(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2019-44385(P2019-44385A)
(43)【公開日】2019年3月22日
(54)【発明の名称】地下埋設ブロック、道路構造体及び地下構造体
(51)【国際特許分類】
E01C 3/00 20060101AFI20190222BHJP
E02D 17/18 20060101ALI20190222BHJP
【FI】
E01C3/00
E02D17/18 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
【全頁数】5
(21)【出願番号】特願2017-166254(P2017-166254)
(22)【出願日】2017年8月30日
(71)【出願人】
【識別番号】306024805
【氏名又は名称】株式会社 林物産発明研究所
(72)【発明者】
【氏名】林 慎一郎
(72)【発明者】
【氏名】林 和志郎
(72)【発明者】
【氏名】林 宏三郎
(72)【発明者】
【氏名】林 加奈子
【テーマコード(参考)】
2D044
2D051
【Fターム(参考)】
2D044CA01
2D051AA09
2D051AG13
2D051AH01
2D051CA01
2D051CA10
2D051DA01
2D051DA16
2D051DC09
(57)【要約】
【課題】 油・熱・火等の環境に強く、小動物や水の通り道を確保できる道路構造体を提供する。
【解決手段】 基部及び筒部を有し、前記筒部の内部に装填材が装填された埋設ブロック又はこれを複数配列して埋設した道路構造体又は地下構造体とした。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基部及び筒部を有し、前記筒部の内部に装填材が装填されたことを特徴とする埋設ブロック。
【請求項2】
前記装填材が、硬化性装填材である請求項1の埋設ブロック。
【請求項3】
前記硬化性装填材が、軽量骨材コンクリート又は硬質ウレタンフォームである請求項2の埋設ブロック。
【請求項4】
基部及び筒部を有し、前記筒部の内部に装填材が装填された埋設ブロックを複数配列したブロック構造体であって、路面下に敷設されたブロック積層体を有することを特徴とする道路構造体。
【請求項5】
基部及び筒部を有し、前記筒部の内部に装填材が装填された埋設ブロックを複数配列したブロック構造体であって、地下に敷設されたブロック積層体を有することを特徴とする地下構造体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、軽量盛土、地盤改良材等として使用できる埋設ブロック及び当該埋設ブロックを用いた道路構造体及び地下構造体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、軟弱地盤の改質や浮力対策等の目的で建築物や道路の下にEPSブロックを配設するEPS工法が知られている(特許文献1)。例えば、低湿地帯等での排水性確保や冠水対策等のため、盛土の上に道路等が敷設されるが、盛土重量による地盤沈下を防ぐため、盛土内に複数のEPSブロックを配列したものが埋設される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平5−346024号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、EPSブロックは、油や火に弱い問題がある。また、EPS工法による盛土をして道路を敷設すると、小動物が移動できなくなり、河川が遮られる問題がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本願には、下記発明が開示される。
<構成1>
基部及び筒部を有し、前記筒部の内部に装填材が装填されたことを特徴とする埋設ブロック。
<構成2>
前記装填材が、硬化性装填材である構成1の埋設ブロック。
<構成3>
前記硬化性装填材が、軽量骨材コンクリート又は硬質ウレタンフォームである構成2の埋設ブロック。
<構成4>
基部及び筒部を有し、前記筒部の内部に装填材が装填された埋設ブロックを複数配列したブロック構造体であって、路面下に敷設されたブロック積層体を有することを特徴とする道路構造体。
<構成5>
基部及び筒部を有し、前記筒部の内部に装填材が装填された埋設ブロックを複数配列したブロック構造体であって、地下に敷設されたブロック積層体を有することを特徴とする地下構造体。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】
図1は、本発明の1実施形態の埋設ブロック10を示す。
【
図2】
図2は、本発明の1実施形態の道路構造体20の断面図及び側面図を示す。
【
図4】
図4は、他の態様のブロック10A,10Bを示す。
【発明を実施するための形態】
【0007】
図1は、本発明の1実施形態の埋設ブロック(以下、単に「ブロック」という)10を示す。ブロック10は、基部11と基部11から突起する筒部12を有する。筒部12は、基部11側が開放した中空形状であり、内部に中空部13を有する。中空部13には、装填材14が装填されている。ブロック10は、基部11や筒部12の底面に突起15a/開口15b等の形態の連結構造を有するとよい。
【0008】
ブロック10は、油・熱・火等の環境に強いプラスチックポリプロピレン等のプラスチックで形成できる。装填材14は、中空部13に隙間が生じないように充填するのが好ましい。装填材14は、硬化性の装填材とすれば、流動状態の装填材14を中空部13に流し込んでから硬化できるので、装填材14の成形や中空部13への装填が容易になる。装填材14は、軽量骨材コンクリートや硬質ウレタンフォーム等の耐油性・耐火性・耐熱性材料が好ましい。
【0009】
図2は、本発明の1実施形態の道路構造体20の断面図及び側面図を示す。道路構造体20は、複数のブロック10を配列したブロック構造体21を有する。ブロック10は、好ましくは、上下前後左右に配列される。隣接するブロック同士は、連結構造により連結するとよい。
【0010】
ブロック構造体21の上にコンクリート等からなる床板22を配設し、その上に道路23を敷設するとよい。ブロック構造体21の側面は、覆土24で覆うとよい。覆土24の適宜個所に窓25を設けてもよい。
【0011】
道路構造体20では、地盤沈下対策や軟弱地盤の改質の面でEPSの軽量盛土と同様の効果を有する。それに加え、道路構造体20では、ブロック構造体21がプラスチックのブロック10で構成されているため、油・熱・火等の環境に強い。また、地震に強く、レベル2に対応可能であり、装填材14の補強により耐荷重性など強度に優れる。装填材14が筒部12に収容されているので環境に晒され難く、劣化に強い。
【0012】
装填材14に軽量骨材コンクリートや硬質ウレタンフォームを使用すれば、油・熱・火・酸・アルカリ等に一層強くなる。骨材量や発泡倍率で補強度合を調節できる点も便利である。筒部12の周りに空間が形成されるため小動物や水の通り道を確保できる。通り道のために必要に応じて窓25を設ければよい。
図3のように筒部12を向かい合わせてブロック10を積層すれば、筒部12周りの空間が大きくなる。
【0013】
図2の例では、地面1の上にブロック構造体21を敷設しているが、地面1を掘って溝を作り、その溝の中にブロック構造体21の一部(例えば、下半分)又は全部を埋めてもよい。
図2の例は、ブロック構造体21の上に道路23を敷設した道路構造体であるが、建物等の構造物を敷設して地下構造体としてもよい。
【0014】
図4は、他の態様のブロック10A,10Bを示す。ブロック10Aは4本の筒部12Aを有し、ブロック10Bは外筒16の内側に筒部12Bを有する。筒部12Bは、基部から突起する外筒16の底面16aから上に延びている。装填材14(不図示)は、筒部12A,12Bの内部の中空部に装填されている。ブロック10A,10Bの場合も上記と同様の効果を達成する。ブロック10Bは、動物等の通り道確保のため、外筒16の側面等を窓抜き加工するとよい。
【0015】
上記実施形態に記載したブロックや道路構造体やその要素の寸法、形状、配置、個数、材料等は例示であり、他の態様も可能である。
【符号の説明】
【0016】
1・・・地面
10,10A,10B・・・ブロック
11・・・基部
12,12A,12B・・・筒部
13・・・中空部
14・・・装填材
15a・・・突起
15b・・・開口
16・・・外筒
20・・・道路構造体
21・・・ブロック構造体
22・・・床板
23・・・道路
24・・・覆土
25・・・窓