【解決手段】本発明は、磁性体本体と、前記磁性体本体の内部に配置され、引出部を含む内部コイルと、前記磁性体本体の長さ方向の両断面に配置され、前記内部コイルと接続されるように配置された金属層と、前記磁性体本体の長さ方向の両断面に前記金属層を覆うように配置された外部電極と、を含み、前記金属層は、前記磁性体本体の内部に配置され、前記外部電極と前記引出部との間に前記引出部を覆うように金属層が配置されたインダクタ及びその実装基板に関する。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下では、添付の図面を参照し、本発明の好ましい実施形態について説明する。しかし、本発明の実施形態は様々な他の形態に変形されることができ、本発明の範囲は以下で説明する実施形態に限定されない。また、本発明の実施形態は、当該技術分野で平均的な知識を有する者に本発明をより完全に説明するために提供されるものである。したがって、図面における要素の形状及び大きさなどはより明確な説明のために誇張されることがある。
【0016】
また、明細書全体において、ある構成要素を「含む」というのは、特に反対される記載がない限り、他の構成要素を除外するのではなく、他の構成要素をさらに含むことができることを意味する。
【0017】
[チップ電子部品]
以下では、本発明の一実施形態によるチップ電子部品を説明するにあたり、特に、巻線型インダクタを例に挙げて説明するが、本発明はこれに制限されない。
【0018】
図1は本発明の一実施形態によるチップ電子部品を示した概略斜視図であり、
図2は
図1のA−A’線に沿った断面図であり、
図3は
図1のB−B’線に沿った断面図である。
【0019】
図1から
図3には、チップ電子部品の一例として電源供給回路の電源ラインに用いられる巻線型インダクタ1が示される。上記チップ電子部品は、チップインダクタの他にも、チップビーズ(chip beads)、チップフィルター(chip filter)などに適切に応用されることができる。
【0020】
上記巻線型インダクタ1は、磁性体本体10、内部コイル20、金属層41、42、及び外部電極31、32を含む。
【0021】
磁性体本体10は、巻線型インダクタ1の外観をなし、磁気特性を示す材料であれば制限されないが、例えば、フェライトまたは金属系軟磁性材料が充填されて形成されることができる。
【0022】
上記フェライトとしては、Mn−Zn系フェライト、Ni−Zn系フェライト、Ni−Zn−Cu系フェライト、Mn−Mg系フェライト、Ba系フェライト、Li系フェライトなどの公知のフェライトを用いることができる。
【0023】
また、上記金属系軟磁性材料としては、Fe、Si、Cr、Al、及びNiからなる群より選択されたいずれか1つ以上を含む合金を用いることができる。例えば、Fe−Si−B−Cr系非晶質金属粒子を用いることができるが、これに制限されない。
【0024】
上記金属系軟磁性材料の粒径は0.1〜20μmであることができ、エポキシ(epoxy)樹脂またはポリイミド(polyimide)などの高分子上に分散した形態で含まれることができる。
【0025】
磁性体本体10は六面体形状であることができ、本発明の実施形態を明確に説明するために六面体の方向を定義すると、
図1に示されるL、W及びTはそれぞれ長さ方向、幅方向、厚さ方向を示す。上記磁性体本体10は、長さ方向の長さが幅方向の長さより長い六面体形状を有することができる。
【0026】
上記磁性体本体10の内部には、両端が上記磁性体本体10の長さ方向の両側面に引出された引出部21、22を含む内部コイル20が配置されることができる。
【0027】
上記内部コイル20は、コイルがスパイラル(spiral)形状に巻取されて配置されることができる。
【0028】
上記内部コイル20は、電気伝導性に優れた金属を含んで形成されることができ、例えば、銀(Ag)、パラジウム(Pd)、アルミニウム(Al)、ニッケル(Ni)、チタニウム(Ti)、金(Au)、銅(Cu)、白金(Pt)、またはこれらの合金などで形成されることができる。
【0029】
上記内部コイル20は、上記金属の表面を絶縁材で被覆して巻取された形態に用いられることができる。
【0030】
上記内部コイル20の一端部は磁性体本体10の長さ方向の一側面に露出する引出部21を含むことができ、他端部は磁性体本体10の長さ方向の他側面に露出する引出部22を含むことができる。
【0031】
図2及び
図3を参照すると、本発明の一実施形態による巻線型インダクタ1は、上記磁性体本体10の長さ方向の両側面に配置され、上記内部コイル20と接続されるように配置された金属層41、42を含むことができる。
【0032】
上記金属層41、42は、上記内部コイル20の引出部21、22と接触することにより、上記内部コイル20と接続されることができる。
【0033】
一般の巻線型インダクタの場合、内部コイルが磁性体本体の長さ方向の両側面に露出し、上記磁性体本体の長さ方向の両側面に上記内部コイルと接続されるように外部電極が配置される構造であったが、巻線型インダクタの小型化及び高性能化によってさらに細い線材を用いた内部コイルが製作された。
【0034】
これにより、内部コイルの露出面積が減少するようになり、内部コイルと部電極との接続面積が減少するという接触性問題が発生した。
【0035】
その結果、巻線型インダクタの小型化及び高性能化により、内部コイルと外部電極との接続面積が減少して電気的特性が低下するという問題があった。
【0036】
これに対し、本発明の一実施形態によると、上記磁性体本体10の長さ方向の両側面に上記金属層41、42が配置されるため、上記内部コイル20と後述する外部電極31、32との接続面積が増加して優れた電気的特性を具現することができる。
【0037】
即ち、上記磁性体本体10の長さ方向の両側面に内部コイル20と接続されるように金属層41、42を配置し、上記金属層41、42を覆うように外部電極31、32を配置することにより、内部コイル20と外部電極31、32との接続面積を増加させて直流抵抗(Rdc)値を減らすことができる。
【0038】
また、本発明の一実施形態によると、内部コイル20と外部電極31、32との接続面積が増加するため、上記内部コイル20の厚さを減少させることができる。これにより、巻線数が増加するため、高いインダクタンス(L)値を具現することができる。
【0039】
一方、本発明の一実施形態によると、上記内部コイル20と上記金属層41、42との接続面積は、上記内部コイル20の直径をr1とすると、0.020×r1(mm
2)以上であることができる。
【0040】
上記内部コイル20と上記金属層41、42との接続面積は、上記内部コイル20の直径をr1とすると、0.020×r1(mm
2)以上であることから、上記内部コイル20と外部電極31、32との接続面積を増加させることができるため、直流抵抗(Rdc)値を減らすことができる。また、接触不良の問題がないため内部コイル20の厚さを減らすことができ、巻線数の増加によって高いインダクタンス(L)値を具現することができる。
【0041】
また、本発明の一実施形態によると、上記磁性体本体10の長さ方向の両側面に内部コイル20と接続されるように金属層41、42を配置し、上記金属層41、42を覆うように外部電極31、32を配置するため、内部コイル20の露出を最小限にすることができる。
【0042】
即ち、従来は、内部コイルを最大限に露出させるために、磁性体本体内において内部コイルをL字型に折り曲げてモールディングしなければならなかったが、本発明の一実施形態では、上記金属層41、42が内部コイルと外部電極との連結性を確保する役割をするため、内部コイルの露出を最小限にすることができる。
【0043】
上記金属層41、42は、めっきによって形成されためっき層であることができるが、本発明はこれに制限されない。
【0044】
即ち、上記金属層41、42は、めっきによって形成されることができ、印刷法やスパッタリング法などの方法によって形成されることもできる。
【0045】
上記金属層41、42は、銅(Cu)及びニッケル(Ni)のいずれか一つ以上を含むことができるが、これに制限されず、後述の通り、内部コイル20と外部電極31、32を中間で電気的に連結することができる材質であれば特に制限されない。
【0046】
上記金属層41、42の厚さは0.5〜30μmであることができ、電気的特性である直流抵抗(Rdc)の散布を考慮するとき、上記金属層41、42の厚さは少なくとも1.0μm以上であることが好ましい。
【0047】
上記金属層41、42の厚さを0.5〜30μmに調節することにより、内部コイル20と外部電極31、32との接続面積を増加させて直流抵抗(Rdc)値を減らすことができる。
【0048】
上記金属層41、42の厚さが0.5μm未満の場合は、直流抵抗(Rdc)値の散布が大きくなって電気的特性に問題が生じる可能性がある。
【0049】
上記金属層41、42の厚さが30μmを超過すると、チップサイズに対する上記金属層41、42の厚さが厚すぎるようになってインダクタンス(L)が低下するおそれがある。
【0050】
図2を参照すると、上記金属層41、42は、上記磁性体本体10の長さ及び厚さ方向の断面において、上記磁性体本体10の長さ方向の両側面全体に配置されることができる。
【0051】
また、上記金属層41、42は、上記磁性体本体10の長さ方向の両側面より内部に配置されることができるが、本発明はこれに制限されない。
【0052】
図2を参照すると、上記磁性体本体10の長さ方向の両側面に上記金属層41、42を覆うように外部電極31、32が配置されることができる。
【0053】
一般の巻線型インダクタとは異なって、本発明の一実施形態によると、上記外部電極31、32が上記金属層41、42を覆うように配置されて上記金属層41、42と接続される。これにより、上記磁性体本体10の長さ方向の両側面に露出する上記内部コイル20と接続されるようになる。
【0054】
上記外部電極31、32は、上記磁性体本体10の厚さ方向の両側面及び/または幅方向の両側面に延長されて形成されることができる。
【0055】
上記外部電極31、32は、電気伝導性に優れた金属を含んで形成されることができ、例えば、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、すず(Sn)、銀(Ag)などの単独またはこれらの合金などで形成されることができる。
【0056】
また、上記外部電極は、銀−エポキシ(Ag−Epoxy)及び銅−エポキシ(Cu−Epoxy)のいずれか一つ以上を含むことができる。
【0057】
図4は本発明の実施例及び比較例による直流抵抗(Rdc)値を示したグラフである。
【0058】
図4を参照すると、磁性体本体の長さ方向の両側面に内部コイルと接続されるように金属層を配置し、上記金属層を覆うように外部電極を配置した実施例の場合、内部コイルと外部電極との接続面積が向上するため、従来の比較例に比べて直流抵抗(Rdc)値が低いことが分かる。
【0059】
また、内部コイルの厚さを減少させることができるため、内部コイルの巻線数が増加することにより、高いインダクタンス(L)値を具現することができる。
【0060】
図5は本発明の他の実施形態による
図1のA−A’線に沿った断面図である。
【0061】
図5を参照すると、本発明の他の実施形態によるチップ電子部品では、上記金属層41’、42’は、上記磁性体本体10の長さ及び厚さ方向の断面において、上記磁性体本体10の長さ方向の両側面一部に配置されることができる。
【0062】
図6は
図1のチップ電子部品を長さ方向の端部からみた内部透視図である。
【0063】
図6を参照すると、上記金属層41’は、上記磁性体本体10の長さ及び厚さ方向の断面において、上記磁性体本体10の長さ方向の両側面一部に配置されるため、上記磁性体本体10の断面面積(Ae)に対する上記金属層41’の断面面積(Ap)が小さく、両側及び上下の角から離れていることが分かる。
【0064】
図7は
図1のチップ電子部品を長さ方向の端部からみた他の実施形態による内部透視図である。
【0065】
図7を参照すると、上記金属層41’は、上記磁性体本体10の長さ及び厚さ方向の断面において、上記磁性体本体10の長さ方向の両側面一部に配置され、上記磁性体本体10の幅方向に露出するため、上記磁性体本体10の断面面積(Ae)に対する上記金属層41’の断面面積(Ap)が小さく、上下の角から離れていることが分かる。
【0066】
[チップ電子部品の製造方法]
以下では、本発明の一実施形態によるチップ電子部品の製造方法について説明する。
【0067】
まず、内部コイル20が内部に配置された磁性体本体10を形成することができる。
【0068】
上記内部コイル20は、巻線型インダクタの特性上、コイルを巻線することにより形成されることができる。
【0069】
上記磁性体本体10は、磁性体層を積層し、ラミネート法または静水圧プレス法によって圧着することで形成されることができる。
【0070】
次に、上記磁性体本体10の長さ方向の両側面に露出する内部コイル20と接続されるように金属層41、42を形成することができる。
【0071】
上記金属層41、42は、めっきによって形成されためっき層であることができるが、本発明はこれに制限されない。
【0072】
即ち、上記金属層41、42は、めっきによって形成されることができ、印刷法やスパッタリング法などの方法によって形成されることもできる。
【0073】
上記金属層41、42は、銅(Cu)及びニッケル(Ni)のいずれか一つ以上を含むことができるが、これに制限されず、後述の通り、内部コイル20と外部電極31、32を中間で電気的に連結することができる材質であれば特に制限されない。
【0074】
上記金属層41、42は、上記磁性体本体10の長さ及び厚さ方向の断面において、上記磁性体本体10の長さ方向の両側面全体に配置されることができ、一部のみに配置されることもできる。
【0075】
その後、上記磁性体本体10の長さ方向の両側面に上記金属層41、42を覆うように外部電極31、32を形成することができる。
【0076】
上記外部電極31、32が上記金属層41、42を覆うように配置されて上記金属層41、42と接続される。これにより、上記磁性体本体10の長さ方向の両側面に露出する上記内部コイル20と接続されるようになる。
【0077】
上記外部電極31、32は、上記磁性体本体10の厚さ方向の両側面及び/または幅方向の両側面に延長されて形成されることができる。
【0078】
上記外部電極31、32は、電気伝導性に優れた金属を含んで形成されることができ、例えば、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、すず(Sn)、銀(Ag)などの単独またはこれらの合金などで形成されることができる。
【0079】
また、上記外部電極は、銀−エポキシ(Ag−Epoxy)及び銅−エポキシ(Cu−Epoxy)のいずれか一つ以上を含むことができる。
【0080】
上記外部電極31、32は、外部電極31、32の形状によって印刷法やディッピング(dipping)法などを行って形成されることができる。
【0081】
上記外部電極31、32の上部には、必要に応じて、めっき層がさらに形成されることができる。
【0082】
[チップ電子部品の実装基板]
図8は
図1のチップ電子部品が印刷回路基板に実装された形状を示した斜視図である。
【0083】
図8を参照すると、本実施形態によるチップ電子部品の実装基板200は、チップ電子部品が水平になるように実装される印刷回路基板210、及び印刷回路基板210の上面に離隔されるように形成された第1及び第2電極パッド221、222を含む。
【0084】
このとき、上記チップ電子部品は、第1及び第2外部電極31、32がそれぞれ第1及び第2電極パッド221、222上に接触するように位置した状態において、はんだ230によって印刷回路基板210と電気的に連結されることができる。
【0085】
その他、上述した本発明の一実施形態によるチップ電子部品の特徴と重複する説明は省略する。
【0086】
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明の権利範囲はこれに限定されず、特許請求の範囲に記載された本発明の技術的思想から外れない範囲内で多様な修正及び変形が可能であるということは、当技術分野の通常の知識を有するものには明らかである。