特開2019-220555(P2019-220555A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2019-220555(P2019-220555A)
(43)【公開日】2019年12月26日
(54)【発明の名称】載置台及び基板処理装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/3065 20060101AFI20191129BHJP
   H01L 21/683 20060101ALI20191129BHJP
   H05H 1/46 20060101ALN20191129BHJP
【FI】
   H01L21/302 101G
   H01L21/68 R
   H05H1/46 M
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2018-116230(P2018-116230)
(22)【出願日】2018年6月19日
(71)【出願人】
【識別番号】000219967
【氏名又は名称】東京エレクトロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】千葉 諒
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 康晴
(72)【発明者】
【氏名】永山 晃
【テーマコード(参考)】
2G084
5F004
5F131
【Fターム(参考)】
2G084AA02
2G084BB07
2G084BB27
2G084CC12
2G084CC13
2G084CC14
2G084CC15
2G084CC17
2G084CC33
2G084DD02
2G084DD15
2G084DD24
2G084DD37
2G084DD38
2G084DD55
2G084FF04
2G084FF06
2G084FF07
2G084FF15
2G084FF32
2G084FF39
5F004AA16
5F004BA09
5F004BB13
5F004BB18
5F004BB22
5F004BB23
5F004BB25
5F004BB26
5F004BB28
5F004BC08
5F004CA06
5F131AA02
5F131BA19
5F131CA68
5F131EA03
5F131EB14
5F131EB16
5F131EB17
5F131EB22
5F131EB72
5F131EB78
5F131EB82
5F131EB85
(57)【要約】
【課題】載置台において異常放電を抑制することを提供する。
【解決手段】被処理体が載置される載置面及び前記載置面に対する裏面を有し、前記載置面と前記裏面を貫通する通孔が形成された板状部材と、前記通孔の内部に配置された埋込部材と、を有し、前記埋込部材の表面に凹部又は凸部の少なくともいずれかを設ける、載置台が提供される。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被処理体が載置される載置面及び前記載置面に対する裏面を有し、前記載置面と前記裏面を貫通する通孔が形成された板状部材と、
前記通孔の内部に配置された埋込部材と、を有し、
前記埋込部材の表面に凹部又は凸部の少なくともいずれかを設ける、載置台。
【請求項2】
平面視で前記通孔と前記埋込部材とは、所定の距離以下で離隔する、
請求項1に記載の載置台。
【請求項3】
前記埋込部材の表面の凹部又は凸部の少なくともいずれかは、複数の突起である、
請求項1又は2に記載の載置台。
【請求項4】
前記埋込部材の表面の凹部又は凸部の少なくともいずれかは、スパイラル状の突起である、
請求項1〜3のいずれか一項に記載の載置台。
【請求項5】
前記複数の突起は、互い違いに2層以上に形成される、
請求項3に記載の載置台。
【請求項6】
前記複数の突起は、周方向に1.2mm以下の間隔で配置されている、
請求項3又は5に記載の載置台。
【請求項7】
前記埋込部材の表面の凹部又は凸部の少なくともいずれかは、複数の突起及びスパイラル状の突起であり、
前記埋込部材の先端部に前記複数の突起及び前記スパイラル状の突起の一方を有し、前記埋込部材の基端部に前記複数の突起及び前記スパイラル状の突起の他方を有する、
請求項1〜6のいずれか一項に記載の載置台。
【請求項8】
前記埋込部材の表面に凹部又は凸部の少なくともいずれかは、径方向に0.05mm以下の凹み又は突出である、
請求項1〜7のいずれか一項に記載の載置台。
【請求項9】
前記所定の距離は、0.05mm以下である、
請求項2に記載の載置台。
【請求項10】
前記通孔は、伝熱ガス用の流路又は被処理体を保持するリフターピンを挿通させる孔である、
請求項1〜9のいずれか一項に記載の載置台。
【請求項11】
内部にて被処理体を処理する処理容器と、
前記処理容器内に配置され、被処理体を載置する載置台と、を有し、
前記載置台は、被処理体が載置される載置面及び前記載置面に対する裏面を有し、前記載置面と前記裏面を貫通する通孔が形成された板状部材と、前記通孔の内部に配置された埋込部材と、を有し、
前記埋込部材の表面に凹部又は凸部の少なくともいずれかを設ける、基板処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、載置台及び基板処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、プラズマを用いてウエハなどの被処理体にエッチング処理等を行う基板処理装置が知られている(例えば、特許文献1を参照)。かかる基板処理装置は、例えば、真空空間を構成可能な処理容器内に、電極を兼ねた被処理体を保持する載置台を有する。載置台には、載置台に置かれた被処理体の裏面と載置台の載置面との間に伝熱ガスを供給するための通孔(貫通孔)が形成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−195935号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、載置台において異常放電を抑制することができる技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一の態様によれば、貫通する通孔が形成された板状部材と、前記通孔の内部に配置された埋込部材と、を有し、前記埋込部材の表面に凹部又は凸部の少なくともいずれかを設ける、載置台が提供される。
【発明の効果】
【0006】
一の側面によれば、載置台において異常放電を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】一実施形態に係る基板処理装置の構成の一例を示す概略断面図。
図2】一実施形態に係る載置台の一例を示す概略断面図。
図3】パッシェンの法則による放電開始電圧の曲線を示す図。
図4】一実施形態に係る埋込部材の一例を示す図。
図5】一実施形態に係る埋込部材を平面視した図及び埋込部材の断面の一例を示す図。
図6】一実施形態に係る埋込部材の一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本開示を実施するための形態について図面を参照して説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の構成については、同一の符号を付することにより重複した説明を省く。
【0009】
[基板処理装置の構成]
図1は、本実施形態に係る基板処理装置100の構成の一例を示す概略断面図である。基板処理装置100は、気密に構成され、電気的に接地電位とされた処理容器1を有している。この処理容器1は、円筒状であり、例えばアルミニウム等から構成されている。処理容器1は、プラズマが生成される処理空間を画成する。処理容器1内には、被処理体(work-piece)の一例であるウエハWを支持する載置台2が設けられている。載置台2は、基台2a及び静電チャック(ESC:Electrostatic chuck)6を有する。基台2aは、導電性の金属、例えばアルミニウム等で構成されており、下部電極としての機能を有する。静電チャック6は、セラミックス、例えばアルミナ等で構成されており、ウエハWを静電吸着するための機能を有する。載置台2は、支持台4に支持されている。支持台4は、例えば石英等からなる支持部材3に支持されている。載置台2の上方の外周には、例えばシリコンで形成されたエッジリング5が設けられている。処理容器1内には、載置台2及び支持台4の周囲を囲むように、例えば石英等からなる円筒状の内壁部材3aが設けられている。
【0010】
基台2aには、整合器11aを介して第1のRF電源10aが接続され、整合器11bを介して第2のRF電源10bが接続されている。第1のRF電源10aは、所定の周波数のプラズマ発生用の高周波電力を基台2aに供給する。また、第2のRF電源10bは、第1のRF電源10aの周波数よりも低い所定の周波数のイオン引き込み用(バイアス用)の高周波電力を基台2aに供給する。
【0011】
載置台2の上方には、載置台2と平行に対向し、上部電極としての機能を有するシャワーヘッド16が設けられている。かかる構成により、シャワーヘッド16と載置台2は、一対の電極として機能する。
【0012】
静電チャック6は、絶縁体6bの間に電極6aを介在させて構成されており、電極6aには直流電源12が接続されている。電極6aに直流電源12から直流電圧が印加されることにより、クーロン力によってウエハWが吸着される。なお、載置台2は、静電チャック6を有していなくてもよい。
【0013】
載置台2の内部には、冷媒流路2dが形成されており、冷媒流路2dには、冷媒入口配管2b、冷媒出口配管2cが接続されている。そして、冷媒流路2dの中に適宜の冷媒、例えば冷却水等を循環させることによって、載置台2を所定の温度に制御する。
【0014】
また、載置台2等を貫通するように、ウエハWの裏面にヘリウムガス等の冷熱伝達用ガス(以下、「伝熱ガス」ともいう。)を供給するためのガス供給管210が設けられており、ガス供給管210は、伝熱ガス供給部31に接続されている。ガス供給管210は載置台2を貫通し、これにより、載置台2の内部に通孔210aが形成される。これらの構成によって、載置台2上のウエハWが、所定の温度に制御される。
【0015】
通孔210aの内部には埋込部材220が配置され、載置台2において異常放電を抑制する。なお、ガス供給管210の内部構造の詳細については後述される。
載置台2には、複数、例えば3つのピン用貫通孔200が設けられており(図1には1つのみ示す。)、これらのピン用貫通孔200の内部には、夫々リフターピン61が配設されている。リフターピン61は、駆動機構62に接続されており、駆動機構62により上下動される。
【0016】
シャワーヘッド16は、処理容器1の天壁部分に設けられている。シャワーヘッド16は、本体部16aと電極板をなす上部天板16bとを備えており、絶縁性部材95を介して処理容器1の上部に支持される。本体部16aは、導電性材料、例えば表面が陽極酸化処理されたアルミニウムからなり、その下部の上部天板16bを着脱自在に支持する。
【0017】
本体部16aには、内部にガス拡散室16cが設けられている。本体部16aには、ガス拡散室16cの下部に位置するように、底部に、多数のガス通流孔16dが形成されている。上部天板16bには、厚さ方向にガス導入孔16eが貫通し、ガス導入孔16eは、上記したガス通流孔16dと連通するように設けられている。
【0018】
本体部16aには、ガス拡散室16cへ処理ガスを導入するためのガス導入口16gが形成されている。ガス導入口16gには、ガス供給配管15aの一端が接続されている。ガス供給配管15aの他端には、処理ガスを供給するガス供給部15が接続される。ガス供給配管15aには、上流側から順にマスフローコントローラ(MFC)15b、及び開閉弁V2が設けられている。ガス拡散室16cには、ガス供給配管15aを介して、ガス供給部15からプラズマエッチングのための処理ガスが供給される。かかる構成により、ガス拡散室16cに供給された処理ガスは、ガス通流孔16d及びガス導入孔16eを介して処理容器1内にシャワー状に分散されて供給される。
【0019】
シャワーヘッド16には、ローパスフィルタ(LPF)71を介して可変直流電源72が電気的に接続されている。この可変直流電源72は、オン・オフスイッチ73により給電のオン・オフが可能になっている。可変直流電源72の電流・電圧ならびにオン・オフスイッチ73のオン・オフは、制御部90によって制御される。なお、第1のRF電源10a、第2のRF電源10bから高周波(RF)が載置台2に印加されて処理空間にプラズマが発生する際には、必要に応じて制御部90によりオン・オフスイッチ73がオンとされ、シャワーヘッド16に所定の直流電圧が印加される。
【0020】
処理容器1の側壁からシャワーヘッド16の高さ位置よりも上方に延びるように円筒状の接地導体1aが設けられている。この円筒状の接地導体1aは、その上部に天壁を有している。
【0021】
処理容器1の底部には、排気口81が形成されている。排気口81には、排気管82を介して排気装置83が接続されている。排気装置83は、真空ポンプを有しており、この真空ポンプを作動させることにより処理容器1内を所定の真空度まで減圧する。処理容器1内の側壁には、ウエハWの搬入出口84が設けられており、搬入出口84には、当該搬入出口84を開閉するゲートバルブ85が設けられている。
【0022】
処理容器1の側部内側には、内壁面に沿ってデポシールド86が設けられている。デポシールド86は、処理容器1にエッチング副生成物(デポ)が付着することを防止する。このデポシールド86のウエハWと略同じ高さ位置には、グランドに対する電位が制御可能に接続された導電性部材(GNDブロック)89が設けられており、これにより異常放電が防止される。また、デポシールド86の下端部には、内壁部材3aに沿って延在するデポシールド87が設けられている。デポシールド86,87は、着脱自在とされている。
【0023】
上記構成の基板処理装置100は、制御部90によって、その動作が統括的に制御される。この制御部90には、基板処理装置100の各部を制御するCPU91と、インターフェース92と、メモリ93とを有する。
【0024】
インターフェース92は、工程管理者が基板処理装置100を管理するためにコマンドの入力操作を行うキーボードや、基板処理装置100の稼働状況を可視化して表示するディスプレイ等から構成されている。
【0025】
メモリ93には、基板処理装置100で実行される各種処理をCPU91の制御にて実現するための制御プログラムや処理条件データ等が記憶されたレシピが格納されている。そして、必要に応じて、インターフェース92からの入力操作に応じた指示等にて任意のレシピをメモリ93から呼び出してCPU91に実行させることで、基板処理装置100において所定の処理が行われる。また、制御プログラムや処理条件データ等のレシピは、コンピュータで読取り可能なコンピュータ記憶媒体(例えば、ハードディスク、CD、フレキシブルディスク、半導体メモリ等)などに格納された状態のものを利用することができる。制御プログラムや処理条件データ等のレシピは、他の装置から、例えば専用回線を介して随時伝送させてオンラインで使用することも可能である。
【0026】
[載置台の構成]
次に、図2を参照して、載置台2の構成の一例について説明する。図2は、本実施形態に係る載置台2を示す概略断面図である。上述のとおり、載置台2は、基台2aと、静電チャック6とを有する。静電チャック6は、円板状であり、同じく円板状のウエハWを載置するための載置面21と、当該載置面21に対向する裏面22とを有している。基台2aは、静電チャック6の裏面22に接合されている。載置台2が静電チャック6を有しない場合、基台2aの上面が載置台2の載置面21になり、基台2aの下面が載置台2の裏面22になる。
【0027】
載置面21には、ガス供給管210の端部が形成され、通孔210aとなっている。通孔210aからは、ヘリウムガス等の伝熱ガスがウエハWの裏面に供給される。通孔210aは、載置台2を貫通するように設けられている。
【0028】
なお、静電チャック6は、ウエハWが載置される載置面21及び載置面21に対する裏面22を有し、載置面21と裏面22を貫通する通孔210aが形成された板状部材の一例である。載置台2が静電チャック6を有しない場合には、基台2a又は基台2a上の静電チャックに替わる部材が、載置面21及び載置面21に対する裏面22を有し、載置面21と裏面22を貫通する通孔210aが形成された板状部材の一例となる。
【0029】
通孔210aは段差部を有し、段差部よりも上側の通孔210aの孔径は、段差部よりも下側の通孔210aの孔径よりも小さくなっている。ガス供給管210には、アルミナで形成されたガス用スリーブ203が配置されている。ガス供給管210の内壁には、スペーサが設けられてもよい。
【0030】
[埋込部材]
通孔210aの内部には、埋込部材220が配置されている。埋込部材220には段差部220aが形成されている。埋込部材220の段差部220aよりも上側の径は段差部220aよりも下側の径よりも小さく、埋込部材220の縦断面は凸状になっている。なお、埋込部材220の段差部220aよりも上側を「先端部」ともいい、埋込部材220の段差部220aよりも下側を「基端部」ともいう。
【0031】
埋込部材220は、プラズマ耐性のあるセラミックス等の材質により形成されている。例えば、埋込部材220は、石英、シリコンカーバイト、シリコンナイトライド、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、イットリア、酸化チタン、タングステンカーバイトのいずれかにより形成されてもよい。また、埋込部材220は、プラズマ耐性の低い材質により形成されてもよい。例えば、プラズマ耐性の低い材質は、シリコン、タングステン、チタン、シリコーン、テフロン(登録商標)、エラストマー、フッ素樹脂のいずれかにより形成されてもよい。
【0032】
埋込部材220の径は、通孔210aの孔径よりも小さい。これにより、埋込部材220は、ガス供給管210の内壁と所定の間隔を設けて配置され、通孔210aの内部に伝熱ガス経路が形成される。
【0033】
段差部220aには、十分に伝熱ガスが流れる伝熱ガス経路を確保するために凹みがあってもよい。ただし、段差部220aにおける伝熱ガス経路の幅を不必要に大きくすると異常放電が発生するおそれがあるため、段差部220aに設ける凹みの幅は、埋込部材220が横方向にずれた場合にも伝熱ガス経路が確保できる程度の幅であればよい。
【0034】
基板処理装置100は、載置台2に印加される高周波(RF)電力が高電圧化されている。載置台2に印加される高周波電力が高電圧化された場合、通孔210a付近で異常放電が発生する場合がある。
【0035】
つまり、基板処理装置100では、載置台2に高周波電力が印加されると、静電チャック6の静電容量に起因して、ウエハWと静電チャック6の裏面22の間で電位差が発生する。これにより、通孔210a内に発生するRF電位の電位差が、放電が発生する限界値を超えると、異常放電が発生する。
【0036】
図3のパッシェンの法則による放電開始電圧の曲線によれば、極小値P1が最も放電し易い圧力(P)×電極間距離(T)である。よって、極小値P1を避けることで放電開始電圧が上がり放電し難くすることができる。
【0037】
例えば、極小値P1よりも左側の曲線では、圧力を一定としたとき、電極間距離(T)が短いほど放電開始電圧が上がり放電し難くなる。そこで、本実施形態では、通孔210aの内部に埋込部材220を配置することで、図3に示す電極間距離を短くし、圧力×電極間距離の値を極小値P1から遠くすることで、異常放電を防止する。ただし、通孔210aと埋込部材220の間には、伝熱ガスを流すための流路(隙間)を形成する必要があるため、その隙間により電極間距離が長くなり、図3の横軸に示す圧力×電極間距離の値が、極小値P1×電極間距離の値に近くなると放電し易くなる。
【0038】
そこで、本実施形態では、通孔210aに埋込部材220を設けることに加えて、埋込部材220の先端部220bに複数の突起300、302、310等を有するラビリンス構造を有する。これにより、通孔210a内において電子の直線距離を短くし、異常放電の発生を確実に防止する。
【0039】
[複数の突起]
例えば、図4(a)の比較例と図4(b)の本実施形態の埋込部材220を比較して説明する。比較例では、埋込部材220の先端部220bと通孔210aの内壁の間は、径方向に約0.15mmの環状の隙間を有する。また、先端部220bと通孔210aの内壁の間の縦方向の隙間は、静電チャック6の厚さに等しく、約1.2mmである。よって、比較例では、先端部220bにおける電子の直線距離の最長は、約1.2mmとなる。
【0040】
これに対して、図4(b)の本実施形態では、埋込部材220の先端部220bと通孔210aの内壁の間は、径方向に約0.05mmの隙間を有する。異常放電の防止の観点から埋込部材220と通孔210aの間の径方向の隙間は、約0.05mm以下であればよい。
【0041】
本実施形態では、複数の突起300、302、310等が上層と下層の2層に配置されている。図4(b)は、複数の突起が2層以上に互い違いに形成されている埋込部材220の一例である。本実施形態では、複数の突起が2層に設けられているが、これに限られず、複数の突起は3層又はそれ以上の複数層に互い違いに配置されてもよい。
【0042】
このように、本実施形態では、埋込部材220の先端部220bに互い違いに2層の複数の突起300、302、310等が径方向に突出している。かかる構成では、本実施形態では、平面視で通孔210aと埋込部材220の間に約0.05mmよりも大きい開口を有しない。なお、複数の突起は、互い違いに2層以上に形成されてもよい。
【0043】
図5(a)は、図4(b)に示すA−A面側から通孔210a及び載置面21を平面視した図の一例である。図5(b)は、図4(b)に示すB−B断面、すなわち、先端部220bに形成された上層の突起を切断した面の一例を示す図である。図5(c)は、図4(b)に示すC−C断面、すなわち、先端部220bに形成された下層の突起を切断した面の一例を示す図である。
【0044】
図5(b)のB−B断面では、先端部220bから等間隔に径方向に吐出する3つの突起300、301、302が形成され、その間に径方向に約0.05mmの幅を有する隙間400、401、402が形成されている。隙間400、401、402の周方向の間隔は、約1.2mm以下である。
【0045】
図5(c)のC−C断面では、先端部220bから等間隔に径方向に吐出する3つの突起310、311、312が形成され、その間に径方向に約0.05mmの幅を有する隙間410、411、412が形成されている。隙間410、411、412の周方向の間隔は、約1.2mm以下である。
【0046】
複数の突起300、301、302及び複数の突起310、311、312は、異なる層において互い違いに配置されている。3つの突起300、301、302は、3つの隙間410、411、412の上方に位置付けられ、3つの突起310、311、312は、3つの隙間400、401、402の下方に位置付けられている。
【0047】
突起300、301、302のそれぞれを時計回りに60°回転させた位置に突起310、311、312が配置される。これにより、図5(a)の通孔210aを平面視した図に示すように、通孔210aと埋込部材220の間の隙間がすべて埋まるように複数の突起が配置され、複数の突起の下側が見えないようになっている。つまり、本実施形態にかかる載置台2では、通孔210aを上面から平面視したときに、通孔210aと埋込部材220の間に開口を有しない。
【0048】
これにより、本実施形態では、図4(b)に示すように、通孔210aと埋込部材220の間にて加速する電子の直線距離の最長は、下層の突起310の上面から載置面21までの長さ、すなわち、約0.6mmに短縮できる。ただし、電子の直線距離の最長は、約0.6mmに限られず、突起の形状、大きさ、配置により更に短くすることができる。
【0049】
以上から、本実施形態にかかる載置台2に形成された通孔210aでは、複数の突起を設けたことにより電子の加速距離を短くできる。これにより、通孔210a内の電子の加速を抑制することができ、ウエハWの裏面における異常放電を防止できる。
【0050】
なお、複数の突起300、301、302、310、311、312の間隔は、平面視で周方向に約1.2mm未満で配置されていればよく、等間隔で配置されていなくてもよい。例えば、通孔210aと埋込部材220の間には、約0.05mmよりも大きい開口を有しない範囲で複数の突起を互い違いに自由に配置することができる。複数の突起の個数、複数の突起が配置される層数についても、本実施形態の個数及び層数に限定されない。
【0051】
[スパイラル状の突起]
次に、図6を参照しながら、一実施形態に係る埋込部材220の他の例について説明する。図6(a)に示す例では、埋込部材220の先端部220bは複数の突起を有さず、段差部220aよりも手前、すなわち、段差部220aに対して先端部220bの反対側に位置する基端部220cにスパイラル状の突起313を有する。基端部220cと通孔210aの間は、約0.05mm以下の隙間を有する。
【0052】
スパイラル状の突起313の間は、スパイラル状の隙間413になっている。スパイラル状の突起313は径方向に約0.05mm以下で突出する。また、スパイラル状の突起313の間隔は、約0.6mm以下であってもよい。
【0053】
かかる構成によっても、本実施形態にかかる載置台2に形成された通孔210aは、スパイラル状の突起313を設けたことにより電子の加速距離を短くできる。これにより、通孔210a内の電子の加速を抑制することで、ウエハWの裏面における異常放電を防止できる。
【0054】
更に、埋込部材220の先端部220bに複数の突起300、302、310等及びスパイラル状の突起313の一方を有し、埋込部材220の基端部220cに複数の突起300、302、310等及びスパイラル状の突起313の他方を有してもよい。例えば、図6(b)では、先端部220bに複数の突起300、302、310等を有し、基端部220cにスパイラル状の突起313を有する例を示す。ただし、突起の構成は、これに限らず、先端部220bにスパイラル状の突起313を有し、基端部220cに複数の突起300、302、310等を有してもよい。かかる構成によれば、通孔210aにおいてより確実に異常放電を防止できる。
【0055】
以上に説明したように、図4の複数の突起及び図6のスパイラル状の突起のいずれを埋込部材220に設けた場合においても、埋込部材220を水平方向に切断したときの任意の一断面で突起の間に存在する開口が、別の一断面では異なる位置に存在する。また、複数の突起300、302、310等及びスパイラル状の突起313は径方向に約0.05mm以下で突出する。これにより、平面視で通孔210aと埋込部材220との間は所定の距離以下で離隔する。例えば、平面視で通孔210aと埋込部材220との間は約0.05mm以下で離隔することが好ましい。これにより、通孔210a内において電子の加速距離を短くでき、載置台2の載置面21等における異常放電を防止できる。
【0056】
以上から、本実施形態に係る載置台2によれば、載置台2に置かれたウエハWの裏面と載置台2の載置面21との間に伝熱ガスを供給するための通孔210aにおける異常放電を抑制することができる。
【0057】
[変形例]
載置台2に設けられた埋込部材220は、以上に説明したウエハWの裏面22に供給する伝熱ガス用の流路である通孔210aに適用する場合に限られない。例えば、図1に示すリフターピン61を挿通させるピン用貫通孔200にも適用できる。この場合、リフターピン61の表面に互い違いに複数の突起を設けたり、スパイラル状の突起を設けてもよい。
【0058】
埋込部材220の表面には、凹部又は凸部の少なくともいずれかが形成されていればよい。埋込部材220の表面は、複数の突起を設けることに限られず、複数の凹みを設けてもよい。また、埋込部材220の表面は、スパイラル状の突起を設けることに限られず、スパイラル状の凹みを設けてもよい。
【0059】
例えば、複数の突起300、301、302、310、311、312は、埋込部材220の表面に形成された凸部の一例である。隙間400、401、402、410、411、412は、埋込部材220の表面に形成された凹部の一例である。
【0060】
また、例えば、スパイラル状の突起313は、埋込部材220の表面に形成された凸部の一例である。隙間400、401、402、410、411、412は、埋込部材220の表面に形成された凹部の一例である。
【0061】
更に、埋込部材220の表面に設けられる凸部又は凹部は、スパイラル状の突起や略矩形状の突起に限定せず、様々な形状であってもよい。ただし、この場合においても、平面視で通孔210aと埋込部材220との間は所定の距離以下、例えば約0.05mm以下で離隔するように、突起の形状及び配置が決定される。
【0062】
以上に説明したように、本実施形態の載置台2及び該載置台2を備える基板処理装置100によれば、載置台2において異常放電が発生することを防止できる。
【0063】
今回開示された一実施形態に係る載置台及び基板処理装置は、すべての点において例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。上記の実施形態は、添付の請求の範囲及びその主旨を逸脱することなく、様々な形態で変形及び改良が可能である。上記複数の実施形態に記載された事項は、矛盾しない範囲で他の構成も取り得ることができ、また、矛盾しない範囲で組み合わせることができる。
【0064】
本開示の基板処理装置は、Capacitively Coupled Plasma(CCP)、Inductively Coupled Plasma(ICP)、Radial Line Slot Antenna(RLSA)、Electron Cyclotron Resonance Plasma(ECR)、Helicon Wave Plasma(HWP)のどのタイプでも適用可能である。
【0065】
本明細書では、被処理体の一例としてウエハWを挙げて説明した。しかし、基板は、これに限らず、FPD(Flat Panel Display)に用いられる各種基板、プリント基板等であっても良い。
【符号の説明】
【0066】
2 載置台
2a 基台
5 エッジリング
6 静電チャック
15 ガス供給部
16 シャワーヘッド
21 載置面
22 裏面
31 伝熱ガス供給部
61 リフターピン
100 基板処理装置
200 ピン用貫通孔
203 ガス用スリーブ
210 ガス供給管
220 埋込部材
210a 通孔
220a 段差部
220b 先端部
220c 基端部
300、301、302、310、311、312 突起
313 スパイラル状の突起
400、401、402、410、411、412 隙間
413 スパイラル状の隙間
図1
図2
図3
図4
図5
図6