特開2019-220812(P2019-220812A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2019-220812(P2019-220812A)
(43)【公開日】2019年12月26日
(54)【発明の名称】光電センサ
(51)【国際特許分類】
   H03K 17/78 20060101AFI20191129BHJP
   G01J 1/42 20060101ALN20191129BHJP
【FI】
   H03K17/78 B
   G01J1/42 N
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2018-115951(P2018-115951)
(22)【出願日】2018年6月19日
(71)【出願人】
【識別番号】000006666
【氏名又は名称】アズビル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100123434
【弁理士】
【氏名又は名称】田澤 英昭
(74)【代理人】
【識別番号】100101133
【弁理士】
【氏名又は名称】濱田 初音
(74)【代理人】
【識別番号】100199749
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 成
(74)【代理人】
【識別番号】100188880
【弁理士】
【氏名又は名称】坂元 辰哉
(74)【代理人】
【識別番号】100197767
【弁理士】
【氏名又は名称】辻岡 将昭
(74)【代理人】
【識別番号】100201743
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 和真
(72)【発明者】
【氏名】田島 良一
(72)【発明者】
【氏名】立石 幸一
【テーマコード(参考)】
2G065
5J050
【Fターム(参考)】
2G065AB22
2G065AB28
2G065BA01
2G065BB11
2G065CA21
2G065CA23
2G065CA25
2G065DA03
2G065DA15
5J050AA36
5J050BB16
5J050EE13
5J050EE24
5J050EE39
5J050FF04
(57)【要約】
【課題】モニタ用のフォトダイオードを用いずに、発光ダイオードの温度補正及び発光ダイオードの寿命予測を実施可能とする。
【解決手段】光を発光する発光ダイオード1011と、発光ダイオード1011の周辺に配置され、温度及び湿度を検出するMEMSセンサである温湿度センサ104と、温湿度センサ104により検出された温度に基づいて、発光ダイオード1011に対する温度補正を行う温度補正部1052と、温湿度センサ104により検出された温度及び湿度に基づいて、発光ダイオード1011の寿命を予測する寿命予測部1053とを備えた。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光を発光する光源と、
前記光源の周辺に配置され、温度及び湿度を検出するMEMSセンサである温湿度センサと、
前記温湿度センサにより検出された温度に基づいて、前記光源に対する温度補正を行う温度補正部と、
前記温湿度センサにより検出された温度及び湿度に基づいて、前記光源の寿命を予測する寿命予測部と
を備えた光電センサ。
【請求項2】
前記寿命予測部は、アイリングモデルにより前記光源の寿命を予測する
ことを特徴とする請求項1記載の光電センサ。
【請求項3】
前記光源を含む自機が有する各部が収納された筐体と、
前記筐体内に配置され、加速度を検出するMEMSセンサである加速度センサとを備え、
前記寿命予測部は、前記加速度センサにより検出された加速度に基づいて、自機の機械的寿命を予測する
ことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の光電センサ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、光源を有する光電センサに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、自動で投光量を制御するAPC(Automatic Power Control)機能を有する光電センサが知られている(例えば特許文献1参照)。このAPC機能により、光源が周囲の温度により劣化した場合でも投光量を一定に制御可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−217702号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来のAPC機能を有する光電センサでは、投光量をモニタするためのフォトダイオードが別途必要となる。そして、このモニタ用のフォトダイオードは部品サイズが大きいため、光電センサの小型化に対する妨げとなる。また、APC機能では、光源の温度による劣化は補正できるが、光源の寿命そのものは予測できない。
【0005】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、モニタ用のフォトダイオードを用いずに、光源の温度補正及び光源の寿命予測を実施可能な光電センサを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に係る光電センサは、光を発光する光源と、光源の周辺に配置され、温度及び湿度を検出するMEMSセンサである温湿度センサと、温湿度センサにより検出された温度に基づいて、光源に対する温度補正を行う温度補正部と、温湿度センサにより検出された温度及び湿度に基づいて、光源の寿命を予測する寿命予測部とを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
この発明によれば、上記のように構成したので、モニタ用のフォトダイオードを用いずに、光源の温度補正及び光源の寿命予測が実施可能である。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】この発明の実施の形態1に係る光電センサの構成例を示す図である。
図2】この発明の実施の形態1における処理部の構成例を示す図である。
図3】この発明の実施の形態1における処理部による温度補正及び寿命予測の動作例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、この発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1に係る光電センサの構成例を示す図である。
光電センサは、検出領域を介して光の投受光を行い、その受光結果に基づいて検出領域における物体の有無判定等の各種処理を行う。以下では、光電センサが有する構成のうちの投光側の構成のみを示す。この光電センサは、図1に示すように、投光部101、スイッチ102、リファレンス電圧生成部103、温湿度センサ104、処理部105及び通知部106を備えている。なお、光電センサの種別は特に限定されず、透過型、反射型及びリフレクタ型の何れでもよい。
【0010】
投光部101は、光を発光して検出領域に投光する。この投光部101は、図1に示すように、発光ダイオード(光源)1011、トランジスタ1012及び抵抗1013を有している。
【0011】
発光ダイオード1011は、光を発光する。この発光ダイオード1011は、アノードに定電圧源(図1に示すVcc)が接続されている。
トランジスタ1012は、コレクタ端子に発光ダイオード1011のカソードが接続されている。
抵抗1013は、一端がトランジスタ1012のエミッタ端子に接続され、他端がグランドに接続されている。
【0012】
リファレンス電圧生成部103は、処理部105から入力された信号を増幅する。
スイッチ102は、トランジスタ1012のベース端子をリファレンス電圧生成部103又はグランドと接続する。
【0013】
温湿度センサ104は、発光ダイオード1011の周辺に配置され、温度及び湿度を検出する。この温湿度センサ104は、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)センサである。
【0014】
処理部105は、リファレンス電圧生成部103に対して信号を出力し、また、スイッチ102を制御する。また、処理部105は、温湿度センサ104による検出結果に基づいて、発光ダイオード1011に対する温度補正及び寿命予測を行う機能も有している。この処理部105は、上記機能を実現するための構成として、図2に示すように、記録部1051、温度補正部1052及び寿命予測部1053を有している。なお、処理部105は、システムLSI(Large Scale Integration)等の処理回路、又はメモリ等に記憶されたプログラムを実行するCPU(Central Processing Unit)等により実現される。
【0015】
記録部1051は、温湿度センサ104による検出結果を記録する。なお、記録部1051は、メモリ等によって構成される。
【0016】
温度補正部1052は、記録部1051に記録されている情報(温度)に基づいて、発光ダイオード1011に対する温度補正を行う。この際、温度補正部1052は、リファレンス電圧生成部103に対して出力する信号に補正値を付加することで、発光ダイオード1011に対する温度補正を行う。
【0017】
寿命予測部1053は、記録部1051に記録されている情報(温度及び湿度)に基づいて、発光ダイオード1011の寿命を予測する。この際、寿命予測部1053は、アイリングモデルにより発光ダイオード1011の寿命を予測する。
【0018】
通知部106は、寿命予測部1053による予測結果を外部に通知する。この際、通知部106は、例えば、寿命予測部1053により予測された寿命をそのまま通知してもよいし、当該寿命が閾値より短くなった場合に通知を行うようにしてもよい。この通知部106としては、例えば、情報を画面上に表示する表示部、情報を音声で通知する音声出力部又は情報を外部装置に送信する通信部等が挙げられる。
【0019】
次に、実施の形態1における処理部105による温度補正及び寿命予測の動作例について、図3を参照しながら説明する。なお、温湿度センサ104は発光ダイオード1011の周辺の温度及び湿度を検出し、記録部1051は温湿度センサ104による検出結果を記録しているものとする。
実施の形態1における処理部105による温度補正及び寿命予測の動作例では、図3に示すように、まず、温度補正部1052は、記録部1051に記録されている情報(温度)に基づいて、発光ダイオード1011に対する温度補正を行う(ステップST1)。この温度補正部1052による温度補正の処理内容は、従来の光電センサにおける処理と同様であり、その詳細については説明を省略する。
【0020】
また、寿命予測部1053は、記録部1051に記録されている情報(温度及び湿度)に基づいて、発光ダイオード1011の寿命を予測する(ステップST2)。この際、寿命予測部1053は、下式(1)に示すアイリングモデルに基づいて、発光ダイオード1011の寿命を予測する。式(1)において、Lは発光ダイオード1011の寿命を表し、Aは定数を表し、Eは活性化エネルギーを表し、kはボルツマン定数を表し、Tは温度(絶対温度)を表し、βは定数を表し、RHは湿度(相対湿度)を表す。なお、A,E,k,βは既知である。また、A,βは、光電センサの設計後、温度及び湿度を変化させながら寿命を実測することで得られる。
L=A・exp(E/k・T)・exp(β/RH) (1)
【0021】
近年、MEMS技術により温湿度センサの小型化及び高性能化が進んでいる。そこで、実施の形態1に係る光電センサでは、従来のモニタ用のフォトダイオードに代えて、MEMSセンサである温湿度センサ104を発光ダイオード1011の周辺に配置している。よって、実施の形態1に係る光電センサは、小型化の要求を満たしつつ、温湿度センサ104による検出結果に基づいて発光ダイオード1011に対する温度補正を実施可能となる。
【0022】
また、発光ダイオードの寿命は周辺の温度及び湿度によって変動する。これに対し、実施の形態1に係る光電センサでは、上記のように、MEMSセンサである温湿度センサ104を発光ダイオード1011の周辺に配置している。よって、実施の形態1に係る光電センサは、発光ダイオード1011に対する温度補正に加え、温湿度センサ104による検出結果に基づいて発光ダイオード1011の大まかな寿命予測も実施可能となる。
【0023】
また、実施の形態1に係る光電センサにおいて、加速度を検出する加速度センサ(MEMSセンサ)を用いて、光電センサの機械的寿命を予測してもよい。この場合、加速度センサは、発光ダイオード1011を含む光電センサが有する各部が収納された筐体内に設けられる。また、記録部1051は、加速度センサによる検出結果も記録する。そして、寿命予測部1053は、記録部1051に記録されている情報(加速度)に基づいて、光電センサの機械的寿命を予測する。例えば、加速度センサが発光ダイオード1011の周辺に配置されている場合、寿命予測部1053は、発光ダイオード1011と当該発光ダイオード1011が実装された基板との間のはんだ部分等の劣化具合を予測可能となる。
【0024】
また、実施の形態1に係る光電センサは、光電センサが周期的な振動を伴う装置に組込まれる場合、振動を検出する振動センサ(MEMSセンサ)を用いて、受光側の受光量データを補正してもよい。
【0025】
また、上記のような各種のMEMSセンサにより得られる情報(温度、湿度、加速度又は振動)は、産業界で近年盛んに行われているデジタルツイン又はサイバーフィジカルシステムといった取組みにおいても有用であると考えられる。すなわち、これらの取組みでは現実に即した挙動を示す物理モデルを装置毎に定義することが不可欠である。そして、物理モデルを定義する上で、装置の一部となる光電センサに上記のMEMSセンサを予め取付けることで、別途センサを用いることなく装置の局所的な周囲条件を扱うことが可能となるためである。
【0026】
以上のように、この実施の形態1によれば、光電センサは、光を発光する発光ダイオード1011と、発光ダイオード1011の周辺に配置され、温度及び湿度を検出するMEMSセンサである温湿度センサ104と、温湿度センサ104により検出された温度に基づいて、発光ダイオード1011に対する温度補正を行う温度補正部1052と、温湿度センサ104により検出された温度及び湿度に基づいて、発光ダイオード1011の寿命を予測する寿命予測部1053とを備えた。これにより、実施の形態1に係る光電センサは、モニタ用のフォトダイオードを用いずに、発光ダイオード1011の温度補正及び発光ダイオード1011の寿命予測が実施可能である。
【0027】
なお、本願発明はその発明の範囲内において、実施の形態の任意の構成要素の変形、もしくは実施の形態の任意の構成要素の省略が可能である。
【符号の説明】
【0028】
101 投光部
102 スイッチ
103 リファレンス電圧生成部
104 温湿度センサ
105 処理部
106 通知部
1011 発光ダイオード(光源)
1012 トランジスタ
1013 抵抗
1051 記録部
1052 温度補正部
1053 寿命予測部
図1
図2
図3