【解決手段】第1位置設定部801は、表示部85に表示されたパノラマ断層画像PI1上において遠心・近心方向の位置の指定操作を受け付けるとともに、その指定操作に基づき曲面状断層上における第1位置Pos1を設定する。透視撮影情報提供部802は、曲面状断層の第1位置Pos1における接線方向LTD1の成分を有する方向D1に沿って被写体にX線ビームを照射して透視画像SI1を取得する透視撮影を実行させるための情報を本体部2に提供する。第2位置設定部803は、表示部85に表示された透視画像SI1上において頬舌方向CTD1の位置の指定操作を受け付けるとともに、その指定操作に基づき頬舌方向の第2位置Pos2を設定する。撮影領域設定部804は、第2位置Pos2に基づき、CT撮影の撮影領域FOVを設定する。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、添付の図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。なお、この実施形態に記載されている構成要素はあくまでも例示であり、本発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。図面においては、理解容易のため、必要に応じて各部の寸法や数が誇張又は簡略化して図示されている場合がある。
【0033】
<1. 第1実施形態>
図1は、第1実施形態のX線撮影装置1を示す概略側面図である。
図2(a)は、第1実施形態の本体部2の上部付近を示す概略斜視図である。
図2(b)は本体部の上部付近の内部構造を、カバーを一部破断することで示す図である。
図3は、第1実施形態の情報処理装置8のハードウェア構成を示すブロック図である。
図4は、第1実施形態のX線撮影装置1の機能構成を示すブロック図である。
【0034】
X線撮影装置1は、X線を用いて被写体を撮影する装置である。被写体は、ここでは、被検者の頭部M10であり、X線撮影装置1は、特に頭部M10の歯顎部の撮影に好適な構成を備えている。X線撮影装置1は、後述するように、頭部M10について、透視撮影、パノラマ撮影及びCT撮影を実行可能に構成されたCT撮影装置である。
【0035】
X線撮影装置1は、本体部2及び情報処理装置8を備えている。本体部2は、X線撮影を実行する装置部分である。情報処理装置8は、X線撮影の条件等、本体部2を動作させるための情報(X線撮影情報)の生成、及び、本体部2のX線撮影により取得された画像情報等の処理を実行する。本体部2の本体制御部60は、プログラムPGに従ってX線撮影を実行する。
【0036】
本体部2はX線撮影の現場において、中空の縦長直方体状の防X線室70に収容されている。情報処理装置8は、防X線室70の外部に配置されている。本体部2は、操作表示部61を備える。操作表示部61及び情報処理装置8は、接続ケーブル8Cによって相互に接続されている。
【0037】
本体部2は、X線発生部10、X線検出部20、旋回アーム30、昇降部40、支柱50及び本体制御部60を備えている。X線発生部10は、頭部M10に照射するX線を出射する。X線検出部20は、X線発生部10から出射されたX線を検出する。旋回アーム30は、X線発生部10及びX線検出部20を対向状態で支持する支持体である。昇降部40は、鉛直方向に延びる支柱50に沿って昇降する。旋回アーム30は、昇降部40の上部フレーム41に支持されている。以下、各部の構成について詳細に説明する。
【0038】
なお、
図1を含む各図には、右手系のXYZ直交座標系を付している場合がある。ここでは、旋回アーム30の旋回軸(回転軸)31の軸方向と平行な方向(ここでは、鉛直方向)を「Z軸方向」とし、このZ軸に交差する方向を「X軸方向」とし、さらにX軸方向及びZ軸方向に交差する方向を「Y軸方向」とする。X軸及びY軸方向は任意に定め得るが、ここでは、被検者がX線撮影装置1において位置決めされて支柱50に正対したときの被検者の左右の方向をX軸方向とし、被検者の前後の方向をY軸方向と定義する。本実施形態では、支柱50に正対した被検者から見て、右手方向を(+X)方向、正面方向を(+Y)方向、鉛直方向上向きを(+Z)方向としている。
【0039】
以下の説明では、Z軸方向を垂直方向、X軸方向とY軸方向の二次元で規定される平面上の方向を水平方向と呼ぶこともある。さらに、以下において、X、Y、Zを二次元座標や、平面を定義するのに用いることもある。例えば、X座標とY座標からなる二次元座標をXY座標とし、X方向とY方向に広がる二次元平面をXY平面とする。
【0040】
<X線発生部10>
X線発生部10は、X線発生器11及びビーム成形機構13を備えている。
【0041】
X線発生器11は、X線を発生させるX線源であるX線管を備えている。X線発生器11から出射されるX線ビームの強度(出力強度)は、X線管に供給される電圧及び/又は電流を変更することによって制御可能とされる。X線発生器11は、本体制御部60の照射制御部602によって制御される。
【0042】
ビーム成形機構13は、X線発生器11から出射されるX線ビームを部分的に遮蔽することにより、撮影目的に応じた形状のX線ビーム(後述するX線コーンビーム又はX線細隙ビーム)を形成する。つまり、ビーム成形機構13は、頭部M10に対するX線の撮影領域を制御する。ビーム成形機構13は、遮蔽制御部603によって制御される。
【0043】
ビーム成形機構13は、例えば、X線発生器11に近接する位置に配されたX線遮蔽部材、及び、そのX線遮蔽部材を移動させる移動機構により構成され得る(不図示)。X線遮蔽部材は、例えば、開口形状が異なる複数の開口を設けた1つの板状部材、あるいは、互いに接近又は離隔する方向に移動することで所要の大きさ又は形状の開口を形成する2つ以上の板状部材などで構成され得る。また、移動機構は、例えば、ボールネジ機構あるいはリニアモータ機構で構成され得る。
【0044】
<X線検出部20>
X線検出部20は、X線検出器21を備えている。X線検出器21は、X線発生器11から出射されたX線ビームを検出する。X線検出器21は、アレイ状に配列された複数の検出素子により構成される検出面を有する。X線検出器21は、例えばフラットパネルディテクタ(FPD)またはX線蛍光増倍管(I.I.:Image Intensifier)などで構成され得る。
【0045】
X線検出器21の検出面に配列された複数の検出素子は、入射したX線の強度を電気信号に変換する。その電気信号は、画像信号として本体制御部60又は情報処理装置8に出力され、その信号に基づいて、X線画像が生成される。
【0046】
X線検出器21は、X線検出部20の筐体におけるX線発生器11に向く側部に取り付けられており、その検出面に対してX線発生器11から出射されたX線ビームが照射される。
【0047】
<旋回アーム30>
X線発生部10及びX線検出部20は、旋回アーム30の両端部にそれぞれ吊り下げ状に固定され、対向するように支持されている。旋回アーム30は、鉛直方向に延びる旋回軸31を介して、昇降部40によって吊り下げ状に支持されている。旋回アーム30は、X線発生部10及びX線検出部20がとりつかれられた状態では、正面視略逆U字状であり、旋回アーム30の上端部に備えられた旋回軸31の中心である回転軸線Scまわりに旋回する。回転軸線Scは、Z方向に沿う線である。
【0048】
なお、本例では、X線発生部10及びX線検出部20を支持する支持体が旋回アーム30により構成されている。しかしながら、支持体は、その他の形態としてもよい。例えば、旋回アーム30の代わりに、頭部M10の上方に固定された外周が円形状の部材の外周部に、ボール軸受け等を介して周回可能に係合された環状部材を採用することも考えられる。この場合、該環状部材にX線発生部10とX線検出部20とが対向するように取り付けられる。そして、該環状部材が上記円形状の部材の外周部を周方向に移動することにより、X線発生部10及びX線検出部20を、頭部M10を挟んだ状態で、該頭部M10のまわりで回転させることができる。
【0049】
<昇降部40>
昇降部40は、支柱50に係合されており、支柱50に対して鉛直方向に昇降移動可能に構成されている。支柱50は、鉛直方向に長さを有する部材である。昇降部40は、上部フレーム41、下部フレーム42、昇降駆動部43,44を備えている。上部フレーム41及び下部フレーム42は、鉛直方向に延びる支柱50に係合している。昇降駆動部43,44は、モータなどの駆動源を備えており、昇降駆動部43は上部フレーム41を、昇降駆動部44は下部フレーム42を、それぞれ支柱50に沿って上下移動させる。
【0050】
上部フレーム41は、正面視において手前側(−Y側)に向けて延在している。この上部フレーム41の先端寄り部分に下方に延びる旋回軸31が取り付けられている。上部フレーム41は、この旋回軸31を介して旋回アーム30を吊り下げ状に支持する。上部フレーム41が支柱50に沿って鉛直方向に移動することによって、旋回アーム30が鉛直方向に上下移動する。
【0051】
旋回アーム30を旋回させる構造として、例えば、旋回軸31を上部フレーム41に回転不能に固定し、その旋回軸31に対して旋回アーム30を旋回可能に取り付けるとよい。この場合、旋回アーム30が回転不能の旋回軸31に対して旋回することとなる。また、旋回軸31を上部フレーム41に回転可能に取り付けるとともに、その旋回軸31に対して旋回アーム30を回転不能に連結してもよい。この場合、旋回軸31を回転させることにより旋回アーム30が旋回することとなる。
【0052】
前者の場合、例えば、不図示のベルトやプーリ等の動力伝達機構により、旋回用モータ32の回転力を、旋回アーム30に作用させるとよい。例えば、旋回用モータ32を旋回アーム30の内部に固定し、旋回用モータの回転軸に固定したプーリと旋回軸31の双方に環状のベルトをかけ渡し、旋回用モータ32の回転駆動力が旋回アーム30に作用させるとよい。この場合、旋回軸31と旋回アーム30との間にはベアリング等の軸受部材を介在させればよい。
【0053】
旋回用モータ32を、上部フレーム41の内部に設けることも可能である。この場合、旋回用モータ32の動力を伝達する伝達機構として、不図示のベルト、プーリ、旋回軸31の内部を通る回転軸等を設けるとよい。この場合、旋回用モータ32による回転駆動力が旋回アーム30に伝達されることにより、旋回アーム30を旋回させるとよい。
【0054】
また、後者の場合、旋回用モータ32を上部フレーム41の内部に設置し、不図示のローラ等の伝達機構を介して、その旋回用モータ32の回転駆動力を旋回軸31に作用させるとよい。この場合、旋回軸31と上部フレーム41との間にはベアリング等の軸受部材を介在させるとよい。
【0055】
なお、本実施形態では、旋回軸31を鉛直方向に延びるように配設されているが、旋回軸31を鉛直方向に対して任意の角度で傾けて配設することも考えられる。例えば旋回軸31を水平方向に延びるように配設した場合、旋回軸31及び旋回アーム30が回転することにより、X線発生部10及びX線検出部20が鉛直方向に平行な平面内で回転することとなる。
【0056】
旋回軸31、ベアリング、ベルトやプーリ、回転軸等からなる伝達機構及び旋回用モータ32は、旋回アーム30を旋回させる回転駆動部の一例である。つまり、回転駆動部は、頭部M10に対して、旋回アーム30(支持体)を旋回軸31まわりに相対的に旋回させる機構である。
【0057】
本体部2は、旋回アーム30を頭部M10に対して旋回軸31に垂直な方向(X方向、Y方向またはX及びY方向の両成分を持つ合成方向)に相対的に移動させる水平移動部を備えている。水平移動部は、上部フレーム41または旋回アーム30に固定されるXYテーブル34により構成され得る。XYテーブル34は、X軸方向に移動するテーブル部材、Y軸方向に移動するテーブル部材、及び、これらのテーブル部材をX軸方向またはY軸方向に移動させるためのモータ類等で構成され得る。
【0058】
XYテーブル34が上部フレーム41に固定される場合、旋回軸31の上端部にXYテーブル34を固定するとよい。この場合、XYテーブル34が駆動されることにより、旋回軸31とともに旋回アーム30が旋回軸31に垂直な方向(水平方向)へ移動することとなる。また、XYテーブル34が旋回アーム30に固定される場合、旋回軸31の下端部にXYテーブル34を固定するとよい。この場合、旋回アーム30のみが、旋回軸31に垂直な方向(水平方向)に移動することとなる。
【0059】
XYテーブル34を旋回アーム30が旋回する最中に駆動することにより、旋回軸31及び旋回アーム30、又は、旋回アーム30を水平方向に移動させることができる。このため、X線発生部10及びX線検出部20の旋回中心を、機械的な旋回中心である旋回軸31とは別の箇所に設定可能である。
【0060】
例えばCT撮影においては、+Z側からX線発生部10及びX線検出部20を見下ろした際、X線発生部10及びX線検出部20の中心同士を結ぶ直線状に撮影領域FOV(Field of View)の中心が設定される。そして、旋回軸31がX線発生部10及びX線検出部20の中心同士を結ぶ上記直線上に設定される。ただし、旋回軸31は、撮影領域FOVの中心とは異なる位置に設定される。このような幾何学的条件下において、旋回アーム30を旋回軸31周りに旋回させるとともに、旋回アーム30の旋回角度と同じ角度分だけ、XYテーブル34が旋回軸31を撮影領域FOVの中心まわりに回動させる。これにより、X線発生部10及びX線検出部20が撮影領域FOVの中心を旋回中心(回転軸線)にして旋回しつつ撮影領域FOVにX線コーンビームを照射してCT撮影することが可能である。
【0061】
このように旋回中心を設定する技術については、特開2007−29168号公報または国際公開第2009/063974号に開示されており、本願においても適宜採用可能である。
【0062】
XYテーブル34により、旋回アーム30を頭部M10に対して水平方向に相対的に移動させることができる。ただし、旋回アーム30を水平方向に移動させる代わりに、頭部M10を含む被検者全体または一部分を水平方向に移動させてもよい。
【0063】
下部フレーム42には、被写体保持部421が設けられている。被写体保持部421は、ここでは、頭部M10の顎部を保持するチンレスト及び頭部M10をその両側から挟み込んで位置決めする不図示のヘッドホルダ等を備えている(
図7参照)。なお、被写体保持部421は、これとは別の構成を備えていてもよく、例えば、被検者が噛むことにより、頭部M10が固定されるバイトブロックを備えていてもよい。頭部M10が被写体保持部421に固定されることにより、頭部M10の前後方向がY軸方向と平行またはほぼ平行となるように固定される。つまり、頭部M10が固定された状態では、頭部M10の正中矢状断面がY軸方向とZ軸方向で規定されるYZ面と平行またはほぼ平行となる。
【0064】
旋回アーム30は、被検者の身長に合わせて上部フレーム41が昇降することにより、適切な位置に配置される。また、下部フレーム42も上部フレーム41に合わせて昇降することにより、下部フレーム42に設けられた被写体保持部421に頭部M10が保持される。
【0065】
図2(b)に示すように、支柱基部には図示しないモータが固定され、当該モータには雄ネジ等の駆動軸42edが接続されている。昇降部40を構成する上部フレーム41には雌ネジ等の軸受部材42enが固定されている。軸受部材42enには駆動軸42edが螺合されている。駆動軸42edの回動により、軸受部材42enと共に上部フレーム41がZ軸方向に昇降する。
【0066】
下部フレーム42にはモータ42mが固定され、モータ42mは雄ネジ等の駆動軸42dに接続されている。上部フレーム41にはナット等の軸受部材42nが固定され、駆動軸42dが螺合されている。上部フレーム41と下部フレーム42とは駆動軸42dを介して連結されている。
【0067】
支柱50には昇降部40を昇降案内するレール等のガイド部材40gaが固定されている。上部フレーム41にはローラ等の被案内部材40gb1が固定されている。下部フレーム42にはローラ等の被案内部材40gb2が固定されている。
【0068】
被案内部材40gb1と被案内部材40gb2とが被案内部材40gbを構成している。被案内部材40gbはガイド部材40gaに沿ってZ軸方向に案内される。駆動軸42dを駆動しないで駆動軸42edのみの駆動を行うと上部フレーム41と下部フレーム42の双方の昇降、すなわち、昇降部40全体の昇降が行われる。モータ42mによる駆動軸42dの駆動で下部フレーム42自身が上部フレーム41に対してZ軸方向に昇降移動する。
【0069】
この構造により、例えば、駆動軸42edの駆動による上部フレーム41の上昇と駆動軸42dの駆動による下部フレーム42の上部フレーム41に対する下降を同じ変位量で同期させることで、下部フレーム42の高さは一定に維持しながら、上部フレーム41の上昇のみを行うことができる。
【0070】
下降については、上記の上昇とは逆で、上部フレームの下降、下部フレーム42の上部フレーム41に対する上昇を同じ変位量で同期させることで、下部フレーム42の高さは一定に維持しながら、上部フレーム41の下降のみを行うことができる。
【0071】
このように構成することで、例えば、CT撮影をX線コーンビームの水平照射によって行う場合、頭部は一定の高さに維持しながらX線コーンビームの照射中心軸の高さを変更することができる。
【0072】
また、CT撮影においてはX線コーンビームを水平照射し、パノラマ撮影においてX線細隙ビームを打ち上げるように照射することも可能である。また、あえてCT撮影においてX線コーンビームを打ち上げるように照射することも、打ち下ろすように照射することも可能である。
【0073】
旋回用モータ32、XYテーブル34及び昇降駆動部43は、本体制御部60の支持体制御部601により制御される(
図3参照)。また、下部フレーム42を昇降駆動する昇降駆動部44は、被写体保持制御部605により制御される。
【0074】
前述の図示しない支柱基部に固定のモータ、駆動軸42ed、軸受部材42enは昇降駆動部43の一構成例であり、前述の図示しない支柱基部に固定のモータ、駆動軸42ed、軸受部材42en、モータ42m、駆動軸42d、軸受部材42nは昇降駆動部44の一構成例である。
【0075】
<本体制御部60>
本体制御部60は、本体部2を制御する装置である。本体制御部60は、不図示のCPU、ROM及びRAM等を備えたコンピュータとしてのハードウェアにより構成され得る。ここでは
図1に示すように、X線検出部20の内部に設置されている。
【0076】
本体制御部60が設けられたX線検出部20の外壁面には、本体制御部60に対して各種命令を入力するためのボタン類、又は、各種情報を表示するタッチパネルで構成された操作表示部61が取り付けられている。
【0077】
また、防X線室70の壁面にも、本体制御部60に対する各命令を入力するための操作表示部62が取り付けられている。操作表示部62は、各種情報を表示する表示部63、操作部64、スイッチ部65を備えている。スイッチ部65は、撮影開始の命令を入力するための撮影開始スイッチ65aと、撮影を強制的に終了させる強制終了スイッチ65bとを備えている。
【0078】
操作者(例えば、術者)は、操作表示部61,62を介して本体部2を操作可能である。ただし、操作表示部61,62間で、操作内容や表示内容は異なっていてもよい。また、操作表示部61,62間で、操作内容や表示内容の一部あるいは全部が共通していてもよい。
【0079】
また、操作表示部61,62のうちどちらか一方を省略してもよい。例えば、防X線室70が省略される場合、操作表示部62が省絡されてもよい。以下では、操作表示部62についての表示内容または操作内容を説明するが、操作表示部61のおいても同様である。
【0080】
操作表示部62は、X線撮影モードを選択するときの他、撮影領域FOVの位置を設定するときにも用いられ得る。
【0081】
図3に示すように、本体制御部60は、支持体制御部601、照射制御部602、遮蔽制御部603、検出制御部604及び被写体保持制御部605を備えている。これら各制御部は、CPUが制御用アプリケーションに従って動作することにより実現される機能である。なお、これらの機能のうち一部又は全部が専用の回路によりハードウェア的に実現されてもよい。
【0082】
支持体制御部601は、旋回用モータ32を制御することにより旋回アーム30の旋回を制御する。詳細には、支持体制御部601は、旋回アーム30に支持されたX線発生部10及びX線検出部20を旋回軸31周りに回転させることにより、頭部M10に対するX線の照射角度を変更する。また、支持体制御部601は、XYテーブル34を制御することにより、旋回アーム30のX方向及びY方向の移動を制御する。さらに、支持体制御部601は、昇降駆動部43を制御することにより、上部フレーム41とともに旋回アーム30をZ方向に昇降移動させる。
【0083】
照射制御部602は、X線発生部10のX線発生器11を制御する。例えば、照射制御部602は、X線発生器11のX線管に供給される電圧又は電流を制御することによって、X線発生器11から出射されるX線ビームのオン・オフ及びX線ビームの強度を制御する。
【0084】
遮蔽制御部603は、ビーム成形機構13を制御することによって、X線ビームの遮蔽量を制御する。遮蔽制御部603は、X線ビームの遮蔽制御により、撮影目的に応じた形状のX線ビーム(例えば、X線細隙ビーム及びX線コーンビーム等)を形成する。また、遮蔽制御部603は、X線ビームの遮蔽制御により、被検者における撮影領域FOV以外の領域にX線ビームが照射されることを抑制する。
【0085】
また、遮蔽制御部603は、ビーム成形機構13により、X線ビームの照射方向の変更を行う遮蔽制御を行うことができる。例えば、X線ビームの上側と下側の遮蔽量を均等としてX線ビームを水平照射し、X線ビームの上側の遮蔽量を小さくし、下側の遮蔽量を大きくしてX線ビームを打ち上げ照射し、X線ビームの上側の遮蔽量を大きくし、下側の遮蔽量を小さくしてX線ビームを打ち下ろし照射するようにすることができる。
【0086】
また、X線検出器21には、X線ビームの照射方向が変わっても受光できる充分な広さがある検出面を備えてもよい。あるいは、比較的小さい検出面をもつX線検出器21を、図示しないX線検出器昇降機構によってX線検出部20内で昇降可能に構成してもよい。この場合、X線ビームの照射方向の上下の変更に適合させてX線検出器21(検出面)を昇降させるように構成するとよい。
【0087】
検出制御部604は、X線検出器21の動作を制御する。例えば、検出制御部604は、X線検出器21の前面に設けられた不図示のコリメータ(2次X線遮蔽部)を制御する。コリメータは、散乱する不要なX線部分を部分的に遮蔽するため、X線ビームの形状に対応する複数の形状の異なる複数の孔が設けられた板状部材を有する。検出制御部604は、この複数の孔の中から撮影目的に適合する孔が選択的に検出面に配されるように、コリメータを制御する。
【0088】
被写体保持制御部605は、昇降駆動部44を制御することにより、下部フレーム42とともに被写体保持部421をZ方向に昇降移動させる。被写体保持制御部605は、被写体保持部421をZ方向に位置付けすることによって、頭部M10を撮影に適した位置に保持できる。
【0089】
前述のように、支持体制御部601の昇降駆動部43の制御による上部フレーム41と旋回アーム30のZ方向の昇降移動と被写体保持制御部605の昇降駆動部44の制御による下部フレーム42と被写体保持部421のZ方向の昇降移動の同期駆動により、被写体保持部421をZ方向に同じ位置に保ちながら旋回アーム30の被写体保持部421に対するZ方向の位置を変更することが可能である。
【0090】
<情報処理装置8>
図1に示すように、情報処理装置8は、情報処理本体部80、表示部85及び操作部86を備えている。
図4に示すように、情報処理本体部80は、CPU81、ROM82及びRAM83を有する。CPU81は、各種演算処理を行う演算回路を含む。ROM82は、基本プログラムを記憶している。RAM83は、各種情報を記憶する揮発性の主記憶装置である。情報処理装置8は、CPU81、ROM82及びRAM83をバスライン80Bで接続した一般的なコンピュータシステムの構成を備えている。
【0091】
情報処理本体部80は、さらに、固定ディスク84、読取装置87及び通信部88を備えている。これらの要素も、適宜インターフェース(I/F)を介してバスライン80Bに接続されている。表示部85及び操作部86も、バスライン80Bに接続されている。
【0092】
固定ディスク84は、情報記憶を行う補助記憶装置である。表示部85は、画像などの各種情報を表示する。操作部86は、キーボード86a及びマウス86b等を含む入力用デバイスである。操作者は、操作部86を介して情報処理本体部80に各種命令を入力し得る。なお、表示部85は、タッチパネルで構成されていてもよい。この場合、表示部85は操作部86としても機能し得る。
【0093】
読取装置87は、光ディスク、磁気ディスク、光磁気ディスクなどのコンピュータ読み取り可能な記録媒体8Mから情報の読み取りを行う。通信部88は、X線撮影装置1の要素又はその他の要素との間で信号を送受信する。
【0094】
情報処理装置8は、読取装置87を介して記録媒体8MからプログラムPGを読み取り、固定ディスク84に記録される。そして、固定ディスク84に記録されたプログラムPGは、RAM83にコピーされる。CPU81は、RAM83内に格納されたプログラムPGに従って、演算処理を実行する。
【0095】
図1及び
図3に示すように、情報処理本体部80は、第1位置設定部801、透視撮影情報提供部802、第2位置設定部803、撮影領域設定部804、CT撮影情報提供部805及び画像処理部806として機能する。これらの各部は、CPU81がプログラムPG等に従って動作することによりソフトウェア的に実現される機能である。なお、これらの各部のうち一部又は全部が、専用の回路等によってハードウェア的に実現されてもよい。
【0096】
第1位置設定部801及び第2位置設定部803は、本体部2においてCT撮影を行う際の、撮影領域FOVの位置を設定するために設けられている。
【0097】
第1位置設定部801は、表示部85にパノラマ断層画像を表示させた状態で、そのパノラマ断層画像上において近心・遠心方向の位置の指定操作を受け付ける。パノラマ断層画像は、頭部M10において歯列弓に対応した曲面状断層の画像である。第1位置設定部801は、受け付けた指定操作に基づき、曲面状断層上における近心・遠心方向の位置(第1位置Pos1)を設定する。近心・遠心方向は、正中(歯列弓における、左右の一番の歯の間)に近づく方向又は正中から遠ざかる方向をいう。第1位置設定部801は、パノラマ断層画像上において近心・遠心方向の位置の指定操作を受け付ける際に、Z方向の位置の指定操作も受け付ける。
【0098】
透視撮影情報提供部802は、本体制御部60に透視撮影を実行するための情報を提供する。この透視撮影は、第1位置設定部801により設定された曲面状断層の第1位置Pos1における接線方向を透視撮影方向として、頭部M10にX線ビームを照射してその透視画像を取得するものである。
【0099】
第2位置設定部803は、表示部85に上記透視画像を表示させた状態で、その透視画像上において頬舌方向の位置の指定操作を受け付ける。第2位置設定部803は、受け付けた指定操作に基づき、頬舌方向の位置(第2位置Pos2)を設定する。頬舌方向は、歯列弓の内側(舌側)に向かう方向又は歯列弓の外側(頬側(部位によっては唇側))に向かう方向であって、近心・遠心方向に直交する水平方向である。
【0100】
撮影領域設定部804は、第2位置設定部803により設定された第2位置Pos2に基づき、CT撮影の撮影領域FOVを設定する。
【0101】
CT撮影情報提供部805は、本体制御部60にCT撮影を実行するための情報を提供する。このCT撮影は、撮影領域設定部804により設定された撮影領域FOVにX線コーンビームを照射するものである。
【0102】
画像処理部806は、本体部2においてX線撮影が行われた際に、X線検出器21が出力した画像信号に基づくX線の投影データを処理して、X線画像を生成する。例えば、本体部2においてCT撮影が行われた場合には、画像処理部806は、投影データに対して、逆投影処理、フィルター処理などの各種画像処理を行うことにより、指定された断層についてのCT画像を再構成する。
【0103】
<動作説明>
次に、X線撮影装置1の動作について説明する。
図5及び
図6は、第1実施形態のX線撮影装置1の動作の流れを示す図である。なお、以下に説明するX線撮影装置1の動作は、特に断らない限り、本体部2の本体制御部60又は情報処理本体部80の制御に基づいて行われる。
【0104】
まず、X線撮影装置1において、撮影モードの選択受け付けが行われる(
図5:ステップS1)。撮影モードの選択受付は、情報処理装置8の操作部86、または、本体部2の操作表示部61,62により行われ得る。撮影モードとしては、透視撮影を実行する透視撮影モード、パノラマ撮影を実行するパノラマ撮影モード、及び、CT撮影を実行するCT撮影モードが選択可能である。なお、X線撮影装置1においてセファログラム撮影(頭部X線規格写真)を実行可能に構成されている場合、セファロ撮影を実行するモードも選択可能とされ得る。
【0105】
以下では、ステップS1にてCT撮影モードが選択された場合について説明する。なお、ステップS1にてCT撮影モード以外が選択された場合は、ここでは説明を省略するが、その選択されたモードの処理が実行される。
【0106】
CT撮影モードが選択されると、X線撮影装置1は、撮影領域を設定するための撮影領域設定モードの選択を受け付ける(
図5:ステップS2)。撮影領域設定モードには、例えば、特許文献1に記載されているように、パノラマ断層画像を表示部85等に表示し、その画像上で操作者が指定した位置から撮影領域を設定する第1撮影領域設定モードが含まれ得る。また、別の撮影領域設定モードとして、特許文献2に記載のように、2方向から透視撮影することにより得られる2つの透視画像を表示部85等に表示し、その各画像上で操作者が指定した位置から撮影領域を設定する第2撮影領域設定モードが含まれ得る。これら第1,第2撮影領域設定モードの処理については、例えば、特許文献1,2に記載された技術をX線撮影装置1に適用し得る。
【0107】
さらに別の撮影領域設定モードとして、パノラマ断層画像と透視画像とを利用する第3撮影領域設定モードが含まれる。この第3撮影領域設定モードの流れについては、
図6において詳細に説明する。
【0108】
ステップS2において、複数の撮影領域設定モードの中から1つのモードが選択されると、そのモードに従って、CT撮影の撮影領域FOVの設定が行われる(
図5:ステップS3)。そして、情報処理装置8から本体部2にCT撮影を行うためのCT撮影情報が提供される(
図5:ステップS4)。詳細には、CT撮影情報提供部805が、本体制御部60に対してCT撮影情報を提供する。CT撮影情報には、例えば、ステップS3において設定された撮影領域の実空間における座標位置に関する情報が含まれ得る。また、旋回アーム30の旋回開始位置に関する情報、X線強度(詳細には、X線管に供給される電圧値又は電流値)に関する情報のほか、種々の情報がCT撮影情報に含まれ得る。
【0109】
情報処理装置8から本体部2へCT撮影情報が提供されると、X線撮影装置1は、CT撮影開始命令の受け付ける(
図5:ステップS5)。CT撮影開始命令は、本体部2において、CT撮影を開始するトリガーとなる命令である。操作者は、スイッチ部65の撮影開始スイッチ65a、または、その他の操作部(操作表示部61,62、操作部86)を操作することにより、CT撮影開始命令を本体部2に与えることができる。
【0110】
CT撮影開始命令があった場合(ステップS5においてYES)、本体部2は、CT撮影を実行する(
図5:ステップS6)。詳細には、本体部2は、ステップS4において提供を受けたCT撮影情報に従って、まず、旋回アーム30を旋回開始位置まで移動させる。その後、本体部2は、旋回アーム30の旋回を開始するとともに、ステップS3にて設定された頭部M10における撮影領域にX線コーンビームを照射する。このX線コーンビームは、ビーム成形機構13によって、例えば四角錐状に広がる形状に成形されたX線ビームである。また、本体部2は、旋回アーム30の旋回中、X線発生器11から出射されたX線コーンビームをX線検出器21にて検出することにより、所定のフレームレートで得られる画像信号、即ち投影データを記憶部に取り込む。また、本体部2は、取り込んだ投影データを情報処理本体部80に送信する。これにより、情報処理装置8において、投影データが蓄積される。
【0111】
続いて、情報処理装置8において、CT画像の生成処理、及び、表示処理が行われる(
図5:ステップS7)。詳細には、情報処理本体部80の画像処理部806が、ステップS6のCT撮影により取得された投影データを、再構成処理することにより、CT画像であるスライス画像を生成する。また、情報処理本体部80は、生成されたスライス画像を表示部85に表示する。なお、再構成処理の際、操作者による再構成に係る条件設定(再構成関数の種類、断層厚等の設定)を受け付け可能にしてもよい。また、表示処理の際に、操作者による表示部85に表示されるスライス画像の選択を受け付け可能にしてもよい。
【0112】
次に、ステップS3の撮影領域FOVの設定について、
図6を参照しつつ詳細に説明する。
図6は、パノラマ断層画像及び透視画像を用いて、撮影領域FOVを設定する第3撮影領域設定モードの流れを示す図である。
【0113】
第3撮影領域設定モードではまず、本体部2が、頭部M10に対するパノラマ撮影が実行される(
図6:ステップS30)。具体的には、本体部2の本体制御部60が、X線発生部10、X線検出部20、旋回用モータ32、XYテーブル34などを制御することによって、頭部M10の顎部のパノラマ断層画像を取得するパノラマ撮影を実行する。パノラマ撮影においては、X線発生器11から出射されるX線ビームが、ビーム成形機構13により鉛直方向に延びるX線細隙ビームに成形される。そして、旋回アーム30がパノラマ撮影用の軌道を移動することによって、X線細隙ビームが歯列弓に対応する曲面を左右の一端から他端までなぞるように照射される。これによって得られる短冊型の投影画像をつなげることによって、1枚のパノラマ断層画像PI1が生成される。このようにして生成されたパノラマ断層画像PI1が、表示部85に表示される(
図6:ステップS31)。このように、本体部2の本体制御部60は、パノラマ撮影を実行するパノラマ撮影実行部の一例である。
【0114】
図7は、被写体保持部421に保持された頭部M10を示す概略斜視図である。
図7に示すように、被写体保持部421のチンレストに頭部M10の顎部が載置された状態で、歯列弓モデルdmに沿った曲面状断層のパノラマ断層画像が取得される。歯列弓モデルとは、統計的に標準とされる人体の歯列弓に沿った仮想的な3次元形状であって、ここでは、パノラマ断層に相当する所定の厚みを持った平面視馬蹄形状の仮想的な撮影対象物(曲面状断層)である。このような歯列弓モデルdmが存在する部分を対象としたパノラマ撮影が行われる。
【0115】
歯列弓モデルdmは、実空間(3次元空間)において被写体保持部421に対し固定的な位置を占めている。歯列弓モデルdmが示す曲面状断層の位置は、実空間内で特定されているため、歯列弓モデルの位置(標準位置)は、3次元座標の座標情報として特定されている。また、歯列弓モデルdmは、1つに限定されるものではない。例えば、成人(成人男性又は成人女性)、子供、老人といったように、性別及び年齢層の各々に対応する歯列弓モデルdmを予め用意しておくとよい。そして、複数の歯列弓モデルdmの中から、頭部M10に適合する歯列弓モデルdmが選択できるようにするとよい。歯列弓モデルdmの情報は、固定ディスク84等の記憶部において、読み出し可能に保存されておくとよい。
【0116】
図8は、パノラマ断層画像PI1の一例を示す図である。
図8に示すようにパノラマ断層画像PI1は、馬蹄形状の歯列弓モデルdmが示す曲面状断層を、近心・遠心方向に直線状に展開した画像であるため、一度に歯列全体を把握可能である。
図8に示すように、正中線MLに近い側が近心側であり、正中線MLから離れる側が遠心側である。近心・遠心方向とは、正中線に直交し、かつ、歯列弓に沿う方向である。
【0117】
図6に戻って、ステップS31にて表示部85にパノラマ断層画像が表示されると、情報処理装置8において、撮影領域FOVの位置を設定するため、近心・遠心方向の位置である第1位置Pos1の指定が受け付けられる(
図6:ステップS32)。
【0118】
図9は、パノラマ断層画像PI1上において、近心・遠心方向の第1位置Pos1を設定する様子を示す概略図である。ステップS32では、
図9に示すように、表示部85にパノラマ断層画像PI1が表示された状態で、第1位置設定部801が近心・遠心方向の位置(第1位置Pos1)の指定操作を受け付ける。
図9に示す例では、十字状の位置指定用カーソルCC1がパノラマ断層画像PI1上に表示されている。この位置指定用カーソルCC1は、直交する2本の線で構成されており、それらの線の交点が第1位置Pos1を指し示す部分となっている。位置指定用カーソルCC1は、操作者が操作部86を操作することによって、パノラマ断層画像PI1内の任意の位置に移動可能とされている。操作者は、この位置指定用カーソルCC1を、所望の関心領域(ROI)まで移動させた後、所定の指定操作(マウスのクリック操作等)を行う。これにより、第1位置設定部801が、パノラマ断層画像PI1における位置指定用カーソルCC1の位置を、近心・遠心方向の位置である第1位置Pos1に設定する。位置指定用カーソルCC1の第1位置Pos1の指定は、上顎の歯、下顎の歯、歯冠部、歯根部の指定など、Z方向の指定も兼ねる。
【0119】
なお、
図9に示す例では、第1位置設定部801が、位置指定用カーソルCC1とともに移動する矩形状の枠カーソルFC1を表示している。この枠カーソルFC1は、撮影領域FOVの境界(外縁)を模式的に示すものである。この枠カーソルFC1の内側の領域が、撮影領域FOVとなる。すなわち、枠カーソルFC1は、撮影領域FOVの範囲を表す範囲指標である。操作者は、関心領域が枠カーソルFC1内に入るように、位置指定用カーソルCC1及び枠カーソルFC1を移動させることができる。なお、関心領域の大きさに応じて、枠カーソルFC1の大きさを変更できるようにしてもよい。
【0120】
なお、表示部85に表示されるパノラマ断層画像PI1は、X線撮影装置1において取得されたものでなくてもよく、他のX線撮影装置で取得されたものであってもよい。ただし、この場合、第1位置Pos1の実空間における座標を特定するため、パノラマ断層画像PI1を取得した別のX線撮影装置における歯列弓モデルdmの位置と、X線撮影装置1におけるその歯列弓モデルdmの位置関係を特定しておく必要がある。また、必ずしもCT撮影モードの選択をしてから改めてパノラマ撮影を行わずとも、X線撮影装置1によって過去にパノラマ撮影して得たパノラマ画像を保存しておいて、呼び出して用いるようにしてもよい。
【0121】
図6に戻って、近心・遠心方向の位置である第1位置Pos1が設定されると、透視撮影情報提供部802が、パノラマ断層画像に対応する曲面状断層上の第1位置Pos1の実空間の座標、及び、第1位置Pos1における接線方向TLD1を特定する(
図6:ステップS33)。すなわち、パノラマ断層画像PI1上の位置の指定により、歯列弓モデルdm上の第1位置Pos1のXYZの座標が特定し、接線方向TLD1が特定される。
【0122】
接線方向TLD1について説明する。
図10は、+Z側から見た頭部M10の下顎部と歯列弓モデルdmとを模式的に示す平面図である。
図10に示すように、第1位置設定部801によって、曲状断層面である歯列弓モデルdm上の第1位置Pos1が設定されると、透視撮影情報提供部802が、その第1位置Pos1の座標を求め、さらに、その第1位置Pos1の座標を通る接線TL1が延びる方向である接線方向TLD1のベクトルが算出される。算出された接線方向TLD1の情報は、RAM83などの記憶部に保存される。歯列弓モデルdmの各位置ごとの接線方向TLD1を予め定めてテーブル化しておいて、そのテーブルが適宜読み出されるようにしてもよい。
【0123】
図6に戻って、ステップS33において、第1位置Pos1の座標及び接線方向の情報が算出されると、それらの情報が、透視撮影情報として、本体部2に提供される(
図6:ステップS34)。透視撮影情報は、透視撮影を行うための条件であって、X線発生部10から出射されるX線ビームの照射方向(X線ビームの中心軸の向き)や、X線ビームの撮影位置(X線ビームの中心軸が通る実空間上の点の位置)等の情報を含む。本体制御部60は、透視撮影情報を受け取ると、旋回アームの位置付けを行う(
図6:ステップS35)。そして、頭部M10が被写体保持部421に固定された状態で、本体制御部60は、X線ビームを照射する透視撮影を実行する(
図6:ステップS36)。また、透視撮影が完了すると、取得された透視画像が表示部85に表示される(
図6:ステップS37)。
【0124】
図11は、+Z側から見た透視撮影を実行する本体部2の旋回アーム30を示す概略平面図である。
図11に示すように、本体部2に透視撮影情報が与えられると、本体制御部60は、X線発生部10から出射されるX線ビームBX1の照射方向(中心軸CBXの向き)が接線方向TLD1と一致し、かつ、X線ビームBX1の中心軸CBXが第1位置Pos1の座標を通るように、旋回アーム30を位置付け制御する。具体的には、旋回用モータ32の駆動により、旋回アーム30の水平面内における角度が調整されることにより、X線ビームBX1の照射方向が接線方向TLD1に合わせられる。また、XYテーブル34及び昇降駆動部43の駆動により、旋回アーム30の水平方向の位置、及び、鉛直方向の位置が調整される。昇降駆動部43の駆動に昇降駆動部44の駆動が伴ってもよい。これは、例えば、前述の同じ変位量の同期駆動である。これにより、X線ビームBX1の中心軸CBXが第1位置Pos1を通過するように位置付けされる。
【0125】
このように、旋回アーム30の位置付けが完了すると、ビーム成形機構13により成形されたX線ビームBX1がX線発生部10から出射され、被写体保持部421に保持された頭部M10に照射される。これによって、
図11に示すように、第1位置Pos1を通り、且つ、照射方向(接線方向TLD1に平行な方向)に直交する直交面OS1を透過したX線ビームBX1が、X線検出器21により検出される。
【0126】
なお、透視撮影時におけるX線ビームBX1の撮影幅(水平方向の幅)は特に限定されないが、例えば歯科診療における画像診断を想定すると、歯牙周辺に関心領域が存在することが多い。このため、X線ビームBX1の撮影幅を、例えば第1位置Pos1の周辺2cm程を含む大きさとするとよい。このように、X線ビームBX1の撮影幅を小さくすることにより、被検者の被曝量を低減できる。
【0127】
図6に戻って、ステップS37にて透視画像SI1が表示部85に表示されると、情報処理装置8において、撮影領域FOVを設定するために、頬舌方向の位置である第2位置Pos2の指定が受け付けられる(
図6:ステップS38)。第2位置Pos2の指定受付について、
図12を参照しつつ具体的に説明する。
【0128】
図12は、透視画像SI1の表示例を示す図である。
図12に示す例では、
図15に示す頬舌方向CTD1の第2位置Pos2を設定するため、十字状の位置指定用カーソルCC2が透視画像SI1上に表示されている。この位置指定用カーソルCC2も、位置指定用カーソルCC1と同様に直交する2本の線で構成されており、その交点が第2位置Pos2を指し示す部分である。操作者が操作部86を操作することによって、透視画像SI1内の任意の位置に移動可能とされている。操作者は、この位置指定用カーソルCC2を、所望の関心領域(ROI)まで移動させた後、所定の指定操作(マウスのクリック操作等)を行う。これにより、第2位置設定部803が、透視画像SI1における位置指定用カーソルCC2の位置を、頬舌方向の位置である第2位置Pos2に設定する。
【0129】
なお、
図12に示す例では、第2位置設定部803が、位置指定用カーソルCC2とともに移動する矩形状の枠カーソルFC2を表示している。この枠カーソルFC2は、撮影領域FOVの境界(外縁)を模式的に示すものである。すなわち、最終的に、この枠カーソルFC2の内側の領域が、撮影領域FOVに設定されることとなる。このため、操作者は、この枠カーソルFC2内に関心領域が含まれるようにすることによって、撮影領域FOVを好適に設定し得る。
【0130】
位置指定用カーソルCC2、枠カーソルFC2の第2位置Pos2指定操作を加える前の初期表示位置は、歯列弓モデルdm上の第1位置Pos1の位置に適合させて表示してよい。
【0131】
図12に示す透視画像SI1において、垂直方向は実空間の鉛直方向(Z方向)に対応している。したがって、位置指定用カーソルCC2の画像上の位置を読み取ることによって設定される第2位置Pos2は、実空間における頬舌方向CTD1の位置情報だけでなく、実空間における鉛直方向の位置情報も含む。
【0132】
すなわち、透視画像SI1上の位置の指定により、実空間中の第2位置Pos2のXYZの座標が特定し、撮影領域FOVの位置が特定される。
【0133】
本体部2に座標情報が与えられると、本体制御部60は、位置が特定した撮影領域FOVをX線ビームBX1、具体的にはX線コーンビームBX1が旋回照射するように旋回アーム30を位置付け制御する。具体的には、XYテーブル34及び昇降駆動部43の駆動により、旋回アーム30の水平方向の位置、及び、鉛直方向の位置が調整される。
【0134】
昇降駆動部43の駆動に昇降駆動部44の駆動が伴ってもよい。これは、例えば、前述の同じ変位量の同期駆動である。このとき、Z方向から見た撮影領域FOVの中心にX線発生器11とX線検出器21の旋回中心が置かれるように制御するのが好適である。さらに好適には、CT撮影中、X線コーンビームBX1の照射中心軸が第2位置Pos2を常に通るように制御する。位置指定用カーソルCC2は透視画像SI1内の任意の位置に移動可能としてもよいが、Z方向は一定に保って頬舌方向CTD1にのみ位置変更可能に構成してもよい。
【0135】
図13は、
図15に示す頬舌方向CTD1の透視画像SI1のその他の表示例を示す図である。この表示例では、第2位置Pos2を設定する際に、表示部85において、透視画像SI1とともにパノラマ断層画像PI1が並列に表示される。ここでは、表示部85の画面に向かって左側に頬舌方向CTD1の透視画像SI1を、画面に向かって右側にパノラマ断層画像PI1を表示している。なお、透視画像SI1及びパノラマ断層画像PI1を、画面に向かって左右に並べて表示されることは必須ではなく、上下に並べて表示してもよい。
【0136】
本例では、
図8及び
図9に示すパノラマ断層画像PI1のうち、先に設定された第1位置Pos1の周辺部分を切り取った部分画像を、透視画像SI1に並列に表示している。この場合、パノラマ断層画像PI1のうち、不要な領域の表示が省略されるため、表示部85の表示領域を有効に広く利用できる。ただし、透視画像SI1とともにパノラマ断層画像PI1の全部を表示することも妨げられない。
【0137】
図13の表示例において、透視画像SI1上の位置指定用カーソルCC2を上下方向に移動させると、パノラマ断層画像PI1上の位置指定用カーソルCC1もこれに連動して上下方向に移動する。ただし、位置指定用カーソルCC2を水平方向(頬舌方向)に移動させたとしても、位置指定用カーソルCC1は移動しない。これは、頬舌方向が、パノラマ断層画像の画像面に垂直な方向に相当するためである。
【0138】
このように、透視画像SI1及びパノラマ断層画像PI1を表示することによって、操作者が関心領域周辺の構造を、2方向から確認できる。このため、透視画像SI1のみを表示する場合に比べて、撮影領域FOVをより好適に設定し得る。
【0139】
図14は、
図15に示す頬舌方向CTD1の透視画像SI1のその他の表示例を示す図である。この表示例では、
図13に示す表示例と同様に、第2位置Pos2を設定する際に、表示部85において、透視画像SI1とともにパノラマ断層画像PI1が並列に表示される。また、第2位置Pos2を指し示す位置指定用カーソルCC2aの交点が、枠カーソルFC2に対して、上下方向の一方に偏在している。より具体的には、例えば、位置指定用カーソルCC2aの交点が、透視画像SI1における上顎の歯根付近に配された場合には、枠カーソルFC2に対して上下方向上側寄りとなるように表示される。一方、図示を省略するが、位置指定用カーソルCC2aの交点が、透視画像SI1の下顎の歯根付近に配された場合には、枠カーソルFC2に対して上下方向下側寄りとなるように表示される。
【0140】
これは、位置指定用カーソルCC2aの交点が、X線ビームの主線(最も強度が高いX線)の位置を示すためである。すなわち、位置指定用カーソルCC2aで第2位置Pos2が指定された場合、その交点の位置にX線ビームの主線が照射されることとなる。例えば、上顎歯牙の根尖部周辺を撮影対象とする場合、枠カーソルFC2内にその歯牙を含めることで、その歯牙が撮影領域に含められる。そして、位置指定用カーソルCC2aが、枠カーソルFC2内の上側に偏在して表示されるため、X線ビームの主線がその撮影領域内の上側に偏った位置に照射されることとなる。すると、上顎歯牙の上側にある根尖周辺に主線が照射されることになるため、その根尖周辺を良好に撮影できる。逆に、下顎歯牙の根尖部周辺を撮影する場合には、位置指定用カーソルCC2aの交点が枠カーソルFC2の下側寄りに表示されるため、下顎歯牙を撮影領域に含めた状態では、X線ビームの主線がその撮影領域の中心より少し下側に照射されることとなる。このため、下顎歯牙の下側にある根尖周辺を良好に撮影できる。
【0141】
また、位置指定用カーソルCC2aの交点を偏らせることにより、関心領域の歯根を構成する歯牙を枠カーソルFC2の内側に含めることができる。これにより、その歯牙全体が撮影領域FOVに含まれ易くなり、もって、CT画像の観察者がその歯牙全体の構造をより容易に把握し易くし得る。
【0142】
なお、第1位置Pos1を設定する際、パノラマ断層画像PI1上に、
図14に示す位置指定用カーソルCC1aを表示してもよい。位置指定用カーソルCC1aは、
図9に示す位置指定用カーソルCC1と同様に、2本の直線の交点が第1位置Pos1を指し示す部分となっている。この位置指定用カーソルCC1aについても、その交点が、位置指定用カーソルCC2aと同様に、上顎または下顎の歯根付近に配された際、枠カーソルFC1に対して上下方向上側又は下側に偏在させてもよい。
【0143】
例えば、上顎の歯根付近に関心がある場合は、位置指定用カーソルCC1aの交点を枠カーソルFC1に対して上側に偏在させ、位置指定用カーソルCC2aの交点を枠カーソルFC2に対して上側に偏在させ、下顎の歯根付近に関心がある場合は、位置指定用カーソルCC1aの交点を枠カーソルFC1に対して下側に偏在させ、位置指定用カーソルCC2aの交点を枠カーソルFC2に対して下側に偏在させるようにしてもよい。
【0144】
このように、位置指定用カーソルCC1aの交点が枠カーソルFC1の中央に、位置指定用カーソルCC2aの交点が枠カーソルFC2の中央に位置するように表示してもよいし、上方と下方のいずれかに偏るように表示してもよい。また、その交点位置に対応してビーム成形機構13のX線発生器11に対する位置を変更するようにしてもよく、交点位置の変位操作に同期対応させてビーム成形機構13のX線発生器11に対する位置を変更するようにしてもよい。
【0145】
図6に戻って、ステップS38にて第2位置Pos2が設定されると、情報処理装置8は、その第2位置Pos2に基づき、撮影領域FOVを設定する。具体的には、撮影領域設定部804が、第2位置Pos2を中心とする一定範囲の領域を撮影領域FOVに設定する。
【0146】
図15は、撮影領域FOVの設定例を示す図である。
図15に示す例では、操作者により指定された第2位置設定部803により設定された第2位置Pos2は、歯列弓モデルdm上の第1位置Pos1から頬舌方向CTD1の舌側(内側)に離れた位置となっている。そして、第2位置Pos2を撮影中心とし、鉛直方向(Z方向)に平行に延びる略円柱状の領域が、撮影領域FOVに設定されている。
【0147】
以上のようにして、撮影領域FOVが設定されると、
図5のステップS4に説明したように、CT撮影情報提供部805が本体部2に撮影領域FOVの情報(例えば、撮影領域FOVの中心軸RA1の位置情報、半径サイズ等)を提供する。これによって、本体部2において、撮影領域FOVのCT撮影が実行されることとなる(
図5:ステップS6)。
【0148】
<効果>
第1実施形態のX線撮影装置1によると、複数の歯を展開した形態で観察可能なパノラマ断層画像PI1上において、第1位置Pos1を指定可能であるため、歯列弓に沿う近心・遠心方向における、CT撮影の撮影領域FOVの位置付けを好適に行い得る。また、歯列弓モデルdm(曲面状断層)における第1位置Pos1の接線方向TLD1を照射方向(撮影方向D1)として、透視撮影を行うことにより、第1位置Pos1にて交差する方向の透視画像を取得できる。この透視画像上において、位置指定が受け付けられることによって、歯列弓モデルdmに交差する方向の位置、すなわち、頬舌方向の位置を第2位置Pos2として指定できる。これにより、頬舌方向に関する撮影領域FOVの位置付けを好適に行い得る。
【0149】
なお、上記実施形態では、透視撮影の撮影方向D1を接線方向TLD1に一致させているが、撮影方向D1を接線方向TLD1に一致させることは必須ではない。撮影方向D1は、少なくとも接線方向TLD1の成分を有する方向であればよい。
【0150】
<2. 第2実施形態>
次に、第2実施形態について説明する。なお、以降の説明において、既に説明した要素と同様の機能を有する要素については、同じ符号又はアルファベット文字を追加した符号を付して、詳細な説明を省略する場合がある。
【0151】
上記第1実施形態では、第2位置Pos2を設定するため、1つの方向(接線方向TLD1)について撮影して得られた1つの透視画像SI1のみを使用している。しかしながら、複数の方向から撮影して得られる複数の透視画像を使用して、頬舌方向の第2位置Pos2が設定されてもよい。
【0152】
図16は、+Z側から見た頭部M10の下顎部と歯列弓モデルdmとを模式的に示す平面図である。
図17は、複数の透視画像SI1〜SI3を示す図である。本実施形態では、
図16に示すように、第1位置Pos1が設定されると、第1実施形態の場合と同様に、その第1位置Pos1における接線方向TLD1が特定される。しかしながら、本実施形態では、その接線方向TLD1の成分を有する別の2つの方向TLD2,TLD3がさらに特定される。ここでは、方向TLD2,TLD3は、接線方向TLD1を水平面内で右回りおよび左回りにそれぞれ所定角度(例えば、5°〜10°)だけ傾けた方向としている。透視撮影情報提供部802は、特定された方向TLD1〜TLD3を透視撮影方向とする撮影情報を本体部2に提供する。本体部2においては、頭部M10に対して、3つの方向TLD1〜TLD3の各々にX線ビームが照射されることによって、
図17に示すように、3つの透視画像SI1〜SI3が取得される。
【0153】
透視画像SI1〜SI3の表示例として、例えば、表示部85の画面上に、これら3つの画像を同時に並べて表示されるようにしてもよい。そして、各画像上に位置指定用カーソルCC2等を表示しておき、操作者が任意の画像上で第2位置Pos2を指定できるようにするとよい。また、透視画像SI1〜SI3を同時に表示するのではなく、自動または手動により1つずつ切り替わって表示されるようにしてもよい。画像が1つずつ自動で切り替わる表示の場合、アニメーションのように連続表示されることとなる。この場合、操作者が操作部86を操作して連続表示を停止させることにより、特定の画像を選択できるようにするとよい。
【0154】
このように、本実施形態では、異なる角度から透視撮影するため、操作者は、関心領域の位置を異なる角度から見て確認できる。例えば、一つの方向から見た透視画像では、他の構造物と重なることで関心領域が不鮮明になる場合があり得るが、他の方向から見た画像では、その重なりが軽減され得る。このため、操作者は、関心領域が最も確認しやすい画像を選択して、頬舌方向の位置(第2位置Pos2)を指定できる。したがって、撮影領域FOVの設定を好適に行うことができる。
【0155】
なお、本実施形態では、3方向について透視撮影を行う場合について説明したが、2方向、または、4方向以上の各方向について透視撮影を行うようにしてもよい。
【0156】
ことに最近の歯科用X線CT撮影装置では、診断に最小限必要な狭い領域(例えば、直径3cm高さ3cmの大きさの撮影領域)の撮影が行われるようになってきている。撮影領域をこのように狭くすることで、X線被曝を最小限に抑えることができる。そこで、このような狭い領域を撮影する場合にも、本発明を実施することにより、撮影領域を適切に位置付けできるため、X線被曝を抑えつつ画像診断を良好に行うことができる。
【0157】
この発明は詳細に説明されたが、上記の説明は、すべての局面において、例示であって、この発明がそれに限定されるものではない。例示されていない無数の変形例が、この発明の範囲から外れることなく想定され得るものと解される。上記各実施形態及び各変形例で説明した各構成は、相互に矛盾しない限り適宜組み合わせたり、省略したりすることができる。