特開2019-43381(P2019-43381A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ マツダ株式会社の特許一覧
<>
  • 特開2019043381-車両用サスペンション装置 図000003
  • 特開2019043381-車両用サスペンション装置 図000004
  • 特開2019043381-車両用サスペンション装置 図000005
  • 特開2019043381-車両用サスペンション装置 図000006
  • 特開2019043381-車両用サスペンション装置 図000007
  • 特開2019043381-車両用サスペンション装置 図000008
  • 特開2019043381-車両用サスペンション装置 図000009
  • 特開2019043381-車両用サスペンション装置 図000010
  • 特開2019043381-車両用サスペンション装置 図000011
  • 特開2019043381-車両用サスペンション装置 図000012
  • 特開2019043381-車両用サスペンション装置 図000013
  • 特開2019043381-車両用サスペンション装置 図000014
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2019-43381(P2019-43381A)
(43)【公開日】2019年3月22日
(54)【発明の名称】車両用サスペンション装置
(51)【国際特許分類】
   B60G 3/20 20060101AFI20190222BHJP
   B60G 7/00 20060101ALI20190222BHJP
【FI】
   B60G3/20
   B60G7/00
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
【全頁数】35
(21)【出願番号】特願2017-169100(P2017-169100)
(22)【出願日】2017年9月4日
(71)【出願人】
【識別番号】000003137
【氏名又は名称】マツダ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121603
【弁理士】
【氏名又は名称】永田 元昭
(74)【代理人】
【識別番号】100141656
【弁理士】
【氏名又は名称】大田 英司
(74)【代理人】
【識別番号】100182888
【弁理士】
【氏名又は名称】西村 弘
(74)【代理人】
【識別番号】100196357
【弁理士】
【氏名又は名称】北村 吉章
(74)【代理人】
【識別番号】100067747
【弁理士】
【氏名又は名称】永田 良昭
(72)【発明者】
【氏名】安藤 文隆
(72)【発明者】
【氏名】浅野 宜良
(72)【発明者】
【氏名】田中 洋
【テーマコード(参考)】
3D301
【Fターム(参考)】
3D301AA26
3D301AA29
3D301AA31
3D301CA11
3D301CA16
3D301CA45
3D301DA08
3D301DA33
3D301DA89
3D301DA96
3D301DB09
(57)【要約】
【課題】サスペンションとしての機能を損なうこと無く、前後コンプライアンス確保とキャスター剛性確保とを両立できる車両用サスペンション装置を提供する。
【解決手段】この発明に係る車両用サスペンション装置1は、車輪を支持するナックル11と、車体に上下に回動可能に連結されると共にナックル11の上部を枢支するアッパアーム12と、アッパアーム12の下側に配置され、車体に上下に回動可能に連結されると共にナックル11の下部を枢支するロアアーム13と、アッパアーム12とロアアームとの間に跨って設けられた連結ロッド16とを備え、連結ロッド16は、車両前後方向に傾斜した状態で配置されると共に、アッパアーム12とロアアーム13との各々に回動可能に連結されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ダブルウィッシュボーン式の車両用サスペンション装置であって、
車輪を支持するナックルと、
車体に上下に回動可能に連結されると共に前記ナックルの上部を枢支するアッパアームと、
前記アッパアームの下側に配置され、前記車体に上下に回動可能に連結されると共に前記ナックルの下部を枢支するロアアームと、
前記アッパアームと前記ロアアームとの間に跨って設けられた連結ロッドとを備え、
前記連結ロッドは、車両前後方向に傾斜した状態で配置されると共に、前記アッパアームと前記ロアアームとの各々に回動可能に連結された
車両用サスペンション装置。
【請求項2】
前記連結ロッドは、前記アッパアーム及び前記ロアアームに対して、ボールジョイント、ピロボール又は弾性ブッシュを介して連結された
請求項1に記載の車両用サスペンション装置。
【請求項3】
前記連結ロッドは、前高後低状に傾斜した状態で、前記アッパアームと前記ロアアームとの間に跨って連結された
請求項1又は請求項2に記載の車両用サスペンション装置。
【請求項4】
前記連結ロッドの前端部は、前記アッパアームの前辺部の前側に連結された
請求項3に記載の車両用サスペンション装置。
【請求項5】
前記連結ロッドの後端部は、ロアアームの後辺部の後側に連結された
請求項3又は請求項4に記載の車両用サスペンション装置。
【請求項6】
前記ナックルには、前記ナックルを車両左右方向に回動させるための操舵ロッドが連結される操舵ロッド連結部が設けられ、
前記ロアアームには、前記連結ロッドが連結される連結ロッド連結部が設けられ、
前記連結ロッド連結部は、前記ナックルにおける車両前後方向の中心に対して、前記操舵ロッド連結部の車両前後方向反対側に配置されている
請求項1から請求項5のうちの一項に記載の車両用サスペンション装置。
【請求項7】
前記ロアアームには、前記連結ロッドが連結される連結ロッド連結部が設けられると共に、スタビライザが連結されるスタビ連結部が設けられ、
前記連結ロッド連結部は、前記ロアアームにおいて、前記スタビ連結部の車両前後方向反対側に配置されている
請求項1から請求項6のうちの一項に記載の車両用サスペンション装置。
【請求項8】
前記連結ロッドは、前記アッパアーム及び前記ロアアームの各々の前記車体側及び前記ナックル側のうち前記車体側に寄った位置に連結された
請求項1から請求項7のうちの一項に記載の車両用サスペンション装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、自動車などの車両に適用可能な車両用サスペンション装置に関し、特にダブルウィッシュボーン式のサスペンション装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のダブルウィッシュボーン式のサスペンション装置は、車輪を支持するナックルと、ナックルの上部及び下部を支持する上下一対のアーム(アッパアーム及びロアアーム)とを備えている。このようなサスペンション装置では、ブレーキ時には、アッパアームが前方変位すると共にロアアームが後方変位することで、それら両アームが相互逆方向変位するため、キャスター剛性が確保できないという欠点がある。
【0003】
また、このようなサスペンション装置では、アッパアーム及びロアアームの各々の車体連結部と車体との間には、弾性ブッシュが介在されている。この弾性ブッシュを堅めに設定することで、ブレーキ時のアッパアーム及びロアアームの相互逆方向変位を抑制でき、この結果、キャスター剛性を確保することができる。
【0004】
しかし、弾性ブッシュを堅めに設定すると、アッパアーム及びロアアームによる前後方向の相互同方向変位が抑制され、この結果、サスペンションの前後コンプライアンスが抑制される。このため、突起乗り越し時の衝撃の前後方向成分を、サスペンションの前後コンプライアンスで吸収できなくなり、乗り心地が悪くなるという欠点がある。
【0005】
このような欠点を解決する技術(即ちキャスター剛性確保と前後コンプライアンス確保とを両立する技術)として、特許文献1に記載の車両用サスペンション装置が開示されている。
【0006】
特許文献1に記載の車両用サスペンション装置では、アッパアーム及びロアアームの各々には、車両前後方向に離間した2つの車体連結部が設けられている。そして、アッパアームの2つの車体連結部とロアアームの2つの車体連結部とが、面状の連結部材で一体的に連結されている。この連結部材により、アッパアーム及びロアアームによる前後方向の相互同方向変位を抑制することなく、アッパアーム及びロアアームの前後方向の相互逆方向変位だけを抑制し、この結果、キャスター剛性確保と前後コンプライアンス確保とを両立している。
【0007】
しかしながら、特許文献1に記載の車両用サスペンション装置では、上記の連結部材は、アッパアームの車体連結部とロアアームの車体連結部とに一体的に連結されている。このため、アッパアーム及びロアアームのサスペンション機能としての上下回動ができなくなり、この結果、サスペンションとしての機能が損なわれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平7−246815号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
そこで、この発明は、サスペンションとしての機能を損なうこと無く、前後コンプライアンス確保とキャスター剛性確保とを両立できる車両用サスペンション装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この発明は、ダブルウィッシュボーン式の車両用サスペンション装置であって、車輪を支持するナックルと、車体に上下に回動可能に連結されると共に前記ナックルの上部を枢支するアッパアームと、前記アッパアームの下側に配置され、前記車体に上下に回動可能に連結されると共に前記ナックルの下部を枢支するロアアームと、前記アッパアームと前記ロアアームとの間に跨って設けられた連結ロッドとを備え、前記連結ロッドは、車両前後方向に傾斜した状態で配置されると共に、前記アッパアームと前記ロアアームとの各々に回動可能に連結された車両用サスペンション装置である。
【0011】
この構成によれば、上記のように構成された連結ロッドが備えられるため、サスペンションとしての機能を損なうこと無く、前後コンプライアンス確保とキャスター剛性確保とを両立することができる。
【0012】
より詳細には、連結ロッドは、アッパアームとロアアームとの間に跨って設けられ、車両前後方向に傾斜した状態で配置されるため、連結ロッドによって、ブレーキ時のアッパアーム及びロアアームの車両前後方向の相互逆方向変位を規制でき、この結果、キャスター剛性を確保できる。また、アッパアーム及びロアアームの各々の車体連結部と車体との間には、通常、弾性ブッシュが介在されるが、本発明の構成では、上記の弾性ブッシュを硬めに設定する必要がないため、弾性ブッシュによるサスペンションの前後コンプライアンスを確保することができる。
【0013】
また、連結ロッドは、アッパアームとロアアームとの各々に回動可能に連結されるため、アッパアーム及びロアアームのサスペンション機能としての上下回動を損うことなく、アッパアーム及びロアアームの各々に連結することができる。
【0014】
この発明の態様として、前記連結ロッドは、前記アッパアーム及び前記ロアアームに対して、ボールジョイント、ピロボール又は弾性ブッシュを介して連結されてもよい。
【0015】
この構成によれば、連結ロッドのアーム(アッパアーム及びロアアーム)との連結部での可動範囲を、上記の連結部の連結方向の軸線周りの回動だけでなく上記の軸線方向への回動まで広げることができる。これにより、連結ロッドをアームに連結するときの連結位置の自由度や連結角の自由度を向上できる。
【0016】
この発明の態様として、前記連結ロッドは、前高後低状に傾斜した状態で、前記アッパアームと前記ロアアームとの間に跨って連結されてもよい。
この構成によれば、アッパアーム及びロアアームが車両前後方向の相互逆方向で変位するブレーキ時に、連結ロッドに屈曲荷重ではなく引張荷重を作用させることができ、この結果、連結ロッドを軽量化できる。
【0017】
この発明の態様として、前記連結ロッドの前端部は、前記アッパアームの前辺部の前側に連結されてもよい。
上記の構成によれば、連結ロッドを、より一層車両前後方向に倒した状態でアッパアーム及びロアアームの間に跨設でき、この結果、連結ロッドによって、アッパアームとロアアームとの車両前後方向の相互逆方向変位を効果的に抑制することができる。
【0018】
この発明の態様として、前記連結ロッドの後端部は、ロアアームの後辺部の後側に連結されてもよい。
この構成によれば、連結ロッドを、より一層車両前後方向に倒した状態でアッパアーム及びロアアームの間に跨設でき、この結果、連結ロッドでアッパアームとロアアームとの車両前後方向の相互逆方向変位を効果的に抑制することができる。
【0019】
この発明の態様として、前記ナックルには、前記ナックルを車両左右方向に回動させるための操舵ロッドが連結される操舵ロッド連結部が設けられ、前記ロアアームには、前記連結ロッドが連結される連結ロッド連結部が設けられ、前記連結ロッド連結部は、前記ナックルにおける車両前後方向の中心に対して、前記操舵ロッド連結部の車両前後方向反対側に配置されていてもよい。
【0020】
この構成によれば、連結ロッド連結部は、ナックルにおける車両前後方向の中心に対して、操舵ロッド連結部の車両前後方向反対側に配置しているため、操舵ロッドと干渉することなく、連結ロッドをロアアームに連結することができる。
【0021】
この発明の態様として、前記ロアアームには、前記連結ロッドが連結される連結ロッド連結部が設けられると共に、スタビライザが連結されるスタビ連結部が設けられ、前記連結ロッド連結部は、前記ロアアームにおいて、前記スタビ連結部の車両前後方向反対側に配置されていてもよい。
この構成によれば、連結ロッド連結部は、ロアアームにおいて、スタビ連結部の前後方向反対側に配置されているため、スタビライザと干渉することなく、連結ロッドをロアアームに連結することができる。
【0022】
この発明の態様として、前記連結ロッドは、前記アッパアーム及び前記ロアアームの各々の前記車体側及び前記ナックル側のうち前記車体側に寄った位置に連結されてもよい。
この構成によれば、連結ロッドの質量が各アームの上下回動の機敏な動きを妨げることを抑制できる。
【発明の効果】
【0023】
この発明によれば、サスペンションとしての機能を損なうこと無く、前後コンプライアンス確保とキャスター剛性確保とを両立できる車両用サスペンション装置を提供することを目的とする。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】車両用サスペンション装置を示す斜視図。
図2】車両用サスペンション装置を車輪側から見た側面図。
図3】車両用サスペンション装置を示す平面図(ダンパーは図示省略)。
図4】アッパアーム、ロアアーム及び連結ロッドを車輪側から見た側面図。
図5図4の断面図。
図6】連結ロッドの取付位置の変形例を示す側面図。
図7】連結ロッドの両端部の角度に関する変形例を示す側面図。
図8図7の領域W1を示す拡大断面図。
図9図7の領域W1の変形例を示す拡大断面図。
図10】アッパアームが平面視略V字形である場合の平面視図。
図11】ロアアームが平面視略L字形である場合の平面視図。
図12】ロアアームが平面視略L字形である場合の車体側から見た側面図。
【発明を実施するための形態】
【0025】
<実施形態>
この発明の一実施形態を以下図面と共に説明する。
図1図5を参照して、この実施形態に係る車両用サスペンション装置1について説明する。この車両用サスペンション装置1は、自動車などの車両のサスペンションに適用可能なダブルウィッシュボーン型のサスペンション装置である。以下では、この車両用サスペンション装置1をフロントサスペンションに適用した場合を例に挙げて詳しく説明する。
【0026】
なお、図1等において、矢印で示した「前側」「後側」「内側」「外側」「上側」「下側」はそれぞれ、車両前方側、車両後方側、車幅方向内側、車幅方向外側、車両上方側、及び、車両下方側を示している。
【0027】
図1及び図2に示すように、この車両用サスペンション装置1は、車輪を回転可能に支持するナックル11の上部及び下部を支持するアッパアーム12とロアアーム13の間に、車両前後方向に傾斜した状態で、連結ロッド16が連結されたものである。
【0028】
<車体前部>
図1及び図2に示すように、車両用サスペンション装置1は、車体前部3の左右両側(即ち車幅方向外側)の側面3aに取り付けられている。なお、図1では、車体前部3の左側のみ図示されている。車体前部3は、左右一対のフロントサイドフレーム31と、左右一対のサイドメンバ32と、フロントサイドフレーム31とサイドメンバ32とを互いに連結する連結メンバ33とを備えている。
【0029】
フロントサイドフレーム31は、車両前後方向に延在した棒状の部材であり、車体前部3の左右両側に配置されている。サイドメンバ32は、車両前後方向に延在した棒状の部材であり、車体前部3の左右両側に配置されると共に左右両側のフロントサイドフレーム31の各々の下側に間隔を空けて配置されている。サイドメンバ32の上面の前側及び後側にはそれぞれ、連結メンバ33が設けられている。サイドメンバ32とその上側のフロントサイドフレーム31は、上記の連結メンバ33によって互いに連結されている。フロントサイドフレームの上面には、後述のダンパー14の上端部を支持するサスタワー40が設けられている。フロントサイドフレーム31、サイドメンバ32、連結メンバ33及びサスタワー40の各々の車幅方向外側の側面によって、車体前部3の車幅方向外側の側面3aが構成されている。
【0030】
<車両用サスペンション装置>
図1図3に示すように、車両用サスペンション装置1は、前輪を回転可能に支持するナックル11と、ナックルの上部を支持するアッパアーム12と、ナックル11の下部を支持するロアアーム13と、地面からの衝撃を吸収するダンパー14と、左右の車両用サスペンション装置1の上下回動のバラツキを抑制するスタビライザ15と、ブレーキ時のアッパアーム12及びロアアーム13の前後方向の相互逆方向変位を抑制する連結ロッド16とを備えている。
【0031】
<アッパアーム>
図3及び図4に示すように、アッパアーム12は、例えば平面視略A字形に形成されている。アッパアーム12は、ナックル11の上部に連結されるナックル連結部121と、車体前部3の側面3aの上部に連結される前後一対の車体連結部(前側車体連結部122a及び後側車体連結部122b)と、ナックル連結部121と前側車体連結部122aとを連結する前側アーム部123と、ナックル連結部121と後側車体連結部122bとを連結する後側アーム部124と、前側アーム部123と後側アーム部124との間に跨って設けられた連結アーム部125と、連結ロッド16の前端部が連結される連結ロッド連結部126とを備えている。
【0032】
ナックル連結部121の下面には、ナックル11の上部に設けられた後述のボールジョイントが枢支状に連結される凹部121aが設けられている。
【0033】
各車体連結部122a,122bは、車体前部3の左右両側の側面3aの上部(例えばフロントサイドフレーム31の車幅方向外側の側面)において、互いに前後方向に間隔を空けると共に上下方向に回動可能に連結されている(図1及び図2参照)。より詳細には、各車体連結部122a,122bはそれぞれ、円筒状に形成されており、それらの筒軸線は、車両前後方向に延び且つ互いに同軸状に配置されている。各車体連結部122a,122bの各々の筒内には、円筒状の弾性ブッシュDBが同心状に嵌合されている(図1参照)。
【0034】
これに対し、図1及び図2に示すように、車体前部3の左右両側の側面3aの上部(例えばフロントサイドフレーム31の車幅方向外側の側面)には、各車体連結部122a,122bを上下方向に回動可能に支持する前後一対の支持ブラケット(前側支持ブラケット35a及び後側支持ブラケット35b)が設けられている。
【0035】
各支持ブラケット35a,35bはそれぞれ、車両前後方向に延びた回動軸部35c,35dの両端部を支持している。各回動軸部35c,35dはそれぞれ、アッパアーム12の各車体連結部122a,122b内の弾性ブッシュDBの中心孔内に回動可能に挿通されている。各支持ブラケット35a,35bはそれぞれ、その前端部及び後端部が車幅方向外側に屈曲された形の平面視略コ字形に形成されており、その前端部及び後端部がそれぞれ各回動軸部35c,35dの前端部及び後端部に連結されることで、各回動軸部35c,35dの両端部(即ち上記の前端部及び後端部)を支持している。
【0036】
各回動軸部35c,35dは、同軸線上に配置すると共に、例えば車両前方斜め上側に傾斜している。これにより、アッパアーム12は、前高後低状に傾斜した状態で、車体前部3の側面3aの上部に連結されている。
【0037】
より詳細には、例えば、車体前部3の側面3aの上部には、前後一対の収容凹部(前側収容凹部36a及び後側収容凹部36b)が設けられている(図1及び図2参照)。各支持ブラケット35a,35bはそれぞれ、各収容凹部36a,36bの内部に設けられている。
【0038】
前側アーム部123は、車幅方向外側ほど斜め後方に延びると共に、例えば車両前側に凸状に湾曲した棒状に形成されている。前側アーム部123の長手方向外側の端部は、ナックル連結部121に連結されており、前側アーム部123の長手方向内側の端部は、前側車体連結部122aに連結されている。
【0039】
後側アーム部124は、車幅方向外側ほど斜め前方に延びると共に、例えば車両後側に凸状に湾曲した棒状に形成されている。後側アーム部124の長手方向外側の端部は、ナックル連結部121に連結されており、後側アーム部124の長手方向内側の端部は、後側車体連結部122bに連結されている。
【0040】
連結アーム部125は、車両前後方向に延びると共に、例えば車幅方向内側に凸状に湾曲した棒状に形成されている。連結アーム部125の長手方向前側の端部は、前側アーム部123の長手方向内側の端部付近に連結され、連結アーム部125の長手方向後側の端部は、後側アーム部124の長手方向内側の端部付近に連結されている。
【0041】
連結ロッド連結部126は、アッパアーム12の前辺部の前側(即ち前側アーム部123の前側)に設けられている。より詳細には、連結ロッド連結部126は、前側アーム部123の長手方向内側の端部付近に設けられている。換言すれば、連結ロッド連結部126は、前側アーム部123と連結アーム部125との連結部の前側に設けられている。
【0042】
また、連結ロッド連結部126は、車両前方斜め上方に向かって突出しており、その下面には、連結ロッド16の前端部が連結されるボールジョイント126aが設けられている(図5参照)。このように、連結ロッド連結部126が車両前方斜め上方に向かって突出することで、連結ロッド連結部126は、後述のように直線状の棒状に形成される連結ロッド16に対して略平行に配置され、この結果、連結ロッド16の前端部を連結ロッド連結部126に連結させるとき、連結ロッド連結部126に対する連結ロッド16の連結角度が無理な角度になることを回避することができる。即ち、連結ロッド16が車幅方向に回動できるだけでなく、車両前後方向にも回動可能に、連結ロッド16の前端部を連結ロッド連結部126に連結することができる。
【0043】
このように構成されたアッパアーム12は、上述のように各車体連結部122a,122bが各支持ブラケット35a,35bに回動可能に支持されることで、車体前部3の側面3aに対して上下動可能に連結されている。
【0044】
<ロアアーム>
図3及び図4に示すように、ロアアーム13は、例えば平面視略A字形に形成されている。ロアアーム13は、ナックル11の下部に連結されるナックル連結部131と、車体前部3の側面3aの下部に連結される前後一対の車体連結部(前側車体連結部132a及び後側車体連結部132b)と、ナックル連結部131と前側車体連結部132aとを連結する前側アーム部133と、ナックル連結部131と後側車体連結部132bとを連結する後側アーム部134と、前側アーム部133と後側アーム部134との間に跨って設けられた連結アーム部135及び傾斜連結部136と、ダンパー14の下端部が連結されるダンパー連結部137と、スタビライザ15の端部が連結されるスタビ連結部138と、連結ロッド16の下端部が連結される連結ロッド連結部139とを備えている。
【0045】
ナックル連結部131の下面には、ナックル11の下部に設けられた後述のボールジョントが枢支状に連結される凹部131aが設けられている。
【0046】
各車体連結部132a,132bは、車体前部3の左右両側の側面3aの下部に、互いに前後方向に間隔を空けると共に上下方向に回動可能に連結されている(図1及び図2参照)。より詳細には、各車体連結部132a,132bはそれぞれ、円筒状に形成されており、それらの筒軸線は、車両前後方向に延び且つ互いに同軸状に配置されている。各車体連結部132a,132bの各々の筒内には、円筒状の弾性ブッシュDBが同心状に嵌合されている(図1参照)。
【0047】
これに対し、図1及び図2に示すように、車体前部3の左右両側の側面3aの下部(例えばサイドメンバ32の車幅方向外側の側面)には、各車体連結部132a,132bを上下方向に回動可能に支持する前後一対の支持ブラケット(前側支持ブラケット37a及び後側支持ブラケット37b)が設けられている。
【0048】
各支持ブラケット37a,37bはそれぞれ、車両前後方向に延びた回動軸部37c,37dを支持している。各回動軸部37c,37dはそれぞれ、ロアアーム13の各車体連結部132a,132b内の弾性ブッシュDBの中心孔内に回動可能に挿通されている。各支持ブラケット37a,37bはそれぞれ、その前端部及び後端部が車幅方向外側に屈曲された形の平面視略コ字形に形成されており、その前端部及び後端部がそれぞれ各回動軸部37c,37dの前端部及び後端部に連結されることで、各回動軸部37c,37dの両端部(即ち上記の前端部及び後端部)を支持している。
【0049】
各回動軸部37c,37dは、同軸線上に配置すると共に、例えば車両前後方向に平行に配置している。これにより、ロアアーム13は、車両前後方向に平行な状態で、車体前部3の側面3aの下部に連結されている。
【0050】
より詳細には、例えば、車体前部3の側面3aの下部には、前後一対の収容凹部(前側収容凹部38a及び後側収容凹部38b)が設けられている(図1及び図2参照)。各支持ブラケット37a,37bはそれぞれ、各収容凹部38a,38bの内部に設けられている。
【0051】
前側アーム部133は、車幅方向外側ほど斜め後方に延びた棒状に形成されている。より詳細には、前側アーム部133は、前側車体連結部132a側から車幅方向外側に略平行に延び、そして屈曲して斜め後方に延び、そして屈曲して車幅方向外側に略平行に延びた形に形成されている。前側アーム部133の長手方向外側の端部は、ナックル連結部131に連結され、前側アーム部133の長手方向内側の端部は、前側車体連結部132aに連結されている。
【0052】
後側アーム部134は、車幅方向外側ほど斜め前方に延びた棒状に形成されている。より詳細には、後側アーム部134は、後側車体連結部132b側から車幅方向外側に略平行に延び、そして屈曲して斜め前方に延び、そして屈曲して車幅方向外側に略平行に延び、そして屈曲して斜め前方に延びた形に形成されている。後側アーム部134の長手方向外側の端部は、ナックル連結部131に連結され、後側アーム部134の長手方向内側の端部は、後側車体連結部132bに連結されている。
【0053】
即ち、前側アーム部133と後側アーム部134との間隔(即ちロアアーム13の前後方向の幅)は、ナックル連結部131側では相対的に狭く、車体連結部132a,132b側では相対的に広く、ナックル連結部131と車体連結部132a,132bとの間の中間では、ナックル連結部131側ほど漸次狭くなっている。
【0054】
連結アーム部135は、車両前後方向に延びた棒状に形成されている。連結アーム部135の長手方向前側の端部は、前側アーム部133の長手方向内側の端部付近に連結され、連結アーム部135の長手方向後側の端部は、後側アーム部134の長手方向内側の端部付近に連結されている。
【0055】
傾斜連結部136は、例えば、車両前方ほど車幅方向外側に傾いて延びた細長な平板状に形成されている。傾斜連結部136の長手方向前側の端部は、前側アーム部133の長手方向中央に連結され、傾斜連結部136の長手方向後側の端部は、後側アーム部134の長手方向内側の端部付近に連結されている。
【0056】
ダンパー連結部137は、ロアアーム13のナックル連結部131付近の狭幅部分に設けられている(図1参照)。ダンパー連結部137は、ダンパー14の下端部を回動可能に支持する回動軸部(図示省略)を備えている。上記の回動軸部は、前後方向に延びており、その前端部及び後端部はそれぞれ、前側アーム部133における上記の狭幅部分の前部を構成する部分及び後側アーム部134における上記の狭幅部分の後部を構成する部分に連結されている。
【0057】
スタビ連結部138は、ロアアーム13の前辺部の前側(即ち前側アーム部133の前側)のナックル連結部131付近に設けられている。
【0058】
連結ロッド連結部139は、ロアアーム13の後辺部の後側(即ち後側アーム部134の後側)に設けられている。即ち、連結ロッド連結部139は、ロアアーム13において、スタビ連結部138の反対側に設けられている。また、連結ロッド連結部139は、後側アーム部134の長手方向内側の端部付近に設けられている。即ち、連結ロッド連結部139は、後側アーム部134と連結アーム部135との連結部の後側に設けられている。
【0059】
また、連結ロッド連結部139は、車両後方斜め下方に向かって突出しており、その上面には、連結ロッド16の後端部が連結されるボールジョイント139aが設けられている(図5参照)。このように、連結ロッド連結部139が車両後方斜め下方に向かって突出することで、連結ロッド連結部139は、後述のように直線状の棒状に形成される連結ロッド16に対して略平行に配置され、この結果、連結ロッド16の後端部を連結ロッド連結部139に連結させるとき、連結ロッド連結部139に対する連結ロッド16の連結角度が無理な角度になることを回避することができる。即ち、連結ロッド16が車幅方向に回動できるだけでなく、車両前後方向にも回動可能に、連結ロッド16の前端部を連結ロッド連結部126に連結することができる。
【0060】
このように構成されたロアアーム13は、上述のように各車体連結部132a,132bが各支持ブラケット37a,37bに回動可能に支持されることで、アッパアーム12の下側に配置されると共に、車体前部3の側面3aに対して上下動可能に連結されている。
【0061】
<ナックル>
図1図3に示すように、ナックル11は、ナックル本体111と、前輪を回転可能に支持するハブ112と、図示省略の操舵機構からの操舵ロッド50が連結される操舵ロッド連結部113とを備えている。操舵ロッド50は、ナックル11を車両左右方向に回動させるためのロッドである。
【0062】
ナックル本体111は、例えば、車幅方向を向いた主板部111sと、その主板部111sの周縁から車幅方向内側に向けて立設された周壁部111tとを備えている。主板部111sは、例えば、縦長で上部が車幅方向内側に傾斜している。
【0063】
ナックル本体111の上部(例えば周壁部111tの上端部の上面)には、ボールジョイントが設けられており、このボールジョイントは、アッパアーム12のナックル連結部121の下面の凹部121a内に枢支状に連結されている。ナックル本体111の下部(例えば周壁部111tの下端部の上面)には、ボールジョイントが設けられており、このボールジョイントは、ロアアーム13のナックル連結部131の下面の凹部131a内に枢支状に連結されている。
【0064】
このように、ナックル11は、その上部及び下部の設けられた各ボールジョイントがそれぞれ各アーム12,13のナックル連結部121,131の凹部121a,131aに枢支状に連結されることで、車体に対して上下動可能で且つ車両左右方向に回動可能に各アーム12,13によって支持されている。
【0065】
ハブ112は、ナックル本体111の車幅方向外側の側面(即ち主板部111sの車幅方向外側の主面)において、例えばナックル本体111の上下方向の中心で且つ前後方向の中心に、回転可能に連結されている。
【0066】
操舵ロッド連結部113は、ナックル本体111の前端において、例えばその上下方向の中心に、車両前方に突出するように設けられている。即ち、操舵ロッド連結部113は、ナックル11の前後方向の中心に対して、連結ロッド連結部139の前後方向反対側に配置されている。操舵ロッド連結部113には、例えばその上面に、ボールジョイントが設けられており、このボールジョイントには、操舵ロッド50の先端部が枢支状に連結されている。
【0067】
<ダンパー>
図1に示すように、ダンパー14は、その長手方向に伸縮可能なダンパー本体141と、ダンパー本体141の上半部の外周に装着され、ダンパー本体141を伸長方向に付勢するスプリング142を備えている。
【0068】
ダンパー14は、アッパアーム12の各アーム部(前側アーム部123,後側アーム部124及び連結アーム部125)で構成された開口部内を挿通して配置されている。ダンパー本体141の上端部は、車体前部3の側面3aの上端部に連結され、ダンパー本体141の下端部は、ロアアーム13のダンパー連結部137に連結されている。
【0069】
より詳細には、ダンパー本体141の上端部及び下端部にはそれぞれ、車両前後方向に延びた貫通孔141a,141bが設けられており、それら各貫通孔141a,141bには、円筒状の弾性ブッシュDBが嵌合されている。
【0070】
これに対し、車体前部3の左右両側の上部(即ちフロントサイドフレーム31の上部)には、サスタワー40が立設されている。サスタワー40の車幅方向外側の側面(即ち車体前部3の側面3aの上端部)には、ダンパー本体141の上端部を支持する支持ブラケット41が設けられている。
【0071】
支持ブラケット41は、車両前後方向に延びた回動軸部41aの両端部を支持している。回動軸部41aは、ダンパー本体141の上端部の貫通孔141a内の弾性ブッシュDBの中心孔内に回動可能に挿通されている。支持ブラケット41は、その前端部及び後端部が下方に屈曲された形の側面視略コ字形に形成されており、その前端部及び後端部がそれぞれ回動軸部41aの前端部及び後端部に連結されることで、回動軸部41aの両端部(即ち上記の前端部及び後端部)を支持している。このように、ダンパー本体141の上端部は、上記のように支持ブラケット41に支持されることで、車体前部3の側面3aの上端部において車幅方向に回動可能に連結されている。
【0072】
他方、ダンパー本体141の下端部は、その貫通孔141b内の弾性ブッシュDBの中心孔内に、前後方向に延びた回動軸部(図示省略)が挿通され、その回動軸部の前後両端部がロアアーム13のダンパー連結部137に支持されることで、ダンパー連結部137において車幅方向に回動可能に連結されている。
【0073】
<スタビライザ>
図1に示すように、スタビライザ15は、スタビライザ本体151と、スタビライザ本体151の両端を左右両側のロアアーム13のスタビ連結部138に連結する一対の棒状のリンク部152とを備えている。図1では、左右両側のリンク部152のうちの左側のリンク部のみ図示されている。
【0074】
スタビライザ本体151は、車幅方向に延びた棒状に形成され、その長手方向の両端部はそれぞれ、車両方向外側ほど車両斜め後側に傾斜している。スタビライザ本体151における長手方向中央の両側の部分は、取付部品153によって車体前部に回動可能に取り付けられている。図1では、左右両側の取付部品153のうちの左側のリンク部152のみ図示されている。
【0075】
この取付状態で、スタビライザ本体151の長手方向の両端部は、ロアアーム13よりも前側で且つロアアーム13よりも上側に配置され、上下方向に回動可能になっている。また、この取付状態で、スタビライザ本体151の長手方向の両端部は、リンク部152を介して、ロアアーム13のスタビ連結部138に連結されている。
【0076】
<連結ロッド>
図3図5に示すように、連結ロッド16は、直線状の棒状に形成されている。連結ロッド16における長手方向の前端部の上面には、凹部16uが設けられており、この凹部16uには、アッパアーム12の連結ロッド連結部126に設けられたボールジョイント126aが枢支状に連結されている。連結ロッド16における長手方向の後端部の下面には、凹部16dが設けられており、この凹部16dには、ロアアーム13の連結ロッド連結部139に設けられたボールジョイント139aが枢支状に連結されている。
【0077】
なお、図5中のDKは、ボールジョイント126a,139aを覆う弾性カバーである。弾性カバーDKは、筒状に形成され、連結ロッド16の端部と連結ロッド連結部126,139との間に配置されると共に、ボールジョイント126a,139aの外周に装着されている。
【0078】
このように、連結ロッド16は、その前端部がボールジョイント126aを介してアッパアーム12の連結ロッド連結部126に枢支状に連結されると共に、その後端部がボールジョイント139aを介してロアアーム13の連結ロッド連結部139に枢支状に連結されている。これにより、連結ロッド16は、前高後低状に傾斜した状態で、アッパアーム12とロアアーム13の間に跨って設けられている。また、連結ロッド16は、各アーム12,13の上下回動に伴って逆方向に回動可能である。これにより、連結ロッド16は、各アーム12,13の上下回動を妨げることなく、各アーム12,13間に跨って設けられている。また、連結ロッド16は、各アーム12,13のナックル11側と車体側のうちの車体側に設けられている。
【0079】
<主要な効果>
以上、この実施形態に係る車両用サスペンション装置1によれば、車輪を支持するナックル11と、車体に上下に回動可能に連結されると共にナックル11の上部を枢支するアッパアーム12と、アッパアーム12の下側に配置され、車体に上下に回動可能に連結されると共にナックル11の下部を枢支するロアアーム13と、アッパアーム12とロアアームとの間に跨って設けられた連結ロッド16とを備え、連結ロッド16は、車両前後方向に傾斜した状態で配置されると共に、アッパアーム12とロアアーム13との各々に回動可能に連結されている。
【0080】
この構成によれば、上記のように構成された連結ロッド16が備えられるため、サスペンションとしての機能を損なうこと無く、前後コンプライアンス確保(即ち各アーム12,13の車両前後方向の相互同方向変位の緩和)とキャスター剛性確保とを両立することができる。
【0081】
より詳細には、連結ロッド16は、アッパアーム12とロアアーム13との間に跨って設けられ、車両前後方向に傾斜した状態で配置されるため、連結ロッド16によって、ブレーキ時のアッパアーム12及びロアアーム13の車両前後方向の相互逆方向変位を抑制でき、この結果、キャスター剛性を確保できる。また、アッパアーム12及びロアアーム13の各々の車体連結部122a,122b,132a,132bと車体との間には、通常、弾性ブッシュDBが介在されるが、この車両用サスペンション装置1では、上記の各アーム12,13の車両前後方向の相互逆方向変位を抑制するために弾性ブッシュDBを硬めに設定する必要がないため、サスペンションの前後コンプライアンスを確保することができる。
【0082】
また、連結ロッド16は、アッパアーム12とロアアーム13との各々に回動可能に連結されるため、アッパアーム12及びロアアーム13のサスペンション機能としての上下回動を損なうことなく、アッパアーム12及びロアアーム13の各々に連結することができる。
【0083】
また、連結ロッド16は、アッパアーム12及びロアアーム13に対してボールジョイント126a,139aを介して連結されるため、連結ロッド16の各アーム12,13との連結部での可動範囲を、上記の連結部の連結方向の軸線周り(ボールジョイント126a,139aの軸線周り)の回動だけでなく上記の軸線方向(即ち車両前後方向)の回動まで広げることができる。これにより、連結ロッド16を各アーム12,13に連結するときの連結位置の自由度や連結角度の自由動を向上することができる。
【0084】
また、連結ロッド16は、前高後低状に傾斜した状態で、アッパアーム12とロアアーム13との間に跨って連結されるため、アッパアーム12及びロアアーム13が車両前後方向の相互逆方向で変位するブレーキ時に、連結ロッド16に屈曲荷重ではなく引張荷重を作用させることができ、この結果、連結ロッド16を軽量化できる。
【0085】
また、連結ロッド16における長手方向の前端部は、アッパアーム12の前辺部の前側に連結されているため、連結ロッド16をより一層車両前後方向に倒した状態でアッパアーム12及びロアアーム13の間に跨設でき、この結果、連結ロッド16によって、各アーム12,13の車両前後方向の相互逆方向変位を効果的に抑制することができる。
【0086】
また、連結ロッド16における長手方向の後端部は、ロアアーム13の後辺部の後側に連結されているため、連結ロッド16をより一層車両前後方向に倒した状態でアッパアーム12及びロアアーム13の間に跨設でき、この結果、連結ロッド16で各アーム12,13の車両前後方向の相互逆方向変位を効果的に抑制することができる。
【0087】
また、ナックル11には、ナックル11を車両左右方向に回動させるための操舵ロッド50が連結される操舵ロッド連結部113が設けられ、ロアアーム13には、連結ロッド16が連結される連結ロッド連結部139が設けられ、連結ロッド連結部139は、ナックル11における車両前後方向の中心に対して、操舵ロッド連結部113の車両前後方向反対側に配置されている。このため、操舵ロッド50と干渉することなく、連結ロッド16をロアアーム13に連結することができる。
【0088】
また、ロアアーム13には、連結ロッド16の後端部が連結される連結ロッド連結部139が設けられると共に、スタビライザ15が連結されるスタビ連結部138が設けられ、連結ロッド連結部139は、ロアアーム13において、スタビ連結部138の車両前後方向反対側に配置されているため、スタビライザ15と干渉することなく、連結ロッド16をロアアーム13に連結することができる。
【0089】
また、連結ロッド16は、アッパアーム12及びロアアーム13の各々の車体側及びナックル11側のうち車体側に寄った位置に連結されているため、連結ロッド16の質量が各アーム12,13の上下回動の機敏な動きを妨げることを抑制できる。
【0090】
<変形例1>
上記の実施形態では、連結ロッド16は、前高後低に傾斜した状態で、アッパアーム12とロアアーム13との間に跨設されたが、図6に示すように、前低後高に傾斜した状態で、アッパアーム12とロアアーム13との間に跨設されてもよい。この場合は、アッパアーム12側の連結ロッド連結部126は、アッパアーム12の後辺部(即ち後側アーム部124)の後側に設けられる。また、ロアアーム13側の連結ロッド連結部139は、ロアアーム13の前辺部(即ち前側アーム部133)の前側に設けられる。この場合、ブレーキ時に、連結ロッド16に圧縮荷重が作用することで、各アーム12,13の車両前後方向の相互逆方向変位が抑制される。
【0091】
なお、前高後低に傾斜した状態の連結ロッド16と、前低後高に傾斜した状態の連結ロッド16との両方を各アーム12,13の間に跨設してもよい。この場合は、各連結ロッド16は、互いに車幅方向にずらして配置される。
【0092】
<変形例2>
図7に示すように、この変形例2では、アッパアーム12の連結ロッド連結部126は、アッパアーム12の前辺部の前側から車両前方に略水平に突出して設けられており、その前端面は、車両前方を向いた略鉛直な平坦面である。ロアアーム13の連結ロッド連結部139は、ロアアーム13の後辺部の後側から車両後方に略水平に突出して設けられており、その後端面は、車両後方を向いた略鉛直な平坦面である。連結ロッド16は、直線状の棒状に形成されると共に、その長手方向の前端部が上方に向かって屈曲し、その長手方向の後端部が下方に向かって屈曲している。
【0093】
この変形例2では、連結ロッド16の前端部及び後端部がそれぞれ上方及び下方に屈曲することで、連結ロッド16の前端部及び後端部をそれぞれ、連結ロッド連結部126の前端面及び連結ロッド連結部139の後端面に対して略平行に配置させている。これにより、連結ロッド16の前端部及び後端部をそれぞれ、連結ロッド連結部126の前端面及び連結ロッド連結部139の後端面に連結させるときの連結角度が無理な角度になることを回避している。
【0094】
また、例えば図8に示すように、この変形例2では、連結ロッド16の前端部及び後端部はそれぞれ、ボールジョイント126a,139aの代わりにピロボールPBを介して連結ロッド連結部126の前端面及び連結ロッド連結部139の後端面に連結されている。即ち、連結ロッド16の前端部及び後端部にはそれぞれ、車両前後方向に沿った貫通孔16aが設けられ、それら各貫通孔16a内にはそれぞれピロボールPBが装着されている。
【0095】
ピロボールPBは、筒状のピロボール受部PB1と、ピロボール受部PB1内に枢支状に装着されたピロボール本体PB2とを備えている。ピロボール受部PB1は、連結ロッド16の前端部及び後端部の各貫通孔16a内に装着されている。ピロボール本体PB2の中心には、貫通孔PB3が設けられている。図8中のDKは、ピロボール受部PB1とピロボール本体との連結部分を被覆する弾性カバーである。
【0096】
連結ロッド16の後端部に装着されたピロボール本体PB2は、その貫通孔PB3に挿通されたボルトBTがロアアーム13の連結ロッド連結部139の後端面に略直交して固定されることで、連結ロッド連結部139の後端面に固定されている。同様に、連結ロッド16の前端部に装着されたピロボール本体PB2は、アッパアーム12の連結ロッド連結部126の前端面に固定されている。このように、連結ロッド16の前端部及び後端部はそれぞれ、ピロボールPBを介して各連結ロッド連結部126,139に枢支状に連結されている。
【0097】
なお、この変形例2でも、上記の実施形態と同様に、ピロボールPBの代わりにボールジョイントを介して、連結ロッド16の前端部及び後端部をそれぞれ、連結ロッド連結部126の前端面及び連結ロッド連結部139の後端面に枢支状に連結してもよい。
【0098】
<変形例3>
図7及び図9に示すように、上記の変形例2において、ピロボールPBの代わりに弾性ブッシュDBを用いてもよい。この場合は、連結ロッド16の前端部及び後端部の各貫通孔16a内には、ピロボールPBの代わりに弾性ブッシュDBが装着されている。弾性ブッシュDBは、外筒部BD1と、外筒部DB1の内部に同心状に配置された内筒部DB2と、外筒部DB1と内筒部DB2との間に設けられた筒状の弾性部材DB3とを備えている。
【0099】
連結ロッド16の後端部に装着された弾性ブッシュDBは、その内筒部DB2内に挿通されたボルトBTがロアアーム13の連結ロッド連結部139の後端面に略直交して固定されることで、連結ロッド連結部126の後端面に固定されている。同様に、連結ロッド16の前端部に装着された弾性ブッシュDBは、アッパアーム12の連結ロッド連結部126の前端面に固定されている。このように、連結ロッド16の前端部及び後端部はそれぞれ、弾性ブッシュDBを介して連結ロッド連結部126の前端面及び連結ロッド連結部139の後端面に連結されている。
【0100】
<変形例4>
上記の実施形態では、アッパアーム12は平面視略A字形に形成されたが、図10に示すように、アッパアーム12は平面視略V字形に形成されてもよい。この場合のアッパアーム12は、上記の実施形態のアッパアーム12から連結アーム部125を省略したもの相当する。
【0101】
<変形例5>
上記の実施形態では、ロアアーム13は平面視略A字形に形成されたが、図11及び図12に示すように、ロアアーム13Lは平面視略L字形に形成されてもよい。この場合のロアアーム13Lは、ナックル11の下部に連結されるナックル連結部131と、車体前部3の側面3aの下部に連結される前後一対の車体連結部(前側車体連結部132a及び後側車体連結部132b)と、ナックル連結部131と前側車体連結部132aとを連結する横アーム部133Lと、横アーム部133Lと後側車体連結部132bとを連結する縦アーム部134Lと、二股に分かれるダンパー14の下端部に挟まれるように連結されるダンパー連結部137と、スタビライザ15の端部が連結されるスタビ連結部138と、連結ロッド16の下端部が連結される連結ロッド連結部139とを備えている。なお、ナックル連結部131、前側車体連結部132a及び後側車体連結部132bは、上記の実施形態と同様に構成されている。
【0102】
横アーム部133Lは、車幅方向に延びており、その車幅方向外側の端部は、ナックル連結部131に連結され、その車幅方向内側の端部は、前側車体連結部132aに連結されている。縦アーム部134Lは、横アーム部133Lにおける長手方向内側の端部付近から車両後方に延びており、縦アーム部134Lにおける長手方向の後端部は、車幅方向内側に屈曲して後側車体連結部132bに連結されている。縦アーム部134Lの車幅方向の幅は、車両後方ほど漸次幅細になっている。
【0103】
ダンパー連結部137は、横アーム部133Lのナックル連結部131の内側に立設されている。ダンパー連結部137には、略前後方向に貫通した貫通孔が設けられている。締結部品(例えばボルト)がダンパー本体141の下端部の貫通孔141bを挿通してダンパー連結部137の貫通孔に固定されることで、ダンパー本体141の下端部は、車幅方向に回動可能にダンパー連結部137に連結される。
【0104】
スタビ連結部138は、横アーム部133Lにおける長手方向の中央付近に(例えばダンパー連結部137の内側に隣接して)立設されている。
【0105】
連結ロッド連結部139は、縦アーム部134Lにおける長手方向の中央付近に設けられている。連結ロッド連結部139は、車両後方側に傾斜した台座部として形成されている。連結ロッド連結部139の上端面は、車両後方斜め下方に傾斜しており、上記の上端面に略垂直に連結ロッド16の下端部が連結されるボールジョイント(図示省略)が設けられている。
【0106】
このように連結ロッド連結部139の上端面が傾斜していることで、上記の上端面は、連結ロッド16に対して略平行になり、この結果、連結ロッド16の後端部を連結ロッド連結部139に連結させるとき、連結ロッド連結部139に対する連結ロッド16の連結角度が無理な角度になることを回避することができる。
【0107】
この変形例5では、アッパアーム12は、上記の実施形態と同様に平面視略A字形に構成されている。また、アッパアーム12及びロアアーム13Lが車体前部3の側面3aに連結された状態では、アッパアーム12は、ロアアーム13Lよりも少し車両前方にシフトして配置される。このため、連結ロッド16は、アッパアーム12の前辺部の前側と、ロアアーム13Lの長手方向の中間付近との間に跨設されても、連結ロッド16の傾斜を十分に車両前後方向に傾斜させることができる。
【0108】
この変形例5では、ロアアーム13Lは、横アーム部133Lが車両前方側になるように用いられるが、横アーム部133Lが車両後方側なるように用いられても良い。また、この変形例5では、アッパアーム12とロアアーム13Lのうちロアアーム13Lが平面視略L字形に形成されたが、アッパアーム12が平面視略L字形に形成されてもよく、両方のアーム12,13Lが平面視略L字形に形成されてもよい。
【0109】
この発明は、上述の実施形態及び変形例の構成のみに限定されるものではなく、上述の実施形態及び変形例の組み合わせも含み、多くの実施の形態を得ることができる。
【産業上の利用可能性】
【0110】
この発明は、自動車などの車両に適用可能な車両用サスペンション装置、特にダブルウィッシュボーン式のサスペンション装置への適用が可能である。
【符号の説明】
【0111】
1…車両用サスペンション装置
11…ナックル
12…アッパアーム
13…ロアアーム
16…連結ロッド
113…操舵ロッド連結部
126a,139a…ボールジョイント
138…スタビ連結部
139…連結ロッド連結部
PB…ピロボール
DB…弾性ブッシュ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
【手続補正書】
【提出日】2018年12月21日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、自動車などの車両に適用可能な車両用サスペンション装置に関し、特にダブルウィッシュボーン式のサスペンション装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のダブルウィッシュボーン式のサスペンション装置は、車輪を支持するナックルと、ナックルの上部及び下部を支持する上下一対のアーム(アッパアーム及びロアアーム)とを備えている。このようなサスペンション装置では、ブレーキ時には、アッパアームが前方変位すると共にロアアームが後方変位することで、それら両アームが相互逆方向変位するため、キャスター剛性が確保できないという欠点がある。
【0003】
また、このようなサスペンション装置では、アッパアーム及びロアアームの各々の車体連結部と車体との間には、弾性ブッシュが介在されている。この弾性ブッシュを堅めに設定することで、ブレーキ時のアッパアーム及びロアアームの相互逆方向変位を抑制でき、この結果、キャスター剛性を確保することができる。
【0004】
しかし、弾性ブッシュを堅めに設定すると、アッパアーム及びロアアームによる前後方向の相互同方向変位が抑制され、この結果、サスペンションの前後コンプライアンスが抑制される。このため、突起乗り越し時の衝撃の前後方向成分を、サスペンションの前後コンプライアンスで吸収できなくなり、乗り心地が悪くなるという欠点がある。
【0005】
このような欠点を解決する技術(即ちキャスター剛性確保と前後コンプライアンス確保とを両立する技術)として、特許文献1に記載の車両用サスペンション装置が開示されている。
【0006】
特許文献1に記載の車両用サスペンション装置では、アッパアーム及びロアアームの各々には、車両前後方向に離間した2つの車体連結部が設けられている。そして、アッパアームの2つの車体連結部とロアアームの2つの車体連結部とが、面状の連結部材で一体的に連結されている。この連結部材により、アッパアーム及びロアアームによる前後方向の相互同方向変位を抑制することなく、アッパアーム及びロアアームの前後方向の相互逆方向変位だけを抑制し、この結果、キャスター剛性確保と前後コンプライアンス確保とを両立している。
【0007】
しかしながら、特許文献1に記載の車両用サスペンション装置では、上記の連結部材は、アッパアームの車体連結部とロアアームの車体連結部とに一体的に連結されている。このため、アッパアーム及びロアアームのサスペンション機能としての上下回動ができなくなり、この結果、サスペンションとしての機能が損なわれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平7−246815号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
そこで、この発明は、サスペンションとしての機能を損なうこと無く、前後コンプライアンス確保とキャスター剛性確保とを両立できる車両用サスペンション装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この発明は、ダブルウィッシュボーン式の車両用サスペンション装置であって、車輪を支持するナックルと、記ナックルの上部を枢支するアッパアームと、前記アッパアームの下側に配置され、前記ナックルの下部を枢支するロアアームと、前記アッパアームと前記ロアアームとの間に跨って設けられた連結ロッドとを備え、前記アッパアーム及び前記ロアアームの夫々には、弾性ブッシュを介して車体に対して上下に回動可能に連結される前側車体連結部と後側車体連結部を備え、前記前側車体連結部と前記後側車体連結部は、上下各アームにおいて、車体前後方向に互いに離間して同軸線上に配置され、前記連結ロッドは、車両前後方向に傾斜した状態で配置されると共に、前記アッパアームと前記ロアアームとの各々に回動可能に連結され、さらに前記連結ロッドは、前記アッパアーム及び前記ロアアームの各々の前記車体側及び前記ナックル側のうち前記車体側に寄った位置に連結された車両用サスペンション装置である。
【0011】
この構成によれば、上記のように構成された連結ロッドが備えられるため、サスペンションとしての機能を損なうこと無く、前後コンプライアンス確保とキャスター剛性確保とを両立することができる。
【0012】
より詳細には、連結ロッドは、アッパアームとロアアームとの間に跨って設けられ、車両前後方向に傾斜した状態で配置されるため、連結ロッドによって、ブレーキ時のアッパアーム及びロアアームの車両前後方向の相互逆方向変位を規制でき、この結果、キャスター剛性を確保できる。また、アッパアーム及びロアアームの各々の車体連結部と車体との間には、通常、弾性ブッシュが介在されるが、本発明の構成では、上記の弾性ブッシュを硬めに設定する必要がないため、弾性ブッシュによるサスペンションの前後コンプライアンスを確保することができる。
【0013】
また、連結ロッドは、アッパアームとロアアームとの各々に回動可能に連結されるため、アッパアーム及びロアアームのサスペンション機能としての上下回動を損うことなく、アッパアーム及びロアアームの各々に連結することができる。
【0014】
また上述したように、前記連結ロッドは、前記アッパアーム及び前記ロアアームの各々の前記車体側及び前記ナックル側のうち前記車体側に寄った位置に連結することで、連結ロッドの質量が各アームの上下回動の機敏な動きを妨げることを抑制できる。
【0015】
この発明の態様として、前記連結ロッドは、前記アッパアーム及び前記ロアアームに対して、ボールジョイント、ピロボール又は弾性ブッシュを介して連結されてもよい。
【0016】
この構成によれば、連結ロッドのアーム(アッパアーム及びロアアーム)との連結部での可動範囲を、上記の連結部の連結方向の軸線周りの回動だけでなく上記の軸線方向への回動まで広げることができる。これにより、連結ロッドをアームに連結するときの連結位置の自由度や連結角の自由度を向上できる。
【0017】
この発明の態様として、前記連結ロッドは、前高後低状に傾斜した状態で、前記アッパアームと前記ロアアームとの間に跨って連結されてもよい。
この構成によれば、アッパアーム及びロアアームが車両前後方向の相互逆方向で変位するブレーキ時に、連結ロッドに屈曲荷重ではなく引張荷重を作用させることができ、この結果、連結ロッドを軽量化できる。
【0018】
この発明の態様として、前記連結ロッドの前端部は、前記アッパアームの前辺部の前側に連結されてもよい。
上記の構成によれば、連結ロッドを、より一層車両前後方向に倒した状態でアッパアーム及びロアアームの間に跨設でき、この結果、連結ロッドによって、アッパアームとロアアームとの車両前後方向の相互逆方向変位を効果的に抑制することができる。
【0019】
この発明の態様として、前記連結ロッドの後端部は、ロアアームの後辺部の後側に連結されてもよい。
この構成によれば、連結ロッドを、より一層車両前後方向に倒した状態でアッパアーム及びロアアームの間に跨設でき、この結果、連結ロッドでアッパアームとロアアームとの車両前後方向の相互逆方向変位を効果的に抑制することができる。
【0020】
この発明の態様として、前記ナックルには、前記ナックルを車両左右方向に回動させるための操舵ロッドが連結される操舵ロッド連結部が設けられ、前記ロアアームには、前記連結ロッドが連結される連結ロッド連結部が設けられ、前記連結ロッド連結部は、前記ナックルにおける車両前後方向の中心に対して、前記操舵ロッド連結部の車両前後方向反対側に配置されていてもよい。
【0021】
この構成によれば、連結ロッド連結部は、ナックルにおける車両前後方向の中心に対して、操舵ロッド連結部の車両前後方向反対側に配置しているため、操舵ロッドと干渉することなく、連結ロッドをロアアームに連結することができる。
【0022】
この発明の態様として、前記ロアアームには、前記連結ロッドが連結される連結ロッド連結部が設けられると共に、スタビライザが連結されるスタビ連結部が設けられ、前記連結ロッド連結部は、前記ロアアームにおいて、前記スタビ連結部の車両前後方向反対側に配置されていてもよい。
この構成によれば、連結ロッド連結部は、ロアアームにおいて、スタビ連結部の前後方向反対側に配置されているため、スタビライザと干渉することなく、連結ロッドをロアアームに連結することができる
【発明の効果】
【0023】
この発明によれば、サスペンションとしての機能を損なうこと無く、前後コンプライアンス確保とキャスター剛性確保とを両立できる
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】車両用サスペンション装置を示す斜視図。
図2】車両用サスペンション装置を車輪側から見た側面図。
図3】車両用サスペンション装置を示す平面図(ダンパーは図示省略)。
図4】アッパアーム、ロアアーム及び連結ロッドを車輪側から見た側面図。
図5図4の断面図。
図6】連結ロッドの取付位置の変形例を示す側面図。
図7】連結ロッドの両端部の角度に関する変形例を示す側面図。
図8図7の領域W1を示す拡大断面図。
図9図7の領域W1の変形例を示す拡大断面図。
図10】アッパアームが平面視略V字形である場合の平面視図。
図11】ロアアームが平面視略L字形である場合の平面視図。
図12】ロアアームが平面視略L字形である場合の車体側から見た側面図。
【発明を実施するための形態】
【0025】
<実施形態>
この発明の一実施形態を以下図面と共に説明する。
図1図5を参照して、この実施形態に係る車両用サスペンション装置1について説明する。この車両用サスペンション装置1は、自動車などの車両のサスペンションに適用可能なダブルウィッシュボーン型のサスペンション装置である。以下では、この車両用サスペンション装置1をフロントサスペンションに適用した場合を例に挙げて詳しく説明する。
【0026】
なお、図1等において、矢印で示した「前側」「後側」「内側」「外側」「上側」「下側」はそれぞれ、車両前方側、車両後方側、車幅方向内側、車幅方向外側、車両上方側、及び、車両下方側を示している。
【0027】
図1及び図2に示すように、この車両用サスペンション装置1は、車輪を回転可能に支持するナックル11の上部及び下部を支持するアッパアーム12とロアアーム13の間に、車両前後方向に傾斜した状態で、連結ロッド16が連結されたものである。
【0028】
<車体前部>
図1及び図2に示すように、車両用サスペンション装置1は、車体前部3の左右両側(即ち車幅方向外側)の側面3aに取り付けられている。なお、図1では、車体前部3の左側のみ図示されている。車体前部3は、左右一対のフロントサイドフレーム31と、左右一対のサイドメンバ32と、フロントサイドフレーム31とサイドメンバ32とを互いに連結する連結メンバ33とを備えている。
【0029】
フロントサイドフレーム31は、車両前後方向に延在した棒状の部材であり、車体前部3の左右両側に配置されている。サイドメンバ32は、車両前後方向に延在した棒状の部材であり、車体前部3の左右両側に配置されると共に左右両側のフロントサイドフレーム31の各々の下側に間隔を空けて配置されている。サイドメンバ32の上面の前側及び後側にはそれぞれ、連結メンバ33が設けられている。サイドメンバ32とその上側のフロントサイドフレーム31は、上記の連結メンバ33によって互いに連結されている。フロントサイドフレームの上面には、後述のダンパー14の上端部を支持するサスタワー40が設けられている。フロントサイドフレーム31、サイドメンバ32、連結メンバ33及びサスタワー40の各々の車幅方向外側の側面によって、車体前部3の車幅方向外側の側面3aが構成されている。
【0030】
<車両用サスペンション装置>
図1図3に示すように、車両用サスペンション装置1は、前輪を回転可能に支持するナックル11と、ナックルの上部を支持するアッパアーム12と、ナックル11の下部を支持するロアアーム13と、地面からの衝撃を吸収するダンパー14と、左右の車両用サスペンション装置1の上下回動のバラツキを抑制するスタビライザ15と、ブレーキ時のアッパアーム12及びロアアーム13の前後方向の相互逆方向変位を抑制する連結ロッド16とを備えている。
【0031】
<アッパアーム>
図3及び図4に示すように、アッパアーム12は、例えば平面視略A字形に形成されている。アッパアーム12は、ナックル11の上部に連結されるナックル連結部121と、車体前部3の側面3aの上部に連結される前後一対の車体連結部(前側車体連結部122a及び後側車体連結部122b)と、ナックル連結部121と前側車体連結部122aとを連結する前側アーム部123と、ナックル連結部121と後側車体連結部122bとを連結する後側アーム部124と、前側アーム部123と後側アーム部124との間に跨って設けられた連結アーム部125と、連結ロッド16の前端部が連結される連結ロッド連結部126とを備えている。
【0032】
ナックル連結部121の下面には、ナックル11の上部に設けられた後述のボールジョイントが枢支状に連結される凹部121aが設けられている。
【0033】
各車体連結部122a,122bは、車体前部3の左右両側の側面3aの上部(例えばフロントサイドフレーム31の車幅方向外側の側面)において、互いに前後方向に間隔を空けると共に上下方向に回動可能に連結されている(図1及び図2参照)。より詳細には、各車体連結部122a,122bはそれぞれ、円筒状に形成されており、それらの筒軸線は、車両前後方向に延び且つ互いに同軸状に配置されている。各車体連結部122a,122bの各々の筒内には、円筒状の弾性ブッシュDBが同心状に嵌合されている(図1参照)。
【0034】
これに対し、図1及び図2に示すように、車体前部3の左右両側の側面3aの上部(例えばフロントサイドフレーム31の車幅方向外側の側面)には、各車体連結部122a,122bを上下方向に回動可能に支持する前後一対の支持ブラケット(前側支持ブラケット35a及び後側支持ブラケット35b)が設けられている。
【0035】
各支持ブラケット35a,35bはそれぞれ、車両前後方向に延びた回動軸部35c,35dの両端部を支持している。各回動軸部35c,35dはそれぞれ、アッパアーム12の各車体連結部122a,122b内の弾性ブッシュDBの中心孔内に回動可能に挿通されている。各支持ブラケット35a,35bはそれぞれ、その前端部及び後端部が車幅方向外側に屈曲された形の平面視略コ字形に形成されており、その前端部及び後端部がそれぞれ各回動軸部35c,35dの前端部及び後端部に連結されることで、各回動軸部35c,35dの両端部(即ち上記の前端部及び後端部)を支持している。
【0036】
各回動軸部35c,35dは、同軸線上に配置すると共に、例えば車両前方斜め上側に傾斜している。これにより、アッパアーム12は、前高後低状に傾斜した状態で、車体前部3の側面3aの上部に連結されている。
【0037】
より詳細には、例えば、車体前部3の側面3aの上部には、前後一対の収容凹部(前側収容凹部36a及び後側収容凹部36b)が設けられている(図1及び図2参照)。各支持ブラケット35a,35bはそれぞれ、各収容凹部36a,36bの内部に設けられている。
【0038】
前側アーム部123は、車幅方向外側ほど斜め後方に延びると共に、例えば車両前側に凸状に湾曲した棒状に形成されている。前側アーム部123の長手方向外側の端部は、ナックル連結部121に連結されており、前側アーム部123の長手方向内側の端部は、前側車体連結部122aに連結されている。
【0039】
後側アーム部124は、車幅方向外側ほど斜め前方に延びると共に、例えば車両後側に凸状に湾曲した棒状に形成されている。後側アーム部124の長手方向外側の端部は、ナックル連結部121に連結されており、後側アーム部124の長手方向内側の端部は、後側車体連結部122bに連結されている。
【0040】
連結アーム部125は、車両前後方向に延びると共に、例えば車幅方向内側に凸状に湾曲した棒状に形成されている。連結アーム部125の長手方向前側の端部は、前側アーム部123の長手方向内側の端部付近に連結され、連結アーム部125の長手方向後側の端部は、後側アーム部124の長手方向内側の端部付近に連結されている。
【0041】
連結ロッド連結部126は、アッパアーム12の前辺部の前側(即ち前側アーム部123の前側)に設けられている。より詳細には、連結ロッド連結部126は、前側アーム部123の長手方向内側の端部付近に設けられている。換言すれば、連結ロッド連結部126は、前側アーム部123と連結アーム部125との連結部の前側に設けられている。
【0042】
また、連結ロッド連結部126は、車両前方斜め上方に向かって突出しており、その下面には、連結ロッド16の前端部が連結されるボールジョイント126aが設けられている(図5参照)。このように、連結ロッド連結部126が車両前方斜め上方に向かって突出することで、連結ロッド連結部126は、後述のように直線状の棒状に形成される連結ロッド16に対して略平行に配置され、この結果、連結ロッド16の前端部を連結ロッド連結部126に連結させるとき、連結ロッド連結部126に対する連結ロッド16の連結角度が無理な角度になることを回避することができる。即ち、連結ロッド16が車幅方向に回動できるだけでなく、車両前後方向にも回動可能に、連結ロッド16の前端部を連結ロッド連結部126に連結することができる。
【0043】
このように構成されたアッパアーム12は、上述のように各車体連結部122a,122bが各支持ブラケット35a,35bに回動可能に支持されることで、車体前部3の側面3aに対して上下動可能に連結されている。
【0044】
<ロアアーム>
図3及び図4に示すように、ロアアーム13は、例えば平面視略A字形に形成されている。ロアアーム13は、ナックル11の下部に連結されるナックル連結部131と、車体前部3の側面3aの下部に連結される前後一対の車体連結部(前側車体連結部132a及び後側車体連結部132b)と、ナックル連結部131と前側車体連結部132aとを連結する前側アーム部133と、ナックル連結部131と後側車体連結部132bとを連結する後側アーム部134と、前側アーム部133と後側アーム部134との間に跨って設けられた連結アーム部135及び傾斜連結部136と、ダンパー14の下端部が連結されるダンパー連結部137と、スタビライザ15の端部が連結されるスタビ連結部138と、連結ロッド16の下端部が連結される連結ロッド連結部139とを備えている。
【0045】
ナックル連結部131の下面には、ナックル11の下部に設けられた後述のボールジョントが枢支状に連結される凹部131aが設けられている。
【0046】
各車体連結部132a,132bは、車体前部3の左右両側の側面3aの下部に、互いに前後方向に間隔を空けると共に上下方向に回動可能に連結されている(図1及び図2参照)。より詳細には、各車体連結部132a,132bはそれぞれ、円筒状に形成されており、それらの筒軸線は、車両前後方向に延び且つ互いに同軸状に配置されている。各車体連結部132a,132bの各々の筒内には、円筒状の弾性ブッシュDBが同心状に嵌合されている(図1参照)。
【0047】
これに対し、図1及び図2に示すように、車体前部3の左右両側の側面3aの下部(例えばサイドメンバ32の車幅方向外側の側面)には、各車体連結部132a,132bを上下方向に回動可能に支持する前後一対の支持ブラケット(前側支持ブラケット37a及び後側支持ブラケット37b)が設けられている。
【0048】
各支持ブラケット37a,37bはそれぞれ、車両前後方向に延びた回動軸部37c,37dを支持している。各回動軸部37c,37dはそれぞれ、ロアアーム13の各車体連結部132a,132b内の弾性ブッシュDBの中心孔内に回動可能に挿通されている。各支持ブラケット37a,37bはそれぞれ、その前端部及び後端部が車幅方向外側に屈曲された形の平面視略コ字形に形成されており、その前端部及び後端部がそれぞれ各回動軸部37c,37dの前端部及び後端部に連結されることで、各回動軸部37c,37dの両端部(即ち上記の前端部及び後端部)を支持している。
【0049】
各回動軸部37c,37dは、同軸線上に配置すると共に、例えば車両前後方向に平行に配置している。これにより、ロアアーム13は、車両前後方向に平行な状態で、車体前部3の側面3aの下部に連結されている。
【0050】
より詳細には、例えば、車体前部3の側面3aの下部には、前後一対の収容凹部(前側収容凹部38a及び後側収容凹部38b)が設けられている(図1及び図2参照)。各支持ブラケット37a,37bはそれぞれ、各収容凹部38a,38bの内部に設けられている。
【0051】
前側アーム部133は、車幅方向外側ほど斜め後方に延びた棒状に形成されている。より詳細には、前側アーム部133は、前側車体連結部132a側から車幅方向外側に略平行に延び、そして屈曲して斜め後方に延び、そして屈曲して車幅方向外側に略平行に延びた形に形成されている。前側アーム部133の長手方向外側の端部は、ナックル連結部131に連結され、前側アーム部133の長手方向内側の端部は、前側車体連結部132aに連結されている。
【0052】
後側アーム部134は、車幅方向外側ほど斜め前方に延びた棒状に形成されている。より詳細には、後側アーム部134は、後側車体連結部132b側から車幅方向外側に略平行に延び、そして屈曲して斜め前方に延び、そして屈曲して車幅方向外側に略平行に延び、そして屈曲して斜め前方に延びた形に形成されている。後側アーム部134の長手方向外側の端部は、ナックル連結部131に連結され、後側アーム部134の長手方向内側の端部は、後側車体連結部132bに連結されている。
【0053】
即ち、前側アーム部133と後側アーム部134との間隔(即ちロアアーム13の前後方向の幅)は、ナックル連結部131側では相対的に狭く、車体連結部132a,132b側では相対的に広く、ナックル連結部131と車体連結部132a,132bとの間の中間では、ナックル連結部131側ほど漸次狭くなっている。
【0054】
連結アーム部135は、車両前後方向に延びた棒状に形成されている。連結アーム部135の長手方向前側の端部は、前側アーム部133の長手方向内側の端部付近に連結され、連結アーム部135の長手方向後側の端部は、後側アーム部134の長手方向内側の端部付近に連結されている。
【0055】
傾斜連結部136は、例えば、車両前方ほど車幅方向外側に傾いて延びた細長な平板状に形成されている。傾斜連結部136の長手方向前側の端部は、前側アーム部133の長手方向中央に連結され、傾斜連結部136の長手方向後側の端部は、後側アーム部134の長手方向内側の端部付近に連結されている。
【0056】
ダンパー連結部137は、ロアアーム13のナックル連結部131付近の狭幅部分に設けられている(図1参照)。ダンパー連結部137は、ダンパー14の下端部を回動可能に支持する回動軸部(図示省略)を備えている。上記の回動軸部は、前後方向に延びており、その前端部及び後端部はそれぞれ、前側アーム部133における上記の狭幅部分の前部を構成する部分及び後側アーム部134における上記の狭幅部分の後部を構成する部分に連結されている。
【0057】
スタビ連結部138は、ロアアーム13の前辺部の前側(即ち前側アーム部133の前側)のナックル連結部131付近に設けられている。
【0058】
連結ロッド連結部139は、ロアアーム13の後辺部の後側(即ち後側アーム部134の後側)に設けられている。即ち、連結ロッド連結部139は、ロアアーム13において、スタビ連結部138の反対側に設けられている。また、連結ロッド連結部139は、後側アーム部134の長手方向内側の端部付近に設けられている。即ち、連結ロッド連結部139は、後側アーム部134と連結アーム部135との連結部の後側に設けられている。
【0059】
また、連結ロッド連結部139は、車両後方斜め下方に向かって突出しており、その上面には、連結ロッド16の後端部が連結されるボールジョイント139aが設けられている(図5参照)。このように、連結ロッド連結部139が車両後方斜め下方に向かって突出することで、連結ロッド連結部139は、後述のように直線状の棒状に形成される連結ロッド16に対して略平行に配置され、この結果、連結ロッド16の後端部を連結ロッド連結部139に連結させるとき、連結ロッド連結部139に対する連結ロッド16の連結角度が無理な角度になることを回避することができる。即ち、連結ロッド16が車幅方向に回動できるだけでなく、車両前後方向にも回動可能に、連結ロッド16の前端部を連結ロッド連結部126に連結することができる。
【0060】
このように構成されたロアアーム13は、上述のように各車体連結部132a,132bが各支持ブラケット37a,37bに回動可能に支持されることで、アッパアーム12の下側に配置されると共に、車体前部3の側面3aに対して上下動可能に連結されている。
【0061】
<ナックル>
図1図3に示すように、ナックル11は、ナックル本体111と、前輪を回転可能に支持するハブ112と、図示省略の操舵機構からの操舵ロッド50が連結される操舵ロッド連結部113とを備えている。操舵ロッド50は、ナックル11を車両左右方向に回動させるためのロッドである。
【0062】
ナックル本体111は、例えば、車幅方向を向いた主板部111sと、その主板部111sの周縁から車幅方向内側に向けて立設された周壁部111tとを備えている。主板部111sは、例えば、縦長で上部が車幅方向内側に傾斜している。
【0063】
ナックル本体111の上部(例えば周壁部111tの上端部の上面)には、ボールジョイントが設けられており、このボールジョイントは、アッパアーム12のナックル連結部121の下面の凹部121a内に枢支状に連結されている。ナックル本体111の下部(例えば周壁部111tの下端部の上面)には、ボールジョイントが設けられており、このボールジョイントは、ロアアーム13のナックル連結部131の下面の凹部131a内に枢支状に連結されている。
【0064】
このように、ナックル11は、その上部及び下部の設けられた各ボールジョイントがそれぞれ各アーム12,13のナックル連結部121,131の凹部121a,131aに枢支状に連結されることで、車体に対して上下動可能で且つ車両左右方向に回動可能に各アーム12,13によって支持されている。
【0065】
ハブ112は、ナックル本体111の車幅方向外側の側面(即ち主板部111sの車幅方向外側の主面)において、例えばナックル本体111の上下方向の中心で且つ前後方向の中心に、回転可能に連結されている。
【0066】
操舵ロッド連結部113は、ナックル本体111の前端において、例えばその上下方向の中心に、車両前方に突出するように設けられている。即ち、操舵ロッド連結部113は、ナックル11の前後方向の中心に対して、連結ロッド連結部139の前後方向反対側に配置されている。操舵ロッド連結部113には、例えばその上面に、ボールジョイントが設けられており、このボールジョイントには、操舵ロッド50の先端部が枢支状に連結されている。
【0067】
<ダンパー>
図1に示すように、ダンパー14は、その長手方向に伸縮可能なダンパー本体141と、ダンパー本体141の上半部の外周に装着され、ダンパー本体141を伸長方向に付勢するスプリング142を備えている。
【0068】
ダンパー14は、アッパアーム12の各アーム部(前側アーム部123,後側アーム部124及び連結アーム部125)で構成された開口部内を挿通して配置されている。ダンパー本体141の上端部は、車体前部3の側面3aの上端部に連結され、ダンパー本体141の下端部は、ロアアーム13のダンパー連結部137に連結されている。
【0069】
より詳細には、ダンパー本体141の上端部及び下端部にはそれぞれ、車両前後方向に延びた貫通孔141a,141bが設けられており、それら各貫通孔141a,141bには、円筒状の弾性ブッシュDBが嵌合されている。
【0070】
これに対し、車体前部3の左右両側の上部(即ちフロントサイドフレーム31の上部)には、サスタワー40が立設されている。サスタワー40の車幅方向外側の側面(即ち車体前部3の側面3aの上端部)には、ダンパー本体141の上端部を支持する支持ブラケット41が設けられている。
【0071】
支持ブラケット41は、車両前後方向に延びた回動軸部41aの両端部を支持している。回動軸部41aは、ダンパー本体141の上端部の貫通孔141a内の弾性ブッシュDBの中心孔内に回動可能に挿通されている。支持ブラケット41は、その前端部及び後端部が下方に屈曲された形の側面視略コ字形に形成されており、その前端部及び後端部がそれぞれ回動軸部41aの前端部及び後端部に連結されることで、回動軸部41aの両端部(即ち上記の前端部及び後端部)を支持している。このように、ダンパー本体141の上端部は、上記のように支持ブラケット41に支持されることで、車体前部3の側面3aの上端部において車幅方向に回動可能に連結されている。
【0072】
他方、ダンパー本体141の下端部は、その貫通孔141b内の弾性ブッシュDBの中心孔内に、前後方向に延びた回動軸部(図示省略)が挿通され、その回動軸部の前後両端部がロアアーム13のダンパー連結部137に支持されることで、ダンパー連結部137において車幅方向に回動可能に連結されている。
【0073】
<スタビライザ>
図1に示すように、スタビライザ15は、スタビライザ本体151と、スタビライザ本体151の両端を左右両側のロアアーム13のスタビ連結部138に連結する一対の棒状のリンク部152とを備えている。図1では、左右両側のリンク部152のうちの左側のリンク部のみ図示されている。
【0074】
スタビライザ本体151は、車幅方向に延びた棒状に形成され、その長手方向の両端部はそれぞれ、車両方向外側ほど車両斜め後側に傾斜している。スタビライザ本体151における長手方向中央の両側の部分は、取付部品153によって車体前部に回動可能に取り付けられている。図1では、左右両側の取付部品153のうちの左側のリンク部152のみ図示されている。
【0075】
この取付状態で、スタビライザ本体151の長手方向の両端部は、ロアアーム13よりも前側で且つロアアーム13よりも上側に配置され、上下方向に回動可能になっている。また、この取付状態で、スタビライザ本体151の長手方向の両端部は、リンク部152を介して、ロアアーム13のスタビ連結部138に連結されている。
【0076】
<連結ロッド>
図3図5に示すように、連結ロッド16は、直線状の棒状に形成されている。連結ロッド16における長手方向の前端部の上面には、凹部16uが設けられており、この凹部16uには、アッパアーム12の連結ロッド連結部126に設けられたボールジョイント126aが枢支状に連結されている。連結ロッド16における長手方向の後端部の下面には、凹部16dが設けられており、この凹部16dには、ロアアーム13の連結ロッド連結部139に設けられたボールジョイント139aが枢支状に連結されている。
【0077】
なお、図5中のDKは、ボールジョイント126a,139aを覆う弾性カバーである。弾性カバーDKは、筒状に形成され、連結ロッド16の端部と連結ロッド連結部126,139との間に配置されると共に、ボールジョイント126a,139aの外周に装着されている。
【0078】
このように、連結ロッド16は、その前端部がボールジョイント126aを介してアッパアーム12の連結ロッド連結部126に枢支状に連結されると共に、その後端部がボールジョイント139aを介してロアアーム13の連結ロッド連結部139に枢支状に連結されている。これにより、連結ロッド16は、前高後低状に傾斜した状態で、アッパアーム12とロアアーム13の間に跨って設けられている。また、連結ロッド16は、各アーム12,13の上下回動に伴って逆方向に回動可能である。これにより、連結ロッド16は、各アーム12,13の上下回動を妨げることなく、各アーム12,13間に跨って設けられている。また、連結ロッド16は、各アーム12,13のナックル11側と車体側のうちの車体側に設けられている。
【0079】
<主要な効果>
以上、この実施形態に係る車両用サスペンション装置1によれば、車輪を支持するナックル11と、車体に上下に回動可能に連結されると共にナックル11の上部を枢支するアッパアーム12と、アッパアーム12の下側に配置され、車体に上下に回動可能に連結されると共にナックル11の下部を枢支するロアアーム13と、アッパアーム12とロアアームとの間に跨って設けられた連結ロッド16とを備え、連結ロッド16は、車両前後方向に傾斜した状態で配置されると共に、アッパアーム12とロアアーム13との各々に回動可能に連結されている。
【0080】
この構成によれば、上記のように構成された連結ロッド16が備えられるため、サスペンションとしての機能を損なうこと無く、前後コンプライアンス確保(即ち各アーム12,13の車両前後方向の相互同方向変位の緩和)とキャスター剛性確保とを両立することができる。
【0081】
より詳細には、連結ロッド16は、アッパアーム12とロアアーム13との間に跨って設けられ、車両前後方向に傾斜した状態で配置されるため、連結ロッド16によって、ブレーキ時のアッパアーム12及びロアアーム13の車両前後方向の相互逆方向変位を抑制でき、この結果、キャスター剛性を確保できる。また、アッパアーム12及びロアアーム13の各々の車体連結部122a,122b,132a,132bと車体との間には、通常、弾性ブッシュDBが介在されるが、この車両用サスペンション装置1では、上記の各アーム12,13の車両前後方向の相互逆方向変位を抑制するために弾性ブッシュDBを硬めに設定する必要がないため、サスペンションの前後コンプライアンスを確保することができる。
【0082】
また、連結ロッド16は、アッパアーム12とロアアーム13との各々に回動可能に連結されるため、アッパアーム12及びロアアーム13のサスペンション機能としての上下回動を損なうことなく、アッパアーム12及びロアアーム13の各々に連結することができる。
【0083】
また、連結ロッド16は、アッパアーム12及びロアアーム13に対してボールジョイント126a,139aを介して連結されるため、連結ロッド16の各アーム12,13との連結部での可動範囲を、上記の連結部の連結方向の軸線周り(ボールジョイント126a,139aの軸線周り)の回動だけでなく上記の軸線方向(即ち車両前後方向)の回動まで広げることができる。これにより、連結ロッド16を各アーム12,13に連結するときの連結位置の自由度や連結角度の自由動を向上することができる。
【0084】
また、連結ロッド16は、前高後低状に傾斜した状態で、アッパアーム12とロアアーム13との間に跨って連結されるため、アッパアーム12及びロアアーム13が車両前後方向の相互逆方向で変位するブレーキ時に、連結ロッド16に屈曲荷重ではなく引張荷重を作用させることができ、この結果、連結ロッド16を軽量化できる。
【0085】
また、連結ロッド16における長手方向の前端部は、アッパアーム12の前辺部の前側に連結されているため、連結ロッド16をより一層車両前後方向に倒した状態でアッパアーム12及びロアアーム13の間に跨設でき、この結果、連結ロッド16によって、各アーム12,13の車両前後方向の相互逆方向変位を効果的に抑制することができる。
【0086】
また、連結ロッド16における長手方向の後端部は、ロアアーム13の後辺部の後側に連結されているため、連結ロッド16をより一層車両前後方向に倒した状態でアッパアーム12及びロアアーム13の間に跨設でき、この結果、連結ロッド16で各アーム12,13の車両前後方向の相互逆方向変位を効果的に抑制することができる。
【0087】
また、ナックル11には、ナックル11を車両左右方向に回動させるための操舵ロッド50が連結される操舵ロッド連結部113が設けられ、ロアアーム13には、連結ロッド16が連結される連結ロッド連結部139が設けられ、連結ロッド連結部139は、ナックル11における車両前後方向の中心に対して、操舵ロッド連結部113の車両前後方向反対側に配置されている。このため、操舵ロッド50と干渉することなく、連結ロッド16をロアアーム13に連結することができる。
【0088】
また、ロアアーム13には、連結ロッド16の後端部が連結される連結ロッド連結部139が設けられると共に、スタビライザ15が連結されるスタビ連結部138が設けられ、連結ロッド連結部139は、ロアアーム13において、スタビ連結部138の車両前後方向反対側に配置されているため、スタビライザ15と干渉することなく、連結ロッド16をロアアーム13に連結することができる。
【0089】
また、連結ロッド16は、アッパアーム12及びロアアーム13の各々の車体側及びナックル11側のうち車体側に寄った位置に連結されているため、連結ロッド16の質量が各アーム12,13の上下回動の機敏な動きを妨げることを抑制できる。
【0090】
<変形例1>
上記の実施形態では、連結ロッド16は、前高後低に傾斜した状態で、アッパアーム12とロアアーム13との間に跨設されたが、図6に示すように、前低後高に傾斜した状態で、アッパアーム12とロアアーム13との間に跨設されてもよい。この場合は、アッパアーム12側の連結ロッド連結部126は、アッパアーム12の後辺部(即ち後側アーム部124)の後側に設けられる。また、ロアアーム13側の連結ロッド連結部139は、ロアアーム13の前辺部(即ち前側アーム部133)の前側に設けられる。この場合、ブレーキ時に、連結ロッド16に圧縮荷重が作用することで、各アーム12,13の車両前後方向の相互逆方向変位が抑制される。
【0091】
なお、前高後低に傾斜した状態の連結ロッド16と、前低後高に傾斜した状態の連結ロッド16との両方を各アーム12,13の間に跨設してもよい。この場合は、各連結ロッド16は、互いに車幅方向にずらして配置される。
【0092】
<変形例2>
図7に示すように、この変形例2では、アッパアーム12の連結ロッド連結部126は、アッパアーム12の前辺部の前側から車両前方に略水平に突出して設けられており、その前端面は、車両前方を向いた略鉛直な平坦面である。ロアアーム13の連結ロッド連結部139は、ロアアーム13の後辺部の後側から車両後方に略水平に突出して設けられており、その後端面は、車両後方を向いた略鉛直な平坦面である。連結ロッド16は、直線状の棒状に形成されると共に、その長手方向の前端部が上方に向かって屈曲し、その長手方向の後端部が下方に向かって屈曲している。
【0093】
この変形例2では、連結ロッド16の前端部及び後端部がそれぞれ上方及び下方に屈曲することで、連結ロッド16の前端部及び後端部をそれぞれ、連結ロッド連結部126の前端面及び連結ロッド連結部139の後端面に対して略平行に配置させている。これにより、連結ロッド16の前端部及び後端部をそれぞれ、連結ロッド連結部126の前端面及び連結ロッド連結部139の後端面に連結させるときの連結角度が無理な角度になることを回避している。
【0094】
また、例えば図8に示すように、この変形例2では、連結ロッド16の前端部及び後端部はそれぞれ、ボールジョイント126a,139aの代わりにピロボールPBを介して連結ロッド連結部126の前端面及び連結ロッド連結部139の後端面に連結されている。即ち、連結ロッド16の前端部及び後端部にはそれぞれ、車両前後方向に沿った貫通孔16aが設けられ、それら各貫通孔16a内にはそれぞれピロボールPBが装着されている。
【0095】
ピロボールPBは、筒状のピロボール受部PB1と、ピロボール受部PB1内に枢支状に装着されたピロボール本体PB2とを備えている。ピロボール受部PB1は、連結ロッド16の前端部及び後端部の各貫通孔16a内に装着されている。ピロボール本体PB2の中心には、貫通孔PB3が設けられている。図8中のDKは、ピロボール受部PB1とピロボール本体との連結部分を被覆する弾性カバーである。
【0096】
連結ロッド16の後端部に装着されたピロボール本体PB2は、その貫通孔PB3に挿通されたボルトBTがロアアーム13の連結ロッド連結部139の後端面に略直交して固定されることで、連結ロッド連結部139の後端面に固定されている。同様に、連結ロッド16の前端部に装着されたピロボール本体PB2は、アッパアーム12の連結ロッド連結部126の前端面に固定されている。このように、連結ロッド16の前端部及び後端部はそれぞれ、ピロボールPBを介して各連結ロッド連結部126,139に枢支状に連結されている。
【0097】
なお、この変形例2でも、上記の実施形態と同様に、ピロボールPBの代わりにボールジョイントを介して、連結ロッド16の前端部及び後端部をそれぞれ、連結ロッド連結部126の前端面及び連結ロッド連結部139の後端面に枢支状に連結してもよい。
【0098】
<変形例3>
図7及び図9に示すように、上記の変形例2において、ピロボールPBの代わりに弾性ブッシュDBを用いてもよい。この場合は、連結ロッド16の前端部及び後端部の各貫通孔16a内には、ピロボールPBの代わりに弾性ブッシュDBが装着されている。弾性ブッシュDBは、外筒部BD1と、外筒部DB1の内部に同心状に配置された内筒部DB2と、外筒部DB1と内筒部DB2との間に設けられた筒状の弾性部材DB3とを備えている。
【0099】
連結ロッド16の後端部に装着された弾性ブッシュDBは、その内筒部DB2内に挿通されたボルトBTがロアアーム13の連結ロッド連結部139の後端面に略直交して固定されることで、連結ロッド連結部126の後端面に固定されている。同様に、連結ロッド16の前端部に装着された弾性ブッシュDBは、アッパアーム12の連結ロッド連結部126の前端面に固定されている。このように、連結ロッド16の前端部及び後端部はそれぞれ、弾性ブッシュDBを介して連結ロッド連結部126の前端面及び連結ロッド連結部139の後端面に連結されている。
【0100】
<変形例4>
上記の実施形態では、アッパアーム12は平面視略A字形に形成されたが、図10に示すように、アッパアーム12は平面視略V字形に形成されてもよい。この場合のアッパアーム12は、上記の実施形態のアッパアーム12から連結アーム部125を省略したもの相当する。
【0101】
<変形例5>
上記の実施形態では、ロアアーム13は平面視略A字形に形成されたが、図11及び図12に示すように、ロアアーム13Lは平面視略L字形に形成されてもよい。この場合のロアアーム13Lは、ナックル11の下部に連結されるナックル連結部131と、車体前部3の側面3aの下部に連結される前後一対の車体連結部(前側車体連結部132a及び後側車体連結部132b)と、ナックル連結部131と前側車体連結部132aとを連結する横アーム部133Lと、横アーム部133Lと後側車体連結部132bとを連結する縦アーム部134Lと、二股に分かれるダンパー14の下端部に挟まれるように連結されるダンパー連結部137と、スタビライザ15の端部が連結されるスタビ連結部138と、連結ロッド16の下端部が連結される連結ロッド連結部139とを備えている。なお、ナックル連結部131、前側車体連結部132a及び後側車体連結部132bは、上記の実施形態と同様に構成されている。
【0102】
横アーム部133Lは、車幅方向に延びており、その車幅方向外側の端部は、ナックル連結部131に連結され、その車幅方向内側の端部は、前側車体連結部132aに連結されている。縦アーム部134Lは、横アーム部133Lにおける長手方向内側の端部付近から車両後方に延びており、縦アーム部134Lにおける長手方向の後端部は、車幅方向内側に屈曲して後側車体連結部132bに連結されている。縦アーム部134Lの車幅方向の幅は、車両後方ほど漸次幅細になっている。
【0103】
ダンパー連結部137は、横アーム部133Lのナックル連結部131の内側に立設されている。ダンパー連結部137には、略前後方向に貫通した貫通孔が設けられている。締結部品(例えばボルト)がダンパー本体141の下端部の貫通孔141bを挿通してダンパー連結部137の貫通孔に固定されることで、ダンパー本体141の下端部は、車幅方向に回動可能にダンパー連結部137に連結される。
【0104】
スタビ連結部138は、横アーム部133Lにおける長手方向の中央付近に(例えばダンパー連結部137の内側に隣接して)立設されている。
【0105】
連結ロッド連結部139は、縦アーム部134Lにおける長手方向の中央付近に設けられている。連結ロッド連結部139は、車両後方側に傾斜した台座部として形成されている。連結ロッド連結部139の上端面は、車両後方斜め下方に傾斜しており、上記の上端面に略垂直に連結ロッド16の下端部が連結されるボールジョイント(図示省略)が設けられている。
【0106】
このように連結ロッド連結部139の上端面が傾斜していることで、上記の上端面は、連結ロッド16に対して略平行になり、この結果、連結ロッド16の後端部を連結ロッド連結部139に連結させるとき、連結ロッド連結部139に対する連結ロッド16の連結角度が無理な角度になることを回避することができる。
【0107】
この変形例5では、アッパアーム12は、上記の実施形態と同様に平面視略A字形に構成されている。また、アッパアーム12及びロアアーム13Lが車体前部3の側面3aに連結された状態では、アッパアーム12は、ロアアーム13Lよりも少し車両前方にシフトして配置される。このため、連結ロッド16は、アッパアーム12の前辺部の前側と、ロアアーム13Lの長手方向の中間付近との間に跨設されても、連結ロッド16の傾斜を十分に車両前後方向に傾斜させることができる。
【0108】
この変形例5では、ロアアーム13Lは、横アーム部133Lが車両前方側になるように用いられるが、横アーム部133Lが車両後方側なるように用いられても良い。また、この変形例5では、アッパアーム12とロアアーム13Lのうちロアアーム13Lが平面視略L字形に形成されたが、アッパアーム12が平面視略L字形に形成されてもよく、両方のアーム12,13Lが平面視略L字形に形成されてもよい。
【0109】
この発明は、上述の実施形態及び変形例の構成のみに限定されるものではなく、上述の実施形態及び変形例の組み合わせも含み、多くの実施の形態を得ることができる。
【産業上の利用可能性】
【0110】
この発明は、自動車などの車両に適用可能な車両用サスペンション装置、特にダブルウィッシュボーン式のサスペンション装置への適用が可能である。
【符号の説明】
【0111】
1…車両用サスペンション装置
11…ナックル
12…アッパアーム
13…ロアアーム
16…連結ロッド
113…操舵ロッド連結部
126a,139a…ボールジョイント
138…スタビ連結部
139…連結ロッド連結部
PB…ピロボール
DB…弾性ブッシュ
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ダブルウィッシュボーン式の車両用サスペンション装置であって、
車輪を支持するナックルと、
記ナックルの上部を枢支するアッパアームと、
前記アッパアームの下側に配置され、前記ナックルの下部を枢支するロアアームと、
前記アッパアームと前記ロアアームとの間に跨って設けられた連結ロッドとを備え、
前記アッパアーム及び前記ロアアームの夫々には、弾性ブッシュを介して車体に対して上下に回動可能に連結される前側車体連結部と後側車体連結部を備え、
前記前側車体連結部と前記後側車体連結部は、上下各アームにおいて、車体前後方向に互いに離間して同軸線上に配置され、
前記連結ロッドは、車両前後方向に傾斜した状態で配置されると共に、前記アッパアームと前記ロアアームとの各々に回動可能に連結され
さらに前記連結ロッドは、前記アッパアーム及び前記ロアアームの各々の前記車体側及び前記ナックル側のうち前記車体側に寄った位置に連結された
車両用サスペンション装置。
【請求項2】
前記連結ロッドは、前記アッパアーム及び前記ロアアームに対して、ボールジョイント、ピロボール又は弾性ブッシュを介して連結された
請求項1に記載の車両用サスペンション装置。
【請求項3】
前記連結ロッドは、前高後低状に傾斜した状態で、前記アッパアームと前記ロアアームとの間に跨って連結された
請求項1又は請求項2に記載の車両用サスペンション装置。
【請求項4】
前記連結ロッドの前端部は、前記アッパアームの前辺部の前側に連結された
請求項3に記載の車両用サスペンション装置。
【請求項5】
前記連結ロッドの後端部は、ロアアームの後辺部の後側に連結された
請求項3又は請求項4に記載の車両用サスペンション装置。
【請求項6】
前記ナックルには、前記ナックルを車両左右方向に回動させるための操舵ロッドが連結される操舵ロッド連結部が設けられ、
前記ロアアームには、前記連結ロッドが連結される連結ロッド連結部が設けられ、
前記連結ロッド連結部は、前記ナックルにおける車両前後方向の中心に対して、前記操舵ロッド連結部の車両前後方向反対側に配置されている
請求項1から請求項5のうちの一項に記載の車両用サスペンション装置。
【請求項7】
前記ロアアームには、前記連結ロッドが連結される連結ロッド連結部が設けられると共に、スタビライザが連結されるスタビ連結部が設けられ、
前記連結ロッド連結部は、前記ロアアームにおいて、前記スタビ連結部の車両前後方向反対側に配置されている
請求項1から請求項6のうちの一項に記載の車両用サスペンション装置。