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特開2019-220920プロジェクタ光源変調装置及び投写型映像表示装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2019-220920(P2019-220920A)
(43)【公開日】2019年12月26日
(54)【発明の名称】プロジェクタ光源変調装置及び投写型映像表示装置
(51)【国際特許分類】
   H04B 10/116 20130101AFI20191129BHJP
   G03B 21/14 20060101ALI20191129BHJP
   G09G 3/02 20060101ALI20191129BHJP
   G09G 3/20 20060101ALI20191129BHJP
   G09G 3/34 20060101ALI20191129BHJP
   G09G 5/377 20060101ALI20191129BHJP
   G09G 5/10 20060101ALI20191129BHJP
   G09G 5/02 20060101ALI20191129BHJP
   H04N 5/74 20060101ALI20191129BHJP
   H04N 9/31 20060101ALI20191129BHJP
   H04B 10/516 20130101ALI20191129BHJP
【FI】
   H04B10/116
   G03B21/14 Z
   G09G3/02 A
   G09G3/20 680C
   G09G3/34 J
   G09G3/20 641E
   G09G3/20 632Z
   G09G3/20 641P
   G09G3/20 642J
   G09G3/20 611E
   G09G3/20 660K
   G09G5/36 520M
   G09G5/10 Z
   G09G5/02 Z
   H04N5/74 Z
   H04N9/31 500
   H04B10/516
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2018-119027(P2018-119027)
(22)【出願日】2018年6月22日
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106518
【弁理士】
【氏名又は名称】松谷 道子
(74)【代理人】
【識別番号】100125874
【弁理士】
【氏名又は名称】川端 純市
(72)【発明者】
【氏名】行天 敬明
【テーマコード(参考)】
2K203
5C058
5C060
5C080
5C182
5K102
【Fターム(参考)】
2K203FA07
2K203FA09
2K203FA44
2K203FA45
2K203FA54
2K203FA62
2K203GA35
2K203GA45
2K203GA52
2K203HA27
2K203MA09
5C058BA05
5C058BA09
5C058BB01
5C058EA02
5C058EA05
5C060EA02
5C060GA01
5C060JA00
5C080AA01
5C080CC02
5C080CC03
5C080DD06
5C080DD21
5C080EE28
5C080EE29
5C080EE30
5C080EE32
5C080GG12
5C080JJ01
5C080JJ02
5C080JJ04
5C080JJ06
5C080JJ07
5C080KK07
5C080KK47
5C182AA02
5C182AA04
5C182AC03
5C182BC16
5C182CA11
5C182CA21
5C182CB54
5K102AA21
5K102AL23
5K102AL28
5K102PB01
5K102PB13
5K102PH01
5K102PH38
5K102RB19
5K102RD28
(57)【要約】
【課題】投影する映像の情報を重畳するプロジェクタ光源変調装置において、光源輝度変調を用いた情報の重畳により発生するフリッカーを人間に感じさせることを防止する。
【解決手段】プロジェクタ光源変調装置は、投影する映像に、通信用変調コードに含まれる通信情報を光源輝度変調により重畳するプロジェクタ光源変調装置であって、入力された複数のサブフレームからなる1フレームの映像信号において、プロジェクタ光源変調装置から映像光が投射されるタイミングを、表示映像中の隣接したピクセルの間で異なるサブフレームに分散するよう補正する補正処理を行うことで補正映像信号を生成して出力する時間軸方向偏り補正回路と、補正映像信号に従って、光源部からの出力光をオン/オフ変調する光変調素子とを備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
投影する映像に、通信用変調コードに含まれる通信情報を光源輝度変調により重畳するプロジェクタ光源変調装置であって、
入力された複数のサブフレームからなる1フレームの映像信号において、プロジェクタ光源変調装置から映像光が投射されるタイミングを、表示映像中の隣接したピクセルの間で異なるサブフレームに分散するよう補正する補正処理を行うことで補正映像信号を生成して出力する時間軸方向偏り補正回路と、
前記補正映像信号に従って、光源部からの出力光をオン/オフ変調する光変調素子とを備える、
プロジェクタ光源変調装置。
【請求項2】
前記複数のサブフレームの各々は、それぞれ複数の分割セグメントフレームからなる複数のセグメントフレームを含み、
前記時間軸方向偏り補正回路は、次式の演算式を用いて、所定の時間軸偏り値を演算し、演算された時間軸偏り値が最小のセグメントフレームを次のフレームにおいてピクセルの表示に用いるセグメントフレームとして選択するように補正処理を実行する、
更新後の時間軸偏り値
=(前のフレームの映像データ処理後の対応する時間軸偏り値)
+(処理フレームの対応するセグメントフレームで表示される分割セグメントフレーム時間)
−(処理フレームの各セグメントフレームで表示される分割セグメントフレーム時間の平均)
請求項1に記載のプロジェクタ光源変調装置。
【請求項3】
前記光源部は、
半導体レーザーと、
前記通信用変調コードを含む駆動信号に従って半導体レーザーを駆動する半導体レーザー駆動回路と、
前記半導体レーザーからの出力光を、変換特性を順次切り替えて複数の色光に変換して出力する時分割切り替え波長変換素子とを備える、
請求項1又は2に記載のプロジェクタ光源変調装置。
【請求項4】
前記光源部は、
互いに異なる各色光を発光する複数の色光源と、
前記通信用変調コードを含む駆動信号に従って、前記複数の色光源を選択的に駆動する光源駆動回路とを備える、
請求項1又は2に記載のプロジェクタ光源変調装置。
【請求項5】
請求項1〜4のうちのいずれか1つに記載のプロジェクタ光源変調装置を備える、
投写型映像表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、映像を投影するプロジェクタの光源輝度変調によって、投影する映像に情報を重畳するプロジェクタ光源変調装置及びそのプロジェクタ光源変調装置を用いたプロジェクタに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、映像のフレームを複数のサブフレームに分割して輝度変調を行う映像表示装置によって表示される映像に、情報を重畳する映像表示方法を開示する。この映像表示方法は、輝度変調を行う複数のサブフレームのうち、少なくとも1つのサブフレームにおいて光源部をオン/オフ強度変調して情報を重畳するとともに、そのサブフレームにおける映像の輝度を、情報の重畳により輝度が低下することを考慮した値とする。これにより映像表示において、情報を重畳するサブフレームにおける表示映像の輝度低下を補正した良好な階調表現が可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第5608834号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、投影する映像の情報を重畳するプロジェクタ光源変調装置において、光源輝度変調を用いた情報の重畳により発生するフリッカーを人間に感じさせることを防止できるプロジェクタ光源変調装置及び、そのプロジェクタ光源変調装置を用いた投写型映像表示装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一態様に係るプロジェクタ光源変調装置は、入力された複数のサブフレームからなる1フレームの映像信号において、プロジェクタ光源変調装置から映像光が投射されるタイミングを、表示映像中の隣接したピクセルの間で異なるサブフレームに分散するよう補正する補正処理を行うことで補正映像信号を生成して出力する時間軸方向偏り補正回路と、補正映像信号に従って、光源部からの出力光をオン/オフ変調する光変調素子とを備える。
【発明の効果】
【0006】
従って、本開示におけるプロジェクタ光源変調装置によれば、光源輝度変調を用いた情報の重畳により発生するフリッカーを人間に感じさせることなく、投影する映像に情報を重畳することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】実施の形態1におけるプロジェクタ光源変調装置の構成例を示すブロック図
図2図1の輝度の時間軸方向偏り補正回路に入力される映像信号の模式図
図3】従来技術によるプロジェクタ光源変調装置の動作を説明するためのタイミングチャート
図4図1のプロジェクタ光源変調装置の動作を説明するためのタイミングチャート
図5図1の実施の形態1における輝度の時間軸方向偏り補正回路により実行される輝度の時間軸方向偏り補正処理を示すフローチャート
図6】実施の形態2におけるプロジェクタ光源変調装置の構成例を示すブロック図
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、適宜図面を参照しながら、実施の形態を詳細に説明する。ただし、例えば既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明など、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。これは、以下の説明が必要以上に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。
【0009】
なお、発明者は、当業者による本開示の十分な理解を助けるために添付図面および以下の説明を提供するのであって、これらによって特許請求の範囲に記載の主題を限定することを意図するものではない。
【0010】
(実施の形態1)
以下、図1図5を参照して、実施の形態1を説明する。
【0011】
[1−1.構成]
図1は本開示の実施の形態1におけるプロジェクタ光源変調装置の構成を示すブロック図である。図1に示すように、実施の形態1におけるプロジェクタ光源変調装置は、光源部100Aと、光変調素子110と、投射レンズ120と、通信用変調器130と、変調信号発生回路140と、輝度の時間軸方向偏り補正回路150を備えて構成される。光源部100Aは半導体レーザー駆動回路101と、半導体レーザー102と、時分割切り替え波長変換素子103から構成される。輝度の時間軸方向偏り補正回路150はメモリ151を含む。
【0012】
本開示におけるプロジェクタ光源変調装置は、カメラ等の撮像装置を備えた例えばスマートホン等の電子機器が重畳された情報を読み取ることが可能な映像を、投影するプロジェクタの光源輝度変調によって生成することで、プロジェクタの表示映像及び通信情報の間に関連づけを行う装置である。ここで、当該プロジェクタ光源変調装置は、特に、投影する映像の情報を重畳するプロジェクタ光源変調装置において、光源輝度変調を用いた情報の重畳により発生するフリッカーを人間に感じさせることを防止するために、輝度の時間軸方向偏り補正回路150を備えることを特徴とする。
【0013】
輝度の時間軸方向偏り補正回路150は、図5に示すように、メモリ151に格納された時間軸偏り値に基づいて演算を行い、隣り合うピクセル同士において、プロジェクタ光源変調装置から映像光を投射するタイミングを異なるサブフレームに分散するように、入力された映像信号を補正して、補正された映像信号(以下、補正映像信号という)を出力する。変調信号発生回路140は、垂直同期信号に同期して前記補正映像信号に従って変化するように、光をオン/オフで強度変調する変調信号を発生して光変調素子110に出力する。また、変調信号発生回路140は、垂直同期信号に同期して補正映像信号に基づいて、情報を重畳するタイミングを示すタイミング信号を通信用変調器130に出力する。通信用変調器130は、前記タイミング信号のタイミングで、入力される通信用変調コードに従って光源をオン/オフ変調するための駆動信号を発生して光源部100Aの半導体レーザー駆動回路101に出力する。
【0014】
半導体レーザー駆動回路101は、通信用変調器130からの、光源をオン/オフ変調するための駆動信号に従って、半導体レーザー102をオン/オフ制御することで駆動する。当該駆動に応答して、半導体レーザー102はレーザー光を、時分割切り替え波長変換素子103を介して光変調素子110に出力する。時分割切り替え波長変換素子103は、入力された垂直同期信号に同期して波長変換の特性を順次選択的に切り替えて、半導体レーザー102の出力レーザー光の例えば青色光を、例えば赤色又は緑色の光に順次変換することで、そのまま出力する青色と、変換された赤色と、変換された緑色との出力光を順次選択的に、光変調素子110に出力する。光変調素子110は、変調信号発生回路140からの変調信号に従って、時分割切り替え波長変換素子103からの出力光をオン/オフ変調することで映像光を生成し、投射レンズ120を介してスクリーン160に投射することにより、スクリーン160上に映像161を表示する。
【0015】
図2は、輝度の時間軸方向偏り補正回路150に入力される1フレームの映像信号の模式図である。図2において、実線の長方形は映像信号200の全体を示し、その内側に縦横に並んだ円は各々が1つのピクセル201を示し、破線で囲われた部分は隣接する3ピクセルY,X,Zの組202の例を示す。あるフレームにおいて、映像信号200の各ピクセル201には各サブフレームにおける各色に対応する輝度情報が含まれる。
[1−2.動作]
【0016】
以上のように構成された図1のプロジェクタ光源変調装置について、その動作を以下で説明する。なお、本実施の形態では、赤色の映像の表示時において情報を重畳しているが、緑色又は青色の映像の表示時において情報を重畳してもよい。また、輝度の時間軸方向偏り補正回路150は、赤色の映像の表示時において輝度の時間軸方向偏り補正を行っているが、緑色又は青色の映像の表示時において輝度の時間軸方向偏り補正を行ってもよい。
【0017】
本実施の形態にかかる輝度の時間軸方向偏り補正の意義について以下に説明する。
【0018】
ある広い面積を持つ領域について、表示する映像の輝度が時間とともに周期的に変化する場合を考える。この場合、長い時間で平均した輝度に対する、輝度の変化の振幅の比が、あるしきい値よりも大きい場合に、人間の目はフリッカーを検知する。このしきい値は周波数によって変化する。例えば輝度の変化の周波数が60Hzの場合、輝度の変化の最大振幅が表示映像の平均輝度の約30%を越えるならば、人間の目がフリッカーを検知する。また、輝度の変化の周波数が50Hzの場合、輝度の変化の最大振幅が表示映像の平均輝度の約10%を越えるならば、人間の目がフリッカーを検知する。さらに、輝度の変化の周波数が約100Hzより高い場合、人間の目でフリッカーを検知することはほぼ不可能である。
【0019】
映像の広い面積の領域の各ピクセルにおける輝度が同一の変化を行う場合、その映像の広い面積の領域で平均した輝度も同一の変化を示す。映像の広い面積の領域で平均した輝度が周期的な変化を持ち、その広い面積の領域において長い時間で平均した映像の輝度に対する周期的な変化の振幅の比が、上記のしきい値よりも大きい場合、人間の目はその周期的な輝度変化を広い面積のフリッカーとして検知する。一方、輝度の変化が狭い面積の領域で発生していても、人間がそれをフリッカーとして感じることはない。
【0020】
従って、広い面積で平均した輝度の周期的な変化の周波数を100Hzより大きくできれば、人間がフリッカーを感じないように映像を表示することが可能である。なお、この実施の形態1において、「狭い面積の領域」は1ピクセルのみを含む領域を、「広い面積の領域」は隣接する3ピクセルの組202を含む領域を指す。
【0021】
図3に、垂直同期信号の周波数が60Hzのときの、従来技術によるプロジェクタ光源変調装置の動作を表したタイミングチャートを示す。図3では、光源変調による情報重畳を行わない場合と、従来のフリッカー対策をしない方法における光源変調による情報重畳を赤色に割り当てられた期間にのみ行う場合のタイミングチャートを示している。
【0022】
図3において、横軸は時間を示し、グラフの右方向への移動は時間が経過することを示す。垂直同期信号の連続する2つの立ち下がりの間の期間が1フレームに対応する。1フレームの時間幅は1/60秒である。1フレームは3つのサブフレームに分割され、サブフレームごとに1画面の映像がプロジェクタ光源変調装置により投影される。1サブフレームの時間幅は1/180秒である。
【0023】
また、各サブフレームはさらに3つのセグメントフレームSGFに分割されている。各サブフレームの3つのセグメントフレームSGFはそれぞれ順に赤色R、緑色G、青色Bを表示色として割り当てられている。つまり1フレームは、
(1)3つの赤色Rを表示色として割り当てられたセグメントフレームSGF、
(2)3つの緑色Gを表示色として割り当てられたセグメントフレームSGF、及び
(3)3つの青色Bを表示色として割り当てられたセグメントフレームSGFの、
計9つのセグメントフレームSGFを含む。セグメントフレームSGFの各々はさらに複数の分割セグメントフレームに分割されている。
【0024】
図3の「情報重畳なしの場合の光出力期間」(矩形で表す)において、光源部100A及び光変調素子110の両方がオンになり、プロジェクタ光源変調装置から映像光が投射されることを示す。また、「情報重畳ありの場合の光出力期間(フリッカー対策なし)」(パルス変調された矩形で示す)において、情報を重畳した映像を表示するための映像光がプロジェクタ光源変調装置から投射されることを示す。
【0025】
表示映像に情報を重畳するためには、情報の重畳に必要な連続する時間幅において光変調素子110をオンにする。ここで。情報を重畳するために光変調素子110をオンにする必要がある時間幅は、図3における「情報重畳ありの場合の光出力期間(フリッカー対策なし)」のタイミングに示されるように、1つのセグメントフレームSGFのほぼ全体を占める程度に長いため、そのセグメントフレームにおいて光変調素子110をオンにすると、同じフレームにおける他の2つのセグメントフレームでプロジェクタ光源変調装置が光を投射する時間幅は0となる。従って、60Hzの周波数で輝度が偏った映像光が投射され、それによりスクリーン160に投影された映像161を見る人間はフリッカーを感じる。
【0026】
図4に、垂直同期信号の周波数60Hzのときの、実施の形態1におけるプロジェクタ光源変調装置の動作を表したタイミングチャートを示す。図4では、図3の従来のフリッカー対策をしない方法における光源変調を行う場合のタイミングチャートに代えて、実施の形態1における輝度の時間軸方向偏り補正処理を実行した上で光源変調による情報重畳を行う場合のタイミングチャートを示す。
【0027】
まず、当該フレームの3つのセグメントフレームを、セグメントフレームのグループC、C、Cに順に分類する。隣接する3つのピクセルY、X、Zの表示が各セグメントフレームのグループに分散していると、3つのピクセルで平均した輝度は3つのセグメントフレームで等しくなるため、その平均した輝度の繰り返し周期は180Hzとなり、人間の目で検知できなくなる。これが映像信号中のいずれの隣接する3ピクセルについても成り立つようにすれば、人間にフリッカーを感じさせない映像が表示される。このような映像の表示を行うために、輝度の時間軸方向偏り補正回路150は、以下の輝度の時間軸方向偏り補正処理を実行する。
【0028】
図5は、図1の輝度の時間軸方向偏り補正回路150により実行される輝度の時間軸方向偏り補正処理を示すフローチャートである。まず、図5のステップS4において用いる時間軸偏り値を更新するための演算式は以下の通りである。なお、第1のセグメントフレーム、第2のセグメントフレーム及び第3のセグメントフレームは、それぞれセグメントフレームのグループC、C及びCに属するセグメントフレームを示す。
【0029】
更新後の第1時間軸偏り値d
=(前のフレームの輝度の時間軸方向偏り補正処理後の第1時間軸偏り値d
+(処理フレームの第1のセグメントフレームで表示される分割セグメントフレーム時間)
−(処理フレームの各セグメントフレームで表示される分割セグメントフレーム時間の平均)
(1)
【0030】
更新後の第2時間軸偏り値d
=(前のフレームの輝度の時間軸方向偏り補正処理後の第2時間軸偏り値d
+(処理フレームの第2のセグメントフレームで表示される分割セグメントフレーム時間)
−(処理フレームの各セグメントフレームで表示される分割セグメントフレーム時間の平均)
(2)
【0031】
更新後の第3時間軸偏り値d
=(前のフレームの輝度の時間軸方向偏り補正処理後の第3時間軸偏り値d
+(処理フレームの第3のセグメントフレームで表示される分割セグメントフレーム時間)
−(処理フレームの各セグメントフレームで表示される分割セグメントフレーム時間の平均)
(3)
【0032】
このように演算された時間軸偏り値でメモリ151に格納された時間軸偏り値を更新し、次のフレームにおいて時間軸偏り値が最も小さいセグメントフレームSGFを、ピクセルの表示に用いるセグメントフレームSGFとして選択することにより、広い面積で平均した輝度は各グループに属するセグメントフレーム間で均等に分散される。
【0033】
次いで、図5の輝度の時間軸方向偏り補正処理について以下に説明する。
【0034】
図5において、ステップS1では、1フレームの映像信号を入力する。ステップS2では、メモリ151に格納された時間軸偏り値d、d、dに基づいて、最小の時間軸偏り値を有するセグメントフレームを、入力された映像信号において用いるセグメントフレームとして選択する。
【0035】
そしてステップS3では、選択されたセグメントフレームの情報を含む補正映像信号を生成して出力する。その後ステップS4では、ステップS3で出力した補正映像信号と式(1)〜式(3)を用いて時間軸偏り値d、d、dを計算し、メモリ151内に格納された時間軸偏り値を更新する。次いでステップS5では、次のフレームの映像信号があるか否かを判断し、NOの場合は処理を終了し、YESの場合はステップS1からの処理を再度実行する。
【0036】
そして、変調信号発生回路140は、垂直同期信号に同期して、前記補正映像信号に従って変化するように光をオン/オフで強度変調する変調信号を発生して光変調素子110に出力する。また、変調信号発生回路140は、垂直同期信号に同期して補正映像信号に基づいて、情報を重畳するタイミングを示す信号を通信用変調器130に出力する。通信用変調器130は、情報を重畳するタイミングを示す信号のタイミングで、入力される通信用変調コードに従って光源をオン/オフ変調するための駆動信号を発生して光源部100Aの半導体レーザー駆動回路101に出力する。
【0037】
半導体レーザー駆動回路101は、通信用変調器130からの、光源をオン/オフ変調するための駆動信号に従って、半導体レーザー102をオン/オフ制御することで駆動する。当該駆動に応答して、半導体レーザー102はレーザー光を、時分割切り替え波長変換素子103を介して光変調素子110に出力する。時分割切り替え波長変換素子103は、入力された垂直同期信号に同期して波長変換の特性を順次選択的に切り替えて、半導体レーザー102からの出力レーザー光を変換し又は変換しないで光変調素子110に出力する。光変調素子110は、変調信号発生回路140からの変調信号に従って、時分割切り替え波長変換素子103からの出力光をオン/オフ変調することで映像光を生成し、投射レンズ120を介してスクリーン160に投射することにより、スクリーン160上に映像161を表示する。
【0038】
[1−3.効果等]
以上のように、本実施の形態において、プロジェクタ光源変調装置によれば、映像表示する隣接したピクセルの間で輝度の時間軸方向偏りを軽減する。これにより、広い面積で平均した時の輝度の周期的な変化の周波数を高め、人間が感じるフリッカーの発生なしに、光源を輝度変調して投影する映像に情報を重畳することが可能となる。
【0039】
(実施の形態2)
図6は実施の形態2におけるプロジェクタ光源変調装置のブロック図を示す。図6において、実施の形態2におけるプロジェクタ光源変調装置は、図1の実施の形態1におけるプロジェクタ光源変調装置に比較して、以下の点が異なる。
(1)図1の光源部100Aに代えて、光源部100Bを備えた。ここで、光源部100Bでは、光源駆動回路610と、赤色光源621と、緑色光源622と、青色光源623とを備えて構成される。
【0040】
光源駆動回路610は、通信用変調器130からの、光源をオン/オフ変調するための駆動信号に従って、赤色光源621、緑色光源622及び青色光源623をオン/オフ制御することで駆動する。当該駆動に応答して、赤色光源621、緑色光源622及び青色光源623は、対応する色の光を光変調素子110に出力する。
【0041】
以上のように構成された実施の形態2におけるプロジェクタ光源変調装置によれば、実施の形態1におけるプロジェクタ光源変調装置と同様に作用効果を有する。
【0042】
以上の実施の形態2において、赤色光源621と、緑色光源622と、青色光源623とを備えているが、本開示はこれに限らず、互いに異なる複数の色光源を用いてもよい。
【0043】
(他の実施の形態)
以上のように、本開示において開示する技術の例示として、実施の形態1を説明した。しかしながら、本開示における技術はこれに限定されず、適宜変更、置換、付加、省略などを行った実施の形態にも適用可能である。また、上記実施の形態で説明した各構成要素を組み合わせて、新たな実施の形態とすることも可能である。そこで、以下では他の実施の形態を例示する。
【0044】
さらに、以上の実施の形態では、光源変調により情報重畳を赤色に割り当てられた期間にのみ行っているが、この代わりに、緑色、青色を割り当てられた期間に情報の重畳を行ってもよい。また、異なる色を割り当てられた複数のセグメントフレームにおいて情報を重畳してもよい。
【0045】
また、以上の実施の形態では、1フレームを3つのサブフレームに分割している。しかしながら、サブフレームの分割数は情報を重畳するサブフレームと情報を重畳しないサブフレームに分けることができればどのような数でもよい。例えば1フレームは2つ又は4つのサブフレームに分割されていてもよい。ただし、サブフレームの分割数が多いほどその時間は短くなり、情報を重畳するための1セグメントフレームSGFが短くなることには注意せねばならない。
【0046】
さらに、以上の実施の形態では、セグメントフレームをグループC〜Cに分類しているが、この分類の数は1フレーム内のサブフレームの数に等しい値である。例えば1フレームが4つのサブフレームに分割されているならば、4つのセグメントフレームSGFは順にグループC〜Cに分類される。
【0047】
また、以上の実施の形態では、プロジェクタ光源変調装置が映像光を投射するタイミングが隣接する3ピクセルの組を含む領域中で異なるサブフレームに分散するよう映像信号を補正している。しかしながら、ここでこの領域は、互いに近傍に位置するピクセルからなる限りどのような領域でもよい。例えば隣接する4つのピクセルを含む領域又は3×3の9つのピクセルを含む領域であってもよい。
【0048】
以上のように、本開示における技術の例示として、実施の形態を説明した。またそのために、添付図面及び詳細な説明を提供した。
【0049】
従って、添付図面及び詳細な説明に記載された構成要素の中には、課題解決のために必須となる構成要素だけでなく、上記技術を例示するために、課題解決のためには必須でない構成要素も含まれ得る。そのため、それらの必須ではない構成要素が添付図面や詳細な説明に記載されていることを理由に、直ちに、それらの必須ではない構成要素が必須であるとの認定をするべきではない。
【0050】
また、上述の実施の形態は、本開示における技術を例示するためのものであるから、特許請求の範囲又はその均等の範囲において種々の変更、置換、付加、省略等を行うことができる。
【産業上の利用可能性】
【0051】
本開示は、カメラ等の撮像装置を備えた例えばスマートホン等の電子機器が重畳された情報を読み取ることが可能な映像を、投影するプロジェクタの光源輝度変調によって生成することで、プロジェクタの表示映像及び通信情報の間に関連づけを行うことが可能なプロジェクタ光源変調装置に適用可能である。
【符号の説明】
【0052】
101 半導体レーザー駆動回路
102 半導体レーザー
103 時分割切り替え波長変換素子
110 光変調素子
120 投射レンズ
130 通信用変調器
140 変調信号発生回路
150 輝度の時間軸方向偏り補正回路
151 メモリ
160 スクリーン
161 映像
200 映像信号
201 ピクセル
202 隣接する3ピクセルの組
610 光源駆動回路
621 赤色光源
622 緑色光源
623 青色光源
図1
図2
図3
図4
図5
図6