【実施例】
【0034】
以下、実施例に基づき本発明を詳述するが、この実施例の記載に基づいて本発明が限定的に解釈されるものではない。
【0035】
実施例、比較例、及び参考例のキャンデリラロウなどの分散組成物を製造し、粘度、平均粒子径(一部の組成物の粘度及び平均粒子径については、測定しなかった。)、外観を確認した。平均粒子径については、組成物における体積平均粒子径を、日機装社製の測定装置「Microtrac MT3000」を用いて、レーザー回折・散乱法により測定することで求めた。
【0036】
(キャンデリラロウ分散組成物)
キャンデリラロウ分散組成物の詳細は、次の通りである。
キャンデリラロウ、マイクロクリスタリンワックス、ポリオキシエチレンセチルエーテル(6E.O.)、ポリオキシエチレンセチルエーテル(10E.O.)、ポリオキシエチレンセチルエーテル(15E.O.)、ポリオキシエチレンセチルエーテル(20E.O.)、ポリオキシエチレンラウリルエーテル(9E.O.)、ポリオキシエチレンラウリルエーテル(4E.O.)、ポリオキシエチレンベヘニルエーテル(10E.O.)、ポリオキシエチレンベヘニルエーテル(20E.O.)、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(50E.O.)、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンセチルエーテル(20E.O.)(4P.O.)、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンセチルエーテル(20E.O.)(8P.O.)、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、グリセリン、及びソルビトールから選択した原料を使用した(原料の配合濃度は、下記表1〜4の通り。)。そして、原料を混合した80℃程度の油相に、当該油相を撹拌しながら、80℃程度の水を徐々に混合した。その後、自然冷却したものを実施例、比較例、及び参考例のキャンデリラロウなどの分散組成物として得た。
【0037】
下表1〜4に、組成物の調製に使用した原料及び配合濃度と共に、粘度、平均粒子径、外観の結果を示す。ここで、粘度の結果における「100以下」とは、測定可能な粘度下限以下であることを意味し、平均粒子径の結果における「50以下」とは、測定装置で表示される体積平均粒子径の下限値以下であることを意味する。また、外観の結果は目視確認した結果であり、「×」は析出又は分離が認められ、キャンデリラロウが十分に分散していなかったことを表す。
【0038】
【表1】
【0039】
上記表1においては、(1)実施例1a〜1dと比較例1a〜1bの対比により、HLB値が11.0以上16.0以下であれば、キャンデリラロウの分散性が良い傾向があること、(2)実施例1dと比較例1cの粘度及び平均粒子径の対比により、粘度が20000mPa・s以上になるほどにキャンデリラロウの配合量を増やした比較例1cは、平均粒子径が大きく、キャンデリラロウの分散性が良くないこと、(3)HLB値が11.0以上16.0以下である実施例1a〜1dと比較例1d〜1fの外観等の対比により、セチルエーテル系ノニオン界面活性剤の配合が、キャンデリラロウの分散性が良い傾向があること、を確認できる。
【0040】
【表2】
【0041】
上記表2においては、HLB値が11.0以上16.0以下のセチルエーテル系ノニオン界面活性剤を使用した実施例2a〜2cでは、キャンデリラロウの分散性が実施例1a等と同様であったことを確認できる。
【0042】
【表3】
【0043】
上記表3において、(B)/(A)を0.2以上にすると、粘度低下、平均粒子径の微細化、乳化状態の透明化傾向を確認できるから、キャンデリラロウの分散性が向上することが分かる。なお、実施例3dに防腐剤を適量添加したものを整髪剤として用いたところ、整髪力が良く、整髪後の髪型を長時間維持できたことが確認されている。
【0044】
【表4】
【0045】
下記原料、配合量のクリーム状O/W型乳化物を整髪剤として3種類製造した。この製造においては、キャンデリラロウ分散組成物を最後に配合した。製造した整髪剤は、キャンデリラロウを2〜4質量%含むものであるが、キャンデリラロウの分散性が安定していた。
セトステアリルアルコール 3質量%
4級アンモニウム塩 1.5質量%
イソプロピルアルコール 0.2質量%
1,3−ブチレングリコール 0.1質量%
固形エステル油 2質量%
グリセリン 5質量%
デカメチルシクロペンタシロキサン 10質量%
キャンデリラロウ分散組成物 20質量%、30質量%、又は40質量%
(キャンデリラロウ分散組成物:実施例3aと同じ)
【0046】
上記キャンデリラロウ分散組成物を配合する毛髪用処理剤の例として、シャンプー、洗い流すトリートメント、フォーム状整髪剤、整髪用ヘアワックス、整髪用ヘアミルクを以下に示す。
【0047】
シャンプーの配合組成例は、以下の通りである。
1.N−ヤシ油脂肪酸アシル−L−グルタミン酸ナトリウム 6質量%
2.ポリオキシエチレンラウリルエーテル酢酸ナトリウム 4質量%
3.ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム 3質量%
4.イソステアラミドプロピルベタイン 3質量%
5.ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン液 2質量%
6.ヤシ油脂肪酸N−メチルエタノールアミド 1質量%
7.塩化O−[2−ヒドロキシ−3−(トリメチルアンモニオ)プロピル]ヒドロキシエチルセルロース 0.5質量%
8.キャンデリラロウ分散組成物 0.5質量%
9.グリチルリチン酸ジカリウム 0.01質量%
10.クエン酸 適量
11.クエン酸ナトリウム 適量
12.防腐剤 適量
13.香料 適量
14.水 全量が100質量%となる量
【0048】
上記シャンプーを製造するには、上記1〜6及び13の一部を80℃まで加熱して溶解させたものと、14の一部及び7を80℃に加熱して溶解させたものとを混合し、30℃まで冷却した後に、8〜12を添加すると良い。
【0049】
洗い流すトリートメントの配合組成例は、以下の通りである。
1.臭化ステアリルトリメチルアンモニウム 2質量%
2.塩化ステアリルトリメチルアンモニウム 1質量%
3.セタノール 3質量%
4.ステアリルアルコール 2質量%
5.マカデミアナッツ油 3質量%
6.流動パラフィン 2質量%
7.アミノエチルアミノプロピルメチルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体 1質量%
8.ジメチルポリシロキサン 1質量%
9.キャンデリラロウ分散組成物 5質量%
10.フェノキシエタノール 0.3質量%
11.乳酸 適量
12.香料 適量
13.水 全量が100質量%となる量
【0050】
上記洗い流すトリートメントを製造するには、上記1〜6を80℃まで加熱して溶解させたものを、80℃まで加熱した13に混合して乳化させ、30℃まで冷却した後に、7〜12を添加すると良い。
【0051】
フォーム状整髪剤の原液の配合組成例は、以下の通りである。
1.ミリスチン酸 3質量%
2.ミツロウ 2質量%
3.PEG−40(平均分子量200) 1.2質量%
4.プロピレングリコール 1質量%
5.ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(80E.O) 1質量%
6.ポリオキシエチレンセチルエーテル(15E.O) 1質量%
7.ミリスチルアルコール 1質量%
8.エチルヘキサン酸アルキル(C14−18) 1質量%
9.2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール 0.8質量%
10.キャンデリラロウ分散組成物 5質量%
11.防腐剤 適量
12.香料 適量
13.水 全量が100質量%となる量
【0052】
上記フォーム状整髪剤の原液を製造するには、上記1〜8を80℃まで加熱して溶解させたものを、80℃まで加熱して混合した9及び13に添加して乳化させ、35℃まで冷却した後に、10〜12を添加すると良い。フォーム状整髪剤は、原液:噴射剤(LPG)の質量比を90:10として容器に充填して製造すると良く、この場合の25℃における容器からの噴射圧は、例えば0.3MPa程度であると良い。
【0053】
整髪用ヘアワックスの配合組成例は、以下の通りである。
1.ステアリン酸 4質量%
2.ヒドロキシステアリン酸 1質量%
3.ミツロウ 2質量%
4.マイクロクリスタリンワックス 2質量%
5.流動パラフィン 8質量%
6.コハク酸ジ2−エチルヘキシル 2質量%
7.ポリオキシエチレンセチルエーテル(5.5E.O) 1質量%
8.ポリオキシエチレンセチルエーテル(10E.O) 4質量%
9.1.3−ブチレングリコール 3質量%
10.アクリル樹脂アルカノールアミン液 2質量%
11.カルボキシビニルポリマー 0.1質量%
12.キャンデリラロウ分散組成物 5質量%
13.水酸化ナトリウム 0.35質量%
14.防腐剤 適量
15.香料 適量
16.水 合計100質量%となる量
【0054】
上記整髪用ヘアワックスを製造するには、上記1〜8を80℃まで加熱して溶解させる。これとは別に、10及び11を16に添加してから80℃まで加熱し、13を加える。この13を加えたものに、上記1〜8を溶解させたものを添加して乳化させ、35℃まで冷却した後に、12、14及び15を添加すると良い。
【0055】
整髪用ヘアミルクの配合組成例は、以下の通りである。
1.デカメチルシクロペンタシロキサン 5質量%
2.ミツロウ 1質量%
3.ステアリルアルコール 1.5質量%
4.セタノール 1質量%
5.ジメチルポリシロキサン 1質量%
6.臭化ステアリルトリメチルアンモニウム 1質量%
7.キャンデリラロウ分散組成物 5質量%
8.防腐剤 適量
9.香料 適量
10.水 合計100質量%となる量
【0056】
上記整髪用ヘアミルクを製造するには、上記1〜6を80℃まで加熱して溶解させたものを、80℃まで加熱した10に混合して乳化させ、35℃まで冷却した後に、7〜9を添加すると良い。