【解決手段】モータ1は、軸方向に延びる中心軸Jを中心とするシャフトを有するロータと、前記ロータと対向して配置され、複数のコイルを有するステータと、前記ロータ及び前記ステータを収容するハウジングと、前記シャフトの軸方向一方側に位置するバスバーアセンブリー70と、を有し、前記バスバーアセンブリー70は、前記ステータの複数の前記コイルと電気的に接続される複数のバスバー71と、複数の前記バスバー71を保持するバスバーホルダ80と、を有し、複数の前記バスバー71のうちの少なくとも1つの前記バスバー71は、前記バスバーホルダ80上に設けられた配置面部80i上に載置されて前記中心軸Jと交差する方向に延びる。
前記バスバーは、前記配置面部上に配置されるバスバー本体部と、前記バスバー本体部の一端側に繋がって軸方向一方側に屈曲して延びて回路基板に接続されるモータ側端子部と、を有し、
前記ホルダー本体部は、前記配置面部上に配置された前記バスバーの前記モータ側端子部に隣接して前記配置面部から軸方向一方側に突出する端子保持部を有し、
前記端子保持部は、前記ホルダー本体部の周縁部よりも軸方向他方側へ延びる支持部を有し、
前記支持部は、前記樹脂ハウジングの軸方向一方側端部に接触する段部を有する
請求項6に記載のモータ。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態に係るモータについて説明する。本実施形態では、モータの軸方向一方側にポンプ部が配置されてオイルを吐出する電動オイルポンプを例にして説明する。また、以下の図面においては、各構成をわかり易くするために、実際の構造と各構造における縮尺及び数等を異ならせる場合がある。
【0012】
また、図面においては、適宜3次元直交座標系としてXYZ座標系を示す。XYZ座標系において、Z軸方向は、
図1に示す中心軸Jの軸方向他方側と平行な方向とする。X軸方向は、
図1に示す電動オイルポンプの短手方向と平行な方向、すなわち、
図1の左右方向とする。Y軸方向は、X軸方向とZ軸方向との両方と直交する方向とする。
【0013】
また、以下の説明においては、Z軸方向の正の側(+Z側)を「リア側」と記し、Z軸方向の負の側(−Z側)を「フロント側」と記す。なお、リア側及びフロント側とは、単に説明のために用いられる名称であって、実際の位置関係や方向を限定しない。また、特に断りのない限り、中心軸Jに平行な方向(Z軸方向)を単に「軸方向」と記し、中心軸Jを中心とする径方向を単に「径方向」と記し、中心軸Jを中心とする周方向、すなわち、中心軸Jの軸周り(θ方向)を単に「周方向」と記す。
【0014】
なお、本明細書において、軸方向に延びる、とは、厳密に軸方向(Z軸方向)に延びる場合に加えて、軸方向に対して、45°未満の範囲で傾いた方向に延びる場合も含む。また、本明細書において、径方向に延びる、とは、厳密に径方向、すなわち、軸方向(Z軸方向)に対して垂直な方向に延びる場合に加えて、径方向に対して、45°未満の範囲で傾いた方向に延びる場合も含む。
【0015】
[第1実施形態]
<全体構成>
図1は、第1実施形態に係る電動オイルポンプの断面図である。本実施形態の電動オイルポンプ1は、
図1に示すように、モータ部10と、ポンプ部40と、を有する。モータ部10とポンプ部40は、軸方向に沿って配置される。モータ部10は、軸方向に延びる中心軸Jに沿って配置されたシャフト11を有する。ポンプ部40は、モータ部10の軸方向一方側(フロント側)に位置し、モータ部10によってシャフト11を介して駆動されオイルを吐出する。以下、構成部材毎に詳細に説明する。
【0016】
<モータ部10>
モータ部10は、
図1に示すように、樹脂ハウジング13と、ロータ20と、シャフト11と、ステータ22と、転がり軸受25と、バスバーアセンブリー70と、を有する。
【0017】
モータ部10は、例えば、インナーロータ型のモータであり、ロータ20がシャフト11の外周面に固定され、ステータ22がロータ20の径方向外側に位置する。また、転がり軸受25は、シャフト11のリア側(+Z側)端部に配置され、シャフト11を回転可能に支持する。
【0018】
(樹脂ハウジング13)
樹脂ハウジング13は、
図1に示すように、ステータ保持部13aと、回路基板保持部13bと、ポンプボディ保持部13cと、を有する。ステータ保持部13a、回路基板保持部13b、ポンプボディ保持部13cは、樹脂により一体成型される。
【0019】
(ステータ保持部13a)
ステータ保持部13aは、内側に軸方向に延びる貫通孔13a1を有する。貫通孔13a1内にモータ部10のシャフト11と、ロータ20と、ステータ22とが配置される。ステータ保持部13aの内側面には、ステータ22の外側面、すなわち、後述するコアバック部22aの外側面が嵌め合わされる。これにより、ステータ保持部13aにステータ22が収容される。
【0020】
本実施形態のステータ保持部13aの外壁部13a2のX軸方向左側は、フロント側(−Z側)からリア側(+Z側)へ向かって樹脂の径方向の厚さが大きくなる左側壁部13a3を有する。また、外壁部13a2のX軸方向右側は、X軸方向に延びて外部コネクタ90が挿入される挿入孔部13a4を有する。挿入孔部13a4のフロント側には、挿入孔部13a4を支持するブラケット部13a5が設けられる。ブラケット部13a5により挿入孔部13a4の剛性が強化される。
【0021】
(回路基板保持部13b)
図2は、本実施形態に係る回路基板保持部13bの平面図である。回路基板保持部13bは、
図1及び
図2に示すように、ステータ保持部13aのリア側端部に連続的に繋がる。回路基板保持部13bはリア側が開口してX軸方向に延びる有底容器状であり、容器本体部13b1と、容器本体側フランジ部13b2とを有する。
【0022】
容器本体部13b1は、基板収容室13b3を有する。基板収容室13b3は、リア側が開口し、カバー部15によって基板収容室13b3のリア側の開口が覆われる。容器本体部13b1は、樹脂による一体成型であり、基板収容室13b3の内面及び底面には、複数の突起部13b4が互いに間隔を有して設けられる。基板収容室13b3内には、回路基板16、モータ側端子部74c、75c、76c、コネクタ側端子18等が収容される。
【0023】
モータ側端子部74c、75c、76cは、基板収容室13b3内のX軸方向左側に配置され、一端側がモータ部10のコイル22bに電気的に接続され、他端側が回路基板16に電気的に接続される。コネクタ側端子18は、基板収容室13b3内のX軸方向右側に配置され、一端側が外部コネクタ90に電気的に接続され、他端側が回路基板16に電気的に接続される。モータ側端子部74c、75c、76cは、後述するバスバー71(
図4参照)の一部を構成する。
【0024】
回路基板16は、モータ出力信号を出力する。本実施形態では、回路基板16は、基板収容室13b3のリア側に配置されてX軸方向に延びる。回路基板16の裏面(フロント側面)には、複数の電子部品及び図示しないプリント配線が設けられる。回路基板16のX軸方向左側には、モータ側端子部74c、75c、76cの先端部が突き出て電気的に接続されている。本実施形態では、3本のモータ側端子部74c、75c、76cが回路基板16にY軸方向に間隔を有して接続されている。また、回路基板16として、銅インレイ基板を用いることにより、図示しない発熱素子で発生した熱をカバー部15を介して放熱することができる。
【0025】
カバー部15は、金属材料製であり、熱容量が大きく、表面積が大きいため、放熱効果が高い。本実施形態では、カバー部15は、回路基板16に沿って延びる頂部15aと、頂部15aの外側縁部からフロント側へ延びる側壁部15bと、側壁部15bのフロント側端部から外側へ突出するカバー側フランンジ部15cと、を有する。
【0026】
カバー側フランンジ部15cは、容器本体部13b1に設けられた容器本体側フランジ部13b2に対向して配置されて、ボルト等の締結手段によって容器本体側フランジ部13b2に固定される。頂部15aは、X軸方向左側に回路基板16側へ窪む凹部15dを有する。凹部15dの先端部は図示しない伝熱部材を介して回路基板16に接触する。このため、回路基板16から発生した熱は、伝熱部材及びカバー部15を介して効果的に放熱することができる。
【0027】
(ポンプボディ保持部13c)
ポンプボディ保持部13cは、
図1に示すように、フロント側が開口した筒状であり、ステータ保持部13aのフロント側端に連続して繋がる。ポンプボディ保持部13cは、内側に軸方向に延びる孔部13c1を有する。孔部13c1の内径は、後述するポンプ部40のポンプボディ52のリア側の外径よりも僅かに大きな寸法を有する。孔部13c1の内側面にポンプボディ52のリア側が嵌め合わされる。
【0028】
ポンプボディ保持部13cの外側面13c2には、径方向に突出するモータ側フランジ部13c3を有する。モータ側フランジ部13c3は、後述するポンプボディ52に設けられるポンプ側フランジ部52aに対向して配置されて、ボルト等の締結手段によってポンプ側フランジ部52aに固定される。これにより、樹脂ハウジング13にポンプ部40が固定される。
【0029】
(ロータ20)
ロータ20は、ロータコア20aと、ロータマグネット20bと、を有する。ロータコア20aは、シャフト11を軸周り(θ方向)に囲んで、シャフト11に固定される。ロータマグネット20bは、ロータコア20aの軸周り(θ方向)に沿った外側面に固定される。ロータコア20a及びロータマグネット20bは、シャフト11と共に回転する。なお、ロータ20は、ロータ20の内部に永久磁石が埋め込まれた埋込磁石型でもよい。埋込磁石型のロータ20は、永久磁石をロータ20の表面に設けた表面磁石型と比較して、遠心力によって磁石が剥がれる虞を軽減することができ、また、リラクタンストルクを積極的に利用することができる。
【0030】
(ステータ22)
ステータ22は、ロータ20を軸周り(θ方向)に囲み、ロータ20を中心軸J周りに回転させる。ステータ22は、コアバック部22aと、ティース部22cと、コイル22bと、インシュレータ(ボビン)22dと、を有する。
【0031】
コアバック部22aの形状は、シャフト11と同心の円筒状である。ティース部22cは、コアバック部22aの内側面からシャフト11に向かって延びる。ティース部22cは、複数設けられ、コアバック部22aの内側面の周方向に均等な間隔で配置される。コイル22bは、インシュレータ(ボビン)22dの周囲に設けられ、導電線22eが巻回されてなる。インシュレータ(ボビン)19は、各ティース部22cに装着される。ステータ22は、樹脂による一体成型時において、コアバック部22a、ティース部22c、コイル22b、インシュレータ(ボビン)22dが樹脂により覆われた樹脂モールド部22fを有する。
【0032】
(転がり軸受25)
転がり軸受25は、ロータ20及びステータ22のリア側(+Z側)に配置され、転がり軸受保持部30に保持される。転がり軸受25は、シャフト11を支持する。転がり軸受25の形状、構造等は、特に限定されず、いかなる公知のベアリングも用いることができる。
【0033】
(シャフト11)
シャフト11は、
図1に示すように、中心軸Jに沿って延びてモータ部10を貫通する。シャフト11のフロント側(−Z側)は、モータ部10から突出してポンプ部40内に延びる。シャフト11のフロント側(−Z側)は、後述するポンプボディ52内のすべり軸受45に支持される。
【0034】
(バスバーアセンブリー70)
図3は、本実施形態に係るバスバーホルダ80を有したモータ部10の内部斜視図である。
図4は、本実施形態に係るバスバーホルダ80の平面図である。バスバーアセンブリー70は、
図3及び
図4に示すように、転がり軸受保持部30と基板収容室13b3との間に位置する(
図1参照)。バスバーアセンブリー70は、インサート成型により樹脂ハウジング13(
図1参照)に一体化される。バスバーアセンブリー70は、樹脂による一体成型品である。つまり、バスバーアセンブリー70は一次成型品であり、バスバーアセンブリー70を含んだ樹脂ハウジング13は二次成型品である。
【0035】
バスバーアセンブリー70は、ステータ22の複数のコイル22b(
図1参照)と電気的に接続される複数のバスバー71と、複数のバスバー71を保持するバスバーホルダ80と、を有する。バスバーホルダ80は、板状のホルダー本体部80aを有する。ホルダー本体部80aは、軸方向視において円形状である。
【0036】
(バスバーホルダ80)
バスバーホルダ80は、シャフト11の中心軸Jと交差する位置に配置される。図示した実施形態では、バスバーホルダ80は、シャフト11の中心軸Jと同軸上であって中心軸Jに対して直交する位置に配置される。ホルダー本体部80aは、ステータ22のリア側(+Z側)端部上に配置される。本実施形態では、ホルダー本体部80aは、モータ部10のインシュレータ22d上に載置され、ホルダー本体部80aの外径は、インシュレータ22dの外径よりも僅かに大きい。
【0037】
ホルダー本体部80aは、貫通孔80bを複数有する。貫通孔80bは、ホルダー本体部80aとステータ22とが軸方向に重なる位置の周方向に間隔を有して複数配置される。本実施形態では、ホルダー本体部80aは、ホルダー本体部80aの周縁部の周方向に円形状貫通孔80b1と四角形状貫通孔80b2を複数有する。また、ホルダー本体部80aは、ホルダー本体部80aの中央部の周辺に複数の円形状貫通孔80b1を有する。
【0038】
これらの貫通孔80bは、バスバーアセンブリー70のインサート成型時に樹脂が貫通孔80bを通ってステータ22及び樹脂ハウジング13側へ流れる。したがって、樹脂が硬化すると、貫通孔80bを通って硬化した樹脂を介して、ホルダー本体部80a(バスバーホルダ80)がステータ22及び樹脂ハウジング13に固定される。
【0039】
図5は、本実施形態に係るバスバーホルダ80の断面図である。ホルダー本体部80aは、
図5に示すように、ステータ22に設けられたインシュレータ22dよりも径方向外側へ突出するフランジ部80cを有する。フランジ部80cのフロント側(−Z側)は、インシュレータ22dのリア側端部が挿入される挿入凹部80dを有する。
【0040】
図4に示すように、インシュレータ22dのリア側端部及びフランジ部80cのいずれか一方に軸方向に突出する位置決め部80mを有する。インシュレータ22dのリア側端部及びフランジ部80cのいずれか他方に位置決め部80mが挿入される位置決め孔部80fを有する。
【0041】
本実施形態では、インシュレータ22dのリア側端部には軸方向へ突出する位置決め部80mとなるピン80e1が設けられる。ピン80e1は、インシュレータ22dの周方向に間隔を有して2個設けられる。一方、ホルダー本体部80aの周縁部には、位置決め孔部80fが周方向に間隔を有して2個設けられる。これらの位置決め孔部80fにピン80e1が嵌合して、ステータ22に対するホルダー本体部80aの周方向及び径方の位置決めをすることができる。なお、ピン80e1及び位置決め孔部80fの夫々の数は、少なくとも2個あればよく、3個以上でもよい。
【0042】
ホルダー本体部80aは、X軸方向左側にリア側へ突出する端子保持部85を有する。端子保持部85の詳細については、後述する。
【0043】
ホルダー本体部80aは、リア側に平らな面80hを有する。面80hは、複数のバスバー71の夫々を配置する複数の配置面部80iを有する。本実施形態では、配置面部80iは、第1配置面部80i1と、第2配置面部80i2と、第3配置面部80i3とを有する。第1配置面部80i1は、中心軸Jを通ってホルダー本体部80aの径方向に延びる。第2配置面部80i2は、第1配置面部80i1よりもY軸方向一方側(+側)のホルダー本体部80aのX軸方向左側に位置して中心軸Jに対して径方向外側へ延びる。第3配置面部80i3は、第1配置面部80i1よりもY軸方向他方側(−側)のX軸方向左側に位置してX軸方向へ延びる。
【0044】
第1配置面部80i1は、中心軸Jを通ってX軸方向左側へ直線状に延びる第1直線中央面部80i1aと、第1直線中央面部80i1aのX軸方向右側端に繋がってX軸方向右側に進むにしたがってY軸方向+側へ傾いて直線状に延びる第1右延伸面部80i1bと、第1直線中央面部80i1aのX軸方向左側端に繋がってX軸方向左側に進むにしたがってY軸方向+側へ傾いて直線状に延びる第1左延伸面部80i1cと、を有する。
【0045】
第2配置面部80i2は、第1左延伸面部80i1cのY軸方向+側に沿って直線状に延びる第2直線面部80i2aと、第2直線面部80i2aのX軸方向左側端に繋がって径方向外側へ延びる第2左延伸面部80i2bと、を有する。第3配置面部80i3は、第1左延伸面部80i1cのY軸方向−側に位置して第1直線中央面部80i1aに沿って直線状に延びる第3直線面部80i3aを有する。
【0046】
配置面部80iは、バスバー71の短手方向両側面に沿って延びて配置面部80iから突出する一対の案内壁82を有し、一対の案内壁82間にバスバー71が配置される。本実施形態では、第1配置面部80i1、第2配置面部80i2、第3配置面部80i3の夫々の短手方向両側に、一対の案内壁82が設けられている。
【0047】
図6は、本実施形態に係るバスバーホルダ80の支持部86の断面斜視図である。バスバーホルダ80は、
図6に示すように、X軸方向左側にリア側へ突出する端子保持部85を有する。端子保持部85は直方体状であり、端子保持部85の長手方向がY軸方向に沿って延びる。端子保持部85のX軸方向右側の側面85a及びリア側の頂面85bには、バスバー71のモータ側端子部75cに沿って延びる縦溝部85cが設けられる。縦溝部85cは軸方向に延びて、側面85a及び頂面85bに開口する。なお、縦溝部85cよりもY軸方向−側には、第2バスバー75及び第3バスバー76の夫々のモータ側端子部75c、76cが挿入される縦溝部85cが設けられる。
【0048】
モータ側端子部75cは、軸方向中間部に屈曲部75c1を有する。図示した実施形態では、屈曲部75c1はX軸方向左側へ向かって段状(L字状)に屈曲する。モータ側端子部74c、76cは、モータ側端子部75cと同様に屈曲部74c1、76c1(
図3参照)を有する。
【0049】
縦溝部85c内には、モータ側端子部75cのフロント側が挿入される。モータ側端子部75cの屈曲部75c1は縦溝部85cのリア側の開口に隙間を有して対向して配置される。モータ側端子部75cのリア側は屈曲部75c1からリア側へ延びる。このため、バスバーアセンブリー70が樹脂ハウジング13に一体成型される際に、樹脂圧によってモータ側端子部75cがX軸方向左側へ押されて傾く虞が生じた場合には、モータ側端子部75cのリア側が縦溝部85c内に挿入されているので、モータ側端子部75cのリア側がX軸方向左側へ傾く虞を抑えることができる。
【0050】
また、モータ側端子部75cは縦溝部85c内に挿入されているので、樹脂圧によるモータ側端子部75cへの押圧力が抑えられる。このため、モータ側端子部75cのリア側がX軸方向左側へ傾く虞をより抑えることができる。
【0051】
また、モータ側端子部75cのリア側端部は、
図3及び
図6に示すように、回路基板16に溶接されて電気的に接続される。モータ側端子部75cのリア側端部が回路基板16に溶接され際に、熱によりモータ側端子部75cが軸方向に伸長して回路基板16を付勢する虞が生じる。しかしながら、モータ側端子部75cに設けられた屈曲部75c1が変形することで、回路基板16に作用する付勢力を軽減することができる。なお、モータ側端子部75cが熱を受けて伸長すると、屈曲部75c1は縦溝部85c側へ変形する。このため、屈曲部75c1は縦溝部85c内に移動するので、屈曲部75c1の移動が制限されることはない。
【0052】
ここで、バスバーアセンブリー70が樹脂ハウジング13に一体成型される際、樹脂圧は、端子保持部85に作用して、端子保持部85を介してバスバーホルダ80のX軸方向左側がフロント側へ折り曲げられる方向に変形する虞が生じる。そこで、端子保持部85は、ホルダー本体部80aの周縁部よりもフロント側へ延びる支持部86を有する。支持部86は、モータ部10のステータ22のリア側端部に接触する段部86aを有する。
【0053】
図示した実施形態では、支持部86は、ステータ22のリア側端部の外周面に沿って湾曲する壁部86bを有する。壁部86bは、端子保持部85の長手方向(Y軸方向)の幅よりも僅かに大きな幅を有する。壁部86bのフロント側端部にはステータ22のリア側端部に接触する段部86aが設けられる。このため、段部86aにステータ22のリア側端部が接触することで、端子保持部85に作用する樹脂圧を、支持部86を介してステータ22のリア側端部で支持することができる。
【0054】
また、壁部86bの径方向外側の面には、軸方向に延びるリブ88が周方向に間隔を有して複数設けられている。
【0055】
(バスバー71)
バスバー71は、
図4に示すように、金属材料製、例えば、銅にスズメッキが施されたスズメッキ銅である。バスバー71は、第1配置面部80i1上に配置される第1バスバー74と、第2配置面部80i2上に配置される第2バスバー75と、第3配置面部80i3上に配置される第3バスバー76と、を有する。
【0056】
第1バスバー74は、バスバー本体部74aと、バスバー本体部74aの一端側に繋がるコイル側端子部74bと、バスバー本体部74aの他端側に繋がるモータ側端子部74cと、を有する。第2バスバー75は、バスバー本体部75aと、バスバー本体部75aの一端側に繋がるコイル側端子部75bと、バスバー本体部75aの他端側に繋がるモータ側端子部75cと、を有する。第3バスバー76は、バスバー本体部76aと、バスバー本体部76aの一端側に繋がるコイル側端子部76bと、バスバー本体部76aの他端側に繋がるモータ側端子部76cと、を有する。
【0057】
第1バスバー74のバスバー本体部74aは、第1直線中央面部80i1a上に載置される第1直線部74a1と、第1右延伸面部80i1b上に載置される第1右延伸部74a2と、第1左延伸面部80i1c上に載置される第1左延伸部74a3と、を有する。第1直線部74a1は中心軸J上を通る。第1右延伸部74a2の側端部に繋がるコイル側端子部74bは、ステータ22からリア側へ延びるコイル22bの導電線22eを電気的に接続する導電線接続部74b1を有する。
【0058】
導電線接続部74b1は、ホルダー本体部80aのリア側の周縁部に突出して設けられた接続端子保持部80k1に支持される。本実施形態では、モータ部10のコイル22bが3相巻線の場合であり、U相、V相、W相のいずれかに対応するコイル22bとバスバー71を接続するために、接続端子保持部80k1、k2、k3は、ホルダー本体部80aの周縁部の周方向に等間隔を有して3か所設けられる。
【0059】
また、本実施形態では、第1バスバー74は、ステータ22のコイル22bに第1バスバー74の一端部を接続し、中心軸Jを中央にして第1バスバー74の一端部と反対側の位置に第1バスバー74の他端部を配置する場合、第1バスバー74の一端部と他端部とを繋ぐ仮想線Lが中心軸Jに対してずれている場合における第1バスバー74の配置を例にしている。
【0060】
このような場合、本実施形態では、第1直線部74a1を中心軸Jと交差する位置に配置し、第1直線部74a1の長手方向一端部から第1右延伸部74a2を接続端子保持部80k1側に直線状に延ばし、第1直線部74a1の長手方向他端部から第1左延伸部74a3をモータ側端子部75cを支持する端子保持部85に向かって直線状に延ばす。したがって、第1直線部74a1が中心軸Jと交差する方向に延びていない場合と比較して、第1バスバー74を最短距離で配置することができる。
【0061】
なお、図示した実施形態では、第1直線部74a1の長手方向一方側が中心軸と交差する位置に配置された場合を示したが、第1直線部74a1の長手方向中間部又は長手方向他方側が中心軸Jと交差する位置に配置されてもよい。
【0062】
第2バスバー75のバスバー本体部75aは、第2直線面部80i2a上に載置される第2直線部75a1と、第2左延伸面部80i2b上に載置される第2左延伸部75a3と、を有する。第2直線部75a1のX軸方向右側端部に繋がるコイル側端子部75bは接続端子保持部80k2に支持される。
【0063】
第3バスバー76のバスバー本体部76aは、第3直線面部80i3a上に載置される第3直線部76a1を有する。第3直線部76a1のX軸方向右側端部に繋がるコイル側端子部76bは接続端子保持部80k3に支持される。
【0064】
第1バスバー74、第2バスバー75、第3バスバー76の夫々は、軸方向に貫通する固定孔77を有する。図示した実施形態では、第1バスバー74は、第1直線部74a1のX軸方向左側端部に固定孔77を有する。第2バスバー75は、第2直線部75a1のX軸方向右側端部に固定孔77を有する。第3バスバー76は、第3直線部76a1のX軸方向右側端部に固定孔77を有する。
【0065】
一方、バスバーホルダ80は、
図4及び
図6に示すように、バスバー71を配置面部80iに配置した状態でバスバー71の固定孔77と重なる位置に連通孔89を有する。本実施形態では、バスバーホルダ80は、第1配置面部80i1の第1直線中央面部80i1aのX軸方向左側端部に固定孔77に連通する連通孔89を有する。また、バスバーホルダ80は、第2配置面部80i2の第2直線面部80i2aのX軸方向右側端部に固定孔77に連通する連通孔89を有する。さらに、バスバーホルダ80は、第3配置面部80i3の第3直線面部80i3aの軸方向左側端部に固定孔77に連通する連通孔89を有する。
【0066】
このため、インサート成型時に樹脂が固定孔77及び連通孔89を流れて、固定孔77及び連通孔89内で樹脂が硬化すると、この硬化した樹脂によってバスバー71をバスバーホルダ80に固定することができる。
【0067】
配置面部80iは、バスバー71を配置面部80iの所定位置に位置決めする位置決め部80mを有する。バスバー71は、位置決め部80mと嵌め合う位置決め孔部78を有する。本実施形態では、第1バスバー74の第1左延伸部74a3のX軸方向左側端部には、位置決め孔部78が設けられる。また、第2バスバー75の第2左延伸部75a3のX軸方向左側端部には、位置決め孔部78が設けられる。第3バスバー76の第3直線部76a1のX軸方向左側端部には、位置決め孔部78が設けられる。
【0068】
一方、第1配置面部80i1の第1左延伸面部80i1cのX軸方向左側端部には、位置決め孔部78に通される位置決め部80mが設けられる。本実施形態では、位置決め部80mは、位置決め孔部78に通される位置決め突起である。また、第2配置面部80i2の第2左延伸面部80i2bのX軸方向左側端部には、位置決め部80mが設けられる。第3配置面部80i3の第3直線面部80i3aのX軸方向左側端部には、位置決め部80mが設けられる。
【0069】
位置決め孔部78に通された位置決め突起の位置決め部80mは、金型による成型時に位置決め孔部78から突出する位置決め部80mの先端部が潰されて加締められて、バスバー71が配置面部80iに位置決めされる。
【0070】
<ポンプ部40>
ポンプ部40は、
図1に示すように、モータ部10の軸方向一方側、詳細にはフロント側(−Z側)に位置する。ポンプ部40は、モータ部10によってシャフト11を介して駆動される。ポンプ部40は、ポンプロータ47と、ポンプハウジング51と、を有する。ポンプハウジング51は、ポンプボディ52と、ポンプカバー57と、を有する。以下、各部品について詳細に説明する。
【0071】
(ポンプボディ52)
ポンプボディ52は、モータ部10のフロント側(−Z側)において樹脂ハウジング13のフロント側(−Z側)内に固定される。ポンプボディ52は、ポンプロータ47を収容し側面及びモータ部10のリア側(+Z側)に位置する底面を有する収容部53を有する。収容部53は、フロント側(−Z側)に開口してリア側(+Z側)に窪む。収容部53の軸方向から視た形状は、円形状である。
【0072】
ポンプボディ52は、リア側(+Z側)の面からフロント側(−Z側)に窪む凹部54を有する。凹部54内にシール部材59を収容する。凹部54の軸方向から視た形状は、円形状である。
【0073】
ポンプボディ52は、中心軸Jに沿って貫通する貫通孔55を有する。貫通孔55は軸方向両端が開口してシャフト11が通される。リア側(+Z側)の開口は凹部54に向かって開口する。フロント側(−Z側)の開口は収容部53に開口する。貫通孔55は、シャフト11を回転可能に支持するすべり軸受45として機能する。
【0074】
図7は、第1実施形態に係る樹脂ハウジング13のモータ側フランジ部13c3の拡大断面図である。ポンプボディ52は、リア側(+Z側)の径方向外側の外側面に径方向内側に窪む段部61を有する。段部61は、環状の端壁面61aを有する。端壁面61aに樹脂ハウジング13のフロント側端部13dが接触することで、樹脂ハウジング13をポンプボディ52に対して軸方向に位置決めすることができる。本実施形態では、
図7に示すように、樹脂ハウジング13のフロント側端部13dは、端壁面61a上に配置された金属プレート63を介して端壁面61aに接触する。段部61は、凹部54に設けられたシール部材59と収容部53との間に位置する。段部61は、凹部54に設けられたシール部材59と収容部53との間に位置する。
【0075】
金属プレート63は、本実施形態では、樹脂ハウジング13とポンプボディ52の間に設けられている。樹脂ハウジング13には、外側面にローレット目が設けられ、内周面に雌ねじが設けられたカラー69がインサートされている。具体的には、段部61上にインサートされる。金属プレート63は、樹脂ハウジング13のフロント側端部13dの径方向の大きさとはほぼ同等の大きさを有する。金属プレート63が樹脂ハウジング13とポンプボディ52の間に配置された理由は、次の通りである。樹脂ハウジング13の外形は、電動オイルポンプ1の設置スペースとの関係で大型化することができない。このため、樹脂ハウジング13のポンプボディ52に接触する樹脂ハウジング13のカラー69の肉厚は十分に確保できない。したがって、樹脂ハウジング13とポンプボディ52間を締結すると、ポンプボディ52が座屈する虞が生じる。そこで、鉄製の金属プレート63を樹脂ハウジング13とポンプボディ52の間に入れることでカラー69の肉厚が十分取れなくてもポンプボディ52がアルミ製であっても座屈を防止することが出来る。
【0076】
端壁面61aの径方向内側端には、周壁面64がリア側(+Z側)に連続して延びる。周壁面64のリア側(+Z側)には、径方向内側に窪んだ環状の凹部65が設けられる。この凹部65にはシール部材66が設けられる。図示した実施形態では凹部65にOリングが設けられる。
【0077】
段部61の端壁面61aよりも径方向外側には、ポンプ側フランジ部52aが設けられる。ポンプ側フランジ部52aは、端壁面61aに連なって連続して延びる。本実施形態では、ポンプ側フランジ部52aは周方向に間隔を有して4か所設けられる。
【0078】
ポンプ側フランジ部52aは、樹脂ハウジング13のフロント側端部13dが段部61に接触した状態でモータ側フランジ部13c3に対向して配置され、ポンプ側フランジ部52a及びモータ側フランジ部13c3間をボルト等の締結手段で締結することで、モータ部10をポンプ部40に固定することができる。
【0079】
(ポンプロータ47)
ポンプロータ47は、シャフト11に取り付けられる。より詳細には、ポンプロータ47は、シャフト11のフロント側(−Z側)に取り付けられる。ポンプロータ47は、シャフト11に取り付けられるインナーロータ47aと、インナーロータ47aの径方向外側を囲むアウターロータ47bと、を有する。インナーロータ47aは、円環状である。インナーロータ47aは、径方向外側面に歯を有する歯車である。
【0080】
インナーロータ47aは、シャフト11に固定される。より詳細には、インナーロータ47aの内側にシャフト11のフロント側(−Z側)の端部が圧入される。インナーロータ47aは、シャフト11と共に軸周り(θ方向)に回転する。アウターロータ47bは、インナーロータ47aの径方向外側を囲む円環状である。アウターロータ47bは、径方向内側面に歯を有する歯車である。
【0081】
インナーロータ47aとアウターロータ47bとは互いに噛み合い、インナーロータ47aが回転することでアウターロータ47bが回転する。すなわち、シャフト11の回転によりポンプロータ47は回転する。言い換えると、モータ部10とポンプ部40とは同一の回転軸を有する。これにより、電動オイルポンプ1が軸方向に大型化することを抑制できる。
【0082】
また、インナーロータ47aとアウターロータ47bとが回転することで、インナーロータ47aとアウターロータ47bの噛み合わせ部分の間の容積が変化する。容積が減少する領域が加圧領域なり、容積が増加する領域が負圧領域となる。ポンプロータ47の負圧領域のフロント側(−Z側)には、吸入ポートが配置される。また、ポンプロータ47の加圧領域Apのフロント側(−Z側)には、吐出ポートが配置される。ここで、ポンプカバー57に設けられた吸入口57aから収容部53内に吸入されるオイルは、インナーロータ47aとアウターロータ47bの間の容積部分に収容され、加圧領域に送られる。その後、オイルは、吐出ポートを通ってポンプカバー57に設けられた吐出口57bから吐出される。
【0083】
(ポンプカバー57)
ポンプカバー57は、
図1に示すように、ポンプボディ52に対してフロント側(−Z側)から覆うことで、ポンプボディ52との間に収容部53を設ける。本実施形態では、ポンプカバー57は、ポンプボディ52のフロント側(−Z側)に取り付けられて、収容部53のフロント側(−Z側)に開口する開口部53aを閉塞することで、ポンプカバー57とポンプボディ52との間に収容部53が設けられる。
【0084】
<電動オイルポンプ1の作用・効果>
次に、電動オイルポンプ1の作用・効果について説明する。
図1に示すように、電動オイルポンプ1のモータ部10が駆動すると、モータ部10のシャフト11が回転して、ポンプロータ47のインナーロータ47aの回転にともなってアウターロータ47bも回転する。ポンプロータ47が回転すると、ポンプ部40の吸入口57aから吸引されたオイルは、ポンプ部40の収容部53内を移動して、吐出ポートを通って吐出口57bから吐出される。
【0085】
(1)ここで、本実施形態に係る電動オイルポンプ1は、複数のバスバー71のうちの少
なくとも1つのバスバー71は、バスバーホルダ80上に設けられた配置面部80i上に載置されて中心軸Jと交差する方向に延びる。このため、ステータ22のコイル22bにバスバー71の一端部を電気的に接続し、中心軸Jを中央にしてバスバー71の一端部と反対側の位置にバスバー71の他端部を配置する場合、バスバー71を最短距離で配置面部80i上に配置することができる。このため、バスバー71の長さの増大が抑制されてコストを抑えたモータ部10(電動オイルポンプ1)を提供することができる。
【0086】
(2)バスバー71は、配置面部80i上を直線状に延びるので、バスバー71を径方向
に配置するこができる。このため、バスバー71の長手方向の長さをより短縮化することができる。
【0087】
(3)バスバーホルダ80は、中心軸Jと交差する位置に配置されるので、バスバーホルダ80の配置面部80i上にバスバー71を載置した状態で、バスバー71を最短距離で配置することができる。
【0088】
(4)ハウジングは樹脂ハウジング13であるので、モータ部10を軽量化することができる。また、バスバーアセンブリー70は、インサート成型により樹脂ハウジング13に一体化されるので、インサート成型時に樹脂ハウジング13に対してバスバーアセンブリー70の位置決めがされる。このため、バスバーアセンブリー70の樹脂ハウジング13に対する位置精度を向上させることができる。
【0089】
(5)バスバーホルダ80は、軸方向両側に開口する貫通孔80bを有し、バスバーホルダ80は、インサート成型時に貫通孔80bに充填された樹脂により樹脂ハウジング13に固定される。このため、バスバーホルダ80を樹脂ハウジング13に精度よく配置した状態で固定することができる。
【0090】
(6)バスバーホルダ80は、板状のホルダー本体部80aを有し、ホルダー本体部80aは、軸方向一方側に面80hを有し、面80hは、複数のバスバー71の夫々が配置される複数の配置面部80iを有する。このため、複数のバスバー71を夫々に対応して配置することができる。
【0091】
(7)配置面部80iは、バスバー71の短手方向両側面に沿って延びて配置面部80iから突出する一対の案内壁82を有し、一対の案内壁82間にバスバー71が配置される。このため、バスバー71をこのバスバー71に対応する配置面部80iに配置することができ、誤った配置を防止することができる。また、一対の案内壁82はバスバー71の両側面に沿って延びているので、一対の案内壁82間にバスバー71を位置決めすることができる。また、インサート成型時にバスバー71が位置ずれる虞を抑制することができる。
【0092】
(8)配置面部80iは、バスバー71を配置面部80iの所定位置に位置決めする位置決め部80mを有し、バスバー71は、位置決め部80mと嵌め合う位置決め孔部78を有する。このため、位置決め部80mを位置決め孔部78に嵌め合せることで、バスバー71を配置面部80iに位置決めすることができる。また、インサート成型時にバスバー71がずれる虞を抑制することができる。
【0093】
(9)複数のバスバー71の夫々は、固定孔77を有し、バスバーホルダ80は、バスバー71を配置面部80iに配置した状態でバスバー71の固定孔77と重なる位置に連通孔89を有する。このため、インサート成型時に固定孔77及び連通孔89に充填された樹脂が硬化すると、硬化した樹脂によりバスバー71をバスバーホルダ80に固定することができる。
【0094】
(10)ホルダー本体部80aは、ステータ22の軸方向一方側端部上に配置され、ホルダー本体部80aは、貫通孔80bを複数有し、貫通孔80bは、ホルダー本体部80aとステータ22とが軸方向に重なる位置の周方向に間隔を有して複数配置される。このため、ホルダー本体部80aは、インサート成型時に貫通孔80bに充填された樹脂が硬化すると、硬化した樹脂によりホルダー本体部80aをステータ22及び樹脂ハウジング13に固定することができる。
【0095】
(11)ホルダー本体部80aは、ステータ22に設けられたインシュレータ22dよりも径方向外側へ突出するフランジ部80cを有し、フランジ部80cの軸方向他方側は、インシュレータ22dの軸方向一方側端部が挿入される挿入凹部80dを有する。このため、ホルダー本体部80aをインシュレータ22dに対して軸方向の位置決めをすることができる。また、インシュレータ22dの軸方向一方側端部及びフランジ部80cのいずれか一方に軸方向に突出する位置決め部80mを有し、インシュレータ22dの軸方向一方側端部及びフランジ部80cのいずれか他方に位置決め部80mが挿入される位置決め孔部78を有する。このため、ホルダー本体部80aをインシュレータ22dに対して位置決めをすることができる。
【0096】
(12)端子保持部85は、ホルダー本体部80aの周縁部よりも軸方向他方側へ延びる支持部86を有する。このため、インサート成型時に樹脂圧によりモータ側端子部74c、75c、76cが傾いた状態になる虞を防止することができる。また、端子保持部85は、ホルダー本体部80aの周縁部よりも軸方向他方側へ延びる支持部86を有し、支持部86は、樹脂ハウジング13の軸方向一方側端部に接触する段部86aを有する。このため、インサート成型時に端子保持部85に樹脂圧が作用すると、樹脂圧が支持部86及び段部86aを介して樹脂ハウジング13の軸方向一方側端部に支持される。このため、ホルダー本体部80aの端子保持部85側が変形する虞を防止することができる。
【0097】
(13)支持部86の径方向外側の面は、軸方向に延びるリブ88を有するので、支持部86の軸方向の剛性を向上することができる。
【0098】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は、これらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形および変更が可能である。これらの実施形態及びその変形は、発明の範囲及び要旨に含まれると同時に、特許請求の範囲に記載された発名とその均等の範囲に含まれるものである。
【0099】
前述した実施形態では、モータの一実施形態として、モータ部10にポンプ部40が一体化された電動オイルポンプ1を例にしたが、これに限るものではない。ポンプ部40を有しないモータでもよい。
【0100】
また、前述した実施形態では、U相、V相およびW相のいずれかに対応するバスバー71が三本である場合を説明したが、これに限られない。モータ部の相数、スロット数に応じて、バスバー71の本数を変えてもよい。