特開2019-220251(P2019-220251A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 住友電装株式会社の特許一覧
<>
  • 特開2019220251-多芯電線の防水構造 図000003
  • 特開2019220251-多芯電線の防水構造 図000004
  • 特開2019220251-多芯電線の防水構造 図000005
  • 特開2019220251-多芯電線の防水構造 図000006
  • 特開2019220251-多芯電線の防水構造 図000007
  • 特開2019220251-多芯電線の防水構造 図000008
  • 特開2019220251-多芯電線の防水構造 図000009
  • 特開2019220251-多芯電線の防水構造 図000010
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2019-220251(P2019-220251A)
(43)【公開日】2019年12月26日
(54)【発明の名称】多芯電線の防水構造
(51)【国際特許分類】
   H01R 13/52 20060101AFI20191129BHJP
【FI】
   H01R13/52 301F
   H01R13/52 301E
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2018-114192(P2018-114192)
(22)【出願日】2018年6月15日
(71)【出願人】
【識別番号】000183406
【氏名又は名称】住友電装株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000497
【氏名又は名称】特許業務法人グランダム特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山本 裕信
(72)【発明者】
【氏名】金 京佑
(72)【発明者】
【氏名】小林 利成
(72)【発明者】
【氏名】清水 盛行
【テーマコード(参考)】
5E087
【Fターム(参考)】
5E087EE02
5E087EE07
5E087FF02
5E087FF08
5E087FF13
5E087GG15
5E087HH01
5E087JJ03
5E087LL03
5E087LL14
5E087MM05
5E087RR12
5E087RR29
5E087RR47
(57)【要約】
【課題】防水性を高めることが可能な多芯電線の防水構造を提供する。
【解決手段】複数本の芯線21がシース22に収容される多芯電線20と、前記芯線21の端末部に接続された端子金具23が内部に収容されるとともに、前記芯線21を外部に引き出す開口部32が形成されているハウジング30と、前記開口部32を覆い、かつ前記シース22の端面26を覆っている成形部10と、前記開口部32内において前記成形部10の内側に配置された樹脂止め部40と、を備えている。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数本の芯線がシースに収容される多芯電線と、
前記芯線の端末部に接続された端子金具が内部に収容されるとともに、前記芯線を外部に引き出す開口部が形成されているハウジングと、
前記開口部を覆い、かつ前記シースの端面を覆っている成形部と、
前記開口部内において前記成形部の内側に配置された樹脂止め部と、
を備えている多芯電線の防水構造。
【請求項2】
前記開口部の外縁に沿って前記成形部の成形時に溶けるメルト部が設けられている請求項1に記載の多芯電線の防水構造。
【請求項3】
前記成形部が、前記多芯電線を屈曲した形状に保持する屈曲部を備えている請求項1または請求項2に記載の多芯電線の防水構造。
【請求項4】
前記成形部が、前記ハウジングの外周面を覆う外周部を備えている請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の多芯電線の防水構造。
【請求項5】
前記樹脂止め部が、既存のゴム栓である請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載の多芯電線の防水構造。
【請求項6】
前記ハウジングに、前記樹脂止め部の内側の面に対向したストッパ面が形成されている請求項5に記載の多芯電線の防水構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多芯電線の防水構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数本の芯線をシースで包囲した多芯電線の端末部を防水する構造として、例えば下記特許文献1に記載されているように、熱収縮チューブを用いたものが知られている。多芯電線の端末部は、シースから芯線が露出しており、各芯線に端子金具が接続され、端子金具はコネクタに収容される。
【0003】
熱収縮チューブは、シースの端部に被せ付けられている。収縮した熱収縮チューブがシースを縮径させ、シース内の隙間を閉塞する。また、熱収縮チューブ内面のホットメルトが溶融し、シース内の微小な隙間を埋める。これにより、多芯電線の端末部が防水される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2016−184542号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記のような構成では、さらに防水性を高めるためには、シース内の微小な隙間を完全に埋める必要がある。シース内の隙間を完全に埋めることは容易ではないため、防水性を高めることは困難であった。
【0006】
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、防水性を高めることが可能な多芯電線の防水構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の多芯電線の防水構造は、複数本の芯線がシースに収容される多芯電線と、前記芯線の端末部に接続された端子金具が内部に収容されるとともに、前記芯線を外部に引き出す開口部が形成されているハウジングと、前記開口部を覆い、かつ前記シースの端面を覆っている成形部と、前記開口部内において前記成形部の内側に配置された樹脂止め部と、を備えている。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、成形部によってハウジングの開口部とシースの端面とが防水されるから、防水性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施例1における多芯電線の防水構造を示す斜視図
図2】多芯電線の防水構造を示す断面図
図3】ハウジング及び多芯電線の端末部を示す斜視図
図4】ハウジングを示す背面図
図5】ハウジングを示す断面図
図6】多芯電線の防水構造を示す断面図であって、図2とは異なる位置における断面を示す断面図
図7】実施例2における多芯電線の防水構造を示す斜視図
図8】多芯電線の防水構造を示す断面図
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の好ましい形態を以下に示す。
本発明の多芯電線の防水構造は、前記開口部の外縁に沿って前記成形部の成形時に溶けるメルト部が設けられているものとしてもよい。このような構成によれば、メルト部が溶けて成形部に密着するから、防水性をより高めることができる。
【0011】
また、本発明の多芯電線の防水構造は、前記成形部が、前記多芯電線を屈曲した形状に保持する屈曲部を備えているものとしてもよい。このような構成によれば、多芯電線を屈曲した形状に保持するための専用部品を用いなくてよいから、部品点数を減らすことができる。
【0012】
また、本発明の多芯電線の防水構造は、前記成形部が、前記ハウジングの外周面を覆う外周部を備えているものとしてもよい。このような構成によれば、成形部がハウジングに強固に一体化するから、耐久性を高めることができる。
【0013】
また、本発明の多芯電線の防水構造は、前記樹脂止め部が、既存のゴム栓であるものとしてもよい。このような構成によれば、成形部の成形時に樹脂を止めるための専用部品を新たに製造しなくてよいから、コストが高くなることを防ぐことができる。
【0014】
また、本発明の多芯電線の防水構造は、前記ハウジングに、前記樹脂止め部の内側の面に対向したストッパ面が形成されているものとしてもよい。このような構成によれば、樹脂止め部がゴム栓である場合に、成形部を成形するときの圧力でゴム栓が過度に内側に入り込むことを防ぐことができる。
【0015】
<実施例1>
以下、本発明を具体化した実施例1について、図1図6を参照しつつ詳細に説明する。
本実施例における多芯電線の防水構造は、複数本(本実施例では2本)の芯線21を一括してシース22で包囲して一体化した多芯電線20の端末部を、成形部10によって防水する構造である。成形部10は、インサート成形等によりハウジング30からシース22にわたって設けられている。成形部10については、後ほど詳しく説明する。
【0016】
シース22は、熱可塑性樹脂(熱可塑性ウレタン等)からなり、2本の芯線21を絶縁、保護する。芯線21は被覆電線であり、図3に示すように、各芯線21の端末部には端子金具23が接続されている。端子金具23は、雌型の端子金具23であり、箱型の端子本体24を有し、図示しない相手側の雄端子金具が端子本体24に挿入されて電気的に接続される。端子金具23は、芯線21の端末部に圧着接続される接続部25を備えている。端子金具23は、図2に示すように、ハウジング30の内部に挿入されて抜け止めされる。以下、各構成部材において、ハウジング30に対する端子金具23の挿入方向前側(図2では左側)を前方、その反対側(図2の右側)を後方として説明する。
【0017】
ハウジング30は、例えばナイロンやポリブチレンテレフタレート(PBT)等の合成樹脂製であって、芯線21の端末部に接続された端子金具23が収容される端子収容部31と、芯線21を外部に引き出す開口部32とが形成されている。このハウジング30は、雌型の端子金具23が収容される雌型のコネクタを構成する。
【0018】
端子収容部31は、図6に示すように、端子金具23の数に対応した2室が並んで設けられている。各端子収容部31の前端には、図2に示すように、相手側の端子金具のタブ部が挿入されるタブ挿入口33が貫通形成されている。また、各端子収容部31には、端子金具23に係止して端子金具23の抜け止めをするランス34が設けられている。ランス34は、片持ち状をなして端子収容部31の内壁から前方に延出した形態をなしている。
【0019】
開口部32は、各端子収容部31の後側に連なっている。開口部32の周面は円弧面であり、図4に示すように、端子収容部31毎に個別に後方に開口している。
開口部32は、ハウジング30の後端部に設けられた円筒形状をなすタワー部35に形成されている(図3参照)。タワー部35は、2つが並んで設けられている。隣接したタワー部35は、並び方向に繋がっている(図4参照)。
【0020】
各タワー部35の後端部には、図5に示すように、テーパ面36が形成されている。テーパ面36は、各タワー部35の内周側に形成され、前方に向かって内径が小さくなる傾斜をなしている。
【0021】
開口部32には、図6に示すように、樹脂止め部40が配置されている。樹脂止め部40は、成形部10の前側(内側)に位置している。樹脂止め部40は、既存の個別ゴム栓であり、各タワー部35の開口部32に個別に嵌合している。樹脂止め部40は、図3に示すように、芯線21が貫通する貫通穴41が中心に形成された円筒形状をなし、各樹脂止め部40の内周面と外周面とには、リップ43が複数条ずつ形成されている。各樹脂止め部40の内周面は、各芯線21の外周面に液密に密着し、各樹脂止め部40の外周面は、各開口部32の周面(各タワー部35の内周面)に液密に密着する。
【0022】
各樹脂止め部40の前後両面は、図6に示すように、前後方向に対して概ね直交する面である。各樹脂止め部40の前後方向の寸法は、各タワー部35の前後方向の寸法より小さくされている。成形部10が成形される前の状態では、各タワー部35の後端部(樹脂止め部40の後側)には、後方に開口した空間部37が形成される。
【0023】
ハウジング30の内部には、図6に示すように、樹脂止め部40の前面(内側の面)44に対向したストッパ面38が形成されている。ストッパ面38は、前後方向に対して略直交する面であり、樹脂止め部40の前面44が当接している。ストッパ面38は、樹脂止め部40の前面44のうち貫通穴41を間にした両側(径方向における両端)の部分に当接する。
【0024】
ハウジング30の後端部には、成形部10の成形時に先端部が溶融するメルト部50が設けられている。メルト部50は、ハウジング30の後面39に突設されたリブである。メルト部50がハウジング30の後面39に形成されていることにより、スライド型を不要とすることができ、ハウジング30の成形を簡素化できる。
【0025】
メルト部50は、成形部10の成形熱により溶融する前の状態(以後、第1状態と称する)では、図5に示すように、突出端側が尖った断面三角形状をなし、成形部10の成形熱により溶融した後の状態(以後、第2状態と称する)では、図6に示すように、成形熱で先端部が溶融する。
【0026】
メルト部50は、図4に示すように、各タワー部35の外縁に沿って設けられ、開口部32の全周を取り囲んでいる。メルト部50は、各タワー部35の外縁に沿う円弧状をなす部分(以後、円弧部51と称する)が並んだ形態をなしている。2つの円弧部51は、並び方向の中央部で繋がっている。詳しくは、各円弧部51は一部が開放されたC形状をなし、各円弧部51の開放部分の両端同士が繋がって、2つの開口部32を一括して囲っている。
【0027】
メルト部50は、開口部32の周りに二重に設けられている。メルト部50のうち外側のメルト部50(以後、外側メルト部50Sと称する)と内側のメルト部50(以後、内側メルト部50Uと称する)とは、所定の間隔をあけて略平行に配置されている。外側メルト部50Sは、タワー部35の後面39の外縁に沿って延び、内側メルト部50Uは、タワー部35の後面39の内縁に沿って延びている。
【0028】
各メルト部50は、第1状態では、図5に示すように、根元位置での厚さ寸法(タワー部35の径方向の寸法)Tよりハウジング30の後面39から先端までの高さ寸法Hが大きくされている。また、各メルト部50は、先端側ほど薄肉となる先細り状に形成されている。
【0029】
各メルト部50は、垂直面52と、垂直面52に対して傾斜している傾斜面53とを備えている。垂直面52と傾斜面53との内角は、45度より小さい角度とされている。外側メルト部50Sの垂直面52は、タワー部35の外周面に沿って連なり、ハウジング30の後面39に対して略垂直をなしている。内側メルト部50Uの傾斜面53は、タワー部35の後端部に形成されたテーパ面36に連なっている。
なお、外側メルト部50S及び内側メルト部50Uは、第1状態では、厚さ寸法T及び高さ寸法Hが等しくされている。
【0030】
さて、ハウジング30からシース22にわたって設けられた成形部10は、ハウジング30と同じ種類の合成樹脂製であって、ハウジング30に良好に融着している。成形部10は、図2に示すように、芯線21の露出部分全体と、開口部32と、シース22の端面26とを完全に覆っている。これにより、ハウジング30の開口部32及びシース22の端面26の隙間が止水されている。
【0031】
成形部10は、図2に示すように、ハウジング30の外周面を覆う外周部11と、タワー部35の内周側に配置された内周部12と、ハウジング30とシース22との間に配置された中間部13と、シース22を包囲するシース包囲部14とを備えている。
【0032】
外周部11は、ハウジング30後端部(タワー部35の後端部)を全周に亘って覆っている。外周部11は、各タワー部35の空間部37に対応する領域の外側を覆っている。外周部11は、ハウジング30の外側に嵌合した形態でハウジング30の外周面に密着している。
【0033】
内周部12は、各芯線21を包囲し、各芯線21の外周面と各タワー部35の内周面とに全周にわたり密着している。内周部12の前面は樹脂止め部40の後面に密着、または多少の隙間をあけて近接している。
【0034】
中間部13は、開口部32の全周、シース22の端面26の全体、各芯線21の外周面の全周に密着するとともに、2本の芯線21の間を隙間なく埋めている(図6参照)。シース包囲部14は、シース22の全周に密着している。シース22の端面26及び外周面は、成形部10の成形熱により溶けて成形部10に溶着している。すなわち、成形部10とシース22との間には界面がなくなっている。
【0035】
成形部10の幅寸法(図6では上下方向の寸法)は、前側から後側に向かって、すなわち、外周部11、中間部13、シース包囲部14の順で小さくなっている。
【0036】
成形部10の高さ寸法(図2では上下方向の寸法)は、外周部11が最も大きく、中間部13において一段小さくなり、そこからシース包囲部14の後端まで等しい寸法となっている。
【0037】
成形部10の厚さ寸法は、中間部13において最も大きくなっている。すなわち、各芯線21を包囲する部分の厚さ寸法が、シース22を包囲する部分の厚さ寸法より大きくなっている。
【0038】
次に、本実施例における多芯電線の防水構造を製造する方法の一例を説明する。
まず、各芯線21の端末部に樹脂止め部40としての個別ゴム栓を嵌着するとともに、端子金具23を圧着する。
【0039】
次に、端子金具23をハウジング30の端子収容部31に収容するとともにタワー部35の内部に樹脂止め部40を配置する。端子金具23を各タワー部35の開口部32に後方から挿入し、端子金具23が端子収容部31の正規の位置に至ると、ランス34によって抜け止めされる。また、芯線21に嵌着された樹脂止め部40は、ストッパ面38に当接してタワー部35の内部に留まる。
【0040】
次に、ハウジング30及びシース22の端部を金型の所定の位置に配置して、加熱溶融した成形樹脂を金型内に注入し、成形部10を成形する。成形樹脂は、2本の芯線21の間に入り込み、またタワー部35の空間部37に入り込む。空間部37に入り込んだ成形樹脂は、樹脂止め部40によって端子収容部31への流れ込みが防がれる。シース22の外面は、高温の樹脂材によって溶融し、成形部10の成形樹脂と溶け合った状態になって固化する。これにより、シース22の外面は成形部10に密着し、シース22の外面と成形部10との界面がなくなり、シース22の端面26への液体の浸入経路が遮断される。また、図6に示すように、メルト部50の先端側が溶融し、メルト部50の溶融部分は成形部10の成形樹脂と溶け合った状態になって固化する。これにより、メルト部50の先端は成形部10に密着し、メルト部50においてハウジング30と成形部10との界面がなくなり、開口部32への液体の浸入経路が遮断される。
以上により、本実施例における多芯電線の防水構造の製造が完了する。
【0041】
次に、上記のように構成された本実施例の作用および効果について説明する。
本実施例の多芯電線の防水構造は、多芯電線20と、ハウジング30と、成形部10と、樹脂止め部40とを備えている。多芯電線20は、複数本の芯線21をシース22で包囲したものである。ハウジング30は、芯線21の端末部に接続された端子金具23が内部に収容されるとともに、芯線21を外部に引き出す開口部32が形成されている。成形部10は、開口部32を覆い、かつシース22の端面26を覆っている。樹脂止め部40は、開口部32内において成形部10の内側に配置されている。この構成によれば、成形部10によってハウジング30の開口部32とシース22の端面26とが防水されるから、防水性を高めることができる。
【0042】
ここで、従来、雄型のコネクタ(電線の端末部に雄型の端子金具が接続されている)において、電線から端子金具にわたる部分にハウジングをインサート成形により成形し、電線端末部を防水するようにした成形コネクタが知られている。しかしながら、雌型のコネクタ(電線の端末部に雌型の端子金具が接続されている)のハウジングは、形状が複雑であるため、雄型のコネクタのような成形コネクタを製造することが困難であった。本実施例の多芯電線の防水構造によれば、ハウジング30とシース22との間に成形部10を成形することで、雄型のコネクタの成形コネクタと同様の防水構造を、雌型のコネクタに形成することができ、確実に防水することができる。
【0043】
また、本実施例の多芯電線の防水構造は、開口部32の外縁に沿って成形部10の成形時に溶けるメルト部50が設けられている。この構成によれば、メルト部50が溶けて成形部10に密着するから、防水性をより高めることができる。
【0044】
また、成形部10が、ハウジング30の外周面を覆う外周部11を備えている。この構成によれば、成形部10がハウジング30に強固に一体化するから、耐久性を高めることができる。
また、樹脂止め部40が、既存のゴム栓である。この構成によれば、成形部10の成形時に樹脂を止めるための専用部品を新たに製造しなくてよいから、コストが高くなることを防ぐことができる。
【0045】
また、ハウジング30に、樹脂止め部40の前面44に対向したストッパ面38が形成されている。この構成によれば、成形部10を成形するときの圧力で樹脂止め部40が過度に前側に入り込むことを防ぐことができる。
【0046】
<実施例2>
次に、本発明を具体化した実施例2に係る多芯電線の防水構造を図7及び図8によって説明する。
本実施例の多芯電線の防水構造は、成形部60が屈曲部61を有している点で、実施例1とは相違する。なお、実施例1と同様の構成には同一符号を付して重複する説明を省略する。
【0047】
本実施例に係る多芯電線の防水構造は、実施例1と同様に、多芯電線20と、ハウジング30と、樹脂止め部40と、成形部60とを備えている。成形部60は、実施例1と同様、外周部11と、内周部12と、中間部13と、シース包囲部14とを備えている。
【0048】
成形部60は、概ね90度(前後方向に対して略垂直)に屈曲した屈曲部61を有している。屈曲部61は、シース包囲部14に設けられている。多芯電線20のうち屈曲部61の内部に配されている部分は、屈曲部61により屈曲した形状に保持されている。これにより、多芯電線20は、ハウジング30に対して略垂直方向に延びた状態に保持される。なお、屈曲部61の屈曲する程度(角度)は任意に変更できる。
【0049】
以上のように本実施例においては、実施例1と同様に、成形部60によってハウジング30の開口部32とシース22の端面26とが防水されるから、防水性を高めることができる。また、本実施例によれば、成形部60が屈曲部61を有しているから、多芯電線20を屈曲した形状に保持するための専用部品を用いなくてよいため、部品点数を減らすことができる。
【0050】
<他の実施例>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施例に限定されるものではなく、例えば次のような実施例も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)上記実施例では、樹脂止め部40が既存のゴム栓である場合を例示したが、これに限らず、樹脂止め部は、成形部の成形樹脂が端子収容部側へ入り込むことを防ぐことができればよく、例えば、開口部を塞ぐ蓋部材のようなものであってもよい。
(2)上記実施例では、ハウジング30にメルト部50が設けられているが、これに限らず、メルト部50は設けなくてもよく、例えば、成形部またはハウジングに溶着する材料を用いてもよい。
(3)上記実施例では、成形部10(60)がハウジング30の後端部の全周を覆う外周部11を備えているが、これに限らず、外周部は、ハウジングの後端部の外周面を部分的に覆うものであってもよく、また成形部は外周部を備えなくてもよい。
(4)上記実施例では、ストッパ面38が樹脂止め部40の前面44に当接しているが、これに限らず、ストッパ面は、樹脂止め部の前面から前方に離れていてもよく、樹脂止め部が前進した程度によってストッパ面に当接するようにしてもよい。
(5)上記実施例では、メルト部50がハウジング30の後面39に設けられているが、これに代えて、またはこれに加えて、メルト部をハウジングの後面以外の面(例えば成形部の外周部に覆われるハウジングの外周面)に設けてもよい。
(6)上記実施例では、メルト部50の具体的な形状等を例示したが、これに限らず、メルト部の形状等は変更することができ、例えば、メルト部は二重に設けなくてもよく、また開口部を個別に取り囲む形状にしてもよい。
【符号の説明】
【0051】
10,60…成形部
11…外周部
20…多芯電線
21…芯線
22…シース
23…端子金具
26…シースの端面
30…ハウジング
32…開口部
38…ストッパ面
40…樹脂止め部
50…メルト部
61…屈曲部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【手続補正書】
【提出日】2019年6月12日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0021
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0021】
開口部32には、図6に示すように、樹脂止め部40が配置されている。樹脂止め部40は、成形部10の前側(内側)に位置している。樹脂止め部40は、既存の個別ゴム栓であり、各タワー部35の開口部32に個別に嵌合している。樹脂止め部40は、図3に示すように、芯線21が貫通する貫通穴41が中心に形成された円筒形状をなし、各樹脂止め部40の内周面と外周面とには、リップ(図示せず)が複数条ずつ形成されている。各樹脂止め部40の内周面は、各芯線21の外周面に液密に密着し、各樹脂止め部40の外周面は、各開口部32の周面(各タワー部35の内周面)に液密に密着する。
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正の内容】
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8