特開2019-34756(P2019-34756A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2019-34756(P2019-34756A)
(43)【公開日】2019年3月7日
(54)【発明の名称】深絞り包装容器
(51)【国際特許分類】
   B65D 77/20 20060101AFI20190208BHJP
【FI】
   B65D77/20 G
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2017-156913(P2017-156913)
(22)【出願日】2017年8月15日
(71)【出願人】
【識別番号】397028511
【氏名又は名称】東京食品機械株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100186864
【弁理士】
【氏名又は名称】尾関 眞里子
(74)【代理人】
【識別番号】100078695
【弁理士】
【氏名又は名称】久保 司
(72)【発明者】
【氏名】秦 哲志
【テーマコード(参考)】
3E067
【Fターム(参考)】
3E067AA11
3E067AB01
3E067AB05
3E067AB10
3E067AB14
3E067AB83
3E067AB99
3E067BA02A
3E067BB14A
3E067BC07A
3E067CA24
3E067EA06
3E067EA32
3E067EB03
3E067EB11
3E067EB27
3E067EE59
3E067FA01
3E067FC01
3E067GD07
(57)【要約】      (修正有)
【課題】包装容器の密閉性を強化して悪戯等による開封を防止することにより被包装体の改ざん防止効果を有し、かつ、はさみ等を使用せずとも手指で簡易に開け口を出現させて、該開け口から被包装物を容易に取り出すことができる深絞り包装容器を提供する。
【解決手段】ボトムフィルム3を深絞りして成形したボトムトレイ2に、被包装物を入れた後、トップフィルムを貼着してなる深絞り包装容器1であって、ボトムトレイのフランジ13に、破断線11によりトップフィルムと共に切り離す切除部15aを形成し、該破断線にトップフィルムの開け口18を臨ませた。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ボトムフィルムを深絞りして成形したボトムトレイに、被包装物を入れた後、トップフィルムを貼着してなる深絞り包装容器であって、ボトムトレイのフランジに、破断線によりトップフィルムと共に切り離す切除部を形成し、該破断線にトップフィルムの開け口を臨ませたことを特徴とする深絞り包装容器。
【請求項2】
破断線は複数を交差して設けた請求項1記載の深絞り包装容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、深絞り包装容器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
食品・医療用機器等を提供する流通・保管の過程において、その外観、おいしさ、衛生や安全性を保持するために、包装容器は高密封性を担保すべく包装容器の材質の選定や包装容器の貼着部の貼着を確実にする必要がある。
【0003】
包装容器の一例として、図7の装置で製造される深絞り包装容器の場合、熱成形性の良いボトムフィルム3を加熱しながら真空成形することにより被包装物20に合わせたくぼみを作り、その中に被包装物20を充填した後、トップフィルム37を被せて貼着し、その後個々の包装体にカットすることにより容器に収納された被包装物20の密封状態を保つことができる。
【0004】
ここで、前記安全性等を担保するために貼着部を強固にした場合、開封困難となり利便性が低くなるという問題があるが、被包装物20を取り出すための包装体を開封する手段として、下記特許文献1には深絞り容器における易開封手段が開示されている。
【0005】
図8に示すように、特許文献1は、深絞り包装容器1のボトムトレイ2の周縁を外側に折り曲げてフラットなシール縁部52を形成すると共に、このボトムトレイ2をトップフィルム4で密封する際に、ヒートシール部分の一部に未シール部7、8を形成し、更に、前記未シール部7、8にティアテープ51の端を位置させると共に、前記トップフィルム未シール部8であって、ティアテープ51の端の両側にノッチ50、50を入れ、更にコーナーに未シール部分7、8を形成した深絞り包装容器1を開示する。
【0006】
特許文献1の深絞り包装容器1は、開封に際しては、ノッチ50の入ったティアテープ51の端を指先で摘み、ティアテープ51をその長手方向に引き上げることで、トップフィルム4はティアテープ51に沿って切り裂かれて包装を開封して、容易に被包装物20を取り出すことができる。
【0007】
しかし、特許文献1の発明は、包装体としてボトムフィルムとトップフィルム以外にティアテープ51を必要とし、更に、ティアテープ51を挟み込み、その位置を決める必要があるため製造工程が複雑となり、また、包装容器の貼着部の圧着が強化されていたとしても開封が容易であるため、流通・保管過程において悪戯等で包装容器が開封される可能性があり前記安全性等に問題が残る。
【0008】
ここで、下記特許文献2には改ざん防止再封可能包装容器が開示されている。
【0009】
図9図10に示すように、特許文献2は、蓋材67と内容物収納部と周縁に平坦部を有する容器材68が周縁の平坦部に形成された端縁熱接着部65により熱接着されて密封された包装容器を開示しており、該包装容器は、端縁熱接着部65が形成される領域に対応するように、蓋材67の基材層71と熱接着性樹脂層72間に感熱粘着剤層64が形成されており、感熱粘着剤層64は中央部の領域が「かいふう」の文字を表わす形状に形成されている網点状感熱粘着剤層64aにより構成され、周縁部の1か所の角部の先端部が蓋材67と容器材68が熱接着されずに残されて、蓋材67を容器材68から剥離させるための摘み部66を有する。
【0010】
特許文献2に開示される包装容器は、開封して内容物を取り出した後に取出口を再封することのできる再封可能な包装容器であり、一度開封して再封した際に、一度開封したことが目視で確認することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開平9−142535号公報(深絞り容器における易開封手段)
【特許文献2】特開2006−232289号公報(改ざん防止再封可能包装容器)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかし、特許文献2の発明は、一度開封して再封した際に一度開封したことが目視で確認することができにとどまり、開封容易であるため、改ざん防止の根本的な対策を講ずることができないという問題が残る。
【0013】
本発明の目的は、前記従来例の不都合を解消し、包装容器の密閉性を強化して悪戯等による開封を防止することにより被包装体の改ざん防止効果を有し、かつ、はさみ等を使用せずとも手指で簡易に開け口を出現させて、該開け口から被包装物を容易に取り出すことができる深絞り包装容器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
前記目的を達成するため請求項1記載の本発明は、ボトムフィルムを深絞りして成形したボトムトレイに、被包装物を入れた後、トップフィルムを貼着してなる深絞り包装容器であって、ボトムトレイのフランジに、破断線によりトップフィルムと共に切り離す切除部を形成し、該破断線にトップフィルムの開け口を臨ませたことを要旨とするものである。
【0015】
請求項1記載の本発明によれば、深絞り包装容器を開封するためには、トップフィルムと共に破断線により切除部を切り離して、破断線に臨ませて設けられたトップフィルムの開け口を出現しなければならない、言い換えれば、切除部を破断線より切り離さなければ開け口が出現しないため、開封に手間がかかり店頭等での悪戯等がなされにくく、被包装物の改ざん防止ができる。
【0016】
また、ボトムトレイのフランジに形成した、破断線に沿って切除部をトップフィルムと共に切り離すことにより、破断線に臨ませて設けた開け口が出現し、開け口に設けたトップフィルムの未貼着部を摘み上げることにより、フランジで貼着したトップフィルムとボトムトレイの貼着を分離して開くことができるため、深絞り包装容器を容易に開封来ることができる。
【0017】
請求項2記載の本発明は、破断線は複数を交差して設けることを要旨とするものである。
【0018】
請求項2記載の本発明によれば、深絞り包装容器を開封するためには、トップフィルムと共に複数の破断線により複数の切除部を切り離して、複数の破断線に臨ませて設けられたトップフィルムの開け口を出現しなければならないため、開封に更に手間と時間がかかり店頭等での悪戯等がなされにくく、被包装物の改ざん防止が強化できる。
【発明の効果】
【0019】
以上述べたように本発明は、包装容器の密閉性を強化して悪戯等による開封を防止することにより被包装体の改ざん防止効果を有し、かつ、はさみ等を使用せずとも手指で簡易に開け口を形成し、該開け口から被包装物を容易に取り出すことができる深絞り包装容器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の深絞り包装容器の第1の実施形態を示す斜視図である。
図2】本発明の深絞り包装容器の第1の実施形態の使用状態を示す説明図である。
図3】本発明の深絞り包装容器の第1の実施形態の使用状態を示す説明図である。
図4】本発明の深絞り包装容器の第2の実施形態を示す斜視図である。
図5】本発明の深絞り包装容器の第2の実施形態の使用状態を示す説明図である。
図6】本発明の深絞り包装容器の第2の実施形態の使用状態を示す説明図である。
図7】本発明の深絞り包装容器の製造ラインを示す説明図である。
図8】従来例の包装容器を示す正面図である。
図9】従来例の包装容器を示す斜視図である。
図10】従来例の包装容器を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下本発明を実施するための形態について説明するが、本発明はこれに限定されたものでないことは、言うまでもない。
【0022】
以下図面について本発明の深絞り包装容器1の実施の形態を詳細に説明する。
【0023】
図1は本発明の深絞り包装容器の第1の実施形態を示す斜視図、図2図3は、本発明の深絞り包装容器の第1の実施形態の使用状態を示す説明図である。
【0024】
本発明の深絞り包装容器1は、図1に示すように、ボトムフィルム3をボトムトレイ2として成形し、該ボトムトレイ2の開口部をトップフィルム4で覆うものである。
【0025】
ボトムトレイ2とトップフィルム4は、ボトムトレイ2のフランジ13で相互に熱溶着して、貼り着部9を形成する。
【0026】
フランジ13で相互に熱溶着するボトムトレイ2とトップフィルム4の一部を未貼着部として形成し、該未貼着部は開け口18を構成する。
【0027】
トップフィルム4側の未貼着部をトップフィルム未貼着部8、ボトムフィルム3側の未貼着部をボトムフィルム未貼着部7とした。トップフィルム未貼着部8は、深絞り包装容器1のトップフィルム4をボトムトレイ2から引きはがして開封する際の摘み口となる。
【0028】
未貼着部の形状と大きさは任意であり、本実施形態では略三角形としたが、トップフィルム未貼着部8は少なくとも指でつまみ上げることのできる大きさと形状であることを必要とする。
【0029】
トップフィルム未貼着部8と貼り着部9との境目が貼着端部a10aであり、トップフィルム4と熱溶着したボトムトレイ2のフランジ13と、ボトムトレイ2とトップフィルム4とが熱溶着していない部分との境目が貼着端部b10bである。
【0030】
本体部14から切除部A15aをトップフィルム4と共に切り離す破断線として、ボトムトレイ2のフランジ13の1辺に、ミシン目A11を形成する。ミシン目A11は開け口18を構成するボトムフィルム未貼着部7とトップフィルム未貼着部8を横断するように形成する。
【0031】
フランジ13を構成するボトムフィルム3とトップフィルム4の貼着部9のボトムトレイ2に設けたミシン目の同位置のトップフィルム4に破断線としてミシン目を設ける。
【0032】
ミシン目A11は、図1では、ボトムトレイ2の短手方向のフランジ13に設けているが、長手方向のフランジ13に形成してもよい。
【0033】
破断線は、フランジ13の長手方向及び短手方向に複数形成してもよく、また、ミシン目やV字にカットした薄肉としてもよい。
【0034】
切除部A15aを、本体部14から、ミシン目A11で破断する際に摘む部分を切除部摘み口A16とした。
【0035】
図2図3に示すとおり、切除部A15aを、本体部14からミシン目A11で破断することにより、線状切除残端部A11aを形成し、線状切除残端部A11aに臨ませた開け口18が開口して、トップフィルム未貼着部8が摘み口として形成される。
【0036】
次に、図4は本発明の深絞り包装容器1の第2の実施形態を示す斜視図、図5図6は、本発明の深絞り包装容器の第2の実施形態の使用状態を示す説明図である。
【0037】
第2の実施形態は、フランジ13に、破断線としてミシン目A11とミシン目B12を交差して形成する。本体部14からミシン目A11で破断して分離する部分が切除部A15a、ミシン目B12で破断して分離する部分が切除部B15bである。
【0038】
ミシン目の交差角度は任意でよく、製造されるボトムトレイ2の形状により直角に交差しても、斜めに交差するよう形成してもよい。
【0039】
切除部B15bを、本体部14から、ミシン目B12で破断する際に摘む部分を切除部摘み口B17とした。
【0040】
図5図6に示すとおり、切除部B15bを、本体部14からミシン目B12で破断することにより、線状切除残端部B12aを形成し、線状切除残端部A11a及び線状切除残端部B12aに臨む開け口18が開口して、トップフィルム未貼着部8が摘み口として形成される。
【0041】
深絞り包装容器1のボトムフィルム3にはポリエチレン樹脂フィルム/ポリアミド樹脂フィルム/ポリエチレン樹脂フィルムや、ポリエチレン樹脂フィルム/ポリアミド樹脂フィルム等からなる未延伸のものを用いる。また、ポリエチレン樹脂フィルムの代わりに、ポリプロピレン樹脂フィルムその他の200℃以下で癒着する低温癒着性フィルムも使用できる。ボトムフィルム3は、成型性を要求されるため、CN/CPP,CN/EVOH/PE等からなる伸びやすい未延伸フィルムを使用する。
【0042】
一方、トップフィルム4はボトムフィルム3のように包装容器本体の形状に成型しないため厚みがある。トップフィルム4としては、延伸ナイロン(ONy)/LLDPE、未延伸ポリプロピレン(CPP)/ONy/LLDPE等の多層フィルムが使用される。
【0043】
ポリエチレン樹脂フィルム等からなる接着層は、ボトムフィルム3とトップフィルム4の相接する面の双方にある。
【0044】
次に、本発明の深絞り容器1の製造方法について説明する。
【0045】
本発明の深絞り包装容器1は、図7に示すように、深絞り包装容器製造ライン30で製造される。
【0046】
本ライン30では、熱成形性の良い所定のプラスチックフイルムを使用したボトムフィルム3を、金型を使用して加熱しながら成形金型ステーション31にて真空成形することにより、被包装物20に合わせたくぼみを成型したボトムトレイ2とし、充填エリア36において開口部34から被包装物20を充填した後、トップフィルム供給部37から供給されたトップフィルム4を被せて貼着金型ステーション40で熱貼着し、被包装物20を密封後、カッティング部39にて個々の包装体にカットすることにより容器に収納された被包装物20の密封状態を保持する深絞り包装容器1とする。
【0047】
ミシン目A11、ミシン目B12は、貼着金型ステーション40とカッティング部39の間の工程で形成する。
【0048】
図示はしないが、ライン30の流れに対して水平方向に装着したミシン目形状のナイフの下部に成形された切り離される前の包装容器が流れてくると、包装容器の下部から平らな銅版画上昇して包装容器のフランジ13がナイフに押し付けられることにより、フランジ13に破断線であるミシン目A11が形成される。
【0049】
ミシン目B12は、ライン30の流れに対して水平方向に装着したローラーとスリットの入っているローラー状のナイフの間を包装容器が流れることによりフランジ13がナイフに押し付けられてミシン目B12が形成される。
【0050】
その後、カッティング部39で個々に切り離されて、深絞り包装容器1となる。
【0051】
次に、本発明の使用法および動作について説明する。
【0052】
本発明の深絞り包装容器1を開封するためには、まず、ボトムトレイ2のフランジ13に形成した、ミシン目A11に沿って切除部A15aをトップフィルム4と共に切り離すことにより、ミシン目A11に臨ませて設けた開け口18が開口して、トップフィルム未貼着部8が摘み口として形成される。
【0053】
次に、トップフィルム未貼着部8を摘み上げることにより、フランジ13で貼着したトップフィルム4とボトムトレイ2の貼着部9が、貼着端部a10aから貼着端部b10bにかけて分離して、深絞り包装容器1を開封することができる。
【0054】
本発明によれば、深絞り包装容器1を開封するためには、トップフィルム4と共に破断線であるミシン目A11により切除部A15aを切り離して、ミシン目A11に臨ませて設けられたトップフィルム4の開け口18を出現しなければならない。したがって、切除部A15aをミシン目A11より切り離さなければ開け口18が出現しないため、開封に手間がかかり店頭等での悪戯等がなされにくく、被包装物20の改ざん防止ができる。
【0055】
また、図4に示すように、破断線であるミシン目をミシン目A11とミシン目B12のように、複数を交差して設けることにより、深絞り包装容器1を開封するためには、トップフィルム4と共に複数の破断線により複数の切除部A15a、切除部B15bを切り離して、複数の破断線に臨ませて設けられたボトムフィルム未貼着部7とトップフィルム未貼着部8からなる開け口18を出現しなければならないため、開封に更に手間と時間がかかり店頭等での悪戯等がなされにくく、被包装物20の改ざん防止が強化できる。
【0056】
更に、ボトムトレイ2のフランジ13に形成した、切除部摘み口A16を摘み、ミシン目A11に沿って切除部A15aをトップフィルム4と共に切り離すことにより、ミシン目A11に臨ませて設けた開け口18が出現し、開け口18に設けたトップフィルム未貼着部8を摘み上げることにより、フランジ13で貼着したトップフィルム4とボトムトレイ2の貼着を分離して開くことができるため、深絞り包装容器1を容易に開封することができ、被包装物20を取り出すことができる。
【0057】
ミシン目A11はボトムトレイ2のフランジ13に形成するとともに、フランジ13で貼着されるトップフィルム4のミシン目A11との同位置に、ミシン目を設けることにより、トップフィルム4と共に切り離す切除部A15aを形成し、利便性が高くなる。
【0058】
また、切断線であるミシン目は、ボトムトレイ2の短手方向又は長手方向のフランジ13に設けたり、短手方向及び長手方向の双方のフランジ13にそれぞれ設けることにより、深絞り包装容器1の形状や被包装物20の種類により、開封性を向上又は難化できる。
【0059】
更にミシン目の重なる状態は、製造されるボトムトレイ2の形状により直角に交差しても、斜めに交差するよう設けてもよく。任意の角度に交差すればよい。
【0060】
破断線は、ミシン目A11のかわりとして、V字にカットした薄肉とすることにより、硬質のボトムフィルム3からなるボトムトレイ2の場合、切除部A15aを本体部14から折り曲げて切り離すことができる。
【0061】
破断線であるミシン目A11は、開け口18を構成するボトムフィルム未貼着部7とトップフィルム未貼着部8を横断するように構成することにより、開け口18を横切るため、切除部摘み口A16を引き上げればボトムトレイ2のフランジ13に設けたミシン目A11は、破断線であるミシン目でトップフィルム4と共に本体部14から切除部A15aを切り離すことができ、の開け口18のボトムフィルム未貼着部7と、トップフィルム未貼着部8を撮むことができるため、容易にトップフィルム4とボトムトレイ2の貼着を分離して開くことができるため、深絞り包装容器を容易に開封し、開け口18から被包装物20を取り出すことができる。
【0062】
本発明の開封口を設けた深絞り包装容器1の被包装物20としては、ハム、ベーコン、卵焼き、かまぼこ等の魚肉卵加工製品や、チーズ、メディカルの注射器・注射針等、食品・医療用機器等の幅広いものがある。
【産業上の利用可能性】
【0063】
本発明は、密閉性を強化して悪戯等による開封を防止することにより被包装体の改ざん防止効果を有し、かつ、はさみ等を使用せずとも手指で簡易に開け口を出現させて、該開け口から被包装物を容易に取り出すことができる深絞り包装容器を提供することができる。
【0064】
深絞り包装容器は、ロール状のフラットフィルムを仕入れることで食品等の包装を立体的な形状の容器とすることができ、同一のフィルムにより被包装物の形状や容量に応じて成形して包装することができるため、広い保管スペースを要する立体形状に成形された包装容器を仕入れずに済み、包材の仕入れの省労力化、省スペース化が可能であり、しかも包装する時点でフィルムを加熱成形するため衛生的で効率的な包装形態である。
【符号の説明】
【0065】
1 深絞り包装容器
2 ボトムトレイ
3 ボトムフィルム
4 トップフィルム
7 ボトムフィルム未貼着部
8 トップフィルム未貼着部
9 貼着部
10a 貼着端部a
10b 貼着端部b
11 ミシン目A
11a 線状切除残端部A
12 ミシン目B
12a 線状切除残端部B
13 フランジ
14 本体部
15a 切除部A
15b 切除部B
16 切除部摘み口A
17 切除部摘み口B
18 開け口
20 被包装物
30 深絞り包装容器製造ライン
31 成形金型ステーション
34 開口部
36 充填エリア
37 トップフィルム供給部
39 カッティング部
40 貼着金型ステーション
50 ノッチ
51 ティアテープ
52 シール縁部
64 感熱粘着剤層
64a 網点状感熱粘着剤層
65 端縁熱接着部
66 摘み部
67 蓋材
68 容器材
71 基材層
72 熱接着性樹脂層
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10