特開2019-221126(P2019-221126A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2019-221126(P2019-221126A)
(43)【公開日】2019年12月26日
(54)【発明の名称】電力供給システム及びその制御方法
(51)【国際特許分類】
   H02J 3/00 20060101AFI20191129BHJP
   H02J 3/38 20060101ALI20191129BHJP
   H02J 3/32 20060101ALI20191129BHJP
   H02J 7/35 20060101ALI20191129BHJP
   G06Q 50/06 20120101ALI20191129BHJP
   H01M 8/00 20160101ALI20191129BHJP
   H01M 8/04 20160101ALI20191129BHJP
   H01M 8/04858 20160101ALI20191129BHJP
   H01M 8/04537 20160101ALI20191129BHJP
   H02J 3/46 20060101ALI20191129BHJP
【FI】
   H02J3/00 180
   H02J3/38 120
   H02J3/32
   H02J3/38 170
   H02J3/00 170
   H02J7/35 K
   G06Q50/06
   H01M8/00 Z
   H01M8/00 A
   H01M8/04 Z
   H01M8/04858
   H01M8/04537
   H02J3/46
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2019-26535(P2019-26535)
(22)【出願日】2019年2月18日
(31)【優先権主張番号】特願2018-113169(P2018-113169)
(32)【優先日】2018年6月13日
(33)【優先権主張国】JP
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000556
【氏名又は名称】特許業務法人 有古特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 智規
(72)【発明者】
【氏名】高橋 康文
(72)【発明者】
【氏名】清水 敦志
【テーマコード(参考)】
5G066
5G503
5H127
5L049
【Fターム(参考)】
5G066AA03
5G066AE09
5G066HB06
5G066HB07
5G066HB08
5G066HB09
5G066JB03
5G503AA01
5G503AA05
5G503AA06
5G503BA01
5G503BB01
5G503CA10
5G503DA07
5G503GB06
5H127AB02
5H127AB27
5H127AB29
5H127AC18
5H127BA14
5H127BA21
5H127DB91
5H127DB99
5H127DC45
5H127DC49
5H127DC96
5L049CC06
(57)【要約】
【課題】自然エネルギー発電装置により発電された電力に対して電気代が低くなるように貯蔵装置に給電し、負荷に配電することができる電力供給システムを提供する。
【解決手段】電気代に基づき、自然エネルギー発電装置10から水素生成装置30及び蓄電装置20のそれぞれに供給する電力の比率を制御する第1の制御、及び蓄電装置20及び燃料電池システム50のそれぞれから負荷部60に供給する電力の比率を制御する第2の制御の少なくともいずれか一方を実行することで、電気代を低くする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電力系統、自然エネルギー発電装置及び負荷のそれぞれに接続された電力供給システムであって、
電力により水素を生成する水素生成装置と、
前記水素生成装置により生成された水素を貯蔵する水素貯蔵装置と、
前記水素貯蔵装置で貯蔵された水素を用いて発電を行う燃料電池システムと、
蓄電装置と、
制御装置と、を備え、
前記制御装置は、電気代に基づき、前記自然エネルギー発電装置から前記水素生成装置及び前記蓄電装置のそれぞれに供給する電力の比率を制御する第1の制御、及び前記蓄電装置及び前記燃料電池システムのそれぞれから前記負荷に供給する電力の比率を制御する第2の制御の少なくともいずれか一方を実行する、電力供給システム。
【請求項2】
前記制御装置は、前記第1の制御において、前記電気代が低下するよう、前記自然エネルギー発電装置から前記水素生成装置及び前記蓄電装置のそれぞれに供給する電力の比率を制御する、請求項1記載の電力供給システム。
【請求項3】
前記制御装置は、前記第2の制御において、前記電気代が低下するよう、前記蓄電装置及び前記燃料電池システムのそれぞれから前記負荷に供給する電力の比率を制御する、請求項1記載の電力供給システム。
【請求項4】
前記制御装置は、前記自然エネルギー発電装置の余剰電力が、前記蓄電装置が充電可能な電力及び前記水素生成装置が受電可能な電力の総和よりも小さい時間帯において、前記第1の制御を実行する、請求項1又は2に記載の電力供給システム。
【請求項5】
前記制御装置は、前記自然エネルギー発電装置の余剰電力のピーク時間帯前において前記第1の制御を実行し、前記余剰電力のピーク時間帯以降における前記蓄電装置に充電可能な空き容量が残存するよう前記電力の比率を制御する、請求項1乃至4のいずれかに記載の電力供給システム。
【請求項6】
前記制御装置は、前記負荷の需要電力が、前記蓄電装置が放電可能な電力及び前記燃料電池が発電可能な電力の総和よりも小さい時間帯において、前記第2の制御を実行する、請求項1又は3に記載の電力供給システム。
【請求項7】
前記制御装置は、前記自然エネルギー発電装置の余剰電力の負側へのピーク時間帯前において前記第2の制御を実行し、前記負荷の需要電力のピーク時間帯以降に前記蓄電装置が放電可能な容量が残存するよう前記電力の比率を制御する、請求項1乃至5のいずれかに記載の電力供給システム。
【請求項8】
電力系統、自然エネルギー発電装置及び負荷のそれぞれに接続された電力供給システムの制御方法であって、
前記自然エネルギー発電装置の余剰電力を用いて水素生成装置で水素を生成するステップと、
生成された水素を水素貯蔵装置に貯蔵するステップと、
前記水素貯蔵装置で貯蔵された水素を用いて燃料電池システムで発電を行うステップと、
前記自然エネルギー発電装置の余剰電力を用いて蓄電装置に充電するステップと、
前記蓄電装置が放電するステップと、
電気代に基づき、前記自然エネルギー発電装置から前記水素生成装置及び前記蓄電装置のそれぞれに供給する電力の比率を制御する第1の制御、及び前記蓄電装置及び前記燃料電池システムのそれぞれから前記負荷に供給する電力の比率を制御する第2の制御の少なくともいずれか一方を実行するステップと、を備える、電力供給システムの制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電力供給システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の電力供給システムとしては、負荷に十分な電力を供給するため自然エネルギー発電装置の発電量の予測値と負荷側の需要電力量の予測値とに基づき、日中蓄電装置に供給する電力の量と水素生成装置に供給する電力の量とを決定するとともに、夜間に蓄電装置から負荷に供給する電力の量と燃料電池から負荷に供給する電力の量とを決定しているものがあった(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第6189448号特許掲載公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の電力供給システムは電力系統と連系して運転する場合、負荷に対して自然エネルギー発電装置、蓄電装置、及び燃料電池から電力を供給できない場合でも系統から電力を購入することができるため、機器の低容量化・低コスト化を行うことができる。ただし、電力系統と連系する場合、電力を受電もしくは逆潮流する際の電力単価に応じた電気代に留意して運転を行う必要があり、従来技術ではこれに関して言及されていない。従って従来技術においては電力系統と連系して運転する場合において電気代が増加してしまう可能性があるという課題がある。
【0005】
本開示は、前記従来の課題を解決するもので、電気代が低下するように負荷に電力を供給することができる電力供給システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記従来の課題を解決するために、本開示の電力供給システムは、電力系統、自然エネルギー発電装置及び負荷のそれぞれに接続された電力供給システムであって、電力により水素を生成する水素生成装置と、前記水素生成装置により生成された水素を貯蔵する水素貯蔵装置と、前記水素貯蔵装置で貯蔵された水素を用いて発電を行う燃料電池システムと、蓄電装置と、制御装置とを有し、前記制御装置は、電気代に基づき、前記自然エネルギー発電装置から前記水素生成装置及び前記蓄電装置のそれぞれに供給する電力の比率を制御する第1の制御、及び前記蓄電装置及び前記燃料電池システムのそれぞれから前記負荷に供給する電力の比率を制御する第2の制御の少なくともいずれか一方を実行することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本開示の電力供給システムによれば、電気代が低下するように負荷に電力を供給することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は本開示の実施形態1に係る電力供給システムの一例を示す図である。
図2図2図1の制御装置の構成の一例を示す図である。
図3図3は1日の貯蔵システムの給電電力と配電電力の一例を示す図である。
図4図4は本開示の実施形態2に係る電力供給システムの制御装置の構成の一例を示す図である。
図5図5は本開示の実施形態3に係る電力供給システムの制御装置の構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(本開示の知見)
本発明者等は、上述の課題を解決すべく鋭意検討した。その結果、以下の知見を得た。
【0010】
本開示の対象は、自然エネルギー発電装置と、電力供給システムと、負荷部と、を含むエネルギーネットワークにおける当該電力供給システムである。電力供給システムは、電力を貯蔵する貯蔵システムと制御装置とを含む。貯蔵システムは、電力により水素を生成する水素生成装置と、水素生成装置により生成された水素を貯蔵する水素貯蔵装置と、水素貯蔵装置で貯蔵された水素を用いて発電を行う燃料電池システムと、蓄電装置と、を備える。
【0011】
以下では、この電力供給システムにおいて、水素生成装置、水素貯蔵装置、及び燃料電池システムを、便宜上、「水素式電力貯蔵装置」と呼ぶ。水素生成装置に電力が供給されることを、便宜上、「水素式電力貯蔵装置」が充電されると呼び、燃料電池システムから電力が出力されることを、便宜上、「水素式電力貯蔵装置」が放電されると呼ぶ。水素生成装置の入力電力(消費電力)を、便宜上、「水素式電力貯蔵装置」の充電電力と呼び、燃料電池システムの発電電力を、便宜上、「水素式電力貯蔵装置」の放電電力と呼ぶ。水素貯蔵装置に貯蔵された水素を全部使用して燃料電池システムで発電したと仮定した場合の総発電電力量を、便宜上、「水素式電力貯蔵装置」の貯蔵電力量と呼ぶ。
【0012】
また、この電力供給システム(エネルギーネットワーク)が電力系統と連系する場合において、エネルギーネットワークが電力を電力系統に逆潮流する(給電する)こと及びエネルギーネットワークが電力を受電することを、それぞれ「売電」及び「買電」と呼ぶ。
【0013】
本開示において、「自然エネルギー発電装置の余剰電力」とは、需要電力(負荷の消費電力)に対する自然エネルギー発電装置の発電電力の差異を意味する。また、余剰電力が正の値を取るときは、自然エネルギー発電装置の発電電力よりも需要電力が小さいときを意味し、余剰電力が負の値を取るときは、自然エネルギー発電装置の発電電力よりも需要電力が大きいときを意味する。
【0014】
ところで、貯蔵システムが電力を貯蔵する能力は、貯蔵システムの単位時間当たりに充電又は放電可能な電力(定格電力)及び貯蔵システムの貯蔵可能な電力量(容量)によって制約される。
【0015】
貯蔵システムを構成する蓄電装置及び水素式電力貯蔵装置を互いに比較すると、蓄電装置は、水素式電力貯蔵装置に比べて、単位時間当たりに充電又は放電可能な電力が大きく且つ貯蔵可能な電力量が小さい。
【0016】
また、エネルギー効率を考慮すると、水素式電力貯蔵装置よりもエネルギー効率の高い蓄電装置の充電または放電を優先して行うことが適切である。
【0017】
しかし、余剰電力が正の場合に蓄電装置を優先して用いると、蓄電装置の蓄電残量が早めに上限値に達してしまい、単位時間当たりに充電可能な電力の小さい水素式電力貯蔵装置でしか余剰電力を蓄電(蓄水素)できないため、蓄電できない余剰電力を売電することになる。この売電分の電力量は、結局、貯蔵システムで蓄電できなかった電力量となる。そのため、この売電分の電力量が、余剰電力が負の場合における買電に繋がる。
【0018】
一方、余剰電力が負の場合に蓄電装置を優先して用いると、蓄電装置の蓄電残量が早めに下限値に達してしまい、単位時間当たりに放電可能な電力の小さい水素式電力貯蔵装置でしか放電できないため、需要電力に対して不足する電力を買電することになる。
【0019】
つまり、余剰電力の正負に関わらず、蓄電装置充電または放電を優先して実行すると買電が発生し易くなる。買電の電気料金が売電の電気料金より高い場合には、買電が発生すると電気使用料が高くつくことになる。
【0020】
上述の説明から明らかなように、買電が発生しないようにするためには、蓄電装置を優先せずに、且つ蓄電装置の蓄電残量が早めに上限値又は下限値に達しないように蓄電装置及び水素式電力貯蔵装置を用いればよい。
【0021】
蓄電装置の蓄電残量が上限値又は下限値に達する時間は、余剰電力が正の場合における蓄電装置の充電電力と水素式電力貯蔵装置の充電電力との比率、又は、余剰電力が負の場合における蓄電装置の放電電力と水素式電力貯蔵装置の放電電力との比率を調整することによって調整できる。
【0022】
つまり、余剰電力が正の場合における蓄電装置の充電電力と水素式電力貯蔵装置の充電電力との比率、又は、余剰電力が負の場合における蓄電装置の放電電力と水素式電力貯蔵装置の放電電力との比率を調整することによって、買電量、ひいては、電気代を調整することができる。
【0023】
なお、本開示において、「電気代」は、電力系統事業者への支払金であって、買電料金自体であってもよいし、買電料金と売電料金との差であってもよい。
【0024】
本開示は、このような知見に基づいてなされたものである。
【0025】
(本開示の内容)
第1の本開示に係る電力供給システムは、電力系統、自然エネルギー発電装置及び負荷のそれぞれに接続された電力供給システムであって、電力により水素を生成する水素生成装置と、前記水素生成装置により生成された水素を貯蔵する水素貯蔵装置と、前記水素貯蔵装置で貯蔵された水素を用いて発電を行う燃料電池システムと、蓄電装置と、制御装置と、を備え、前記制御装置は、電気代に基づき、前記自然エネルギー発電装置から前記水素生成装置及び前記蓄電装置のそれぞれに供給する電力の比率を制御する第1の制御、及び前記蓄電装置及び前記燃料電池システムのそれぞれから前記負荷に供給する電力の比率を制御する第2の制御の少なくともいずれか一方を実行する。
【0026】
上述のように、蓄電装置と、水素生成装置、水素貯蔵装置及び燃料電池システムを備える水素式電力貯蔵装置との充電又は放電における比率を調整することにより、電気代を調整することができる。この構成によれば、制御装置が、電気代に基づき、自然エネルギー発電装置から水素生成装置及び蓄電装置のそれぞれに供給する電力の比率を制御する第1の制御、及び蓄電装置及び燃料電池システムのそれぞれから負荷に供給する電力の比率を制御する第2の制御の少なくともいずれか一方を実行するので、第1の制御における上記電力の比率及び又は第2の制御における上記電力の比率を適宜選択することによって、負荷を備える電力需要家の電気代を低下させることができる。
【0027】
また、自然エネルギー発電装置の余剰電力の受電において蓄電装置と水素式電力貯蔵装置とを併用するので、自然エネルギー発電装置の余剰電力の受電において蓄電装置を優先的に用いる場合に比べて、売電による余剰電力のロスが発生する可能性を低くすることができる。
【0028】
第2の本開示に係る電力供給システムは、第1の本開示において、前記制御装置は、前記第1の制御において、前記電気代が低下するよう、前記自然エネルギー発電装置から前記水素生成装置及び前記蓄電装置のそれぞれに供給する電力の比率を制御してもよい。
【0029】
この構成によれば、この電力の比率を適宜選択することによって、負荷を備える電力需要家の電気代が低下するように自然エネルギー発電装置から前記水素生成装置及び前記蓄電装置のそれぞれに電力を供給することができる。
【0030】
第3の本開示に係る電力供給システムは、第1の本開示において、前記制御装置は、前記第2の制御において、前記電気代が低下するよう、前記蓄電装置及び前記燃料電池システムのそれぞれから前記負荷に供給する電力の比率を制御してもよい。
【0031】
この構成によれば、この電力の比率を適宜選択することによって、負荷を備える電力需要家の電気代が低下させることができる。
【0032】
第4の本開示に係る電力供給システムは、第1又は第2の本開示において、前記制御装置は、前記自然エネルギー発電装置の余剰電力が、前記蓄電装置が充電可能な電力及び前記水素生成装置が受電可能な電力の総和よりも小さい時間帯において、前記第1の制御を実行してもよい。
【0033】
この構成によれば、蓄電装置の蓄電残量が上限値に達する時間を調整し、その結果、負荷を備える電力需要家の電気代を低下させることができる。
【0034】
第5の本開示に係る電力供給システムは、第4の本開示において、前記制御装置は、前記自然エネルギー発電装置の余剰電力の正側へのピーク時間帯前において前記第1の制御を実行し、前記余剰電力のピーク時間帯以降における前記蓄電装置に充電可能な容量が残存するよう前記電力の比率を制御してもよい。
【0035】
この構成によれば、余剰電力の正側へのピーク時間帯に蓄電装置の蓄電残量が上限値に達して、当該ピーク時間帯以降に水素式電力貯蔵装置のみで余剰電力に対処する事態の発生を低減することができる。その結果、負荷を備える電力需要家の電気代を低下させることができる。
【0036】
第6の本開示に係る電力供給システムは、第1又は第3の本開示において、前記制御装置は、前記負荷の需要電力が、前記蓄電装置が放電可能な電力及び前記燃料電池システムが発電可能な電力の総和よりも小さい時間帯において、前記第2の制御を実行してもよい。
【0037】
この構成によれば、蓄電装置の蓄電残量が下限値に達する時間を調整し、その結果、負荷を備える電力需要家の電気代を低下させることができる。
【0038】
第7の本開示に係る電力供給システムは、第1又は第3の本開示において、前記制御装置は、前記自然エネルギー発電装置の余剰電力の負側へのピーク時間帯前において前記第2の制御を実行し、前記負荷の需要電力のピーク時間帯以降に前記蓄電装置が放電可能な容量が残存するよう前記電力の比率を制御してもよい。
【0039】
この構成によれば、余剰電力の負側へのピーク時間帯に蓄電装置の蓄電残量が下限値に達して、当該ピーク時間帯以降に水素式電力貯蔵装置のみで需要電力に対処する事態の発生を低減することができる。その結果、負荷を備える電力需要家の電気代を低下させることができる。
【0040】
第8の本開示に係る電力供給システムの制御方法は、電力系統、自然エネルギー発電装置及び負荷のそれぞれに接続された電力供給システムの制御方法であって、前記自然エネルギー発電装置の余剰電力を用いて水素生成装置で水素を生成するステップと、生成された水素を水素貯蔵装置に貯蔵するステップと、前記水素貯蔵装置で貯蔵された水素を用いて燃料電池システムで発電を行うステップと、前記自然エネルギー発電装置の余剰電力を用いて蓄電装置に充電するステップと、前記蓄電装置が放電するステップと、電気代に基づき、前記自然エネルギー発電装置から前記水素生成装置及び前記蓄電装置のそれぞれに供給する電力の比率を制御する第1の制御、及び前記蓄電装置及び前記燃料電池システムのそれぞれから前記負荷に供給する電力の比率を制御する第2の制御の少なくともいずれか一方を実行するステップと、を備える。
【0041】
この構成によれば、第1の制御における上記電力の比率及び又は第2の制御における上記電力の比率を適宜選択することによって、負荷を備える電力需要家の電気代を低下させることができる。
【0042】
また、第1の制御又は第2の制御を実行することで、蓄電装置を優先して充電又は放電する場合に比べて、余剰電力量が蓄電装置の空き容量より大きい場合に売電が発生し又は需要電力が蓄電装置の蓄電残量より大きい場合に買電が発生する可能性を低くすることができる。
【0043】
第9の本開示に係る電力供給システムは、第1又は第2の本開示において、前記制御装置は、前記自然エネルギー発電装置の余剰電力が、前記蓄電装置が充電可能な電力よりも大きく、かつ前記蓄電装置が充電可能な電力及び前記水素生成装置が受電可能な電力の総和よりも小さい時間帯において、前記蓄電装置に供給される電力が、前記蓄電装置が充電可能な電力よりも小さくなるよう、前記第1の制御を実行してもよい。
【0044】
この構成によれば、蓄電装置を、充電可能な電力の上限値よりも低い電力で充電するので、蓄電装置を、充電可能な電力の上限値で充電する場合に比べて、蓄電装置の蓄電残量が上限値に達する時期を遅くすることができる。その結果、売電の発生の可能性を低くすることができる。
【0045】
第10の本開示に係る電力供給システムは、第1又は第3の本開示において、前記制御装置は、前記負荷の需要電力が、前記蓄電装置が放電可能な電力よりも大きく、かつ前記蓄電装置が放電可能な電力及び前記燃料電池システムが発電可能な電力の総和よりも小さい時間帯において、前記蓄電装置から前記負荷に供給する電力が、前記蓄電装置が放電可能な電力よりも小さくなるよう、前記第2の制御を実行してもよい。
【0046】
この構成によれば、蓄電装置を、放電可能な電力の上限値よりも低い電力で充電するので、蓄電装置を、放電可能な電力の上限値で放電する場合に比べて、蓄電装置の蓄電残量が下限値に達する時期を遅くすることができる。その結果、買電の発生の可能性を低くすることができる。
【0047】
第11の本開示に係る電力供給システムは、第4の本開示において、前記制御装置は、前記余剰電力のピーク時間帯以降に残存する、前記蓄電装置に充電可能な空き容量が増加するよう、前記自然エネルギー発電装置の余剰電力のピーク時間帯前において前記第1の制御を実行してもよい。
【0048】
この構成によれば、余剰電力の正側へのピーク時間帯以降において、早期に蓄電装置の蓄電残量が上限値に達して、水素式電力貯蔵装置のみで余剰電力に対処する事態の発生を低減することができる。その結果、負荷を備える電力需要家の電気代を低下させることができる。
【0049】
第12の本開示に係る電力供給システムは、第1又は第3の本開示において、前記制御装置は、前記負荷の需要電力のピーク時間帯以降に残存する、前記蓄電装置の蓄電残量が増加するよう、前記負荷の需要電力のピーク時間帯前において前記第2の制御を実行してもよい。
【0050】
この構成によれば、余剰電力の負側へのピーク時間帯以降において、早期に蓄電装置の蓄電残量が下限値に達して、当該ピーク時間帯以降に水素式電力貯蔵装置のみで需要電力に対処する事態の発生を低減することができる。その結果、負荷を備える電力需要家の電気代を低下させることができる。
【0051】
以下、本開示を具体化した本開示の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
【0052】
(実施形態1)
[構成]
図1は、本開示の実施形態1に係る電力供給システムの一例を示す図である。図1を参照すると、自然エネルギー発電装置10と、貯蔵システム100と、制御装置80と、負荷部60とがエネルギーネットワーク110を構成している。そして、貯蔵システム100と制御装置80とが本実施形態に係る電力供給システムを構成している。負荷部60の所有主体が「負荷部60を備える電力需要家61」である。
【0053】
貯蔵システム100は、蓄電装置20と、水素生成装置30と、水素貯蔵装置40と、燃料電池システム50と、を備える。そして、水素生成装置30、水素貯蔵装置40、及び燃料電池システム50が、水素式電力貯蔵装置90を構成している。
【0054】
エネルギーネットワーク110は、電力系統70に電気的に接続されている。具体的には、自然エネルギー発電装置10、蓄電装置20、水素生成装置30、及び燃料電池システム50が、負荷部60及び電力系統70に電力伝達経路を介して接続されている。
【0055】
制御装置80には、負荷部60から当該負荷部60の消費電力(需要電力)が送られ、自然エネルギー発電装置10から当該自然エネルギー発電装置10の発電電力が送られる。制御装置80には、貯蔵システム100から、貯蔵システム100の貯蔵電力量が送られる。具体的には、制御装置80に、蓄電装置20の貯蔵電力量、水素貯蔵装置の貯蔵水素量が送られる。
【0056】
制御装置80は、これらの情報に基づいて、蓄電装置20、水素生成装置30、及び燃料電池システム50の動作を制御する。具体的には、制御装置80は自然エネルギー発電装置10から貯蔵システム100に給電される電力および貯蔵システム100から負荷部60へ配電する電力を制御する。
【0057】
このエネルギーネットワーク110の適用対象は、特に限定されないが、離島、工場、商業施設、住宅等が例示される。エネルギーネットワーク110の適用対象が住宅である場合、住宅の所有主体が「負荷部60を備える電力需要家61」であり、エネルギーネットワーク110の所有主体でもある。
【0058】
以下、これらの要素を詳しく説明する。
【0059】
<自然エネルギー発電装置>
自然エネルギー発電装置10は、自然エネルギーを利用して発電する装置である。自然エネルギー発電装置10は、本実施形態では、例えば太陽光を利用して発電する太陽光発電装置である。自然エネルギー発電装置10は、例えば、風力発電装置や水力発電装置でもよい。
【0060】
<貯蔵システム>
貯蔵システム100は、自然エネルギー発電装置10と電力系統70と負荷部60に接続され、自然エネルギー発電装置10が発電した電力又は電力系統70から受電した電力(電気エネルギー)を貯蔵し、負荷部60へ供給する。その際、貯蔵システム100は制御装置80によって貯蔵システム100へ給電される電力及び貯蔵システム100から配電される電力が制御される。
【0061】
<蓄電装置>
蓄電装置20は、制御装置80の制御により、自然エネルギー発電装置10が発電した電力又は電力系統70から受電した電力(電気エネルギー)を蓄電する。また蓄電された電力は制御装置80の制御により負荷部60又は電力系統70へ放電される。蓄電装置20は貯蔵されている電力量(電荷量)の残量を示すSOC(State of charge)を制御装置80へ送る。蓄電装置20は、例えば、2次電池、コンデンサ等で構成される。
【0062】
<水素生成装置>
水素生成装置30は、制御装置80の制御により、自然エネルギー発電装置10が発電した電力又は電力系統70から受電した電力を使用して水素を生成する。水素生成装置30は、例えば、水の電気分解装置で構成される。
【0063】
<水素貯蔵装置>
水素貯蔵装置40は水素生成装置により生成された水素を貯蔵及び放出する。水素貯蔵装置は、例えば、水素吸蔵合金、高圧水素タンク、水素をデカリン等に変換して液化した状態で貯蔵する液体化水素貯蔵装置等によって構成される。本実施形態では、水素貯蔵装置40は、高圧水素タンクで構成される。水素生成装置30は圧力計などの計測機器(図示省略)を含み、貯蔵されている水素の残量を制御装置80へ送る。
【0064】
<燃料電池システム>
燃料電池システム50は、制御装置80の制御により、水素貯蔵装置40から放出された水素を利用して発電する。発電された電力は負荷部60又は電力系統70へ供給される。燃料電池システム50として、周知のものを用いることができる。
【0065】
<制御装置>
制御装置80は、制御機能を有するものであればよく、演算処理部(図示せず)と制御プログラムを記憶する記憶部とを備える。演算処理部が、記憶部に記憶された制御プログラムを読み出して実行することによって、制御装置80が、所定の制御を行う。演算処理部として、マイクロコントローラ、PLC(programmable logic controller)、マイクロプロセッサ、FPGA(field-programmable gate array)等が例示される。記憶部としては、メモリが例示される。ここでは、制御装置80は、例えば、マイクロコントローラで構成される。制御装置80は、集中制御を行う単独の制御装置で構成されてもよく、互いに協働して分散制御を行う複数の制御装置で構成されてもよい。
【0066】
制御装置80は、例えば、自然エネルギー発電装置10と負荷部60と電力系統70とから得られる電力の情報及び貯蔵システム100から得られる蓄電装置20及び水素貯蔵装置40のそれぞれの貯蔵残量に基づいて、自然エネルギー発電装置10から貯蔵システム100に給電される電力および貯蔵システム100から負荷部60へ配電する電力を制御する。
【0067】
具体的には、制御装置80は、自然エネルギー発電装置10から水素生成装置30及び蓄電装置20のそれぞれに供給する電力の比率を制御する第1の制御、及び蓄電装置20及び燃料電池システム50のそれぞれから負荷部60に供給する電力の比率を制御する第2の制御の少なくとも一方を実行し、第1の制御及び第2の制御で制御された比率に基づいて、蓄電装置20の充電電力及び放電電力、水素生成装置30の水素生成量、燃料電池システム50の発電電力などを制御対象とした制御を行う。制御装置80は、必要に応じて、水素貯蔵装置40の貯蔵水素量を、貯蔵電力量に換算してもよい。この場合、例えば、燃料電池システム50で水素貯蔵装置40の貯蔵水素量の全量を用いて発電したと仮定した場合の発電電力量を、水素貯蔵装置40の貯蔵電力量としてもよい。
【0068】
<負荷部>
負荷部60は、例えば住宅の家電機器であり、当該家電機器の使用に応じて電力を消費する。負荷部60は、少なくとも自然エネルギー発電装置10と貯蔵システム100と電力系統70のうちいずれかより電力が供給され動作する機器である。負荷部に供給される電力は電力計などの計測機器(図示せず)によって計測され、制御装置80へ送られる。
【0069】
電力系統70は、自然エネルギー発電装置10又は貯蔵システム100から負荷部60へ電力が供給されていないとき、負荷部60へ電力を供給する。また、自然エネルギー発電装置10が発電する電力と貯蔵システム100から配電する電力との合計が、負荷部60が消費する電力より大きいとき、差分となる電力は電力系統70へ逆潮流される。電力系統70からエネルギーネットワーク110に受電される電力及びエネルギーネットワーク110から電力系統70へ逆潮流される電力は電力計などの計測機器(図示せず)によって計測され、制御装置80へ送られる。
【0070】
[制御装置の詳細な説明]
次に、制御装置80を詳しく説明する。図2は制御装置80の構成の一例を示す図である。
【0071】
制御装置80は、電気料金情報取得部81、給電比率制御部82、配電比率制御部83、及び機器制御部84を含む。これらは、制御装置80に含まれるプロセッサが、制御装置80に含まれるメモリに格納された所定のプログラムを読み出して実行することによって実現される機能ブロックである。
【0072】
電気料金情報取得部81は、エネルギーネットワーク110が、一定期間において、電力系統70から受電する電力と電力系統70へ逆潮流する電力に応じて発生する電気料金単価に関する情報を取得する。この電気料金単価に関する情報は、例えば、ユーザが、キーボード、マウス等の情報入力装置(図示せず)を用いて制御装置80に当該情報を入力することによって取得されてもよく、又は、制御装置80が、通信ネットワークを介して、電力会社又は系統運用者のサーバから取得してもよい。一定期間とは、例えば0時から24時までの24時間である。また、電気代=電気料金単価×(買電量−売電量)である。
【0073】
電気料金情報取得部81は、例えば、電力系統70と連系する際に電力系統70を運用する電力会社又は系統運用者との間に結ばれた契約により定められた時間帯もしくは使用電力量に応じた電力料金単価に関する情報を取得する。
【0074】
この場合、電気料金単価が時間帯によらず一定である場合は一定値が取得され、時間帯によって変化する場合は時間帯別の電気料金単価情報が取得される。また、電気料金単価に関する情報が時々刻々と変化する場合は現在の電力料金単価情報に加えて電気料金単価に関する予測情報を取得してもよい。
【0075】
給電比率制御部82は電気料金情報取得部81より取得された電気料金単価に関する情報に基づいて、自然エネルギー発電装置10から貯蔵システム100に給電される電力における、蓄電装置20と水素生成装置30のそれぞれに供給する電力の比率を制御する。
【0076】
例えば、給電比率制御部82は、0時から24時までの間における電力系統70から受電する電力と電力系統70へ逆潮流する電力に応じて発生する電気代が低下するように自然エネルギー発電装置10から貯蔵システム100に給電される電力における、蓄電装置20と水素生成装置30のそれぞれに給電する電力の比率を制御する機能を備えている。
【0077】
配電比率制御部83は、電気料金情報取得部81より取得された電気料金単価に関する情報に基づいて、貯蔵システム100から負荷部60へ配電される電力における、蓄電装置20と燃料電池システム50のそれぞれから配電される電力の比率を制御する。
【0078】
例えば、配電比率制御部83は、0時から24時までの間における電力系統70から受電する電力と電力系統70へ逆潮流する電力に応じて発生する電気代が低下するように貯蔵システム100から負荷部60へ配電される電力における、蓄電装置20と燃料電池システム50のそれぞれから配電する電力の比率を制御する機能を備えている。
【0079】
機器制御部84は、給電比率制御部82及び配電比率制御部83により制御された給電比率及び配電比率に基づいて、蓄電装置20の充電電力及び放電電力、水素生成装置30の水素生成量及び燃料電池システム50の発電電力などを制御対象とした制御を行う。
【0080】
なお、制御対象は、貯蔵システム100に給電する電力及び貯蔵システム100から配電される電力を制御可能なものであり、例えば、蓄電装置20の充電電力及び放電電力は一定時間もしくは単位時間あたりの電力量を制御対象としてもよい。また水素生成装置30の水素生成量は電力量に換算した値を用いてもよい。この場合、当該生成された水素を生成する際に水素生成装置30に供給される(入力される)電力量を換算値として用いてもよい。また、水素生成装置に入力される一定時間もしくは単位時間あたりの電力量を制御対象としてもよい。燃料電池システム50の発電電力は一定時間もしくは単位時間あたりの電力量を制御対象としてもよい。冷却水循環ポンプなどの貯蔵システム100内の装置の運転に必要な電力を考慮した値を制御対象としてもよい。
【0081】
また、制御装置80は、機器制御部84が分離された構成であり、分離された機器制御部84が、貯蔵システム100の各装置が設置される付近に設置された構成でもよい。具体的には、制御装置80は、例えば、互いに協働して分散制御する第1及び第2の制御装置(図示せず)で構成されていて、第1の制御装置が、電気料金情報取得部81、給電比率制御部82、及び配電比率制御部83を含み、第2の制御装置が、機器制御部84を含む。
【0082】
図3(a)及び(b)に、1日おける自然エネルギー発電装置10の発電電力並びに負荷部60の消費電力に対する貯蔵システム100の給電及び配電電力の推移の一例を示す。図3の横軸は、1日の時刻を表す。
【0083】
参照符号1は自然エネルギー発電装置10の発電電力を示し、参照符号2は負荷部60が消費する電力である需要電力を示し、参照符号3は自然エネルギー発電装置10の発電電力1と負荷部60の消費電力である需要電力2との差分を表す余剰電力を示し、参照符号4は蓄電装置20の充電電力を示し、参照符号5は水素生成装置30の入力電力を示し、参照符号6は蓄電装置20の放電電力を示し、参照符号7は燃料電池システム50の発電電力(出力電力)を示し、参照符号8は電力系統70からの受電電力を示し、参照符号9は電力系統70への逆潮流電力を示す。
【0084】
図3(a)及び(b)を参照すると、自然エネルギー発電装置10の発電電力1は、折れ線で示されており、時刻7:00から16:00と17:00との間の時刻までの時間帯において、急な山状に変化する値を取り、それ以外の時間帯において実質的にゼロの値を取る。負荷部60の消費電力である需要電力2は、折れ線で示されており、時刻7:00から16:00と17:00との間の時刻までの時間帯において、緩やかな谷状に変化する値を取り、それ以外の時間帯において緩やかな山状に変化する値を取る。
【0085】
余剰電力3は、折れ線で示されており、且つ、蓄電装置20と水素式電力貯蔵装置90との充電及び放電における比率、受電電力8、及び逆潮流電力9を判りやすく示すために、正負の値が反転されて示されている。余剰電力3は、7:00と8:00との間の時刻から15:00と16:00との間の時刻までの時間帯において、急な山状に変化する正の値(図3では負の値に示されている)を取り、それ以外の時間帯において、負方向に突出する緩やかな谷状に変化する負の値(図3では正の値に示されている)を取る。
【0086】
蓄電装置20の充電電力4、水素生成装置30の入力電力5、蓄電装置20の放電電力6、及び燃料電池システム50の発電電力7は、明度の異なる4種類の縦棒でそれぞれ示されている。蓄電装置20の充電電力4及び水素生成装置30の入力電力5は、余剰電力3が正の値を取る時間帯において発生し、蓄電装置20の充電電力4は、水素生成装置30の入力電力5よりも明るい縦棒で示されている。蓄電装置20の放電電力6及び燃料電池システム50の発電電力7は、余剰電力3が負の値を取る時間帯において発生し、蓄電装置20の放電電力6は、燃料電池システム50の発電電力7よりも暗い縦棒で示されている。
【0087】
電力系統70からの受電電力8は、左方に傾斜する斜線を用いたハッチング領域で示されおり、余剰電力3が負の値を取る時間帯において発生する。電力系統70への逆潮流電力9は、右方に傾斜する斜線を用いたハッチング領域で示されおり、余剰電力3が正の値を取る時間帯において発生する。
【0088】
図3(a)は、比較例を示す。比較例では、余剰電力3が正の値のときに、蓄電装置20へ優先的に余剰電力3を供給する。具体的には、余剰電力3が蓄電装置20に充電可能な電力の上限値以下であるとき、余剰電力3を蓄電装置20へ全て供給する。余剰電力3が蓄電装置20に充電可能な電力の上限値を超えるとき、蓄電装置20には充電可能な電力の上限値分を供給し、残りの分を水素生成装置30に供給する。この残りの分が、水素生成装置30の受電可能な電力の上限値を超える場合、その超えた分を電力系統70へ逆潮流させる。
【0089】
また、比較例では、余剰電力3が負のときに、蓄電装置20から優先的に負荷部60に電力を供給する。具体的には、負荷部60の需要電力2が、蓄電装置20の放電可能な電力の上限値以下であるとき、負荷部60の需要電力2を全て蓄電装置20から供給する。負荷部60の需要電力が、蓄電装置20の放電可能な電力の上限値を超えるとき、負荷部60の需要電力に対して蓄電装置20から放電可能な電力の上限値分を供給し、負荷部60の需要電力のうち蓄電装置20の供給電力で賄えなかった残りの部分に対しては、燃料電池システム50の発電電力を供給する。残りの部分が、燃料電池システム50の発電可能な電力の上限値を超えるとき、その超えた部分については、電力系統70から受電する。なお、上記余剰電力3が負の値のときとは、自然エネルギー発電装置10の発電電力1よりも負荷部60の消費電力(需要電力)2が大きいときを意味する。また、図3(a)では、電力系統70から受電(買電)している時間帯が、22:30−24:00と2:00−7:00までの2つが別々に存在している。これは、図3(a)に示される1日の自然エネルギー発電装置10の発電電力並びに負荷部60の消費電力の推移と、前日のそれとが異なるためである。図3(a)に示す日の前日に蓄電装置20に蓄えられた蓄電残量が、2:00までに下限値になったため2:00以降に買電が生じ、図3(a)に示す日に蓄電装置20に蓄えられた蓄電残量が22:30までに下限値に達したため、22:30以降に買電が生じている。
【0090】
図3(b)は、本開示の一例を示す。具体的には、図3(b)は、余剰電力3が正の値のときに、蓄電装置20を優先せずに、蓄電装置20及び水素生成装置30を併用して、余剰電力3を受電する。具体的には、余剰電力3が、蓄電装置20が充電可能な電力の上限値以下であるときに、蓄電装置20及び水素生成装置30のそれぞれに共に余剰電力3が給電されるよう、給電比率を制御する第1給電を実行する。また、余剰電力3が、蓄電装置20に充電可能な電力の上限値よりも大きいとき、蓄電装置20及び水素生成装置30のそれぞれに共に余剰電力3を給電するが、蓄電装置20への給電比率を比較例に比べて低下させる。例えば、蓄電装置20が充電可能な電力の上限値よりも小さい電力が給電されるよう給電比率を制御する第2給電を実行する。余剰電力3が、蓄電装置20が充電可能な電力の上限値及び水素生成装置30が受電可能な電力の上限値の総和よりも大きい場合、この総和を超える部分は、電力系統70へ逆潮流させる。なお、上記第1給電及び第2給電は、余剰電力3のピーク時間帯前(本例では、11:00−12:30)に実行されるのが適切である。
【0091】
また、本開示の一例では、余剰電力3が負のときに、蓄電装置20を優先せずに、蓄電装置20及び燃料電池システム50を併用して負荷部60に電力を供給する。具体的には、負荷部60の需要電力2が、蓄電装置20の放電可能な電力の上限値以下であるとき、負荷部60の需要電力2に対して蓄電装置20及び燃料電池システム50のそれぞれから電力が供給(配電)されるよう配電比率を制御する第1配電を実行する。負荷部60の需要電力が、蓄電装置20の放電可能な電力の上限値を超えるとき、蓄電装置20及び燃料電池システム50からそれぞれ配電するが、蓄電装置20からの配電比率を比較例に比べて低下させる。例えば、蓄電装置20が放電可能な電力の上限値よりも小さい電力で、蓄電装置20から負荷部60に配電されるよう配電比率を制御する第2配電を実行する。負荷部60の需要電力が、蓄電池20から放電可能な電力の上限値及び燃料電池システム50の発電可能な電力の上限値の総和を超えるとき、総和を超える分は、電力系統70から受電する。なお、上記第1配電及び第2配電は、負荷部60の需要電力のピーク時間帯前(本例では、19:00−19:30、2:00−2:30)に実行されるのが適切である。
【0092】
図3(a)及び(b)からわかるように、例えば、余剰電力3が負の値のとき、蓄電装置20及び燃料電池システム50が負荷部60へ電力を供給する。このとき、負荷部60の需要電力量に対して、蓄電装置20及び燃料電池システム50から負荷部60へ供給できる電力量は、蓄電装置20及び水素貯蔵装置40の容量によって制約される。
【0093】
図3(a)に示す比較例では、自然エネルギー発電装置10が発電を開始するまでに蓄電装置20の蓄電残量が枯渇し、以降、燃料電池システム50のみが負荷部60へ電力を供給する。このとき、燃料電池システム50の発電可能な電力の上限値を超える負荷部60の需要電力が存在するとき、不足した電力は電力系統70から受電する。この際、受電した電力及び購入電力単価に基づいて電気代が発生する。
【0094】
図3(b)に示す本開示の一例では、夜間に蓄電装置20及び燃料電池システム50がそれぞれ負荷部60へ供給する電力の比率を制御することで、蓄電装置20の蓄電残量が枯渇する時間が図3(a)の比較例に比べて遅くなり、その結果、電力系統70から受電する電力が減少する。つまり、電気代が減少し経済的な運転が可能となる。
【0095】
また、余剰電力3が正の値のとき、蓄電装置20及び水素生成装置30に余剰電力3を供給するが、このときに蓄電装置20及び水素生成装置30へ供給できる電力量は、これらの装置の容量によって制約される。
【0096】
図3(a)に示す比較例では、昼頃に蓄電装置20の蓄電残量は上限値に達したため、以降は水素生成装置30にのみ余剰電力3が供給される。このとき、水素生成装置30へ供給可能な電力の上限値を超える余剰電力3が存在するとき、余剰分は電力系統70へ逆潮流され、貯蔵システムに電力として貯えられず、ロスすることになる。このとき、逆潮流された電力及び売電電力単価に基づいて売電収入が発生する。
【0097】
図3(b)の本開示の一例では、自然エネルギー発電装置10による余剰電力3が発生した時点から蓄電装置20及び水素生成装置30へそれぞれ供給する電力の比率を制御することで、蓄電装置20の蓄電残量が上限値に達する時間が図3(a)の比較例に比べて遅くなり、その結果、電力系統70へ逆潮流されていた電力が減少し、その分、水素生成装置30に供給されることになる。
【0098】
ここで、電力を売電せずに水素生成装置30に供給した図3(b)の本開示の方が、図3(a)の比較例に比べて、水素生成装置30により多くの電力を供給しており、より多くの水素を生成することができている。このため、自然エネルギー発電装置10が発電していない時間帯に燃料電池システム50から負荷部60へ供給できる電力量が多くなり、購入電力量(買電)を少なくできる。
【0099】
例えば、売電電力の単価が電力購入(買電)時の単価と比較して低い場合、図3(b)の本開示の方が図3(a)の比較例に比べて電気代が低くなり経済的な運転を行っていることになる。
【0100】
以上に説明したように、実施形態1によれば、制御装置80の制御により、自然エネルギー発電装置10の余剰電力3の受電において、蓄電装置20の充電のための空き容量がなくなる前に蓄電装置20と水素式電力貯蔵装置90とを併用して受電するので、蓄電装置20を優先して受電する場合に比べて、売電により余剰電力のロスが発生する可能性を低くすることができる。その結果、余剰電力が負であるときに、負荷部60の需要電力量に対して貯蔵システムに蓄えた余剰電力で賄える量が増加する分、買電量が低下するので、電気代が低くなり、経済的な運転を行うことが可能になる。
【0101】
また、実施形態1によれば、余剰電力3が負であるときに、制御装置80の制御により、蓄電装置20の蓄電残量が下限値に達する前に蓄電装置20と燃料電池システム50とを併用して負荷部60に配電するので、蓄電装置20を優先して配電する場合に比べて、買電量が増加する可能性を低くすることができる。その結果、余剰電力が負であるときに、電気代が低くなり、経済的な運転を行うことが可能になる。
【0102】
(実施形態2)
図4は、本開示の実施形態2に係る電力供給システムの制御装置80の構成の一例を示すである。図4において、図2と同じ構成要素については同じ符号を用い、説明を省略する。
【0103】
図4において、制御装置80は、電気料金情報取得部81、給電比率制御部82、配電比率制御部83、機器制御部84、及び余剰電力推定部85を含む。
【0104】
余剰電力推定部85は、一定期間における自然エネルギー発電装置10が発電する電力と負荷部60が消費する電力との差分を表す余剰電力3を推定する。一定期間は例えば、0時から24時の24時間である。
【0105】
余剰電力推定部85は、例えば1日における自然エネルギー発電装置10によって発生する余剰電力3を推定し、給電比率制御部82に送る。
【0106】
給電比率制御部82は、電気料金情報取得部81から取得した電気料金単価に関する情報及び余剰電力推定部85から取得した余剰電力3に関する情報に基づいて、電気代が低くなるように、自然エネルギー発電装置10から蓄電装置20及び水素生成装置30のそれぞれに供給する電力の比率を制御し、その制御された比率で給電する。
【0107】
次に具体的な制御について説明する。例えば、給電比率制御部82は、電気料金情報取得部81から1日を通して電力系統70へ売電した電力単価が電力系統70から購入した電力単価に比べて少ないという情報を取得した時、給電比率制御部82は1日の余剰電力3を貯蔵システム100に多く給電できるように給電比率を制御する。
【0108】
具体的には、給電比率制御部82は余剰電力推定部85から得られた余剰電力3の推定情報に基づいて、余剰電力3が蓄電装置20の蓄電残量が上限値に達することで充電できないことを避けるように給電比率を制御する。なお、給電比率制御部82は余剰電力推定部85から得られた余剰電力3の推定情報が変更されると、給電比率を再び制御してもよい。
【0109】
より具体的には、給電比率制御部82は、蓄電装置20及び水素生成装置30のそれぞれに供給可能な電力の上限値の総和に比べて余剰電力3が小さい時間帯において、給電比率を制御することで、蓄電装置20へ供給可能な余剰電力3の一部を水素生成装置30に供給する。これにより蓄電装置20の蓄電残量が上限値に達する時間を変更することができる。
【0110】
蓄電装置20の蓄電残量が上限値に達する時間は例えば、余剰電力3が正の値から負の値に切り替わる時間帯が望ましい。なお、蓄電装置20の蓄電残量の上限値とは、蓄電装置20の使用者が任意に設定した所定の値でもよい。
【0111】
これに対して、給電比率を制御せず、余剰電力3を効率の高い蓄電装置20に優先的に供給した場合、蓄電装置20の蓄電残量が早期に上限値に達してしまい、余剰電力3を貯蔵システム100に十分に給電することができなくなる。従って、貯蔵システム100に給電できなかった電力量だけ、余剰電力3が負のときに、貯蔵システム100から負荷部60へ供給できず、電力系統70から電力を購入することになり、その結果、電気代が増加することになる。
【0112】
このことを、具体例を挙げて説明する。なお、説明を簡単にするために電力量を正規化して示す。例えば昼間に、太陽光発電の電力量が150であり、蓄電装置20を優先せずに、給電比率を制御すれば、本来貯蔵できた電力量が100であり、蓄電装置20を優先して給電したために、実際貯蔵できた電力が70であり、夜間の負荷部60の消費電力量が90であり、且つ、「余剰電力3のうち蓄電装置20の蓄電残量が上限値に達したために貯蔵システム100に給電することができなかった電力量」が30であると仮定し、且つ、発電/放電効率が0.9であると仮定すると、本来の購入電力量は、90−100×0.9=0である。
【0113】
しかし、実際の購入電力量は、90−70×0.9=27となり、「余剰電力3のうち蓄電装置20の蓄電残量が上限値に達したために貯蔵システム100に給電することができなかった電力量」に効率を掛けた電力量に対応する購入電力料金が発生する。
【0114】
次に、給電比率制御部82が給電比率を制御する期間について説明する。給電比率制御部82は、余剰電力3がピークとなる時間帯以降における蓄電装置20に充電可能な空き容量がより多く残存するように、余剰電力3がピークとなる前の時間帯に給電比率を制御する。
【0115】
例えば、余剰電力3がピークとなる時間帯において、蓄電装置20の蓄電残量が上限値に近い値であると、余剰電力3がピークとなる時間帯以降、蓄電装置20の蓄電残量が上限値となり余剰電力3を蓄電装置20へ充電することができない。
【0116】
このため、給電比率制御部82は余剰電力推定部85から余剰電力3がピークとなる時間帯を取得し、ピークとなる前の時間帯において給電比率を制御することで、蓄電装置20へ供給可能な余剰電力3の一部を水素生成装置30に供給する。その結果、余剰電力3がピークとなる時間帯以降における蓄電装置20に充電可能な空き容量がより多く残存し、より多くの余剰電力3を貯蔵システム100に給電することができる。
【0117】
なお、余剰電力3を電力系統70へ逆潮流する際の売電電力の単価が、電力系統70から購入する電力単価に対して、大きく低い場合については、できる限り余剰電力3を貯蔵システム100に給電し、自然エネルギー発電装置10が発電していない時間帯はできる限り貯蔵システム100から負荷部60へ配電することで電気代を低くすることができる。しかし、売電電力の単価が購入電力の単価に対して低くない場合はこの限りではない。例えば、1日の間に売電電力の単価が購入電力の単価に対して高くなり、余剰電力3を電力系統70へ逆潮流した場合のほうが電気代を低くできる場合、制御装置80は余剰電力3を電力系統70へ逆潮流するように貯蔵システム100を制御する。
【0118】
ここで、例えば、制御装置80は、余剰電力3を逆潮流するか貯蔵システム100に給電制御するかの判定を行う。制御装置80は、余剰電力推定部85から取得した余剰電力3の推定情報に基づいて給電制御を行わない場合の1日における電力系統70へ逆潮流する電力と買電する電力を推定し、電気料金情報取得部81から取得した電気料金単価情報に基づいて1日における電気代を推定する。
【0119】
次に、給電制御を行う場合の給電比率の決定方法について説明する。給電比率制御部82はあらかじめ設定された任意の給電の比率として、例えば0%から100%までのうち10%刻みで変化させたときの1日における電気代を推定する。具体的には、余剰電力推定部85にて推定した余剰電力3の推定情報が例えば0時から24時までの各時間帯における推定電力量であるとき、各時間帯において、蓄電装置20及び水素生成装置30へ設定した給電比率に応じ、蓄電装置20及び水素生成装置30へのそれぞれへの推定給電電力量を得ることができる。このとき、蓄電装置20及び水素生成装置30のそれぞれに単位時間帯当たりに給電可能な電力量を考慮し、設定した給電比率から推定される各装置への上記推定給電電力量が、各装置に給電可能な電力量を超過する場合、この超過する電力量については超過してない他方の装置へ配分するよう配電比率を変更してもよい。なお、各装置への単位時間帯当たりに給電可能な電力量とは、各装置に設けられた単位時間当たり(1秒当たり)に給電可能な電力の上限値(定格値)の単位時間帯(本例では、30分)での積分値である。ただし、蓄電装置20の空き容量、または水素貯蔵総理40の空き容量がなくなる時間帯においては、空き容量自体が、各装置への単位時間帯当たりに給電可能な電力量となる。また、各時間帯で推定した給電電力量は蓄電装置20へは推定蓄電残量として、水素生成装置30へは推定水素貯蔵量として加算し、次の時間帯の計算に用いる。なお、推定蓄電残量及び推定水素貯蔵量の推定において、蓄電装置20及び水素生成装置30のそれぞれへ給電する際に発生するエネルギー損失についても考慮してもよい。
【0120】
次に、各時間帯において蓄電装置20及び水素生成装置30のそれぞれに給電可能な電力量の合計を超過する電力量については、各時間帯において電力系統70へ逆潮流する余剰電力の電力量(積分値)として推定する。
【0121】
以上の計算を1日の各時間帯において行い、給電比率を変更した時の各給電比率に対する1日における電力系統70へ逆潮流する電力量の合計と蓄電装置20及び水素生成装置30へ給電した電力量の合計を推定することができる。言い換えると、1日における給電比率に応じた売電電力量と、蓄電量及び蓄水素量とを推定することができる。
【0122】
次に、1日あたりの売電電力量と、蓄電量及び蓄水素量とに基づいて最も電気代が低くなる各時間帯における給電比率の組み合わせを選択する。蓄電量及び蓄水素量は、余剰電力3が負のときに、貯蔵した電力を供給することで買電電力量を低減することが可能なので、(1日当たりの買電電力量削減量)≒(1日当たりの蓄電電力量及び蓄水素量)と置き換えることができる。当然、置き換える際に装置の容量やエネルギー損失、配電比率を考慮してもよい。
【0123】
よって、1日における電気代を低くするには、上記置き換えを用いて、次の式の値が大きくなる給電比率を選択すればよい。
【0124】
(1日当たりの買電電力量削減推定量)×(買電電気料金単価)+(1日当たりの売電電力量推定値)×(売電電気料金単価)
以上の手順で給電比率を選択することで電気代を低減することが可能となる。また、この例では0%から100%の間の10%刻みで推定を行っているがあらかじめ設定された所定の範囲に対して所定の回数推定を行ってもよい。また、給電比率の決定は、推定する日の前日に行ってもよいし、当日に再度計算を行い、給電比率を更新してもよい。
【0125】
推定した電気代から余剰電力3を逆潮流するか貯蔵システム100に給電制御するかどちらに制御をすることで電気代が削減されるかの判定を行う。このとき、自然エネルギー発電装置10から貯蔵システム100に給電する際のエネルギー変換効率及び、貯蔵システム100から負荷部60へ配電する際のエネルギー変換効率を考慮した値を用いてもよい。
【0126】
なお、本実施形態において、一定期間における余剰電力3を推定する推定機能ブロックとして余剰電力推定部85を設けたが、気象情報や過去の余剰電力3の情報に基づいて余剰電力3を推定可能なものであればよい。
【0127】
(実施形態3)
図5は、本開示の実施形態3に係る電力供給システムの制御装置80の構成の一例を示すである。図5において、図2及び図4と同じ構成要素については同じ符号を用い、説明を省略する。
【0128】
図5において、制御装置80は、電気料金情報取得部81、給電比率制御部82、配電比率制御部83、機器制御部84、及び需要電力推定部86を含む。
【0129】
需要電力推定部86は、一定期間における負荷部60が消費する需要電力2を推定する。一定期間は例えば、0時から24時の24時間である。需要電力推定部86は、例えば1日における負荷部60が消費する需要電力2を推定し、配電比率制御部83に出力する。
【0130】
配電比率制御部83は、電気料金情報取得部81から取得した電気料金単価に関する情報及び、需要電力推定部86から取得した需要電力2に関する情報に基づいて、電気代が低くなるように蓄電装置20及び燃料電池システム50のそれぞれから負荷部60へ供給する電力の比率を制御し、配電比率を出力する。
【0131】
次に具体的な制御について説明する。
【0132】
例えば配電比率制御部83は、電気料金情報取得部81から1日を通して電力系統70から購入した電力単価が一定という情報を取得した時、配電比率制御部83は1日の購入電力が少なくなるように配電比率を制御する。
【0133】
具体的には、配電比率制御部83は、需要電力推定部86から得られた需要電力2の推定情報に基づいて、蓄電残量が下限値に達することで蓄電装置20から負荷部60へ配電できないことを避けるように配電比率を制御する。なお、配電比率制御部83は需要電力推定部86から得られた需要電力2の推定情報が変更されると、配電比率を再び制御してもよい。
【0134】
より具体的には、配電比率制御部83は、蓄電装置20が放電可能な電力の上限値及び燃料電池システム50が発電可能な電力の上限値の総和に比べて需要電力2が小さい時間帯において、配電比率を制御することで、蓄電装置20が供給可能な需要電力2の一部を燃料電池システム50から供給する。これにより蓄電装置20の蓄電残量が下限値に達する時間を変更することができる。
【0135】
蓄電装置20の蓄電残量が下限値に達する時間は例えば、余剰電力3が負の値から正の値に切り替わる時間帯が適切である。なお、蓄電装置20の蓄電残量の下限値とは、蓄電装置20の使用者が任意に設定した所定の値でもよい。
【0136】
これにより、需要電力2のうち蓄電装置20の蓄電残量が下限値に達したために貯蔵システム100から配電することができなかった電力量だけ、電力系統70から電力を購入することになり、結果電気代が増加することを抑制することができる。
【0137】
次に、配電比率制御部83が配電比率を制御する期間について説明する。配電比率制御部83は需要電力2がピークとなる時間帯以降における蓄電装置20が放電可能な容量(蓄電残量)がより多く残存するように、需要電力2がピークとなる前の時間帯に配電比率を制御する。
【0138】
例えば、需要電力2がピークとなる時間帯において、蓄電装置20の蓄電残量が下限値に近い値であると、需要電力2がピークとなる時間帯以降、蓄電装置20の蓄電残量が下限値となり負荷部60へ蓄電装置20から供給することができない。
【0139】
このため、配電比率制御部83は需要電力推定部86から需要電力2がピークとなる時間帯を取得し、ピークとなる前の時間帯において配電比率を制御することで、蓄電装置20から放電可能な需要電力2の一部を燃料電池システム50から供給する。その結果、需要電力2がピークとなる時間帯以降における蓄電装置20から放電可能な容量がより多く残存し、より多くの需要電力2を貯蔵システム100から配電することができる。
【0140】
次に配電比率の決定方法について説明する。配電比率制御部83はあらかじめ設定された任意の配電の比率として、例えば0%から100%までのうち10%刻みで変化させたときの1日における電気代を推定する。具体的には、需要電力推定部86にて推定した需要電力2の推定情報が例えば0時から24時までの各時間帯における需要電力2の推定電力量であるとき、各時間帯における、蓄電装置20及び燃料電池システム50から負荷部60へ設定した配電比率に応じた推定供給電力量を得ることができる。このとき、蓄電装置20及び燃料電池システム50のそれぞれから負荷部60へ単位時間帯当たりに供給可能な電力量を考慮し、設定した配電比率から推測される上記推定供給電力量が許容範囲を超過する場合、この超過する電力量については、超過してない他方の装置へ配分するよう配電比率を変更してもよい。なお、各装置から負荷部60へ単位時間帯当たりに供給可能な電力量とは、各装置に設けられた単位時間当たり(1秒当たり)に供給可能な電力の上限値(定格値)の単位時間帯(本例では、30分)での積分値である。ただし、蓄電装置20の推定蓄電残量、または水素貯蔵総理40の推定水素貯蔵量がなくなる時間帯においては、推定蓄電残量自体または推定水素貯蔵量から換算される発電量自体が、各装置への単位時間帯当たりに供給可能な電力量となる。各時間帯で推定した供給電力量は、蓄電装置20からの供給電力量は推定蓄電残量として、また、燃料電池システム50からの供給電力量は推定水素貯蔵量として減算し、次の時間帯の計算に用いる。このとき、供給する際に発生するエネルギー損失についても考慮してもよい。
【0141】
次に、各時間帯において蓄電装置20及び燃料電池システム50から負荷部60へ供給可能な電力量の合計を超過する電力量については、電力系統70から受電(買電)する電力量として推定する。
【0142】
以上の計算を1日の各時間帯において行い、配電比率を変更した時の各配電比率に対する1日における電力系統70から受電する電力量の合計を推定することができる。言い換えると、1日における配電比率に応じた買電電力量を推定することができる。
【0143】
次に、1日あたりの買電電力量に基づいて最も電気代が低い配電比率を選択する、つまり1日における電気使用料料金を低くするには次の式の値が小さくなる配電比率を選択すればよい。
【0144】
(1日当たり買電電力量推定量)×(買電電気料金単価)
以上の手順で配電比率を選択することで電気代を低減することが可能となる。また、この例では0%から100%の間の10%刻みで推定を行っているがあらかじめ設定された所定の範囲に対して所定の回数推定を行ってもよい。また、配電比率の決定は推定する日の前日に行ってもよいし、当日に再度計算を行い、配電比率を更新してもよい。
【0145】
なお、本実施形態において、一定期間における需要電力2を推定する推定機能ブロックとして需要電力推定部86を設けたが、気象情報や過去の需要電力2の情報に基づいて需要電力2を推定可能なものであればよい。
【0146】
(その他の実施形態)
実施形態2の電力供給システムにおいて、制御装置80が、実施形態3の余剰電力推定部85を備え、実施形態3の配電比率制御を行ってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0147】
本開示の電力供給システムは、電気代が低下するように負荷に電力を供給することができる電力供給システムとして有用である。
【符号の説明】
【0148】
1 自然エネルギー発電装置の発電電力
2 負荷部の消費電力(需要電力)
3 余剰電力
4 蓄電装置の充電電力
5 水素生成装置の入力電力
6 蓄電装置の放電電力
7 燃料電池システムの発電電力
8 電力系統からの受電電力
9 電力系統への逆潮流電力
10 自然エネルギー発電装置
20 蓄電装置
30 水素生成装置
40 水素貯蔵装置
50 燃料電池システム
60 負荷部
61 電力需要家
70 電力系統
80 制御装置
81 電気料金情報取得部
82 給電比率制御部
83 配電比率制御部
84 機器制御部
85 余剰電力推定部
86 需要電力推定部
90 水素式電力貯蔵装置
100 貯蔵システム
110 エネルギーネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5