特開2019-221009(P2019-221009A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2019-221009(P2019-221009A)
(43)【公開日】2019年12月26日
(54)【発明の名称】モータコイル基板
(51)【国際特許分類】
   H02K 23/26 20060101AFI20191129BHJP
   H05K 1/16 20060101ALI20191129BHJP
   H05K 1/02 20060101ALI20191129BHJP
   H02K 3/26 20060101ALI20191129BHJP
【FI】
   H02K23/26
   H05K1/16 B
   H05K1/02 B
   H02K3/26 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2018-114386(P2018-114386)
(22)【出願日】2018年6月15日
(71)【出願人】
【識別番号】000000158
【氏名又は名称】イビデン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100095795
【弁理士】
【氏名又は名称】田下 明人
(72)【発明者】
【氏名】森田 治彦
(72)【発明者】
【氏名】加藤 忍
(72)【発明者】
【氏名】三輪 等
(72)【発明者】
【氏名】加藤 久始
(72)【発明者】
【氏名】横幕 俊彦
【テーマコード(参考)】
4E351
5E338
5H603
5H623
【Fターム(参考)】
4E351AA04
4E351AA16
4E351BB11
4E351BB14
4E351BB24
4E351BB27
4E351CC06
4E351DD04
4E351GG06
4E351GG20
5E338AA02
5E338AA05
5E338AA12
5E338AA16
5E338BB75
5E338BB80
5E338CC10
5E338CD02
5E338CD12
5E338EE11
5E338EE22
5E338EE32
5E338EE60
5H603AA03
5H603BB01
5H603BB04
5H603BB12
5H603CA02
5H603CA05
5H603CB01
5H603CC01
5H603CC17
5H603CC19
5H603CD25
5H623BB04
5H623BB07
5H623HH06
5H623HH07
5H623HH10
(57)【要約】
【課題】 高いトルクを発生するモータコイル基板の提供
【解決手段】 実施形態のモータコイル基板20は、絶縁基板22が内側の第1面Fと外側の第2面Sとが対向するように周方向へ2.5回転巻かれているため、1回転の同径の電機子との比較で2倍以上のトルクの発生が期待できる。モータコイル基板20の外周に磁性シート32が配置されているため、高いトルクを得ることができる。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1面と前記第1面との反対側の第2面とを有する円筒状の可撓性絶縁基板と、前記可撓性絶縁基板の前記第1面と前記第2面に設けられた渦巻き状の配線から成るコイルと、前記可撓性絶縁基板を貫通し前記第1面の配線と前記第2面の配線を接続する銅めっきからなるビア導体とを有し、
前記可撓性絶縁基板が内側の前記第1面と外側の前記第2面とが対向するように周方向へ1回転を超えるように巻かれ、
巻かれた前記可撓性絶縁基板の外側に磁性シートが設けられているモータコイル基板。
【請求項2】
請求項1のモータコイル基板であって、
前記第1面に形成されたコイルと、
前記第2面に形成されたコイルとを有し、
前記第1面に形成されたコイルの一部と、前記第2面に形成されたコイルの一部とが重なるように配置されている。
【請求項3】
請求項1のモータコイル基板であって、
前記コイルが、前記第1面に形成された半ターンの配線と、前記第2面に形成された半ターンの配線と、前記第1面に形成された半ターンの配線と前記第2面に形成された半ターンの配線とを接続するビア導体とから成り、
1のコイルの前記第2面に形成された半ターンの配線の一部と、前記1のコイルに隣接するコイルの前記第1面に形成された半ターンの配線の一部とが重なるように配置されている。
【請求項4】
請求項1〜請求項3のいずれか1のモータコイル基板であって、前記可撓性絶縁基板が2回転以上巻かれている。
【請求項5】
請求項1〜請求項4のいずれか1のモータコイル基板であって、
前記モータコイル基板に前記コイルに接続された整流子が配置されている。
【請求項6】
請求項5のモータコイル基板であって、
前記モータコイル基板に角度検出用磁石が配置されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、直流モータの電機子を構成するモータコイル基板に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、円筒状の可撓性絶縁基板に積層コイルを積層して形成したコイル体を開示している。特許文献2は、1枚のコイル基板を絶縁シートを介して複数回、周方向に巻き付けて円筒状にしたコアレス電機子を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平5−276699号公報
【特許文献2】特開2011−87437号公報
【発明の概要】
【0004】
[特許文献の課題]
特許文献1では、周方向に1回転で、複数回巻き付けてはいないため、小型の直流モータで高いトルクを得ることは難しいと考えられる。特許文献2では、上層と下層とを半田を介して接続しているため、モータの発熱により半田の軟化が予想され、遠心力の加わるモータで信頼性を高めることが難しいと考えられる。また、半田は抵抗値が高く、効率を高めることが困難であると推測される。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係るモータコイル基板は、第1面と前記第1面との反対側の第2面とを有する円筒状の可撓性絶縁基板と、前記可撓性絶縁基板の前記第1面と前記第2面に設けられた渦巻き状の配線から成るコイルと、前記可撓性絶縁基板を貫通し前記第1面の配線と前記第2面の配線を接続する銅めっきからなるビア導体とを有する。そして、前記可撓性絶縁基板が内側の前記第1面と外側の前記第2面とが対向するように周方向へ1回転を超えるように巻かれ、巻かれた前記可撓性絶縁基板の外側に磁性シートが設けられている。
【0006】
[実施形態の効果]
本発明の実施形態によれば、可撓性絶縁基板が内側の第1面と外側の第2面とが対向するように周方向へ1回転超巻かれているため、小型で高いトルクを得ることができる。可撓性絶縁基板の第1面と第2面に設けられた渦巻き状の配線から成るコイルが、可撓性絶縁基板を貫通する銅めっきからなるビア導体により接続される。このため、半田接続と異なり高い信頼性を有すると共に、低抵抗のビア導体に電流が流れるため高効率を実現できる。また、可撓性絶縁基板の外側に磁性シートが設けられているため、漏れ磁束が減り、高いトルクを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1(A)は実施形態のモータコイル基板を用いる直流モータの断面図であり、図1(B)はモータコイル基板の展開平面図であり、図1(C)はモータコイル基板の斜視図である。
図2図2(A)はモータコイル基板のコイルの構成を示す模式図であり、図2(B)はモータコイル基板のコイルの断面形状を示す模式図であり、図2(C)はモータコイル基板の斜視図である。
図3図3(A)はモータコイル基板の厚みを示し、図3(B)はコイル配置を示すモータコイル基板の平面図であり、図3(C)はコイルC1の配置位置を示す斜視図であり、図3(D)はコイルC1とコイルC5との配置位置を示す電機子の側面図である。
図4】実施形態のモータコイル基板の断面図
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1(A)は、実施形態のモータコイル基板を用いる直流モータ10の断面図である。
直流モータ10は、実施形態のモータコイル基板20から成る電機子(ロータ)30と、電機子の外周に設けられた磁性シート32と、磁石48と、出力軸50と、整流子52と、ブラシ54と、角度検出用磁石56と、ホール素子58と、ケーブル60とを有する。ホール素子58は、角度検出用磁石56に対向する位置に配置される。
【0009】
図1(B)はモータコイル基板の展開平面図であり、図1(C)は電機子30を構成するモータコイル基板20の斜視図である。
モータコイル基板20は、可撓性を有するポリイミド製の絶縁基板22にめっきパターンにより形成されたコイルC1、C2、C3と、コイルC1、C2、C3に接続された整流子(モータ内部端子)52と、コイルC1、C2、C3に対応する位置に配置された角度検出用磁石56とを有する。整流子(モータ内部端子)52は、ブラシに対する耐摩耗性を有する金属板から成り、コイルC1、C2、C3に接続されたコイルと同時に形成された図示しない接続配線上に配置される。モータコイル基板20には、7個のコイルC1〜C7が配置されるが、図1(B)中には3個のコイルC1、C2、C3のみ示される。角度検出用磁石56上に設けられたモータの角度検出精度を高くするための溝によって、角度検出用磁石の表面は3又は4個に分割されている。図1(C)に示されるようにモータコイル基板20は、周方向(モータの軸方向)に2.5回転巻かれている。
【0010】
実施形態のモータコイル基板20は、1の絶縁基板上にコイルと共に、整流子(モータ内部端子)52及び角度検出用磁石56を設けるため、構造が簡易であり、製造し易いという効果を有する。
【0011】
図2(A)はモータコイル基板20のコイルの構成を示す模式図であり、図2(B)はモータコイル基板20のコイルの断面形状を示す模式図であり、図2(C)はモータコイル基板の斜視図である。
絶縁基板22は、第1面Fと第1面と反対側の第2面Sとを有する。
菱形のコイルC1の半ターンを構成する第1配線24Fは、絶縁基板22の第1面Fに形成され、残り半ターンを構成する第2配線24Sは絶縁基板22の第2面Sに形成され、半ターンの第1配線24Fと残り半ターンの第2配線24Sは、絶縁基板22の貫通孔22aに形成されたビア導体24Aを介して接続される。第1配線24F、第2配線24S、ビア導体24Aは銅めっきにより形成されている。ここで、各コイルC1〜C7は、35ターン渦巻き状に巻くように形成されている。実施形態では、35ターン巻くように形成されたが、ターン数は例示であって、任意の巻き数で形成することができる。
【0012】
図2(B)に示されるように、コイルC1の第1面F側の第1配線24Fと、コイルC2の第2面S側の第2配線24Sとは一部が重なっている。同様に、コイルC2〜C6の第1面F側の第1配線24Fと、コイルC3〜C7の第2面S側の第2配線24Sとは一部が重なっている。
【0013】
図2(C)に示されるように、一部の配線が重なったコイルC1〜C7を有するモータコイル基板20が、絶縁基板22の内側の第1面Fと外側の第2面Sとが対向するように周方向(モータの軸方向)に2.5回転巻かれている。
【0014】
図3(A)はモータコイル基板20の厚みを示し、図3(B)はコイル配置を示すモータコイル基板20の平面図であり、図3(C)はコイルC1の配置位置を示す斜視図であり、図3(D)はコイルC1とコイルC5との配置位置を示す電機子の側面図である。
絶縁基板22の厚みt0は12.5μmであり、第1配線24Fの厚みt1は45μmであり、第2配線24Sの厚みt2は45μmである。第1配線24F、及び、第2配線24S上には、それぞれ厚みt3(35μm)の接着層26Aと、厚みt4(12.5μm)のカバーレイ28が形成される。更に、第1面Fのカバーレイ28と第2面Sのカバーレイ28上に、コイル形状を保つための厚みt5(35μm)の接着層26Bがそれぞれ設けられる。
【0015】
図3(B)に示されるようにコイルC1〜C7の幅W1は18mmであり、コイルC1〜C7の幅W1の周方向の長さL1は52.5mmである。コイルC1〜C7は等間隔に配置される。実施形態では、コイルは等間隔に配置されたが、コイルを非等間隔に配置することも可能である。
【0016】
図3(C)、図3(D)に示されるように、2.5回転巻かれたモータコイル基板20は、電機子30を構成する。図3(D)にコイルC1とコイルC5の配置位置を示す。電機子30の外径D1は7.9mmである。
【0017】
電機子30の外周には円筒状の磁性シート32が配置されている。
磁性シート32は円筒状に形成された磁性シートを電機子30の外側に填め入れることが可能である。予め磁性シートを円筒状に形成することで、遠心力が働いても電機子から分離することが無い。また、可撓性を有する矩形形状の磁性シート32を電機子30の外周に巻くこともできる。電機子の外径のばらつきに左右されず、磁性シート32を電機子に密着させることができる。磁性シート32は、磁性体粒子を樹脂に混合してなる。磁性体粒子として、酸化鉄(III)やコバルト酸化鉄等の鉄、ケイ素鋼、パーマロイ、センダスト、パーメンジュール、ソフトフェライト、アモルファス磁性合金、ナノクリスタル磁性合金等の磁性体の粒子を用いることができる。樹脂としては、可撓性を有するポリイミド等を用いることができる。
【0018】
図4は、実施形態のモータコイル基板の断面図である。
絶縁基板22の第1面Fに形成される第1配線24Fは、絶縁基板外側に向かって先細りになる凸形状である。絶縁基板22の第2面Sに形成される第2配線24Sは、絶縁基板外側に向かって先細りになる凸形状である。第1配線24Fと第2配線24Sは、絶縁基板22の中心に対して対称に形成されているため、モータの回転、コギングに対して信頼性が高い。
【0019】
実施形態のモータコイル基板20は、絶縁基板22が内側の第1面Fと外側の第2面Sとが対向するように周方向へ2.5回転巻かれているため、1回転の同径の電機子との比較で2.5倍高いトルクを発生することができる。絶縁基板22の第1面Fの第1配線24Fと第2面Sの第2配線24Sから成るコイルとが、絶縁基板22を貫通する銅めっきからなるビア導体24Aにより接続される。このため、半田接続と異なり高い信頼性を有すると共に、低抵抗のビア導体に電流が流れるため高効率を実現できる。
【0020】
実施形態のモータコイル基板20は、モータコイル基板20の外周に磁性シート32が配置されているため、漏れ磁束が減り、高いトルクを得ることができ、高効率でモータを駆動することができる。
【産業上の利用可能性】
【0021】
上述した実施形態では、7個のコイルを有するモータコイル基板を例示したが、コイルは3個以上有れば、実施形態のモータコイル基板を構成可能である。また、実施形態では、モータコイル基板は2.5回巻かれたが、1回を超えて巻かれることで、モータコイル基板は効果を奏することができる。
【符号の説明】
【0022】
10 モータ
20 モータコイル基板
22 絶縁基板
24A ビア導体
24F 第1配線
24S 第2配線
C1〜C7 コイル
T1〜T7 端子
図1
図2
図3
図4