【解決手段】糖分と塩分が混合された試料を1つの装置を使用して糖度と塩度を正確に計測することができる糖−塩混合試料の測定装置及び方法を提供する。このために、糖−塩混合試料の伝導度を測定して塩度を計算し、塩度による屈折率影響を分析し、糖−塩混合試料で測定された屈折率から塩度による屈折率の影響を除外した糖分による屈折率成分を抽出して糖度を計算する方式を使用することによって、糖分と塩分が混合された試料で測定された屈折率から糖度の影響と塩度の影響を区別して糖度と塩度の各々を正確に計測する。
前記糖度計算部は、前記測定された屈折率及び前記塩度による屈折率を反映して前記試料の糖度による屈折率を抽出し、前記糖度による屈折率から前記試料の糖度を計算することを特徴とする、請求項1に記載の糖−塩混合試料測定装置。
前記糖度による屈折率を抽出することは、前記測定された屈折率及び前記塩度による屈折率を因子にする予め定義された関数から前記糖度による屈折率が計算されることを特徴とする、請求項2に記載の糖−塩混合試料測定装置。
前記第4ステップは、前記測定された屈折率及び前記塩度による屈折率を反映して前記試料の糖度による屈折率を抽出する第4−1ステップ、及び前記糖度による屈折率から前記試料の糖度を計算する第4−2ステップを含むことを特徴とする、請求項5に記載の糖−塩混合試料の測定方法。
前記糖度による屈折率を抽出することは、前記測定された屈折率及び前記塩度による屈折率を因子にする予め定義された関数から前記糖度による屈折率が計算されることを特徴とする、請求項6に記載の糖−塩混合試料の測定方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このように、糖分と塩分が混合された試料(糖−塩混合試料)から糖度と塩度を各々正確に計測することができる満足すべき方法は提示されたことがなく、本発明はこのような問題を解決しようとする。
【0006】
本発明は、糖分と塩分が混合された試料を1つの装置を使用して糖度と塩度を正確に計測しようとするものである。
【0007】
また、本発明は、糖分と塩分が混合された試料で測定された屈折率から糖度の影響と塩度の影響を区別して糖度と塩度を各々正確に計測するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前述した目的を達成するための本発明の一態様は、試料の屈折率を測定する屈折率測定部と、試料の電気伝導度を測定する伝導度測定部と、測定された伝導度から試料の塩度を計算する塩度計算部と、計算された塩度から塩度による屈折率を抽出し、測定された屈折率及び塩度による屈折率を反映して試料の糖度を計算する糖度計算部と、を含むことを特徴とする、糖−塩混合試料測定装置である。
【0009】
糖−塩混合試料測定装置において、糖度計算部は、測定された屈折率及び塩度による屈折率を反映して試料の糖度による屈折率を抽出し、糖度による屈折率から試料の糖度を計算する。
【0010】
糖−塩混合試料測定装置において、糖度による屈折率を抽出することは、測定された屈折率及び塩度による屈折率を因子にする予め定義された関数から糖度による屈折率が計算する。
【0011】
糖−塩混合試料測定装置において、計算された塩度または糖度に対して温度補償を実行する温度補償部をさらに含む。
【0012】
本発明の他の一態様は、電気伝導度測定部と屈折率測定部を含む測定装置により実行される糖−塩混合試料の測定方法であって、試料の屈折率と伝導度を測定する第1ステップと、測定された伝導度から試料の塩度を計算する第2ステップと、計算された塩度から塩度による屈折率を抽出する第3ステップと、測定された屈折率及び塩度による屈折率を反映して試料の糖度を計算する第4ステップと、を含む糖−塩混合試料の測定方法である。
【0013】
糖−塩混合試料測定方法において、第4ステップは、測定された屈折率及び塩度による屈折率を反映して試料の糖度による屈折率を抽出する第4−1ステップと、糖度による屈折率から試料の糖度を計算する第4−2ステップを含む。
【0014】
糖−塩混合試料測定方法において、糖度による屈折率を抽出することは、測定された屈折率及び塩度による屈折率を因子にする予め定義された関数から糖度による屈折率が計算される。
【0015】
糖−塩混合試料測定方法において、計算された塩度及び糖度は、測定された温度によって温度補償が実行される。
【発明の効果】
【0016】
以上で説明したように、本発明によれば、糖分と塩分が混合された試料を1つの装置を使用して糖度と塩度を正確に計測することができる。また、本発明によれば、糖分と塩分が混合された試料で測定された屈折率から糖度の影響と塩度の影響を区別して糖度と塩度を各々正確に計測することができる。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の一部の実施形態を例示的な図面を参照して詳細に説明する。各図面の構成要素に参照符号を付加するに当たって、同一な構成要素に対しては、たとえ他の図面上に表示されても、できる限り同一な符号を有するようにすることに留意しなければならない。また、本発明を説明するに当たって、関連した公知構成または機能に対する具体的な説明が本発明の要旨を曖昧にすることがあると判断される場合には、その詳細な説明は省略する。
【0019】
また、本発明の構成要素を説明するに当たって、第1、第2、A、B、(a)、(b)などの用語を使用することができる。このような用語はその構成要素を他の構成要素と区別するためのものであり、その用語により当該構成要素の本質や回順序、または順序などが限定されない。ある構成要素が他の構成要素に“連結”、“結合”、または“接続”されると記載された場合、その構成要素はその他の構成要素に直接的に連結または接続できるが、各構成要素の間に更に他の構成要素が“連結”、“結合”、または“接続”されることもできると理解されるべきである。
【0020】
図1は、本発明の実施形態に係る糖−塩混合試料測定装置100の内部構成を例示する図である。
図1を参照すると、糖−塩混合試料測定装置100は、屈折率測定部110、伝導度測定部120、塩度計算部130、糖度計算部140、温度補償部150、及びデータベース160を含むことができる。糖−塩混合試料測定装置100は、
図1に例示された構成の他にも、ディスプレイ部などのように一般的に知られた構成をさらに含むことができることは自明である。
【0021】
屈折率測定部110は、試料の屈折率を測定することができる。本発明での試料は糖分と塩分が混合された糖−塩混合試料でありうる。屈折率測定部110は、試料に光を照射し、光の屈折程度を測定する光学式を使用することができる。屈折率測定部110の具体的な内容は、以下に詳細に説明する。
【0022】
伝導度測定部120は、試料の電気伝導度を測定することができる。伝導度測定部120が試料の電気伝導度を測定する原理に対して
図3を参照して説明する。
【0023】
図3を参照すると、伝導度測定部120は、電気抵抗測定部310、接触部320、及び互いに対向する2つの電極330を含むことができる。電気抵抗測定部310で接触部320及び2つの電極330を通じて電圧を印加すれば、2つの電極330の間の試料を通じて電流が流れる。電気抵抗測定部310は試料を通じて流れる電流を検出し、検出された電流と印加した電圧情報を用いて試料の電気伝導度を計算することができる。試料に印加する電圧には交流電圧を使用することが好ましい。
【0024】
一例として、電気抵抗測定部310で印加した電圧と検出された電流情報をA/Dコンバータを通じてプロセッサに伝達すれば、プロセッサで試料の抵抗値及び伝導度を計算することができる。伝導度の計算時に試料の温度を検出して温度補償された伝導度を計算することもできる。試料の塩分成分がNaCl、KClのうちのどれかによって、温度補償ファクターは少しずつ差があることがあるので、測定しようとする試料の塩分成分によって温度補償ファクターを異なるように適用することが好ましい。
【0025】
また、
図1を参照すると、塩度計算部130は測定された伝導度から試料の塩度を計算することができる。伝導度から塩度を計算する方法は、TDS(Total Dissolved Solids)測定方法を使用することができる。例えば、180度の高温でサンプル試料を蒸発させて残った重さを求めて、残った重さとして測定された伝導度で割って塩度ファクターを求める。以後、測定対象試料から求められた伝導度に塩度ファクターを掛けて試料の塩度を計算することができる。
【0026】
糖度計算部140は、塩度計算部130で計算した塩度から塩度による屈折率を抽出し、抽出された塩度による屈折率及び試料で測定された屈折率を反映して試料の糖度を計算することができる。より具体的に、糖度計算部140は、測定された屈折率及び塩度による屈折率を反映して試料の糖度による屈折率を抽出し、抽出された糖度による屈折率から試料の糖度を計算することができる。以下で糖度計算部140が塩度計算部130で計算した塩度を活用して塩度による屈折率を抽出し、抽出された塩度による屈折率を使用して糖度による屈折率を抽出し、抽出された糖度による屈折率を使用して糖度を計算することに対して詳細に説明する。
【0027】
まず、糖度計算部140が塩度計算部130で計算した塩度を用いて塩度による屈折率を抽出する方法を例示すると、糖分無しで塩分のみを含むサンプル試料で屈折率と塩度の関係データを求めた後、測定対象試料で伝導度を検出して計算された塩度を使用して塩度による屈折率を抽出する方法を使用することができる。
【0028】
次に、糖度計算部140は、試料で測定された屈折率及び塩度による屈折率を使用して糖度による屈折率を抽出することができる。一例に、試料で測定された屈折率及び塩度による屈折率を因子にする予め定義された関数から糖度による屈折率が計算できる。即ち、糖度による屈折率(n_sgr)は測定された屈折率(n_msr)と塩度による屈折率(n_slt)の関数として以下の<数式1>のように定義され、この関数を用いて糖度による屈折率(n_sgr)が計算できる。
【0029】
<数式1>
n_sgr=f(n_msr、n_slt)
【0030】
ここで、測定された屈折率(n_msr)及び塩度による屈折率(n_slt)を因子にする予め定義された関数(f)は実験的に求められるか、または理論的分析により求められることもできる。
【0031】
他の方法に、糖−塩混合試料の濃度に従う屈折率関数、塩度に従う屈折率関数(糖分がない状態)及び糖−塩混合濃度と塩分の濃度に従う糖度の屈折率関数を予め定義した後、以下の<数式2>のように測定された屈折率(n_msr)と塩度による屈折率(n_slt)を代入して糖度による屈折率(n_sgr)を計算することもできる。
【0032】
<数式2>
n_sgr=f3(f1
−1(n_msr)、f2
−1(n_slt))
【0033】
ここで、f1は糖−塩混合試料の濃度を因子にする屈折率関数であり、f2は塩度を因子にする屈折率関数であり、f3は糖−塩混合濃度と塩分の濃度を因子にする糖度の屈折率関数である。f1、f2、及びf3は各々実験的求められるか、または理論的分析により求められることができる。
【0034】
更に他の方法に、糖度屈折率(n_sgr)と塩度屈折率(n_slt)の関係データ(糖度−塩度屈折率関係データ)が糖−塩混合試料の屈折率(n_mix)によって複数個が予め備えられて、複数の糖−塩混合試料の屈折率(n_mix)データのうちで測定された屈折率(n_msr)値に最も近似したデータを選択し、選択された糖−塩混合試料の屈折率(n_mix)に該当する糖度−塩度屈折率関係データで塩度による屈折率(n_slt)を適用して糖度による屈折率(n_sgr)が抽出できる。ここで、混合試料の屈折率(n_mix)に従う糖度−塩度屈折率関係データは、混合試料の屈折率(n_mix)値によって糖度による屈折率(n_sgr)と塩度による屈折率(n_slt)の関係が予め定義されたテーブル形態にすることができる。または、屈折率に従う糖度−塩度屈折率関係データは、混合試料の屈折率(n_mix)値によって糖度による屈折率(n_sgr)と塩度による屈折率(n_slt)の関係が予め定義された関数形態にすることができる。
【0035】
例えば、以下のように糖−塩が混合されたサンプル試料から混合試料の屈折率(n_mix)によって糖度による屈折率(n_sgr)を塩度による屈折率(n_slt)を因子にする関数(f11,f12,f13,...)に予め定義し、糖−塩混合試料の測定された屈折率(n_msr)と最も近い屈折率(n_mix)を選択した後、計算された塩度による屈折率(n_slt)を代入して糖度による屈折率(n_sgr)を計算することができる。
【0036】
例)n_mix=n1の時、n_sgr=f11(n_slt);
n_mix=n2の時、n_sgr=f12(n_slt);
n_mix=n3の時、n_sgr=f13(n_slt);
・
・
・
【0037】
仮に、糖度による屈折率(n_sgr)を塩度による屈折率(n_slt)を因子にする関数に近似化させることが困難な場合には、テーブル形態にデータを格納してから、テーブルで塩度による屈折率(n_slt)を適用して糖度による屈折率(n_sgr)を抽出することが効果的でありうる。
【0038】
最後に、糖度計算部140が糖度による屈折率(n_sgr)を使用して糖度を計算する方法を例示すると、塩分無しで糖分のみを含むサンプル試料で屈折率と糖度の関係データを求めた後、糖度による屈折率(n_sgr)を適用して糖度を計算する方法を使用することができる。
【0039】
また
図1を参照すると、温度補償部150は計算された塩度及び/又は糖度に対して温度補償を実行することができる。
図1では温度補償部150が別途の構成で例示されているが、塩度計算部130及び/又は糖度計算部140にその機能が含まれることもできる。
【0040】
温度補償部150が屈折率測定に従う温度を補償する方法を例示する。温度補償部150は、試料の温度を測定し、試料の温度が適正範囲(例、0度〜50度)であるかを確認した後、適正範囲以内であれば、屈折率測定部110が屈折率を測定するようにする信号を転送することができる。以後、温度補償部150は測定温度に従う屈折率補償ファクターを抽出して直接温度補償機能を実行するか、または他の構成部で活用できるように屈折率補償ファクターを転送することもできる。仮に、適正温度範囲でないと判断される場合、温度補償部150は屈折率測定を中断し、ディスプレイ(図示せず)を通じて適正温度範囲でないという案内をするようにする信号を生成することができる。
【0041】
伝導度測定に従う塩度の計算時にも温度補償部150による温度補償機能が実行できる。温度補償部150は試料の温度を測定し、試料の温度が適正範囲(例、0度〜100度)であるかを確認した後、仮に適正温度範囲でないと判断される場合、温度補償部150は屈折率測定を中断し、ディスプレイ(図示せず)を通じて適正温度範囲でないという案内をするようにする信号を生成することができる。温度が適正範囲以内の場合、温度補償部150は測定温度に従う伝導度補償ファクターを抽出して伝導度に対して直接温度補償機能を実行するか、または他の構成部で活用できるように伝導度補償ファクターを転送することもできる。
【0042】
データベース160は糖−塩混合試料測定装置100で演算のために必要な各種データを格納し、各構成部の要請によって必要なデータを提供する機能を実行することができる。
【0043】
このように、本発明の一実施形態は糖−塩混合試料で糖度と塩度を各々正確に計測するために、糖度は電気的特性(導電性)に影響をほとんど及ぼさないが、塩度は濃度が高いほど伝導度が増加するという点を用いる。即ち、伝導度は糖度の影響無しで塩度の影響のみ受けて、屈折率は糖度及び塩度両方ともの影響を受けるという点に着眼して、糖−塩混合試料の伝導度から塩度を先に計測することができ、このように求められた塩度を活用して糖−塩混合試料の屈折率から糖度を計算することができるという点に基づいている。屈折率は糖度と塩度両方ともの影響を受けるので、伝導度から塩度を求めた状態で糖−塩混合試料の屈折率から糖度を計算するためには、塩度による屈折率影響を除去しなければならないが、このための具体的な方法は前述した通りである。
【0044】
図2は、本発明の実施形態に係る屈折率測定部及び伝導度測定部を例示する図である。
図2を参照すると、屈折率測定部は、光源210、プリズム220、光学フィルタ230、及び光学センサー240を含むことができ、伝導度測定部は対向する2つの電極270を含むことができる。図面符号260は試料を示し、図面符号250は試料が置かれる領域を定義する構造物を示す。
【0045】
試料260はプリズム220と構造物250により定義される領域に滴下され、プリズム220の上面の一部は試料260と接触し、境界面を形成することができる。光源210はプリズム220と試料260の境界面に向けて光を出射することができる。光源210から出射された光はプリズム220と試料260の境界面で反射されて光学フィルタ230を経て光学センサー240に入射する。光学センサー240は境界面で反射された光を検出して光の分布を測定することによって、プリズム220と試料260の境界面で光が屈折した程度に対する情報を生成する。このように、プリズム220と試料260の境界面で光が屈折した程度に対する情報は前述した糖度計算部に伝達されて糖度を計算することに活用できる。
【0046】
伝導度測定部は試料260の電気伝導度を測定するための2つの電極270を含むことができる。伝導度測定部の2つの電極270は各々試料260が置かれる領域を定義する構造物250に隣接して相互反対側に配置されることが好ましい。2つの電極270を試料260が置かれる領域を定義する構造物250に隣接して相互反対側に配置する場合、2つの電極270は試料260が滴下される領域の中央から外れて外郭に配置されることがあり、これによって光源210から出射された光がプリズム220と試料260の境界面で反射される時、光が屈折する程度が電極270の影響を受けないようにすることができるので、屈折率測定の正確性を高めることができる。
【0047】
伝導度測定部は、先の
図3を参照して説明したように、2つの電極を通じて電圧を印加し、電流を流れるようにした後、検出された電流と印加した電圧情報を使用して伝導度を測定することができる。
【0048】
図4は、本発明の実施形態に係る糖−塩混合試料の測定方法を例示する。
【0049】
まず、ステップS400として、測定装置は試料の屈折率、伝導度、及び温度を測定することができる。屈折率、伝導度、及び温度は同時に測定されることもでき、順次に測定されることもできるが、正確な温度補償のために屈折率及び/又は伝導度測定時に温度も共に測定されることが好ましい。屈折率及び伝導度を測定する方法は前述した通りであり、温度測定は通常の温度測定手段を使用することができる。
【0050】
次に、測定装置は測定された伝導度から試料の塩度を計算し(ステップS410)、計算された塩度から塩度による屈折率を抽出し(ステップS420)、測定された屈折率及び塩度による屈折率を反映して試料の糖度を計算することができる(ステップS430及びステップS440)。これらステップの具体的な方法に対しては前述した通りである。
【0051】
この際、ステップS430及びステップS440は一度に実行されることもできるが、分離されて段階的に進行されることもできる。即ち、試料から測定された屈折率及び塩度による屈折率を反映して試料の糖度による屈折率を抽出するステップS430、及び糖度による屈折率から試料の糖度を計算するステップS440に順次に進行できる。
【0052】
ステップS450は、計算された塩度及び糖度を測定された温度によって温度補償を実行するステップであるが、
図4には温度補償されない塩度と糖度を計算した後、最終的に温度補償を実行するものとして例示されているが、塩度と糖度を計算するステップS410及びステップS440で、各々温度ファクターを考慮して温度補償された値を直ちに計算するか、または測定された伝導度と屈折率値で直ちに温度補償された伝導度及び屈折率を計算して塩度及び糖度計算に使用することもできる。
【0053】
図5は、本発明の実施形態に係る糖−塩混合試料測定装置500のハードウェア観点でのブロック図を例示する。
図5を参照すると、糖−塩混合試料測定装置500は、光学制御器512、光学センサー514、光学測定ADコンバータ516、伝導度制御器522、伝導度センサー524、塩度測定ADコンバータ526、温度制御器532、温度センサー534、温度測定ADコンバータ536、CPU540、メモリ542、通信部544、ディスプレイ550,及びキースイッチ560を含むことができる。勿論、その他にも糖−塩混合試料測定装置500が機能を実行するために必要とする付加的な構成をさらに含んでもよい。
【0054】
光学制御器512はCPU540の指示を受けて光学センサー514を制御することができ、光学センサー514で検出された光学特性は光学測定ADコンバータ516を通じてデジタル信号に変換されてCPU540に転送できる。光学センサー514は先の
図1を参照して説明した屈折率測定部110に含まれる。光学制御器512と光学測定ADコンバータ516は屈折率測定部110に含まれてもよく、または屈折率測定部110の外部に構成されてもよい。
【0055】
伝導度制御器522はCPU540の指示を受けて伝導度センサー524を制御することができ、伝導度センサー524で検出された伝導度特性は伝導度測定ADコンバータ526を通じてデジタル信号に変換されてCPU540に転送できる。伝導度センサー524は、先の
図1を参照して説明した伝導度測定部120に含まれる。伝導度制御器522と伝導度測定ADコンバータ526は伝導度測定部120に含まれてもよく、または伝導度測定部120の外部に構成されてもよい。
【0056】
温度制御器532は、CPU540の指示を受けて温度センサー534を制御することができ、温度センサー534で検出された温度特性は温度測定ADコンバータ536を通じてデジタル信号に変換されてCPU540に転送できる。
【0057】
CPU540は光学センサー514の測定結果、伝導度センサー524の測定結果及び温度センサー534の測定結果を収集し、糖−塩混合試料測定装置500が実行する各種の演算機能を実行し、その結果をメモリ542に格納するか、またはディスプレイ550を通じて表示することができる。通信部544は外部との通信する機能を有するが、Bluetooth(登録商標)またはUART方式により通信することができる。キースイッチ560は糖−塩混合試料測定装置500の動作有無に対する信号を生成してCPU540に転送する機能を実行することができる。
【0058】
このように、本発明は糖分と塩分が混合された試料を1つの装置を使用して糖度と塩度を正確に計測することができる糖−塩混合試料の測定装置及び方法を提供する。このために、本発明は糖−塩混合試料の伝導度を測定して塩度を計算し、塩度による屈折率の影響を分析し、糖−塩混合試料で測定された屈折率から塩度による屈折率の影響を除外した糖分による屈折率成分を抽出して糖度を計算する方式を使用することによって、糖分と塩分が混合された試料で測定された屈折率から糖度の影響と塩度の影響を区別して糖度と塩度を各々正確に計測することができる。
【0059】
以上で記載された“含む”、“構成する”、または“有する”などの用語は、特別に反対になる記載がない限り、該当構成要素が内在できることを意味するものであるので、他の構成要素を除外するのでなく、他の構成要素を更に含むことができるものとして解釈されるべきである。技術的または科学的な用語を含んだ全ての用語は、異に定義されない限り、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者により一般的に理解されることと同一な意味を有する。辞典に定義された用語のように、一般的に使われる用語は関連技術の文脈上の意味と一致するものとして解釈されるべきであり、本発明で明らかに定義しない限り、理想的であるとか、過度に形式的な意味として解釈されない。
【0060】
以上の説明は、本発明の技術思想を例示的に説明したことに過ぎないものであって、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者であれば、本発明の本質的な特性から逸脱しない範囲で多様な修正及び変形が可能である。したがって、本発明に開示された実施形態は本発明の技術思想を限定するためのものではなく、説明するためのものであり、このような実施形態により本発明の技術思想の範囲が限定されるものではない。本発明の保護範囲は請求範囲により解釈されなければならず、それと同等な範囲内にある全ての技術思想は本発明の権利範囲に含まれるものとして解釈されるべきである。