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特開2019-23510シールされた電気コネクタアセンブリおよびワイヤシール
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2019-23510(P2019-23510A)
(43)【公開日】2019年2月14日
(54)【発明の名称】シールされた電気コネクタアセンブリおよびワイヤシール
(51)【国際特許分類】
   F16J 15/10 20060101AFI20190118BHJP
   H01R 13/52 20060101ALI20190118BHJP
【FI】
   F16J15/10 U
   H01R13/52 301E
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2018-97608(P2018-97608)
(22)【出願日】2018年5月22日
(31)【優先権主張番号】15/614,012
(32)【優先日】2017年6月5日
(33)【優先権主張国】US
(71)【出願人】
【識別番号】599023978
【氏名又は名称】デルファイ・テクノロジーズ・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100140109
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 新次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100120112
【弁理士】
【氏名又は名称】中西 基晴
(74)【代理人】
【識別番号】100167243
【弁理士】
【氏名又は名称】上田 充
(72)【発明者】
【氏名】デュアン・エル・ブランティンガム
(72)【発明者】
【氏名】クララ・ピー・カルボーネ
(72)【発明者】
【氏名】エリック・イー・シャスティーン
【テーマコード(参考)】
3J040
5E087
【Fターム(参考)】
3J040AA17
3J040BA03
3J040EA01
3J040EA15
3J040EA17
3J040EA39
3J040FA05
3J040HA09
5E087EE02
5E087FF08
5E087FF12
5E087GG16
5E087HH01
5E087HH02
5E087HH04
5E087LL03
5E087LL12
5E087MM05
5E087RR12
5E087RR25
(57)【要約】      (修正有)
【課題】シールの長手方向の圧縮を低減するか、なくし、したがって、シールを通る端子への、長手方向の振動の伝達または変位を低減するか、なくすという利益を提供する。
【解決手段】細長い要素(例えば、ワイヤケーブル)とキャビティ壁とに係合するように構成されたシール10が提示される。シールは、シリコーンゴムなどの追従性材料から形成されたシール本体12を備える。シールは、キャビティ面に係合する外面14を有する。シール本体は、シール本体を貫通し、シール本体の内面18によって取り囲まれる通路を形成する。シール本体は、外面の前側縁部22から内面の前側縁部22まで延在する前面20と、外面14の後側縁部28から内面の後側縁部まで延在する後面26と、を有する。シールは、さらに、内面に実質的に平行な方向にシール本体を貫通する硬質材料(例えば、ガラス充填ポリエステルまたはナイロン)から形成された支持要素32を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
細長い要素(38)とキャビティ壁(48)とに係合するように構成されたシール(10)であって、
前記キャビティ壁(48)にシール係合するように構成された外面(14)を有する追従性材料から形成されたシール本体(12)であって、前記シール本体(12)の内面(18)によって取り囲まれる、長手方向軸線(X)に沿って前記シール本体(12)を貫通する通路(16)を形成するシール本体(12)と
を備え、
前記シール本体(12)は、さらに、
前記外面(14)の前側縁部(22)から前記内面(18)の前側縁部(22)まで延在する前面(20)と、
前記外面(14)の後側縁部(28)から前記内面(18)の後側縁部(28)まで延在する後面(26)と
を備え、
前記シール(10)は、さらに、前記内面(18)に実質的に平行な方向に前記シール本体(12)を貫通する硬質材料から形成された支持要素(32)を備える
シール。
【請求項2】
請求項1に記載のシール(10)であって、
前記硬質材料は、前記追従性材料よりも少なくとも20ポイント高いショアAデュロメーター値を有する
シール。
【請求項3】
請求項1に記載のシール(10)であって、
前記シール本体(12)および前記通路(16)は、それぞれ、前記長手方向軸線(X)を中心とする略円筒形状を有するものとして特徴付けられた
シール。
【請求項4】
請求項3に記載のシール(10)であって、
前記支持要素(32)は、略円柱形状を有するものとして特徴付けられた
シール。
【請求項5】
請求項4に記載のシール(10)であって、
前記シール(10)は、前記長手方向軸線(X)を中心として放射状に配置された複数の支持要素(32)を備える
シール。
【請求項6】
請求項5に記載のシール(10)であって、
前記複数の支持要素(32)は、前記長手方向軸線(X)から等距離に配置された
シール。
【請求項7】
請求項6に記載のシール(10)であって、
前記複数の支持要素(32)の各支持要素(32)は、前記複数の支持要素(32)のうちの隣接する2つの支持要素(32)から等距離に配置された
シール。
【請求項8】
請求項4に記載のシール(10)であって、
前記支持要素(32)の近心部分は、周方向頂部を形成する
シール。
【請求項9】
請求項4に記載のシール(10)であって、
前記支持要素(32)の近心部分は、周方向溝を形成する
シール。
【請求項10】
請求項4に記載のシール(10)であって、
前記支持要素(32)は、前記前面(20)から前記後面(26)までのみ延在する
シール。
【請求項11】
請求項1に記載のシール(10’)であって、
前記支持要素(32’)の第1の部分(68’)が、前記前面(20’)を越えて延在し、
前記支持要素(32’)の第2の部分(70’)が、前記前面(20’)と後面との間にあり、
前記支持要素(32’)の第3の部分(72’)が、前記後面(26’)を越えて延在し、
前記第1の部分(68’)および前記第3の部分(72’)は、前記第2の部分(70’)よりも大きな直径を有する
シール。
【請求項12】
請求項11に記載のシール(10’)であって、
前記第1の部分、前記第2の部分および前記第3の部分(72’)は、それぞれ、略円柱形状を有するものとして特徴付けられた
シール。
【請求項13】
請求項11に記載のシール(10’)であって、
前記第1の部分(68’)は、丸みのある前側縁部(76’)を有し、
前記第3の部分(72’)は、丸みのある後側縁部(78’)を有する
シール。
【請求項14】
請求項1に記載のシール(10)であって、
前記硬質材料は、75以上、85以下の範囲のショアAデュロメーター値を有する硬質ポリマー材料である
シール。
【請求項15】
請求項14に記載のシール(10)であって、
前記硬質材料は、ガラス充填ポリエステルおよびガラス充填ポリアミドからなる群から選択される
シール。
【請求項16】
請求項1に記載のシール(10)であって、
前記追従性材料は、45以上、55以下の範囲のショアAデュロメーター値を有する軟質ポリマー材料である
シール。
【請求項17】
請求項16に記載のシール(10)であって、
前記追従性材料は、シリコーンゴムである
シール。
【請求項18】
電気コネクタアセンブリ(36)であって、
請求項1に記載の前記シール(10)と、
端子キャビティ(44)と、該端子キャビティ(44)に連通するシールキャビティ(46)と、を形成するコネクタハウジング(42)と
を備え、
前記シールキャビティ(46)は、前記キャビティ壁(48)を画定し、
前記シール(10)は、前記シールキャビティ(46)内に受け入れられ、前記外面(14)は、前記キャビティ壁(48)にシール係合し、
前記電気コネクタアセンブリ(36)は、さらに、電気端子(40)によって終端されるとともに前記端子キャビティ(44)内に受け入れられる端部を有するワイヤケーブル(38)を備え、
前記内面(18)は、前記ワイヤケーブル(38)にシール係合し、
前記電気コネクタアセンブリ(36)は、さらに、前記コネクタハウジング(42)に取り付けられ、前記シールキャビティ(46)内に前記シール(10)を固定するように構成されたシール保持部(56)を備える
電気コネクタアセンブリ。
【請求項19】
請求項18に記載の電気コネクタアセンブリ(36)であって、
前記シールキャビティ(46)は、前記端子キャビティ(44)へのアクセスを可能にする開口(52)を有する前壁(50)を画定し、
前記支持要素(32)は、前記前壁(50)に接触するように構成された
電気コネクタアセンブリ。
【請求項20】
請求項19に記載の電気コネクタアセンブリ(36)であって、
前記支持要素(32)は、前記シール保持部(56)に接触するように構成された
電気コネクタアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本願は、2017年6月5日に出願された米国特許出願第15/614,012号の優先権の利益を要求する。
【0002】
[0002]本発明は、シールされた電気コネクタに関し、特に、コネクタハウジングの端子キャビティにおいて電気ケーブルをシールするためのワイヤシールに関する。
【背景技術】
【0003】
[0003]多くの用途において、端子またはコネクタハウジングに電気ケーブルを取り付けること、および、環境汚染物(例えば、湿気、ほこりなど)に対して接続部をシールすることが必要である。これを達成するために、いわゆる単一ワイヤシールが当該分野において公知である。単一ワイヤシールは、ケーブルシース上に配置され、端子またはコネクタハウジングの内壁とケーブルとの間のシールを提供する。
【0004】
[0004]弾性単一ワイヤシールを扱う典型的な先行技術文献は、米国特許第4,895,533号である。この文献は、コネクタ用の防水プラグを開示している。この防水プラグは、コネクタハウジングの内壁に装着することができる外側チューブ部分を有するゴムプラグと、ゴムプラグの外側チューブ部分に隣接して固定的に取り付けられる固定チューブと、その中央部分の電線挿入穴と、を備えている。弾性単一ワイヤシールを扱う典型的なさらなる先行技術文献は、独国特許第19828482号である。この文献は、導体とコネクタハウジングと間の隙間をシールするための単一ワイヤシールを開示している。シール本体のシール領域に補強領域が接合される。さらに、補強リブが、第1の側面で、補強領域の中空円筒状ベースに接続され、隣接する第2の側面で、シールリップに接続される。
【0005】
[0005]ワイヤケーブルとコネクタハウジングとの間にシールを形成するために、シールの横方向圧縮が必要である。しかしながら、そのようなケーブルシールは、縦方向にも圧縮され得る。その結果、コネクタハウジングにおける端子の望まれない移動が生じる。これは、断続的な電気接続解除および/または端子のフレッチング腐食を生じさせ得る。したがって、横方向圧縮を依然として可能にしつつ、縦方向の圧縮を低減または取り除くケーブルシールが依然として望まれている。
【0006】
[0006]背景技術の欄に記載された主題は、背景技術の欄において記載されていることのみから先行技術であると推定されるべきではない。同様に、背景技術の欄で述べられる問題、または、背景技術の欄の主題に関連する問題は、先行技術において従前から認識されていたものとして推定されるべきではない。背景技術の欄の主題は、様々なアプローチを表しているに過ぎず、それら自体も発明になり得る。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
[0007]本発明の一実施形態によれば、細長い要素(例えば、ワイヤケーブル)と、例えばコネクタ本体内のキャビティ壁と、に係合するように構成されたシールが提供される。シールは、追従性材料から形成されたシール本体を備えている。シールは、キャビティ壁とシール係合するように構成された外面を有している。シール本体は、長手方向軸線に沿ってシール本体を貫通する通路を形成する。この通路は、シール本体の内面によって取り囲まれる。シール本体は、さらに、外面の前側縁部から内面の前側縁部まで延在する前面を備えている。また、シール本体は、外面の後側縁部から内面の後側縁部まで延在する後面を備えている。シールは、さらに、硬質材料から形成され、長手方向軸線に実質的に平行な方向にシール本体を貫通する支持要素を備えている。
【0008】
[0008]硬質材料は、75〜85の範囲のショアAデュロメーター値を有する硬質ポリマー材料(例えば、ガラス充填ポリエステルまたはガラス充填ポリアミド材料)であってもよい。追従性材料は、45〜55の範囲のショアAデュロメーター値を有する軟質ポリマー材料(例えば、シリコーンゴム)であってもよい。支持要素を形成する硬質材料は、シール本体を形成する追従性材料よりも少なくとも20ポイント高いショアAデュロメーター値を有していてもよい。
【0009】
[0009]シール本体および通路は、それぞれ、長手方向軸線を中心とする略円筒形状を有するものとして特徴付けられてもよい。支持要素は、略円柱形状を有するものとして特徴付けられてもよい。支持要素の近心部分は、周方向頂部または周方向溝を形成してもよい。
【0010】
[0010]シールは、長手方向軸線のまわりに放射状に配置される複数の支持要素を有していてもよい。複数の支持要素は、長手方向軸線から等距離に配置されてもよい。複数の支持要素の各支持要素は、複数の支持要素のうちの2つの隣接する支持要素から等距離に配置されてもよい。
【0011】
[0011]支持要素は、前面から後面までのみに延在していてもよい。代替的には、支持要素の第1の部分が前面を越えて延在し、支持要素の第2の部分が前面と後面との間にあり、支持要素の第3の部分が後面を越えて延在する。第1および第3の部分は、第2の部分よりも大きい直径を有している。第1、第2および第3の部分は、それぞれ、略円柱形状を有しているものとして特徴付けられてもよい。第1の部分は、丸みのある前側縁部を有していてもよく、第3の部分は、丸みのある後側縁部を有していてもよい。
【0012】
[0012]本発明の他の実施形態によれば、電気コネクタアセンブリが提供される。この電気コネクタアセンブリは、上述の扱いと、端子キャビティと端子キャビティに連通するシールキャビティとを形成するコネクタハウジングと、を備えている。シールキャビティは、キャビティ壁を画定する。シールは、シールキャビティ内に受け入れられ、他の面がキャビティ壁にシール係合する。電気コネクタアセンブリは、さらに、端部を有するワイヤケーブルを備えている。この端部は、電気端子によって終端され、端子キャビティ内に受け入れられる。内面は、ワイヤケーブルにシール係合する。電気コネクタアセンブリは、さらに、シールキャビティ内にシールを固定するように構成されたコネクタハウジングに取り付けられるシール保持部を備えている。
【0013】
[0013]好ましい実施形態では、シールキャビティは、端子キャビティへのアクセスを可能にする開口を有する前壁を画定する。支持要素は、前壁およびシール保持部に接触するように構成されてもよい。
【0014】
[0014]本発明が、例示目的で、添付の図面を参照して以下に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】[0015]一実施形態によるシールの斜視図である。
図2】[0016]一実施形態による図1のシールを備える電気ケーブルアセンブリの断面斜視図である。
図3】[0017]一実施形態による図2の電気ケーブルアセンブリを組み立てる処理のフローチャートである。
図4】[0018]一実施形態による図3の電気ケーブルアセンブリを組み立てる処理の図である。
図5】一実施形態による図3の電気ケーブルアセンブリを組み立てる処理の図である。
図6】一実施形態による図3の電気ケーブルアセンブリを組み立てる処理の図である。
図7】一実施形態による図3の電気ケーブルアセンブリを組み立てる処理の図である。
図8】一実施形態による図3の電気ケーブルアセンブリを組み立てる処理の図である。
図9】一実施形態による図3の電気ケーブルアセンブリを組み立てる処理の図である。
図10】一実施形態による図3の電気ケーブルアセンブリを組み立てる処理の図である。
図11】一実施形態による図3の電気ケーブルアセンブリを組み立てる処理の図である。
図12】一実施形態による図3の電気ケーブルアセンブリを組み立てる処理の図である。
図13】一実施形態による図3の電気ケーブルアセンブリを組み立てる処理の図である。
図14】一実施形態による図3の電気ケーブルアセンブリを組み立てる処理の図である。
図15】一実施形態による図3の電気ケーブルアセンブリを組み立てる処理の図である。
図16】[0019]他の実施形態によるシールの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
[0020]図1は、シール10の非限定的な例を示している。シール10は、細長い要素(例えば、ワイヤケーブルなど)と、キャビティ壁(例えば、電気コネクタハウジング内のキャビティ)と、にシール係合する。本明細書で使用される場合、シール係合とは、液体、固体または気体がその間を通過することを抑制することを意味している。それは、必ずしも密封シールが形成されることを意味しない。シール10は、追従性材料(例えば、シリコーン系ゴム)から形成されたシール本体12を備えている。シール10の外面14は、キャビティ壁にシール係合する。シール本体12は、長手方向軸線Xに沿ってシール本体12を貫通する通路16を形成する。通路16は、細長い本体にシール係合するシール本体12の内面18によって取り囲まれている。シール本体12は、外面14の前側縁部22から内面18の前側縁部24まで延在する前面20と、外面14の後側縁部28から内面18の後側縁部30まで延在する後面26と、を形成する。シール10は、さらに、シール本体12にシール係合する複数の支持要素32を備えている。支持要素32は、それぞれ、略円柱形状を有しており、円柱状の通路34内に配置されている。円筒状通路34は、シール本体12を貫通している。円柱状の通路34は、長手方向軸線Xのまわりに放射状に配置されている。支持要素32は、長手方向軸線Xから等距離に配置されており、また、複数の支持要素のうちの隣接する2つの支持要素32から等距離に配置されている。支持要素32は、硬質材料(例えば、30%ガラス充填ポリエステル、または、30%ガラス充填ポリアミド(ナイロン))から形成されている。支持要素32は、内面18に実質的に平行な方向にシール本体12を貫通している。シール本体12および通路16の各々は、長手方向軸線Xを中心とする略円筒形状を有している。支持要素32の各々は、支持要素32が通路34から押し出されることを防止するために、周方向溝または頂部(図示せず)を形成してもよい。支持要素32の各々は、シール本体12の前面20からシール本体12の後面26までのみに延在している。この外面および内面は、キャビティ壁と細長い要素とにそれぞれ係合するように構成された柔軟リブを形成する。
【0017】
[0021]支持要素32は、シール本体12がモールドされた後、シール本体12内に挿入されてもよいし、あるいは、2回目のショットプロセスにおいてシール本体12とともにモールドされてもよい。
【0018】
[0022]シール本体12を形成する追従性材料を形成する硬質材料は、45〜55の範囲のショアAデュロメーター値を有し、一方、支持要素32は、75〜85の範囲のショアAデュロメーター値を有する。硬質材料のショアAデュロメーター値は、好ましくは、追従性材料のショアAデュロメーター値よりも少なくとも20ポイント高い。
【0019】
[0023]図2は、図1に図示され上述されたシール10が組み込まれた電気コネクタアセンブリ36の非限定的な例を示している。電気コネクタアセンブリ36は、ワイヤケーブル38を備えている。ワイヤケーブル38は、電気端子40によって終端される端部を有する絶縁ジャケットを備えている。電気コネクタアセンブリ36は、さらに、ワイヤケーブル38の絶縁ジャケットの一部分を取り囲むシール10を備えている。シール10の内面18は、ワイヤケーブル38にシール係合する。電気コネクタアセンブリ36は、さらに、絶縁材料(例えば、ポリブチレンテレフタレート(PBT)またはポリイミド(ナイロン))から形成されたコネクタハウジング42を備えている。コネクタハウジング42は、ワイヤケーブル38の電気端子40が受け入れられる端子キャビティ44と、端子キャビティ44に連通し、シール10が受け入れられるシールキャビティ46と、を形成する。ここで図示されるように、端子40は、端子キャビティ44内に挿入された中間ハウジング内に収容される。シールキャビティ46は、キャビティ壁48を画定し、外面14は、キャビティ壁48にシール係合する。シールキャビティ46は、端子キャビティ44へのアクセスを可能にする開口52を有する前壁50を画定する。支持要素32の前端54は、シール10がシールキャビティ46内に挿入されたときに、この前壁50に接触する。電気コネクタアセンブリ36は、さらに、一対のスナップ取付具58によってコネクタハウジング42に取り付けられるシール保持部56を備えている。このシール保持部56は、シール10をシールキャビティ46内に固定する。支持要素32の後端60は、シール保持部56に接触する。
【0020】
[0024]図3〜15は、図2に示される電気コネクタアセンブリ36を組み立てるプロセス100の非限定的な例を示し、説明している。プロセス100は、以下のステップを備えている。
【0021】
[0025]ステップ102、すなわち、ワイヤケーブルとシール拡張具とを用意する工程は、ワイヤケーブル38と、図4に示されるシール拡張具62と、を用意する工程を備えている。シール拡張具62は、円錐状先端64と、ワイヤケーブル38の電気端子40が受け入れられる器具キャビティ(図示せず)を形成する円筒状本体66と、を有している。
【0022】
[0026]ステップ104、すなわち、シール拡張具内に端子を挿入する工程は、図5に示されるように、シール拡張具62の器具キャビティ内に端子40を挿入する工程を備えている。
【0023】
[0027]ステップ106、すなわち、シール拡張具の先端をシールの通路内へ挿入する工程は、図6に示されるように、シール拡張具62の先端64をシール10の通路16内へ挿入する工程を備えている。
【0024】
[0028]ステップ108、すなわち、シール拡張具のまわりでシールを摺動させる工程は、図7および図8に示されるように、ワイヤケーブル38が通路16内に受け入れられ、シール10の内面18がワイヤケーブル38にシール係合するまで、シール拡張具62の円筒状本体66および円錐状先端64のまわりでシール10を摺動させる工程を備えている。通路16のまわりの支持要素32の放射状配置によって、シール本体12は、伸張し、円錐状先端64のまわりで通路16の直径を拡張する。
【0025】
[0029]ステップ110、すなわち、シール拡張具から端子を取り外す工程は、図9に示されるように、シール拡張具62の器具キャビティから端子40を取り外す工程を備えている。
【0026】
[0030]ステップ112、すなわち、コネクタハウジングを用意する工程は、図10に示されるように、コネクタハウジング42を用意する工程を備えている。
【0027】
[0031]ステップ114、すなわち、端子の先端およびシールをコネクタハウジング内へ挿入する工程は、図11に示されるように、電気端子40をコネクタハウジング42の端子キャビティ44内へ挿入する工程と、外面14がシールキャビティにシール係合するようにシール10をコネクタハウジング42のシールキャビティ46内へ挿入する工程と、を備えている。
【0028】
[0032]ステップ116、すなわち、シール保持部をコネクタハウジングに取り付ける工程は、図12〜15に示されるように、シール保持部56をコネクタハウジング42に取り付ける工程を備えている。シール保持部56は、図13に示されるように支持要素32の後端60に接触する。シール保持部56は、図15に示されるように支持要素32の前端54がシールキャビティ46の前壁50に接触するまで、図14に示されるようにシールキャビティ46内でシール10を前方に押圧する。
【0029】
[0033]他の非限定的な例のシール10’が図16に示されている。このシール10’では、支持要素32’の第1の部分68’が、シール本体12’の前面20’を越えて延在し、支持要素32’の第2の部分70’が、前面20’と後面26’との間にあり、支持要素32’の第3の部分72’が、後面26’を越えて延在する。第1の部分68’および第3の部分72’は、第2の部分70’よりも大きな直径を有しており、第2の部分70’を越えて横方向に延在する。第1の部分68’および第3の部分72’は、キノコ形状すなわち「マシュルーム形状」の頭部74’を形成する。頭部74’は、丸みのある前側縁部76’、および、丸みのある後側縁部78’をそれぞれ有する略円柱状の形状である。
【0030】
[0034]本明細書で提示される例は、電気コネクタアセンブリを対象としているが、他の細長い要素(例えば、光ケーブル、空気配管および/または油圧配管)とともに使用するように構成されたシールの他の実施形態も想定され得る。このシールは、これらのうちの任意のものを相互接続するのに使用されるコネクタハウジングとともに使用するように構成されていてもよい。
【0031】
[0035]このように、長手方向の圧縮に抵抗する支持要素32を有するシール10と、そのようなシール10が組み込まれた電気コネクタアセンブリ36と、が提供される。シール10は、シール10の長手方向の圧縮を低減するか、なくし、したがって、シール10を通る端子40への、長手方向の振動の伝達または変位を低減するか、なくすという利益を提供する。
【0032】
[0036]本発明が、その好ましい実施形態について説明されたが、それは、そのように限定されることを目的としておらず、次の特許請求の範囲で提示される範囲によってのみ限定されることを意図している。さらに、第1、第2などの用語の使用は、重要性の順序を示すものではなく、1つの要素を他の要素と区別するために使用される。さらに、a、anなどの用語の使用は、量の限定を示すものではなく、言及される物の少なくとも1つの存在を示している。さらに、方向用語、例えば、上部、下部などは、特定の向きを示すものではなく、1つの要素を他の要素から区別し、さまざまな要素間の位置的な関係を規定するために使用される。
図1
図2
図3
図4
図5
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図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
【外国語明細書】
2019023510000001.pdf