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特開2019-220743情報処理装置、プログラム及び情報処理方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2019-220743(P2019-220743A)
(43)【公開日】2019年12月26日
(54)【発明の名称】情報処理装置、プログラム及び情報処理方法
(51)【国際特許分類】
   H04N 7/15 20060101AFI20191129BHJP
   H04Q 9/00 20060101ALI20191129BHJP
   H04M 3/56 20060101ALI20191129BHJP
【FI】
   H04N7/15
   H04Q9/00 301E
   H04M3/56 C
【審査請求】有
【請求項の数】12
【出願形態】OL
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2018-114446(P2018-114446)
(22)【出願日】2018年6月15日
(71)【出願人】
【識別番号】505205731
【氏名又は名称】レノボ・シンガポール・プライベート・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100108213
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 豊隆
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼橋 睦良
(72)【発明者】
【氏名】和田 隆秀
(72)【発明者】
【氏名】堀野 俊和
【テーマコード(参考)】
5C164
5K048
5K201
【Fターム(参考)】
5C164FA10
5C164TA02S
5C164TA09S
5C164VA02P
5K048BA03
5K048EB02
5K048EB03
5K048EB14
5K048EB15
5K201BB09
5K201ED08
5K201ED09
5K201EE17
5K201EF03
5K201EF04
5K201EF09
(57)【要約】
【課題】外部装置の動作モードの設定内容によらずに外部装置を起動させ、かつ、外部装置の起動状態を確実に検出することができる情報処理技術を提供すること。
【解決手段】 情報処理装置は、画像データ及び音声データの少なくとも一方の送受信を可能にする情報処理装置であって、画像及び音声の少なくとも一方を出力する外部装置へ画像データ及び音声データの少なくとも一方を送信する第1送信部と、外部装置を起動または停止させるための無線制御信号を送信する第2送信部と、外部装置が起動しているか否かを検出する第1検出部153と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像データ及び音声データの少なくとも一方の送受信を可能にする情報処理装置であって、
画像及び音声の少なくとも一方を出力する外部装置へ前記画像データ及び前記音声データの少なくとも一方を送信する第1送信部と、
前記外部装置を起動または停止させるための無線制御信号を送信する第2送信部と、
前記外部装置が起動しているか否かを検出する第1検出部と、
を備える、
情報処理装置。
【請求項2】
前記第2送信部は、前記無線制御信号として、前記外部装置の起動状態と停止状態とを切り替える赤外線信号を送信する赤外線送信部を備える、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記外部装置とHDMIケーブルで接続され、
前記第1検出部は、前記HDMIケーブルを介して、前記外部装置の起動状態を問い合わせることにより、前記外部装置が起動しているか否かを検出する、
請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記外部装置を含む所定の範囲を撮像する撮像部をさらに備え、
前記第1検出部は、撮像されることによって取得された画像情報に基づいて、前記外部装置が起動しているか否かを検出する、
請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項5】
1又は複数のユーザを検出する第2検出部をさらに備え、
前記第2送信部は、前記1又は複数のユーザを検出した場合に、前記無線制御信号を送信する、
請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記情報処理装置が利用されるイベントの進行に係る時間情報を含むスケジュール情報を取得するスケジュール情報取得部と、
前記時間情報が所定の設定条件を満たしているか否かを判定する判定部と、をさらに備え、
前記第2送信部は、前記時間情報が前記所定の設定条件を満たす場合に、前記無線制御信号を送信する、
請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記情報処理装置が利用されるイベントについ当該ベントの参加者IDを含むスケジュール情報を取得するスケジュール情報取得部と、
前記参加者IDで特定されるユーザによる接続を判定する判定部と、をさらに備え、
前記第2送信部は、前記参加者IDで特定されるユーザによる接続を判定した場合に、前記無線制御信号を送信する、
請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記第2送信部は、前記外部装置の起動が検出されない場合は、前記無線制御信号を再送する、
請求項1から7のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項9】
画像データ及び音声データの少なくとも一方の送受信を可能にするコンピュータに、
画像及び音声の少なくとも一方を出力する外部装置へ前記画像データ及び前記音声データの少なくとも一方を送信する第1送信機能と、
前記外部装置を起動または停止させるための無線制御信号を送信する第2送信機能と、
前記外部装置が起動しているか否かを検出する検出機能と、を実現させる、
プログラム。
【請求項10】
画像データ及び音声データの少なくとも一方の送受信を可能にするコンピュータが、
画像及び音声の少なくとも一方を出力する外部装置へ前記画像データ及び前記音声データの少なくとも一方を送信するステップと、
前記外部装置を起動または停止させるための無線制御信号を送信するステップと、
前記外部装置が起動しているか否かを検出するステップと、含む、
情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、プログラム及び情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
デジタル映像や音声等の入出力インタフェース規格であるHDMI(登録商標)(High Definition Multimedia Interface)によってデータ送信装置であるプレイヤ装置と、データ受信装置であるディスプレイ装置と、が接続されている場合、HDMIで規定されるCEC(Consumer Electronics Control)機能(以下、「CEC機能」という)によって装置間制御が実施可能である。下記特許文献1には、外部装置からの起動の監視及び電源部への起動コマンドの供給にHDMIのCEC機能を利用する映像表示装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第5073034号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、プレイヤ装置がCEC機能を利用して、特許文献1に記載されているような従来の映像表示装置を起動させる際、映像表示装置の動作モードにおいてCEC機能による起動を許容しない設定になっている場合は、映像表示装置を起動させることができない。このように、映像表示装置の動作モードの設定内容によっては、CEC機能を利用してプレイヤ装置から映像表示装置を起動できない問題があった。
【0005】
そこで、本発明は、外部装置の動作モードの設定内容によらずに外部装置を起動させ、かつ、外部装置の起動状態を確実に検出することができる情報処理技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る情報処理装置は、画像データ及び音声データの少なくとも一方の送受信を可能にする情報処理装置であって、画像及び音声の少なくとも一方を出力する外部装置へ画像データ及び音声データの少なくとも一方を送信する第1送信部と、外部装置を起動または停止させるための無線制御信号を送信させる第2送信部と、外部装置が起動しているか否かを検出する第1検出部と、を備える。
【0007】
この態様によれば、画像及び音声の少なくとも一方を出力する外部装置を起動または停止させるための無線制御信号を送信することで外部装置を起動させることにより、外部装置の設定状態等によらずに外部装置を起動させることができる。また、外部装置が起動しているか否かを検出することにより、外部装置の起動状態を確実に検出することができる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、外部装置の動作モードの設定内容によらずに外部装置を起動させ、かつ、外部装置の起動状態を確実に検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本実施形態に係る会議管理システムの概要を説明するための図である。
図2】本実施形態に係る会議管理装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
図3】本実施形態に係る会議管理装置の機能構成の一例を示す図である。
図4】本実施形態に係る会議管理装置の動作例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について説明する。なお、各図において、同一の符号を付したものは、同一又は同様の構成を有する。
【0011】
以下の実施形態では、情報処理装置が利用される「イベント」の一例として「会議」を挙げたが、これに限られず、他の行事や催し物であってもよい。また、以下の実施形態では、「外部装置」の一例として「ディスプレイ装置」を挙げたが、これに限られない。例えば、「外部装置」は、プロジェクタやスピーカ等の画像及び音声の少なくとも一方を出力する他の出力装置を含む。
【0012】
(1.概要)
図1を参照して、本実施形態に係る会議管理システムの概要を説明する。図1に示すように、会議管理システム500は、例示的に、画像データ及び音声データの少なくとも一方の送受信を可能にする会議管理装置100(情報処理装置)と、会議に用いられる電子機器である画像データ及び音声データを出力するディスプレイ装置200(外部装置)と、を含んで構成される。また、例えば、会議管理装置100とディスプレイ装置200とは、HDMIケーブル400を介して接続されている。会議管理装置100の機能的構成の詳細については、後述する。
【0013】
会議管理システム500において、会議管理装置100は、管理対象の会議が行われる会議室等の場所に入室する参加者300を検出する(図1の(1))。会議管理装置100は、会議の参加者300を検出すると、この会議が間もなく開始される状況であるとして、会議資料等を表示するディスプレイ装置200を起動させる(図1の(2))。具体的には、会議管理装置100は、ディスプレイ装置200を起動または停止させるための無線制御信号(例えば、リモコン信号等)をディスプレイ装置200に送信する。
【0014】
会議管理装置100は、無線制御信号を送信してから第1所定時間経過後に、HDMIケーブル400を介して、ディスプレイ装置200が起動または停止しているか否かを検出する。具体的には、会議管理装置100は、HDMIのCEC機能を用いて、ディスプレイ装置200に対して起動状態を問い合わせるための問い合わせ信号を送信する(図1の(3))。ディスプレイ装置200は、起動している場合、この問い合わせ信号を受信すると、起動状態を応答するための応答信号を会議管理装置100に送信する(図1の(4))。「第1所定時間」とは、会議管理装置100がディスプレイ装置200に対して無線制御信号を送信してから、この無線制御信号による起動または停止を検出するまでの時間を含む。
【0015】
会議管理装置100は、この応答信号を受信して、ディスプレイ装置200が起動していることを検出する。なお、仮に、ディスプレイ装置200が起動していない場合は、会議管理装置100は、この応答信号を受信できない。このため、会議管理装置100は、一定の時間この応答信号を受信できなかった場合は、ディスプレイ装置200が起動していないことを検出してもよい。
【0016】
上記構成によれば、会議室に入室する参加者300を検出するだけで、会議に用いられるディスプレイ装置200を自動で起動することができ、かつ、実際にディスプレイ装置200を起動できたかどうかを検出することができる。
【0017】
(2.構成)
(2−1.会議管理装置のハードウェア構成)
図2を参照して、本実施形態に係る会議管理装置のハードウェア構成例について説明する。図2に示すように、本実施形態に係る会議管理装置100は、例示的に、プロセッサ110と、記憶装置115と、通信I/F(インタフェース)120と、接続I/F125とを備える。また、会議管理装置100は、例えば、カメラ130、マイクロフォン135、人感センサ140又はスピーカー145を備えてもよい。
【0018】
プロセッサ110は、データの演算、加工及び転送、並びにプログラムの実行等を担う処理装置である。
【0019】
記憶装置115は、主記憶装置(例えば、揮発性メモリ又はランダムアクセスメモリ等)、補助記憶装置(例えば、不揮発性メモリ等)又は外部記憶装置等のプログラムやデータを記憶する装置である。
【0020】
通信I/F120は、ディスプレイ装置200との間でデータや制御信号の送受信を行う装置である。通信I/F120は、例えば、携帯電話の通信網用のインタフェースや、Wi-Fiネットワーク等の無線LAN用のインタフェースを含む。通信I/F120は、有線のインタフェースを含んでもよい。また、通信I/Fは、ディスプレイ装置200を制御するための無線制御信号の送信を行う。「無線制御信号」とは、会議管理装置100からディスプレイ装置200等を制御するためのリモコン信号であり、例えば、IrDA(Infrared Data Association)規格の赤外線信号等のアナログ信号である。また、無線制御信号は、無線LAN用のインタフェースを利用したデジタル信号であってもよい。
【0021】
接続I/F125は、会議管理装置100とディスプレイ装置200とを接続して、両装置間で制御信号をやり取りするための装置である。接続I/F125は、例えば、HDMIコントローラ及びHDMI端子を含んで構成され、会議管理装置100とディスプレイ装置とをHDMIケーブルで接続させてもよい。更に、接続I/F125は、HDMIケーブルで会議管理装置100とディスプレイ装置とを接続する場合に、CEC機能の制御信号(以下、「CEC制御信号」という)を送受信させてもよい。
【0022】
カメラ130は、画像(静止画又は動画)を撮像する装置である。カメラ130は、所定の範囲を撮像することにより取得される画像情報を記憶装置115に記録する。カメラ130は、会議管理装置100の外部に設けられてもよい。
【0023】
マイクロフォン135は、会議管理装置100の周囲の音声(例えば、会議の参加者300等が発する音声等)を入力する装置である。
【0024】
人感センサ140は、赤外線、超音波又は可視光等を用いて、人の所在を検知する装置である。人感センサ140は、会議管理装置100の外部に設けられてもよい。
【0025】
スピーカー145は、音声を出力する装置である。スピーカー145は、会議管理装置100の外部に設けられてもよい。
【0026】
(2−2.端末装置の機能構成)
図3を参照して、本実施形態に係る会議管理装置の機能構成例について説明する。図3に示すように、本実施形態に係る会議管理装置100は、例示的に、制御部150と、記憶部160と、通信部165と、接続部170とを備える。また、会議管理装置100は、例えば、撮像部175、音声入力部180、人感センサ部185又は音声出力部190を備えてもよい。
【0027】
図3に示す各機能は、会議管理装置100のハードウェア及びソフトウェアによって実現される。具体的には、記憶装置115の記憶領域を用いたり、記憶装置115に格納されたプログラムをプロセッサ110が実行したりすることにより実現することができる。
【0028】
制御部150は、例示的に、ディスプレイ装置200を起動させる無線制御信号を送信させる信号送信部(第2送信部)152と、ディスプレイ装置200の起動状態を検出する第1検出部153と、ディスプレイ装置200へ画像データ及び音声データの少なくとも一方を送信するデータ送信部156(第1送信部)と、を備える。また、制御部150は、例えば、会議の状況を判定する判定部151、会議の参加者300を検出する第2検出部154、ディスプレイ装置200の起動状態を通知する通知部155又は会議のスケジュール情報を取得するスケジュール情報取得部157を備えてもよい。制御部150は、図2のプロセッサ110に相当する。
【0029】
判定部151は、会議の状況を判定する。「会議の状況」とは、会議の開始、中断、再開又は終了等の会議の様子をいう。
【0030】
判定部151は、例えば、会議の進行に係る時間情報が所定の設定条件を満たしているか否かを判定することができる。「会議の進行に係る時間情報」とは、例えば、現在時刻を示す時刻情報を含む。また、「所定の設定条件」とは、例えば、現在時刻が会議の開始予定時刻に到達しているか否か、または、現在時刻が会議の終了予定時刻に到達しているか否かといった設定条件である。
【0031】
判定部151は、具体的には、スケジュールサーバ等からスケジュール情報取得部157を介して取得され、記憶部160等に予め登録されている会議の開始予定時刻及び終了予定時刻等の情報(会議のスケジュール情報)を参照して、現在時刻が、会議の開始予定時刻または終了予定時刻に到達する場合は、設定条件を満たしていると判定する。
【0032】
判定部151は、あるユーザの端末装置が会議管理システム500に接続された場合に、会議の状況が開始になったとみなす構成としてもよい。この場合、例えば、スケジュール情報取得部157がスケジュールサーバから会議の参加者のID情報を含むスケジュール情報を取得して、記憶部160等に予め登録される。予め記憶部160等に登録するのではなく、処理に必要な時にスケジュールサーバに問い合わせる構成としてもよい。判定部151は、会議管理システム500にユーザの端末(不図示)が接続される際に、当該端末のユーザIDを取得する。当該端末のユーザIDと、スケジュール情報に含まれる参加者のIDを比較し、合致する場合に会議の状況が会議の状況が開始と判定する。
【0033】
信号送信部152は、会議の状況に応じて、ディスプレイ装置200を起動(電源オン)させるための無線制御信号を送信する。
【0034】
信号送信部152は、具体的には、判定部151により「会議の開始」が判定されると、ディスプレイ装置200を起動させるための無線制御信号を通信部165から、送信することができる。また、信号送信部152は、判定部151により「会議の終了」が判定されると、ディスプレイ装置200を終了(電源オフ)させるための無線制御信号を通信部165に送信することもできる。
【0035】
通信部165は、制御部150の制御によって、ディスプレイ装置200に、ディスプレイ装置200を起動させるための無線制御信号を送信する機能部であり、図2の通信I/F120に相当する。
【0036】
信号送信部152は、例えば、判定部151において、所定の設定条件を満たしたと判定される場合は、通信部165から無線制御信号を送信する。この構成によれば、起動させるための操作入力をしなくとも、会議の進行に合わせてディスプレイ装置200を起動させることができる。信号送信部152は、無線制御信号として、例えば、ディスプレイ装置200の起動状態と停止状態とを切り替えるトグル信号を赤外線信号で送信する赤外線送信部(不図示)を備える。
【0037】
信号送信部152は、例えば、後述の第1検出部153により、一定の時間、ディスプレイ装置200が起動していることが検出されない場合は、通信部165に無線制御信号を再送させてもよい。この構成によれば、ディスプレイ装置200の起動に失敗した場合でも、自動で、再度ディスプレイ装置200の起動を試みることができる。また、信号送信部152は、例えば、この再送処理にあたり、再送回数に上限を設けて、当該上限を超えないように通信部165に再送させてもよい。
【0038】
第1検出部153は、ディスプレイ装置200が起動しているか否かを検出する。信号送信部152が送信する赤外線信号は、トグル信号であるからこそ、第1検出部153による、ディスプレイ装置200の起動状態の確認が必要になる。第1検出部153は、例えば、HDMIケーブルを介して、CEC機能を用いることで、ディスプレイ装置200の起動状態を問い合わせることにより、ディスプレイ装置200が起動しているか否かを検出してもよい。この構成によれば、ディスプレイ装置200に映像を表示させる等のために接続されているHDMIケーブル等を利用して、ディスプレイ装置200が起動しているか否かを検出することができる。
【0039】
第1検出部153は、例えば、接続部170においてHDMIケーブルでディスプレイ装置200と接続させた状態で、当該接続においてディスプレイ装置200にディスプレイ装置200の起動状態をCEC制御信号で問い合わせる。その後、第1検出部153は、ディスプレイ装置200からのこの問い合わせに対するCEC制御信号の応答に基づいて、ディスプレイ装置200が起動しているか否かを検出する。例えば、第1検出部153は、起動状態が「電源オン」であることを示す信号を含む制御信号をディスプレイ装置200から所定時間の間に受信できなかった場合は、ディスプレイ装置200が起動していないことを検出する。接続部170は、制御部150の制御によって、会議管理装置100とディスプレイ装置200とを接続させて、両装置間において双方向で制御信号をやり取りさせる機能部であり、接続部170は、図2の接続I/F125に相当する。
【0040】
第1検出部153は、例えば、撮像部175により撮像されたディスプレイ装置200を含む所定の範囲の画像情報を解析することにより、ディスプレイ装置200が起動しているか否かを検出してもよい。撮像部175は、制御部150の制御によって、撮像して画像情報を取得する機能部であり、撮像部175は、図2のカメラ130に相当する。
【0041】
第1検出部153は、具体的には、画像認識技術を用いて、撮像されたことにより取得された画像情報と、予め記憶部160等に登録したディスプレイ装置200の終了の状態を表す特徴パターン(例えば、ディスプレイ装置200のオフ状態の画面等)とを照合させて、照合の結果、画像情報と特徴パターンが所定の割合で一致しない場合には、ディスプレイ装置200が起動していることを検出してもよい。
【0042】
また、それとは逆に、第1検出部153は、この画像情報と、この特徴パターンとを照合させて、照合の結果、画像情報と特徴パターンが所定の割合で一致していれば、ディスプレイ装置200が起動していないことを検出してもよい。「所定の割合」とは、画像情報に表されたディスプレイ装置200の起動状態と、ディスプレイ装置200の終了状態を表す特徴パターンとが同じ起動状態であるとみなすか否かの閾値を設定したものであり、80、90%等適宜設定すればよい。
【0043】
この構成によれば、ディスプレイ装置200の設定状態はもちろんのこと、ディスプレイ装置200の種類や周辺環境(例えば、無線LAN等の通信ネットワークがない環境等)によらずにディスプレイ装置200の起動状態を検出することができる。
【0044】
第2検出部154は、1又は複数のユーザを検出する。第2検出部154は、例えば、人感センサ部185による所定の領域における検知結果に基づいて、1又は複数のユーザを検出する。人感センサ部185は、所定の領域において1又は複数の人がいることを検知する機能部であり、図2の人感センサ140に相当する。「所定の領域」とは、人感センサ部185が1又は複数の人がいるか否かを捉えられる領域を含む。そして、信号送信部152は、第2検出部154により、1又は複数のユーザを検出した場合は、ディスプレイ装置200の起動のための無線制御信号を通信部165から送信する。この構成によれば、少なくとも一のユーザの会議室への入室が検出されると、会議の状況が開始したと判定し、ディスプレイ装置200を起動させることができる。このため、ユーザ等によるディスプレイ装置200を起動するための操作入力がなくともディスプレイ装置200を起動させることができる。
【0045】
また、例えば、ユーザすべての会議室からの退出が検出されると、ディスプレイ装置200を停止するための無線制御信号を通信部165から送信する。この構成によれば、ユーザすべての会議室からの退出が検出されると、会議が終了したと判定して、ディスプレイ装置200を停止させることができる。このため、ユーザ等によるディスプレイ装置200を停止させるための操作入力がなくともディスプレイ装置200を停止させることができる。なお。信号送信部152は、例えば、第2検出部154により、ユーザすべての会議室からの退出を検出してすぐにディスプレイ装置200を停止するのではなく、ユーザすべての会議室からの退出を検出した後の第2所定時間の間、1又は複数のユーザを検出できない場合に、会議の終了と判定して、ディスプレイ装置200を停止させる無線制御信号を通信部165から送信するように構成してもよい。「第2所定時間」とは、会議の状況に応じたユーザの存在や状況を検出するために必要な時間である。
【0046】
第2検出部154は、他の例として、音声入力部180により取得された会議管理装置100の周囲の音声から、人が発する音声を検出することで、会議の1又は複数の参加者300(ユーザ)を検出することで、会議の状況が開始したと判定する構成にしてもよい。音声入力部180は、制御部150の制御によって、音声を入力して、音声情報を取得する機能部であり、図2のマイクロフォン135に相当する。また、第2検出部154は、他の例として、撮像部175により撮像されたディスプレイ装置200を含む所定の範囲の画像を解析することにより、会議の1又は複数の参加者300を検出してもよい。具体的には、第2検出部154は、会議室のドア周辺の領域を撮像して、当該撮像することによって取得された画像情報と、予め記憶部160に登録した1又は複数の参加者300の存在を表す特徴パターンとを照合させる。第2検出部154は、照合の結果に基づいて、会議の1又は複数の参加者300を検出してもよい。「所定の範囲」とは、撮像部175が撮像の際に捉えられる範囲を含む。
【0047】
通知部155は、例えば、第1検出部153が検出したディスプレイ装置200が起動しているか否かを音声出力部190に音声出力させることで会議の参加者300等に通知する。音声出力部190は、制御部150の制御によって、判定部151により判定された会議の状況やディスプレイ装置200の起動状態等を音声出力する機能部であり、図2のスピーカー145に相当する。
【0048】
通知部155は、例えば、第1検出部153により起動していることが検出された場合は「起動成功」と、また、少なくとも1回以上起動していないことが検出された場合「起動失敗」といった起動の状況を音声出力部190に音声出力させることで会議の参加者300等に通知してもよい。また、通知部155は、例えば、判定部151が判定した会議の状況を音声出力部190に音声出力させることで会議の参加者300等に通知してもよい。この構成によれば、会議の参加者300がディスプレイ装置200を確認できる場所にいない場合に、ディスプレイ装置200の起動状態や起動状況等を知らせることができる。
【0049】
記憶部160は、本実施形態に係る会議管理機能を有する会議管理プログラムを記憶する。また、記憶部160は、スケジュール情報取得部157がスケジュールサーバ等から取得した会議のスケジュール情報、撮像部175により撮像された画像情報、ディスプレイ装置200の終了の状態を表す特徴パターンを示す情報、又は1又は複数の参加者300の存在を表す特徴パターン示す情報等を記憶してもよい。記憶部160は、図2の記憶装置115に相当する。
【0050】
(3.動作)
図4を参照して、本実施形態に係る会議管理装置100の動作例について説明する。図4は、会議管理装置100によるディスプレイ装置200の起動制御処理の流れを示すフロー図である。
【0051】
まず、会議管理装置100は、ディスプレイ装置200の起動状態について問い合わせて当該起動状況を確認する。ディスプレイ装置200の起動状態の検出方法としては、上述した様々な手法を取りうる。例えば、会議管理装置100とディスプレイ装置200とがHDMIケーブルで接続されている場合、会議管理装置100は、ディスプレイ装置200の起動状態を、HDMIケーブルを介してCEC制御信号で問い合わせる。そして、会議管理装置100は、ディスプレイ装置200からのこの問い合わせに対するCEC制御信号の応答に基づいて、ディスプレイ装置200の起動の有無を検出する。具体的に、会議管理装置100は、ディスプレイ装置200の起動を検出する場合(S10のNO)、再度、ディスプレイ装置200の起動状態について問い合わせて当該起動状況を確認する。他方で、会議管理装置100は、ディスプレイ装置200の起動を検出しなかった場合(S10のYES)、ステップS11に進む。
【0052】
次に、会議管理装置100は、イベントドリブン又は固定サイクルで、会議の状況を判定する。会議管理装置100は、例えば、会議に参加している1又は複数の参加者300を検出することで、会議の開始を判定してもよい。会議管理装置100は、判定した会議の状況が「会議の開始」である場合(S11のYES)、ディスプレイ装置200を起動させるための無線制御信号をディスプレイ装置200に送信する(S12)。他方で、会議管理装置100は、判定した会議の状況が「会議の開始」でない場合(S11のNO)、起動制御処理を終了する。
【0053】
会議管理装置100は、無線制御信号を送信してから第1所定時間経過後にディスプレイ装置200が起動しているか否かを検出する。会議管理装置100は、ディスプレイ装置200の起動を検出する場合(S13のYES)、起動制御処理を終了する。他方で、会議管理装置100は、ディスプレイ装置200の起動を検出できない場合(S13のNO)、ステップS12に戻って、ディスプレイ装置200を起動させるための無線制御信号の送信等を再度行う。
【0054】
前述の各処理ステップは、処理内容に矛盾を生じない範囲で、任意に順番を変更して若しくは並列に実行することができ、また、各処理ステップ間に他のステップを追加しても良い。更に、1つのステップとして記載されているステップは複数のステップに分けて実行することもでき、複数に分けて記載されているステップを1ステップとして実行することもできる。
【0055】
[変形例]
本発明を上記実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれらの形態に限定されない。以下のような変形例も本発明に含まれる。
【0056】
外部装置を起動または停止させるための無線制御信号を送信するトリガーとして様々な形態を含む。例えば、判定部151は、ユーザが操作する端末装置の、図1に示す会議管理システム500への接続の有無を検出することによって、会議状況を判定してもよい。具体的に、会議管理装置100における画像や音声の入力端子等を介して、画像データや音声データの入力を検出することによって、端末装置の接続の有無を判定する。そして、判定部151は、少なくとも一台の端末装置が会議管理システム500に接続する場合に、会議の状況を「会議の開始」と判定してもよい。他方、判定部151は、会議管理システム500に接続している端末装置の全ての接続が解除される場合に、会議の状況を「会議の終了」と判定してもよい。なお、判定部151は、特定の端末装置の、会議管理システム500への接続の有無に応じて、会議の状況を判定してもよい。
【0057】
判定部151は、会議管理装置100等の端末装置において会議に用いられるツールの動作状況に応じて会議状況を判定してもよい。例えば、制御部150等が、端末装置上の資料データ閲覧ソフト等のツールによって会議に用いられるプレゼンテーション資料が開かれたことを検出した場合、判定部151は、会議の状況を「会議の開始」と判定してもよい。また、制御部150等がこの閲覧ソフト等のツールによってプレゼンテーション資料が閉じられたことを検出した場合、判定部151は、会議の状況を「会議終了」と判定してもよい。
【0058】
上記実施の形態では、ディスプレイ装置200の起動状況等を音声出力により会議の参加者300等のユーザに通知する例を説明したが、通知の態様はこれに限定されず、例えば、ユーザが保有するスマートフォン等の端末にディスプレイ装置200の起動状況等を表示出力することで通知してもよい。
【0059】
上記実施の形態では、判定部151の判定結果、第2検出部154の検出結果に応じてディスプレイ装置200の起動のための無線制御信号を通信部165から送信する例を示したが、判定部151の判定結果と第2検出部154の検出結果のいずれか一方に応じてディスプレイ装置200の起動のための無線制御信号を通信部165から送信する構成としてもよい。
【0060】
[他の実施形態]
上記実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するものではない。本発明はその趣旨を逸脱することなく、変更/改良(たとえば、各実施形態を組み合わせること、各実施形態の一部の構成を省略すること)され得るとともに、本発明にはその等価物も含まれる。
【符号の説明】
【0061】
100…会議管理装置、151…判定部、152…信号送信部、153…第1検出部、154…第2検出部、156…データ送信部、157…スケジュール情報取得部、175…撮像部、400…HDMIケーブル
図1
図2
図3
図4
【手続補正書】
【提出日】2019年6月10日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像データ及び音声データの少なくとも一方の送受信を可能にする情報処理装置であって、
画像及び音声の少なくとも一方を出力する外部装置へ前記画像データ及び前記音声データの少なくとも一方を送信する第1送信部と、
前記外部装置を起動または停止させるための無線制御信号を送信する第2送信部と、
前記外部装置が起動しているか否かを検出する第1検出部と、
を備え、
前記第1検出部は、HDMIケーブルを介して、前記外部装置の起動状態を問い合わせることにより、前記外部装置が起動しているか否かを検出する、
情報処理装置。
【請求項2】
前記第2送信部は、前記無線制御信号として、前記外部装置の起動状態と停止状態とを切り替える赤外線信号を送信する赤外線送信部を備える、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記外部装置を含む所定の範囲を撮像する撮像部をさらに備え、
前記第1検出部は、撮像されることによって取得された画像情報に基づいて、前記外部装置が起動しているか否かを検出する、
請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
1又は複数のユーザを検出する第2検出部をさらに備え、
前記第2送信部は、前記1又は複数のユーザを検出した場合に、前記無線制御信号を送信する、
請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記情報処理装置が利用されるイベントの進行に係る時間情報を含むスケジュール情報を取得するスケジュール情報取得部と、
前記時間情報が所定の設定条件を満たしているか否かを判定する判定部と、をさらに備え、
前記第2送信部は、前記時間情報が前記所定の設定条件を満たす場合に、前記無線制御信号を送信する、
請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記情報処理装置が利用されるイベント参加者IDを含むスケジュール情報を取得するスケジュール情報取得部と、
前記参加者IDで特定されるユーザによる接続を判定する判定部と、をさらに備え、
前記第2送信部は、前記参加者IDで特定されるユーザによる接続を判定した場合に、前記無線制御信号を送信する、
請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記第2送信部は、前記外部装置の起動が検出されない場合は、前記無線制御信号を再送する、
請求項1からのいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
画像データ及び音声データの少なくとも一方の送受信を可能にするコンピュータに、
画像及び音声の少なくとも一方を出力する外部装置へ前記画像データ及び前記音声データの少なくとも一方を送信する第1送信機能と、
前記外部装置を起動または停止させるための無線制御信号を送信する第2送信機能と、
前記外部装置が起動しているか否かを検出する検出機能と、を実現させ、
前記検出機能は、HDMIケーブルを介して、前記外部装置の起動状態を問い合わせることにより、前記外部装置が起動しているか否かを検出する、
プログラム。
【請求項9】
画像データ及び音声データの少なくとも一方の送受信を可能にするコンピュータが、
画像及び音声の少なくとも一方を出力する外部装置へ前記画像データ及び前記音声データの少なくとも一方を送信するステップと、
前記外部装置を起動または停止させるための無線制御信号を送信するステップと、
前記外部装置が起動しているか否かを検出するステップと、を含
前記検出するステップは、HDMIケーブルを介して、前記外部装置の起動状態を問い合わせることにより、前記外部装置が起動しているか否かを検出する、
情報処理方法。
【請求項10】
画像データ及び音声データの少なくとも一方の送受信を可能にする情報処理装置であって、
画像及び音声の少なくとも一方を出力する外部装置へ前記画像データ及び前記音声データの少なくとも一方を送信する第1送信部と、
前記外部装置を起動または停止させるための無線制御信号を送信する第2送信部と、
前記外部装置が起動しているか否かを検出する第1検出部と、
前記情報処理装置が利用されるイベントの参加者IDを含むスケジュール情報を取得するスケジュール情報取得部と、
前記参加者IDで特定されるユーザによる接続を判定する判定部と、を備え、
前記第2送信部は、前記参加者IDで特定されるユーザによる接続を判定した場合に、前記無線制御信号を送信する、
情報処理装置。
【請求項11】
画像データ及び音声データの少なくとも一方の送受信を可能にするコンピュータに、
画像及び音声の少なくとも一方を出力する外部装置へ前記画像データ及び前記音声データの少なくとも一方を送信する第1送信機能と、
前記外部装置を起動または停止させるための無線制御信号を送信する第2送信機能と、
前記外部装置が起動しているか否かを検出する検出機能と、
前記情報処理装置が利用されるイベントの参加者IDを含むスケジュール情報を取得するスケジュール情報取得機能と、
前記参加者IDで特定されるユーザによる接続を判定する判定機能と、を実現させ、
前記第2送信機能は、前記参加者IDで特定されるユーザによる接続を判定した場合に、前記無線制御信号を送信する、
プログラム。
【請求項12】
画像データ及び音声データの少なくとも一方の送受信を可能にするコンピュータが、
画像及び音声の少なくとも一方を出力する外部装置へ前記画像データ及び前記音声データの少なくとも一方を送信するステップと、
前記外部装置を起動または停止させるための無線制御信号を送信するステップと、
前記外部装置が起動しているか否かを検出するステップと、
前記情報処理装置が利用されるイベントの参加者IDを含むスケジュール情報を取得するステップと、
前記参加者IDで特定されるユーザによる接続を判定するステップと、を含み、
前記無線制御信号を送信するステップは、前記参加者IDで特定されるユーザによる接続を判定した場合に、前記無線制御信号を送信する、
情報処理方法。