特開2019-220277(P2019-220277A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2019-220277(P2019-220277A)
(43)【公開日】2019年12月26日
(54)【発明の名称】燃料電池システム用燃焼器
(51)【国際特許分類】
   H01M 8/04 20160101AFI20191129BHJP
   H01M 8/0612 20160101ALI20191129BHJP
   H01M 8/12 20160101ALN20191129BHJP
   H01M 8/10 20160101ALN20191129BHJP
【FI】
   H01M8/04 N
   H01M8/0612
   H01M8/12 101
   H01M8/10 101
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2018-114924(P2018-114924)
(22)【出願日】2018年6月15日
(71)【出願人】
【識別番号】000003997
【氏名又は名称】日産自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002468
【氏名又は名称】特許業務法人後藤特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】前嶋 晋
(72)【発明者】
【氏名】間野 忠樹
【テーマコード(参考)】
5H126
5H127
【Fターム(参考)】
5H126BB06
5H127AA06
5H127AA07
5H127AC02
5H127BA12
5H127BA57
5H127BA58
5H127BB02
5H127BB19
5H127EE12
5H127EE25
(57)【要約】
【課題】燃焼器の反応部に供給される混合気の分布バラツキを改善する。
【解決手段】燃料電池システム用燃焼器1は、液体燃料を噴射する燃料噴射部6と、液体燃料と混合させる燃焼用ガスを供給するガス供給部4と、液体燃料と燃焼用ガスとが混合した混合気を燃焼させる反応部3と、燃料噴射部6、ガス供給部4及び反応部3を収容するケース2と、を備える。ガス供給部4は燃焼用ガスに旋回流を生じさせる旋回部4Bを備え、燃料噴射部6は、旋回部の中央であって、噴射した燃料噴霧が旋回部4Bに直接当たらない位置に配置される。旋回部4Bと反応部3との間に、ケース2の内周面から径方向内側に突出し、ケース2の内周面側に偏った混合気を反応部3の中央に向けて偏流させる偏流部5を備えることを特徴とする燃料電池システム用燃焼器。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体燃料を噴射する燃料噴射部と、
前記液体燃料と混合させる燃焼用ガスを供給するガス供給部と、
前記液体燃料と前記燃焼用ガスとが混合した混合気を燃焼させる反応部と、
前記燃料噴射部、前記ガス供給部及び前記反応部を収容するケースと、
を備える燃料電池システム用燃焼器において、
前記ガス供給部は前記燃焼用ガスに旋回流を生じさせる旋回部を備え、
前記燃料噴射部は、前記旋回部の中央であって、噴射した燃料噴霧が前記旋回部に直接当たらない位置に配置され、
前記旋回部と前記反応部との間に、前記ケースの内周面から径方向内側に突出し、前記ケースの内周面側に偏った前記混合気を前記反応部の中央に向けて偏流させる偏流部を備えることを特徴とする燃料電池システム用燃焼器。
【請求項2】
請求項1に記載の燃料電池システム用燃焼器において、
前記偏流部は、前記ケースの周方向に所定の間隔をもって複数個配置される突部で構成される燃料電池システム用燃焼器。
【請求項3】
請求項1または2に記載の燃料電池システム用燃焼器において、
前記偏流部は、前記旋回部により生じた旋回流と反対向きの旋回を生じさせるスリットを有する、燃料電池システム用燃焼器。
【請求項4】
請求項1から3のいずれかに記載の燃料電池システム用燃焼器において、
前記偏流部は、前記ケースとは別部材で構成されている燃料電池システム用燃焼器。
【請求項5】
請求項1から3のいずれかに記載の燃料電池システム用燃焼器において、
前記偏流部は、前記ケースの一部が変形したものである燃料電池システム用燃焼器。
【請求項6】
請求項1から5のいずれかに記載の燃料電池システム用燃焼器において、
前記偏流部が、前記旋回部から前記反応部までの中間点にある燃料電池システム用燃焼器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃料電池システムに用いる燃焼器に関する。
【背景技術】
【0002】
燃料電池システム用の燃焼器として、特許文献1には液体燃料を噴射する燃料噴射部と、旋回部を備えることにより空気をスワール状に供給するガス供給部と、液体燃料と空気との混合気を燃焼させる反応部と、を備える構成が開示されている。上記文献の構成によれば、空気に旋回を付与することによって液体燃料と空気との混合が促進されるため、混合気の燃焼性が向上する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−56636号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記文献の構成では、旋回が付与されたことにより混合気の流れが反応部の中心軸から遠い直径方向周辺部に偏る。このため、反応部における燃料の分布にバラツキが生じて、反応部全体を使った効率的な燃焼ができなくなるおそれがある。そこで本発明では、反応部における燃料分布のバラツキを抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明のある態様による燃料電池システム用燃焼器は、液体燃料を噴射する燃料噴射部と、液体燃料と混合させる燃焼用ガスを供給するガス供給部と、液体燃料と燃焼用ガスとが混合した混合気を燃焼させる反応部と、燃料噴射部、ガス供給部及び反応部を収容するケースと、を備える。ガス供給部は燃焼用ガスに旋回流を生じさせる旋回部を備え、燃料噴射部は、旋回部の中央であって、噴射した燃料噴霧が旋回部に直接当たらない位置に配置される。そして、燃料電池システム用燃焼器は、旋回部と反応部との間に、ケースの内周面から径方向内側に突出し、ケースの内周面側に偏った混合気を反応部の中央に向けて偏流させる偏流部を備える。
【発明の効果】
【0006】
上記態様によれば、反応部における燃料分布のバラツキを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、燃焼器の基本構成を示す図である。
図2図2は、混合気の流量分布を示す図である。
図3図3は、空気過剰率と火炎温度との関係を示す図である。
図4図4は、燃焼器の断面図である。
図5図5は、偏流部の構成を示す図である。
図6図6は、偏流部の第1変形例を示す図である。
図7図7は、偏流部の第2変形例を示す図である。
図8図8は、偏流部の第3変形例を示す図である。
図9図9は、偏流部の第4変形例を示す図である。
図10図10の(A)から(C)は、第4変形例の偏流部の製作工程を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。
【0009】
図1は、本実施形態にかかる燃焼器1の基本構成を示す図である。以下の説明において、図面の左方を上流、図面の右方を下流とする。
【0010】
燃焼器1は、固体酸化物形または固体高分子形の燃料電池を備える燃料電池システムにおいて、液体燃料と空気との混合気を燃焼させるものである。この燃焼により生じた熱は、燃料改質器等に供給される。なお、液体燃料と混合させるガスとして、燃料電池の空気極から排出されるカソードオフガスを空気と混合させて用いてもよい。
【0011】
燃焼器1は、燃料を燃やすための触媒3Bと、触媒3Bに供給される燃料を加熱する加熱器3Aと、触媒3B及び加熱器3Aを収容する円筒状のケース2と、を備える。なお、以下の説明では、加熱器3Aと触媒3Bとをまとめて反応部3と称することもある。燃焼器1はさらにインジェクタ6と、旋回板4Bと、偏流部5と、を備える。
【0012】
触媒3Bは、酸化剤ガスを用いて燃料が気化した燃料ガスを燃焼させる燃焼触媒である。触媒3Bの上流側端面と加熱器3Aの下流側端面とが接触するように並んで配置されている。触媒3Bは、担体としてのハニカム構造体の表面に触媒材料が担時された部材である。ハニカム構造体は金属製の円筒状部材として構成されており、ハニカム構造体に担持される触媒材料には白金(Pt)やパラジウム(Pd)などが用いられる。
【0013】
加熱器3Aは、触媒3Bに噴射された原燃料を気化する電気ヒータであり、例えば、触媒3Bの温度が燃料を燃焼可能な温度よりも低い状況で使用される。このため、燃焼器1の本体温度が十分に高い自立運転状態では、加熱器3Aは使用されない。
【0014】
加熱器3Aは、本体としてのハニカム構造体と、ハニカム構造体の外周に設けられる電極部とから構成されている。ハニカム構造体は、金属製の円筒状部材として構成されており、ケース2内に固定されている。加熱器3Aは、ケース2の内側から外側に露出するように設けられた電極部(図示せず)に通電することでハニカム構造体が加熱される。
【0015】
インジェクタ6は、燃料ポンプ(図示せず)及び通路9を介して供給される燃料を所定の周期で反応部3に向けて噴射する噴射器である。
【0016】
旋回板4Bは、ケース2の上流側端面から下流方向へ所定距離離れた位置に設けられた円板状部材である。旋回板4Bの中心部には、燃料噴霧が旋回板4Bに直接当たらないようにインジェクタ6が配置される。このようにインジェクタ6及び旋回板4Bを配置するのは、燃料噴霧が旋回板4Bに付着して壁流が生じると、混合気の空燃比の制御が困難になるからである。なお、旋回板4Bは、燃料噴霧が直接当たらないのであれば図示するような平板でなくてもよく、例えば円錐状の部材でも構わない。
【0017】
また、旋回板4Bは、旋回板4Bの上流側と下流側とを連通する複数のスリットを備える。
【0018】
旋回板4Bと旋回板4Bより上流側のケース2の内壁面とにより画成される空間は空気供給室4Aである。以下、空気供給室4Aと旋回板4Bとを合わせて空気供給部4とも称する。
【0019】
空気供給室4Aには、コンプレッサ7から吐出された空気が通路8を介して供給される。空気供給室4Aに供給された空気は、旋回板4Bのスリットを通って反応部3の方向へ流れる。本実施形態のスリットは、通過する空気に旋回を付与する形状となっている。したがって、旋回板4Bを通過した空気は、旋回しながら反応部3の方向へ流れる。インジェクタ6から噴射された燃料は、この旋回する空気と混合するので、混合が促進され、触媒3Bでの燃焼性が向上する。なお、通路8から空気供給室4Aへ供給される空気の向きを空気供給室4Aの円周方向とすることにより、空気供給室4A内に旋回流を生成してもよい。これにより、スリットを通過した空気の旋回がより強くなる。
【0020】
偏流部5は、ケース2の内周面からケース2の径方向内側へ突出するリング状部材である。偏流部5はケース2の内周面付近に偏った混合気の流れを、ケース2の中心軸方向へ偏流させる機能を果たす。
【0021】
ここで、偏流部5を設ける目的及び偏流部5を設けることによる作用効果について説明する。
【0022】
図2は、偏流部5を備えない場合の、反応部3の上流側端部における混合気の流量分布を示す図であり、横軸は反応部3の中心軸からの距離、縦軸は図1の上流側から下流側へ流れる混合気の流量である。平均流量とは、反応部3に供給される混合気量が反応部3の上流側端面に均一に分布すると仮定した場合の流量である。
【0023】
図2に示す通り、旋回板4Bにより空気の流れに旋回を付与することで、中心軸から離れるほど、つまりケース2の内周面に近いほど、混合気の流量は多くなる。これは、旋回を付与することで混合気に遠心力が作用し、混合気の流れがケース2の内周面側に偏るからである。すなわち、偏流部5を備えない場合には、混合気は反応部3の内周側よりも外周側に多く供給されることとなる。
【0024】
図3は、混合気の空気過剰率λと、その混合気が燃焼した場合の火炎温度との関係を示す図である。横軸の空気過剰率λは、混合気中の空気の余剰度合を示す指標であり、供給される空気質量を理論混合比における空気質量で除した値である。
【0025】
図示する通り、火炎温度は空気過剰率λが1近傍のときに最も高く、空気過剰率λが1から離れるほど低くなる。空気過剰率λがリッチ側にずれるということは、空気供給量が少なくなることを意味し、リーン側にずれるということは、空気供給量が多くなることを意味する。
【0026】
本実施形態では、反応部3の耐久性を考慮して、空気過剰率λが1よりリーンになるように(例えば図3のA)、燃料噴射量及び空気供給量を制御する。なお、図3のAにおけるλは、例えば3〜5程度とする。
【0027】
しかし、仮に図2に示す通り反応部3に供給される混合気の流量にバラツキが生じると、反応部3で混合気が燃焼した場合の燃焼温度にもバラツキが生じる。つまり、反応部3の混合気供給量が少ない部分では所望の燃焼温度が得られず、混合気供給量が多い部分では空気過剰率λが所望の値よりも1に近づいて所望の燃焼温度より高い燃焼温度になるおそれがある。このように反応部3における燃焼温度が不均一になると、燃焼温度が高い部分では反応部3を構成する部品の耐久性が損なわれるおそれがある。また、燃焼温度が不均一になると、燃焼器1全体として得られる熱量を確保するために、触媒3Bのサイズを大きくせざるを得なくなる。
【0028】
そこで、偏流部5を設けることによって、混合気をケース2の中心軸方向に向けて偏流させる。すなわち、混合気流量が多いケース2の内周面付近から、混合気流量が少ないケース2の中心軸側へ向けて混合気を偏流させることにより、ケース2の径方向における混合気流量のバラツキを抑制する。
【0029】
図4は、燃焼器1の断面図である。図5は偏流部5を図4の矢印Vの方向から見た図である。
【0030】
偏流部5は、断面形状が三角形のリング状部材であり、旋回板4Bと加熱器3Aの上流側端部との中間に、外周面がケース2の内周面と接するように配置されている。
【0031】
上記の構成によれば、旋回が付与されたことでケース2の中心軸から遠ざかってケース2の内周面付近を流れる混合気は、偏流部5に衝突してケース2の中心軸方向に向きを変える。これにより、ケース2の内周面付近への混合気の偏りを解消できる。また、混合気が偏流部5に沿って流れることで偏流部5の下流には乱流が生じるので、偏流部5に衝突した混合気の一部は中心軸方向には進まずにケース2の内周面付近を流れる。したがって、反応部3の中心軸側と外周付近とに供給される混合気量のバラツキが抑制される。
【0032】
また、偏流部5を旋回板4Bと加熱器3Aの上流側端部との中間に配置するのは、燃料と空気とが混合する時間を確保するためである。したがって、混合する時間が確保されるのであれば、旋回板4Bと加熱器3Aの上流側端部との中間よりも上流側に偏流部5を配置してもかまわない。
【0033】
なお、偏流部5の断面形状は、混合気をケース2の中心軸方向に偏流させることができ、かつ、下流側で乱流が生じる形状であればよい。つまり、図4のような三角形に限られず、例えば四角形やその他の形状であってもよい。
【0034】
また、偏流部5の寸法、例えばケース2の内周面からの突出量等は、反応部3の中心軸側と外周付近とに供給される混合気量のバラツキが抑制されるように、燃焼器1の仕様に応じて適合により決定する。
【0035】
以上のように本実施形態では、空気供給部4(ガス供給部)は混合気(燃焼用ガス)に旋回流を生じさせる旋回板4B(旋回部)を備え、インジェクタ6(燃料噴射部)は、旋回板4Bの中央であって噴射した燃料噴霧が旋回板4Bに直接当たらない位置に配置される。そして、旋回板4Bと反応部3との間に、ケース2の内周面から径方向内側に突出し、ケース2の内周面側に偏った混合気を反応部3の中央(つまりケース2の径方向内側)に向けて偏流させる偏流部5を備える。これにより、偏流部5に衝突した混合気がケース2の中心軸側へ偏流するので、ケース2の内周面付近への混合気の偏りを解消できる。また、偏流部5で乱流が生じることにより、ケース2の中心軸側に混合気が偏ることもない。したがって、偏流部5を設けることにより、反応部3に供給される混合気の分布が改善される。
【0036】
本実施形態では、偏流部5はケース2とは別部材で構成されている。これにより偏流部5の形状や大きさに関して設計の自由度が高くなる。例えば、後述するスリット5Aを容易に形成することができる。
【0037】
本実施形態では、偏流部5が、旋回板4Bから反応部3までの中間点にある。これにより、燃料と空気との十分な混合を確保しつつ、反応部3に供給される混合気の分布を改善することができる。
【0038】
次に、上記実施形態の変形例について説明する。以下のような変形例も本発明の範囲内であり、以下の変形例と上記実施形態の各構成とを適宜組み合わせることも可能である。
【0039】
(第1変形例)
図6は、偏流部5の第1変形例を示す図である。本変形例の偏流部5は、リング状部材である点は上記実施形態と同様であるが、周方向に所定間隔で複数のスリット5Aを備える点が異なる。スリット5Aは、旋回板4Bが付与した旋回とは逆方向の旋回を付与する形状となっている。
【0040】
これにより、偏流部5の下流では混合気の旋回が弱まるので、上述した中心軸方向への偏流及び乱流の発生による効果に加えて、さらに混合気の分布を改善できる。なお、偏流部5よりも上流で燃料と空気とは十分に混合しているので、偏流部5で旋回を弱めても混合気の形成への影響はない。
【0041】
(第2変形例)
図7は、偏流部5の第2変形例を示す図である。本変形例の偏流部5は、ケース2の周方向に所定の間隔を持って配置される、上記実施形態の偏流部5と同様の断面形状を有する複数の突部で構成される。
【0042】
本変形例の構成では、上記実施形態の構成に比べて、反応部3の中心軸方向へ偏流する混合気の量が少なくなる。しかし、各突部の周方向側端面付近で乱流が発生するため、上記実施形態の構成に比べて乱流の強度が強くなる。したがって、混合気を反応部3の中心軸方向へ偏流させる機能と、乱流による撹拌機能とによって、混合気の分布を改善することができる。
【0043】
また、燃焼器1の仕様、例えば直径や旋回板4Bから反応部3までの長さ等、によっては、上記実施形態のように全周にわたって偏流部5を設けると、反応部3の外周側に比べて中心軸側に混合気の分布が偏るおそれがある。この点、本変形例の構成によれば、突部の寸法や個数によって反応部3の中心軸方向に偏流させる混合気の量を調整して、混合気の分布を改善することができる。
【0044】
(第3変形例)
図8は、第3変形例にかかる偏流部5を備える燃焼器1の断面図である。
【0045】
本変形例の偏流部5は、形状及び位置は上記実施形態と同様であるが、上記実施形態のようにケース2と別部材で構成するのではなく、ケース2の一部を変形させることにより構成している点で異なる。具体的な作製方法としては、例えば、ケース2の外周面をロール金型を用いてケース2の径方向外側から内側に向けてプレス加工することにより、上記実施形態の偏流部5と同形状の突部を形成する。
【0046】
偏流部5の機能としては別部材で構成する場合と違いはない。ただし、本変形例によれば、部品点数と、作製する際のリング状部材をケース2の内側に固定するための工数と、を削減できる。
【0047】
(第4変形例)
図9は、第3変形例にかかる偏流部5を備える燃焼器1の断面図である。図10は、本変形例の偏流部5を形成する工程を説明するための図である。
【0048】
本変形例の偏流部5は、ケース2の一部を変形させることにより構成している点では第3変形例と同様であるが、加工の内容が異なる。具体的な加工方法について、図10を参照して説明する。
【0049】
本変形例では、ケース2は2つの管状部材2A、2Bで構成される(図10の(A))。なお、2つの管状部材2A、2Bは同径であり、空気供給部4が設けられる方が管状部材2A、反応部3が設けられる方が管状部材2Bである。
【0050】
まず、管状部材2Aの下流側端部から所定範囲に絞り加工を施して、内周側に向けて傾斜する肩部5´を形成する(図10の(B))。そして、管状部材2Aの肩部5´を収容するように管状部材2Bと管状部材2Aとを突き合わせ、突き合わせ部分を溶接等により接続する(図10の(C))。なお、図10の(C)の11は溶接部を示している。接続後は、ケース2を構成する管状部材2Aの一部である肩部5´が、ケース2の内周面から突出した偏流部5となる。
【0051】
上記のような構成であっても、上記実施形態と同様に反応部3に供給される混合気の分布を改善できる。
【0052】
なお、本発明は上記の実施の形態に限定されるわけではなく、特許請求の範囲に記載の技術的思想の範囲内で様々な変更を成し得ることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0053】
1 燃焼器
2 ケース
3 反応部
3A 加熱器
3B 触媒
4 空気供給部
4B 旋回板
5 偏流部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10