【解決手段】自動見積方法は、アイテムを認識する工程と、製造条件ごとのアイテムの価格を取得する工程と、製造条件のうちの指定条件を認識する工程と、指定条件に対応する価格に基づいて、アイテム群の第1の価格を決定する工程と、希望価格を認識する工程と、製造条件のうちの固定条件を認識する工程と、製造条件を変更した場合に決定される価格の第1の価格に対する変動値を算出する工程と、変更した場合に決定される価格が第1の価格よりも希望価格に近くなる製造条件である推奨条件を検索する工程と、固定条件と推奨条件とその推奨条件に変更した場合の変動値とを報知する工程とを有する。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。まず、
図1を参照して、本実施形態の自動見積システムSの構成について説明する。
【0020】
図1に示すように、自動見積システムSは、ユーザが操作する情報端末1と、情報端末1にインターネット等の回線を通じて接続されたサーバ2とで構成されている。この自動見積システムSは、複数の板金部品、切削部品、プレス部品、射出成形部品等(以下、総称して「アイテム」という。)で構成される機械装置等(以下、「アイテム群」という。)の設計を支援しつつ、価格及び納期を決定する。
【0021】
なお、本発明の自動見積方法は、サーバと、そのサーバにネットワークを介して接続された複数の情報端末(入力端末,出力端末)とで構成されたシステム以外にも適用可能なものである。例えば、後述する情報端末1の入力部11及び出力部12とサーバ2の備える各処理部及び格納部とを備えた単一の情報端末に適用してもよい。
【0022】
情報端末1は、キーボード、マウス、タッチパネル等の入力機器によって構成された入力部11、及び、液晶ディスプレイ、スピーカ等の出力機器によって構成された出力部12を備えている。ユーザが入力部11を介して情報端末1に入力した情報は、ネットワークを経由して、サーバ2に送信される。送信された情報に基づいてサーバ2が行った処理の結果は、情報端末1に送信され、出力部12に表示され、ユーザに対して提示される。
【0023】
サーバ2は、CPU、メモリ等によって構成されたコンピュータである。サーバ2は、アイテム認識部21、形状パターン格納部22、アイテム情報取得部23、アイテム情報格納部24、条件認識部25、及び、表示処理部26(報知部)を備えている。
【0024】
アイテム認識部21は、情報端末1の入力部11を介して入力されたアイテム群に関する形状データ(例えば、CADデータ)に基づいて、そのアイテム群に含まれるアイテムを、そのアイテムを構成する部分ごとに切り分けて認識する。
【0025】
形状パターン格納部22には、種々のアイテムの形状パターンが格納されている。この形状パターンは、アイテム認識部21がアイテム群に含まれるアイテムの種類、及び、そのアイテムを構成する部分を認識する際に参照される。
【0026】
アイテム情報取得部23は、アイテム情報格納部24から、アイテム認識部21で認識されたアイテムごとに、そのアイテムを製造する際に選択し得る製造条件、並びに、その製造条件とした場合におけるアイテムの価格及び納期を取得する。
【0027】
ここで、製造条件としては、例えば、寸法、公差、材質、硬度、表面処理の他、価格若しくは納期等のアイテムの見積結果又はアイテム群の性質(サイズ、重量)に影響を及ぼし得る種々のパラメータが含まれる。
【0028】
アイテム情報格納部24には、自動見積システムSを介して発注及び設計が可能なアイテム群に対応するアイテムについて、そのアイテムを製造する際に選択し得る製造条件、並びに、その製造条件とした場合におけるアイテムの価格及び納期が格納されている。格納されている製造条件は、アイテムごとにではなく、アイテムを構成する部分ごとに設定され、格納されている。
【0029】
条件認識部25は、情報端末1の入力部11を介してユーザが入力した情報を認識する。条件認識部25は、指定条件認識部25a、提案条件認識部25b、希望価格・納期認識部25c、固定条件認識部25d、及び、固定箇所認識部25eを有している。
【0030】
指定条件認識部25aは、情報端末1の出力部12に選択可能に表示された製造条件の中から、情報端末1の入力部11を介してユーザが選択することによって指定した指定条件を認識する。
【0031】
提案条件認識部25bは、情報端末1の出力部12に選択可能に表示された提案要求の中から、情報端末1の入力部11を介してユーザが選択することによって選択した提案要求の種類を認識する。
【0032】
希望価格・納期認識部25cは、情報端末1の出力部12に表示された入力欄に、情報端末1の入力部11を介してユーザが入力したアイテム群の希望価格・納期の値を認識する。
【0033】
固定条件認識部25dは、情報端末1の出力部12に選択可能に表示された製造条件の中から、情報端末1の入力部11を介してユーザが選択した指定条件を認識する。
【0034】
固定箇所認識部25eは、情報端末1の出力部12に表示されたアイテム群の3Dモデルのアイテム及びアイテムを構成する部分の中から、情報端末1の入力部11を介してユーザが選択した固定アイテム及び固定部分を認識する。
【0035】
なお、上記のように、自動見積システムSでは、指定条件、提案要求の種類、固定条件、固定アイテム、及び、固定部分を提示したものの中から選択する形式としている。しかし、指定条件、提案要求の種類、固定条件、固定アイテム、又は、固定部分は、選択して指定する形式に限定されるものではなく、文字列の入力又は音声入力を介して、直接入力して指定する形式としてもよい。
【0036】
また、自動見積システムSでは、希望価格・納期を、直接入力して指定する形式としている。しかし、希望価格・納期は、直接入力式に限定されるものではなく、提示したものの中から選択する形式としてもよい。
【0037】
表示処理部26は、アイテム認識部21、アイテム情報取得部23及び条件認識部25からの情報に基づいて、情報端末1の出力部12に、アイテム群の基本情報、3Dモデル、製造条件、及び、見積結果を表示する。表示処理部26は、3Dモデル作成部26a、アイテム群価格・納期決定部26b、推奨条件提案部26c、変動値算出部26d、及び、検討推奨部分認識部26eを有している。
【0038】
3Dモデル作成部26aは、アイテム認識部21が認識したアイテムの形状に基づいて、3Dモデルを作成し、情報端末1の出力部12に表示させる。この3Dモデル作成部26aで作成される3Dモデルは、アイテム及びアイテムを構成する部分ごとに区分されており、それぞれについて色分けが可能なものとなっている。また、その3Dモデルは、部分ごとに選択が可能なものとなっている。
【0039】
アイテム群価格・納期決定部26bは、指定条件認識部25aで認識された指定条件に対応するアイテムの価格及び納期に基づいて、アイテム群の価格及び納期(見積結果)を決定し、情報端末1の出力部12に表示させる。
【0040】
推奨条件提案部26cは、要求された提案要求の種類に基づいて、製造条件の中から推奨される推奨条件を選択し、情報端末1の出力部12に表示させる。
【0041】
変動値算出部26dは、製造条件ごとに、その製造条件を変更した場合に決定される価格及び納期の、決定された(すなわち、現時点における)価格及び納期に対する変動値を算出し、情報端末1の出力部12に表示させる。
【0042】
検討推奨部分認識部26eは、指定条件を指定したことに対応して、前記製造条件の変更を検討することが推奨される部分を認識し、情報端末1の出力部12に表示させる。
【0043】
なお、上記のように、自動見積システムSでは、アイテム群価格・納期決定部26b、推奨条件提案部26c、変動値算出部26d、及び、検討推奨部分認識部26eの処理結果である種々の情報は、情報端末1の出力部12の表示画面上に画像として出力される。しかし、これらの情報は音声で出力してもよいし、画像と音声を併用して出力してもよい。
【0044】
次に、
図1〜
図9を参照して、自動見積システムSのサーバ2が行う処理について説明する。
図2及び
図3は、自動見積システムSサーバ2が行う処理を示すフローチャートである。
【0045】
まず、アイテム認識部21は、ユーザによって情報端末1の入力部11に入力されたアイテム群の形状データに基づいて、アイテム群の構成要素の形状(以下、「ソリッド」という。)を認識する(
図2/STEP01)。
【0046】
STEP01においては、情報端末1の出力部12の表示画面上には、
図4に示すような画像が表示される。ユーザは、その表示画面中の形状データ入力部12aに形状データを入力する、又は、形状データ入力部12aに表示されている入力済みの形状データ(
図4においては「プロジェクト1:エジェクタピンセットA」又は「プロジェクト2:エジェクタピンセットB」として示したデータのいずれか)を選択する。これにより、アイテム群の形状データが、アイテム認識部21に認識される。
【0047】
なお、本実施形態の自動見積りシステムでは、アイテム群の形状データとしては、3DCADデータを用いている。しかし、形状データは3DCADデータの他、複数の2DCADデータ等、アイテム群に含まれるソリッドの形状を認識し得るデータであれば、他の形式であってもよい。
【0048】
次に、アイテム認識部21は、形状パターン格納部22に格納されている形状パターンを参照して、認識されたソリッドの形状に対応するアイテムの種類、及び、そのアイテムを構成する部分を認識する(
図2/STEP02)。
【0049】
このSTEP01及びSTEP02が、自動見積システムSが行う処理におけるアイテム認識工程である。
【0050】
次に、アイテム認識部21は、アイテム認識部21によって認識されたソリッドの形状、及び、認識されたアイテムを構成する部分に基づいて、アイテム群の3Dモデルを作成する(
図2/STEP03)。
【0051】
このとき、作成されるアイテム群の3Dモデルは、アイテム及びアイテムを構成する部分ごとに区分されており、それぞれについて色分けが可能なものとなっている。また、その3Dモデルは、部分ごとに選択が可能なものとなっている。なお、アイテム群のモデルは3Dモデルの他、2Dモデルであってもよい。また、色分けの色には無色が含まれる。
【0052】
次に、アイテム情報取得部23は、アイテム認識部21が認識したアイテムを構成する部分について、アイテム情報格納部24から、選択し得る製造条件、並びに、その製造条件に対応する価格及び納期を取得する(
図2/STEP04)。
【0053】
このSTEP04が、自動見積システムSが行う処理におけるアイテム情報取得工程である。
【0054】
次に、表示処理部26は、作成した3Dモデルを表示するとともに、取得した製造条件を選択可能に表示する(
図2/STEP05)。
【0055】
STEP05においては、情報端末1の出力部12の表示画面上には、
図5に示すような画像が表示される。具体的には、モデル表示部12b、基本情報表示部12c、製造条件表示部12d、希望価格・納期入力部12e、提案要求表示部12f、及び、見積結果表示部12gが含まれる画像が表示される。
【0056】
モデル表示部12bには、複数のアイテムで構成されるアイテム群の3DモデルMが、
アイテムを構成する部分ごとに選択可能に表示される。この3DモデルMは、ユーザが入力部11を介して操作することによって、回転させるようにして表示を変更可能となっている。また、3DモデルMは、表示形式(例えば、寸法の表示位置、ワイヤーフレーム表示)を任意に変更可能となっている。
【0057】
基本情報表示部12cには、アイテム群に関する基本情報が表示される。基本情報としては、例えば、プロジェクト名、アイテムの種類(品名)、アイテムの数(数量)が表示される。本実施形態では、アイテム群が6本のエジェクタピンのみからなるエジェクタピンセットであるので、品名はエジェクタピンのみであり、数量もエジェクタピンに関するもののみが記載されている。
【0058】
製造条件表示部12dには、材質、硬度等の製造条件が選択可能な形式で表示される。具体的には、製造条件選択部12d1に、選択可能な製造条件がプルダウンメニューとして表示される。また、製造条件表示部12dには、製造条件選択部12d1の他に、後述する固定チェックボックス12d2及び変動値表示部12d3が表示される。
【0059】
希望価格・納期入力部12eには、希望価格及び希望納期の入力欄が表示される。この入力欄は、情報端末1の入力部11を介して、ユーザが所望の数値を入力可能となっている。
【0060】
提案要求表示部12fには、後述する提案要求が行う際に用いる提案要求ボタンが表示される。本実施形態では、「価格最安」ボタンと「納期最短」ボタンの2つのボタンが表示される。
【0061】
見積結果表示部12gには、見積結果であるアイテム群の価格及び納期(出荷日)が表示される。STEP05の時点においては、見積りが行われていないので、空白となっている。
【0062】
次に、条件認識部25の指定条件認識部25aは、表示された製造条件の中からユーザが情報端末1の入力部11を介して選択した指定条件を認識する(
図2/STEP06)。
【0063】
このSTEP06が、自動見積システムSが行う処理における指定条件認識工程である。
【0064】
次に、表示処理部26のアイテム群価格・納期決定部26bは、条件認識部25の指定条件認識部25aが認識した指定条件とアイテム情報取得部23が取得したアイテムごとの価格及び納期に基づいて、アイテム群の納期及び価格を決定し、情報端末1の出力部12に表示させる(
図2/STEP07)。
【0065】
具体的には、例えば、価格については、アイテム群を構成する複数のアイテムそれぞれの価格を足し合わせて算出した合計価格をアイテム群の価格としてもよいし、その合計価格に組立費用を加えたものをアイテム群の価格としてもよい。また、納期については、アイテム群を構成する複数のアイテムの納期のうち、最も長い納期をアイテム群の納期としてもよいし、その最も長い納期に組立のための作業時間を加えたものをアイテム群の納期としてもよい。
【0066】
その後、例えば、
図6に示す画像のように、情報端末1の出力部12の表示画面上において、見積結果表示部12gにアイテム群価格・納期決定部26bが決定したアイテム群の価格及び納期を表示する。
【0067】
なお、このSTEP07を省略し、この段階における見積結果を表示しなくてもよい。具体的には、表示画面上に、
図6に示す画像を表示せず、
図5に示す画面を表示したまま次の処理に移行してもよい。
【0068】
このSTEP07及び後述するSTEP21が、自動見積システムSが行う処理におけるアイテム群価格・納期決定工程である。
【0069】
次に、条件認識部25の提案条件認識部25bは、提案要求が認識されたか否かを判定する(
図2/STEP08)。
【0070】
具体的には、提案条件認識部25bは、情報端末1の出力部12の表示画面上に表示されている提案要求表示部12fの「価格最安」ボタン又は「納期最短」ボタンが選択されたか否かを判定する。
【0071】
提案要求が認識された場合(STEP08でYESの場合)、推奨条件提案部26cは、提案条件認識部25bによって認識された提案要求の種類に基づいて、アイテム情報取得部23が取得した製造条件の中から、推奨される推奨条件を検索するとともに、検索した推奨条件を情報端末1の出力部12に表示させる(
図2/STEP09)。
【0072】
具体的には、製造条件の中で価格の安い製造条件及び納期が短い製造条件を複数取得した後、アイテム群を製造した際に、アイテム群全体としての価格が最も安くなる製造条件又は納期が最も短くなる製造条件を検索し、その検索結果を推奨条件として認識する。このとき、後述するSTEP12及びSTEP13と同様の処理によって固定すべき製造条件及び製造条件を固定すべきアイテム又はアイテムを構成する部分が指定されていた場合には、それらを除外して検索を行う。
【0073】
次に、表示処理部26のアイテム群価格・納期決定部26bは、推奨条件提案部26cが検索した推奨条件とアイテム情報取得部23が取得したアイテムごとの価格及び納期に基づいて、アイテム群の納期及び価格を決定し、情報端末1の出力部12に表示させる(
図2/STEP10)。
【0074】
STEP09及びSTEP10においては、情報端末1の出力部12の表示画面上には、
図7に示すような画像が表示される。この表示画面では、製造条件表示部12dの製造条件選択部12d1で選択された値、及び、見積結果表示部12gで表示された値が、
図6(すなわち、STEP07の時点)のものから変更されている。
【0075】
具体的には、例えば、「価格最安」が選択された場合には、製造条件選択部12d1の「材質」が「SKH51(58〜60HRC)」から推奨される「NAK80(37〜43HRC)」に変更され、「硬度」が「58〜60HRC」から推奨される「37〜43HRC」に変更されたことに伴って、「出荷日」(納期)が「2016年6月29日」から「2016年7月4日」に変更され、合計価格が「4,910円」から最安値である「3,890円」に変更されている。
【0076】
このSTEP08〜STEP10が、自動見積システムSが行う処理における推奨条件提案工程である。
【0077】
このように、自動見積システムSでは、提案要求に基づいて推奨条件(すなわち、製造条件に関するベースとなる設定)が提案されるので、ユーザがベースとなる設計を参照しつつ設計を行うことができるようになっている。
【0078】
推奨条件に基づいたアイテム群の納期及び価格が表示された後(STEP10の後)、又は、提案要求が認識されなかった場合(STEP08でNOの場合)、条件認識部25の希望価格・納期認識部25cは、ユーザが情報端末1の入力部11を介して入力した希望価格・納期を認識する(
図3/STEP11)。
【0079】
具体的には、希望価格・納期認識部25cは、ユーザが情報端末1の入力部11を介して出力部12の表示画面上に表示されている希望価格・納期入力部12eの入力欄に入力した数値を認識する。
【0080】
このSTEP11が、自動見積システムSが行う処理における希望価格・納期認識工程である。
【0081】
次に、条件認識部25の固定条件認識部25dは、表示された製造条件の中からユーザが情報端末1の入力部11を介して選択した固定条件を認識する(
図3/STEP12)。
【0082】
具体的には、出力部12の表示画面上に表示された画像における固定チェックボックス12d2に、チェックが入っている製造条件を認識する。
【0083】
次に、固定箇所認識部25eは、表示された3Dモデルの中からユーザが情報端末1の入力部11を介して選択した固定アイテム又は固定部分(以下、総称して「固定箇所」という。)を認識する(
図3/STEP13)。
【0084】
具体的には、出力部12の表示画面上に表示された3DモデルMの中から直接選択された、製造条件を固定するアイテム又はアイテムの構成部分を認識する。
【0085】
このSTEP12が、自動見積システムSが行う処理における固定条件認識工程であり、このSTEP13が、自動見積システムSが行う処理における固定箇所認識工程である。
【0086】
このように、自動見積システムSでは、ユーザの所望する製造条件、又は、製造条件を固定すべきアイテム若しくは部分を選択する(すなわち、固定条件又は固定箇所を選択する)ことができるので、変更を検討すべき製造条件がさらに絞り込まれるようになっている。
【0087】
なお、このSTEP12及びSTEP13を省略し、固定条件又は固定箇所を選択せずに、次の処理に移行してもよい。
【0088】
次に、表示処理部26の変動値算出部26dは、アイテム情報取得部23が取得した製造条件ごとの価格及び納期に基づいて、製造条件ごとに、その製造条件を変更した場合に生じるアイテム群の価格及び納期の変動値を算出する(
図3/STEP14)。
【0089】
具体的には、アイテム群価格・納期決定部26bによって決定された(すなわち、現時点における)アイテム群の価格及び納期を基準として、その製造条件を変更した場合に決定されるアイテム群の価格及び納期の変動値を算出する。
【0090】
このSTEP14が、自動見積システムSが行う処理における変動値算出工程である。
【0091】
次に、表示処理部26の検討推奨部分認識部26eは、決定された(すなわち、現時点における)アイテム群の価格及び納期のそれぞれと入力された希望価格及び希望納期のそれぞれとの差分量を算出する(
図3/STEP15)。
【0092】
次に、検討推奨部分認識部26eは、差分量が変動値の最小値以上であるか否かを判定する(
図3/STEP16)。
【0093】
差分量が変動値の最小値以上である場合(STEP16でYESの場合)、検討推奨部分認識部26eは、固定条件及び固定箇所についての製造条件を除外して、変更した場合に希望価格及び希望納期に近づく製造条件である推奨条件を検索する(
図3/STEP17)。
【0094】
具体的には、検討推奨部分認識部26eは、変動値が差分量に近い製造条件を検索する。なお、このとき、検討推奨部分認識部26eは、変更した場合に希望価格及び希望納期に近づく製造条件を複数検索し、検索されたそれぞれの製造条件について、変更した場合に決定されるアイテム群の価格及び納期のそれぞれが希望価格及び希望納期のそれぞれに近くなる度合いも認識しておくようにしてもよい。具体的には、差分量に変動値が近いものを近似度が高いものとして認識しておくとよい。
【0095】
次に、検討推奨部分認識部26eは、製造条件の表示欄に変動値を表示するとともに、推奨条件に対応する製造条件の表示欄、及び、推奨条件に対応する3Dモデルのアイテム又はアイテムを構成する部分を着色して表示する(
図3/STEP18)。
【0096】
例えば、
図8に示す画像のように、情報端末1の出力部12の表示画面上において、製造条件表示部12dの変動値表示部12d3に変動値を表示するとともに、製造条件選択部12d1のうち推奨条件に対応する製造条件を着色する。また、モデル表示部12bに表示されている3DモデルMのうち、推奨条件に対応するアイテムの部分を着色する。
【0097】
具体的には、変動値表示部12d3では、「ツバ径公差」のプルダウンメニューに含まれる項目ごとに変動値を表示する(「0/−0.02」という項目に「+235円」を表示する)。なお、本実施形態においては、納期の変動値の表示を省略しているが、価格の変動値に代わり納期の変動値を表示するようにしてもよいし、価格の変動値及び納期の変動値の両方を表示するようにしてもよい。
【0098】
また、製造条件表示部12dでは、表示されている項目のうち製造条件の変更を行っている「ツバ径公差」、及び、「ツバ径公差」を変更した際に変更の検討が推奨される推奨条件である「シャンク径公差」を、それぞれ異なる色で着色して強調表示する。
【0099】
また、モデル表示部12bでは、3DモデルMのうち選択された所定のアイテムの「ツバ」に対応する部分及びその寸法の公差の値について、製造条件表示部12dの表示名における「ツバ径公差」と同系統の色を付して強調表示するとともに、選択されているアイテムの「ツバ」と同様の製造条件となる他のアイテムの「ツバ」について、所定のアイテムの「ツバ」よりも薄い同系統の色を付して強調表示する。
【0100】
さらに、モデル表示部12bでは、推奨条件に対応する「シャンク径公差」に対応する部分及びその寸法の公差の値について、製造条件表示部12dの表示名における「シャンク径公差」と同系統の色を付して強調表示する。
【0101】
このSTEP18が、自動見積システムSが行う処理における報知工程である。
【0102】
このように、自動見積システムSでは、アイテム群の価格及び納期のそれぞれを希望価格及び希望納期のそれぞれに近づけるために検討すべき製造条件が、推奨条件として色を付すことによって強調表示して報知される。これにより、ユーザは、次に検討すべき製造条件を、具体的な部分として視覚的に認識することができる。すなわち、自動見積システムSでは、検討すべき製造条件が直感的に分かり易い形で提示されるので、ユーザは、製造条件の検討を効率的に行うことができる。
【0103】
なお、STEP17において、複数の推奨条件を検索していた場合には、STEP18で推奨条件を提示するに際し、
図8に示したように、推奨条件に対応する部分のうち同一の製造条件が指定されている部分(例えば、本実施形態では、複数のピンのそれぞれの鍔部)について、同一の色を付すようにするとよい。
【0104】
このようにして推奨条件に対応する複数の部分を強調表示する構成にすれば、複数の部分(製造条件)に対して同時に検討を行うことができる。具体的には、例えば、一括で製造条件を変更すべきか、一部のみ製造条件を変更すべきかについての検討を行うことができるようになる。
【0105】
また、STEP17において、複数の推奨条件を検索するとともに、変更した場合に決定されるアイテム群の価格及び納期のそれぞれが希望価格及び希望納期のそれぞれに近くなる度合い(近似度)を算出した場合には、STEP18で推奨条件を提示するに際し、推奨条件に対応する部分ごとに、近似度に応じて異なる色を付して(例えば、近似度が大きい推奨条件ほど濃い色を付して)報知するようにしてもよい。
【0106】
このようにして、複数種類の推奨条件を提示する構成にすれば、検討すべき製造条件の重要度合いを容易に認識できるようになる。
【0107】
ただし、このように複数の部分を強調表示する構成にせず、最も推奨される(変更した際に、希望価格及び希望納期に最も近づく)製造条件のみを強調表示する構成にしてもよい。
【0108】
一方、差分量が変動値の最小値未満である場合(STEP16でNOの場合)、検討推奨部分認識部26eは、決定されたアイテム群の価格及び納期のそれぞれが希望価格及び希望納期のそれぞれに最も近いことを表示する(
図3/STEP19)。
【0109】
例えば、
図9に示す画像のように、情報端末1の出力部12の表示画面上において、見積結果表示部12gに、現在の製造条件が最適な条件である旨を表示する。
【0110】
具体的には、見積結果表示部12gに「最も希望価格に近い価格です。」等のメッセージを表示する。
【0111】
なお、自動見積システムSでは、閾値として差分量が変動値の最小値を用いている。しかし、閾値はそのような値に限定されるものではなく、ユーザが任意の値を設定できるようにしてもよい。
【0112】
変動値を表示するとともに推奨条件を提示した後(STEP18の後)、又は、決定されたアイテム群の価格及び納期のそれぞれが希望価格及び希望納期のそれぞれに最も近いことを表示した後(STEP19の後)、条件認識部25は、製造条件が変更されたか否かを判定する(
図3/STEP20)。
【0113】
条件が変更された場合(STEP20でYESの場合)、表示処理部26のアイテム群価格・納期決定部26bは、変更された製造条件に対応するアイテムの価格及び納期に基づいて、アイテム群の価格及び納期を決定し表示する(
図3/STEP21)。
【0114】
そして、STEP21の後には、再度、STEP14〜STEP20までの処理が行われる。
【0115】
一方、条件が変更されなかった場合(STEP20でNOの場合)、サーバ2は、今回の処理を終了する。
【0116】
以上説明したように、自動見積システムSによれば、ユーザが価格又は納期と製造条件との関係について専門的な知識を有していない場合であっても、自動見積システムSから検討すべき製造条件が案内されるので、少ない試行回数で容易に見積結果をユーザの希望価格又は希望納期に近づけることができる。
【0117】
以上、図示の実施形態について説明したが、本発明はこのような形態に限られるものではない。
【0118】
例えば、上記実施形態においては、製造条件を変更可能な対象として、アイテム全体だけではなく、アイテムを構成する部分も含まれている。しかし、本発明の自動見積方法、サーバ、自動見積システムは、アイテム群を構成するアイテム単位で製造条件を変更できるものでもよく、部分単位で製造条件を変更可能でなくてもよい。
【0119】
また、上記実施形態では、価格及び納期の両方を見積りの基準としているが、価格及び納期のいずれか一方だけを見積りの基準としてもよい。
【0120】
また、上記実施形態では、変更を検討することが推奨される製造条件を報知するために、その製造条件に対応する3Dモデルの部分に色を付している。しかし、本発明の自動見積方法、サーバ、自動見積システムでは、その部分をユーザが直感的に理解できるように報知されればよく、色を付す以外の方法で報知してもよい。例えば、矢印等のアイコンを付随表示することによってその部分を指定してもよいし。音声等でその部分を指定するようにしてもよい。
【0121】
また、上記実施形態では、固定すべき製造条件、又は、製造条件を固定すべきアイテム若しくはアイテムを構成する部分を選択可能としている。しかし、本発明の自動見積方法、サーバ、自動見積システムでは、固定すべき製造条件、又は、固定すべきアイテム若しくはアイテムを構成する部分の選択機能を省略して構成してもよい。
【0122】
また、上記実施形態では、算出された変動値を表示している。しかし、本発明の自動見積方法、サーバ、自動見積システムでは、変動値を算出した後、変更を検討することが推奨される製造条件を報知する際にのみ利用し、その表示を省略してもよい。