特開2019-220404(P2019-220404A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2019-220404(P2019-220404A)
(43)【公開日】2019年12月26日
(54)【発明の名称】車両用灯具
(51)【国際特許分類】
   F21S 41/20 20180101AFI20191129BHJP
   F21S 41/143 20180101ALI20191129BHJP
   F21S 41/151 20180101ALI20191129BHJP
   F21S 41/16 20180101ALI20191129BHJP
   F21S 41/19 20180101ALI20191129BHJP
   F21S 41/24 20180101ALI20191129BHJP
   F21S 41/255 20180101ALI20191129BHJP
   F21S 41/29 20180101ALI20191129BHJP
   F21S 41/663 20180101ALI20191129BHJP
   F21S 45/47 20180101ALI20191129BHJP
   F21W 102/155 20180101ALN20191129BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20191129BHJP
   F21Y 115/30 20160101ALN20191129BHJP
【FI】
   F21S41/20
   F21S41/143
   F21S41/151
   F21S41/16
   F21S41/19
   F21S41/24
   F21S41/255
   F21S41/29
   F21S41/663
   F21S45/47
   F21W102:155
   F21Y115:10
   F21Y115:30
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
【全頁数】34
(21)【出願番号】特願2018-118351(P2018-118351)
(22)【出願日】2018年6月21日
(71)【出願人】
【識別番号】000002303
【氏名又は名称】スタンレー電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100094525
【弁理士】
【氏名又は名称】土井 健二
(74)【代理人】
【識別番号】100094514
【弁理士】
【氏名又は名称】林 恒徳
(72)【発明者】
【氏名】樹下 佳百合
(72)【発明者】
【氏名】小西 定幸
(57)【要約】      (修正有)
【課題】ロービーム用とADB用配光パターンとの間の光度変化がなだらかになる車両用灯具を提供する。
【解決手段】投影レンズと、上セパレータ52Bと下セパレータ53Bを含むセパレータ50Bと、ロービーム用光源32aと、ADB用光源32bと、を備えた車両用灯具において、ロービーム用光源及び上セパレータ本体は、投影レンズの焦点を通りかつ基準軸より上に配置され、ADB用光源及び下セパレータ本体は、基準軸より下に配置され、下セパレータ本体前端部の上部は、上方に延びたオーバーラップ部57を含む。オーバーラップ部は、下セパレータ本体に入光したADB用光源からの光のうち一部がオーバーラップ部で全反射を繰り返しつつ導光されて前面から出光し、投影レンズによってロービーム用配光パターンの下部とADB用配光パターンの上部との間の領域に投影される。
【選択図】図23
【特許請求の範囲】
【請求項1】
投影レンズと、前記投影レンズの後方に配置されたセパレータと、前記セパレータの後方に配置され、前記セパレータ及び前記投影レンズをこの順に透過して前方に照射されてロービーム用配光パターンを形成する光を発光するロービーム用光源と、を備えた車両用灯具において、
前記セパレータ及び前記投影レンズをこの順に透過して前方に照射されてADB用配光パターンを形成する光を発光するADB用光源をさらに備え、
前記セパレータは、前記ロービーム用光源からの光が出光する前面を含む上セパレータ本体と、前記ADB用光源からの光が出光する前面を含む下セパレータ本体と、を含み、
前記ロービーム用光源及び前記上セパレータ本体は、前記投影レンズの焦点を通りかつ車両前後方向に延びる基準軸より上に配置され、
前記ADB用光源及び前記下セパレータ本体は、前記基準軸より下に配置され、
前記下セパレータ本体の前端部の上部は、上方に延びたオーバーラップ部を含み、
前記オーバーラップ部は、前記上セパレータ本体の下部と前記下セパレータ本体の上部との間の隙間及び前記上セパレータ本体の前面が対向する後面と、前記投影レンズの後面が対向する前面と、を含み、
前記下セパレータ本体に入光した前記ADB用光源からの光のうち一部が前記オーバーラップ部の前面と後面との間で全反射を繰り返しつつ前記オーバーラップ部内を導光されて前記オーバーラップ部の前面から出光し、さらに、前記投影レンズによって前記ロービーム用配光パターンの下部と前記ADB用配光パターンの上部との間の領域に投影される車両用灯具。
【請求項2】
投影レンズと、前記投影レンズの後方に配置されたセパレータと、前記セパレータの後方に配置され、前記セパレータ及び前記投影レンズをこの順に透過して前方に照射されてロービーム用配光パターンを形成する光を発光するロービーム用光源と、を備えた車両用灯具において、
前記セパレータ及び前記投影レンズをこの順に透過して前方に照射されてADB用配光パターンを形成する光を発光するADB用光源をさらに備え、
前記セパレータは、前面とその反対側の後面とを含む上セパレータ本体と、前記上セパレータ本体の下部から前記ロービーム用光源に向かって延び、先端に前記ロービーム用光源が対向する第1入光面を有する第1導光部と、前面とその反対側の後面とを含む下セパレータ本体と、前記下セパレータ本体の上部から前記ADB用光源に向かって延び、先端に前記ADB用光源が対向する第2入光面を有する第2導光部と、を含み、
前記投影レンズは、前面とその反対側の後面とを含み、
前記投影レンズの後面は、前記上セパレータ本体の前面が対向する上入光面と、前記下セパレータ本体の前面が対向する下入光面と、を含み、
前記ロービーム用光源、前記第1導光部、前記上セパレータ本体及び前記上入光面は、それぞれ、前記投影レンズの焦点を通りかつ車両前後方向に延びる基準軸より上に配置され、
前記ADB用光源、前記第2導光部、前記下セパレータ本体及び前記下入光面は、それぞれ、前記基準軸より下に配置され、
前記下セパレータ本体の前端部の上部は、上方に延びたオーバーラップ部を含み、
前記オーバーラップ部は、前記上セパレータ本体の下部と前記下セパレータ本体の上部との間の隙間及び前記上セパレータ本体の前面が対向する後面と、前記投影レンズの上入光面が対向する前面と、を含み、
前記ロービーム用光源からの光は、前記第1入光面から前記第1導光部に入光し、一部が前記上セパレータ本体の前面から直接出光し、かつ、他の一部が前記上セパレータ本体の前面と後面との間で全反射を繰り返しつつ前記上セパレータ本体内を導光されて前記上セパレータ本体の前面から出光し、前記オーバーラップ部を透過し、さらに、前記投影レンズの上入光面から前記投影レンズに入光し、前記投影レンズよって投影されることで前記ロービーム用配光パターンの形成に用いられ、
前記第2入光面から前記第2導光部に入光した前記ADB用光源からの光のうち、一部が前記下セパレータ本体の前面から直接出光し、さらに、前記投影レンズの下入光面から前記投影レンズに入光し、前記投影レンズによって投影されることで前記ADB用配光パターンの形成に用いられ、他の一部が前記オーバーラップ部の前面と後面との間で全反射を繰り返しつつ前記オーバーラップ部内を導光されて前記オーバーラップ部の前面から出光し、さらに、前記投影レンズによって前記ロービーム用配光パターンの下部と前記ADB用配光パターンの上部との間の領域に投影される車両用灯具。
【請求項3】
投影レンズと、前記投影レンズの後方に配置されたセパレータと、前記セパレータの後方に配置され、前記セパレータ及び前記投影レンズをこの順に透過して前方に照射されてロービーム用配光パターンを形成する光を発光するロービーム用光源と、を備えた車両用灯具において、
前記セパレータ及び前記投影レンズをこの順に透過して前方に照射されてADB用配光パターンを形成する光を発光するADB用光源をさらに備え、
前記セパレータは、前記ロービーム用光源からの光が出光する前面を含む上セパレータ本体と、前記ADB用光源からの光が出光する前面を含む下セパレータ本体と、を含み、
前記ロービーム用光源及び前記上セパレータ本体は、前記投影レンズの焦点を通りかつ車両前後方向に延びる基準軸より上に配置され、
前記ADB用光源及び前記下セパレータ本体は、前記基準軸より下に配置され、
前記上セパレータ本体の前端部の下部は、下方に延びたオーバーラップ部を含み、
前記オーバーラップ部は、前記上セパレータ本体の下部と前記下セパレータ本体の上部との間の隙間及び前記下セパレータ本体の前面が対向する後面と、前記投影レンズの後面が対向する前面と、を含み、
前記上セパレータ本体に入光した前記ロービーム用光源からの光のうち一部が前記オーバーラップ部の前面と後面との間で全反射を繰り返しつつ前記オーバーラップ部内を導光されて前記オーバーラップ部の前面から出光し、さらに、前記投影レンズによって前記ロービーム用配光パターンの下部と前記ADB用配光パターンの上部との間の領域に投影される車両用灯具。
【請求項4】
投影レンズと、前記投影レンズの後方に配置されたセパレータと、前記セパレータの後方に配置され、前記セパレータ及び前記投影レンズをこの順に透過して前方に照射されてロービーム用配光パターンを形成する光を発光するロービーム用光源と、を備えた車両用灯具において、
前記セパレータ及び前記投影レンズをこの順に透過して前方に照射されてADB用配光パターンを形成する光を発光するADB用光源をさらに備え、
前記セパレータは、前面とその反対側の後面とを含む上セパレータ本体と、前記上セパレータ本体の下部から前記ロービーム用光源に向かって延び、先端に前記ロービーム用光源が対向する第1入光面を有する第1導光部と、前面とその反対側の後面とを含む下セパレータ本体と、前記下セパレータ本体の上部から前記ADB用光源に向かって延び、先端に前記ADB用光源が対向する第2入光面を有する第2導光部と、を含み、
前記投影レンズは、前面とその反対側の後面とを含み、
前記投影レンズの後面は、前記上セパレータ本体の前面が対向する上入光面と、前記下セパレータ本体の前面が対向する下入光面と、を含み、
前記ロービーム用光源、前記第1導光部、前記上セパレータ本体及び前記上入光面は、それぞれ、前記投影レンズの焦点を通りかつ車両前後方向に延びる基準軸より上に配置され、
前記ADB用光源、前記第2導光部、前記下セパレータ本体及び前記下入光面は、それぞれ、前記基準軸より下に配置され、
前記上セパレータ本体の前端部の下部は、下方に延びたオーバーラップ部を含み、
前記オーバーラップ部は、前記上セパレータ本体の下部と前記下セパレータ本体の上部との間の隙間及び前記下セパレータ本体の前面が対向する後面と、前記投影レンズの下入光面が対向する前面と、を含み、
前記ロービーム用光源からの光は、前記第1入光面から前記第1導光部に入光し、一部が前記上セパレータ本体の前面から直接出光し、かつ、他の一部が前記上セパレータ本体の前面と後面との間で全反射を繰り返しつつ前記上セパレータ本体内を導光されて前記上セパレータ本体の前面から出光し、さらに、前記投影レンズの上入光面から前記投影レンズに入光し、前記投影レンズよって投影されることで前記ロービーム用配光パターンの形成に用いられ、
前記第1入光面から前記第1導光部に入光した前記ロービーム用光源からの光のうち、一部が前記オーバーラップ部の前面と後面との間で全反射を繰り返しつつ前記オーバーラップ部内を導光されて前記オーバーラップ部の前面から出光し、さらに、前記投影レンズによって前記ロービーム用配光パターンの下部と前記ADB用配光パターンの上部との間の領域に投影され、
前記第2入光面から前記第2導光部に入光した前記ADB用光源からの光のうち、一部が前記下セパレータ本体の前面から直接出光し、前記オーバーラップ部を透過し、さらに、前記投影レンズの下入光面から前記投影レンズに入光し、前記投影レンズによって投影されることで前記ADB用配光パターンの形成に用いられる車両用灯具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用灯具に関し、特に、ロービーム用配光パターンとADB用配光パターンとの間の光度変化がなだらかになり、配光フィーリングが低下するのを抑制することができる車両用灯具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、第1レンズ及び第2レンズによって構成される投影レンズと、投影レンズの後方に配置された導光レンズ(以下、セパレータという)と、セパレータの後方に配置され、セパレータ及び投影レンズをこの順に透過して前方に照射されてロービーム用配光パターンを形成する光を発光するロービーム用光源と、を備えた車両用灯具が提案されている(例えば、特許文献1(図1等)参照)。なお、投影レンズの焦点面と、ロービーム用光源からの光が出光するセパレータの出光面(及びセパレータの出光面から出光するロービーム用光源からの光が入光する投影レンズの入光面)はそれぞれ球面(曲率が一定の球面)で、一致(面接触)している。
【0003】
これに対して、本発明者らは、セパレータ及び投影レンズをこの順に透過して前方に照射されてADB用配光パターンを形成する光を発光するADB用光源をさらに追加することを検討した。なお、投影レンズの焦点面と、ADB用光源からの光が出光するセパレータの出光面(及びセパレータの出光面から出光するADB用光源からの光が入光する投影レンズの入光面)はそれぞれ球面(曲率が一定の球面)で、一致(面接触)している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2015−79660号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、本発明者らが検討したところ、セパレータの成形ばらつきや温度変化等に起因して、ロービーム用光源からの光が出光するセパレータの出光面とADB用光源からの光が出光するセパレータの出光面との間に隙間が生じる場合があり、隙間が生じた場合、ロービーム用配光パターンとADB用配光パターンとの間で光度が急激に低下し、配光フィーリングが低下することが判明した。
【0006】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、ロービーム用光源からの光が出光するセパレータの出光面とADB用光源からの光が出光するセパレータの出光面との間に隙間が生じた場合であっても、ロービーム用配光パターンとADB用配光パターンとの間の光度変化がなだらかになり、配光フィーリングが低下するのを抑制することができる車両用灯具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明の一つの側面は、投影レンズと、前記投影レンズの後方に配置されたセパレータと、前記セパレータの後方に配置され、前記セパレータ及び前記投影レンズをこの順に透過して前方に照射されてロービーム用配光パターンを形成する光を発光するロービーム用光源と、を備えた車両用灯具において、前記セパレータ及び前記投影レンズをこの順に透過して前方に照射されてADB用配光パターンを形成する光を発光するADB用光源をさらに備え、前記セパレータは、前記ロービーム用光源からの光が出光する前面を含む上セパレータ本体と、前記ADB用光源からの光が出光する前面を含む下セパレータ本体と、を含み、前記ロービーム用光源及び前記上セパレータ本体は、前記投影レンズの焦点を通りかつ車両前後方向に延びる基準軸より上に配置され、前記ADB用光源及び前記下セパレータ本体は、前記基準軸より下に配置され、前記下セパレータ本体の前端部の上部は、上方に延びたオーバーラップ部を含み、前記オーバーラップ部は、前記上セパレータ本体の下部と前記下セパレータ本体の上部との間の隙間及び前記上セパレータ本体の前面が対向する後面と、前記投影レンズの後面が対向する前面と、を含み、前記下セパレータ本体に入光した前記ADB用光源からの光のうち一部が前記オーバーラップ部の前面と後面との間で全反射を繰り返しつつ前記オーバーラップ部内を導光されて前記オーバーラップ部の前面から出光し、さらに、前記投影レンズによって前記ロービーム用配光パターンの下部と前記ADB用配光パターンの上部との間の領域に投影されることを特徴とする。
【0008】
また、本発明の他の側面は、投影レンズと、前記投影レンズの後方に配置されたセパレータと、前記セパレータの後方に配置され、前記セパレータ及び前記投影レンズをこの順に透過して前方に照射されてロービーム用配光パターンを形成する光を発光するロービーム用光源と、を備えた車両用灯具において、前記セパレータ及び前記投影レンズをこの順に透過して前方に照射されてADB用配光パターンを形成する光を発光するADB用光源をさらに備え、前記セパレータは、前面とその反対側の後面とを含む上セパレータ本体と、前記上セパレータ本体の下部から前記ロービーム用光源に向かって延び、先端に前記ロービーム用光源が対向する第1入光面を有する第1導光部と、前面とその反対側の後面とを含む下セパレータ本体と、前記下セパレータ本体の上部から前記ADB用光源に向かって延び、先端に前記ADB用光源が対向する第2入光面を有する第2導光部と、を含み、前記投影レンズは、前面とその反対側の後面とを含み、前記投影レンズの後面は、前記上セパレータ本体の前面が対向する上入光面と、前記下セパレータ本体の前面が対向する下入光面と、を含み、前記ロービーム用光源、前記第1導光部、前記上セパレータ本体及び前記上入光面は、それぞれ、前記投影レンズの焦点を通りかつ車両前後方向に延びる基準軸より上に配置され、前記ADB用光源、前記第2導光部、前記下セパレータ本体及び前記下入光面は、それぞれ、前記基準軸より下に配置され、前記下セパレータ本体の前端部の上部は、上方に延びたオーバーラップ部を含み、前記オーバーラップ部は、前記上セパレータ本体の下部と前記下セパレータ本体の上部との間の隙間及び前記上セパレータ本体の前面が対向する後面と、前記投影レンズの上入光面が対向する前面と、を含み、前記ロービーム用光源からの光は、前記第1入光面から前記第1導光部に入光し、一部が前記上セパレータ本体の前面から直接出光し、かつ、他の一部が前記上セパレータ本体の前面と後面との間で全反射を繰り返しつつ前記上セパレータ本体内を導光されて前記上セパレータ本体の前面から出光し、前記オーバーラップ部を透過し、さらに、前記投影レンズの上入光面から前記投影レンズに入光し、前記投影レンズよって投影されることで前記ロービーム用配光パターンの形成に用いられ、前記第2入光面から前記第2導光部に入光した前記ADB用光源からの光のうち、一部が前記下セパレータ本体の前面から直接出光し、さらに、前記投影レンズの下入光面から前記投影レンズに入光し、前記投影レンズによって投影されることで前記ADB用配光パターンの形成に用いられ、他の一部が前記オーバーラップ部の前面と後面との間で全反射を繰り返しつつ前記オーバーラップ部内を導光されて前記オーバーラップ部の前面から出光し、さらに、前記投影レンズによって前記ロービーム用配光パターンの下部と前記ADB用配光パターンの上部との間の領域に投影されることを特徴とする。
【0009】
また、本発明の他の側面は、投影レンズと、前記投影レンズの後方に配置されたセパレータと、前記セパレータの後方に配置され、前記セパレータ及び前記投影レンズをこの順に透過して前方に照射されてロービーム用配光パターンを形成する光を発光するロービーム用光源と、を備えた車両用灯具において、前記セパレータ及び前記投影レンズをこの順に透過して前方に照射されてADB用配光パターンを形成する光を発光するADB用光源をさらに備え、前記セパレータは、前記ロービーム用光源からの光が出光する前面を含む上セパレータ本体と、前記ADB用光源からの光が出光する前面を含む下セパレータ本体と、を含み、前記ロービーム用光源及び前記上セパレータ本体は、前記投影レンズの焦点を通りかつ車両前後方向に延びる基準軸より上に配置され、前記ADB用光源及び前記下セパレータ本体は、前記基準軸より下に配置され、前記上セパレータ本体の前端部の下部は、下方に延びたオーバーラップ部を含み、前記オーバーラップ部は、前記上セパレータ本体の下部と前記下セパレータ本体の上部との間の隙間及び前記下セパレータ本体の前面が対向する後面と、前記投影レンズの後面が対向する前面と、を含み、前記上セパレータ本体に入光した前記ロービーム用光源からの光のうち一部が前記オーバーラップ部の前面と後面との間で全反射を繰り返しつつ前記オーバーラップ部内を導光されて前記オーバーラップ部の前面から出光し、さらに、前記投影レンズによって前記ロービーム用配光パターンの下部と前記ADB用配光パターンの上部との間の領域に投影されることを特徴とする。
【0010】
また、本発明の他の側面は、投影レンズと、前記投影レンズの後方に配置されたセパレータと、前記セパレータの後方に配置され、前記セパレータ及び前記投影レンズをこの順に透過して前方に照射されてロービーム用配光パターンを形成する光を発光するロービーム用光源と、を備えた車両用灯具において、前記セパレータ及び前記投影レンズをこの順に透過して前方に照射されてADB用配光パターンを形成する光を発光するADB用光源をさらに備え、前記セパレータは、前面とその反対側の後面とを含む上セパレータ本体と、前記上セパレータ本体の下部から前記ロービーム用光源に向かって延び、先端に前記ロービーム用光源が対向する第1入光面を有する第1導光部と、前面とその反対側の後面とを含む下セパレータ本体と、前記下セパレータ本体の上部から前記ADB用光源に向かって延び、先端に前記ADB用光源が対向する第2入光面を有する第2導光部と、を含み、前記投影レンズは、前面とその反対側の後面とを含み、前記投影レンズの後面は、前記上セパレータ本体の前面が対向する上入光面と、前記下セパレータ本体の前面が対向する下入光面と、を含み、前記ロービーム用光源、前記第1導光部、前記上セパレータ本体及び前記上入光面は、それぞれ、前記投影レンズの焦点を通りかつ車両前後方向に延びる基準軸より上に配置され、前記ADB用光源、前記第2導光部、前記下セパレータ本体及び前記下入光面は、それぞれ、前記基準軸より下に配置され、前記上セパレータ本体の前端部の下部は、下方に延びたオーバーラップ部を含み、前記オーバーラップ部は、前記上セパレータ本体の下部と前記下セパレータ本体の上部との間の隙間及び前記下セパレータ本体の前面が対向する後面と、前記投影レンズの下入光面が対向する前面と、を含み、前記ロービーム用光源からの光は、前記第1入光面から前記第1導光部に入光し、一部が前記上セパレータ本体の前面から直接出光し、かつ、他の一部が前記上セパレータ本体の前面と後面との間で全反射を繰り返しつつ前記上セパレータ本体内を導光されて前記上セパレータ本体の前面から出光し、さらに、前記投影レンズの上入光面から前記投影レンズに入光し、前記投影レンズよって投影されることで前記ロービーム用配光パターンの形成に用いられ、前記第1入光面から前記第1導光部に入光した前記ロービーム用光源からの光のうち、一部が前記オーバーラップ部の前面と後面との間で全反射を繰り返しつつ前記オーバーラップ部内を導光されて前記オーバーラップ部の前面から出光し、さらに、前記投影レンズによって前記ロービーム用配光パターンの下部と前記ADB用配光パターンの上部との間の領域に投影され、前記第2入光面から前記第2導光部に入光した前記ADB用光源からの光のうち、一部が前記下セパレータ本体の前面から直接出光し、前記オーバーラップ部を透過し、さらに、前記投影レンズの下入光面から前記投影レンズに入光し、前記投影レンズによって投影されることで前記ADB用配光パターンの形成に用いられることを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】車両用灯具10の斜視図である。
図2】(a)車両用灯具10の上面図、(b)正面図、(c)側面図である。
図3図1に示す車両用灯具10を、基準軸AXを含む水平面(X軸及びY軸を含む平面)で切断した断面図である。
図4図1に示す車両用灯具10を、基準軸AXを含む鉛直面(X軸及びZ軸を含む平面)で切断した断面図である。
図5】車両用灯具10の分解斜視図である。
図6】ヒートシンク20、光源モジュール30、ホルダ40及びセパレータ50を組み合わせた構造体の斜視図である。
図7】セパレータ50の斜視図である。
図8】(a)上セパレータ本体52の一部正面図、(b)下セパレータ本体53の一部正面図、(c)セパレータ50を透視した複数のロービーム用光源32a及び複数のADB用光源32bの正面図(透視図)である。
図9】(a)ロービーム用配光パターンPLoの一例、(b)ADB用配光パターンPADBの一例、(c)ロービーム用配光パターンPLo及びADB用配光パターンPADBを含む合成配光パターンの一例、(d)ADB用配光パターンを構成する複数の領域(例えば、個別に点消灯される複数の領域A1〜A4)が円形となって相互に重なっている様子を表す図である。
図10】上セパレータ本体52を省略し、第1導光部52dのみのセパレータ(上記従来技術の導光レンズと同様の構成)を用いた例である。
図11】上セパレータ本体52を省略し、第1導光部52dのみのセパレータを用いた場合に形成されるロービーム用配光パターンPLoの一例である。
図12】車両用灯具10Aを、基準軸AXを含む鉛直面(X軸及びZ軸を含む平面)で切断した断面図である。
図13図12に示す車両用灯具10AのA−A断面図である。
図14】セパレータ50Aの斜視図である。
図15】(a)セパレータ50Aの上面図、(b)背面図、(c)底面図、(d)側面図である。
図16】セパレータ50A及びプライマリレンズ60Aの保持構造の一例である。
図17】ロービーム用光源32aからの光の光路を説明するための図である。
図18】車両用灯具10Aにより形成されるロービーム用配光パターンPLoの一例である。
図19】(a)図10に示すセパレータ(上記従来技術と同様の導光レンズ)を用いた場合に形成されるADB用配光パターン及びロービーム用配光パターンの一例、(b)図20に示すセパレータ(上記従来技術と同様の導光レンズ)を用いた場合に形成されるADB用配光パターン及びロービーム用配光パターンの一例である。
図20】プライマリレンズ60Aの上入光面60Ab1及び下入光面60Ab2と投影レンズ90の焦点面FPとの関係を説明するための図である。
図21】投影レンズ90の焦点面FPの変形例である。
図22】(a)上セパレータ本体52Aの前面52AaとADB用光源32bからの光が出光する下セパレータ本体53の前面53aとの間の隙間S13を説明するための図、(b)隙間S13が生じた場合に形成される、ロービーム用配光パターン及びADB用配光パターンを含む合成配光パターンの一例である。
図23】セパレータ50Bの一部縦断面図である。
図24】(a)上セパレータ本体52Bの斜視図、(b)下セパレータ本体53Bの斜視図である。
図25】車両用灯具10Bにより形成されるロービーム用配光パターンPLo及びADB用配光パターンPADBを含む合成配光パターンの一例である。
図26】セパレータ50B(変形例)の一部縦断面図である。
図27】上セパレータ本体52Aの前面52Aaと後面52Abとの間で全反射を繰り返しつつ上セパレータ本体52A内を導光されて上セパレータ本体52Aの前面52Aaから出光する光の光度分布を表すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の一実施形態である車両用灯具10について添付図面を参照しながら説明する。各図において対応する構成要素には同一の符号が付され、重複する説明は省略される。
【0013】
図1は、車両用灯具10の斜視図である。図2(a)は車両用灯具10の上面図、図2(b)は正面図、図2(c)は側面図である。
【0014】
図1及び図2に示す車両用灯具10は、ロービーム用配光パターンPLo図9(a)参照)、又は、ロービーム用配光パターンPLo及びADB(Adaptive Driving Beam)用配光パターンPADBを含む合成配光パターン(図9(c)参照)を形成可能な車両用前照灯であり、車両(図示せず)の前端部の左側及び右側に搭載される。ロービーム用配光パターンPLo、ADB用配光パターンPADBは、車両前面に正対した仮想鉛直スクリーン(車両前面から約25m前方に配置されている)上に形成される。なお、以下、説明の便宜のため、XYZ軸を定義する。X軸は車両前後方向に延びており、Y軸は車幅方向に延びており、Z軸は鉛直方向に延びている。
【0015】
図3は、図1に示す車両用灯具10を、基準軸AXを含む水平面(X軸及びY軸を含む平面)で切断した断面図である。図4は、図1に示す車両用灯具10を、基準軸AXを含む鉛直面(X軸及びZ軸を含む平面)で切断した断面図である。図5は、車両用灯具10の分解斜視図である。
【0016】
図3図5に示すように、本実施形態の車両用灯具10は、ヒートシンク20、光源モジュール30、ホルダ40、セパレータ50、プライマリレンズ60、リテーナ70、セカンダリレンズ80等を備える。車両用灯具10は、図示しないが、アウターレンズとハウジングとによって構成される灯室内に配置され、ハウジング等に取り付けられる。
【0017】
図5に示すように、ヒートシンク20は、アルミダイキャスト製で、前面22aとその反対側の後面22bとを含むベース22を含む。
【0018】
前面22aは、光源モジュール実装面22a1と、当該光源モジュール実装面22a1を取り囲む周囲面22a2と、を含む。
【0019】
光源モジュール実装面22a1及び周囲面22a2は、例えば、Y軸及びZ軸を含む平面に対して平行な平面である。
【0020】
光源モジュール実装面22a1には、光源モジュール30をネジ止め固定するために、ネジ穴22a5(図5中、3箇所)が設けられる。また、光源モジュール実装面22a1には、光源モジュール30を位置決めするために、位置決めピン22a6(図5中、2箇所)が設けられる。
【0021】
周囲面22a2は、ホルダ40が当接するホルダ当接面22a3と、リテーナ70が当接するリテーナ当接面22a4と、を含む。
【0022】
リテーナ当接面22a4は、周囲面22a2の左右両側にそれぞれ設けられる。
【0023】
リテーナ当接面22a4と後面22bとの間の厚み(X軸方向の厚み)は、ホルダ当接面22a3と後面22bとの間の厚み(X軸方向の厚み)より厚く、段差部を構成している。
【0024】
ベース22には、ネジN1が挿入されるネジ穴22c(図3中、2箇所)が設けられる。ネジ穴22cは、リテーナ当接面22a4と後面22bとを貫通している。
【0025】
ベース22の左右両側には、それぞれ、当該ベース22の左右両側から後方(X軸方向)に向かって延びた第1延長部24が設けられる。第1延長部24の先端部には、側方(Y軸方向)に向かって延びた第2延長部26が設けられる。
【0026】
ベース22の後面22bには、放熱フィン28が設けられる。
【0027】
光源モジュール30は、複数のロービーム用光源32a及び複数のADB用光源32bと、複数のロービーム用光源32a、複数のADB用光源32b及びコネクタ34cが実装された基板34と、を含む。
【0028】
図8(c)は、セパレータ50を透視した複数のロービーム用光源32a及び複数のADB用光源32bの正面図(透視図)である。
【0029】
図8(c)に示すように、複数のロービーム用光源32aは、上段かつY軸方向に配置された形態で基板34に実装される。複数のADB用光源32bは下段かつY軸方向に配置された形態で基板34に実装される。
【0030】
各々の光源32a、32bは、例えば、矩形(例えば、1mm角)の発光面を備えたLEDやLD等の半導体発光素子であり、各々の発光面を前方(正面)に向けた状態で基板34に実装される。図8(c)中の複数の矩形は、各々の光源32a、32bの発光面を表す。
【0031】
基板34には、ヒートシンク20の位置決めピン22a6が挿入される貫通穴34a(図5中、2箇所)、ネジN2が挿入される切欠部S1(図5中、3箇所)が設けられる。
【0032】
上記構成の光源モジュール30は、ヒートシンク20の位置決めピン22a6が基板34の貫通穴34aに挿入された状態で、切欠部S1に挿入されたネジN2をヒートシンク20のネジ穴22a5に螺合させることでヒートシンク20(光源モジュール実装面22a1)に固定される。
【0033】
図3図5に示すように、ホルダ40は、アクリルやポリカーボネイト等の合成樹脂製で、前方側が開口し、後方側が閉塞したカップ状のホルダ本体42を含む。
【0034】
ホルダ本体42の前面42aは、セパレータ50の後面(上セパレータ本体52の後面52b及び下セパレータ本体53の後面53b)が面接触するように、当該セパレータ50の後面が反転した形状の面(後方に向かって凹の球状面)として構成される。
【0035】
ホルダ本体42には、セパレータ50の第1導光部52d及び第2導光部53dが挿入される貫通穴42cが設けられる。
【0036】
ホルダ本体42には、当該ホルダ本体42の外周部から後方(X軸方向)に向かって延びた筒状部44が設けられる。そして、筒状部44の先端部には、ヒートシンク20のホルダ当接面22a3に当接するフランジ部46が設けられる。
【0037】
なお、ホルダ本体42(及び筒状部44)には、切欠部S4が設けられる。
【0038】
ホルダ40の前方側開口端面40aには、凸部48と、凸部49と、が設けられる。
【0039】
図6は、ヒートシンク20、光源モジュール30、ホルダ40及びセパレータ50を組み合わせた構造体の斜視図である。
【0040】
図7は、セパレータ50の斜視図である。
【0041】
図7に示すように、セパレータ50は、シリコン樹脂製で、前方側が開口し、後方側が閉塞したカップ状の部材である。セパレータ50は、上セパレータ本体52と、下セパレータ本体53と、を含む。
【0042】
図4に示すように、上セパレータ本体52は基準軸AXより上に配置され、下セパレータ本体53は基準軸AXより下に配置される。基準軸AXは、X軸方向に延びている。
【0043】
上セパレータ本体52の前面52aは、プライマリレンズ60の後面60b(後方に向かって凸の球状面)の基準軸AXより上半分が面接触するように、当該プライマリレンズ60の後面60bの上半分が反転した形状の面(後方に向かって凹の球状面)として構成される。
【0044】
上セパレータ本体52の後面52b(図3及び図4参照)は、ホルダ40(ホルダ本体42)の前面42a(前方に向かって凹の球状面)の基準軸AXより上半分が面接触するように、当該ホルダ40(ホルダ本体42)の前面42aの上半分が反転した形状の面(後方に向かって凸の球状面)として構成される。
【0045】
図8(a)に示すように、上セパレータ本体52の前面52aの下端縁は、カットオフラインCLLo(CL1〜CL3)に対応した形状の段差付きエッジ部52a1、及び、段差付きエッジ部52a1の両側に配置された延長エッジ部52a2、52a3を含む。なお、延長エッジ部は、片側にだけ設けられていてもよい。
【0046】
段差付きエッジ部52a1は、左水平カットオフラインCL1に対応する辺e1、右水平カットオフラインCL2に対応する辺e2、及び、左水平カットオフラインCL1と右水平カットオフラインCL2とを接続する斜めカットオフラインCL3に対応する辺e3を含む。
【0047】
延長エッジ部52a2は、Z軸方向に関し、辺e1と同一位置に配置される。延長エッジ部52a3は、Z軸方向に関し、辺e2と同一位置に配置される。
【0048】
上セパレータ本体52の下端面52c(図4参照)は、上セパレータ本体52の前面52aの下端縁から上セパレータ本体52の後面52bに向かって水平方向(X軸方向)に延びた面である。
【0049】
図3及び図4に示すように、上セパレータ本体52の後面52bには、光源モジュール30(複数のロービーム用光源32a)からの光を導光するために、第1導光部52dが設けられる。第1導光部52dは、その基端部が上セパレータ本体52の後面52bのうち段差付きエッジ部52a1を含む一部領域に設けられ、かつ、光源モジュール30(複数のロービーム用光源32a)に向かって延びている。なお、段差付きエッジ部52a1を含む一部領域は、上セパレータ本体52の後面52bのうち光源モジュール30(複数のロービーム用光源32aの発光面)が対向する領域である。第1導光部52dは、ホルダ40の貫通穴42cに挿入される。
【0050】
第1導光部52dの先端部には、第1入光面52eが設けられる。第1入光面52eは、例えば、Y軸及びZ軸を含む平面に対して平行な平面である。
【0051】
第1入光面52eは、第1導光部52dがホルダ40の貫通穴42cに挿入された状態で、光源モジュール30(複数のロービーム用光源32aの発光面)と対向する位置に配置される(図4参照)。第1入光面52eと光源モジュール30(複数のロービーム用光源32aの発光面)との間隔は、例えば、0.2mmである。
【0052】
図5図7に示すように、上セパレータ本体52の前方側開口端面には、フランジ部52fが設けられる。フランジ部52fには、ホルダ40の凸部48が挿入される貫通穴52f1(図5図7中、1箇所)、ホルダ40の凸部49が挿入される貫通穴52f2(図5図7中、2箇所)が設けられる。
【0053】
下セパレータ本体53の前面53aは、プライマリレンズ60の後面60b(後方に向かって凸の球状面)の基準軸AXより下半分が面接触するように、当該プライマリレンズ60の後面60bの下半分が反転した形状の面(後方に向かって凹の球状面)として構成される。
【0054】
下セパレータ本体53の後面53b(図3及び図4参照)は、ホルダ40(ホルダ本体42)の前面42a(前方に向かって凹の球状面)の基準軸AXより下半分が面接触するように、当該ホルダ40(ホルダ本体42)の前面42aの下半分が反転した形状の面(後方に向かって凸の球状面)として構成される。
【0055】
図8(b)に示すように、下セパレータ本体53の前面53aの上端縁は、段差付きエッジ部52a1が反転した形状の段差付きエッジ部53a1(辺e1´〜e3´)、及び、段差付きエッジ部53a1の両側に配置された延長エッジ部53a2、53a3を含む。なお、延長エッジ部は、片側にだけ設けられていてもよい。
【0056】
延長エッジ部53a2は、Z軸方向に関し、辺e1´と同一位置に配置される。延長エッジ部53a3は、Z軸方向に関し、辺e2´と同一位置に配置される。
【0057】
下セパレータ本体53の上端面53c(図4参照)は、下セパレータ本体53の前面53aの上端縁から下セパレータ本体53の後面53bに向かって水平方向(X軸方向)に延びた面である。
【0058】
図3及び図4に示すように、下セパレータ本体53の後面53bには、光源モジュール30(複数のADB用光源32b)からの光を導光するために、第2導光部53dが設けられる。第2導光部53dは、その基端部が下セパレータ本体53の後面53bのうち段差付きエッジ部53a1を含む一部領域に設けられ、かつ、光源モジュール30(複数のADB用光源32b)に向かって延びている。なお、段差付きエッジ部53a1を含む一部領域は、下セパレータ本体53の後面53bのうち光源モジュール30(複数のADB用光源32bの発光面)が対向する領域である。第2導光部53dは、ホルダ40の貫通穴42cに挿入される。
【0059】
第2導光部53dの先端部には、第2入光面53eが設けられる。第2入光面53eは、ADB用配光パターンを構成する複数の領域(例えば、個別に点消灯される複数の領域A1〜A4)が図9(d)に示すように円形となって相互に重なるのを防止し、図9(b)に示すように縦エッジで分割された状態で形成されるように調整された面である。なお、図9(b)、図9(d)は、複数のADB用光源32bが4個の場合に形成されるADB用配光パターンを表す。図9(b)、図9(d)中のハッチング領域は、当該領域に対応するADB用光源32bが消灯されていることを表す。
【0060】
第2入光面53eは、第2導光部53dがホルダ40の貫通穴42cに挿入された状態で、光源モジュール30(複数のADB用光源32bの発光面)と対向する位置に配置される(図4参照)。第2入光面53eと光源モジュール30(複数のADB用光源32bの発光面)との間隔は、例えば、0.2mmである。
【0061】
図5図7に示すように、下セパレータ本体53の前方側開口端面には、フランジ部53fが設けられる。フランジ部53fには、ホルダ40の凸部48が挿入される貫通穴53f1(図5図7中、2箇所)が設けられる。
【0062】
なお、下セパレータ本体53には、当該下セパレータ本体53に光源モジュール30のコネクタ34cが当接(干渉)しないように、切欠部S5が設けられる。
【0063】
図8(c)に示すように、上セパレータ本体52及び下セパレータ本体53は、上セパレータ本体52の前面52aの下端縁と下セパレータ本体53の前面53aの上端縁とが線接触し、かつ、上セパレータ本体52の下端面52cと下セパレータ本体53の上端面53cとが面接触した状態で組み合わされてセパレータ50を構成する。
【0064】
上記構成のセパレータ50は、上セパレータ本体52の第1導光部52d及び下セパレータ本体53の第2導光部53dがホルダ40の貫通穴42cに挿入(例えば、圧入又は嵌合)され、上セパレータ本体52(第1導光部52d)の第1入光面52eと光源モジュール30(複数のロービーム用光源32aの発光面)とが対向し、下セパレータ本体53(第2導光部53d)の第2入光面53eと光源モジュール30(複数のADB用光源32bの発光面)とが対向し(図3及び図4参照)、かつ、セパレータ50の後面(上セパレータ本体52の後面52b及び下セパレータ本体53の後面53b)がホルダ40(ホルダ本体42)の前面42aに面接触(図3及び図4参照)した状態で配置される。
【0065】
その際、上セパレータ本体52の貫通穴52f1及び下セパレータ本体53の貫通穴53f1にホルダ40の凸部48が挿入される(図6参照)。さらに、上セパレータ本体52の貫通穴52f2にホルダ40の凸部49が挿入される(図6参照)。
【0066】
図5に示すように、プライマリレンズ60は、前面60aとその反対側の後面60bとを含む球状レンズである。前面60aは前方に向かって凸の球状面で、後面60bは後方に向かって凸の球状面である。プライマリレンズ60には、フランジ部62が設けられる。フランジ部62は、前面60aと後面60bとの間において基準軸AXを取り囲むように延びている。
【0067】
図5に示すように、リテーナ70は、アクリルやポリカーボネイト等の合成樹脂製で、前方側開口端面から後方側開口端面に向かうに従って錐体状に広くなる筒体であるリテーナ本体72を含む。
【0068】
図5に示すように、セカンダリレンズ80は、アクリルやポリカーボネイト等の合成樹脂製で、レンズ本体82を含む。
【0069】
レンズ本体82は、前面82aとその反対側の後面82bとを含む(図3及び図4参照)。前面82aはY軸及びZ軸を含む平面に対して平行な平面で、後面82bは後方に向かって凸の球状面である。
【0070】
レンズ本体82の外周部には、当該レンズ本体82の外周部から後方(X軸方向)に向かって延びた筒状部84が設けられる。
【0071】
プライマリレンズ60及びセカンダリレンズ80は、焦点F(図8(c)参照)が上セパレータ本体52の前面52aの下端縁(段差付きエッジ部52a1)及び下セパレータ本体53の前面53aの上端縁(段差付きエッジ部53a1)近傍に位置する投影レンズを構成する。この投影レンズの像面湾曲(後方焦点面)は、上セパレータ本体52の前面52aの下端縁(段差付きエッジ部52a1)及び下セパレータ本体53の前面53aの上端縁(段差付きエッジ部53a1)に略一致している。
【0072】
この投影レンズを構成するプライマリレンズ60及びセカンダリレンズ80としては、例えば、特開2015−79660号公報に記載の球状レンズ及び平凸レンズを用いることができる。
【0073】
上記構成のセカンダリレンズ80は、レンズ本体82がプライマリレンズ60の前方に配置され、かつ、押さえ部兼ネジ受け部86がリテーナ70のフランジ部76に当接した状態で配置される(図3及び図4参照)。
【0074】
上記構成の車両用灯具10においては、複数のロービーム用光源32aを点灯すると、当該複数のロービーム用光源32aからの光は、上セパレータ本体52の第1導光部52dの第1入光面52eから入光し、第1導光部52d内を導光され、上セパレータ本体52の前面52aから出光する。これにより、上セパレータ本体52の前面52aに、ロービーム用配光パターンに対応する光度分布が形成される。この光度分布は、カットオフラインCLLo(CL1〜CL3)に対応する辺e1〜e3(図8(a)参照)を含む。プライマリレンズ60及びセカンダリレンズ80によって構成される投影レンズは、この光度分布を前方に反転投影する。これにより、図9(a)に示すように、上端縁にカットオフラインCL(CL1〜CL3)を含むロービーム用配光パターンPLoが形成される。
【0075】
複数のADB用光源32bを点灯すると、複数のADB用光源32bからの光は、下セパレータ本体53の第2導光部53dの第2入光面53eから入光し、第2導光部53d内を導光され、下セパレータ本体53の前面53aから出光する。これにより、下セパレータ本体53の前面53aに、ADB用配光パターンに対応する光度分布が形成される。この光度分布は、カットオフラインCLADB(CL1´〜CL3´)に対応する辺e1´〜e3´(図8(b)参照)を含む。プライマリレンズ60及びセカンダリレンズ80によって構成される投影レンズは、この光度分布を前方に反転投影する。これにより、図9(b)に示すように、下端縁にカットオフラインCLADB(CL1´〜CL3´)を含むADB用配光パターンPADBが形成される。なお、図9(b)は、複数のADB用光源32bが4個の場合に形成されるADB用配光パターンPADBを表す。図9(b)中のハッチング領域は、当該領域に対応するADB用光源32bが消灯されていることを表す。
【0076】
複数のロービーム用光源32a及び複数のADB用光源32bを点灯すると、図9(c)に示すように、ロービーム用配光パターンPLo及びADB用配光パターンPADBを含む合成配光パターンが形成される。
【0077】
本発明者らが検討したところ、上記構成の車両用灯具10においては、ロービーム用配光パターンに求められる法規を満たすものの、ロービーム用配光パターンの一部(例えば、水平線より下4度付近)の光度が相対的に高くなって例えば光度ムラ(輝度ムラ)を生じ、その結果、配光フィーリングが低下することが判明した。
【0078】
ロービーム用配光パターンの一部(例えば、水平線より下4度付近)の光度が高くなる理由は、ロービーム用光源32aからの光のうち、光度が相対的に強い光(例えば、ロービーム用光源32aの光軸AX32a図4参照)に対して狭角方向の光)がプライマリレンズ60及びセカンダリレンズ80によって構成される投影レンズによってロービーム用配光パターンPLoの一部(例えば、水平線より下4度付近)に投影(又は投射)されることによるものである。
【0079】
図10は、上セパレータ本体52を省略し、第1導光部52dのみのセパレータ(上記従来技術と同様の導光レンズ)を用いた例である。
【0080】
図10に示すように、セパレータ50として、上セパレータ本体52を省略し、第1導光部52dのみのセパレータを用いた場合、ロービーム用配光パターンPLoの一部(例えば、水平線より下4度付近)の光度が相対的に高くなることに加え、さらに、図11に示すように、ロービーム用配光パターンPLoの中央部の厚みTCが左右両側の厚みTL、TRと比べて薄くなり、その結果、配光フィーリングが低下することが判明した。図11は、上セパレータ本体52を省略し、第1導光部52dのみのセパレータを用いた場合に形成されるロービーム用配光パターンPLoの一例である。
【0081】
ロービーム用配光パターンPLoの中央部の厚みTCが左右両側の厚みTL、TRと比べて薄くなる詳しい理由は不明であるが、次のように考えることができる。
【0082】
すなわち、第1に、上セパレータ本体52の基準軸AXに沿った厚みが、水平方向に関し、基準軸AXから離れるに従って厚くなること(図3中の厚みT1、T2参照)、第2に、上セパレータ本体52のうち、厚みが厚い部分を透過するロービーム用光源32aからの光ほど、上セパレータ本体52内での光路長が長いため、鉛直方向に大きく拡散されて上セパレータ本体52の前面52aから出光すること、によるものと考えられる。
【0083】
例えば、上セパレータ本体52のうち、基準軸AXから遠くの部分(例えば、図3中の厚みT2の部分参照)は、基準軸AXから近くの部分(例えば、図3中の厚みT1の部分参照)と比べて厚い。そのため、上セパレータ本体52のうち、基準軸AXから遠くの部分(例えば、図3中の厚みT2の部分参照)を透過するロービーム用光源32aからの光は、基準軸AXから近くの部分(例えば、図3中の厚みT1の部分参照)を透過するロービーム用光源32aからの光と比べて上セパレータ本体52内での光路長が長いため、鉛直方向に大きく拡散されて上セパレータ本体52の前面52aから出光する。その結果、ロービーム用配光パターンPLoの中央部の厚みTCが左右両側の厚みTL、TRと比べて薄くなると考えられる。
【0084】
また、本発明者らが検討したところ、ロービーム用配光パターンは、ADB用配光パターンと比べ、鉛直方向長さが長く、密度が低く(明るい範囲が狭く)、かつ、最大光度が低いことが求められるのに対して、図10に示すように、投影レンズ90の焦点面FPと、ロービーム用光源32aからの光が出光するセパレータ50の前面52a(及びセパレータ50の前面52aから出光するロービーム用光源32aからの光が入光するプライマリレンズ60の後面60b)がそれぞれ球面(曲率が一定の球面)で、一致(面接触)し、かつ、投影レンズ90の焦点面FPと、ADB用光源32bからの光が出光するセパレータ50の前面53a(及びセパレータ50の前面53aから出光するADB用光源32bからの光が入光するプライマリレンズ60の後面60b)がそれぞれ球面(曲率が一定の球面)で、一致(面接触)している場合、図19(a)に示すように、ロービーム用配光パターンPLoとADB用配光パターンPADBが上下対称の形状及び光度分布となり、上記求められるロービーム用配光パターンを形成することができないことが判明した。また、ADB用配光パターンの輪郭が鮮明になり、配光フィーリングが低下することも判明した。図19(a)は、図10に示すセパレータ(上記従来技術と同様の導光レンズ)を用いた場合に形成されるADB用配光パターン及びロービーム用配光パターンの一例である。
【0085】
次に、第2実施形態として、ADB用配光パターンと比べ、鉛直方向長さが長く、密度が低く(明るい範囲が狭く)、かつ、最大光度が低いロービーム用配光パターン、及び、輪郭が適度にぼけたADB用配光パターンを形成することができる車両用灯具10Aについて説明する。
【0086】
本実施形態の車両用灯具10Aは、上記第1実施形態の車両用灯具10と比べ、セパレータ50に代えてセパレータ50Aを用い、かつ、プライマリレンズ60に代えてプライマリレンズ60Aを用いている点が相違する。それ以外、上記第1実施形態と同様の構成である。以下、上記第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の構成については同一の符号を付して適宜説明を省略する。
【0087】
図12は、車両用灯具10Aを、基準軸AXを含む鉛直面(X軸及びZ軸を含む平面)で切断した断面図である。図13は、図12に示す車両用灯具10AのA−A断面図である。なお、図12図13中、ヒートシンク20、ホルダ40、リテーナ70等は省略されている。
【0088】
図12図13に示すように、車両用灯具10Aは、セカンダリレンズ80と、セカンダリレンズ80の後方に配置されたプライマリレンズ60Aと、プライマリレンズ60Aの後方に配置されたセパレータ50Aと、セパレータ50Aの後方に配置され、セパレータ50A、プライマリレンズ60A及びセカンダリレンズ80をこの順に透過して前方に照射されてロービーム用配光パターンを形成する光を発光する複数のロービーム用光源32a(以下、単にロービーム用光源32aという)と、セパレータ50A、プライマリレンズ60A及びセカンダリレンズ80をこの順に透過して前方に照射されてADB用配光パターンを形成する光を発光する複数のADB用光源32b(以下、単にADB用光源32bという)と、を備える。
【0089】
ロービーム用光源32a、ADB用光源32b、セパレータ50A、プライマリレンズ60A、セカンダリレンズ80は、第1実施形態と同様、ヒートシンク20、ホルダ40、リテーナ70等で保持されることによって図12に示す位置関係が保たれる。
【0090】
セカンダリレンズ80(前面82a及び後面82b)及びプライマリレンズ60A(前面60a)は、投影レンズ90を構成する。具体的には、投影レンズ90は、1枚又は複数枚のレンズ(本実施形態では、プライマリレンズ60A、セカンダリレンズ80)のうち、最後方に配置されたレンズの後面(本実施形態では、プライマリレンズ60Aの後面60Ab)以外の光学面(本実施形態では、プライマリレンズ60Aの前面60a、セカンダリレンズ80の前面82a及び後面82b)により構成される。投影レンズ90の焦点面FPは、例えば、曲率が一定の球面である(図20参照)。
【0091】
図12に示すように、投影レンズ90の焦点Fは、鉛直方向に関し、上セパレータ本体52Aの前面52Aaの下端縁と下セパレータ本体53の前面53aの上端縁との間に位置する。また、投影レンズ90の焦点Fは、図示しないが、水平方向に関し、上セパレータ本体52Aの前面52Aaの下端縁(及び下セパレータ本体53の前面53aの上端縁)の中央に位置する。基準軸AXは、焦点Fを通り、かつ、車両前後方向(X方向)に延びている。
【0092】
図14はセパレータ50Aの斜視図、図15(a)はセパレータ50Aの上面図、図15(b)は背面図、図15(c)は底面図、図15(d)は側面図である。
【0093】
セパレータ50Aは、シリコン樹脂製で、図14等に示すように、前方側が開口し、後方側が閉塞したカップ状の部材である。
【0094】
図12に示すように、セパレータ50Aは、上セパレータ本体52Aと、第1導光部52dと、第1延長部54と、第2延長部55と、下セパレータ本体53と、第2導光部53dと、フランジ部56と、を含み、これらが一体成形された一部品として構成される。
【0095】
上セパレータ本体52Aは基準軸AXより上に配置され、下セパレータ本体53は基準軸AXより下に配置される。
【0096】
上セパレータ本体52Aは、前面52Aaとその反対側の後面52Abとを含む薄板状の導光部である。具体的には、上セパレータ本体52Aは、水平断面において、プライマリレンズ60Aの後面60Ab(上入光面60Ab1)に沿って湾曲し(図13参照)、かつ、鉛直断面において、上方に向かって延びた(図12参照)薄板状の導光部である。上セパレータ本体52Aの前面52Aaの下端縁は、上記第1実施形態と同様、カットオフラインCLLo(CL1〜CL3)に対応した形状の段差付きエッジ部52a1(図12中図示略)を含む。
【0097】
図12等に示すように、上セパレータ本体52Aは、前面52Aaがプライマリレンズ60Aの後面60Ab(上入光面60Ab1)に対向した状態で配置される。
【0098】
上セパレータ本体52Aの前面52Aaの下部は、プライマリレンズ60Aの後面60Ab(上入光面60Ab1)の下部に面接触している。また、上セパレータ本体52Aの前面52Aaの下部より上の部分とプライマリレンズ60Aの後面60Ab(上入光面60Ab1)の下部より上の部分との間に空間Sが形成されている。
【0099】
上セパレータ本体52Aの前面52Aaとプライマリレンズ60Aの後面60Ab(上入光面60Ab1)との間の間隔(空間S)は、上方に向かうに従って広くなる。上セパレータ本体52Aの前面52Aaと投影レンズ90の後方焦点面FP(像面湾曲。図12参照)との関係も同様である。
【0100】
なお、上セパレータ本体52Aの第1導光部52d(前面52Aa)から出光するロービーム用光源32aからの光は拡散光となるため、プライマリレンズ60Aの後面60Ab(上入光面60Ab1)に到達する光は、上セパレータ本体52Aの前面52Aaとプライマリレンズ60Aの後面60Ab(上入光面60Ab1)との間の間隔(空間S)が広くなるに従って(つまり、基準軸AXから上方に向かうに従って)弱くなる。その結果、ロービーム用配光パターンは、上端縁から下方に向かうに従ってグラデーション状に低下する理想的な光度分布となる。
【0101】
上セパレータ本体52Aの前面52Aaの下部とプライマリレンズ60Aの後面60b(上入光面60Ab1)の下部とが面接触した部分(面接触部)の鉛直方向の長さH1(図12参照)は、例えば、0.7mmである。この面接触部を設けることで、ロービーム用配光パターンのカットオフライン近傍に相対的に光度が高い高光度帯を形成することができる。また、長さH1を調整することで、高光度帯の鉛直方向長さを調整することができる。
【0102】
上セパレータ本体52Aの前面52Aaは、上セパレータ本体52Aの前面52Aaと後面52Abとの間で全反射を繰り返しつつ上セパレータ本体52A内を導光されるロービーム用光源32aからの光が、上セパレータ本体52Aの前面52Aaから出光するように、例えば、前方に向かって若干凸の曲面として構成される(図17参照)。上セパレータ本体52Aの後面52Abも同様に前方に向かって若干凸の曲面として構成される。
【0103】
上セパレータ本体52Aの厚みT(図12参照)は、成形性等を考慮して例えば2mmである。また、上セパレータ本体52Aの鉛直方向長さH2(図12参照)は、ロービーム用配光パターンの鉛直方向長さ(厚み)を考慮して例えば7mmである。長さH2を調整することで、ロービーム用配光パターンの鉛直方向長さを調整することができる。
【0104】
図12に示すように、第1導光部52dは、上面52d1とその反対側の下面52d2とを含む薄板状の導光部である。第1導光部52dは、上セパレータ本体52A(後面52Ab)の下部からロービーム用光源32aに向かって延び、先端にロービーム用光源32aが対向する第1入光面52eを有する。第1入光面52eは、ロービーム用光源32aからの光がセパレータ50A(第1導光部52d)に入光する面で、例えば、Y軸及びZ軸を含む平面に対して平行な平面である。
【0105】
第1延長部54及び第2延長部55は、光学機能が意図されていないいわゆるつなぎの部分である。第1延長部54は、上セパレータ本体52Aの上端部から前方に向かって延びている。第2延長部55は、第1延長部54の前端部からプライマリレンズ60Aの後面60Abに沿って延びている。
【0106】
下セパレータ本体53は、前面53aとその反対側の後面53bとを含む薄板状の導光部である。下セパレータ本体53の前面53aの上端縁は、上記第1実施形態と同様、段差付きエッジ部52a1が反転した形状の段差付きエッジ部53a1(図12中図示略)を含む。
【0107】
第2導光部53dは、下セパレータ本体53(後面53b)の上部からADB用光源32bに向かって延び、先端にADB用光源32bが対向する第2入光面53eを有する。第2入光面53eは、ADB用光源32bからの光がセパレータ50A(第2導光部53d)に入光する面で、例えば、Y軸及びZ軸を含む平面に対して平行な平面である。
【0108】
図16は、セパレータ50A及びプライマリレンズ60Aの保持構造の一例である。
【0109】
図16に示すように、上記構成のセパレータ50Aは、プライマリレンズ60Aと共にホルダ40とリテーナ70との間に挟持される。具体的には、第1導光部52d及び第2導光部53dがホルダ40の貫通穴42cに挿入され、第1入光面52eとロービーム用光源32a(発光面)とが対向し、第2入光面53eとADB用光源32b(発光面)とが対向し、かつ、セパレータ50Aの後面(後面52Ab、53b等)がホルダ40(ホルダ本体42)の前面42aに面接触した状態で、プライマリレンズ60Aと共にホルダ40とリテーナ70との間に挟持される。
【0110】
プライマリレンズ60Aは、アクリルやポリカーボネイト等の透明樹脂製で、図12に示すように、前面60aとその反対側の後面60Abとを含む球状レンズである。前面60aは前方に向かって凸の球状面で、後面60Abは後方に向かって凸の球状面である。プライマリレンズ60Aには、フランジ部62が設けられる。フランジ部62は、前面60aと後面60Abとの間において基準軸AXを取り囲むように延びている。
【0111】
プライマリレンズ60Aの後面60Abは、基準軸AXより上に配置された上入光面60Ab1と、基準軸AXより下に配置された下入光面60Ab2と、を含む。
【0112】
上入光面60Ab1は、上セパレータ本体52Aの前面52Aaから出光するロービーム用光源32aからの光がプライマリレンズ60Aに入光する面である。上入光面60Ab1は、プライマリレンズ60Aの後面60Abのうち、上セパレータ本体52Aの前面52Aaが対向する領域に設けられる。
【0113】
上入光面60Ab1の下部は、投影レンズ90の後方焦点面FPと一致している。一方、上入光面60Ab1の下部より上の部分は、投影レンズ90の後方焦点面FPと一致しておらず、後方焦点面FPに対して前方に傾斜している。
【0114】
上入光面60Ab1の面形状は、ロービーム用配光パターンに求められる法規を満たし、ロービーム用配光パターンの一部(例えば、水平線より下4度付近)の光度が相対的に高くなるのを抑制でき、かつ、水平方向に関し、鉛直方向の厚みが均一となる(つまり、配光フィーリングが低下するのを抑制することができる)ように調整される。例えば、上入光面60Ab1の面形状は、ロービーム用配光パターンの光度分布がロービーム用配光パターンの上端縁から下方に向かうに従ってグラデーション状に低下するように調整される。なお、上セパレータ本体52Aの前面52Aaの面形状も同様に調整される場合がある。なお、本明細書において「均一」とは、厳密な意味での均一に限らない。すなわち、視覚的に均一又は略均一と評価できる限り、「均一」である。
【0115】
このように調整された上入光面60Ab1の面形状は複雑な自由曲面となるため、当該上入光面60Ab1の面形状を具体的な数値等で表すのは困難である。
【0116】
しかしながら、例えば、所定のシミュレーションソフトウエアを用いて、上入光面60Ab1の面形状を調整し、調整するごとに、ロービーム用配光パターン(光度分布等)を確認することで、ロービーム用配光パターンに求められる法規を満たし、ロービーム用配光パターンの一部(例えば、水平線より下4度付近)の光度が相対的に高くなるのを抑制でき、かつ、水平方向に関し、鉛直方向の厚みが均一となる(つまり、配光フィーリングが低下するのを抑制することができる)ロービーム用配光パターンが形成される上入光面60Ab1の面形状を見出すことができる。
【0117】
下入光面60Ab2は、下セパレータ本体53の前面53aから出光するADB用光源32bからの光がプライマリレンズ60Aに入光する面である。下入光面60Ab2は、プライマリレンズ60Aの後面60Abのうち、下セパレータ本体53の前面53aが対向する領域に設けられる。下入光面60Ab2は、投影レンズ90の後方焦点面FPと一致している。
【0118】
図16に示すように、上記構成のプライマリレンズ60Aは、セパレータ50Aと共にホルダ40とリテーナ70との間に挟持される。具体的には、フランジ部62がセパレータ50Aのフランジ部56に当接し、後面60Abの一部がセパレータ50Aの第2延長部55に面接触し、後面60Ab(上入光面60Ab1)の下部が上セパレータ本体52Aの前面52Aaの下部に面接触し、後面60Ab(下入光面60Ab2)が下セパレータ本体53の前面53aに面接触し、かつ、上セパレータ本体52の前面52Aaとプライマリレンズ60Aの後面60Ab(上入光面60Ab1)との間に空間Sが形成された状態で、セパレータ50Aと共にホルダ40とリテーナ70との間に挟持される。
【0119】
図20は、プライマリレンズ60Aの上入光面60Ab1及び下入光面60Ab2と投影レンズ90の焦点面FPとの関係を説明するための図である。
【0120】
図20に示すように、プライマリレンズ60Aの上入光面60Ab1の下部及びプライマリレンズ60Aの下入光面60Ab2の上部を第1領域B1とし、プライマリレンズ60Aの上入光面60Ab1の下部より上の部分を第2領域B2とし、プライマリレンズ60Aの下入光面60Ab2の上部より下の部分を第3領域B3とした場合、第1領域B1は、投影レンズ90の焦点面FPに一致し、第2領域B2は、投影レンズ90の焦点面FPに対して前方(又は後方)に配置され、第3領域B3は、投影レンズ90の焦点面FPに対して後方(又は前方)に配置されている。
【0121】
第2領域B2と投影レンズ90の焦点面FPとの間の間隔は、基準軸AXから上方に向かうに従って広くなる。一方、第3領域B3と投影レンズ90の焦点面FPとの間の間隔は、基準軸AXから下方に向かうに従って広くなる。
【0122】
なお、第1領域B1を調整することで、ロービーム用配光パターンのカットオフライン近傍の相対的に光度が高い高光度帯及びADB用配光パターンの下端縁近傍の相対的に光度が高い高光度帯の鉛直方向長さを調整することができる。また、第2領域B2を調整することで、ロービーム用配光パターンの鉛直方向長さを調整することができる。また、第3領域B3を調整することで、ADB用配光パターンの鉛直方向長さを調整することができる。
【0123】
セカンダリレンズ80は、アクリルやポリカーボネイト等の透明樹脂製で、前面82aとその反対側の後面82bとを含む平凸レンズである。前面82aはY軸及びZ軸を含む平面に対して平行な平面で、後面82bは後方に向かって凸の球状面である。
【0124】
図17は、ロービーム用光源32aからの光の光路を説明するための図である。
【0125】
上記構成の車両用灯具10Aにおいては、ロービーム用光源32aを点灯すると、ロービーム用光源32aからの光は、第1入光面52eからセパレータ50A(第1導光部52d)に入光する。
【0126】
図17に示すように、セパレータ50A(第1導光部52d)に入光したロービーム用光源32aからの光のうち、一部の光、例えば、光度が相対的に強い光Ray1(例えば、ロービーム用光源32aの光軸AX32aに対して狭角方向の光)は、上セパレータ本体52Aの前面52Aaの下部から直接出光し、さらに、プライマリレンズ60Aの上入光面60Ab1からプライマリレンズ60Aに入光し、プライマリレンズ60A及びセカンダリレンズ80によって構成される投影レンズ90によって投影されることでロービーム用配光パターンの形成に用いられる。
【0127】
また、セパレータ50A(第1導光部52d)に入光したロービーム用光源32aからの光のうち、他の一部の光、例えば、光度が相対的に弱い光Ray2(例えば、ロービーム用光源32aの光軸AX32aに対して広角方向の光)は、上セパレータ本体52Aの前面52Aaと後面52Abとの間で全反射を繰り返しつつ上セパレータ本体52A内を導光されて上セパレータ本体52Aの前面52Aaから出光し、さらに、プライマリレンズ60Aの上入光面60Ab1からプライマリレンズ60Aに入光し、プライマリレンズ60A及びセカンダリレンズ80によって構成される投影レンズ90によって投影されることでロービーム用配光パターンの形成に用いられる。図27は、上セパレータ本体52Aの前面52Aaと後面52Abとの間で全反射を繰り返しつつ上セパレータ本体52A内を導光されて上セパレータ本体52Aの前面52Aaから出光する光の光度分布を表すグラフである。
【0128】
本発明者らは、以上のようにして形成されるロービーム用配光パターンが、図18に示すように、ロービーム用配光パターンに求められる法規を満たし、ロービーム用配光パターンの一部(例えば、水平線Hより下4度付近)の光度が相対的に高くなるのを抑制でき、かつ、水平方向に関し、鉛直方向の厚みが均一となる(つまり、厚みTC、TL、TRが均一となり、配光フィーリングが低下するのを抑制することができる)ことを確認した。図18は、車両用灯具10Aにより形成されるロービーム用配光パターンPLoの一例である。
【0129】
ロービーム用配光パターンの一部(例えば、水平線より下4度付近)の光度が高くならない詳しい理由は不明であるが、次のように考えることができる。
【0130】
すなわち、上セパレータ本体52Aの前面52Aaとプライマリレンズ60Aの後面60Ab(上入光面60Ab1)との間に空間Sが形成されているため、セパレータ50A(第1導光部52d)に入光したロービーム用光源32aからの光のうち、光度が相対的に強い光Ray1は、上セパレータ本体52Aの前面52Aaから出光する際及びプライマリレンズ60Aの後面60Ab(上入光面60Ab1)からプライマリレンズ60Aに入光する際、それぞれ、屈折し(拡散され)、さらに、フレネル反射する。その結果、ロービーム用配光パターンの一部(例えば、水平線より下4度付近)に向かう光が低減するためと考えられる。
【0131】
水平方向に関し、鉛直方向の厚みが均一となる詳しい理由は不明であるが、次のように考えることができる。
【0132】
すなわち、上セパレータ本体52Aの前面52Aaとプライマリレンズ60Aの後面60Ab(上入光面60Ab1)との間に空間Sが形成されているため、セパレータ50A(第1導光部52d)に入光したロービーム用光源32aからの光のうち、光度が相対的に強い光Ray1は、プライマリレンズ60Aの後面60Ab(上入光面60Ab1)からプライマリレンズ60Aに入光する際、屈折し(拡散され)、その一部がプライマリレンズ60A及びセカンダリレンズ80によって構成される投影レンズ90によってロービーム用配光パターン中の光度が相対的に低い領域(主に、中央部の下部領域)に投影されるためと考えられる。
【0133】
また、上セパレータ本体52Aの前面52Aaと後面52Abとの間で全反射を繰り返しつつ上セパレータ本体52A内を導光され、上セパレータ本体52Aの前面52Aaから出光するロービーム用光源32aからの光がプライマリレンズ60A及びセカンダリレンズ80によって構成される投影レンズ90によってロービーム用配光パターン中の光度が相対的に低い領域(主に、中央部の下部領域)に投影されるためと考えられる。
【0134】
また、本発明者らは、以上のようにして形成されるロービーム用配光パターンが、図19(b)に示すように、ADB用配光パターンPADBと比べ、鉛直方向長さが長く(図19(b)中、T3<T4)、密度が低く(明るい範囲が狭く)、かつ、最大光度が低くなることを確認した。図19(b)は、図20に示すセパレータ50Aを用いた場合に形成されるADB用配光パターン及びロービーム用配光パターンの一例である。
【0135】
ロービーム用配光パターンが、ADB用配光パターンと比べ、鉛直方向長さが長くなる理由は、第2領域B2が、投影レンズ90の焦点面FPに対して前方(又は後方)に配置されているため、上セパレータ本体52Aの前面52Aaから出光し、さらに、プライマリレンズ60Aの上入光面60Ab1からプライマリレンズ60Aに入光するロービーム用光源32aからの光が、プライマリレンズ60A及びセカンダリレンズ80によって構成される投影レンズ90によってボケた状態で投影されることによるものと考えられる。
【0136】
また、ロービーム用配光パターンが、ADB用配光パターンと比べ、密度が低く(明るい範囲が狭く)、かつ、最大光度が低くなる理由は、上記ロービーム用配光パターンの一部(例えば、水平線より下4度付近)の光度が高くならない理由と同様と考えられる。
【0137】
なお、図19(b)中、ロービーム用配光パターンPLoの幅W2がADB用配光パターンPADBの幅W1より広くなるのは、図15(b)に示すように、ロービーム用光源32aからの光が導光される第1導光部52dの幅W4がADB用光源32bからの光が導光される第2導光部53dの幅W3より広いことによるものである。
【0138】
なお、ADB用光源32bを点灯すると、ADB用配光パターンPADBが形成され、ロービーム用光源32a及びADB用光源32bを点灯すると、ロービーム用配光パターンPLo及びADB用配光パターンPADBを含む合成配光パターンが形成される。この点は、第1実施形態と同様であるため、説明を省略する。
【0139】
また、本発明者らは、以上のようにして形成されるADB用配光パターンの輪郭が適度にぼけた状態となることを確認した。
【0140】
ADB用配光パターンの輪郭が適度にぼけた状態となる理由は、第3領域B3が、投影レンズ90の焦点面FPに対して後方(又は前方)に配置されているため、下セパレータ本体53の前面53aから出光し、さらに、プライマリレンズ60Aの下入光面60Ab2からプライマリレンズ60Aに入光するADB用光源32bからの光が、プライマリレンズ60A及びセカンダリレンズ80によって構成される投影レンズ90によってボケた状態で投影されることによるものと考えられる。
【0141】
以上説明したように、本実施形態によれば、ADB用配光パターンと比べ、鉛直方向長さが長く、密度が低く(明るい範囲が狭く)、かつ、最大光度が低いロービーム用配光パターン、及び、輪郭が適度にぼけたADB用配光パターンを形成することができる車両用灯具10Aを提供することができる。
【0142】
また、本実施形態によれば、ロービーム用配光パターンの一部(例えば、水平線より下4度付近)の光度が相対的に高くなるのを抑制でき、かつ、水平方向に関し、鉛直方向の厚みが均一となる(つまり、配光フィーリングが低下するのを抑制することができる)ロービーム用配光パターンを形成することができる車両用灯具10Aを提供することができる。
【0143】
本発明者らが検討したところ、上記構成の車両用灯具10Aにおいては、セパレータ50Aの成形ばらつきや温度変化等に起因して、図22(a)に示すように、ロービーム用光源32aからの光が出光する上セパレータ本体52Aの前面52AaとADB用光源32bからの光が出光する下セパレータ本体53の前面53aとの間に隙間S13が生じる場合があり、隙間S13が生じた場合、図22(b)に示すように、ロービーム用配光パターンPLoとADB用配光パターンPADBとの間(図22(a)中の符号S14が示す隙間参照)で光度が急激に低下し、配光フィーリングが低下することが判明した。図22(a)は上セパレータ本体52Aの前面52AaとADB用光源32bからの光が出光する下セパレータ本体53の前面53aとの間の隙間S13を説明するための図、図22(b)は隙間S13が生じた場合に形成される、ロービーム用配光パターン及びADB用配光パターンを含む合成配光パターンの一例である。
【0144】
次に、第3実施形態として、ロービーム用光源32aからの光が出光する上セパレータ本体52Aの前面52AaとADB用光源32bからの光が出光する下セパレータ本体53の前面53aとの間に隙間S13が生じた場合であっても、ロービーム用配光パターンPLoとADB用配光パターンPADBとの間の光度変化がなだらかになり、配光フィーリングが低下するのを抑制することができる車両用灯具10Bについて説明する。
【0145】
本実施形態の車両用灯具10Bは、上記第2実施形態の車両用灯具10Aと比べ、セパレータ50Aに代えてセパレータ50Bを用いている点が相違する。それ以外、上記第2実施形態と同様の構成である。以下、上記第2実施形態との相違点を中心に説明し、同様の構成については同一の符号を付して適宜説明を省略する。
【0146】
図23は、セパレータ50Bの一部縦断面図である。図24(a)は上セパレータ本体52Bの斜視図、図24(b)は下セパレータ本体53Bの斜視図である。
【0147】
図23に示すセパレータ50Bは、図24に示す上セパレータ本体52Bと下セパレータ本体53Bとを組み合わせることで構成される。
【0148】
セパレータ50Bは、上記第2実施形態のセパレータ50Aと比べ、図23図24(b)に示すように、下セパレータ本体53Bの前端部の上部が上方に延びたオーバーラップ部57を含む点で相違する。それ以外、上記第2実施形態のセパレータ50Aと同様の構成である。以下、上記第2実施形態のセパレータ50Aとの相違点を中心に説明し、同様の構成については同一の符号を付して適宜説明を省略する。
【0149】
図23に示すように、オーバーラップ部57は、プライマリレンズ60Aの上入光面60Ab1(図23中図示略)が対向する前面57aと、上セパレータ本体52B(前面52Aa)の下部と下セパレータ本体53B(前面53a)の上部との間の隙間S13及び上セパレータ本体52Bの前面52Aaが対向する後面57bと、を含む薄膜状の導光部である。
【0150】
オーバーラップ部57の厚みT3は、例えば、0.2mmである。なお、上セパレータ本体52Bの前面52Aaから出光するロービーム用光源32aからの光の透過率が低下するのを抑制するため、オーバーラップ部57の厚みT3は、できる限り薄い方が望ましい。
【0151】
オーバーラップ部57は、オーバーラップ部57の前面57aと後面57bとの間で全反射を繰り返しつつオーバーラップ部57内を導光されるADB用光源32bからの光Ray3が、オーバーラップ部57の前面57aから出光するように、オーバーラップ部57の後面57bと上セパレータ本体52Bの前面52Aaとの間に隙間S15が形成された状態で配置される。隙間S15は、例えば、0.02mmである。
【0152】
上記構成の車両用灯具10Bにおいては、ロービーム用光源32a及びADB用光源32bを同時点灯すると、ロービーム用光源32aからの光は、第1入光面52eからセパレータ50B(第1導光部52d)に入光する。
【0153】
セパレータ50B(第1導光部52d)に入光したロービーム用光源32aからの光のうち、一部の光、例えば、光度が相対的に強い光Ray1(例えば、図17参照)は、上セパレータ本体52Bの前面52Aaの下部から直接出光し、オーバーラップ部57を透過し、さらに、プライマリレンズ60Aの上入光面60Ab1からプライマリレンズ60Aに入光し、プライマリレンズ60A及びセカンダリレンズ80によって構成される投影レンズ90によって投影されることでロービーム用配光パターンの形成に用いられる。
【0154】
また、セパレータ50B(第1導光部52d)に入光したロービーム用光源32aからの光のうち、他の一部の光、例えば、光度が相対的に弱い光Ray2(例えば、図17参照)は、上セパレータ本体52Bの前面52Aaと後面52Abとの間で全反射を繰り返しつつ上セパレータ本体52B内を導光されて上セパレータ本体52Bの前面52Aaから出光し、オーバーラップ部57を透過し、さらに、プライマリレンズ60Aの上入光面60Ab1からプライマリレンズ60Aに入光し、プライマリレンズ60A及びセカンダリレンズ80によって構成される投影レンズ90によって投影されることでロービーム用配光パターンの形成に用いられる。
【0155】
一方、ADB用光源32bからの光は、第2入光面53eからセパレータ50B(第2導光部53d)に入光する。
【0156】
セパレータ50B(第2導光部53d)に入光したADB用光源32bからの光のうち、一部が下セパレータ本体53Bの前面53aの上部から直接出光し、さらに、プライマリレンズ60Aの下入光面60Ab2からプライマリレンズ60Aに入光し、プライマリレンズ60A及びセカンダリレンズ80によって構成される投影レンズ90によって投影されることでADB用配光パターンの形成に用いられる。
【0157】
また、図23に示すように、セパレータ50B(第2導光部53d)に入光したADB用光源32bからの光のうち、他の一部(図23中、符号Ray3が示す光線参照)がオーバーラップ部57の前面57aと後面57bとの間で全反射を繰り返しつつオーバーラップ部57内を導光されてオーバーラップ部57の前面57aから出光し、さらに、プライマリレンズ60A及びセカンダリレンズ80によって構成される投影レンズ90によってロービーム用配光パターン(下部)とADB用配光パターン(上部)との間に投影される。
【0158】
本発明者らは、以上のようにして形成されるロービーム用配光パターン及びADB用配光パターンを含む合成配光パターンが、図25に示すように、ロービーム用配光パターンPLoとADB用配光パターンPADBとの間の光度変化がなだらかになり、配光フィーリングが低下するのを抑制することができることを確認した。図25は、車両用灯具10Bにより形成されるロービーム用配光パターンPLo及びADB用配光パターンPADBを含む合成配光パターンの一例である。
【0159】
以上説明したように、本実施形態によれば、ロービーム用光源32aからの光が出光する上セパレータ本体52Bの前面52AaとADB用光源32bからの光が出光する下セパレータ本体53Bの前面53aとの間に隙間S13が生じた場合であっても、ロービーム用配光パターンPLoとADB用配光パターンPADBとの間の光度変化がなだらかになり、配光フィーリングが低下するのを抑制することができる車両用灯具10Bを提供することができる。
【0160】
次に、変形例について説明する。
【0161】
図26は、セパレータ50B(変形例)の一部縦断面図である。
【0162】
上記第3実施形態では、オーバーラップ部として、下セパレータ本体53Bの前端部の上部が上方に延びたオーバーラップ部57を用いた例について説明したが、これに限らない。例えば、図26に示すように、オーバーラップ部として、上セパレータ本体52Bの前端部の下部が下方に延びたオーバーラップ部58を用いてもよい。
【0163】
オーバーラップ部58は、プライマリレンズ60Aの下入光面60Ab2(図26中図示略)が対向する前面58aと、上セパレータ本体52B(前面52Aa)の下部と下セパレータ本体53B(前面53a)の上部との間の隙間S13及び下セパレータ本体53Bの前面53aが対向する後面58bと、を含む薄膜状の導光部である。
【0164】
オーバーラップ部58の厚みT4は、例えば、0.2mmである。なお、下セパレータ本体53Bの前面53aから出光するADB用光源32bからの光の透過率が低下するのを抑制するため、オーバーラップ部58の厚みT4は、できる限り薄い方が望ましい。
【0165】
オーバーラップ部58は、オーバーラップ部58の前面58aと後面58bとの間で全反射を繰り返しつつオーバーラップ部58内を導光されるロービーム用光源32aからの光が、オーバーラップ部58の前面58aから出光するように、オーバーラップ部58の後面58bと下セパレータ本体53Bの前面53aとの間に隙間S16が形成された状態で配置される。隙間S16は、例えば、0.02mmである。
【0166】
本変形例においては、ロービーム用光源32a及びADB用光源32bを同時点灯すると、ロービーム用光源32aからの光は、第1入光面52eからセパレータ50B(第1導光部52d)に入光する。
【0167】
セパレータ50B(第1導光部52d)に入光したロービーム用光源32aからの光のうち、光度が相対的に強い光Ray1(例えば、図17参照)は、上セパレータ本体52Bの前面52Aaの下部から直接出光し、オーバーラップ部58を透過し、さらに、プライマリレンズ60Aの上入光面60Ab1からプライマリレンズ60Aに入光し、プライマリレンズ60A及びセカンダリレンズ80によって構成される投影レンズ90によって投影されることでロービーム用配光パターンの形成に用いられる。
【0168】
また、セパレータ50B(第1導光部52d)に入光したロービーム用光源32aからの光のうち、光度が相対的に弱い光Ray2(例えば、図17参照)は、上セパレータ本体52Bの前面52Aaと後面52Abとの間で全反射を繰り返しつつ上セパレータ本体52B内を導光されて上セパレータ本体52Bの前面52Aaから出光し、さらに、プライマリレンズ60Aの上入光面60Ab1からプライマリレンズ60Aに入光し、プライマリレンズ60A及びセカンダリレンズ80によって構成される投影レンズ90によって投影されることでロービーム用配光パターンの形成に用いられる。
【0169】
さらに、セパレータ50B(第1導光部52d)に入光したロービーム用光源32aからの光のうち、他の一部(図26中、符号Ray4が示す光線参照)がオーバーラップ部58の前面58aと後面58bとの間で全反射を繰り返しつつオーバーラップ部58内を導光されてオーバーラップ部58の前面58aから出光し、さらに、プライマリレンズ60A及びセカンダリレンズ80によって構成される投影レンズ90によってロービーム用配光パターン(下部)とADB用配光パターン(上部)との間に投影される。
【0170】
一方、ADB用光源32bからの光は、第2入光面53eからセパレータ50B(第2導光部53d)に入光する。
【0171】
セパレータ50B(第2導光部53d)に入光したADB用光源32bからの光のうち、一部が下セパレータ本体53Bの前面53aの上部から直接出光し、さらに、プライマリレンズ60Aの下入光面60Ab2からプライマリレンズ60Aに入光し、プライマリレンズ60A及びセカンダリレンズ80によって構成される投影レンズ90によって投影されることでADB用配光パターンの形成に用いられる。
【0172】
本発明者らは、以上のようにして形成されるロービーム用配光パターン及びADB用配光パターンを含む合成配光パターンが、図25に示すように、ロービーム用配光パターンPLoとADB用配光パターンPADBとの間の光度変化がなだらかになり、配光フィーリングが低下するのを抑制することができることを確認した。
【0173】
また、上記第3実施形態では、オーバーラップ部57を第2実施形態の車両用灯具10Aのセパレータ50Aに適用した例について説明したが、これに限らない。例えば、オーバーラップ部57を第1実施形態の車両用灯具10Aのセパレータ50、その他のセパレータに適用してもよい。オーバーラップ部58についても同様である。
【0174】
上記実施形態では、投影レンズとして、プライマリレンズ60A及びセカンダリレンズ80の二枚のレンズによって構成される投影レンズ90を用いた例について説明したが、これに限らない。例えば、投影レンズとして、図示しないが、一枚のレンズによって構成される投影レンズを用いてもよいし、三枚以上のレンズによって構成される投影レンズを用いてもよい。
【0175】
また、上記実施形態では、投影レンズ90の焦点面FPとして、曲率が一定の球面(図20参照)を用いた例について説明したが、これに限らない。例えば、図21に示すように、投影レンズ90の焦点面FPとして、曲率が不均一に変化する球面を用いてもよい。図21は、投影レンズ90の焦点面FPの変形例である。
【0176】
上記各実施形態で示した各数値は全て例示であり、これと異なる適宜の数値を用いることができるのは無論である。
【0177】
上記各実施形態はあらゆる点で単なる例示にすぎない。上記各実施形態の記載によって本発明は限定的に解釈されるものではない。本発明はその精神または主要な特徴から逸脱することなく他の様々な形で実施することができる。
【符号の説明】
【0178】
10…車両用灯具、20…ヒートシンク、22…ベース、22a…前面、22a1…光源モジュール実装面、22a2…周囲面、22a3…ホルダ当接面、22a4…リテーナ当接面、22a5…ネジ穴、22a6…位置決めピン、22b…後面、22c…ネジ穴、24…第1延長部、26…第2延長部、28…放熱フィン、30…光源モジュール、32a…ロービーム用光源、32b…ADB用光源、34…基板、34a…貫通穴、34c…コネクタ、40…ホルダ、40a…前方側開口端面、42…ホルダ本体、42a…前面、42c…貫通穴、44…筒状部、46…フランジ部、48…凸部、49…凸部、50、50A…セパレータ、52、52A…上セパレータ本体、52a、52Aa…前面、52a1…段差付きエッジ部、52a2…延長エッジ部、52a3…延長エッジ部、52b、52Ab…後面、52c…下端面、52d…第1導光部、52e…第1入光面、52f…フランジ部、52f1…貫通穴、52f2…貫通穴、52g…導光部、52h…入光面、53…下セパレータ本体、53a…前面、53a1…段差付きエッジ部、53a2…延長エッジ部、53a3…延長エッジ部、53b…後面、53c…上端面、53d…第2導光部、53e…第2入光面、53f…フランジ部、53f1…貫通穴、53g…導光部、53h…入光面、60、60A…プライマリレンズ、60a…前面、60b、60Ab…後面、60Ab1…上入光面、60Ab2…下入光面、62…フランジ部、70…リテーナ、72…リテーナ本体、76…フランジ部、80…セカンダリレンズ、82…レンズ本体、82a…前面、82b…後面、84…筒状部、86…押さえ部兼ネジ受け部、88…位置決めピン、AX…基準軸、CL…カットオフライン、CL1…左水平カットオフライン、CL2…右水平カットオフライン、CL3…カットオフライン、CLADB…カットオフライン、CLLo…カットオフライン、F…焦点、N1、N2…ネジ、PADB…ADB用配光パターン、PLo…ロービーム用配光パターン
図1
図2
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