【解決手段】本発明の複合電子部品は、複数の誘電体層111を有し、誘電体層を間に挟んで互いに対向するように配置される内部電極121、122が積層された本体110及び本体の両端部に配置された第1及び第2外部電極131、132を含む積層セラミックキャパシタ100と、積層セラミックキャパシタの下部に配置されたセラミックチップ200と、が結合した複合体300を含む。セラミックチップは、長さが異なる2つのセラミックチップ200aと200bが上下に結合した2段形状を有する。
複数の誘電体層を有し、前記複数の誘電体層のうちの1つを間に挟んで互いに対向するように配置される内部電極が積層された本体、及び前記本体の両端部に配置された第1及び第2外部電極を含む積層セラミックキャパシタと、前記積層セラミックキャパシタの下部に配置されたセラミックチップと、が結合した複合体を含み、
前記セラミックチップは、長さが異なる2つのセラミックチップが上下に結合した2段形状を有する、複合電子部品。
前記2段形状のセラミックチップのうちプリント回路基板の実装面に隣接するセラミックチップの長さが他側のセラミックチップの長さよりも短い、請求項1に記載の複合電子部品。
前記セラミックチップは、前記積層セラミックキャパシタと接する第1セラミックチップと、前記第1セラミックチップの下部に配置される第2セラミックチップとで構成され、
前記第1セラミックチップは、セラミックからなる第1セラミック本体と、前記第1セラミック本体の両端部に配置され、且つ前記第1及び第2外部電極と接続された第1及び第2端子電極と、を含み、
前記第2セラミックチップは、セラミックからなる第2セラミック本体と、前記第2セラミック本体の両端部に配置され、且つ前記第1及び第2端子電極と接続された第3及び第4端子電極と、を含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の複合電子部品。
前記第1及び第2端子電極と前記第3及び第4端子電極はそれぞれ導電性接着剤によって結合し、前記第1及び第2端子電極と前記第1及び第2外部電極はそれぞれ導電性接着剤によって結合する、請求項5に記載の複合電子部品。
前記第1セラミックチップの長さは前記積層セラミックキャパシタの長さよりも短く、前記第1セラミックチップの幅は前記積層セラミックキャパシタの幅よりも小さい、請求項4から7のいずれか一項に記載の複合電子部品。
複数の誘電体層を有し、前記複数の誘電体層のうちの1つを間に挟んで互いに対向するように配置される内部電極が積層された本体、及び前記本体の両端部に配置された第1及び第2外部電極を含む積層セラミックキャパシタと、前記積層セラミックキャパシタの下部に配置されたセラミックチップと、が結合した複合体を含み、
前記セラミックチップの長さが前記積層セラミックキャパシタの長さよりも短い、複合電子部品。
前記セラミックチップは、セラミック本体と、前記セラミック本体の両端部に配置され、且つ前記第1及び第2外部電極と接続された第1及び第2端子電極と、を含む、請求項14に記載の複合電子部品。
【背景技術】
【0002】
積層チップ電子部品の一つである積層セラミックキャパシタは、液晶表示装置(LCD:Liquid Crystal Display)及びプラズマ表示装置パネル(PDP:Plasma Display Panel)などの映像機器、コンピュータ、個人携帯端末(PDA:Personal Digital Assistants)、及び携帯電話などの様々な電子製品のプリント回路基板に装着されて電気を充電又は放電させる役割を果たすチップ形態のコンデンサである。
【0003】
かかる積層セラミックキャパシタ(MLCC:Multi−Layered Ceramic Capacitor)は、小型でありながら高容量が保障され、実装が容易であるという長所により、様々な電子機器の部品として用いることができる。
【0004】
上記積層セラミックキャパシタは、複数の誘電体層を有し、上記誘電体層間に異なる極性の内部電極を配置し、これを交互に積層した構造を有することができる。
【0005】
かかる誘電体層は、圧電性及び電歪性を有するため、積層セラミックキャパシタに直流又は交流電圧が印加されると、上記内部電極間に圧電現象が生じて振動が発生する可能性がある。
【0006】
かかる振動は、積層セラミックキャパシタの外部電極を介して上記積層セラミックキャパシタが実装されたプリント回路基板に伝達されて、上記プリント回路基板全体が音響反射面となって雑音となる振動音を発生させるおそれがある。
【0007】
上記振動音は、人に不快感を与える20〜20,000Hz領域の可聴周波数に該当する。このように、人に不快感を与える振動音をアコースティックノイズ(acoustic noise)と言う。
【0008】
上記アコースティックノイズ(acoustic noise)は、最近の電子機器のスリム化及び小型化に伴い、プリント回路基板に加え、高電圧及びその電圧の変化が大きい環境で用いられるにつれて、かかるアコースティックノイズはユーザーが十分に認知できる。
【0009】
そこで、アコースティックノイズ(acoustic noise)を低減させた新規の製品に対する需要が発生し続けるのが実情である。
【0010】
一方、アコースティックノイズ(acoustic noise)を低減させるために、積層セラミックキャパシタの下面にプリント回路基板を配置して用いる複合電子部品に対する研究が行われた。
【0011】
また、プリント回路基板の厚さを厚くする場合、アコースティックノイズ(acoustic noise)の低減効果は高くなり得るが、電気的特性が低下するという副効果が発生する可能性があるため、プリント回路基板の厚さは最小にし、且つアコースティックノイズを効率的に低減させることができる方法に対する研究が必要な実情である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下では、添付の図面を参照して本発明の好ましい実施形態について説明する。しかし、本発明の実施形態は様々な他の形態に変形されることができ、本発明の範囲は以下で説明する実施形態に限定されない。また、本発明の実施形態は、当該技術分野で平均的な知識を有する者に本発明をより完全に説明するために提供されるものである。したがって、図面における要素の形状及び大きさなどはより明確な説明のために拡大縮小表示(又は強調表示や簡略化表示)がされることがあり、図面上の同一の符号で示される要素は同一の要素である。
【0024】
複合電子部品
図1は本発明の第1実施形態による複合電子部品を概略的に示す斜視図であり、
図2は
図1のI−I'線に沿った断面図である。
【0025】
図1を参照すると、本発明の実施形態による複合電子部品において、「長さ方向」は「L」方向、「幅方向」は「W」方向、「厚さ方向」は「T」方向と定義する。ここで、「厚さ方向」は、キャパシタの誘電体層を積み上げる方向、すなわち「積層方向」と同一の概念として用いることができる。
【0026】
一方、本発明の実施形態において、複合電子部品は、互いに対向する上面及び下面、上記上面と下面を接続する長さ方向の第1端面及び第2端面、幅方向の第3側面及び第4側面を有することができる。上記複合電子部品の形状に特に制限はないが、図面に示すように六面体形状であればよい。
【0027】
また、上記複合電子部品の長さ方向の第1端面及び第2端面、幅方向の第3側面及び第4側面は、後述するように、積層セラミックキャパシタ及びセラミックチップの長さ方向の第1端面及び第2端面、幅方向の第3側面及び第4側面と同一方向の面と定義する。
【0028】
一方、上記複合電子部品は、積層セラミックキャパシタとセラミックチップとが結合した形態であって、積層セラミックキャパシタの下部にセラミックチップが結合する場合、上記複合電子部品の上面は、上記積層セラミックキャパシタの上面と定義し、上記複合電子部品の下面は、上記セラミックチップの下面と定義する。
【0029】
図1及び
図2を参照すると、本発明の第1実施形態による複合電子部品は、複数の誘電体層を有し、上記誘電体層を間に挟んで互いに対向するように配置された内部電極121、122が積層された本体110と、上記本体110の両端部に配置された第1及び第2外部電極131、132と、を含む積層セラミックキャパシタ100と、上記積層セラミックキャパシタ100の下部に配置されたセラミックチップ200と、が結合した複合体300を含む。
【0030】
本発明の一実施形態によると、上記セラミックチップ200は、長さが異なる2つのセラミックチップ200a、200bが上下に結合した2段形状を有する。
【0031】
上記セラミックチップ200は、積層セラミックキャパシタ100と接する第1セラミックチップ200aと、第1セラミックチップ200aの下部に配置される第2セラミックチップ200bとで構成される。
【0032】
上記第1セラミックチップ200aは、セラミックからなる第1セラミック本体210と、上記第1セラミック本体210の両端部に配置され、且つ第1及び第2外部電極131、132と接続された第1及び第2端子電極231、232と、を含む。
【0033】
また、上記第2セラミックチップ200bは、セラミックからなる第2セラミック本体220と、上記第2セラミック本体220の両端部に配置され、且つ第1及び第2端子電極231、232と接続された第3及び第4端子電極241、242と、を含む。
【0034】
従来、アコースティックノイズ(acoustic noise)を低減させるために、積層セラミックキャパシタの下面にプリント回路基板を配置して用いる複合電子部品に対する研究が行われた。
【0035】
しかし、プリント回路基板の厚さを厚くする場合、アコースティックノイズ(acoustic noise)の低減効果は高くなり得るものの、電気的特性が低下するという副効果が発生する可能性があるため、プリント回路基板の厚さは最小にし、アコースティックノイズを効率的に低減させることができる方法に対する研究が必要とされた。
【0036】
本発明の一実施形態では、アコースティックノイズを低減させるために、積層セラミックキャパシタ100の下部にセラミックチップ200を配置し、且つ上記セラミックチップ200の長さを、異なる2つのセラミックチップ200a、200bが上下に結合した2段形状を有するようにする。これにより、従来の積層セラミックキャパシタの下面にプリント回路基板を配置して用いる複合電子部品に比べてアコースティックノイズの低減効果がより優れる。
【0037】
特に、上記2段形状のセラミックチップ200のうち、プリント回路基板の実装面に隣接するセラミックチップ200bの長さが他側のセラミックチップ200aの長さよりも短くなるように調節することで、アコースティックノイズの低減効果が優れるようにする。
【0038】
すなわち、積層セラミックキャパシタ100とセラミックチップ200との間に、いわゆる半田ポケットと定義することができるスペースを形成するための段差を形成することにより、積層セラミックキャパシタ100の厚さ方向に半田が形成されないように遮断することができ、半田によるプリント回路基板への振動伝達を最小限に抑えることができる。
【0039】
具体的には、
図2を参照すると、上記2段形状のセラミックチップ200のうち、プリント回路基板の実装面に隣接し、第2セラミックチップ200bの長さが他側の第1セラミックチップ200aの長さよりも短い場合、段差が形成され、厚さ方向に第1セラミックチップ200aと第2セラミックチップ200bとの間には半田ポケット(SP)と定義することができる空間が生じるようになる。
【0040】
この場合、本発明の一実施形態による複合電子部品をプリント回路基板に実装し、半田を塗布する場合、半田のほとんどは上記半田ポケット(SP)に充填されながら、半田の残量が上記積層セラミックキャパシタ100の第1及び第2外部電極131、132の下面、及び第1セラミックチップ200aの第1及び第2端子電極231、232の側面に塗布される。
【0041】
上記積層セラミックキャパシタ100の第1及び第2外部電極131、132の下面、及び第1セラミックチップ200aの第1及び第2端子電極231、232の側面に塗布される半田の量は従来の構造に比べて少量であるため、半田によるプリント回路基板への振動伝達を最小限に抑えることができる。
【0042】
以下では、上記複合体300を構成する積層セラミックキャパシタ100及びセラミックチップ200について具体的に説明する。
【0043】
図2を参照すると、上記積層セラミックキャパシタ100を構成する上記本体110は、複数の誘電体層111が積層されることで形成され、上記本体110の内部には、複数の内部電極121、122(順に第1及び第2内部電極)が誘電体層111を間に挟んで互いに分離されて配置されることができる。
【0044】
上記本体110を構成する複数の誘電体層111は、焼結された状態であって、隣接する誘電体層同士の境界は確認できないほど一体化されることができる。
【0045】
上記誘電体層111は、セラミック粉末、有機溶剤及び有機バインダーを含むセラミックグリーンシートの焼成によって形成されることができる。上記セラミック粉末は、高誘電率を有する物質であって、これに制限されるものではないが、チタン酸バリウム(BaTiO
3)系材料、チタン酸ストロンチウム(SrTiO
3)系材料などを用いることができる。
【0046】
すなわち、上記本体110を構成する誘電体層111は、強誘電体材料を含むことができるが、必ずしもこれに制限されるものではない。
【0047】
一方、本発明の第1実施形態によると、上記内部電極は、上記複合体300の長さ方向の第1端面に露出した第1内部電極121と、長さ方向の第2端面に露出した第2内部電極122と、を含むことができるが、必ずしもこれに制限されるものではない。
【0048】
上記第1及び第2内部電極121、122は、導電性金属を含む導電性ペーストによって形成されることができる。
【0049】
上記導電性金属は、これに制限されるものではないが、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、パラジウム(Pd)、又はこれらの合金であることができる。
【0050】
上記誘電体層111を形成するセラミックグリーンシート上にスクリーン印刷法又はグラビア印刷法のような印刷法を介して導電性ペーストで第1及び第2内部電極121、122を印刷することができる。
【0051】
内部電極が印刷されたセラミックグリーンシートを交互に積層及び焼成して本体110を形成することができる。
【0052】
上記複数の第1及び第2内部電極121、122は、上記本体110の上面及び下面に対して水平に配置されることができる。
【0053】
一方、上記第1及び第2外部電極131、132は、導電性金属を含む導電性ペーストによって形成されることができる。上記導電性金属は、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、パラジウム(Pd)、金(Au)、又はこれらの合金であることができるが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0054】
また、上記第1及び第2外部電極131、132上にニッケル/錫(Ni/Sn)めっき層がさらに配置されることができる。
【0055】
本発明の第1実施形態によると、上記積層セラミックキャパシタ100の下部にセラミックチップ200が結合して配置される。
【0056】
上記セラミックチップ200は、バルク(Bulk)型のセラミックで製作された第1セラミック本体210の両端部に上記第1及び第2外部電極131、132と接続された第1及び第2端子電極231、232が配置された第1セラミックチップ200aを含む。
【0057】
また、上記セラミックチップ200は、バルク(Bulk)型のセラミックで製作された第2セラミック本体220の両端部に上記第1及び第2端子電極231、232と接続された第3及び第4端子電極241、242が配置された第2セラミックチップ200bを含む。
【0058】
上記第1セラミック本体210及び第2セラミック本体220は、アルミナ(Al
2O
3)を含むセラミックで製作されることができる。
【0059】
具体的には、上記第1セラミック本体210及び第2セラミック本体220は、アルミナ(Al
2O
3)及び絶縁樹脂を用いて製作されることができ、上記絶縁樹脂は、エポキシなどの熱硬化樹脂であればよい。
【0060】
一般に、積層セラミックキャパシタの振動がプリント回路基板に伝達されることを最小化するために、積層セラミックキャパシタとプリント回路基板との間に中間媒介を挿入する試みがあった。
【0061】
しかし、上記中間媒体は、一般にプリント回路基板の製作に使用される樹脂、すなわち、弾性を有する材料で製作されるため、積層セラミックキャパシタの振動を中間媒体が有する弾性により吸収する作用をする。
【0062】
一方、本発明の第1実施形態によると、上記セラミックチップ200の第2セラミック本体210は、弾性変形しない堅固な材料のセラミックのみで製作されるため、プリント回路基板と積層セラミックキャパシタ100を上記セラミックチップ200により離隔させる。これにより、積層セラミックキャパシタ100から発生した振動自体の伝達を遮断することができる。
【0063】
また、上記2段形状のセラミックチップ200のうち、プリント回路基板の実装面に隣接するセラミックチップ200bの長さが他側のセラミックチップ200aの長さよりも短くなるように調節することにより、半田ポケット(SP)が形成され、かかる半田ポケット(SP)に半田のほとんどが充填されるようにすることができるため、アコースティックノイズの低減効果がより優れるようになる。
【0064】
上記第1及び第2端子電極231、232と第3及び第4端子電極241、242は、特に制限されるものではないが、例えば、内側の第1及び第2導電性樹脂層と外側の第1及び第2めっき層の二重層構造を有することができる。
【0065】
本発明の第1実施形態によると、上記のように、第1及び第2端子電極231、232は、内側の第1及び第2導電性樹脂層と外側の第1及び第2めっき層の二重層構造を有することから、外部から機械的応力が加えられた場合、セラミックチップ200、及びセラミックチップ200の端子電極231、232、241、242として用いられた導電性樹脂層によって積層セラミックキャパシタ100への応力伝達を抑制することにより、積層セラミックキャパシタのクラックによる損傷を防止することができる。
【0066】
上記第1及び第2導電性樹脂層は、導電性金属と熱硬化性樹脂を含むことができ、これに制限されるものではないが、例えば、銀(Ag)とエポキシ樹脂を含むことができる。
【0067】
図3は本発明の第2実施形態による複合電子部品のうち、
図2に示す積層セラミックキャパシタとは異なる形態の積層セラミックキャパシタの一部を切開して概略的に示す斜視図であり、
図4は本発明の第2実施形態による複合電子部品を
図1のI−I'線に沿って示す断面図である。
【0068】
図3及び
図4を参照すると、本発明の第2実施形態による積層セラミックキャパシタは、上記複数の第1及び第2内部電極121、122が、上記本体110の上面及び下面に対して垂直に配置されることができる。
【0069】
すなわち、上記第1及び第2内部電極121、122は、上記複合体300のプリント回路基板への実装時に、実装面に対して垂直に積層されることができる。
【0070】
一般に、積層セラミックキャパシタに電圧が印加された場合、セラミック本体は、誘電体層の逆圧電効果(Inverse piezoelectric effect)によって長さ方向、幅方向及び厚さ方向への膨張及び収縮が繰り返し行われる。
【0071】
すなわち、本体の長さ−幅面(LW面)、幅−厚さ面(WT面)、及び長さ−厚さ面(LT面)の変位量をLDV(Laser Doppler Vibrometer)により実測する場合、変位量がLW面>WT面>LT面の順に示される。
【0072】
WT面に対するLT面の変位量は、約42%のレベルと、WT面の変位量よりも少なく示される。これは、LT面及びWT面において同一のサイズの応力が発生するようになり、特にLT面はWT面よりも比較的広い面積を有するため、広い面積にわたって類似サイズの応力が分布するようになって比較的小さい変形が発生すると推測することができる。
【0073】
これにより、一般の積層セラミックキャパシタでは、LT面における変位量が最も少ないことが分かる。
【0074】
すなわち、本発明の第2実施形態によると、上記第1及び第2内部電極121、122を、上記本体110の上面及び下面に対して垂直に積層することにより、上記複合体300のプリント回路基板への実装時に、上記第1及び第2内部電極121、122が実装面に対して垂直に配置されて、セラミックチップ200と接触する面の振動量を最小限に抑えることができる。
【0075】
また、上記2段形状のセラミックチップ200のうち、プリント回路基板の実装面に隣接するセラミックチップ200bの長さが他側のセラミックチップ200aの長さよりも短くなるように調節することにより、半田ポケット(SP)が形成され、かかる半田ポケット(SP)に半田のほとんどが充填されるようにすることができるため、アコースティックノイズの低減効果がより優れるようになる。
【0076】
図5は
図1に示す複合電子部品を積層セラミックキャパシタとセラミックチップに分離して示す分解斜視図である。
【0077】
上記複合体300は、上記積層セラミックキャパシタ100とセラミックチップ200が結合して形成されることができる。但し、上記複合体300の形成方法は、特に制限されない。
【0078】
上記複合体300の形成は、別途製作された上記積層セラミックキャパシタ100とセラミックチップ200を高融点半田又は導電性接着剤213などにより結合させることができる。
【0079】
上記導電性接着剤213は、導電性金属とエポキシ樹脂を含むペーストの形態であればよいが、必ずしもこれに制限されるものではない。
【0080】
図5を参照すると、上記積層セラミックキャパシタ100とセラミックチップ200を導電性接着剤213により結合させる場合、上記導電性接着剤213は、上記第1外部電極131及び第2外部電極132の下面に塗布されて、上記セラミックチップ200のうち、第1セラミックチップ200aの第1及び第2端子電極231、232と接合することができる。
【0081】
上記導電性接着剤213は、上記第1外部電極131及び第2外部電極132の下面に塗布されて、上記積層セラミックキャパシタ100の下面において上記セラミックチップ200と固定される。これにより、上記本体110の長さ−幅面(LW面)の振動のみが上記セラミックチップ200に伝達されるようになる。
【0082】
これにより、積層セラミックキャパシタから発生する応力及び振動がセラミックチップに伝達されることを最小限に抑えることで、アコースティックノイズを低減させることができる。
【0083】
一方、上記導電性接着剤213は、上記セラミックチップ200のうち、第1セラミックチップ200aの第1端子電極231及び第2端子電極232の下面に塗布されて、上記セラミックチップ200のうち、第2セラミックチップ200bの第3及び第4端子電極241、242と接合することができる。
【0084】
これにより、積層セラミックキャパシタから発生する応力及び振動がセラミックチップに伝達されることを最小限に抑えることで、アコースティックノイズを低減させることができる。
【0085】
図6は
図5に示す複合電子部品とは異なる形態の複合電子部品を積層セラミックキャパシタとセラミックチップに分離して示す分解斜視図である。
【0086】
図6を参照すると、上記高融点半田又は導電性接着剤213は、積層セラミックキャパシタ100と接合する接合面である上記セラミックチップ200の上面全体に塗布されて、上記積層セラミックキャパシタ100の下面において上記セラミックチップ200と固定される。
【0087】
このように、積層セラミックキャパシタ100と接合する接合面である上記セラミックチップ200の上面全体に導電性接着剤213が塗布される場合には、導電性接着剤213の弾性により、アコースティックノイズの低減効果がより優れるようになる。
【0088】
また、接合面全体に接着剤が塗布されるため、実装基板への実装時に、複合電子部品の結合力が上昇し、信頼性が向上するという効果がある。
【0089】
一方、上記導電性接着剤213は、上記セラミックチップ200のうち、第1セラミックチップ200aの下面全体、又は第2セラミックチップ200bの上面全体に塗布されて、第1セラミックチップ200aと第2セラミックチップ200bを接合することができる。
【0090】
この場合、導電性接着剤213の弾性により、アコースティックノイズの低減効果がより優れるようになる。
【0091】
図7は本発明の第3実施形態による複合電子部品を概略的に示す斜視図である。
【0092】
図7を参照すると、本発明の第3実施形態による複合電子部品において、セラミックチップのうち、第1セラミックチップ200a'の長さは上記積層セラミックキャパシタ100の長さよりも長く、上記第1セラミックチップ200a'の幅は上記積層セラミックキャパシタ100の幅よりも大きい。
【0093】
上記セラミックチップは、積層セラミックキャパシタ100と接する第1セラミックチップ200a'と、第1セラミックチップ200a'の下部に配置される第2セラミックチップ200b'とで構成される。
【0094】
上記第1セラミックチップ200a'は、セラミックからなる第1セラミック本体210'と、上記第1セラミック本体210'の両端部に配置され、且つ第1及び第2外部電極131、132と接続された第1及び第2端子電極231'、232'と、を含む。
【0095】
また、上記第2セラミックチップ200b'は、セラミックからなる第2セラミック本体220'と、上記第2セラミック本体220'の両端部に配置され、且つ第1及び第2端子電極231'、232'と接続された第3及び第4端子電極241'、242'と、を含む。
【0096】
上記第1セラミックチップ200a'の長さが上記積層セラミックキャパシタ100の長さよりも長く、上記第1セラミックチップ200a'の幅が上記積層セラミックキャパシタ100の幅よりも大きいため、上記複合電子部品のプリント回路基板へ実装時に、上記積層セラミックキャパシタ100の長さ及び幅方向において半田が上記積層セラミックキャパシタ100にまで届かないように遮断する役割を果たすことができる。
【0097】
これにより、上記半田によるプリント回路基板への振動伝達の減少効果がより優れるようになる。
【0098】
上記第2セラミックチップ200b'は、上記第1セラミックチップ200a'の長さ及び幅に比例してその長さ及び幅が増加し得る。
【0099】
又は、上記第2セラミックチップ200b'の長さ及び幅は、上述した第1実施形態による複合電子部品の第2セラミックチップ200bの長さ及び幅と同一であればよい。この場合、半田ポケットのスペースがさらに大きくなるため、半田が積層セラミックキャパシタ100に接続されないようにするという効果がより優れるようになる。
【0100】
図8は本発明の第4実施形態による複合電子部品を概略的に示す斜視図である。
【0101】
図8を参照すると、本発明の第4実施形態による複合電子部品において、セラミックチップのうち、第1セラミックチップ200a''の長さは上記積層セラミックキャパシタ100の長さよりも短く、上記第1セラミックチップ200a''の幅は上記積層セラミックキャパシタ100の幅よりも大きい。
【0102】
上記セラミックチップは、積層セラミックキャパシタ100と接する第1セラミックチップ200a''と、第1セラミックチップ200a''の下部に配置される第2セラミックチップ200b''とで構成される。
【0103】
上記第1セラミックチップ200a''は、セラミックからなる第1セラミック本体210''と、上記第1セラミック本体210''の両端部に配置され、且つ第1及び第2外部電極131、132と接続された第1及び第2端子電極231''、232''と、を含む。
【0104】
また、上記第2セラミックチップ200b''は、セラミックからなる第2セラミック本体220''と、上記第2セラミック本体220''の両端部に配置され、且つ第1及び第2端子電極231''、232''と接続された第3及び第4端子電極241''、242''と、を含む。
【0105】
上記第1セラミックチップ200a''の長さが上記積層セラミックキャパシタ100の長さよりも短く、上記第1セラミックチップ200a''の幅が上記積層セラミックキャパシタ100の幅よりも大きいため、上記複合電子部品のプリント回路基板への実装時に、上記積層セラミックキャパシタ100の長さ方向において半田が第1及び第2外部電極131、132の下面までのみ塗布され、段差により、上記積層セラミックキャパシタ100にまで届かないように遮断する役割を果たすことができる。
【0106】
すなわち、上記第1セラミックチップ200a''の長さが上記積層セラミックキャパシタ100の長さよりも短いため、上記積層セラミックキャパシタ100の長さ方向では、第1及び第2外部電極131、132を半田が伝って上がらないようにする、いわゆる半田ポケットが積層セラミックキャパシタ100と第1セラミックチップ200a''との間、及び第1セラミックチップ200a''と第2セラミックチップ200b''との間に形成されることができる。
【0107】
このような構造下では、上記複合電子部品のプリント回路基板への実装時に、上記積層セラミックキャパシタ100の長さ方向において半田が第1及び第2外部電極131、132の下面までのみ塗布されることができる。
【0108】
これにより、上記半田によるプリント回路基板への振動伝達の減少効果がより優れるようになる。
【0109】
図9は本発明の第5実施形態による複合電子部品を概略的に示す斜視図である。
【0110】
図9を参照すると、本発明の第5実施形態による複合電子部品において、上記セラミックチップのうち、第1セラミックチップ200a'''の長さは上記積層セラミックキャパシタ100の長さよりも短く、上記第1セラミックチップ200a'''の幅は上記積層セラミックキャパシタ100の幅よりも小さい。
【0111】
上記セラミックチップは、積層セラミックキャパシタ100と接する第1セラミックチップ200a'''と、第1セラミックチップ200a'''の下部に配置される第2セラミックチップ200b'''とで構成される。
【0112】
上記第1セラミックチップ200a'''は、セラミックからなる第1セラミック本体210'''と、上記第1セラミック本体210'''の両端部に配置され、且つ上記第1及び第2外部電極131、132と接続された第1及び第2端子電極231'''、232'''と、を含む。
【0113】
また、上記第2セラミックチップ200b'''は、セラミックからなる第2セラミック本体220'''と、上記第2セラミック本体220'''の両端部に配置され、且つ上記第1及び第2端子電極231'''、232'''と接続された第3及び第4端子電極241'''、242'''と、を含む。
【0114】
上記第1セラミックチップ200a'''の長さが上記積層セラミックキャパシタ100の長さよりも短く、上記第1セラミックチップ200a'''の幅が上記積層セラミックキャパシタ100の幅よりも小さいため、上記複合電子部品のプリント回路基板への実装時に、上記積層セラミックキャパシタ100の長さ方向及び幅方向において半田が第1及び第2外部電極131、132の下面までのみ塗布され、上記積層セラミックキャパシタ100の厚さ方向にまで届かないように遮断する役割を果たすことができる。
【0115】
すなわち、上記第1セラミックチップ200a'''の長さが上記積層セラミックキャパシタ100の長さよりも短いため、上記積層セラミックキャパシタ100の長さ方向では、第1及び第2外部電極131、132を半田が伝って上がらないようにする、いわゆる半田ポケットが積層セラミックキャパシタ100と第1セラミックチップ200a'''との間、及び第1セラミックチップ200a'''と第2セラミックチップ200b''との間に形成されることができる。
【0116】
これにより、上記半田によるプリント回路基板への振動伝達の減少効果がより優れるようになる。
【0117】
図10は本発明の第6実施形態による複合電子部品を概略的に示す斜視図である。
【0118】
図10を参照すると、本発明の第6実施形態による複合電子部品において、セラミックチップ200の長さは、上記積層セラミックキャパシタ100の長さよりも短い。
【0119】
上記セラミックチップ200は、セラミックからなる第1セラミック本体210と、上記第1セラミック本体210の両端部に配置され、且つ上記第1及び第2外部電極131、132と接続された第1及び第2端子電極231、232と、を含む。
【0120】
上記セラミックチップ200の長さが上記積層セラミックキャパシタ100の長さよりも短いため、上記複合電子部品のプリント回路基板への実装時に、上記積層セラミックキャパシタ100の長さ方向では、第1及び第2外部電極131、132の下面までのみ塗布され、段差により、上記積層セラミックキャパシタ100にまで届かないように遮断する役割を果たすことができる。
【0121】
すなわち、上記セラミックチップ200の長さが上記積層セラミックキャパシタ100の長さよりも短いため、上記積層セラミックキャパシタ100の長さ方向では、第1及び第2外部電極131、132を半田が伝って上がらないようにする、いわゆる半田ポケットが積層セラミックキャパシタ100とセラミックチップ200との間に形成されることができる。
【0122】
このような構造下では、上記複合電子部品のプリント回路基板への実装時に、上記積層セラミックキャパシタ100の長さ方向において半田が第1及び第2外部電極131、132の下面までに塗布されることができる。
【0123】
これにより、上記半田によるプリント回路基板への振動伝達の減少効果がより優れるようになる。
【0124】
複合電子部品の実装基板
図11は
図1の複合電子部品がプリント回路基板に実装された様子を示す斜視図であり、
図12は
図11のII−II'線に沿った断面図である。
【0125】
図11及び
図12を参照すると、本実施形態による複合電子部品の実装基板400は、複合電子部品が実装されるプリント回路基板410と、プリント回路基板410の上面に形成された2つの電極パッド421、422と、を含む。
【0126】
上記電極パッド421、422は、上記複合電子部品のうち上記セラミックチップ200の第1及び第2端子電極231、232とそれぞれ接続される第1及び第2電極パッド421、422からなることができる。
【0127】
この際、上記セラミックチップ200の第1及び第2端子電極231、232はそれぞれ、第1及び第2電極パッド421、422上に接触するように位置する状態で、半田430によってプリント回路基板410と電気的に接続されることができる。
【0128】
上記のように、複合電子部品がプリント回路基板410に実装された状態で、電圧が印加されると、アコースティックノイズが発生することがある。
【0129】
すなわち、上記複合電子部品がプリント回路基板410に実装された状態で、複合電子部品のうち積層セラミックキャパシタ100の長さ方向における両端面に配置された第1外部電極131及び第2外部電極132に極性が異なる電圧が印加されると、誘電体層111の逆圧電効果(Inverse piezoelectric effect)によってセラミック本体は厚さ方向に膨張及び収縮するようになり、第1外部電極131及び第2外部電極132の両端面にはポアソン効果(Poisson effect)によって第1セラミック本体の厚さ方向における膨張及び収縮とは逆に収縮及び膨張するようになる。
【0130】
ここで、本発明の一実施形態による複合電子部品において、2段形状のセラミックチップ200のうち、プリント回路基板の実装面に隣接するセラミックチップ200bの長さが他側のセラミックチップ200aの長さよりも短いため、厚さ方向に第1セラミックチップ200aと第2セラミックチップ200bとの間には半田ポケット(SP)が生じ、上記半田ポケット(SP)により積層セラミックキャパシタ100の厚さ方向に半田が形成されないように遮断することができることから、半田によるプリント回路基板への振動伝達を最小限に抑えることができる。
【0131】
すなわち、
図12を参照すると、本発明の一実施形態による複合電子部品をプリント回路基板上に実装する際に、半田の量が多くても、半田のほとんどが上記半田ポケット(SP)に充填されながら、半田の残量は上記積層セラミックキャパシタ100の第1及び第2外部電極131、132の下面、及び第1セラミックチップ200aの第1及び第2端子電極231、232の側面に塗布される。
【0132】
上記積層セラミックキャパシタ100の第1及び第2外部電極131、132の下面、及び第1セラミックチップ200aの第1及び第2端子電極231、232の側面に塗布される半田の量は従来の構造に比べて少量であるため、半田によるプリント回路基板への振動伝達を最小限に抑えることができる。
【0133】
すなわち、上記複合電子部品のプリント回路基板への実装時に、キャパシタの逆圧電性によるキャパシタの振動が基板に伝達されることを減少させることで、アコースティックノイズ(acoustic noise)を減少させることができる。
【0134】
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明の範囲はこれに限定されず、特許請求の範囲に記載された本発明の技術的思想から外れない範囲内で多様な修正及び変形が可能であるということは、当技術分野の通常の知識を有するものには明らかである。
複数の誘電体層を有し、前記複数の誘電体層のうちの1つを間に挟んで互いに対向するように配置される内部電極が積層された本体、及び前記本体の両端部に配置された第1及び第2外部電極を含む積層セラミックキャパシタと、前記積層セラミックキャパシタの下部に配置されたセラミックチップと、が結合した複合体を含み、
前記セラミックチップは、前記積層セラミックキャパシタと接する第1セラミックチップと、前記第1セラミックチップの下部に配置される第2セラミックチップとで構成されて、前記第1セラミックチップと前記第2セラミックチップとが上下に結合した2段形状を有し、
前記第1セラミックチップは、セラミックからなる第1セラミック本体と、前記第1セラミック本体の両端部に配置され、且つ前記第1及び第2外部電極と接続された第1及び第2端子電極と、を含み、
前記第2セラミックチップは、セラミックからなる第2セラミック本体と、前記第2セラミック本体の両端部に配置され、且つ前記第1及び第2端子電極と接続された第3及び第4端子電極と、を含み、
プリント回路基板の実装面に隣接する前記第2セラミックチップの長さが前記第1セラミックチップの長さよりも短い、複合電子部品。
前記第1及び第2端子電極と前記第3及び第4端子電極はそれぞれ導電性接着剤によって結合し、前記第1及び第2端子電極と前記第1及び第2外部電極はそれぞれ導電性接着剤によって結合する、請求項3に記載の複合電子部品。
前記第1セラミックチップの長さは前記積層セラミックキャパシタの長さよりも短く、前記第1セラミックチップの幅は前記積層セラミックキャパシタの幅よりも小さい、請求項1から5のいずれか一項に記載の複合電子部品。
複数の誘電体層を有し、前記複数の誘電体層のうちの1つを間に挟んで互いに対向するように配置される内部電極が積層された本体、及び前記本体の両端部に配置された第1及び第2外部電極を含む積層セラミックキャパシタと、前記積層セラミックキャパシタの下部に配置されたセラミックチップと、が結合した複合体を含み、
前記セラミックチップは、前記積層セラミックキャパシタと接する第1セラミックチップと、前記第1セラミックチップの下部に配置される第2セラミックチップとで構成され、前記第1セラミックチップと前記第2セラミックチップとが上下に結合した2段形状を有し、
前記第1セラミックチップは、セラミックからなる第1セラミック本体と、前記第1セラミック本体の両端部に配置され、且つ前記第1及び第2外部電極と接続された第1及び第2端子電極と、を含み、
前記第2セラミックチップは、セラミックからなる第2セラミック本体と、前記第2セラミック本体の両端部に配置され、且つ前記第1及び第2端子電極と接続された第3及び第4端子電極と、を含み、
プリント回路基板の実装面に隣接する前記第2セラミックチップの長さが前記第1セラミックチップの長さよりも短く、
前記第1セラミックチップ及び前記第2セラミックチップの長さが前記積層セラミックキャパシタの長さよりも短い、複合電子部品。
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明の範囲はこれに限定されず、特許請求の範囲に記載された本発明の技術的思想から外れない範囲内で多様な修正及び変形が可能であるということは、当技術分野の通常の知識を有するものには明らかである。