特開2019-43383(P2019-43383A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2019-43383(P2019-43383A)
(43)【公開日】2019年3月22日
(54)【発明の名称】トーションビーム
(51)【国際特許分類】
   B60G 9/04 20060101AFI20190222BHJP
【FI】
   B60G9/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2017-169111(P2017-169111)
(22)【出願日】2017年9月4日
(71)【出願人】
【識別番号】500213915
【氏名又は名称】株式会社ワイテック
(71)【出願人】
【識別番号】000003137
【氏名又は名称】マツダ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】特許業務法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山中 悠也
(72)【発明者】
【氏名】加古川 登
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼橋 浩之
(72)【発明者】
【氏名】木村 大樹
【テーマコード(参考)】
3D301
【Fターム(参考)】
3D301AA04
3D301AA68
3D301AA69
3D301AA72
3D301AA83
3D301AA85
3D301CA28
(57)【要約】
【課題】トーションビームのロール剛性に対する影響が殆ど無く、またトーションビームの重量やコストの増加を招くことなく、所定方向からの荷重入力に対して強度を向上させて曲げ破壊が起こり難くする。
【解決手段】トーションビーム1における右側断面徐変部10と左側断面徐変部11との間には、略V字状又は略U字状の閉断面となるように成形された開放部12が設けられている。開放部12における車幅方向中間部の開放幅は、車幅方向両側の開放幅よりも広く設定されている。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
トーションビーム式サスペンション装置に使用されるパイプ部材からなるトーションビームにおいて、
上記トーションビームの車幅方向両側には、それぞれ、車幅方向の端部に向かって徐々に断面形状が変化する断面徐変部が設けられ、
上記トーションビームにおける一方の上記断面徐変部と他方の上記断面徐変部との間には、一方向に開放する略V字状又は略U字状の閉断面となるように成形された開放部が設けられ、
上記開放部における車幅方向中間部の開放幅は、該開放部における車幅方向両側の開放幅よりも広く設定されていることを特徴とするトーションビーム。
【請求項2】
請求項1に記載のトーションビームにおいて、
上記トーションビームは、車幅方向中央部が最も上に位置し両端に向かって下降するように湾曲形成されていることを特徴とするトーションビーム。
【請求項3】
請求項2に記載のトーションビームにおいて、
上記開放部は、車両前後方向の一方に開放していることを特徴とするトーションビーム。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1つに記載のトーションビームにおいて、
上記トーションビームは、車幅方向中央部が最も車両前側に位置し両端へ行くほど車両後側に位置するように湾曲形成されていることを特徴とするトーションビーム。
【請求項5】
請求項3に記載のトーションビームにおいて、
上記開放部の上縁部は、上記トーションビームの長手方向中央部が最も上に位置し両端に向かって下降するように湾曲形成されていることを特徴とするトーションビーム。
【請求項6】
請求項3または5に記載のトーションビームにおいて、
上記開放部の上縁部と下縁部との間隔は、上記トーションビームの長手方向中央部が最も広く、両端に向かって狭くなるように設定されていることを特徴とするトーションビーム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に搭載されるトーションビーム式サスペンション装置に使用されるトーションビームに関し、特に、パイプ部材を潰すことによって形成された断面を有する構造の技術分野に属する。
【背景技術】
【0002】
一般に、トーションビーム式サスペンション装置は、車輪を車体に支持するための左右一対のトレーリングアームと、左右のトレーリングアームを連結する左右方向に延びるトーションビームとを備えており、トレーリングアームの前端部が車体に対して揺動自在に取り付けられている。トーションビームの構造としては、例えば特許文献1、2に開示されているように板材を下方に開放するU字状断面を有するように成形した板曲げ構造や、例えば特許文献3、4に開示されているようにパイプ部材(素管)を下方に開放するU字状乃至V字状断面を有するように成形したパイプ潰し構造等が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016−193682号公報
【特許文献2】特開2016−168953号公報
【特許文献3】特開2016−199209号公報
【特許文献4】特開2013−91433号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、近年では自動車の低燃費化が強く求められており、低燃費化を実現するための手段として車体の更なる軽量化を行う方法がある。トーションビームを軽量化するという観点から見ると、特許文献1、2の板曲げ構造よりも特許文献3、4のパイプ潰し構造が有利であるため、パイプ潰し構造のトーションビームが採用されるようになってきている。
【0005】
特許文献3、4のパイプ潰し構造のトーションビームは、車幅方向両側の断面形状が徐々に変化する部分(徐変部)と、徐変部の間の断面形状が略一様な部分(一様部分)とで構成されているのが一般的である。そして、素管の板厚、素管の径、徐変部や一様部分の断面形状等を変更することにより、トーションビームの剛性(特にロール剛性)が所望の剛性となるように設計されている。
【0006】
ところが、トーションビームは車両搭載時に、ある方向からの荷重入力に対して車幅方向中央部が最弱部となり、万一の場合に曲げ破壊を起こすおそれがある。この曲げ破壊を抑制するためには、素管の板厚を厚くしたり、素管の径や断面形状を大きくすることによる変形の抑制や、材料強度を高めることによる許容応力の向上などが考えられる。
【0007】
しかしながら、素管の板厚を厚くしたり、素管の径や断面形状を大きくすると所望の剛性が得られなくなり、更にはトーションビームの重量が増加してしまうという問題が発生する。また、材料強度を高めると成形性が悪化したり、コストが増加してしまうという問題が発生する。
【0008】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、トーションビームのロール剛性に対する影響が殆ど無く、またトーションビームの重量やコストの増加を招くことなく、所定方向からの荷重入力に対する強度を向上させてトーションビームの曲げ破壊が起こり難くすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明では、トーションビームの両徐変部の間の部分を一方向に開放した形状とし、更に車幅方向中間部の開放幅が広くなるようにした。
【0010】
第1の発明は、トーションビーム式サスペンション装置に使用されるパイプ部材からなるトーションビームにおいて、上記トーションビームの車幅方向両側には、それぞれ、車幅方向の端部に向かって徐々に断面形状が変化する断面徐変部が設けられ、上記トーションビームにおける一方の上記断面徐変部と他方の上記断面徐変部との間には、一方向に開放する略V字状又は略U字状の閉断面となるように成形された開放部が設けられ、上記開放部における車幅方向中間部の開放幅は、該開放部における車幅方向両側の開放幅よりも広く設定されていることを特徴とする。
【0011】
すなわち、従来例のトーションビームにおける一様部分に相当する部分が本発明の開放部であり、本発明では開放部の断面形状が長手方向について一様ではなく、開放部における開放幅が車幅方向両側よりも中間部において広くなる。これにより、素管の板厚を厚くしたり、素管の径や断面形状を大きくすることなく、しかも、材料強度を高めることなく、中央部の曲げ強度が向上する。よって、成形性の悪化、重量増加及びコストの増加を回避できる。
【0012】
また、開放部の車幅方向中間部の開放幅だけが広くなっているので、トーションビームのロール剛性に対する影響は殆ど無い。
【0013】
第2の発明は、第1の発明において、上記トーションビームは、車幅方向中央部が最も上に位置し両端に向かって下降するように湾曲形成されていることを特徴とする。
【0014】
この構成によれば、トーションビームの車幅方向中央部が最も上に位置しているので、中間部の下方に他の部材を配設することが可能になる。
【0015】
第3の発明は、第2の発明において、上記開放部は、車両前後方向の一方に開放していることを特徴とする。
【0016】
この構成によれば、開放部が車両前後方向の一方に開放することで、トーションビームの車幅方向両端から上方へ向けて荷重入力があった場合に、中央部の曲げ強度が十分に確保される。
【0017】
第4の発明は、第1から3のいずれか1つの発明において、上記トーションビームは、車幅方向中央部が最も車両前側に位置し両端へ行くほど車両後側に位置するように湾曲形成されていることを特徴とする。
【0018】
第5の発明は、第3の発明において、上記開放部の上縁部は、上記トーションビームの長手方向中央部が最も上に位置し両端に向かって下降するように湾曲形成されていることを特徴とする。
【0019】
第6の発明は、第3または5の発明において、上記開放部の上縁部と下縁部との間隔は、上記トーションビームの長手方向中央部が最も広く、両端に向かって狭くなるように設定されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、トーションビームのロール剛性に影響を殆ど与えることなく、しかもトーションビームの重量やコストの増加を招くことなく、所定方向からの荷重入力に対して中央部の曲げ強度を向上させることができ、曲げ破壊を起こり難くすることができる。
【0021】
また、トーションビームの車幅方向中央部が最も上に位置するように該トーションビームを湾曲形成することにより、トーションビームの車幅方向中央部の下方に他の部材を配設してレイアウト性を向上させることができる。
【0022】
また、開放部を車両前後方向の一方に開放させることで、トーションビームの車幅方向中央部が最も上に位置するように湾曲させた場合であっても曲げ強度を十分に確保できる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明の実施形態に係るトーションビーム式サスペンション装置を上方から見た斜視図である。
図2】トーションビーム式サスペンション装置の平面図である。
図3】トーションビーム式サスペンション装置の背面図である。
図4】トーションビームを上方から見た斜視図である。
図5】トーションビームの平面図である。
図6】トーションビームの正面図である。
図7】トーションビームの左側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。尚、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
【0025】
図1は、本発明の実施形態に係るトーションビーム式サスペンション装置100を上方から見た斜視図であり、図2は、トーションビーム式サスペンション装置100の平面図であり、図3は、トーションビーム式サスペンション装置100の背面図である。この実施形態の説明では、車両前側を単に「前」といい、車両後側を単に「後」といい、車両右側を単に「右」といい、車両左側を単に「左」というものとする。また、車両の左右方向は、車幅方向である。
【0026】
(トーションビーム式サスペンション装置100の構成)
トーションビーム式サスペンション装置100は自動車の後側に設けられる懸架装置であり、図1図3に示すように、車幅方向に延びるトーションビーム1と、右側トレーリングアーム2と、左側トレーリングアーム3とを備えている。右側トレーリングアーム2及び左側トレーリングアーム3は、共に鋼板等の金属材料からなり、前後方向に延びる中空状の部材である。右側トレーリングアーム2は、後側が前側よりも右側に位置するように屈曲している。右側トレーリングアーム2の前端部には、ブッシュ(図示せず)が嵌入されるブッシュ取付筒20が固定されている。ブッシュ取付筒20に取り付けられたブッシュを介して右側トレーリングアーム2の前端部が車体の右側に支持される。車体に支持された右側トレーリングアーム2は、後側が上下方向に変位するように揺動可能になる。
【0027】
左側トレーリングアーム3は、後側が前側よりも左側に位置するように屈曲している。左側トレーリングアーム3の前端部にもブッシュ取付筒30が固定されている。ブッシュ取付筒30に取り付けられたブッシュを介して左側トレーリングアーム3の前端部が車体の左側に支持される。車体に支持された左側トレーリングアーム3は、後側が上下方向に変位するように揺動可能になる。
【0028】
右側トレーリングアーム2の前後方向中央部よりも前側でかつブッシュ取付筒20よりも後側には、トーションビーム1の右端部が溶接等によって連結されている。右側トレーリングアーム2におけるトーションビーム1の連結部分よりも後側には、車輪支持部材(図示せず)が取り付けられるキャリア21が取り付けられている。また、右側トレーリングアーム2の左側には、スプリング(図示せず)の下端部が載置される右側スプリングサポート22が取り付けられている。右側スプリングサポート22の前端部はトーションビーム1の右側に固定されている。さらに、右側トレーリングアーム2の左側には右側ブラケット23が取り付けられている。この右側ブラケット23は、トーションビーム1の右側及び右側スプリングサポート22の前端部に固定されている。
【0029】
左側トレーリングアーム3も右側と同様に構成されている。すなわち、左側トレーリングアーム3の前後方向中央部よりも前側でかつブッシュ取付筒30よりも後側には、トーションビーム1の左端部が溶接等によって連結されている。左側トレーリングアーム3におけるトーションビーム1の連結部分よりも後側には、車輪支持部材(図示せず)が取り付けられるキャリア31が取り付けられている。また、左側トレーリングアーム3の右側には、スプリング(図示せず)の下端部が載置される左側スプリングサポート32が取り付けられている。左側スプリングサポート32の前端部はトーションビーム1の左側に固定されている。さらに、左側トレーリングアーム3の右側には左側ブラケット33が取り付けられている。この左側ブラケット33は、トーションビーム1の左側及び左側スプリングサポート32の前端部に固定されている。
【0030】
(トーションビーム1の構成)
トーションビーム1は、中空部R(図4及び図7に示す)を有するパイプ部材で構成されている。図示しないが、トーションビーム1に成形する前のパイプ部材が素管であり、この素管としては例えば鋼管等を用いることができる。トーションビーム1の剛性、特にロール剛性は、例えば素管の板厚、素管の径、断面形状等を変更することによって調整可能であり、トーションビーム1のロール剛性が車両に適した所望の剛性となるように設計されている。
【0031】
図5に示すように、トーションビーム1の車幅方向両側には、それぞれ、車幅方向の端部に向かって徐々に断面形状が変化する断面徐変部10、11が設けられ、トーションビーム1における一方の断面徐変部10と他方の断面徐変部11との間には、一方向に開放する略V字状又は略U字状の閉断面となるように成形された開放部12が設けられている。
【0032】
すなわち、トーションビーム1の右側には、右端部に向かって徐々に断面形状が変化する右側断面徐変部10が設けられている。また、トーションビーム1の左側には、左端部に向かって徐々に断面形状が変化する左側断面徐変部11が設けられている。トーションビーム1における右側断面徐変部10と、左側断面徐変部11との間の部分が開放部12となっている。この開放部12は左右方向に連続して延びている。開放部12は、前方に向けて開放する断面形状を有している。図5における前後方向に延びる仮想線L1は、右側断面徐変部10と開放部12との境界を示す線であり、同図における仮想線L2は、左側断面徐変部11と開放部12との境界を示す線である。
【0033】
左側断面徐変部11の左端部は、図7に示すように、円形または楕円形に近い形状とされている。この左側断面徐変部11の左端部が左側トレーリングアーム3の右側面に一致するように成形されて該右側面に連結されている。左側断面徐変部11は、左端部の円形または楕円形に近い形状から右側へ行くほど略V字状又は略U字状の閉断面を有する形状に近づいていき、左側断面徐変部11の右端部は、開放部12の左端部と同じ断面形状になり、該開放部12の左端部と連続する。右側断面徐変部10は、左側断面徐変部11と左右対称形状であり、右側断面徐変部10の左端部は、開放部12の右端部と同じ断面形状とされて該開放部12の右端部と連続する。
【0034】
トーションビーム1は、図3及び図6に示すように、左右方向(車幅方向)中央部が最も上に位置し両端に向かって下降するように湾曲形成されている。よって、トーションビーム1を前後方向から見たとき、右側断面徐変部10は、右端へ行くほど下に位置するように傾斜し、また、左側断面徐変部11は、左端へ行くほど下に位置するように傾斜する。開放部12は、その右端へ行くほど下に位置し、その左端へ行くほど下に位置するように緩やかに湾曲している。
【0035】
これにより、トーションビーム1の左右方向中央部の下方に他の部材を配設するための空間を設けることが可能になる。トーションビーム1の左右方向中央部の下方に他の部材を配設することで、レイアウト性を向上させることができる。
【0036】
また、トーションビーム1は、図2及び図5に示すように、左右方向中央部が最も前側に位置し両端へ行くほど後側に位置するように湾曲形成されている。よって、トーションビーム1を上下方向から見たとき、右側断面徐変部10は、右端へ行くほど後に位置するように傾斜し、また、左側断面徐変部11は、左端へ行くほど後に位置するように傾斜する。開放部12は、その右端へ行くほど後に位置し、その左端へ行くほど後に位置するように緩やかに湾曲している。
【0037】
図6に示すように、開放部12における左右方向中間部の開放幅W1は、該開放部12における右側及び左側の開放幅W2よりも広く設定されている。具体的には、開放部12が前方に向けて口を開けるように開いているので、開放部12の上縁部12aと下縁部12bとは、上下方向に互いに離れることになり、開放部12における左右方向中間部の上縁部12aと下縁部12bとの間隔が開放幅W1となり、開放部12における右側及び左側の上縁部12aと下縁部12bとの間隔が開放幅W2となる。そして、開放部12の上縁部12aと下縁部12bとの間隔は、トーションビーム1の長手方向中央部が最も広く、右端に向かって狭くなるとともに、左端に向かっても狭くなるように設定されている。また、開放部12の上縁部12aは、トーションビーム1の長手方向中央部が最も上に位置し、右端及び左端に向かって下降するように湾曲形成されている。
【0038】
(実施形態の作用効果)
以上説明したように、この実施形態に係るトーションビーム1は、開放部12の断面形状が長手方向について一様ではなく、開放部12における中間部の開放幅W1が車幅方向両側の開放幅W2よりも広くなっている。これにより、素管の板厚を厚くしたり、素管の径や断面形状を大きくすることなく、しかも、材料強度を高めることなく、中央部の曲げ強度を向上させることができる。よって、成形性の悪化、重量増加及びコストの増加を回避できる。また、開放部12の左右方向中間部の開放幅W1だけが広くなっているので、トーションビーム1のロール剛性に対する影響は殆ど無い。
【0039】
したがって、トーションビーム1のロール剛性に影響を殆ど与えることなく、しかもトーションビーム1の重量やコストの増加を招くことなく、所定方向からの荷重入力に対して中央部の曲げ強度を向上させることができ、曲げ破壊を起こり難くすることができる。特に、開放部12が前方に向けて開放していて、その中間部の開放幅W1を両側の開放幅W2よりも広くしているので、トーションビーム1の両端部に対して上方向に大きな荷重が略同時に入力した場合におけるトーションビーム1の中央部の変位量を低下させることができる。中間部の開放幅W1を広くするほどトーションビーム1の中央部の変位量を低下させることができる。
【0040】
また、開放部12を前後方向の一方に開放させることで、トーションビーム1の左右方向中央部が最も上に位置するように湾曲させた場合であっても曲げ強度を十分に確保できる。
【0041】
(他の実施形態)
上述の実施形態はあらゆる点で単なる例示に過ぎず、限定的に解釈してはならない。さらに、特許請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。
【0042】
上記実施形態では、トーションビーム1の開放部12が前方に開放している場合について説明したが、開放部12の開放方向は前方に限定されるものではなく、後方であってもよいし、下方であってもよいし、上方であってもよい。また、トーションビーム1は左右方向中央部が最も後に位置するように湾曲していてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0043】
以上説明したように、本発明に係るトーションビームは、トーションビーム式サスペンション装置に使用することができる。
【符号の説明】
【0044】
1 トーションビーム
10 右側断面徐変部
11 左側断面徐変部
12 開放部
12a 上縁部
12b 下縁部
100 トーションビーム式サスペンション装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7