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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2019-220853(P2019-220853A)
(43)【公開日】2019年12月26日
(54)【発明の名称】着信連動カメラシステム
(51)【国際特許分類】
   H04N 7/18 20060101AFI20191129BHJP
   H04M 11/00 20060101ALI20191129BHJP
   G08B 25/00 20060101ALI20191129BHJP
   G08B 25/10 20060101ALI20191129BHJP
【FI】
   H04N7/18 D
   H04M11/00 301
   G08B25/00 510M
   G08B25/10 D
   H04N7/18 E
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2018-117101(P2018-117101)
(22)【出願日】2018年6月20日
(71)【出願人】
【識別番号】514203731
【氏名又は名称】株式会社チャオ
(74)【代理人】
【識別番号】100099508
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 久
(74)【代理人】
【識別番号】100182567
【弁理士】
【氏名又は名称】遠坂 啓太
(74)【代理人】
【識別番号】100197642
【弁理士】
【氏名又は名称】南瀬 透
(72)【発明者】
【氏名】綿引 隆一
(72)【発明者】
【氏名】新田 智昭
【テーマコード(参考)】
5C054
5C087
5K201
【Fターム(参考)】
5C054CH02
5C054DA09
5C054FC01
5C054FC12
5C054FE02
5C054FE11
5C054FE23
5C054HA18
5C087AA02
5C087AA03
5C087AA09
5C087AA25
5C087AA44
5C087BB20
5C087BB74
5C087DD03
5C087EE05
5C087EE18
5C087FF01
5C087FF02
5C087FF16
5C087GG02
5C087GG08
5C087GG66
5C087GG70
5C087GG83
5K201BA03
5K201CA06
5K201CB01
5K201CC04
5K201CC08
5K201EC06
5K201EE08
(57)【要約】
【課題】携帯電話機等のユーザ端末からの着信があった際に、そのユーザ端末の周囲の状況を把握可能にする着信連動カメラシステムの提供。
【解決手段】複数の拠点にそれぞれ設置されたカメラ2と、カメラ2が設置されている各拠点の場所に関する情報を記憶するカメラ設置情報記憶手段23と、カメラ2のそれぞれにより撮影された画像を動画像として記憶する画像データ記憶手段21と、ユーザ端末6からの着信を受け付ける着信受付手段27と、着信を受け付けたユーザ端末6の位置情報を取得する位置情報取得手段28と、位置情報取得手段28により取得した位置情報に基づいて、カメラ設置情報記憶手段23に記憶されたカメラ2が設定されている各拠点の場所に関する情報から近くのカメラを特定するカメラ特定手段29と、カメラ特定手段29により特定された近くのカメラの動画像を画像データ記憶手段21から取得して提供する動画像提供手段22とを有する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の拠点にそれぞれ設置されたカメラと、
前記カメラが設置されている各拠点の場所に関する情報を記憶するカメラ設置情報記憶手段と、
前記カメラのそれぞれにより撮影された画像を動画像として記憶する画像データ記憶手段と、
ユーザ端末からの着信を受け付ける着信受付手段と、
前記着信受付手段により着信を受け付けたユーザ端末の位置情報を取得する位置情報取得手段と、
前記位置情報取得手段により取得した位置情報に基づいて、前記カメラ設置情報記憶手段に記憶された前記カメラが設置されている各拠点の場所に関する情報から近くのカメラを特定するカメラ特定手段と、
前記カメラ特定手段により特定された前記近くのカメラの動画像を前記画像データ記憶手段から取得して提供する動画像提供手段と
を有する着信連動カメラシステム。
【請求項2】
前記カメラが設置されている各拠点を地図上に表示した画像を提供するカメラ拠点位置提供手段を有する請求項1記載の着信連動カメラシステム。
【請求項3】
前記カメラ拠点位置提供手段は、前記カメラ特定手段により特定された前記近くのカメラの位置を前記地図上に表示するものである請求項2記載の着信連動カメラシステム。
【請求項4】
前記画像データ記憶手段は、さらに前記カメラによりそれぞれ撮影された画像をサムネイル画像として記憶するものであり、
さらに、
前記カメラ特定手段により特定された前記近くのカメラに対応するサムネイル画像を前記画像データ記憶手段から取得して一覧表示した画像を提供するサムネイル画像提供手段と、
前記サムネイル画像提供手段により前記サムネイル画像が一覧表示されたカメラのうち選択されたカメラに対応する動画像を前記画像データ記憶手段から取得して提供する動画像提供手段と
を有する請求項1から3のいずれか1項に記載の着信連動カメラシステム。
【請求項5】
前記画像データ記憶手段に記憶される動画像は、前記カメラのそれぞれにより撮影された静止画像から生成された動画像である請求項1から4のいずれか1項に記載の着信連動カメラシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザ端末からの着信に応じてユーザの近くのカメラの画像を表示することが可能な着信連動カメラシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
本出願人は、連続した複数フレーム画像を伝送して動画像を合成する際、ぶれや残像の発生を防止しつつ伝送量を抑えることを可能にした画像伝送装置を開発している(特許文献1参照。)。この画像伝送装置によれば、少ない伝送量で高品質な動画像を得ることができ、低コストで複数の拠点に多数のカメラを設置することが可能であり、防犯や監視等を目的としたカメラの普及がより一層進むものと思われる。
【0003】
ところで、近年、GPSを搭載した携帯電話機の普及により、携帯電話機から警察、消防、海上保安等の緊急通報先への通報時に、その携帯電話機の所在位置を通報先に通知する緊急通報システムが開発されている(例えば、特許文献2参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第6049024号公報
【特許文献2】特開2007−180685号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記緊急通報システムは、単に緊急通報がなされた携帯電話機の所在位置を通報するのみである。そのため、緊急通報を受け付けた警察等では、緊急通報がなされた位置はすぐに把握することができるものの、通報現場の状況は通報者との通話のやり取りのみから把握することしかできない。
【0006】
そこで、本発明においては、携帯電話機等のユーザ端末からの着信があった際に、そのユーザ端末の周囲の状況を把握可能にする着信連動カメラシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の着信連動カメラシステムは、複数の拠点にそれぞれ設置されたカメラと、カメラが設置されている各拠点の場所に関する情報を記憶するカメラ設置情報記憶手段と、カメラのそれぞれにより撮影された画像を動画像として記憶する画像データ記憶手段と、ユーザ端末からの着信を受け付ける着信受付手段と、着信受付手段により着信を受け付けたユーザ端末の位置情報を取得する位置情報取得手段と、位置情報取得手段により取得した位置情報に基づいて、カメラ設置情報記憶手段に記憶されたカメラが設置されている各拠点の場所に関する情報から近くのカメラを特定するカメラ特定手段と、カメラ特定手段により特定された近くのカメラの動画像を画像データ記憶手段から取得して提供する動画像提供手段とを有するものである。
【0008】
本発明の着信連動カメラシステムによれば、ユーザ端末からの着信を受け付けた際に、ユーザ端末の位置情報を取得して、この取得した位置情報に基づいて、ユーザ端末の近くのカメラを特定し、この特定されたカメラの動画像が提供される。
【0009】
本発明の着信連動カメラシステムは、カメラが設置されている各拠点を地図上に表示した画像を提供するカメラ拠点位置提供手段を有するものであることが望ましい。カメラが設置されている各拠点が地図上に表示された画像が提供されるとともに、前述のようにユーザ端末からの着信を受け付けた際に、ユーザ端末の近くのカメラの動画像が提供される。
【0010】
また、カメラ拠点位置提供手段は、カメラ特定手段により特定された近くのカメラの位置を地図上に表示するものであることが望ましい。これにより、前述のようにユーザ端末からの着信を受け付けた際に、ユーザ端末の近くのカメラの動画像が提供されるとともに、そのカメラの位置が地図上に表示される。
【0011】
また、本発明の着信連動カメラシステムは、画像データ記憶手段が、さらにカメラによりそれぞれ撮影された画像をサムネイル画像として記憶するものであり、さらに、カメラ特定手段により特定された近くのカメラに対応するサムネイル画像を画像データ記憶手段から取得して一覧表示した画像を提供するサムネイル画像提供手段と、サムネイル画像提供手段によりサムネイル画像が一覧表示されたカメラのうち選択されたカメラに対応する動画像を画像データ記憶手段から取得して提供する動画像提供手段とを有するものであることが望ましい。これにより、ユーザ端末からの着信を受け付けた際に、ユーザ端末の位置情報を取得して、この取得した位置情報に基づいて、ユーザ端末の近くのカメラを特定すると、この特定された近くのカメラに対応するサムネイル画像が一覧表示され、このサムネイル画像が一覧表示されたカメラからカメラを選択すると、その選択されたカメラに対応する動画像が提供される。
【発明の効果】
【0012】
(1)複数の拠点にそれぞれ設置されたカメラと、カメラが設置されている各拠点の場所に関する情報を記憶するカメラ設置情報記憶手段と、カメラのそれぞれにより撮影された画像を動画像として記憶する画像データ記憶手段と、ユーザ端末からの着信を受け付ける着信受付手段と、着信受付手段により着信を受け付けたユーザ端末の位置情報を取得する位置情報取得手段と、位置情報取得手段により取得した位置情報に基づいて、カメラ設置情報記憶手段に記憶されたカメラが設置されている各拠点の場所に関する情報から近くのカメラを特定するカメラ特定手段と、カメラ特定手段により特定された近くのカメラの動画像を画像データ記憶手段から取得して提供する動画像提供手段とを有する構成により、ユーザ端末からの着信を受け付けた際に、そのユーザ端末の近くのカメラの動画像が提供され、このカメラの動画像からそのユーザ端末の周囲の状況を把握することが可能となる。
【0013】
(2)カメラが設置されている各拠点を地図上に表示した画像を提供するカメラ拠点位置提供手段を有する構成により、カメラが設置されている各拠点が地図上に表示された画像とともに、ユーザ端末の近くのカメラの動画像が提供されるので、ユーザ端末からの着信を受け付け、そのユーザ端末の近くのカメラの動画像が提供された際に、その周囲のカメラが設置されている各拠点を地図上で確認することが可能となる。
【0014】
(3)カメラ拠点位置提供手段が、カメラ特定手段により特定された近くのカメラの位置を地図上に表示するものであることにより、前述のようにユーザ端末からの着信を受け付けた際に、ユーザ端末の近くのカメラの動画像が提供されるとともに、そのカメラの位置を地図上で確認することが可能となる。
【0015】
(4)画像データ記憶手段が、さらにカメラによりそれぞれ撮影された画像をサムネイル画像として記憶するものであり、さらに、カメラ特定手段により特定された近くのカメラに対応するサムネイル画像を画像データ記憶手段から取得して一覧表示した画像を提供するサムネイル画像提供手段と、サムネイル画像提供手段によりサムネイル画像が一覧表示されたカメラのうち選択されたカメラに対応する動画像を画像データ記憶手段から取得して提供する動画像提供手段とを有する構成により、ユーザ端末からの着信を受け付けた際に、ユーザ端末の位置情報から特定された近くのカメラに対応するサムネイル画像が一覧表示され、このサムネイル画像が一覧表示されたカメラからカメラを選択すると、その選択されたカメラに対応する動画像が提供されるので、着信を受け付けたユーザ端末の近くに設置されているカメラの中から容易にカメラを特定してその動画像を容易に確認することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の実施の形態における着信連動カメラシステムの概略構成図である。
図2図1の着信連動カメラシステムのブロック図である。
図3】カメラが設置されている各拠点を地図上に表示した画像の例を示す図である。
図4】動画像表示画面の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1は本発明の実施の形態における着信連動カメラシステムの概略構成図、図2図1の着信連動カメラシステムのブロック図である。
【0018】
図1において、本発明の実施の形態における着信連動カメラシステム1は、複数の拠点にそれぞれ設置されるカメラ2と、各拠点に設置され、各拠点のカメラ2がそれぞれ接続される拠点サーバ3と、拠点サーバ3と電気通信回線Nにより接続されるクラウドサーバ4と、クラウドサーバ4に電気通信回線Nを介して接続するコンピュータ5とから構成される。コンピュータ5は、警察、消防、海上保安、保険会社等の緊急通報先(コールセンタ)に設置される。
【0019】
カメラ2は、所定の時間間隔(例えば、1/120秒〜1秒間隔)で静止画像を撮像することにより、連続した複数フレームの画像を取得する撮像装置である。なお、各拠点に設置されるカメラ2は、一つであっても複数であっても良い。
【0020】
図2に示すように、拠点サーバ3は、カメラ2により順次取得される連続した複数フレームの各フレームの画像を一時記憶する記憶手段10と、所定のタイミングごとに基準となるフレーム(以下、「基準フレーム」と称す。)の画像のデータ(以下、「基準画像データ」と称す。)をクラウドサーバ4に伝送する基準画像伝送手段11と、複数フレームの基準フレームの後の各フレームから抽出する領域(以下、「抽出領域」と称す。)を算出する抽出領域算出手段12と、各フレームの画像から各フレームの抽出領域の画像データを順次抽出してクラウドサーバ4に伝送する抽出画像伝送手段13とを有する。
【0021】
基準画像伝送手段11は、カメラ2により順次取得される連続した複数フレームの画像から所定のタイミングごとに基準となるフレーム(基準フレーム)の画像のデータ(基準画像データ)をクラウドサーバに伝送する。基準フレームは、予め設定された時間(例えば、30秒間隔や1分間隔など)や、予め設定されたフレーム数等のタイミングごとに決定される。
【0022】
抽出領域算出手段12は、カメラ2により順次取得される連続した複数フレームの画像から背景とする画像(以下、「背景画像」と称す。)を得て、カメラ2により順次取得される連続した複数フレームの基準フレームの後の各フレームについて、順次、各フレームの画像と背景画像との間で差が発生している領域を取り囲む第1領域と、各フレームの直前のフレームの画像と背景画像との間で差が発生している領域を取り囲む第2領域との両方を取り囲む第3領域を算出する。第3領域が、抽出画像伝送手段13により抽出して伝送する領域(抽出領域)である。
【0023】
背景画像は、各フレームの直前の複数フレームの画像を平均化したものを用いる。例えば、あるフレームについて背景画像との差が発生している領域を算出する場合、抽出領域算出手段12は、このフレームの直前の100フレームの画像を平均化したものを背景画像とする。そして、この背景画像とこのフレームとの差分を取る。
【0024】
抽出領域算出手段12は、このような差分処理を基準フレームの後の各フレームについて行い、各フレームの画像と背景画像との間で差が発生している第1領域と、各フレームの直前のフレームの画像と背景画像との間で差が発生している第2領域との両方を取り囲む第3領域(抽出領域)を算出する。
【0025】
抽出画像伝送手段13は、各フレームの画像から抽出領域算出手段12により算出された各フレームの第3領域の画像データを順次抽出してクラウドサーバに伝送する。また、抽出画像伝送手段13は、この第3領域の画像データに加えて抽出領域(座標(X,Y)、幅Wおよび高さH)をクラウドサーバ4に伝送する。
【0026】
拠点サーバ3は、汎用サーバ、パーソナルコンピュータ、マイクロコンピュータ、PDA(個人情報端末)、ポケットコンピュータ、スマートフォン、フィーチャーフォン(携帯電話機)や携帯型ゲーム機等の様々なコンピュータ上で、このコンピュータを上記各手段11〜13として機能させるためのプログラムを実行することにより実現される。
【0027】
クラウドサーバ4は、拠点サーバ3から伝送された基準画像データおよび各フレームの第3領域の画像データから動画像を合成する画像合成手段20と、画像合成手段20により合成された動画像を記憶する画像データ記憶手段21と、電気通信回線Nを介して接続するコンピュータ5(図1参照。)に対して画像データ記憶手段21に記憶した動画像を提供する動画像提供手段22とを有する。
【0028】
画像合成手段20は、拠点サーバ3から伝送された基準画像データおよび各フレームの第3領域の画像データから動画像を合成し、合成された動画像を画像データ記憶手段21に記憶する。本実施形態においては、画像合成手段20は、各フレームの抽出領域情報に基づいて基準画像データの一部を、順次、各フレームの第3領域の画像データに置き換えることにより動画像を合成する。
【0029】
例えば、画像合成手段20は、基準フレームの画像に対し、次のフレームの領域抽出情報に基づき、座標(X,Y)から幅Wおよび高さHの一部の画像データを、そのフレームの第3領域の画像データに置き換え、基準フレームの次のフレームの画像データとする。そして、画像合成手段20は、さらに次のフレームについても、順次、直前のフレームの画像に対し、フレームの抽出領域情報に基づいてフレームの第3領域の画像データに置き換えていくことにより、動画像を合成する。
【0030】
この合成された動画像は、カメラ2のそれぞれにより撮影された静止画像から生成された動画像として画像データ記憶手段21に記憶される。また、画像データ記憶手段21には、カメラ2によりそれぞれ撮影された画像のサムネイル画像も予め作成され、記憶される。
【0031】
動画像提供手段22は、電気通信回線Nを介して接続するコンピュータ5の要求に応じて画像データ記憶手段21に記憶した動画像を提供する。動画像提供手段22は、コンピュータ5から拠点ごとにカメラ2を指定して動画像が要求されると、要求された動画像を画像データ記憶手段21から取得し、電気通信回線Nを介してコンピュータ5に提供する。
【0032】
また、クラウドサーバ4は、カメラ2が設置されている各拠点の場所に関する情報を記憶するカメラ設置情報記憶手段23と、カメラ2が設置されている各拠点を地域ごとに区分するための地域情報を記憶する地域情報記憶手段24と、地図上にカメラ2が設置されている各拠点等を表示した画像を提供するカメラ拠点位置提供手段25と、各カメラ2に対応するサムネイル画像を提供するサムネイル画像提供手段26とを有する。
【0033】
カメラ設置情報記憶手段23に記憶される各拠点の場所に関する情報は、各拠点の名称、経緯度および住所等の各拠点の場所を特定可能な情報である。地域情報記憶手段24に記憶される地域情報は、各拠点を地域ごとに区分するための名称(市区町村等)およびその範囲を示す情報(経緯度の集合等)である。
【0034】
カメラ拠点位置提供手段25は、カメラ設置情報記憶手段23に記憶されたカメラ2が設置されている各拠点の場所に関する情報に基づいて、カメラ2が設置されている各拠点を地図上に表示した画像をコンピュータ5へ提供する。図3はカメラ2が設置されている各拠点を地図上に表示した画像の例を示している。図3に示すように、この画像60には、カメラ2が設置されている各拠点の位置を示すアイコン50とその各拠点の名称51とが地図61上に表示される。
【0035】
また、カメラ拠点位置提供手段25は、コンピュータ5からズームインの指示がなされ、所定の地域の区分まで細分化された場合に、その指示に基づいて地図61のズームアウトまたはズームインを行うとともに、その地域に属する各拠点のアイコン50および名称51を地図61上に表示した画像60をコンピュータ5へ提供する。
【0036】
サムネイル画像提供手段26は、カメラ拠点位置提供手段25により地図61上にアイコン50および名称51が表示された各拠点のうち、アイコン50または名称51のクリック等により選択された拠点に設置されているカメラ2に対応するサムネイル画像を画像データ記憶手段21から取得して一覧表示した画像をコンピュータ5へ提供する。
【0037】
図3に示すように、サムネイル画像提供手段26は、選択された拠点に設置されているカメラ2に対応するサムネイル画像62を表示する。なお、サムネイル画像提供手段26は、選択された拠点に複数のカメラ2が設置されている場合には、複数のカメラ2にそれぞれ対応するサムネイル画像を表示する。また、サムネイル画像提供手段26は、図3に示すように、その選択された拠点の名称63および住所64も表示する。
【0038】
また、クラウドサーバ4は、ユーザ端末6からの着信を受け付ける着信受付手段27と、着信受付手段27により着信を受け付けたユーザ端末6の位置情報を取得する位置情報取得手段28と、位置情報取得手段28により取得した位置情報に基づいて、カメラ設置情報記憶手段23に記憶されたカメラが設置されている各拠点の場所に関する情報から近くのカメラを特定するカメラ特定手段29とを有する。
【0039】
ユーザ端末6は、GPS(Global Positioning System)、GLONASS(Global Navigation Satellite System)、ガリレオ(Galileo)、北斗/Compass、QZSS(Quasi−Zenith Satellite System)等の衛星測位システム(GNSS:Global Navigation Satellite System)が搭載または外部接続された携帯電話機やスマートフォン等の通信端末である。
【0040】
着信受付手段27は、ユーザ端末6からの着信があると、この着信を受け付ける。位置情報取得手段28は、この着信受付手段27により着信を受け付けたユーザ端末6から送信される衛星測位システムによる測位結果としての位置情報を取得する。カメラ特定手段29は、この位置情報取得手段28により取得した位置情報に基づいて、カメラ設置情報記憶手段23に記憶されたカメラ2が設置されている各拠点の場所に関する情報からユーザ端末6の近くにあるカメラ2を特定する。
【0041】
前述の動画像提供手段22は、このカメラ特定手段29によりユーザ端末6の近くにあるカメラ2が特定された場合には、この特定されたカメラ2の動画像を画像データ記憶手段21から取得してコンピュータ5へ提供する機能を有する。図4は動画像表示画面の例を示している。図4に示すように、コンピュータ5には、ユーザ端末6の近くにあるカメラ2の動画像70が提供され、表示される。
【0042】
このとき、カメラ特定手段29により特定されたカメラ2が複数存在する場合、サムネイル画像提供手段26により、この特定された複数のカメラ2に対応するサムネイル画像を画像データ記憶手段21から取得して一覧表示した画像を提供し、動画像提供手段22が、このサムネイル画像提供手段26によりサムネイル画像が一覧表示されたカメラのうち選択されたカメラに対応する動画像を画像データ記憶手段21から取得して提供する構成とすることもできる。
【0043】
また、前述のカメラ拠点位置提供手段25は、カメラ特定手段29によりユーザ端末6の近くにあるカメラ2が特定された場合には、この特定されたカメラ2の位置を地図上に表示する機能を有する。動画像提供手段22は、この地図上に表示されたカメラ2がコンピュータ5により指定され、動画像が要求された場合には、このコンピュータ5の要求に応じて画像データ記憶手段21に記憶された動画像を提供する。
【0044】
なお、クラウドサーバ4に接続するコンピュータ5は、警察、消防、海上保安、保険会社等の緊急通報先(コールセンタ)以外に設置されたものであっても良い。コンピュータ5は、電気通信回線Nを介してクラウドサーバ4に接続可能なパーソナルコンピュータ、マイクロコンピュータ、PDA(個人情報端末)、ポケットコンピュータ、スマートフォン、フィーチャーフォン(携帯電話機)や携帯型ゲーム機等であれば良い。
【0045】
また、動画像提供手段22は、サムネイル画像提供手段26によりサムネイル画像62が一覧表示されたカメラのうち選択されたカメラに対応する動画像を画像データ記憶手段21から取得して提供する機能を有する。
【0046】
図3に示すように表示されているサムネイル画像62がクリック等により選択されると、動画像提供手段22はその選択されたサムネイル画像62により選択されたカメラに対応する動画像を画像データ記憶手段21から取得してコンピュータ5へ提供する。なお、動画像提供手段22は複数のサムネイル画像が表示されている場合には、その複数のサムネイル画像の中からクリック等により選択された一つのサムネイル画像に対応するカメラの動画像を提供する。
【0047】
図4に示すように、この動画像表示画面にはサムネイル画像62により選択されたカメラに対応する動画像70が表示される。なお、動画像提供手段22では、ライブ動画像だけでなく、日時を指定することにより、そのカメラに対応する過去の動画像を画像データ記憶手段21から取得してコンピュータ5へ提供することもできる。
【0048】
上記構成のクラウドサーバ4は、クラウド環境に構築されたサーバ上で、そのサーバを上記各手段として機能させるためのプログラムを実行することにより実現される。
【0049】
上記構成の着信連動カメラシステム1では、ユーザ端末6から警察、消防、海上保安、保険会社等の緊急通報先への緊急通報に対して、クラウドサーバ4の着信受付手段27が着信を受け付けると、位置情報取得手段28によりこの着信を受け付けたユーザ端末6の位置情報が取得され、カメラ特定手段29によりユーザ端末6の近くのカメラ2が特定され、この特定されたカメラ2の動画像70が動画像提供手段22により警察、消防、海上保安、保険会社等の緊急通報先のコンピュータ5へ提供される。これにより、警察、消防、海上保安、保険会社等では、緊急通報元であるユーザ端末6の近くのカメラ2の動画像70からその周囲の状況を即時に把握することが可能であり、緊急通報に対して即座に有効な対応を取ることが可能となる。
【0050】
このとき、コンピュータ5上には、この特定されたカメラ2の位置が地図61上に表示されるので、動画像70が提供されているカメラ2の位置を地図61上で容易に確認することができる。また、カメラ拠点位置提供手段25によってカメラ2が設置されている各拠点のアイコン50および名称51が地図61上に表示された画像が提供されるので、動画像70が提供されているユーザ端末6の近くのカメラ2のさらに周囲のカメラ2が設置されている各拠点を地図61上で確認することが可能である。
【0051】
また、この着信連動カメラシステム1では、図3に示すようにカメラ2が設置されている各拠点が地図61上に表示された画像60から拠点を選択することで、その選択された拠点に設置されているカメラ2に対応するサムネイル画像62が一覧表示され、このサムネイル画像が一覧表示されたカメラ2を選択すると、その選択されたカメラ2に対応する動画像70がコンピュータ5に提供されるので、複数の拠点にそれぞれ設置されているカメラ2の中から容易にカメラ2を特定してその動画像70を確認することが可能である。
【0052】
また、この着信連動カメラシステム1では、カメラ特定手段29により特定されたユーザ端末6の近くのカメラ2が複数存在する場合には、サムネイル画像提供手段26により、この特定された複数のカメラ2に対応するサムネイル画像が画像データ記憶手段21から取得されて一覧表示された画像がコンピュータ5に提供される。そして、このサムネイル画像の一覧からカメラ2が選択されると、選択されたカメラ2に対応する動画像が画像データ記憶手段21から取得され、コンピュータ5に提供される。あるいは、着信連動カメラシステム1は、カメラ特定手段29により特定されたユーザ端末6の近くのカメラ2が複数存在する場合に、複数のカメラ2の動画像を複数同時に提供する構成とすることも可能である。
【0053】
また、本実施形態における着信連動カメラシステム1では、画像データ記憶手段21に過去の動画像が記憶されているので、ライブの動画像だけでなく、日時を指定することにより、そのカメラに対応する過去の動画像を画像データ記憶手段21から取得してコンピュータ5へ提供することも可能となっており、緊急通報元であるユーザ端末6の周囲の過去の状況を確認することが可能である。
いる。
【0054】
なお、コンピュータ5については、ユーザ認証により画像データ記憶手段21およびカメラ設置情報記憶手段23にアクセス可能な範囲を設定することが可能である。これにより、ユーザごとに、カメラ拠点位置提供手段25、サムネイル画像提供手段26および動画像提供手段22により提供する情報を制限し、アクセス可能なもののみ提供する構成とすることが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0055】
本発明の着信連動カメラシステムは、事件、事故、火災、病気や怪我等の発生により警察、消防、海上保安、保険会社等の緊急通報先への通報時に、その通報元の周囲の状況をカメラにより把握することが可能なシステムとして有用である。
【符号の説明】
【0056】
1 着信連動カメラシステム
2 カメラ
3 拠点サーバ
4 クラウドサーバ
5 コンピュータ
6 ユーザ端末
10 記憶手段
11 基準画像伝送手段
12 抽出領域算出手段
13 抽出画像伝送手段
20 画像合成手段
21 画像データ記憶手段
22 動画像提供手段
23 カメラ設置情報記憶手段
24 地域情報記憶手段
25 カメラ拠点位置提供手段
26 サムネイル画像提供手段
27 着信受付手段
28 位置情報取得手段
29 カメラ特定手段
図1
図2
図3
図4