【解決手段】制御部10は、搬送制御処理部100と、処理カウント部101と、検知カウント部103と、を備え、搬送制御処理部100が搬送制御処理を中止すると、処理カウント部101は、中止前の処理カウント数に基づいて、次の処理カウント数をカウントし、検知カウント部103は、中止前の検知カウント数に基づいて新たな検知カウント数をカウントし、搬送制御処理部100は、次の処理カウント数と新たな検知カウント数とを比較して一致するか否か判断し、一致すると判断した場合に、搬送制御処理を中止すると共に、次の処理カウント数と新たな検知カウント数とが2以上の所定回数で一致した場合に、報知手段9にエラー報知用の報知信号を送信する機械式駐車装置1。
車両を搬送するための搬送部が設置され、該搬送部に載置された車両に人が乗降するための乗降領域が形成された乗降部と、該乗降部内が安全であるという安全情報が入力される入力手段と、検知対象物の乗降部内への侵入を検知する検知手段と、搬送部の搬送を制御する制御部と、報知信号を受信した場合にエラー報知する報知手段と、を備えた機械式駐車装置であって、
制御部は、
搬送部の搬送制御処理を行う搬送制御処理部と、該搬送制御処理部の処理回数を処理カウント数としてカウントする処理カウント部と、入力手段からの安全入力を前記処理カウント数と関連付けて記憶する記憶部と、入力手段からの安全入力が入力された後に検知手段による検知があった場合に、検知回数を検知カウント数としてカウントする検知カウント部と、を備え、
搬送制御処理部は、検知カウント部で検知カウント数がカウントされた場合に、前記記憶部に記憶されている安全入力に関連付いた処理カウント数と検知カウント数とを比較して一致するか否か判断し、一致すると判断した場合に、当該処理カウント数における搬送制御処理を中止するよう構成され、
搬送制御処理部が搬送制御処理を中止すると、
処理カウント部は、記憶部に記憶されている安全入力に関連付いた中止前の処理カウント数に基づいて、次の処理カウント数をカウントし、
記憶部には、次の処理カウント数がカウントされた後に入力された入力手段からの安全入力が次の処理カウント数と関連付いて記憶され、
検知カウント部は、次の処理カウント数がカウントされて入力手段から安全入力された後に検知手段による検知があった場合に、中止前の検知カウント数に基づいて新たな検知カウント数をカウントし、
搬送制御処理部は、新たな検知カウント数がカウントされた場合に、記憶した安全入力に関連付いた次の処理カウント数と新たな検知カウント数とを比較して一致するか否か判断し、一致すると判断した場合に、当該次の処理カウント数における搬送制御処理を中止すると共に、次の処理カウント数と新たな検知カウント数とが2以上の所定回数で一致した場合に、報知手段にエラー報知用の報知信号を送信する機械式駐車装置。
車両を搬送するための搬送部が設置され、該搬送部に載置された車両に人が乗降するための乗降領域が形成された乗降部と、該乗降部内が安全であるという安全情報が入力される入力手段と、検知対象物の乗降部内への侵入を検知する検知手段と、報知信号を受信した場合にエラー報知する報知手段と、を備えた機械式駐車装置の制御方法であって、
搬送部の搬送制御処理の処理回数を処理カウント数としてカウントするステップと、
入力手段からの安全入力を前記処理カウント数と関連付けて記憶するステップと、
入力手段からの安全入力が入力された後に検知手段による検知があった場合に、検知回数を検知カウント数としてカウントするステップと、
検知カウント部で検知カウント数がカウントされた場合に、前記記憶した安全入力に関連付いた処理カウント数と検知カウント数とを比較して一致するか否か判断するステップと、
前記判断で一致すると判断した場合に、当該処理カウント数における搬送制御処理を中止するステップと、を含み、
前記中止するステップで搬送制御処理を中止した後に、
記憶した安全入力に関連付いた中止前の処理カウント数に基づいて、次の処理カウント数をカウントするステップと、
次の処理カウント数がカウントされた後に入力された入力手段からの安全入力を次の処理カウント数と関連付けて記憶するステップと、
次の処理カウント数がカウントされて入力手段から安全入力された後に検知手段による検知があった場合に、中止前の検知カウント数に基づいて新たな検知カウント数をカウントするステップと、
新たな検知カウント数がカウントされた場合に、記憶した安全入力に関連付いた次の処理カウント数と新たな検知カウント数とを比較して一致するか否か判断するステップと、
前記判断するステップで一致すると判断した場合に、当該次の処理カウント数における搬送制御処理を中止すると共に、次の処理カウント数と新たな検知カウント数とが2以上の所定回数で一致した場合に、報知手段にエラー報知用の報知信号を送信するステップと、を含む機械式駐車装置の制御方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記従来の機械式駐車装置は、安全確認の終了が入力された後に、例えば入退室検知手段の故障などによって人が乗降室に入室していないのに入退室検知手段が人の入室を誤って検知するという不具合が生じると、安全確認の終了の入力を解除しなくてもよいにも関わらず解除してしまい、車両の搬送を実行しないものとなっている。
【0008】
そして、上記従来の機械式駐車装置では、かかる不具合が解消しない限り、入力手段に安全確認の終了が再度入力されても該入力が解除されてしまう。そのため、上記従来の機械式駐車装置では、入退室検知手段に上記の不具合が生じると安全確認の終了の入力後、該入力が解除されてしまう事象が際限なく繰り返され、車両の搬送を実行できないという問題がある。
【0009】
そこで、本発明は、かかる実情に鑑み、車両の搬送を実行できない不具合を検知することができる機械式駐車装置及び機械式駐車装置の制御方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る機械式駐車装置は、車両を搬送するための搬送部が設置され、該搬送部に載置された車両に人が乗降するための乗降領域が形成された乗降部と、該乗降部内が安全であるという安全情報が入力される入力手段と、検知対象物の乗降部内への侵入を検知する検知手段と、搬送部の搬送を制御する制御部と、報知信号を受信した場合にエラー報知する報知手段と、を備えた機械式駐車装置であって、
制御部は、
搬送部の搬送制御処理を行う搬送制御処理部と、該搬送制御処理部の処理回数を処理カウント数としてカウントする処理カウント部と、入力手段からの安全入力を前記処理カウント数と関連付けて記憶する記憶部と、入力手段からの安全入力が入力された後に検知手段による検知があった場合に、検知回数を検知カウント数としてカウントする検知カウント部と、を備え、
搬送制御処理部は、検知カウント部で検知カウント数がカウントされた場合に、前記記憶部に記憶されている安全入力に関連付いた処理カウント数と検知カウント数とを比較して一致するか否か判断し、一致すると判断した場合に、当該処理カウント数における搬送制御処理を中止するよう構成され、
搬送制御処理部が搬送制御処理を中止すると、
処理カウント部は、記憶部に記憶されている安全入力に関連付いた中止前の処理カウント数に基づいて、次の処理カウント数をカウントし、
記憶部には、次の処理カウント数がカウントされた後に入力された入力手段からの安全入力が次の処理カウント数と関連付いて記憶され、
検知カウント部は、次の処理カウント数がカウントされて入力手段から安全入力された後に検知手段による検知があった場合に、中止前の検知カウント数に基づいて新たな検知カウント数をカウントし、
搬送制御処理部は、新たな検知カウント数がカウントされた場合に、記憶した安全入力に関連付いた次の処理カウント数と新たな検知カウント数とを比較して一致するか否か判断し、一致すると判断した場合に、当該次の処理カウント数における搬送制御処理を中止すると共に、次の処理カウント数と新たな検知カウント数とが2以上の所定回数で一致した場合に、報知手段にエラー報知用の報知信号を送信する。
【0011】
かかる構成によれば、搬送制御処理部が処理カウント数と検知カウント数とが一致した場合に、その処理カウント数における搬送制御処理を中止するため、入力手段で安全入力された後に乗降部に人が侵入した危険な場合に、搬送制御処理を中止して安全を確保することができる。
【0012】
ここで、この処理カウント数における搬送制御処理を中止した後は、処理カウント部は、記憶部に記憶された安全入力に関連付いた中止前の処理カウント数に基づいて次の処理カウント数をカウントする。また、記憶部には、次の処理カウント数がカウントされた後に入力された入力手段からの安全入力が次の処理カウント数と関連付いて記憶される。さらに、検知カウント部は、次の処理カウント数がカウントされて入力手段から安全入力された後に検知手段による検知があった場合に、中止前の検知カウント数に基づいて新たな検知カウント数をカウントする。
【0013】
このように、前の搬送制御処理を中止した場合に、中止前の処理カウント数や検知カウント数に基づいて次のカウントを行うことで、処理回数や検知回数を時系列でカウントすることができる。即ち、処理カウント部は、前の搬送制御処理が中止されると、安全入力が解除されるのではなく安全入力に関連付いた中止前の処理カウント数を基にして次の搬送制御処理としての次の処理カウント数をカウントする。そのため、処理カウント数としてカウント数を蓄積し、これと検知カウント数を比較して一致したら搬送制御処理を中止する制御を繰り返すことで、処理カウント数と検知カウント数とが一致した状態が何回連続したかをカウントすることができる。
【0014】
そして、搬送制御処理部は、次の処理カウント数と新たな検知カウント数とが2以上の所定回数で一致した場合には、搬送制御処理の中止とは別に、報知手段へエラー報知用の報知信号を送信するので、報知手段でエラー報知することができる。従って、例えば検知手段の故障などによって、乗降部内が安全であるにも関わらず検知手段が検知して車両が搬送されないという不具合が生じても、搬送制御処理の中止の繰り返しを適切に報知し、該報知によって不具合を早期に解消することができる。
【0015】
本発明に係る機械式駐車装置の制御方法は、車両を搬送するための搬送部が設置され、該搬送部に載置された車両に人が乗降するための乗降領域が形成された乗降部と、該乗降部内が安全であるという安全情報が入力される入力手段と、検知対象物の乗降部内への侵入を検知する検知手段と、報知信号を受信した場合にエラー報知する報知手段と、を備えた機械式駐車装置の制御方法であって、
搬送部の搬送制御処理の処理回数を処理カウント数としてカウントするステップと、
入力手段からの安全入力を前記処理カウント数と関連付けて記憶するステップと、
入力手段からの安全入力が入力された後に検知手段による検知があった場合に、検知回数を検知カウント数としてカウントするステップと、
検知カウント部で検知カウント数がカウントされた場合に、前記記憶した安全入力に関連付いた処理カウント数と検知カウント数とを比較して一致するか否か判断するステップと、
前記判断で一致すると判断した場合に、当該処理カウント数における搬送制御処理を中止するステップと、を含み、
前記中止するステップで搬送制御処理を中止した後に、
記憶した安全入力に関連付いた中止前の処理カウント数に基づいて、次の処理カウント数をカウントするステップと、
次の処理カウント数がカウントされた後に入力された入力手段からの安全入力を次の処理カウント数と関連付けて記憶するステップと、
次の処理カウント数がカウントされて入力手段から安全入力された後に検知手段による検知があった場合に、中止前の検知カウント数に基づいて新たな検知カウント数をカウントするステップと、
新たな検知カウント数がカウントされた場合に、記憶した安全入力に関連付いた次の処理カウント数と新たな検知カウント数とを比較して一致するか否か判断するステップと、
前記判断するステップで一致すると判断した場合に、当該次の処理カウント数における搬送制御処理を中止すると共に、次の処理カウント数と新たな検知カウント数とが2以上の所定回数で一致した場合に、報知手段にエラー報知用の報知信号を送信するステップと、を含む。
【0016】
かかる構成によれば、前の搬送制御処理を中止した場合に、中止前の処理カウント数や検知カウント数に基づいて次のカウントを行うことで、処理回数や検知回数を時系列でカウントすることができる。即ち、前の搬送制御処理が中止されると、安全入力が解除されるのではなく安全入力に関連付いた中止前の処理カウント数を基にして次の搬送制御処理としての次の処理カウント数がカウントされる。そのため、処理カウント数としてカウント数を蓄積し、これと検知カウント数を比較して一致したら搬送制御処理を中止する制御を繰り返すことで、処理カウント数と検知カウント数とが一致した状態が何回連続したかをカウントすることができる。
【0017】
そして、次の処理カウント数と新たな検知カウント数とが2以上の所定回数で一致した場合には、搬送制御処理の中止とは別に、報知手段へエラー報知用の報知信号が送信されるので、報知手段でエラー報知することができる。従って、例えば検知手段の故障などによって、乗降部内が安全であるにも関わらず検知手段が検知して車両が搬送されないという不具合が生じても、搬送制御処理の中止の繰り返しを適切に報知し、該報知によって不具合を早期に解消することができる。
【発明の効果】
【0018】
以上より、本発明によれば、車両の搬送を実行できない不具合を検知することができる機械式駐車装置及び機械式駐車装置の制御方法を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の一実施形態に係る機械式駐車装置について、図面を参照しつつ説明する。
【0021】
図1及び
図2に示すように、機械式駐車装置1は、車両を搬送するための搬送部21が設置され、該搬送部21に載置された車両に人が乗降するための乗降領域20が形成された乗降部2と、該乗降部2内が安全であるという安全情報が入力される入力手段3と、検知対象物の乗降部2内への侵入を検知する検知手段4と、搬送部21の搬送を制御する制御部10と、報知信号を受信した場合にエラー報知する報知手段9と、を備える。本実施形態の機械式駐車装置1は、制御を次のステップに進めるための情報を入力するための操作盤6と、乗降部2と該乗降部2の外側とを隔離するためのゲート部7と、搬送部21に載置された車両を格納するための地下ピット8とを備える。
【0022】
図1に示すように、本実施形態の乗降部2は、地上に位置し、車両及び人が出入りする地上領域2aと、地下ピット8内に収まった地下領域2bとを備える。以下、車両が搬送部21に出入りする方向を前後方向として、ゲート部7側を前方、乗降部2におけるゲート部7とは反対側(奥側)を後方とする。また、乗降部2に載置された車両の左右に対応する方向を左右方向とする。地上領域2aでは、左右方向における搬送部21の両側に、乗降領域20が形成されている。地下領域2bには、搬送部21のみが設置されている。
【0023】
搬送部21は、長方形板状のパレットである。搬送部21は、長辺が前後方向に延び、短辺が左右方向に延びるように設置されている。搬送部21は、上下方向に移動するように構成されている。また、搬送部21は、上下方向に並ぶように複数設置されている。本実施形態の搬送部21は、上下方向に3段並ぶように設置されている。上下方向における最も上方に位置する搬送部21を第1搬送部21a、2段目に位置する搬送部21を第2搬送部21b、3段目に位置する搬送部21を第3搬送部21cとする。第1搬送部21aは、車両を搬送していない通常位置では、地上領域2aに設置されている。第2搬送部21b及び第3搬送部21cは、前記通常位置では、地下領域2bに設置されている。第1搬送部21a、第2搬送部21b、及び第3搬送部21cは、車両を搬送している搬送位置では、通常位置よりも上方に位置する。
【0024】
乗降領域20は、地上領域2aで位置固定され、移動しないように構成されている。乗降領域20は、搬送部21の長辺に沿って設けられた帯状の領域である。
【0025】
入力手段3は、乗降部2内が安全であるという安全情報が入力される部分である。例えば、入力手段3は、車両の運転者、機械式駐車装置1の管理者等の安全確認者が乗降部2内に人が存在しないことを目視等によって確認後、乗降部2内が安全であることを証するために安全情報を入力する部分である。
【0026】
本実施形態の入力手段3は、ボタン式である。即ち、安全確認者は、乗降部2内の安全を確認後、ボタンを押圧することによって安全情報の入力を行い、該ボタンの押圧によって、制御部10に安全入力が入力される。入力手段3は、ゲート部7に設けられている。具体的には、入力手段3は、後述するゲート本体71の両側に設置された支柱部72に設けられている。
【0027】
入力手段3は、複数設けられている。
図1に示すように、本実施形態では、入力手段3は3つ設けられており、一台の車両の入出庫に対して2つの入力手段3が使用される。具体的には、入力手段3は、ゲート本体71の両側に設置された支柱部72のうちの一方の支柱部72に1つ設けられ、他方の支柱部72に1つ設けられている。以下、一方の支柱部72に設けられた入力手段3を第1入力手段3aと称し、他方の支柱部72に設けられた入力手段3を第2入力手段3bと称する。
【0028】
本実施形態では、安全入力が複数回入力されることで、乗降部2内の安全確認が完了したことを意味し、搬送部21の搬送が実施されるようになっている。具体的には、入力手段3からの安全入力は、2回入力される必要がある。例えば、安全確認者は、第1入力手段3aを押圧して入力を行った後、第2入力手段3bを押圧して入力を行い、安全入力が2回入力される。入力の順番は、これとは逆であってもよい。
【0029】
検知手段4は、検知対象物の乗降部2内への侵入を検知する部分である。検知手段4は、例えば、人、ペット、自転車等の移動する検知対象物が乗降部2の外から乗降部2に接近した場合には接近を、乗降部2内に侵入した場合には侵入を検知する。また、検知手段4は、検知対象物が乗降部2内に留まっている場合には、乗降部2内の検知対象物を直接検知する。更に、検知対象物は、車両が搬送部21に対して前方にはみ出している場合には、車両のはみ出しを検知する。
【0030】
検知手段4は、乗降部2に接近する検知対象物を検知する第1検知手段4aと、乗降部2内に侵入する検知対象物を検知する第2検知手段4bと、乗降領域20内の検知対象物を検知する第3検知手段4cと、車両のはみ出しを検知する第4検知手段4dと、搬送部21の後方の検知対象物を検知する第5検知手段4eとを備える。本実施形態の検知手段4は、光学センサーである。
【0031】
第1検知手段4a及び第2検知手段4bは、ゲート部7の外側(即ち、乗降部2の外側)に設置されている。具体的には、第1検知手段4a及び第2検知手段4bは、支柱部72に設置されている。第1検知手段4aは、例えば、大人だけでなく、子供、ペット等の背の低い検知対象物も検知できるように支柱部72の下方側に設置されている。また、第2検知手段4bは、例えば、ゲート本体71を乗り越えて乗降部2内に侵入する検知対象物を検知できるように、閉まった状態のゲート本体71の上端近傍に設置されている。
【0032】
第3検知手段4c、第4検知手段4d、及び第5検知手段4eは、乗降部2内に設置されている。具体的には、第3検知手段4c、第4検知手段4d、及び第5検知手段4eは、乗降領域20に設置されている。第3検知手段4cは、乗降領域20内を前後方向で検知することで、乗降領域20内に検知対象物が留まっていないかを検知する。本実施形態の第3検知手段4cは、乗降領域20の後方に設置されている。また、第4検知手段4dは、乗降領域20の前方に設置されている。第5検知手段4eは、乗降領域20の後方に設置されている。第5検知手段4eは、左右方向に3つ並んだ乗降部2の左右方向における左端及び右端に設置され、搬送部21の後方に留まっている検知対象物を左右方向に亘って検知する。
【0033】
制御部10は、機械式駐車装置1を制御する部分である。制御部10は、搬送部21の搬送、ゲート本体71の開閉、入力手段3及び検知手段4からの信号の受信、及び報知手段9への信号の発信等を行う部分である。制御部10は、
図2に示すように、搬送部21の搬送制御処理を行う搬送制御処理部100と、該搬送制御処理部100の処理回数を処理カウント数としてカウントする処理カウント部101と、入力手段3からの安全入力を前記処理カウント数と関連付けて記憶する記憶部102と、入力手段3からの安全入力が入力された後に検知手段4による検知があった場合に、検知回数を検知カウント数としてカウントする検知カウント部103とを備える。
【0034】
搬送制御処理部100は、検知カウント部103で検知カウント数がカウントされた場合に、前記記憶部102に記憶されている安全入力に関連付いた処理カウント数と検知カウント数とを比較して一致するか否か判断し、一致すると判断した場合に、当該処理カウント数における搬送制御処理を中止するよう構成されている。
【0035】
本実施形態の搬送制御処理部100は、記憶部102に記憶されている安全入力に関連付いた処理カウント数と検知カウント数とを比較して一致するか否か判断する判断部104と、判断部104が前記判断において一致しないと判断した場合に搬送部21の搬送を実行する実行部106と、判断部104が前記判断において一致すると判断した場合に、当該処理カウント数における搬送制御処理を中止する中止部105と、機械式駐車装置1のエラーに関する信号である報知信号を報知手段9に発信するための報知信号発信部107とを備える。「記憶部102に記憶されている安全入力に関連付いた処理カウント数」とは、記憶部102に記憶されている安全入力に関する情報を保持した状態の処理カウント数を意味する。
【0036】
判断部104は、前記記憶部102に記憶されている安全入力に関連付いた処理カウント数と検知カウント数とが一致しないと判断した場合には、実行部106に搬送部21の搬送を実行するよう指示し、搬送制御処理を終了する。また、判断部104は、前記判断において一致すると判断した場合には、中止部105に搬送制御処理を中止するよう指示し、搬送部21の搬送が実行されないようになっている。
【0037】
搬送制御処理部100は、例えば、運転者が搬送部21を呼出し、搬送部21に車両を駐車させた後に搬送部21を元の位置に戻す際(車両を格納する際)に、又は運転者が搬送部21を呼出し、搬送部21に駐車されていた車両を乗降部2から出した後に搬送部21を元の位置に戻す際(車両を出す際)に、搬送制御処理を行う。搬送制御処理部100は、搬送制御処理を開始してから搬送制御処理を中止するまで、又は搬送制御処理を開始してから搬送制御処理を終了するまでを一回の処理として搬送制御処理を完結させる。搬送制御処理部100は、搬送制御処理を中止すると、次の搬送制御処理を開始する。また、搬送制御処理部100は、搬送制御処理を終了すると、次に機械式駐車装置1が起動され、制御部10による制御が開始されるまで、待機した状態となる。
【0038】
中止部105が搬送制御処理を中止すると、処理カウント部101は、記憶部102に記憶されている安全入力に関連付いた中止前の処理カウント数に基づいて、次の処理カウント数をカウントする。即ち、次の処理カウント数には、安全入力に関連付いた中止前の処理カウント数に関する情報が保持されている。本実施形態では、中止部105は、搬送制御処理を中止すると、処理カウント部101に対して、次の処理カウント数をカウントするよう指示する。そして、記憶部102には、次の処理カウント数がカウントされた後に入力された入力手段3からの安全入力が次の処理カウント数と関連付いて記憶される。記憶部102については後述する。
【0039】
本実施形態では、処理カウント部101は、搬送制御処理部100が1回搬送制御処理を行うと、処理カウント数として1をカウントする。処理カウント部101は、搬送制御処理が中止され、次の搬送制御処理が開始されると、安全入力に関連付いた中止前の処理カウント数に1を加算して、処理カウント数として2をカウントする。即ち、処理カウント部101は、前回の搬送制御処理がn−1回目の処理であったとすると、前回の搬送制御処理の処理カウント数としてn−1をカウントする。そして、処理カウント部101は、前回の搬送制御処理が中止されると、次の搬送制御処理の処理カウント数(次の処理カウント数)としてnをカウントする。尚、nは1以上の整数であり、n=1の場合は、1回目の搬送制御処理、即ち、最初の搬送制御処理を意味するものとし、処理カウント部101は、該最初の搬送制御処理が開始されると、処理カウント数として0の状態から1をカウントする。
【0040】
記憶部102は、入力手段3からの安全入力を処理カウント部101がカウントした処理カウント数と関連付けて記憶する。また、記憶部102は、入力手段3からの安全入力を記憶するように構成されている。本実施形態の記憶部102は、入力手段3が複数設けられている場合には、入力手段3に関連付けて安全入力を記憶する。
【0041】
例えば、本実施形態の記憶部102は、第1入力手段3aからの安全入力に対しては、第1入力手段3aからの安全入力として記憶する。記憶部102は、第1入力手段3aからの安全入力を記憶した状態で、第2入力手段3bからの安全入力があった場合には、第1入力手段3aからの安全入力及び第2入力手段3bからの安全入力を記憶する。本実施形態では、入力手段3が少なくとも1回押圧されると、該入力手段3からの安全入力として記憶する。具体的には、例えば、第1入力手段3aが複数回押圧された場合であっても、記憶部102は、1回押圧された場合と同様の情報として安全入力を記憶する。
【0042】
「入力手段3からの安全入力を前記処理カウント数と関連付けて記憶する」とは、処理カウント部101が処理回数を処理カウント数としてカウントした状態で入力手段3からの安全入力があった場合に、該安全入力は、該処理カウント数における搬送制御処理中の安全入力であるとして、他の搬送制御処理中に入力された安全入力とは区別して記憶されることを意味する。
【0043】
検知カウント部103は、次の処理カウント数がカウントされて入力手段3から安全入力された後に検知手段4による検知があった場合に、中止前の検知カウント数に基づいて新たな検知カウント数をカウントするように構成されている。
【0044】
検知カウント部103は、検知手段4から少なくとも1回検知信号を受信すると、検知カウント数として1をカウントする。例えば、検知カウント部103は、搬送制御処理中に第1検知手段4a及び第2検知手段4bから検知信号を受信した場合であっても、検知カウント数として1をカウントする。また、例えば、検知カウント部103は、搬送制御処理中に1つの検知手段4から複数回の検知信号を受信した場合であっても、検知カウント数として1をカウントする。
【0045】
本実施形態では、検知カウント数は、搬送処理制御の処理回数に一致する。具体的には、検知カウント部103は、1回目の搬送制御処理中に、入力手段3からの安全入力が入力された後に検知手段4による検知があった場合に、検知カウント数として1をカウントする。また、検知カウント部103は、搬送制御処理が中止され、次の搬送制御処理中に入力手段3から安全入力された後に検知手段4による検知があった場合に、中止前の検知カウント数に1を加算して新たな検知カウント数として2をカウントする。
【0046】
判断部104は、新たな検知カウント数がカウントされた場合に、記憶した安全入力に関連付いた次の処理カウント数と新たな検知カウント数とを比較して一致するか否か判断する。ここで、前記次の処理カウント数及び前記新たな検知カウント数は、搬送制御処理が中止された場合に新たに開始される搬送制御処理中のカウント数を意味している。判断部104は、次の処理カウント数と新たな検知カウント数とが一致すると判断した場合に、当該次の処理カウント数における搬送制御処理を中止すると共に、次の処理カウント数と新たな検知カウント数とが2以上の所定回数で一致した場合に、報知手段9にエラー報知用の報知信号を送信する。
【0047】
本実施形態では、判断部104は、次の処理カウント数と新たな検知カウント数とが一致すると判断し、且つ次の処理カウント数と新たな検知カウント数とが3回で一致した場合に、中止部105に搬送制御処理を中止するよう指示すると共に、報知信号発信部107に対して報知手段9に報知信号を発信するように指示する。この場合、判断部104は、機械式駐車装置1を停止する。
【0048】
即ち、判断部104は、次の処理カウント数と新たな検知カウント数とが一致すると判断した場合に、次の処理カウント数と新たな検知カウント数とが3回以外の回数(3未満の回数)で一致した場合には、当該次の処理カウント数における搬送制御処理を中止すると共に、更に次の搬送制御処理を開始する。
【0049】
図2に示すように、報知手段9は、報知信号発信部107から報知信号を受信した場合にエラー報知するように構成されている。報知手段9は、報知信号を受信すると、運転者等の機械式駐車装置1の利用者に該機械式駐車装置1の故障を報知するように構成されている。例えば、報知手段9は、操作盤6に表示される等、操作盤6を介して利用者に報知されてもよい。
【0050】
操作盤6は、制御を次のステップに進めるための情報を入力するための部分である。本実施形態の操作盤6は、制御部10に第1入力手段3a及び第2入力手段3bからの安全入力が入力されると、乗降部2内の無人が確認されたとして無人確認入力を促すように構成されている。また、操作盤6は、該無人確認入力がされた後、検知手段4が検知対象物を検知せず処理カウント数と検知カウント数とが一致しない場合に、乗降部2内の安全が確認されたとして安全確認入力を促すように構成されている。更に、操作盤6は、該安全確認入力がされた後、検知手段4が検知対象物を検知せず処理カウント数と検知カウント数とが一致しない場合に、認証番号の入力を促すように構成されている。そして、利用者により認証番号が入力された後、検知手段4が検知対象物を検知せず処理カウント数と検知カウント数とが一致しない場合に、ゲート本体71を閉じ、搬送部21の搬送が実行される。
【0051】
図1に示すように、本実施形態の操作盤6は、支柱部72に設置されている。操作盤6は、タッチパネル式で構成されている。操作盤6は、後述する支柱部72のうちの左右方向における最も端に設けられた支柱部72に設置されている。
【0052】
ゲート部7は、乗降部2と該乗降部2の外側とを隔離するゲート本体71と、左右方向におけるゲート本体71の両側に設置され、該ゲート本体71を上下方向に移動可能に支持する支柱部72とを備える。本実施形態では、ゲート部7は、複数設けられている。具体的には、ゲート部7は、3セット設けられている。ゲート部7は、左右方向に並ぶように設置されている。
【0053】
地下ピット8は、第2搬送部21b及び第3搬送部21cを格納する。本実施形態では、搬送部21が左右方向に3つ並ぶように構成されており、地下ピット8には、計6台の車両を格納可能となっている。
【0054】
本実施形態に係る機械式駐車装置1の説明は以上である。以下、機械式駐車装置1の制御フローについて
図3から
図7を参照しつつ説明する。
【0055】
図3は、1回目の搬送制御処理の処理フローである。搬送制御処理が開始された状態(ステップSS)では、搬送制御処理の処理回数として0(「処理回数0」)が入力されており、検知手段4の検知回数として0(「検知回数0」)が入力されている(ステップS101)。尚、
図3において、無人確認入力記憶処理1、無人確認無効確認処理1、第1入力手段3a−1、及び第2入力手段3b−1等において「1」と示された部分は、搬送制御処理の処理回数を意味している。
図4及び
図5についても同様である。また、
図6の無人確認入力記憶処理及び
図7の無人確認無効確認処理には、処理回数及び検知回数として記号「n」が付されているが、該「n」は、n回目の搬送制御処理における無人確認入力記憶処理、又は無人確認無効確認処理であることを意味している。
【0056】
続いて、入力手段3からの安全入力が入力されたことを確認するための無人確認入力記憶処理が実施される(ステップS102)。
図6は、無人確認入力記憶処理のフローを示す。
図6に示すように、該無人確認入力記憶処理が開始されると(ステップS0)、処理回数が0であるか否かが判断される(ステップS1、n=1)。処理回数が0である場合には処理回数を1に書き換え(ステップS2)、次のステップS3に進む(ステップS1でYES)。処理回数が0でない場合には、そのまま次のステップS3に進む(ステップS1でNO)。1回目の搬送制御処理の開始時には、処理回数として0が入力されているため、処理回数を1に書き換え、搬送制御処理が進められる。
【0057】
ステップS3では、入力手段3からの安全入力が入力されたか否かが判断される。ステップS3では、入力手段3が複数設置されている場合には、1つずつ順番に判断する。本実施形態では、まず、第1入力手段3aからの安全入力が入力されたか否かが判断される。第1入力手段3aからの安全入力が無い場合には(ステップS3でNO)、記憶部102に該安全入力が記憶されていないものとしてフローが進められる。第1入力手段3aからの安全入力があった場合には(ステップS3でYES)、記憶部102に該安全入力が記憶されているものとしてフローが進められる。
【0058】
具体的には、第1入力手段3aからの安全入力が無い場合には(ステップS3でNO)、ステップS6へ進み、第2入力手段3bからの安全入力が入力されたか否かが判断される。これに対して、第1入力手段3aに安全入力があった場合には(ステップS3でYES)、該安全入力が記憶されているかが判断され(ステップS4)、記憶されている場合にはステップS6へ進み(ステップS4でYES)、記憶されていない場合には安全入力が記憶された上で(ステップS5)、ステップS6へ進む(ステップS4でNO)。ステップS6からステップS8では、上記のステップS3からステップS5と同様の判断処理が実施され、無人確認入力記憶処理が終了する(ステップS9)。
【0059】
図3に示すように、無人確認入力記憶処理が終了すると、第1入力手段3a及び第2入力手段3bのうちの少なくとも一方からの安全入力が記憶されているか否かが判断される(ステップS103)。第1入力手段3a及び第2入力手段3bのうちの少なくとも一方からの安全入力が記憶されている場合には、安全入力が保持された処理回数(処理カウント数)1として記憶保持する(ステップS104)。第1入力手段3a及び第2入力手段3bの両方からの安全入力が記憶されていない場合には、ステップS102に戻って、再度、無人確認入力記憶処理が実施される(ステップS103でNO)。再度、無人確認入力記憶処理が実施された場合には、処理回数が1に書き換えられているため、ステップS1では処理回数が0ではないと判断され、ステップS3に進む。このように、1回目の無人確認入力記憶処理では、ステップS1でYESと判断され、2回目以降の無人確認入力記憶処理では、ステップS1でNOと判断される。
【0060】
以上のように、ステップS103で第1入力手段3a及び第2入力手段3bのうちの少なくとも一方からの安全入力が記憶されていると判断されるまで、無人確認入力記憶処理が繰り返し実施される。
【0061】
ステップS104で処理回数1が記憶保持されると、乗降部2内に検知対象物が侵入したか否かを判断するための無人確認無効確認処理が実施される(ステップS105)。
図7は、無人確認無効確認処理のフローを示す。
図7に示すように、無人確認無効確認処理が開始されると(ステップS00)、無人確認条件が入ったか否かが判断される(ステップS01)。具体的には、ステップS01では、検知手段4が検知対象物を検知したか否かが判断され、検知した場合には検知回数が1に書き換えられ(ステップS01でYES、ステップS02)、検知していない場合には検知回数が0のまま無人確認無効確認処理が終了する(ステップS01でNO、ステップS03)。
【0062】
図3に示すように、無人確認無効確認処理が終了すると、処理カウント数(処理回数)と検知カウント数(検知回数)とが一致しているか否かが判断される(ステップS106)。本実施形態では、処理回数を処理カウント数としている。即ち、処理回数が1の場合に、処理カウント数として1をカウントする。また、本実施形態では、検知回数を検知カウント数としている。即ち、検知回数が1の場合に、検知カウント数として1をカウントする。そのため、フロー上の処理回数は処理カウント数と同義であり、検知回数は、検知カウント数と同義である。
【0063】
まず、ステップS106で処理回数と検知回数とが一致していないと判断された場合について説明する。処理回数と検知回数とが一致していないと判断されると(ステップS106でNO)、第1入力手段3a及び第2入力手段3bからの両方の安全入力が記憶されているか否かが判断される(ステップS107)。第1入力手段3a及び第2入力手段3bからの両方の安全入力が記憶されていると判断され(ステップS107でYES)、第1入力手段3a及び第2入力手段3bからの両方の安全入力が揃った状態で操作盤6の無人確認入力が有効となる(ステップS108)。第1入力手段3a及び第2入力手段3bのうちの少なくとも一方からの安全入力が記憶されている場合、及び第1入力手段3a及び第2入力手段3bからの両方の安全入力が記憶されていない場合には、ステップS102に戻り、第1入力手段3a及び第2入力手段3bからの両方の安全入力が揃うまでステップS102以降のフローを繰り返す。
【0064】
無人確認入力が有効になると、無人確認無効確認処理が実施され(ステップS109a)、無人確認無効確認処理が終了すると、処理カウント数(処理回数)と検知カウント数(検知回数)とが一致しているか否かが判断される(ステップS109b)。ステップS109bで処理回数と検知回数とが一致していると判断されると、搬送制御処理が中止される。搬送制御処理が中止される場合については後述するものとし、ここでは、ステップS109bで処理回数と検知回数とが一致していないと判断された場合(ステップS109bでNO)について説明する。ステップS109cで、操作盤6のタッチパネル(
図3、
図4及び
図5では「TP」と記す)に無人確認の入力がされたか否かが判断される。タッチパネルには、「無人確認」と表記された画面が表示され、利用者は、該画面中の「無人確認」と表記された部分をタッチする。画面がタッチされ、無人確認が入力されていると判断されると(ステップS109cでYES)ステップS110へ進む。ステップS110では、処理回数(処理カウント数)1を、第1入力手段3a及び第2入力手段3bからの両方の安全入力が保持された処理回数として安全入力に関連付けて記憶保持する。この場合、処理回数(処理カウント数)1を、第1入力手段3a及び第2入力手段3bからの両方の安全入力が保持され、且つ無人確認が入力された処理回数として記憶保持してもよい。
【0065】
無人確認が入力されていないと判断された場合には、ステップS109aへ戻り(ステップS109cでNO)、無人確認無効確認処理を介して乗降部2内の安全を確認しつつ、無人確認が入力されるまで判断を繰り返す。この場合、ステップS109bで処理回数と検知回数とが一致していると判断されると、搬送制御処理が中止される。
【0066】
ステップS110で処理回数1が記憶保持されると、無人確認無効確認処理が実施され(ステップS111)、無人確認無効確認処理が終了すると、処理回数と検知回数とが一致しているか否かが判断される(ステップS112)。ステップS110からステップS112は、ステップS104からS106と同様であるため、説明は繰り返さない。
【0067】
ステップS112で処理回数と検知回数とが一致していないと判断されると、操作盤6のタッチパネルに安全確認の入力がされたか否かが判断される(ステップS113)。タッチパネルには、「安全確認」と表記された画面が表示され、利用者は、該画面中の「安全確認」と表記された部分をタッチする。画面がタッチされ、安全確認が入力されていると判断されると(ステップS113でYES)ステップS114へ進む。ステップS114では、処理回数(処理カウント数)1を、第1入力手段3a及び第2入力手段3bからの両方の安全入力が保持された処理回数として安全入力に関連付けて記憶保持する。この場合、処理回数(処理カウント数)1を、第1入力手段3a及び第2入力手段3bからの両方の安全入力が保持され、且つ無人確認及び安全確認が入力された処理回数として記憶保持してもよい。
【0068】
安全確認が入力されていないと判断された場合には、ステップS111へ戻り(ステップS113でNO)、無人確認無効確認処理を介して乗降部2内の安全を確認しつつ、安全確認が入力されるまで判断を繰り返す。この場合、ステップS112で処理回数と検知回数とが一致していると判断されると、搬送制御処理が中止される。
【0069】
ステップS114で処理回数1が記憶保持されると、無人確認無効確認処理が実施され(ステップS115)、無人確認無効確認処理が終了すると、処理回数と検知回数とが一致しているか否かが判断される(ステップS116)。ステップS114からステップS116は、ステップS104からS106と同様であるため、説明は繰り返さない。
【0070】
ステップS116で処理回数と検知回数とが一致していないと判断されると、操作盤6のタッチパネルへの認証番号の入力が完了したか否かが判断される(ステップS117)。タッチパネルには、認証番号を入力するための数字が表示され、利用者は、画面中の数字部分をタッチして認証番号を入力する。認証番号の入力が完了していると判断されると(ステップS117でYES)ステップS118へ進む。ステップS118では、処理回数(処理カウント数)1を、第1入力手段3a及び第2入力手段3bからの両方の安全入力が保持された処理回数として安全入力に関連付けて記憶保持する。この場合、処理回数(処理カウント数)1を、第1入力手段3a及び第2入力手段3bからの両方の安全入力が保持され、且つ無人確認、安全確認、及び認証番号が入力された処理回数として記憶保持してもよい。
【0071】
認証番号の入力が完了していないと判断された場合には、ステップS115へ戻り(ステップS117でNO)、無人確認無効確認処理を介して乗降部2内の安全を確認しつつ、認証番号の入力が完了するまで判断を繰り返す。この場合、ステップS116で処理回数と検知回数とが一致していると判断されると、搬送制御処理が中止される。
【0072】
ステップS118で処理回数1が記憶保持されると、無人確認無効確認処理が実施され(ステップS119)、無人確認無効確認処理が終了すると、処理回数と検知回数とが一致しているか否かが判断される(ステップS120)。ステップS118からステップS120は、ステップS104からS106と同様であるため、説明は繰り返さない。
【0073】
ステップS120で処理回数と検知回数とが一致していないと判断されると、
図5に示すように、安全確認に関する全ての記憶、即ち、第1入力手段3a及び第2入力手段3bからの安全入力に関する全ての記憶が解除され(ステップS100)、搬送制御処理が終了する(ステップSE1)。搬送制御処理が終了する際には、ゲート本体71が閉じられ、且つ搬送部21が通常位置に戻るべく搬送される。
【0074】
次に、ステップS106で処理回数と検知回数とが一致していると判断された場合について説明する。処理回数と検知回数とが一致していると判断されると(ステップS106でYES)、搬送制御処理が中止され、次の搬送制御処理が開始される。尚、ステップS112、ステップS116、及びステップS120において処理回数と検知回数とが一致していると判断された場合も同様である。
【0075】
図4に示すように、次の搬送制御処理が開始されると、制御ステップが進行しないように、前の搬送制御処理で有効となった無人確認入力を無効の状態とすると共に(ステップS201)、制御を続行するために、タッチパネル上に「続行確認」が表示される(ステップS202)。
【0076】
利用者が、「続行確認」と表示されている部分をタッチすることで、2回目の搬送制御処理における無人確認入力記憶処理が開始される(ステップS203)。ステップS203以降のステップ、即ちステップS203からステップS221は、1回目の搬送制御処理におけるステップS102からステップS120と同様であるため説明は繰り返さない。
【0077】
2回目の搬送制御処理のフロー上に示すものではないが、次の(3回目の)搬送制御処理が開始される前に、処理回数と検知回数とが2以上の所定回数で一致しているか否かが判断される。本実施形態では、処理回数(処理カウント数)と検知回数(検知カウント数)とが3回で一致した場合に、搬送制御処理を中止すると共に、報知手段9がエラー報知を行うようになっている。2回目の搬送制御処理では、処理回数と検知回数とが2回で一致する。そのため、この時点では、処理回数と検知回数とが3回で一致していないとして、次の(3回目の)搬送制御処理が開始される。
【0078】
図5に示すように、3回目の搬送制御処理では、処理回数と検知回数とが一致していると判断された場合には、処理回数と検知回数とが3回で一致するので、報知手段9によってエラー報知が実行される(ステップS307でYES、ステップS313でYES、ステップS317でYES、又はステップS321でYES)。具体的には、制御ステップが進行しないように、有効となった無人確認入力を無効の状態とすると共に(ステップS401)、処理回数が超過したとしてこれ以上の搬送制御処理が実施されず(ステップS402)、異常終了として3回目の搬送制御処理を終了する(ステップSE2)。この場合、運転者等の機械式駐車装置1の利用者に該機械式駐車装置1に異常が発生していることが通知される。
【0079】
図5に示すように、3回目の搬送制御処理のフローにおけるステップS301からステップS321は、2回目の搬送制御処理のフローにおけるステップS201からステップS221と同様であるため、説明は繰り返さない。
【0080】
以上のように、かかる構成によれば、搬送制御処理部100が処理カウント数と検知カウント数とが一致した場合に、その処理カウント数における搬送制御処理を中止するため、入力手段3で安全入力された後に乗降部2に人が侵入した危険な場合に、搬送制御処理を中止して安全を確保することができる。
【0081】
ここで、この処理カウント数における搬送制御処理を中止した後は、処理カウント部101は、記憶部102に記憶された安全入力に関連付いた中止前の処理カウント数に基づいて次の処理カウント数をカウントする。また、記憶部102には、次の処理カウント数がカウントされた後に入力された入力手段3からの安全入力が次の処理カウント数と関連付いて記憶される。さらに、検知カウント部103は、次の処理カウント数がカウントされて入力手段3から安全入力された後に検知手段4による検知があった場合に、中止前の検知カウント数に基づいて新たな検知カウント数をカウントする。
【0082】
このように、前の搬送制御処理を中止した場合に、中止前の処理カウント数や検知カウント数に基づいて次のカウントを行うことで、処理回数や検知回数を時系列でカウントすることができる。即ち、処理カウント部101は、前の搬送制御処理が中止されると、安全入力が解除されるのではなく安全入力に関連付いた中止前の処理カウント数を基にして次の搬送制御処理としての次の処理カウント数をカウントする。そのため、処理カウント数としてカウント数を蓄積し、これと検知カウント数を比較して一致したら搬送制御処理を中止する制御を繰り返すことで、処理カウント数と検知カウント数とが一致した状態が何回連続したかをカウントすることができる。
【0083】
そして、搬送制御処理部100は、次の処理カウント数と新たな検知カウント数とが2以上の所定回数で一致した場合には、搬送制御処理の中止とは別に、報知手段9へエラー報知用の報知信号を送信するので、報知手段9でエラー報知することができる。従って、例えば検知手段4の故障などによって、乗降部2内が安全であるにも関わらず検知手段4が検知して車両が搬送されないという不具合が生じても、搬送制御処理の中止の繰り返しを適切に報知し、該報知によって不具合を早期に解消することができる。
【0084】
また、上記実施形態では、各搬送制御処理において、前の搬送制御処理の情報を残した(保持した)状態で次の搬送制御処理を開始するように構成されている。そのため、機械式駐車装置1の不具合が生じた場合に、何回目の搬送制御処理まで正常に処理を行っていたかをトレースすることができ、不具合が生じた箇所や原因を早期に検証可能となっている。
【0085】
尚、本発明の機械式駐車装置1は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【0086】
上記実施形態では、機械式駐車装置1の発明として説明したが、機械式駐車装置1の制御方法に係る発明として捉えることもできる。
【0087】
即ち、本発明に係る機械式駐車装置1の制御方法は、車両を搬送するための搬送部21が設置され、該搬送部21に載置された車両に人が乗降するための乗降領域20が形成された乗降部2と、該乗降部2内が安全であるという安全情報が入力される入力手段3と、検知対象物の乗降部2内への侵入を検知する検知手段4と、報知信号を受信した場合にエラー報知する報知手段9と、を備えた機械式駐車装置1の制御方法であって、搬送部21の搬送制御処理の処理回数を処理カウント数としてカウントするステップと、入力手段3からの安全入力を前記処理カウント数と関連付けて記憶するステップと、入力手段3からの安全入力が入力された後に検知手段4による検知があった場合に、検知回数を検知カウント数としてカウントするステップと、検知カウント部103で検知カウント数がカウントされた場合に、前記記憶した安全入力に関連付いた処理カウント数と検知カウント数とを比較して一致するか否か判断するステップと、前記判断で一致すると判断した場合に、当該処理カウント数における搬送制御処理を中止するステップと、を含み、前記中止するステップで搬送制御処理を中止した後に、記憶した安全入力に関連付いた中止前の処理カウント数に基づいて、次の処理カウント数をカウントするステップと、次の処理カウント数がカウントされた後に入力された入力手段3からの安全入力を次の処理カウント数と関連付けて記憶するステップと、次の処理カウント数がカウントされて入力手段3から安全入力された後に検知手段4による検知があった場合に、中止前の検知カウント数に基づいて新たな検知カウント数をカウントするステップと、新たな検知カウント数がカウントされた場合に、記憶した安全入力に関連付いた次の処理カウント数と新たな検知カウント数とを比較して一致するか否か判断するステップと、前記判断するステップで一致すると判断した場合に、当該次の処理カウント数における搬送制御処理を中止すると共に、次の処理カウント数と新たな検知カウント数とが2以上の所定回数で一致した場合に、報知手段9にエラー報知用の報知信号を送信するステップと、を含む。
【0088】
かかる構成によれば、前の搬送制御処理を中止した場合に、中止前の処理カウント数や検知カウント数に基づいて次のカウントを行うことで、処理回数や検知回数を時系列でカウントすることができる。即ち、前の搬送制御処理が中止されると、安全入力が解除されるのではなく安全入力に関連付いた中止前の処理カウント数を基にして次の搬送制御処理としての次の処理カウント数がカウントされる。そのため、処理カウント数としてカウント数を蓄積し、これと検知カウント数を比較して一致したら搬送制御処理を中止する制御を繰り返すことで、処理カウント数と検知カウント数とが一致した状態が何回連続したかをカウントすることができる。
【0089】
そして、次の処理カウント数と新たな検知カウント数とが2以上の所定回数で一致した場合には、搬送制御処理の中止とは別に、報知手段へエラー報知用の報知信号が送信されるので、報知手段でエラー報知することができる。従って、例えば検知手段の故障などによって、乗降部内が安全であるにも関わらず検知手段が検知して車両が搬送されないという不具合が生じても、搬送制御処理の中止の繰り返しを適切に報知し、該報知によって不具合を早期に解消することができる。
【0090】
上記実施形態では、入力手段3がボタン式であり、入力手段3は、支柱部72に設けられている場合について説明したが、これに限定されるものではない。入力手段3は、タッチパネル式であってもよいし、また携帯電話等、利用者が遠隔から入力するものであってもよい。更に、入力手段3の個数については限定されず、上記のように、1つの入力手段3が1回押圧されることで安全入力が入力された状態とし、2つの入力手段3のそれぞれが1回ずつ押圧されることで安全入力が揃った状態としてもよいし、例えば、1つの入力手段3が2回押圧されることで、安全入力が揃った状態としてもよい。
【0091】
上記実施形態では、処理カウント部101は、1回目の搬送制御処理を、処理カウント数として1とカウントし、カウント数を追加することで3回目の搬送制御処理を3とカウントする場合について説明したが、これに限定されるものではない。処理カウント部101は、1回目の搬送制御処理を、処理カウント数として3とカウントし、カウント数を減少させることで3回目の搬送制御処理を1とカウントしてもよい。いずれの場合であっても、処理カウント数としては3回となる。また、処理カウント数として、1〜3以外の数字を使用してもよい。更に、カウントが追加されるに従ってA、B、Cと進むようにしてもよい。即ち、処理カウント数としてカウントされた回数と検知カウント数としてカウントされた回数とが2回以上の所定回数で一致した場合に報知手段9にエラー報知用の報知信号を送信するように構成されていればよい。
【0092】
上記実施形態では、次の処理カウント数と新たな検知カウント数とが3回で一致した場合に、搬送制御処理が中止される場合について説明したが、これに限定されるものではない。次の処理カウント数と新たな検知カウント数とは、3回以外の回数、例えば、4回、5回等で一致した場合に、搬送制御処理が中止されてもよい。