特開2019-30614(P2019-30614A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特開2019-30614水素ガスの治療効果を実証する臨床研究用水素ガス吸引器
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  • 特開2019030614-水素ガスの治療効果を実証する臨床研究用水素ガス吸引器 図000007
  • 特開2019030614-水素ガスの治療効果を実証する臨床研究用水素ガス吸引器 図000008
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2019-30614(P2019-30614A)
(43)【公開日】2019年2月28日
(54)【発明の名称】水素ガスの治療効果を実証する臨床研究用水素ガス吸引器
(51)【国際特許分類】
   A61M 15/00 20060101AFI20190201BHJP
   A61M 16/10 20060101ALI20190201BHJP
   A61K 33/00 20060101ALI20190201BHJP
   A61P 9/00 20060101ALI20190201BHJP
   A61P 3/10 20060101ALI20190201BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20190201BHJP
   A61P 27/12 20060101ALI20190201BHJP
   A61P 1/16 20060101ALI20190201BHJP
   A61P 29/00 20060101ALI20190201BHJP
   A61P 17/02 20060101ALI20190201BHJP
   A61P 37/08 20060101ALI20190201BHJP
   A61P 25/28 20060101ALI20190201BHJP
   A61P 25/16 20060101ALI20190201BHJP
   A61P 9/10 20060101ALI20190201BHJP
   C01B 3/06 20060101ALI20190201BHJP
【FI】
   A61M15/00 Z
   A61M16/10 Z
   A61K33/00
   A61P9/00
   A61P3/10
   A61P35/00
   A61P27/12
   A61P1/16
   A61P29/00 101
   A61P17/02
   A61P37/08
   A61P25/28
   A61P25/16
   A61P9/10 101
   A61P9/10
   C01B3/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】書面
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2017-161624(P2017-161624)
(22)【出願日】2017年8月7日
(71)【出願人】
【識別番号】515218761
【氏名又は名称】稲葉 里香
(72)【発明者】
【氏名】稲葉 里香
【テーマコード(参考)】
4C086
【Fターム(参考)】
4C086AA10
4C086HA01
4C086MA01
4C086MA04
4C086NA04
4C086ZA02
4C086ZA15
4C086ZA33
4C086ZA36
4C086ZA45
4C086ZA75
4C086ZA89
4C086ZB13
4C086ZB15
4C086ZB26
4C086ZC35
(57)【要約】      (修正有)
【課題】水素ガスの治療効果を実証する臨床研究用水素ガス吸引器を提供する。
【解決手段】CaHの反応速度を調整するカプセル1を用いて、発生させた高純度の水素ガスを計量槽6に導いて、水素ガスの吸引量と吸気の水素ガス濃度が実測できるようにした。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水素ガス発生装置から計量槽に水素ガスを供給して、計量槽に溜めてある水を排除し、その時に生じる水面の変位で水素ガスの容積を計測して、計量槽に設けてある水素ガス吸引器ノズルから適量の水素ガスが吸引できるようにした水素ガス吸引器。
【請求項2】
毛細管現象で水が滲み透るように加工したカプセルにCaH(水素化カルシウム)を封入し、浸透する水の量で反応速度を調整することにより、高純度の水素ガスが持続的に供給できるようにした水素ガス供給カプセル。
【発明の詳細な説明】
【技術の分野】
【0001】
2016年11月30日、水素ガス吸引療法が厚生労働省の先進医療Bに認定されたのに伴って、予防医療の面に重点を置いた医学が今大きく前進しようとしている。本発明は、この最近注目されている予防医療の分野の技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
人口の高齢化がクローズアップされている今日、水素ガスが予防医療に効果があると言われるようになって、水素水や水素ガス吸引器具類が日常的に目につくようになってきた。
【0003】
特に、厚生労働省の認定以来、電気分解で発生させた水素ガスを、鼻に装着したノズルや口に当てたマスクで吸引する器具が急に増えたように思われるが、これらには医学論文や臨床研究には使用できないという問題があって、今一つ工夫が必要である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
今回認定された水素ガス吸引療法は、心停止後症候群(心停止して後、自己心拍が再開したが、その後も昏睡状態が持続している患者)を対象にしたものである。また、治療条件は、安全を考慮して水素濃度が2%の酸素を18時間人工呼吸器で吸入したと限定している。
【0005】
この認定から学ぶことは下記の四つである。
1.水素は脳細胞の活性化に有効であること。
2.水素ガス濃度が2%の酸素を18時間吸入しても脳に悪影響を及ぼさないこと。
3.水素ガス濃度が治療効果に影響すること。
4.認定は心停止後症候群に対するもので、市販されている水素ガス吸引器などの治療効 果を認定したものではない。認定にはそれぞれについて臨床研究が必要であること。
水素ガス吸引器の開発はこれらのことを考慮して実行されなければならない。
【0006】
先ず、吸引した水素ガスの濃度について考えて見る。これについては、安全を考慮して2%としてあるが、これは水素ガス濃度が4%になると爆発の危険があるのを避けるためのものである。危険がなければ濃度は高い方が良い。1%よりも2%が、それ以上でも良いということがこの表現から推測することができる。
【0007】
推測の理由はこうである。毛細血管と組織細胞間のOとCOガスのやりとりは、毛細血管と細胞間のOの濃度差、及びCOの濃度差による拡散で行われるものである。Hも同様で、Hのやりとりは濃度差による拡散で行われているはずで、細胞に供給されるHの量と供給速度はHの濃度差に依存している、とするのが科学的に妥当な判断だと言える。従って、水素濃度の上限値と下限値をどこに設定するか、これは医学論文や臨床研究で避けて通れない重要な課題である。
【0008】
濃度に限らない。水素ガスの吸引量も必要である。水素が効くと言われている病気はいろいろあるが、それ等は臨床研究で裏付けされたものではない。それぞれの患者について
が要求される。これを明記してないと医学論文にはならない。現在市販されている水素ガス吸引方式の全部が臨床研究に向かないというのはこうした理由によるものである。
【0009】
例えば、現在市販されている電気分解方式による吸気の水素ガス濃度は次式で算出される。
このように見積もると、濃度は0.53%と算出される。
【0010】
この水素濃度、0.53%の分圧で毛細管から組織細胞へ拡散で水素が供給されるのか、されるとして、その量は、供給速度はどうなるか。また吸引効率が0.8で良いのか悪いのか。吸引量はどうかなど、不確定要素が多々あり、臨床研究や医学論文には不向きである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
そこで、電気分解や化学反応で発生した水素をそのまま吸引するのではなく、一旦計量槽に導入して、水素ガスの量を確認して吸引できるようにした。
【0012】
吸引法は、肺活量を測定する要領で深く息を吐いて、肺に残存している予備吸気と予備
るようにした。すると吸引後、通常の呼吸をしていても、深呼吸をしなければ肺に吸い込んだ吸気の水素濃度に変化が生じない。
【0013】
この吸引法によると、吸気の水素ガス濃度は次式で表される。
【発明の効果】
【0014】
水素が効くと言われる病名を列挙するとこうなる。
糖尿病、ガン、白内障、肝炎、リウマチ、シミ、シワ、アレルギー、アトピー、認知症、パーキンソン病、動脈硬化、心筋梗塞、脳卒中
これらは臨床研究で裏付けされていないので、それぞれの患者について水素の治療効果を確認する必要があるが、本発明の方式によるとそれが可能である。水素の濃度も吸引量も自由に、広範囲に選定できるので、様々な条件で臨床研究を行うことができる。上記の病気のうちひとつでも良い。臨床研究で好結果が得られればそれで十分である。
【実施例】
【0015】
図1の水素発生カプセル1は、筒の一端を水が浸透する浸透材2、例えば綿で閉じて、CaHを入れたものである。浸透材の部分を水に浸すと、滲み透った水とCaHが反応して生じたCa(OH)は筒の内部に残存し、発生した高純度の水素ガスは、筒の開口部から放出されるようにしたのもである。
【0016】
このカプセルを、水素サーバー3に投入すると、浸透した水道水4とCaHとの反応で生じた水素ガスは、水素ガス供給チューブ5を通って水素ガス計量槽6に供給される。すると、計量槽に溜めてある水が押し出されて、水面7に上下の変位が生じる。その変位で計量槽に流入した水素ガスの容積を計量して、水素ガス吸引ノズル8から適量の水素ガスを吸引できるように工夫した。
【産業上の利用可能性】
【0017】
悪玉活性酸素が生じるのはストレス、ウイルス、放射線、紫外線、タバコ、排ガス、運動、その他食品添加物などによるもので、病気の80%はこの悪玉活性酸素が関係していると言われている。
【0018】
特に怖いのは、高齢者に特有の免疫力の衰退である。これが衰えると、悪玉活性酸素を無害にする作用も低下して、血管・血液のダメージに起因する動脈硬化、高血圧、心筋梗塞、脳卒中、冷え性が誘発されて、健康寿命の短縮を招くと言われている。
【0019】
高齢者の医療費の増大で現役世代に重い負担をかけている、世界に例のない高齢化社会を迎えている今の日本に必要なのは、子供に頼る少子化対策よりも、人に頼らないで元気で、病気しないで暮らせる高齢者対策である。
【0020】
日常、高齢者がお茶を汲む感覚で、適量の水素ガスが吸引できるように工夫された本発明が、高齢者の病気の治療に、健康寿命の延長に有効であることが立証されると、超高齢化社会を迎えるこれからの日本の全産業に及ぼす効果には計り知れないものがある。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】浸透材を染み透った水と反応して水素(H)と水酸化カルシウム(Ca(OH))が生成されるようにした水素発生カプセルの断面図である。
図2】水素サーバーからの水素で、計量槽に溜めてある水を押し出して生じた水面の変位で水素ガスの容積が計量できるようにした断面図である。
【符号の説明】
【0022】
1 水素発生カプセル
2 水が滲み透る浸透材
3 水素サーバー
4 水道水
5 水素ガス供給チューブ
6 水素ガス計量槽
7 水面
8 水素ガス吸引ノズル
図1
図2