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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2019-37971(P2019-37971A)
(43)【公開日】2019年3月14日
(54)【発明の名称】流体処理アセンブリ及びその使用方法
(51)【国際特許分類】
   B01D 63/00 20060101AFI20190215BHJP
   B01D 29/01 20060101ALI20190215BHJP
   B01D 29/50 20060101ALI20190215BHJP
   B01D 61/18 20060101ALI20190215BHJP
【FI】
   B01D63/00
   B01D29/04 510A
   B01D29/24 A
   B01D61/18
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
【外国語出願】
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2018-133340(P2018-133340)
(22)【出願日】2018年7月13日
(31)【優先権主張番号】15/654,204
(32)【優先日】2017年7月19日
(33)【優先権主張国】US
(71)【出願人】
【識別番号】596064112
【氏名又は名称】ポール・コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】Pall Corporation
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【弁理士】
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 雅一
(74)【代理人】
【識別番号】100148596
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 和弘
(72)【発明者】
【氏名】シルビア メシエ
(72)【発明者】
【氏名】トーマス ダブリュー. リーチ
【テーマコード(参考)】
4D006
4D116
【Fターム(参考)】
4D006GA06
4D006HA44
4D006JA04A
4D006JA08Z
4D006JA14Z
4D006JA18Z
4D006JA23Z
4D006JA24Z
4D006JB01
4D006KA16
4D006KA63
4D006KA64
4D006KC01
4D006LA01
4D006LA03
4D006MA03
4D006PA01
4D006PA02
4D116AA22
4D116BB01
4D116BC03
4D116BC06
4D116BC75
4D116BC77
4D116DD07
4D116EE02
4D116EE12
4D116FF11B
4D116FF18B
4D116KK04
4D116QB13
4D116QB19
4D116QB23
4D116QB34
(57)【要約】
【課題】TFT技術等で用いられる流体処理アセンブリ及びそのテンション調整方法の改良を課題とする。
【解決手段】本発明による流体処理アセンブリ(500)は、テンションナット(110)とロックナット(120)とが螺合されたテンションロッドを備える複数の調節可能なテンションロッドアセンブリ(100)を具備している。この構成では、ロックナットを回すことなく、テンションナットを締めて、流体処理アセンブリに所望の運転時テンションを与えることができる。
【選択図】図1C
【特許請求の範囲】
【請求項1】
供給液側及び透過液側を有する透過性流体処理メディアをそれぞれが含む一つ以上の流体処理ユニットと、
流体流路と連通する供給液入口であって、前記流体流路が前記供給液入口から前記透過性流体処理メディアの前記供給液側に延びている、供給液入口と、
透過液流路と連通する透過液出口であって、前記透過液流路が前記透過性流体処理メディアの前記透過液側から前記透過液出口に延びている、透過液出口と、
流体流路と連通する還流液出口であって、前記流体流路が前記透過性流体処理メディアの前記供給液側から前記流体処理ユニットを通って前記還流液出口に延びている、還流液出口と、
第1のエンドプレート及び第2のエンドプレートと
を備える流体処理アセンブリであって、
前記流体処理ユニットの各々は、前記第1のエンドプレートと前記第2のエンドプレートとの間に配置されており、複数の調節可能なテンションロッドアセンブリが、前記第1のエンドプレートと前記第2のエンドプレートとの間で延びると共に、前記一つ以上の流体処理ユニットと、前記第1のエンドプレート及び前記第2のエンドプレートとを互いに押圧するように構成されており、前記調節可能なテンションロッドアセンブリの各々は、前記第1のエンドプレートと前記第2のエンドプレートとの間で延びるねじ付きのテンションロッドを備え、前記テンションロッドは、前記第1のエンドプレートを越えて延びる第1のねじ付き端部を有しており、テンションナット及びロックナットが前記テンションロッドに螺合されており、前記テンションナットは第1の外径を有し、前記ロックナットは第2の外径を有しており、前記第1の外径は前記第2の外径よりも大きく、前記テンションナットは、前記ロックナットを回転させることなく、ねじ付きの前記テンションロッド上で回転可能である、流体処理アセンブリ。
【請求項2】
流体処理アセンブリにおけるテンションを調節するための方法であって、
前記流体処理アセンブリが、
供給液側及び透過液側を有する透過性流体処理メディアをそれぞれが含む一つ以上の流体処理ユニットと、
流体流路と連通する供給液入口であって、前記流体流路が前記供給液入口から前記透過性流体処理メディアの前記供給液側に延びている、供給液入口と、
透過液流路と連通する透過液出口であって、前記透過液流路が前記透過性流体処理メディアの前記透過液側から前記透過液出口に延びている、透過液出口と、
流体流路と連通する還流液出口であって、前記流体流路が前記透過性流体処理メディアの前記供給液側から前記流体処理ユニットを通って前記還流液出口に延びている、還流液出口と、
第1のエンドプレート及び第2のエンドプレートと
を備え、
前記流体処理ユニットの各々は、前記第1のエンドプレートと前記第2のエンドプレートとの間に配置されており、複数の調節可能なテンションロッドアセンブリが、前記第1のエンドプレートと前記第2のエンドプレートとの間で延びると共に、前記一つ以上の流体処理ユニットと、前記第1のエンドプレート及び前記第2のエンドプレートとを互いに押圧するように構成されており、前記調節可能なテンションロッドアセンブリの各々は、前記第1のエンドプレートと前記第2のエンドプレートとの間で延びるねじ付きのテンションロッドを備え、前記テンションロッドは、前記第1のエンドプレートを越えて延びる第1のねじ付き端部を有しており、テンションナット及びロックナットが前記テンションロッドに螺合されており、前記テンションナットは第1の外径を有し、前記ロックナットは第2の外径を有しており、前記第1の外径は前記第2の外径よりも大きく、前記テンションナットは、前記ロックナットを回転させることなく、ねじ付きの前記テンションロッド上で回転可能であり、前記流体処理アセンブリは、所望の予荷重が付与されており、前記ロックナットは前記テンションナットと接し、前記テンションナットを適所に固定するものであり、
当該方法が、前記流体処理アセンブリに所望の運転時テンションを与えるために、前記ロックナットを回すことなく、テンションナットを締めるステップを備える、方法。
【請求項3】
流体処理アセンブリにおけるテンションを調節し予荷重状態を維持するための方法であって、
前記流体処理アセンブリが、
供給液側及び透過液側を有する透過性流体処理メディアをそれぞれが含む一つ以上の流体処理ユニットと、
流体流路と連通する供給液入口であって、前記流体流路が前記供給液入口から前記透過性流体処理メディアの前記供給液側に延びている、供給液入口と、
透過液流路と連通する透過液出口であって、前記透過液流路が前記透過性流体処理メディアの前記透過液側から前記透過液出口に延びている、透過液出口と、
流体流路と連通する還流液出口であって、前記流体流路が前記透過性流体処理メディアの前記供給液側から前記流体処理ユニットを通って前記還流液出口に延びている、還流液出口と、
第1のエンドプレート及び第2のエンドプレートと
を備え、
前記流体処理ユニットの各々は、前記第1のエンドプレートと前記第2のエンドプレートとの間に配置されており、複数の調節可能なテンションロッドアセンブリが、前記第1のエンドプレートと前記第2のエンドプレートとの間で延びると共に、前記一つ以上の流体処理ユニットと、前記第1のエンドプレート及び前記第2のエンドプレートとを互いに押圧するように構成されており、前記調節可能なテンションロッドアセンブリの各々は、前記第1のエンドプレートと前記第2のエンドプレートとの間で延びるねじ付きのテンションロッドを備え、前記テンションロッドは、前記第1のエンドプレートを越えて延びる第1のねじ付き端部を有しており、テンションナット及びロックナットが前記テンションロッドに螺合されており、前記テンションナットは第1の外径を有し、前記ロックナットは第2の外径を有しており、前記第1の外径は前記第2の外径よりも大きく、前記テンションナットは、前記ロックナットを回転させることなく、ねじ付きの前記テンションロッド上で回転可能となっており、
当該方法が、
a)前記流体処理アセンブリに所望の予荷重を与えるためにテンションナットを締めるステップと、
b)締めた前記テンションナットに接触させるために前記ロックナットを締めるステップと、
c)前記流体処理アセンブリに所望の運転時テンションを与えるために、前記ロックナットをさらに締めることなく、前記テンションナットをさらに締めるステップと
を備える、方法。
【請求項4】
所望の運転時テンションを解放し、所望の予荷重に近付けること又は所望の予荷重に戻すステップであって、締めた前記テンションナットを緩めることを含むステップを備える、請求項2又は3に記載の方法。
【請求項5】
所望の運転時テンションを解放し、所望の予荷重に戻すステップであって、締めた前記テンションナットが前記ロックナットに接するまで、前記テンションナットを緩めることを含むステップを備える、請求項2に記載の方法。
【請求項6】
前記ロックナットがスレッドシーラーを含む、請求項1に記載の流体処理アセンブリ。
【請求項7】
前記テンションロッドアセンブリの各々は、前記テンションナットと前記第1のエンドプレートの上面との間に配置されたワッシャをさらに備える、請求項1又は6に記載の流体処理アセンブリ。
【請求項8】
前記テンションナットは、前記テンションロッドとは異なる材料から作られている、請求項1、6又は7に記載の流体処理アセンブリ。
【請求項9】
第1のマニホールドプレート及び第2のマニホールドプレートをさらに備え、
前記第1のマニホールドプレートは、前記第1のエンドプレートと前記一つ以上の流体処理ユニットとの間に配置され、前記第2のマニホールドプレートは、前記第2のエンドプレートと前記一つ以上の流体処理ユニットとの間に配置され、前記複数の調節可能なテンションロッドアセンブリは、前記一つ以上の流体処理ユニットと、前記第1及び第2のマニホールドプレートと、前記第1及び第2のエンドプレートとを互いに押圧するように構成されている、請求項1、6、7又は8に記載の流体処理アセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【発明の背景】
【0001】
[0001]接線方向流体流(TFF:tangential fluid flow)技術、又はシングルパス接線方向流体流(SPTFF)技術の使用には、一般的には、ステンレス鋼製のホルダ(十分な圧力を与え且つ運転中における密閉完全性を維持するもの)内に流体処理アセンブリ(カセット及びガスケットを含む)を配置することが含まれる。
【0002】
[0002]しかしながら、流体処理アセンブリをさらに改善することが求められている。
【0003】
[0003]本発明は、従来技術の問題点の少なくとも幾つかを改善するものである。本発明のこれらの利点及びその他の利点は、以下の説明から明らかとなろう。
【発明の概要】
【0004】
[0004]本発明の一実施形態は、流体処理アセンブリを提供するものであり、この流体処理アセンブリは、供給液側及び透過液側を有する透過性流体処理メディアをそれぞれが含む一つ以上の流体処理ユニットと、流体流路と連通する供給液入口であって、流体流路が供給液入口から透過性流体処理メディアの供給液側に延びている、供給液入口と、透過液流路と連通する透過液出口であって、透過液流路が透過性流体処理メディアの透過液側から透過液出口に延びている、透過液出口と、もう一つの流体流路と連通する還流液出口であって、このもう一つの流体流路が透過性流体処理メディアの供給液側から流体処理ユニットを通って還流液出口に延びている、還流液出口と、第1及び第2のエンドプレートとを備えている。各流体処理ユニットは、第1のエンドプレートと第2のエンドプレートとの間に配置されており、複数の調節可能なテンションロッドアセンブリが、第1のエンドプレートと第2のエンドプレートとの間で延びると共に、一つ以上の流体処理ユニットと第1及び第2のエンドプレートとを互いに押圧するように構成されており、各調節可能なテンションロッドアセンブリは、第1のエンドプレートと第2のエンドプレートとの間で延びるねじ付きのテンションロッドを備え、テンションロッドは、第1のエンドプレートを越えて延びる第1のねじ付き端部を有しており、テンションナット及びロックナットがテンションロッドに螺合されており、テンションナットは第1の外径を有し、ロックナットは第2の外径を有しており、第1の外径は第2の外径よりも大きく、テンションナットは、ロックナットを回転させることなく、ねじ付きのテンションロッド上で回転可能である。
【0005】
[0005]他の実施形態において、流体処理アセンブリにおけるテンション(tension:圧縮力を含む)を調節するための方法が提供され、この方法において、流体処理アセンブリは、供給液側及び透過液側を有する透過性流体処理メディアをそれぞれが含む一つ以上の流体処理ユニットと、流体流路と連通する供給液入口であって、流体流路が供給液入口から透過性流体処理メディアの供給液側に延びている、供給液入口と、透過液流路と連通する透過液出口であって、透過液流路が透過性流体処理メディアの透過液側から透過液出口に延びている、透過液出口と、もう一つの流体流路と連通する還流液出口であって、このもう一つの流体流路が透過性流体処理メディアの供給液側から流体処理ユニットを通って還流液出口に延びている、還流液出口と、第1及び第2のエンドプレートとを備え、各流体処理ユニットは、第1のエンドプレートと第2のエンドプレートとの間に配置されており、複数の調節可能なテンションロッドアセンブリが、第1のエンドプレートと第2のエンドプレートとの間で延びると共に、一つ以上の流体処理ユニットと第1及び第2のエンドプレートとを互いに押圧するように構成されており、各調節可能なテンションロッドアセンブリは、第1のエンドプレートと第2のエンドプレートとの間で延びるねじ付きのテンションロッドを備え、テンションロッドは、第1のエンドプレートを越えて延びる第1のねじ付き端部を有しており、テンションナット及びロックナットがテンションロッドに螺合されており、テンションナットは第1の外径を有し、ロックナットは第2の外径を有しており、第1の外径は第2の外径よりも大きく、テンションナットは、ロックナットを回転させることなく、ねじ付きのテンションロッド上で回転可能であり、流体処理アセンブリは、所望の予荷重が付与されており、ロックナットはテンションナットと接し、テンションナットを適所に固定するものである。そして、この方法は、流体処理アセンブリに所望の運転時テンションを与えるために、ロックナットを回すことなく、テンションナットを締めることを含んでいる。
【0006】
[0006]別の実施形態において、本発明の前記他の実施形態による流体処理アセンブリの一実施形態におけるテンションを調節し予荷重状態を維持するための方法が提供され、この方法は、流体処理アセンブリに所望の予荷重を与えるためにテンションナットを締めることと、締めたテンションナットに接触させるためにロックナットを締めることと、流体処理アセンブリに所望の運転時テンションを与えるために、ロックナットをさらに締めることなく、テンションナットをさらに締めることとを含んでいる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1A】複数の調節可能なテンションロッドアセンブリを有する濾過モジュールを備える、本発明の一実施形態による流体処理アセンブリを示す斜視図である。ここで、テンションロッドアセンブリはそれぞれ、エンブプレートを越えて延びる第1のねじ付き端部を有するテンションロッドと、テンションロッドに螺合されたテンションナット及びロックナットとを備え、テンションナットは、エンドプレートの上面とロックナットとの間のテンションロッドに配置されている。
図1B図1Aの流体処理アセンブリの上面図である。
図1C】例示的な流体処理アセンブリにおける例示的な流体処理ユニットを示す分解図である。
図2A】複数の調節可能なテンションロッドアセンブリを有するダイアフィルトレーションモジュールを備える、本発明の一実施形態による他の例示的な流体処理アセンブリを示す斜視図である。ここで、テンションロッドアセンブリはそれぞれ、エンブプレートを越えて延びる第1のねじ付き端部を有するテンションロッドと、テンションロッドに螺合されたテンションナット及びロックナットとを備え、テンションナットは、エンドプレートの上面とロックナットとの間のテンションロッドに配置されている。
図2B図2Aの流体処理アセンブリの上面図である。
図3図1Aに示される本発明の実施形態による調節可能なテンションロッドアセンブリの端部を示す斜視図である。ここで、テンションロッドは、エンブプレートを越えて延びる第1のねじ付き端部と、テンションロッドに螺合されたテンションナット及びロックナットとを有し、テンションナットは、エンドプレートの上面とロックナットとの間のテンションロッドに配置されている。
図4図3の実施形態による調節可能なテンションロッドアセンブリの端部を示す上面図である。
図5図2Aに示される本発明の実施形態による調節可能なテンションロッドアセンブリの端部を示す斜視図である。ここで、テンションロッドは、エンブプレートを越えて延びる第1のねじ付き端部と、テンションロッドに螺合されたテンションナット及びロックナットとを有し、テンションナットは、エンドプレートの上面とロックナットとの間のテンションロッドに配置されている。
図6図5の実施形態による調節可能なテンションロッドアセンブリの端部を示す上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
[0014]本発明の一実施形態によると、流体処理アセンブリは、供給液側及び透過液側を有する透過性流体処理メディアをそれぞれが含む一つ以上の流体処理ユニットと、流体流路と連通する供給液入口であって、流体流路が供給液入口から透過性流体処理メディアの供給液側に延びている、供給液入口と、透過液流路と連通する透過液出口であって、透過液流路が透過性流体処理メディアの透過液側から透過液出口に延びている、透過液出口と、もう一つの流体流路と連通する還流液出口であって、このもう一つの流体流路が透過性流体処理メディアの供給液側から流体処理ユニットを通って還流液出口に延びている、還流液出口と、第1及び第2のエンドプレートとを備え、各流体処理ユニットは、第1のエンドプレートと第2のエンドプレートとの間に配置されており、複数の調節可能なテンションロッドアセンブリが、第1のエンドプレートと第2のエンドプレートとの間で延びると共に、一つ以上の流体処理ユニットと第1及び第2のエンドプレートとを互いに押圧するように構成されており、各調節可能なテンションロッドアセンブリは、第1のエンドプレートと第2のエンドプレートとの間で延びるねじ付きのテンションロッドを備え、テンションロッドは、第1のエンドプレートを越えて延びる第1のねじ付き端部を有しており、テンションナット及びロックナットがテンションロッドに螺合されており、テンションナットは第1の外径を有し、ロックナットは第2の外径を有しており、第1の外径は第2の外径よりも大きく、テンションナットは、ロックナットを回転させることなく、ねじ付きのテンションロッド上で回転可能である。
【0009】
[0015]他の実施形態においては、流体処理アセンブリは、供給液側及び透過液側を有する透過性流体処理メディアをそれぞれが含む一つ以上の流体処理ユニットと、供給液入口、及び供給液入口から流体処理ユニットを通って透過性流体処理メディアの供給液側に延びる供給液流通路と、透過液出口、及び透過性流体処理メディアの透過液側から透過液出口に延びる透過液流通路と、還流液出口、及び透過性流体処理メディアの供給液側から流体処理ユニットを通って還流液出口に延びる還流液流通路と、第1及び第2のエンドプレートとを備え、各流体処理ユニットは、第1のエンドプレートと第2のエンドプレートとの間に配置されており、複数の調節可能なテンションロッドアセンブリが、第1のエンドプレートと第2のエンドプレートとの間で延びると共に、一つ以上の流体処理ユニットと第1及び第2のエンドプレートとを互いに押圧するように構成されており、各調節可能なテンションロッドアセンブリは、第1のエンドプレートと第2のエンドプレートとの間で延びるねじ付きのテンションロッドを備え、テンションロッドは、第1のエンドプレートを越えて延びる第1のねじ付き端部を有しており、テンションナット及びロックナットがテンションロッドに螺合されており、テンションナットは第1の外径を有し、ロックナットは第2の外径を有しており、第1の外径は第2の外径よりも大きく、テンションナットは、ロックナットを回転させることなく、ねじ付きのテンションロッド上で回転可能である。
【0010】
[0016]幾つかの実施形態において、流体処理アセンブリは、第1及び第2のマニホールドプレートをさらに備え、第1のマニホールドプレートは、第1のエンドプレートと、一つ以上の流体処理ユニットとの間に配置され、第2のマニホールドプレートは、第2のエンドプレートと、一つ以上の流体処理ユニットとの間に配置され、複数の調節可能なテンションロッドアセンブリが、一つ以上の流体処理ユニットと、第1及び第2のマニホールドプレートと、第1及び第2のエンドプレートとを互いに押圧するように構成されている。
【0011】
[0017]典型的には、各調節可能なテンションロッドアセンブリは、テンションナットの下面と第1のエンドプレートの上面との間に配置されたワッシャをさらに備えている。
【0012】
[0018]一実施形態の流体処理アセンブリにおけるテンションを調節し予荷重状態を維持するための、本発明の他の実施形態による方法が提供され、この方法は、流体処理アセンブリに所望の予荷重を与えるためにテンションナットを締めることと、締めたテンションナットに接触させるためにロックナットを締めることと、流体処理アセンブリに所望の運転時テンションを与えるために、ロックナットをさらに締めることなく、テンションナットをさらに締めることとを含んでいる。
【0013】
[0019]所望の予荷重が付与された一実施形態の流体処理アセンブリ上のテンションを調節する、本発明のさらに別の実施形態による方法が提供され、この方法は、流体処理アセンブリに所望の運転時テンションを与えるために、ロックナットをさらに締めることなく、テンションナットを締めることを含んでいる。
【0014】
[0020]他の実施形態では、流体処理アセンブリにおけるテンションを調節するための方法が提供され、この方法において、流体処理アセンブリは、供給液側及び透過液側を有する透過性流体処理メディアをそれぞれが含む一つ以上の流体処理ユニットと、流体流路と連通する供給液入口であって、流体流路が供給液入口から透過性流体処理メディアの供給液側に延びている、供給液入口と、透過液流路と連通する透過液出口であって、透過液流路が透過性流体処理メディアの透過液側から透過液出口に延びている、透過液出口と、もう一つの流体流路と連通する還流液出口であって、このもう一つの流体流路が透過性流体処理メディアの供給液側から流体処理ユニットを通って還流液出口に延びている、還流液出口と、第1及び第2のエンドプレートとを備え、各流体処理ユニットは、第1のエンドプレートと第2のエンドプレートとの間に配置されており、複数の調節可能なテンションロッドアセンブリが、第1のエンドプレートと第2のエンドプレートとの間で延びると共に、一つ以上の流体処理ユニットと第1及び第2のエンドプレートとを互いに押圧するように構成されており、各調節可能なテンションロッドアセンブリは、第1のエンドプレートと第2のエンドプレートとの間で延びるねじ付きのテンションロッドを備え、テンションロッドは、第1のエンドプレートを越えて延びる第1のねじ付き端部を有しており、テンションナット及びロックナットがテンションロッドに螺合されており、テンションナットは第1の外径を有し、ロックナットは第2の外径を有しており、第1の外径は第2の外径よりも大きく、テンションナットは、ロックナットを回転させることなく、ねじ付きのテンションロッド上で回転可能であり、流体処理アセンブリは、所望の予荷重が付与されており、ロックナットはテンションナットと接し、テンションナットを適所に固定し、当該方法は、流体処理アセンブリに所望の運転時テンションを与えるために、ロックナットを回すことなく、テンションナットを締めることを含んでいる。
【0015】
[0021]他の実施形態において、流体処理アセンブリにおけるテンションを調節し予荷重状態を維持するための方法が提供され、この方法において、流体処理アセンブリは、供給液側及び透過液側を有する透過性流体処理メディアをそれぞれが含む一つ以上の流体処理ユニットと、供給液入口、及び、供給液入口から流体処理ユニットを通って透過性流体処理メディアの供給液側に延びる供給液流通路と、透過液出口、及び透過性流体処理メディアの透過液側から透過液出口に延びる透過液流通路と、還流液出口、及び透過性流体処理メディアの供給液側から流体処理ユニットを通って還流液出口に延びる還流液流通路と、第1及び第2のエンドプレートとを備え、各流体処理ユニットは、第1のエンドプレートと第2のエンドプレートとの間に配置されており、複数の調節可能なテンションロッドアセンブリが、第1のエンドプレートと第2のエンドプレートとの間で延びると共に、一つ以上の流体処理ユニットと第1及び第2のエンドプレートとを互いに押圧するように構成されており、各調節可能なテンションロッドアセンブリは、第1のエンドプレートと第2のエンドプレートとの間で延びるねじ付きのテンションロッドを備え、テンションロッドは、第1のエンドプレートを越えて延びる第1のねじ付き端部を有しており、テンションナット及びロックナットがテンションロッドに螺合されており、テンションナットは第1の外径を有し、ロックナットは第2の外径を有しており、第1の外径は第2の外径よりも大きく、 第1の外径は、ロックナットを回すことなく、テンションナットをねじ付きのテンションロッド上で回すことを可能とするものであり、当該方法は、流体処理アセンブリに第1の所望の予荷重を与えるためにテンションナットを締めることと、締めたテンションナットに接触させるためにロックナットを締めることと、流体処理アセンブリに所望の運転時テンションを与えるために、ロックナットをさらに締めることなく、テンションナットをさらに締めることとを含んでいる。
【0016】
[0022]本方法の幾つかの実施形態は、さらに、所望の運転時テンションを解放することと、所望の予荷重に近付けること又は所望の予荷重に戻すこと(締めたテンションナットを緩めることを含む)とを有する。例えば、本方法の一実施形態は、さらに、所望の運転時テンションを解放することと、所望の予荷重に戻すこと(テンションナットがロックナットに接するまで締めたテンションナットを緩めることを含む)とを有する。
【0017】
[0023]有利な点としては、流体処理アセンブリの過剰圧縮を最小化し又は回避することができ、また、望ましい運転時テンション(運転時荷重)を与えるために、また必要ならば、流体処理アセンブリを過剰に圧することなく流体処理アセンブリの整列性及び密閉の完全性を維持する、予め加えられる少なくともより低いテンションを与えるために、流体処理アセンブリを調節することができる。
【0018】
[0024]本発明の実施形態によると、運転時荷重を与える前に予荷重を与えることができる。例えば、約800ポンドの予荷重を与え、次いで約1200ポンド〜約3000ポンドの運転時荷重を与えることができる。他の例では、約3500ポンドの予荷重を与え、次いで約5000ポンド〜約14000ポンドの運転時荷重を与えることができる。
【0019】
[0025]ロックナットの外径はテンションナットの外径よりも小さいため、ロックナットを回したりその位置を変えたりすることなく、所望のトルクをテンションナットに加えることができる。例えば、ソケット(特定のサイズのテンションナットと共に用いるもの)をテンションロッドの端部に被せるよう嵌合することができ、ソケットを、ロックナットの側壁に接触させることなく、テンションナットの側壁と接触させることができる。トルクレンチをソケットと係合させることができ、所望の運転時テンションを与えるべくテンションナットに所望のトルクを与えることを可能とする。ロックナットは適所(所望の予荷重がかかるテンション位置)にとどまるため、テンションナットを、続いて(レンチ又はソケットを用いて)緩めることができ、その後、テンションナットはロックナットに接近し、或いは幾つかの実施形態では接触して、流体処理アセンブリは所望の予荷重状態(テンション)に近付き、必要ならば所望の予荷重状態(テンション)に戻されるようになる。その状態では、流体処理アセンブリが使用されていない間、流体処理アセンブリにおける不必要な応力が解放される。
【0020】
[0026]本発明の実施形態に従って様々なナットサイズが用いられ、当業者によって適宜選択され得る。上述したように、ロックナットの外径とテンションナットの外径との間の差によって、テンションナットにアクセスすることができ、(例えば、運転時テンションを調節したり、所望の予荷重テンションに戻したりするために)ロックナットを回すことなくテンションナットを回すことができる。典型的には、USの寸法単位が用いられる場合、テンションナットの外径(ナットの2面間の直径であって、用いるレンチ又はソケットのサイズ)はロックナットの外径よりも少なくとも1/16インチ大きい。例えば、ロックナットの外径が7/16インチである場合、テンションナットの外径は少なくとも8/16インチ(1/2インチ)であることが典型的である。同様に、メートル単位が用いられる場合、テンションナットは、ロックナットの外径よりも少なくとも1mm大きいことが典型的である外径を有する。
【0021】
[0027]例えば、一実施形態において、ロックナットは1/2インチの外径であり、テンションナットは9/16インチの外径である。しかしながら、両ナットは、同じねじピッチ、同じ内径を有する。
【0022】
[0028]ロックナットの下面がナンションナットの上面に接するようこれらのナットをテンションロッドのねじ部上で回すことができる一方、ロックナットとテンションナットは、これらのナットを互いに接触させるようテンションロッドのねじ部上で回すこととは独立して、互いに接することを可能とする構造又は要素を有していない。例えば、これらのナットは、テンションロッドのねじ部上で回転することを可能とするめねじ部を有しているが、一方のナットを他方のナットのねじ部内にねじ込むことを可能とする付加的なねじ部は有していない。
【0023】
[0029]好ましくは、テンションナット(又は少なくともテンションナットのねじ部)は、テンションロッド(又は少なくともテンションロッドのねじ部)とは異なる材料及び/又は鋼種から作られる。例えば、一実施形態において、テンションナットはケイ素青銅であり、テンションロッドはステンレス鋼(SS)、例えば316SS又はAlloy20SSである。他の適当な材料としては、例えば、チタンがある。典型的には、ロックナット(設けられている場合にはワッシャも)は、テンションロッドと同様な材料で作られる。
【0024】
[0030]ロックナット(又は、テンションロッドのねじ部の、ロックナットが保持されると期待される場所における部分)は、そのねじ部に適用され得るねじ固定用流体(ねじ部に適用される接着剤、例えばLOCTITE(登録商標)の名で入手可能な付着性流体等)を有することができ、又は、ナットは、例えば変形可能な樹脂材料のような、インサート等の緩みを抑制する構造を有することができる。或いはまた、それ程望ましくはないが、ロックナットは、例えばロックナットの上部に設けられた付加的なナットによって適所に固定されてもよい。
【0025】
[0031]本発明の実施形態は、広範な流体処理アセンブリ、及びこのアセンブリを利用するプロセス(例えば、濾過、ダイアフィルトレーション、限外濾過)、特にTFFフィルタアセンブリやSPTFFフィルタアセンブリ及びプロセスに用いられることに適している。適当なアセンブリには、例えば、米国特許第4715955号明細書、米国特許第4849102号明細書、米国特許第7918999号明細書、米国特許出願公開第2008/0135468号明細書、米国特許出願公開第2008/0135499号明細書、米国特許出願公開第2013/0037486号明細書、米国特許出願公開第2013/0118971号明細書、及び、2016年2月4日に出願された米国特許出願第15/015350号明細書に開示されたもの、並びに、商標「CENTRAMATE」及び商標「CENTRASETTE」の名で商業的に入手可能であるもの等が含まれる。
【0026】
[0032]次に、本発明の構成要素の各々について詳細に説明する。なお、同様な構成要素には同じ参照符号を付すこととする。
【0027】
[0033]図1及び図2はそれぞれ、上部(第1の)エンドプレート501と、下部(第2の)エンドプレート502と、上部(第1の)マニホールドプレート510(例えば、還流液/透過液上部マニホールドプレート)と、下部(第2の)マニホールドプレート520(例えば、供給液下部マニホールドプレート)とを備える例示的な流体処理アセンブリ500を示しており、下部及び上部のマニホールドプレートは、供給液入口521、還流液出口511及び透過液出口512として図示されている一つ以上のポートを含んでいる。図示実施形態において、下部マニホールドプレート520は、供給液入口521(フィルタアセンブリ内に供給液を導入するためのもの)を備え、上部マニホールドプレートは、還流液出口511と透過液出口512とを備える。代替的に又は追加的に、下部マニホールドプレート520は、透過液出口(図示せず)又は追加的な透過液出口(図示せず)を有することもできる。供給液側と透過液側とを有する透過性流体処理メディア(好ましくは、限外濾過(UF)膜のような多孔性膜)を含む少なくとも一つの(流体処理モジュールのような)流体処理ユニット530は、第1及び第2のエンドプレート間に配置されている。図2に示される実施形態は、第1及び第2のエンドプレート間に配置された複数の流体処理ユニット530(530a,530b,530c,530d,530e,530f)を有している。
【0028】
[0034]必要ならば、一つ以上の流体処理ユニットは、それぞれがUF膜のような一つの膜を含むクロス流体処理サブアセンブリのような一つ以上のサブアセンブリを含んでもよい。供給液/還流液側(供給液チャンネル/還流液チャンネル)と透過液側(透過液チャンネル)との間に膜を備えるクロス流体処理サブアセンブリについての様々な配置構成が、本発明に用いるのに適している。典型的には、供給液/還流液チャンネルと透過液チャンネルとは、スクリーンやメッシュのようなスペーサ材料及び/又は穿孔材料を含んでいる。スクリーン又はメッシュは、例えば、微細サイズ、中間サイズ又は粗いサイズの開口などの任意の適切なサイズの開口を有することができる。クロス流体処理サブアセンブリは、例えば、米国特許第8,980,088号明細書に開示されるものを含む、任意の数の膜、供給液チャンネル/還流液チャンネル、及び透過液チャンネルを有することができる。
【0029】
[0035]図1Cは、供給液/還流液チャンネル532a,532bと透過液チャンネル533a,533bとの間に配置された膜531a,531bを含む例示的なクロス流体処理サブアセンブリ531の分解図であり、供給液、還流液及び透過液の流通路と、対応する流体流路(濾過要素の付加的な層が、付加的な透過液チャンネル、膜層及び供給液/還流液チャンネルを形成する)とを示している。図1Aに対して、上部に還流液ポートがある場合、流れは上部から出て、図1Cの場合、ポートは下部にあるので、流れは下部から出る。
【0030】
[0036]流体処理アセンブリ及び/又は一つ以上の流体処理ユニットは、例えば一つ以上のガスケットのような付加的な要素を含むことができる。典型的には、ガスケットは、流体処理ユニット同士の間と、流体処理ユニットとマニホールドプレートとの間に付加的に設けられる。
【0031】
[0037]図1及び図2に示される実施形態において、単一の流体処理ユニット(図1)及び集合的な複数の流体処理ユニット(図2)は、第1及び第2のマニホールドプレート間に配置され、これらのマニホールドプレートは、第1及び第2のエンドプレート間に配置される。したがって、一つ以上の流体処理ユニットと第1及び第2のエンドプレートは互いに押圧され、第1及び第2のマニホールドプレートを有する実施形態では、一つ以上の流体処理ユニット、第1及び第2のマニホールドプレート、第1及び第2のエンドプレート、並びにマニホールドプレートと流体処理ユニットとの間(流体処理ユニット同士の間)のガスケットは互いに押圧される。
【0032】
[0038]図2に示される例示の流体処理アセンブリは、ダイアフィルトレーション流体処理アセンブリであり、これも、ダイアフィルトレーション流体供給入口571(571a,571b,571c,571d,571e)を備えるダイアフィルトレーション分配プレート570(570a,570b,570c,570d,570e,570f)を含んでいる。図示しないが、各ダイアフィルトレーション分配プレートは、ダイアフィルトレーション流体供給入口及び共通の供給液/還流液ポートと流体連通するダイアフィルトレーション流体供給チャンネルと、少なくとも一つの共通の供給、透過液/ダイアフィルトレーション流体透過液出口ポート(例えば、米国特許出願第15/015350号明細書を参照)とを含んでいる。
【0033】
[0039]第1及び第2のエンドプレート、上部及び下部のマニホールドプレート(存在する場合)並びにダイアフィルトレーショ分配プレート(存在する場合)は、調節可能なテンションロッドアセンブリのねじ付きテンションロッドが挿入され得る穴を含み、間に一つ以上の流体処理ユニットが設けられた複数のプレートが重ねられ、流体処理アセンブリを組み立てるようになっている。
【0034】
[0040]図示されるように、各流体処理アセンブリ500は、第1及び第2のエンドプレート501,502間で延びるとともに、一つ以上の流体処理ユニット530と第1及び第2のエンドプレートとを互いに押圧するよう配置された複数の調節可能なテンションロッドアセンブリ100を含み(第1及び第2のマニホールドプレート510,520を含む実施形態では、アセンブリ100は、一つ以上の流体処理ユニットと、第1及び第2のマニホールドプレートと、第1及び第2のエンドプレートとを互いに押圧するように配置されている)、各調節可能なテンションロッドアセンブリ100は、第1及び第2のエンドプレート間で延びるねじ付きテンションロッド101(ボルトからなるものとすることができる)を備え、テンションロッドは第1のエンドプレートを越えて突出する第1のねじ付き端部101aを有し、テンションナット110及びロックナット120がテンションロッドに螺合され、テンションナットは第1の外径を有し、ロックナットは第1の外径よりも小さな第2の外径を有し、テンションナットは、ロックナットを回すことなく、ねじ付きテンションロッド上で回転可能となっている。
【0035】
[0041]図3図6は、調節可能なテンションロッドアセンブリ100の実施形態をより詳細に示しており、ロックナット120の下面120bは、テンションナット110の上面の方に向き、これと接することができる。テンションナット110の下面110bは、第1のエンドプレート501の上面501aの方に向き、これと接することができ、調節可能なテンションロッドアセンブリ100の好適な実施形態は、さらに、テンションナット110の下面110bと第1のエンドプレート501の上面501aとの間に配置されるワッシャ130を備え、テンションナットが、例えば流体処理アセンブリの機能を有効にするために、運転時テンションへとトルクが加えられた場合には、ワッシャの両面はテンションナット110の下面110bと第1のエンドプレート501の上面501aとにそれぞれ接するようになっている。
【0036】
[0042]以下の実施例は本発明をさらに例示するものであるが、本発明の範囲を制限するいかなる態様としても解すべきではないことは勿論である。
【実施例】
【0037】
[0043]この実施例は、流体処理アセンブリと、本発明の実施形態による流体処理アセンブリのテンションを調節し、予荷重状態及び運転時テンションを維持することを実証するものである。
【0038】
[0044]テンションロッド、テンションナット及びロックナットのねじ部は、5/16”−18ねじである。テンションナットはケイ素青銅であり、テンションロッド、ロックナット及びワッシャは316SSである。テンションナットは19/64”幅であり、ロックナットは17/64”幅である。ロックナットはナイロンインサートを含む。
【0039】
[0045]図1及び図2に示される流体処理アセンブリが組み立てられる。
【0040】
[0046]テンションナットは手で締められる。
【0041】
[0047]アセンブリ(93cm及び186cmフォーマットと0.1mフォーマット)がそれぞれ、空気圧プレスに配置される。このプレスは、アセンブリ積重体を均一の荷重まで圧縮するよう作動される。
【0042】
[0048] 93cm及び186cmフォーマットは約30psiの圧力まで圧縮され、0.1mフォーマットは約55psiの圧力まで圧縮される。
【0043】
[0049]約15〜30分の圧力保持の後、テンションナットは特定のトルク値まで適所に固定され、そのトルクは、93cm及び186cmフォーマットについては18in−lb(約1000lbsの予荷重が与えられる)であり、0.1mカセットフォーマットについては25in−lb(約1800lbsの予荷重が与えられる)である。
【0044】
[0050]空気圧プレスの圧力が、(93cm及び186cmフォーマットについては約15分後、0.1mカセットフォーマットについては約30分後)解放され、アセンブリがプレスから取り出される。
【0045】
[0051]アセンブリは、密閉が完全であることを確実にするために試験され、続いて保存液内に浸漬される。
【0046】
[0052]ロックナットは、テンションナットを適所に固定すべくテンションナットと接するよう締め付けられる。
【0047】
[0053]運転に備えて、オペレータは、適当なディープソケットに結合されたトルクレンチを用いてカセットモジュールの上部からテンションナットにアクセスし、運転のための所望のトルク(例えば、93cm及び186cmモジュールフォーマットについては約20in−lb〜約50in−lb(約1800lbsの運転時荷重が与えられる)、0.1mカセットフォーマットについては約50in−lb〜約70in−lb(約2300lbsの運転時荷重が与えられる))にナットを締める。
【0048】
[0054]処理(例えば、限外濾過のような濾過)が完了したならば、次の処理ステップ(必要ならば、例えば、所望の濾過生成物を収集し洗浄すること)が実行され、テンションナットがロックナットに近付き或いは接するまでレンチを用いてテンションナットを戻す。これにより応力が解放され、カセットが、再び用いられるまで(その場合、テンションナットが所望の運転時テンションへとトルクがかけられる)、減じられたテンション(例えば、所望の予荷重)で保管される。
【0049】
[0055]本書で引用されている、出版物、特許出願及び特許を含む全ての参考文献は、それぞれの参考文献が参照により組み込まれることが個別に及び具体的に示された場合並びに本書に全体が記述された場合と同程度に、参照により本書に組み込まれる。
【0050】
[0056]本発明を説明する文脈における(特に、以下の特許請求の範囲の文脈における)用語「a」及び「an」並びに「the」並びに「少なくとも1つ」並びに同様の指示語の使用は、本書中に別段の指示がない又は文脈に明らかに矛盾しない限り、単数及び複数の両方を包含すると解釈すべきである。1つ又は複数の項目のリストに続いて用語「少なくとも1つの」の使用(例えば、「A及びBの内の少なくとも1つ」)は、本書に別段の指示がない又は文脈に明らかに矛盾しない限り、列挙した項目から選択される1項目(A若しくはB)又は列挙した項目の内の2つ以上の任意の組合せ(A及びB)を意味すると解釈すべきである。用語「備える(comprising)」、「有する(having)」、「含む(including)」及び「含有する(containing)」は、別段の注記がない限りオープンエンド用語(即ち、「含むが限定されない」を意味する)として解釈すべきである。本書中における値の範囲の記述は、本書中に別段の指示がない限り、範囲内にあるそれぞれ別々の値に個別に言及する簡便な方法として役立つことを意図しているだけであり、それぞれ別々の値は、それらの値が本書中に個別に記述されているかのように本書に組み込まれる。本書に記載した全ての方法を、本書に別段の指示がない又は文脈に明らかに矛盾しない限り任意の適切な順序で実施することができる。本書に示した任意の及び全ての例、又は例示的な言葉(例えば「等」)の使用は、本発明をより明らかにすることを意図しているだけであり、別段の主張がない限り本発明の範囲に制限を加えるものではない。本書中の言葉は、本発明の実施に不可欠な任意の非請求要素を示すと解釈すべきではない。
【0051】
[0057]本発明を実施するための、本発明者らに既知である最良の形態を含む本発明の好ましい実施形態が本書に記載される。これらの好ましい実施形態の変形は、前述の記載を読むことにより当業者に明らかになることができる。本発明者らは、当業者が必要に応じてそのような変形を用いることを予期しており、本発明者らは、本発明が本書に具体的に記載したのとは別の方法で行なわれることを意図する。従って、本発明は、準拠法により許容されているように、本書に添付した特許請求の範囲に列挙された主題の全ての変形及び等価物を含む。さらに、全ての可能な変形における前述した要素の任意の組み合わせは、本書に別段の指示がない又は文脈に明らかに矛盾しない限り本発明に包含される。
【符号の説明】
【0052】
100…テンションロッドアセンブリ
110…テンションナット
120…ロックナット
130…ワッシャ
500…流体処理アセンブリ
501,502…エンドプレート
510,520…マニホールドプレート
511…還流液出口
512…透過液出口
521…供給液入口
530…流体処理ユニット
531…クロス流体処理サブアセンブリ
531a,531b…膜
532a,532b…還流液チャンネル
533a,533b…透過液チャンネル
570…ダイアフィルトレーション分配プレート
571…ダイアフィルトレーション流体供給入口
図1A
図1B
図1C
図2A
図2B
図3
図4
図5
図6
【外国語明細書】
2019037971000001.pdf