹形状又は凸形状に曲げ、フレキシブル基板に弾性本体部を伸張させることとを行うように構成されている。
【0171】
実施形態41は、実施形態40のフレキシブルユーザーインターフェース装置を含み、フレキシブル基板を凹形状又は凸形状に曲げることによって、フレキシブル基板が弾性本体部の内表面に対して押圧される。
【0172】
実施形態42は、実施形態40又は41のフレキシブルユーザーインターフェース装置を含み、作動可能材料は、ポリマー材料に組み込まれた複数の圧電ファイバーを含むマクロファイバー複合体(MFC)材料である。
【0173】
実施形態43は、
弾性本体部を伸張する変形を受けることができる前記弾性本体部と、
制御ユニットと、
アクチュエータと、
を備える、ユーザーインターフェース装置に関する。
【0174】
アクチュエータは、第1層上又は前記第1層内に配置された第1の複数の電極を有する前記第1層を備えるとともに、第2層上又は前記第2層内に配置された第2の複数の電極を有する前記第2層を備え、第1層は、アクチュエータが起動されると、第2層に対してスライド可能である。
【0175】
制御ユニットは、第1層を第2層に対してスライドさせる方向又は第2層を第1層に対してスライドさせる方向に第1の複数の電極が第2の複数の電極に引き寄せられるように、第1の複数の電極に電荷を印加するとともに第2の複数の電極に電荷を印加することによって、アクチュエータを起動するように構成されている。
【0176】
第2層に対する第1層のスライド又は第1層に対する第2層のスライドは、弾性本体部を伸張する変形を引き起こす。
【0177】
実施形態44は、実施形態43のユーザーインターフェース装置を含み、第1層及び第2層が互いに対してスライドすることを可能にするように、第1層が、第2層上にサスペンドされている。
【0178】
実施形態45は、実施形態43又は44のユーザーインターフェース装置を含み、制御ユニットは、第1の複数の電極のうちの少なくとも1つの電極について、前記少なくとも1つの電極に最も近い第2の複数の電極のうちの2つの電極に逆のそれぞれの電荷を印加するように構成されている。
【0179】
実施形態46は、
弾性本体部を伸張する変形を受けることができる前記弾性本体部と、
制御ユニットと、
第1層上又は前記第1層内に配置された第1の複数の電磁石を有する前記第1層を備えるとともに、第2層上又は前記第2層内に配置された第2の複数の電磁石を有する前記第2層を備えるアクチュエータと、
を備え、アクチュエータが起動されると、第1層は、第2層に対してスライド可能である、ユーザーインターフェース装置に関する。
【0180】
制御ユニットは、第1層を第2層に対してスライドさせる方向又は第2層を第1層に対してスライドさせる方向に第1の複数の電磁石が第2の複数の電磁石に引き寄せられるように第1の複数の電磁石及び第2の複数の電磁石を起動することによって、アクチュエータを起動するように構成されている。
【0181】
第2層に対する第1層のスライド又は第1層に対する第2層のスライドは、弾性本体部を伸張する変形を引き起こす。
【0182】
実施形態47は、実施形態46のユーザーインターフェース装置を含み、制御ユニットは、第1の複数の電磁石のうちの少なくとも1つの電磁石について、前記少なくとも1つの電磁石に最も近い第2の複数の電磁石のうちの2つの電磁石において逆のそれぞれの極性の磁場を引き起こすように構成されている。
【0183】
実施形態48は、フレキシブル本体部と、フレックスセンサと、制御ユニットとを備えるフレキシブルユーザーインターフェース装置に関する。フレックスセンサは、フレキシブル本体部内に配置され又はフレキシブル本体部に取り付けられ、フレキシブル本体部が外部屈曲力を受けていることを検知するように構成されている。制御ユニットは、フレックスセンサと通信し、フレックスセンサからの測定信号に基づいて、フレキシブル本体部が外部屈曲力を受けていることを検出するように構成されている。制御ユニットは、フレキシブル本体部が外部屈曲力を受けていることを検出したことに応答して、外部屈曲力に抵抗する抵抗フィードバックを生成するか否かを判断するように更に構成されている。制御ユニットは、抵抗フィードバックを生成するとの判断に応答して、外部屈曲力に抵抗するために、フレキシブル本体部に剛性を増加させるようにも構成されている。
【0184】
種々の実施形態を上述してきたが、これらの実施形態は、限定としてではなく本発明の単なる説明及び例として提示されていることを理解すべきである。形式及び細部における種々の変更は本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく本発明内で行うことができることは当業者には明らかであろう。したがって、本発明の範囲は、上述の例示的な実施形態のいずれかによって限定されるべきではなく、添付の特許請求の範囲及びそれらの均等物によってのみ規定されるべきである。本明細書において論考された各実施形態、及び本明細書において引用された各引用文献の各特徴は、他の任意の実施形態の特徴と組み合わせて用いることができることも理解されるであろう。本明細書において論考された全ての特許及び刊行物はその全体が、引用することにより本明細書の一部をなす。
【0185】
本願は、2018年6月15日に出願された米国特許出願第16/010,172号の利益を主張し、この出願の開示は引用することによりその全体が本明細書の一部をなす。