【解決手段】ユーザの頭部に装着して用いられる撮像装置、または、ユーザの頭部に装着して用いられる装着型の装置に接続して用いられる撮像装置であって、撮像素子を有し、ユーザの両目を撮像対象とする撮像部材と、撮像素子の撮像面上に、ユーザの両目の像をそれぞれ結像させる光学部材とを備え、撮像部材は、撮像装置または装着型の装置がユーザの頭部に装着されたときに、ユーザの一方の目側またはユーザの他方の目側に位置するように、配置される、撮像装置が、提供される。
前記撮像部材は、前記撮像装置または前記装着型の装置が前記ユーザの頭部に装着されたときに、前記ユーザの有効視野の外に位置するように、配置される、請求項1〜4のいずれか1項に記載の撮像装置。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0017】
[1]本発明の実施形態に係る撮像装置
本発明の実施形態に係る撮像装置は、例えば、アイウェアや耳かけ型の装置のようなユーザの頭部に装着して用いられる装着型の装置であって、撮像機能を有する装置である。また、本発明の実施形態に係る撮像装置は、例えば、アイウェアなどのユーザの頭部に装着して用いられる装着型の装置に物理的に接続して用いられ、撮像機能を有する装置であってもよい。以下では、ユーザの頭部に装着して用いられる本発明の実施形態に係る撮像装置を、「装着型の撮像装置」と示す場合がある。また、以下では、ユーザの頭部に装着して用いられる装着型の装置を「装着型の装置」と示し、装着型の装置に物理的に接続可能な本発明の実施形態に係る撮像装置を、「接続型の撮像装置」と示す場合がある。また、以下では、「装着型の撮像装置」と「接続型の撮像装置」とを総称して、「本発明の実施形態に係る撮像装置」と示す。
【0018】
つまり、本発明の実施形態に係る撮像装置は、装着型の撮像装置、または、装着型の装置に物理的に接続可能な、接続型の撮像装置である。
【0019】
本発明の実施形態に係る撮像装置は、撮像部材を備え、ユーザの両目をそれぞれ撮像する。以下では、ユーザの両目を撮像することが可能な撮像装置の構成の一例を簡単に示した後に、本発明の実施形態に係る撮像装置の構成の一例を説明する。
【0020】
[1−1]ユーザの両目を撮像することが可能な撮像装置の構成の一例
図1は、ユーザの両目を撮像することが可能な撮像装置の構成の一例を示す説明図である。
図1では、既存の撮像装置と同様に撮像部材が配置される、撮像装置10の構成を示している。
【0021】
撮像装置10は、第1の撮像部材12と第2の撮像部材14とを備える。撮像装置10では、
図1に示すように、ユーザの右目に対応する位置とユーザの左目に対応する位置との2箇所に、第1の撮像部材12と第2の撮像部材14とが配置される。
【0022】
例えば
図1に示す撮像部材の配置では、第1の撮像部材12によりユーザに右目が撮像され、第2の撮像部材14によりユーザに左目が撮像される。よって、例えば
図1に示す撮像部材の配置により、装着型の撮像装置または装着型の装置を頭部に装着したユーザの両目を、それぞれ撮像することが可能である。
【0023】
しかしながら、
図1に示すように、ユーザの右目に対応する位置とユーザの左目に対応する位置との2箇所に撮像部材が配置される場合には、上述したように、ユーザが2箇所に配置された撮像部材を煩わしく感じてしまう可能性が、ある。
【0024】
図1に示す撮像装置10が用いられるときにおけるユーザが感じうる煩わしさを低減する方法としては、例えば、1つの撮像部材によってユーザの両目をそれぞれ撮像する方法が、考えられる。
【0025】
図2は、ユーザの両目を撮像することが可能な撮像装置の構成の他の例を示す説明図である。
図2では、1つの撮像部材22によりユーザの両目を撮像する、撮像装置20の構成を示している。
図2に示す“R1”は、撮像部材22の撮像範囲を概念的に示している。また、
図2に示す“R2”は、撮像部材22の撮像範囲内に含まれる一部の領域を示している。
【0026】
撮像装置20は、撮像部材22を備える。撮像装置20では、
図2に示すように、ユーザの右目に対応する位置の1箇所に、撮像部材22が配置される。
【0027】
図2に示す撮像装置20では、例えば撮像部材22の画角を広げることによって、ユーザの両目を撮像範囲内に含め、ユーザの両目を含む撮像画像を得ることが可能である。
【0028】
また、
図2に示す撮像装置20では、
図1に示す撮像装置10よりも撮像部材が配置される箇所を減らすことができるので、ユーザにとって目障りとなる可能性がある部分を減らすことが可能となる。よって、
図2に示す撮像装置20のように、1つの撮像部材によりユーザの両目を撮像することによって、ユーザが感じうる煩わしさを低減することができる。
【0029】
しかしながら、
図2に示す撮像装置20では、撮像部材22の画角を広げなければユーザの両目を撮像することができない。撮像部材22の画角を広げることは、
図2において“R2”と示す領域のような“撮像対象の目を示す領域以外の領域”が、大きくなることに繋がる。
【0030】
よって、
図2に示す撮像装置20のように、撮像部材の画角を広げなければユーザの両目を撮像することができない場合には、目を撮像対象とする上で無駄が大きい。また、目を撮像対象とする上での無駄が大きくなることによって、撮像画像に基づき行うことが可能な処理(例えば、後述する視線検出処理や目を計測する処理など)の精度の低下を招く可能性がある。
【0031】
[1−2]本発明の実施形態に係る撮像装置の概要
そこで、本発明の実施形態に係る撮像装置では、
図2に示す撮像装置20のようにユーザの両目を撮像するために画角を広げることなく、ユーザの両目を撮像対象とする1つの撮像部材で、ユーザの両目をそれぞれ撮像する。
【0032】
したがって、本発明の実施形態に係る撮像装置は、1つの撮像部材でユーザの両目をそれぞれ撮像するので、
図2に示す撮像装置20と同様に、ユーザが感じうる煩わしさを低減することができる。
【0033】
また、本発明の実施形態に係る撮像装置は、
図2に示す撮像装置20のようにユーザの両目を撮像するために画角を広げることなく、1つの撮像部材でユーザの両目をそれぞれ撮像するので、撮像画像における撮像対象の目を示す領域以外の領域は、
図2に示す撮像装置20において撮像された撮像画像よりも小さくなる。つまり、本発明の実施形態に係る撮像装置における撮像では、
図2に示す撮像装置20における撮像よりも、目を撮像対象とする上での無駄が小さい。さらに、撮像画像における撮像対象の目を示す領域以外の領域が小さくなることによって、撮像画像に基づき行うことが可能な処理(例えば、後述する視線検出処理や目を計測する処理など)の精度の低下を防止することが可能となる。
【0034】
また、本発明の実施形態に係る撮像装置では、装着型の撮像装置または装着型の装置がユーザの頭部に装着されたときに、ユーザの一方の目側または他方の目側に位置するように、撮像部材が配置される。このとき、本発明の実施形態に係る撮像装置では、例えば、撮像部材が、装着型の撮像装置または装着型の装置がユーザの頭部に装着されたときに当該ユーザの有効視野の外に位置するように、配置されていてもよい。
【0035】
ユーザの有効視野の外への撮像部材の配置は、例えば、本発明の実施形態に係る撮像装置の設計段階において人間の視野特性を考慮することにより、実現される。
【0036】
ここで、人間の視野特性は、例えば下記のように分類することが可能である。
・弁別視野:視力や色弁別などの視機能が優れ、人間が、任意のオブジェクトの形状や内容を認識することができる範囲
・有効視野:人間が、眼球運動を行うことにより、目的とするオブジェクトの形状や内容を認識することができる範囲
・その他の範囲:弁別視野、および有効視野以外の範囲
【0037】
ユーザの有効視野の外に位置するような配置の例としては、例えば、“装着型の撮像装置または装着型の装置がユーザの頭部に装着されたときに、撮像部材が上記その他の範囲に位置するように、撮像部材を、ユーザの一方の目側または他方の目側に配置すること”が、挙げられる。撮像部材の、ユーザの有効視野の外に位置するような配置は、例えば、有効視野の範囲の統計量(人間の視野特性に対応する指標の一例)、撮像部材の撮像機能、撮像装置のデザインなどを考慮することにより、決定される。
【0038】
なお、ユーザの有効視野の外に位置するような撮像部材の配置の例は、上記に示す例に限られない。例えば、撮像部材は、装着型の撮像装置または装着型の装置がユーザの頭部に装着されたときに、ユーザの死角となる任意の位置(ユーザの視界に入らない位置)に、配置されてもよい。
【0039】
例えば上記にように、装着型の撮像装置または装着型の装置がユーザの頭部に装着されたときに当該ユーザの有効視野の外に位置するように、撮像部材が配置されることによって、ユーザが感じうる煩わしさをさらに低減することができる。
【0040】
[1−3]本発明の実施形態に係る撮像装置の構成
次に、本発明の実施形態に係る撮像装置の構成について、より具体的に説明する。
【0041】
図3は、本発明の実施形態に係る撮像装置100の構成の一例を示す説明図である。撮像装置100は、例えば、撮像部材102と、光学部材104とを備える。撮像装置100は、例えば、撮像装置100が備えているバッテリなどの内部電源から供給される電力、または、外部電源から供給される電力などによって、駆動する。
【0042】
また、
図4は、本発明の実施形態に係る撮像装置100の外観の一例を示す説明図である。
図4は、撮像装置100が装着型の装置200に接続して用いられる接続型の撮像装置である場合における、撮像装置100の外観の一例を示している。
【0043】
なお、
図4に示す撮像装置100と装着型の装置200とは、一体の装置(すなわち、装着型の撮像装置)であってもよい。また、本発明の実施形態に係る撮像装置の外観が、
図4に示す例に限られないことは、言うまでもない。
【0044】
[1−3−1]撮像部材102
撮像部材102は、ユーザの両目を撮像対象とする撮像部材である。撮像部材102は、例えば
図3に示すように、ユーザの右目側(ユーザの一方の目側の一例、またはユーザの他方の目側の一例)に位置するように、配置される。
【0045】
撮像部材102は、例えば、鏡筒に設けられる光学系と、複数の撮像素子を有するイメ−ジセンサとを含んで構成される。イメ−ジセンサでは、例えば複数の撮像素子がマトリクス状に配置される。光学系は、1または2以上のレンズを含んで構成される。光学系を構成するレンズとしては、例えば、フォーカスレンズ、ズームレンズ、単焦点レンズなどの様々なレンズが、挙げられる。撮像素子としては、例えば、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)や、CCD(Charge Coupled Device)などが、挙げられる。
【0046】
なお、撮像部材102の構成は、上記に示す例に限られない。
【0047】
例えば、撮像部材102は、光学系を調整する調整機構を備えていてもよい。
【0048】
調整機構は、例えば鏡筒に設けられ、光学系を構成するレンズの鏡筒内における位置関係を変える。調整機構としては、例えば、鏡筒に設けられ回動可能なリング状の回動部材と、回動部材の回動と連動して光学系を構成するレンズを鏡筒内で移動させるレンズ移動部材とが、挙げられる。レンズ移動部材は、例えばバネやゴムなどの弾性体を含んで構成され、回動部材の回動に応じてレンズを移動させる。
【0049】
なお、本発明の実施形態に係る調整機構の構成は、上記に示す例に限られない。例えば、本発明の実施形態に係る調整機構は、手動で光学系を調整することが可能な任意の構成、または、モータなどの駆動により自動的に光学系を調整することが可能な任意の構成を、とることが可能である。
【0050】
また、撮像部材102は、撮像素子により生成されたアナログ信号を信号処理する信号処理回路を有していてもよい。信号処理回路は、例えば、AGC(Automatic Gain Control)回路とADC(Analog to Digital Converter)とを含み、撮像素子により生成されたアナログ信号をデジタル信号(画像データ)に変換する。
【0051】
また、撮像部材102は、撮像により生成された画像信号(アナログ信号またはデジタル信号)を送信する送信器を有していてもよい。送信器としては、例えば、MIPI(Mobile Industry Processor Interface)アライアンスのCSI−2(Camera Serial Interface 2)規格などの、画像信号を伝送することが可能な任意の規格に則った送信器が、挙げられる。なお、撮像部材102が有する送信器は、任意の通信方式の有線通信または任意の通信方式の無線通信で、画像信号を送信する送信器であってもよい。
【0052】
撮像部材102における撮像により生成された画像信号は、例えば、撮像部材102が有する送信器により、画像信号を処理する処理機能を有する外部装置へ伝送され、当該外部装置において処理される。
【0053】
また、撮像部材102は、IR LEDなどの光源を有していてもよい。なお、IR LEDなどの光源は、例えば、装着型の装置が備える光源など、撮像装置100の外部の光源であってもよいことは、言うまでもない。
【0054】
撮像部材102が光源を有する場合、撮像部材102は、例えば、光源の発光と連動して撮像を行う。光源の発光と連動した撮像とは、例えば、“光源が発光しているときに撮像部材102が撮像を行い、光源が発光していないときには、撮像部材102が撮像を行わないこと”をいう。
【0055】
光源の発光と撮像部材102における撮像との連動は、例えば、撮像装置100が備えるプロセッサにより制御されてもよいし、撮像装置100の外部装置により制御されてもよい。撮像装置100がプロセッサを備える場合、当該プロセッサは、後述する処理回路として機能しうる。
【0056】
撮像部材102が光源の発光と連動して撮像を行うことによって、角膜反射像の観測をより効率的に行うことができ、また、撮像装置100において消費される消費電力を低減することができる。
【0057】
[1−3−2]光学部材104
光学部材104は、撮像部材102を構成する撮像素子の撮像面上(撮像部材102を構成するイメージセンサの撮像面上)に、ユーザの両目の像をそれぞれ結像させる。
【0058】
光学部材104は、例えば、撮像素子の撮像面上の一の領域にユーザの右目の像を結像させ、撮像素子の撮像面上の他の領域にユーザの左目の像を結像させる。上記撮像素子の撮像面上の一の領域、および上記撮像素子の撮像面上の他の領域としては、撮像素子の撮像面上の領域全体を二分割した領域が、挙げられる。
【0059】
図5は、本発明の実施形態に係る撮像装置100が備える撮像部材102における撮像により得られる撮像画像の一例を示す説明図である。
図5は、“撮像素子の撮像面上の領域が二分割された一の領域にユーザの右目の像が結像され、撮像素子の撮像面上の領域が二分割された他の領域にユーザの左目の像が結像された場合に得られる撮像画像”の一例を示している。
図5に示す“R1”は、撮像画像が二分割された一の領域を示しており、
図5に示す“R2”は、撮像画像が二分割された他の領域を示している。
【0060】
撮像素子の撮像面上の領域全体を二分割した領域それぞれに、ユーザの右目の像およびユーザの左目の像をそれぞれ結像させることによって、例えば
図5に示すように、“領域R1にユーザの右目が含まれ、領域R2にユーザの左目が含まれる撮像画像”が、得られる。
【0061】
なお、撮像装置100における撮像により得られる撮像画像は、
図5に示す例に限られない。例えば、撮像装置100における撮像により得られる撮像画像は、“撮像画像における右目が含まれる領域と、撮像画像における左目が含まれる領域との大きさが異なる撮像画像”であってもよい。
【0062】
光学部材104としては、例えば、光を屈折させ、ユーザの右目の像およびユーザの左目の像それぞれを撮像素子の撮像面上の異なる領域に結像させることが可能な、任意の構造のプリズムが、挙げられる。光学部材104として機能するプリズムは、例えばガラスや樹脂などで形成されうる。
【0063】
なお、光学部材104は、上記のようなプリズムに限られない。例えば、光学部材104は、導光板を組み合わせた構造などの、ユーザの右目の像およびユーザの左目の像それぞれを撮像素子の撮像面上の異なる領域に結像させることが可能な、任意の部材で構成されていてもよい。
【0064】
光学部材104は、例えば
図3に示すように、撮像部材102の鏡筒部分に取り付けられる。なお、
図3に示す光学部材104は、便宜上誇張して示したものであり、光学部材104の大きさ、形状が、
図3に示す例に限られないことは、言うまでもない。
【0065】
光学部材104は、例えば撮像部材102の鏡筒部分に、固定されて設けられる。また、光学部材104は、例えば、撮像装置100から着脱可能であってもよい。光学部材104が撮像装置100から着脱可能である場合には、撮像装置100に取り付ける光学部材104を変えることが、可能となる。
【0066】
ここで、人間の右目と左目との間の幅(例えば、人間が正面を見たときにおける、右目の角膜の中心位置と左目の角膜の中心位置との距離で表される。以下「目幅」と示す。)には、個人差がある。そのため、撮像装置100が備える光学部材104を、撮像装置100を用いるユーザの目幅に対応する光学部材とすれば、“ユーザの一方の目の像が撮像素子の撮像面上に結像されるときに、ユーザの他方の目の像が撮像素子の撮像面上に結像されること”が、より確実に実現される。つまり、撮像装置100を用いるユーザの目幅に対応する光学部材104を備える撮像装置100は、撮像部材102によるユーザの両目の撮像を、より確実に行うことができる。ここで、撮像装置100を用いるユーザとは、装着型の撮像装置または装着型の装置を頭部に装着するユーザに該当する(以下、同様とする。)。
【0067】
光学部材104が撮像装置100から着脱可能であることによって、撮像装置100を用いるユーザの目幅に対応する光学部材104を備える撮像装置100を、より容易に実現することができる。
【0068】
図6は、本発明の実施形態に係る撮像装置100から着脱可能な光学部材104の一例を示す説明図である。
図6に示すAは、目幅1のユーザに対応する光学部材104Aを備える撮像装置100の一例を示しており、
図6に示すBは、目幅2(目幅2>目幅1)のユーザに対応する光学部材104Bを備える撮像装置100の一例を示している。
【0069】
光学部材104Aおよび光学部材104Bそれぞれは、例えば、“撮像装置100を用いるユーザの目幅に合わせて設計、製造された光学部材”であってもよいし、“人間の目幅の統計値を基に設計、製造された光学部材”であってもよい。撮像装置100を用いるユーザの目幅に対応する光学部材104が、複数種類存在する場合、例えば、光学部材104それぞれの構造、大きさ、光学部材104それぞれに入射された光が撮像素子の撮像面上に到達するまでの屈折数などは、光学部材104ごとに変わりうる。
【0070】
図6に示すように、撮像装置100を用いるユーザの目幅に対応する光学部材104を備える撮像装置100は、ユーザの両目をより確実に撮像範囲内に含めることができる。また、ユーザの両目がより確実に撮像範囲内に含まれることは、“ユーザの両目を撮像範囲内に含めるための何らかの調整操作を、ユーザが行わなければならない可能性の低減”へと繋がる。
【0071】
よって、光学部材104が撮像装置100から着脱可能であり、撮像装置100を用いるユーザの目幅に対応する光学部材104が取り付けられることによって、撮像装置100を用いるユーザの利便性の向上を図りつつ、1つの撮像部材102でユーザの両目をそれぞれ撮像することが、実現される。
【0072】
撮像装置100は、例えば上記のような撮像部材102および光学部材104を備えることによって、装着型の撮像装置または装着型の装置を頭部に装着したユーザの両目を、それぞれ撮像する。
【0073】
なお、本発明の実施形態に係る撮像装置の構成は、上記に示す例に限られない。
【0074】
例えば、本発明の実施形態に係る撮像装置は、撮像部材102における撮像により生成された画像信号を処理する処理回路を、さらに備えていてもよい。
【0075】
処理回路における処理としては、例えば、画像信号が示す撮像画像に基づき視線を検出する視線検出処理や、画像信号が示す撮像画像に基づき目を計測する処理など、撮像画像に対して行うことが可能な任意の処理が、挙げられる。本発明の実施形態に係る視線検出処理の一例としては、例えば、撮像画像に含まれる角膜反射像の位置に対する瞳孔の位置に基づいて視線を検出する処理(角膜反射法を利用した視線検出処理の一例)が挙げられる。また、目を計測する処理の一例としては、例えば、瞬目を計測する処理が挙げられる。なお、本発明の実施形態に係る画像信号が示す撮像画像に基づく処理が、上記に示す例に限られないことは、言うまでもない。
【0076】
処理回路は、例えば、撮像部材102と、データバスなどの信号線で電気的に接続され、撮像部材102から信号線で伝送される画像信号を処理する。処理回路と撮像部材102とを信号線で接続する規格としては、例えば、MIPIアライアンスのCSI−2規格などが挙げられる。なお、撮像部材102と処理回路とは、任意の通信方式の有線通信、または、任意の通信方式の無線通信で、画像信号を送受信してもよい。
【0077】
処理回路としては、例えばCPU(Central Processing Unit)などのプロセッサが、挙げられる。
【0078】
また、本発明の実施形態に係る撮像装置では、撮像部材102が上記処理回路を有していてもよい。上記処理回路を有する撮像部材102は、上記送信器を有していなくてもよい。
【0079】
また、本発明の実施形態に係る撮像装置は、例えば、撮像部材102における撮像により生成された画像信号を、無線通信または有線通信で送信する通信デバイスを、さらに備えていてもよい。通信デバイスとしては、例えば、撮像部材102が有する送信器よりも、通信可能範囲が大きい通信方式に対応する通信デバイスが挙げられる。一例を挙げると、通信デバイスとしては、例えば、通信アンテナおよびRF(Radio Frequency)回路(無線通信)や、IEEE802.15.1ポートおよび送受信回路(無線通信)、IEEE802.11ポートおよび送受信回路(無線通信)、LAN(Local Area Network)端子および送受信回路(有線通信)などが挙げられる。
【0080】
[2]本発明の実施形態に係る撮像装置により奏される効果の一例
本発明の実施形態に係る撮像装置が用いられることによって、例えば下記に示す効果が奏される。なお、本発明の実施形態に係る撮像装置により奏される効果が、下記に示す効果に限られないことは、言うまでもない。
・1つの撮像部材でユーザの両目をそれぞれ撮像することが可能であるので、ユーザが感じうる煩わしさを低減することができる。
・撮像部材が、ユーザの有効視野の外に位置するように配置されることによって、ユーザが感じうる煩わしさをさらに低減することができる。
・1つの撮像部材でユーザの両目をそれぞれ撮像することが可能であるので、ユーザの両目を撮像するための撮像部材の位置の調整を、
図1に示す撮像装置10のような2つの撮像部材を備える撮像装置よりも、より簡便化することができる。
・本発明の実施形態に係る撮像装置が光学部材を着脱することが可能な構成である場合には、本発明の実施形態に係る撮像装置を用いるユーザの目幅に対応する光学部材を、本発明の実施形態に係る撮像装置に設けることが、より容易に実現される。本発明の実施形態に係る撮像装置を用いるユーザの目幅に対応する光学部材を備えることによって、本発明の実施形態に係る撮像装置は、より確実にユーザの両目の撮像を行うことができる。
【0081】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。