【解決手段】本発明の一実施形態によるカメラモジュールは、レンズ鏡筒を収容し、側面に開口部が備えられたハウジングと、上記レンズ鏡筒を光軸方向に移動させるように構成された焦点調整部と、上記レンズ鏡筒を光軸に垂直な方向に移動させるように構成された振れ補正部と、上記焦点調整部及び上記振れ補正部に駆動信号を提供する基板と、を含み、上記基板は、複数の銅箔パターンが積層されて埋め込まれた硬性部と、上記硬性部の外側面に形成され、曲げ可能に構成された軟性部と、を含み、上記硬性部は上記開口部に挿入され、上記軟性部は上記ハウジングに取り付けられることができる。
前記第1検知コイルは、前記光軸方向に配置された2つのコイルを含み、前記マグネットが前記光軸方向に移動するに伴って変わるインダクタンスの変化から、前記マグネットの前記光軸方向における位置を検知するように構成される、請求項5に記載のカメラモジュール。
前記第2検知コイルは、前記光軸に垂直な方向に配置された3つのコイルを含み、前記検知ヨークが前記光軸に垂直な方向に移動するに伴って変わるインダクタンスの変化から、前記検知ヨークの前記光軸に垂直な方向における位置を検知するように構成される、請求項8に記載のカメラモジュール。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下では、図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。しかし、本発明の思想は提示される実施形態に制限されない。
【0012】
例えば、本発明の思想を理解する当業者は、構成要素の追加、変更、または削除などによって、本発明の思想の範囲内に含まれる他の実施形態を提案することができる。しかし、これも本発明の思想の範囲内に含まれるものである。
【0013】
本発明は、カメラモジュールに関し、移動通信端末機、スマートフォン、タブレット型コンピューターなどの携帯可能な電子機器に適用されることができる。
【0014】
図1は本発明の一実施形態によるカメラモジュールの斜視図であり、
図2は本発明の一実施形態によるカメラモジュールの概略的な分解斜視図である。
【0015】
また、
図3は本発明の一実施形態によるカメラモジュールの振れ補正部の一部を示した分解斜視図である。
【0016】
図1〜
図3を参照すると、本発明の一実施形態によるカメラモジュール100は、レンズ鏡筒210と、レンズ鏡筒210を移動させるレンズ駆動装置と、レンズ鏡筒210を介して入射された光を電気信号に変換する画像センサーモジュール700と、レンズ鏡筒210及びレンズ駆動装置を収容するハウジング120及びケース110と、を含む。
【0017】
レンズ鏡筒210は、被写体を撮像する複数のレンズが内部に収容されるように中空の円筒状であることができ、複数のレンズは光軸に沿ってレンズ鏡筒210に装着される。
【0018】
複数のレンズは、レンズ鏡筒210の設計に応じて必要な数だけ配置される。この時、それぞれのレンズは、同一または異なる屈折率などの光学的特性を有する。
【0019】
レンズ駆動装置はレンズ鏡筒210を移動させる装置である。
【0020】
一例として、レンズ駆動装置は、レンズ鏡筒210を光軸(Z軸)方向に移動させることで焦点を調整することができ、レンズ鏡筒210を光軸(Z軸)に垂直な方向に移動させることで撮影時の振れを補正することができる。
【0021】
レンズ駆動装置は、焦点を調整する焦点調整部400と、振れを補正する振れ補正部500と、を含む。
【0022】
画像センサーモジュール700は、レンズ鏡筒210を介して入射された光を電気信号に変換する装置である。
【0023】
一例として、画像センサーモジュール700は、画像センサー710と、画像センサー710と連結される印刷回路基板720と、を含むことができ、赤外線フィルターをさらに含むことができる。
【0024】
赤外線フィルターは、レンズ鏡筒210を介して入射された光のうち、赤外線領域の光を遮断する役割を果たす。
【0025】
画像センサー710は、レンズ鏡筒210を介して入射された光を電気信号に変換する。一例として、画像センサー710はCCD(Charge Coupled Device)またはCMOS(Complementary Metal−Oxide Semiconductor)であることができる。
【0026】
画像センサー710により変換された電気信号は、携帯可能な電子機器のディスプレイユニットを介して映像として出力される。
【0027】
画像センサー710は印刷回路基板720に固定されており、ワイヤボンディングにより印刷回路基板720と電気的に連結される。
【0028】
レンズ鏡筒210及びレンズ駆動装置はハウジング120に収容される。
【0029】
一例として、ハウジング120は上部と下部が開放された形状であり、ハウジング120の内部空間にレンズ鏡筒210及びレンズ駆動装置が収容される。
【0030】
ハウジング120の下部には画像センサーモジュール700が配置される。
【0031】
また、ハウジング120の側面には、焦点調整部400及び振れ補正部500に駆動信号を提供する基板600が配置される。基板600は、ハウジング120の4つの側面を囲む1つの基板600として提供される。
【0032】
ハウジング120の側面には、後述のように、焦点調整部400の第1駆動コイル430及び第1検知コイル470と、振れ補正部500の第2駆動コイル510b、520b及び第2検知コイル530bが挿入可能であるように、開口部が備えられている。
【0033】
ケース110はハウジング120と結合され、カメラモジュール100の内部構成部品を保護する機能を果たす。
【0034】
また、ケース110は電磁波を遮蔽する機能を果たすことができる。
【0035】
一例として、カメラモジュールで発生した電磁波が、携帯可能な電子機器内の他の電子部品に影響を与えないように、ケース110が電磁波を遮蔽することができる。
【0036】
また、携帯可能な電子機器には、カメラモジュールの他に種々の電子部品が装着されるため、かかる電子部品で発生した電磁波がカメラモジュールに影響を与えないようにケース110が電磁波を遮蔽することができる。
【0037】
ケース110は金属材質からなり、印刷回路基板720に備えられる接地パッドに接地されることができ、これによって電磁波を遮蔽することができる。
【0038】
図2を参照して、本発明の一実施形態によるカメラモジュールのレンズ駆動装置のうち、焦点調整部400について説明する。
【0039】
被写体に焦点を合わせるために、レンズ駆動装置によってレンズ鏡筒210が移動する。
【0040】
一例として、本発明は、レンズ鏡筒210を光軸(Z軸)方向に移動させる焦点調整部400を備える。
【0041】
焦点調整部400は、レンズ鏡筒210を収容するキャリア300と、レンズ鏡筒210とキャリア300を光軸(Z軸)方向に移動させるように駆動力を発生させるマグネット410及び第1駆動コイル430と、を含む。
【0042】
マグネット410はキャリア300に装着される。一例として、マグネット410はキャリア300の一面に装着されることができる。
【0043】
第1駆動コイル430は、基板600の内部に積層されて埋め込まれた銅箔パターンであることができる。マグネット410と第1駆動コイル430が光軸(Z軸)に垂直な方向に向かい合うように、基板600がハウジング120の側面に装着される。
【0044】
マグネット410は、キャリア300に装着されてキャリア300とともに光軸(Z軸)方向に移動する移動部材であり、第1駆動コイル430はハウジング120に固定された固定部材である。
【0045】
第1駆動コイル430に電源が印加されると、マグネット410と第1駆動コイル430との電磁気的な影響力によってキャリア300が光軸(Z軸)方向に移動することができる。
【0046】
キャリア300にはレンズ鏡筒210が収容されるため、キャリア300の移動に伴ってレンズ鏡筒210も光軸(Z軸)方向に移動する。
図2に示されたように、キャリア300にはフレーム310及びレンズホルダー320が収容されるため、キャリア300の移動に伴って、フレーム310、レンズホルダー320、及びレンズ鏡筒210も光軸(Z軸)方向に移動する。
【0047】
キャリア300が移動する時、キャリア300とハウジング120との摩擦を低減するために、キャリア300とハウジング120との間に転がり部材B1が配置される。転がり部材B1はボールの形態であることができる。
【0048】
転がり部材B1はマグネット410の両側に配置される。
【0049】
ヨーク450は、光軸(Z軸)に垂直な方向にマグネット410と向かい合うように配置される。一例として、ヨーク450は基板600の外側面(第1駆動コイル430が埋め込まれた面の反対面)に装着される。したがって、ヨーク450は、コイル430を挟んでマグネット410と向かい合うように配置される。
【0050】
ヨーク450とマグネット410との間には、光軸(Z軸)に垂直な方向に引力が作用する。
【0051】
したがって、ヨーク450とマグネット410との間の引力により、転がり部材B1とキャリア300及びハウジング120との接触状態が維持されることができる。
【0052】
また、ヨーク450は、マグネット410の磁気力が集束されるようにする機能も果たす。これにより、漏れ磁束が発生することを防止することができる。
【0053】
一例として、ヨーク450とマグネット410は磁気回路(Magnetic circuit)を形成する。
【0054】
本発明では、レンズ鏡筒210の位置を検知してフィードバックする閉ループ制御方式を用いる。
【0055】
したがって、閉ループ制御のために第1位置測定部が提供される。第1位置測定部は第1検知コイル470を含む。第1検知コイル470も第1駆動コイル430と同様に、基板600の内部に積層されて埋め込まれた銅箔パターンであることができる。
【0056】
第1検知コイル470はマグネット410と向かい合うように配置され、第1駆動コイル430に隣接した位置に配置される。
【0057】
一例として、第1検知コイル470は、光軸(Z軸)に垂直な方向にマグネット410と向かい合うように配置される。
【0058】
マグネット410が光軸(Z軸)方向に移動するに伴って、第1検知コイル470のインダクタンスが変化するようになる。したがって、第1検知コイル470のインダクタンスの変化から、マグネット410の位置を検知することができる。マグネット410はキャリア300に装着されており、キャリア300にはレンズ鏡筒210が収容され、キャリア300はレンズ鏡筒210とともに光軸(Z軸)方向に移動するため、結果として、第1検知コイル470のインダクタンスの変化からレンズ鏡筒210の位置(光軸(Z軸)方向における位置)を検知することができる。
【0059】
第1検知コイル470は光軸(Z軸)方向に配置された複数のコイルを含むことができる。例えば、第1検知コイル470は、光軸(Z軸)方向に配置された2つのコイル470a、470bを含む。
【0060】
マグネット410が光軸(Z軸)方向に移動する際に、第1検知コイル470の2つのコイル470a、470bで発生する信号差を用いて、レンズ鏡筒210の光軸(Z軸)方向における位置をより正確に検知することができる。
【0061】
一方、第1位置測定部は少なくとも1つのキャパシターをさらに備え、少なくとも1つのキャパシターと第1検知コイル470とが、所定の発振回路を形成することができる。一例として、少なくとも1つのキャパシターは、第1検知コイル470に含まれたコイルの個数に対応して備えられ、1つのキャパシターと1つのコイル(470aまたは470b)とが、所定のLC発振器のような形態で構成されることができる。
【0062】
第1位置測定部は、発振回路で生成される発振信号の周波数変化からレンズ鏡筒210の変位を判断することができる。具体的に、発振回路を成す第1検知コイル470のインダクタンスが変化する場合、発振回路で生成される発振信号の周波数が変化するため、その周波数の変化に基づいてレンズ鏡筒210の変位を検出することができる。
【0063】
一方、本実施形態では、第1検知コイル470がマグネット410と向かい合うと説明しているが、第1検知コイル470と向かい合うようにマグネット410に隣接した位置に検知ヨークを配置することも可能である。検知ヨークは導電体として提供されることができる。
【0064】
次に、
図2及び
図3を参照して、本発明の一実施形態によるカメラモジュールのレンズ駆動装置のうち、振れ補正部500について説明する。
【0065】
振れ補正部500は、画像の撮影または映像の撮影時におけるユーザの手振れなどに起因する画像のボケや映像の振れを補正するために用いられる。
【0066】
例えば、振れ補正部500は、ユーザの手振れなどによって映像の撮影時に振れが発生した時に、振れに対応する相対変位をレンズ鏡筒210に付与することで振れを補償する。
【0067】
一例として、振れ補正部500は、レンズ鏡筒210を光軸(Z軸)に垂直な方向に移動させることで振れを補正する。
【0068】
振れ補正部500は、レンズ鏡筒210の移動をガイドするガイド部材と、ガイド部材を光軸(Z軸)に垂直な方向に移動させるように駆動力を発生させる複数のマグネット510a、520a及び第2駆動コイル510b、520bと、を含む。
【0069】
ガイド部材はフレーム310及びレンズホルダー320を含む。フレーム310及びレンズホルダー320はキャリア300内に挿入されて光軸(Z軸)方向に配置され、レンズ鏡筒210の移動をガイドする機能を果たす。
【0070】
フレーム310及びレンズホルダー320は、レンズ鏡筒210が挿入可能な空間を有する。レンズ鏡筒210はレンズホルダー320に挿入固定される。
【0071】
フレーム310及びレンズホルダー320は、複数のマグネット510a、520a及び第2駆動コイル510b、520bによって発生した駆動力により、キャリア300に対して光軸(Z軸)に垂直な方向に移動する。
【0072】
複数のマグネット510a、520a及び第2駆動コイル510b、520bのうち、一部のマグネット510aと一部のコイル510bは、光軸(Z軸)に垂直な第1軸(X軸)方向に駆動力を発生させ、残りのマグネット520aと残りのコイル520bは、第1軸(X軸)に垂直な第2軸(Y軸)方向に駆動力を発生させる。すなわち、マグネットとコイルは、互いに向かい合う方向に駆動力を発生させる。
【0073】
ここで、第2軸(X軸)は、光軸(Z軸)と第1軸(Y軸)の両方に垂直な軸を意味する。
【0074】
複数のマグネット510a、520aは、光軸(Z軸)に垂直な平面において互いに直交するように配置される。
【0075】
複数のマグネット510a、520aはレンズホルダー320に装着される。一例として、複数のマグネット510a、520aはそれぞれレンズホルダー320の側面に装着される。レンズホルダー320の側面は互いに垂直な第1面及び第2面を有し、レンズホルダー320の第1面と第2面にそれぞれマグネットが配置される。
【0076】
第2駆動コイル510b、520bは、基板600の内部に積層されて埋め込まれた銅箔パターンであることができる。複数のマグネット510a、520aと第2駆動コイル510b、520bとが光軸(Z軸)に垂直な方向に向かい合うように、基板600がハウジング120の側面に装着される。
【0077】
複数のマグネット510a、520aはレンズホルダー320とともに光軸(Z軸)に垂直な方向に移動する移動部材であり、第2駆動コイル510b、520bはハウジング120に固定された固定部材である。
【0078】
一方、本発明では、振れ補正部500のフレーム310及びレンズホルダー320を支持する複数のボール部材が提供される。複数のボール部材は、振れ補正過程でフレーム310、レンズホルダー320、及びレンズ鏡筒210の移動をガイドする機能を果たす。また、キャリア300、フレーム310、及びレンズホルダー320の間の間隔を維持させる機能も果たす。
【0079】
複数のボール部材は第1ボール部材B2及び第2ボール部材B3を含む。
【0080】
第1ボール部材B2は、フレーム310、レンズホルダー320、及びレンズ鏡筒210の第1軸(X軸)方向への移動をガイドし、第2ボール部材B3は、レンズホルダー320及びレンズ鏡筒210の第2軸(Y軸)方向への移動をガイドする。
【0081】
一例として、第1ボール部材B2は、第1軸(X軸)方向への駆動力が発生した場合に、第1軸(X軸)方向に転動する。これにより、第1ボール部材B2は、フレーム310、レンズホルダー320、及びレンズ鏡筒210の第1軸(X軸)方向への移動をガイドする。
【0082】
また、第2ボール部材B3は、第2軸(Y軸)方向への駆動力が発生した場合に、第2軸(Y軸)方向に転動する。これにより、第2ボール部材B3は、レンズホルダー320及びレンズ鏡筒210の第2軸(Y軸)方向への移動をガイドする。
【0083】
第1ボール部材B2は、キャリア300とフレーム310との間に配置される複数のボール部材を含み、第2ボール部材B3は、フレーム310とレンズホルダー320との間に配置される複数のボール部材を含む。
【0084】
キャリア300とフレーム310とが互いに光軸(Z軸)方向に向かい合う面には、それぞれ第1ボール部材B2を収容する第1ガイド溝部301が形成される。第1ガイド溝部301は、第1ボール部材B2の複数のボール部材に対応する複数のガイド溝を含む。
【0085】
第1ボール部材B2は第1ガイド溝部301に収容され、キャリア300とフレーム310との間に介在する。
【0086】
第1ボール部材B2は、第1ガイド溝部301に収容された状態で、光軸(Z軸)及び第2軸(Y軸)方向への移動が制限され、第1軸(X軸)方向にのみ移動することができる。一例として、第1ボール部材B2は第1軸(X軸)方向にのみ転動可能である。
【0087】
そのために、第1ガイド溝部301の複数のガイド溝のそれぞれの平面形状は、第1軸(X軸)方向に長さを有する長方形であることができる。
【0088】
フレーム310とレンズホルダー320とが互いに光軸(Z軸)方向に向かい合う面には、それぞれ第2ボール部材B3を収容する第2ガイド溝部311が形成される。第2ガイド溝部311は、第2ボール部材B3の複数のボール部材に対応する複数のガイド溝を含む。
【0089】
第2ボール部材B3は第2ガイド溝部311に収容され、フレーム310とレンズホルダー320との間に介在する。
【0090】
第2ボール部材B3は、第2ガイド溝部311に収容された状態で、光軸(Z軸)及び第1軸(X軸)方向への移動が制限され、第2軸(Y軸)方向にのみ移動することができる。一例として、第2ボール部材B3は第2軸(Y軸)方向にのみ転動可能である。
【0091】
そのために、第2ガイド溝部311の複数のガイド溝のそれぞれの平面形状は、第2軸(Y軸)方向に長さを有する長方形であることができる。
【0092】
一方、本発明では、キャリア300とレンズホルダー320との間に配置され、レンズホルダー320の移動を支持する第3ボール部材B4が提供される。
【0093】
第3ボール部材B4は、レンズホルダー320の第1軸(X軸)方向への移動及び第2軸(Y軸)方向への移動を両方ともガイドする。
【0094】
一例として、第3ボール部材B4は、第1軸(X軸)方向への駆動力が発生した場合に、第1軸(X軸)方向に転動する。これにより、第3ボール部材B4はレンズホルダー320の第1軸(X軸)方向への移動をガイドする。
【0095】
また、第3ボール部材B4は、第2軸(Y軸)方向への駆動力が発生した場合に、第2軸(Y軸)方向に転動する。これにより、第3ボール部材B4は、レンズホルダー320の第2軸(Y軸)方向への移動をガイドする。
【0096】
一方、第2ボール部材B3と第3ボール部材B4はレンズホルダー320を接触支持する。
【0097】
キャリア300とレンズホルダー320とが互いに光軸(Z軸)方向に向かい合う面には、それぞれ第3ボール部材B4を収容する第3ガイド溝部302が形成される。
【0098】
第3ボール部材B4は第3ガイド溝部302に収容され、キャリア300とレンズホルダー320との間に介在する。
【0099】
第3ボール部材B4は、第3ガイド溝部302に収容された状態で、光軸(Z軸)方向への移動が制限され、第1軸(X軸)及び第2軸(Y軸)方向に転動することができる。
【0100】
そのために、第3ガイド溝部302の平面形状は円形であることができる。したがって、第3ガイド溝部302の平面形状と第1ガイド溝部301及び第2ガイド溝部311の平面形状は互いに異なる。
【0101】
第1ボール部材B2は第1軸(X軸)方向にのみ転動可能であり、第2ボール部材B3は第2軸(Y軸)方向にのみ転動可能であり、第3ボール部材B4は第1軸(X軸)及び第2軸(Y軸)方向に転動可能である。
【0102】
したがって、本発明の振れ補正部500を支持する複数のボール部材は、その自由度が互いに異なる。
【0103】
ここで、自由度とは、3次元座標系において、物体の運動状態を示すのに必要な独立変数の数を意味する。
【0104】
一般に、3次元座標系において物体の自由度は6である。物体の動きは、3つの方向の直交座標系と3つの方向の回転座標系によって表現されることができる。
【0105】
一例として、3次元座標系において、物体は各軸(X軸、Y軸、Z軸)に沿って並進運動することができ、各軸(X軸、Y軸、Z軸)を基準として回転運動することができる。
【0106】
本明細書における自由度とは、振れ補正部500に電源が印加され、光軸(Z軸)に垂直な方向に発生した駆動力によって振れ補正部500が移動する際に、第1ボール部材B2、第2ボール部材B3、及び第3ボール部材B4の動きを示すのに必要な独立変数の数を意味する。
【0107】
一例として、光軸(Z軸)に垂直な方向に発生した駆動力によって、第3ボール部材B4は2つの軸(第1軸(X軸)及び第2軸(Y軸))に沿って転動可能であり、第1ボール部材B2及び第2ボール部材B3は1つの軸(第1軸(X軸)または第2軸(Y軸))に沿って転動可能である。
【0108】
したがって、第3ボール部材B4の自由度が、第1ボール部材B2と第2ボール部材B3の自由度に比べて大きい。
【0109】
第1軸(X軸)方向に駆動力が発生すると、フレーム310、レンズホルダー320、及びレンズ鏡筒210がともに第1軸(X軸)方向に動く。
【0110】
ここで、第1ボール部材B2と第3ボール部材B4は第1軸(X軸)に沿って転動する。この際、第2ボール部材B3の動きは制限される。
【0111】
また、第2軸(Y軸)方向に駆動力が発生すると、レンズホルダー320及びレンズ鏡筒210が第2軸(Y軸)方向に動く。
【0112】
ここで、第2ボール部材B3と第3ボール部材B4は第2軸(Y軸)に沿って転動する。この際、第1ボール部材B2の動きは制限される。
【0113】
本発明は、振れ補正過程で、レンズ鏡筒210の位置を検知してフィードバックする閉ループ制御方式を用いる。
【0114】
したがって、閉ループ制御のための第2位置測定部が提供される。
【0115】
第2位置測定部は、検知ヨーク530a及び第2検知コイル530bを含むことができる。
【0116】
検知ヨーク530aはレンズホルダー320の側面に取り付けられる。一例として、レンズホルダー320の第3面に検知ヨーク530aが取り付けられることができる。レンズホルダー320の第3面は、第1面または第2面に垂直な面であることができる。
【0117】
第2検知コイル530bは、光軸(Z軸)に垂直な方向に検知ヨーク530aと向かい合うように配置される。
【0118】
第2検知コイル530bも第2駆動コイル510b、520bと同様に、基板600の内部に積層されて埋め込まれた銅箔パターンであることができる。
【0119】
第2検知コイル530bは、光軸(Z軸)に垂直な方向に配置された複数のコイルを含むことができる。一例として、第2検知コイル530bは、光軸(Z軸)に垂直な方向に配置された3つのコイル531b、532b、533bを含むことができる。
【0120】
第2検知コイル530bに交流電流が印加されると、第2検知コイル530bの磁場が、第2検知ヨーク530aに渦電流(Eddy current)を誘導するようになる。ここで、第2検知ヨーク530aは導電体として提供されることができる。
【0121】
渦電流により、第2検知コイル530bのインダクタンスが変化するようになる。第2検知コイル530bのインダクタンスの変化量は、第2検知コイル530bと第2検知ヨーク530aとの間の距離の影響を受ける。
【0122】
第2検知ヨーク530aはレンズホルダー320に取り付けられており、レンズホルダー320はレンズ鏡筒210とともに光軸(Z軸)に垂直な第1軸(Y軸)及び第2軸(X軸)方向に移動するため、第2検知コイル530bのインダクタンスの変化から、レンズ鏡筒210の第1軸(Y軸)及び第2軸(X軸)方向における位置を測定することができる。
【0123】
一方、インダクタンスの変化からレンズ鏡筒210の位置を検知するために、第2検知コイル530bは2つのコイルで構成されることができるが、温度の変化によるインダクタンスの変化に起因するノイズを低減するために、本実施形態における第2検知コイル530bは3つのコイルを含む。
【0124】
一方、本発明では、振れ補正部500と第1〜第3ボール部材B2、B3、B4との接触状態が維持されるように、複数のヨーク510c、520cが提供される。
【0125】
複数のヨーク510c、520cはキャリア300に固定され、複数のマグネット510a、520aと光軸(Z軸)方向に向かい合うように配置される。
【0126】
したがって、複数のヨーク510c、520cと複数のマグネット510a、520aとの間には、光軸(Z軸)方向に引力が発生する。
【0127】
複数のヨーク510c、520cと複数のマグネット510a、520aとの間の引力により、振れ補正部500が複数のヨーク510c、520cに向かう方向に加圧されるため、振れ補正部500のフレーム310及びレンズホルダー320と第1〜第3ボール部材B2、B3、B4との接触状態が維持されることができる。
【0128】
複数のヨーク510c、520cは、複数のマグネット510a、520aとの間で引力を発生させることができる材質からなる。一例として、複数のヨーク510c、520cは磁性体として提供される。
【0129】
本発明では、フレーム310及びレンズホルダー320と第1〜第3ボール部材B2、B3、B4との接触状態が維持されるように複数のヨーク510c、520cが提供されるとともに、外部衝撃などによって第1〜第3ボール部材B2、B3、B4、フレーム310、及びレンズホルダー320がキャリア300の外部に離脱することを防止するためにストッパー330が提供される。
【0130】
ストッパー330は、レンズホルダー320の上面の少なくとも一部を覆うようにキャリア300に結合される。
【0131】
図4は本発明の一実施形態によるカメラモジュールの基板の側面図であり、
図5は
図4のI−I'の断面図である。
【0132】
図4及び
図5を参照すると、本発明の一実施形態によるカメラモジュール100には、焦点調整部400及び振れ補正部500に駆動信号を提供する基板600が提供される。
【0133】
基板600は、ハウジング120の4つの側面を囲む1つの基板600として提供される。
【0134】
そのために、基板600は、撓み可能もしくは曲げ可能に構成される。基板600は、複数のコイル430、470、510b、520b、530bが内部に積層されて埋め込まれた硬性部(Rigid part)610と、撓み可能もしくは曲げ可能に構成された軟性部(Flexible part)620と、を含む。軟性部620はハウジング120の角領域に対応する部分に形成されることができる。
【0135】
一例として、基板600は、焦点調整部400の第1駆動コイル430及び第1検知コイル470が積層されて埋め込まれた第1硬性部611、振れ補正部500の第2駆動コイル510b、520bが積層されて埋め込まれた第2硬性部612と第3硬性部613、及び第2検知コイル530bが積層されて埋め込まれた第4硬性部614を含む。また、基板600は、第1硬性部611と第2硬性部612との間に第1軟性部621、第2硬性部612と第3硬性部613との間に第2軟性部623、第3硬性部613と第4硬性部614との間に第3軟性部623を含む。
【0136】
図5を参照すると、軟性部620は基板600の最外側面に配置される。一例として、軟性部620は基板600の最外側面であることができる。基板600の最外側面は、ハウジング120の側面と向かい合う基板600の一面の反対面を意味し得る。または、基板600の最外側面は、ケース110の内部面と向かい合う面を意味し得る。
【0137】
基板600の硬性部610には複数の銅箔パターンが積層されて埋め込まれ、複数のコイルを構成する。
【0138】
ハウジング120の側面には、焦点調整部400の第1駆動コイル430及び第1検知コイル470と、振れ補正部500の第2駆動コイル510b、520b及び第2検知コイル530bが挿入可能であるように、開口部が備えられている。
【0139】
すなわち、基板600の硬性部610は、ハウジング120の側面に備えられた開口部に挿入される。また、基板600の軟性部620はハウジング120の側面に装着される。
【0140】
図5に示されたように、基板600の軟性部620は基板600の最外側面を構成する。すなわち、基板600の軟性部620が基板600の最外側面を構成するため、基板600の硬性部610はハウジング120の開口部に挿入され、基板600の軟性部620はハウジング120の側面に装着されることができる。
【0141】
軟性部620が基板600の最外側面ではなく基板600の中間部分に形成される場合には、ハウジング120に挿入される硬性部610の体積が制限されるため、結果として、硬性部610に積層されて埋め込まれたコイルのサイズも小さくなる。
【0142】
近年、カメラモジュールは、そのサイズが小型化する傾向にあり、カメラモジュールのサイズが小さくなるほど、コイルのサイズも小さくなる。しかし、コイルのサイズが小さくなる場合、駆動力の大きさも小さくなり、検知の感度も悪くなるため、カメラモジュールの性能が低下するという問題がある。すなわち、カメラモジュールの小型化とカメラモジュールの性能向上をともに満たすことが困難であるという問題がある。
【0143】
しかし、本発明の一実施形態によるカメラモジュール100は、軟性部620を基板600の最外側面に位置させることで、ハウジング120の開口部に挿入される硬性部610の体積を増加させることができ、これにより、硬性部610に積層されて埋め込まれる銅箔パターンの数を増加させることができる。したがって、カメラモジュール100のサイズが小さくなっても、十分な駆動力を確保することができ、検知の感度を向上させることができる。すなわち、カメラモジュール100の小型化とカメラモジュール100の性能向上をともに満たすことができる。
【0144】
一方、ハウジング120の側面に装着される構成が基板600の軟性部620であるため、基板600の軟性部620には、剛性を向上させるために補強板が装着されることができる。
【0145】
硬性部610は、エポキシ樹脂をベースとする第1絶縁層630に銅箔パターン640を加工することで形成される。硬性部610の一例として、銅張積層板(CCL:Copper Clad Laminate)が用いられることができる。
【0146】
硬性部610の最外側面には軟性部620が取り付けられる。
図5を基準として、硬性部610の下部に軟性ベースフィルム660及び銅箔670を積層加工することで、硬性部610の下部に軟性部620を形成する。軟性ベースフィルム660は、ポリイミドフィルム(Polyimid film)であることができる。
【0147】
軟性部620の一例として、フレキシブル銅張積層板(FCCL:Flexible Copper Clad Laminate)が用いられることができる。
【0148】
基板600の上部面(すなわち、硬性部610の上部面)と基板600の下部面(すなわち、軟性部620の下部面)には、それぞれ絶縁層650、680が形成される。
【0149】
その後、硬性部610の所定位置をレーザー加工してキャビティを形成する。ここで、レーザー加工時に軟性部620の銅箔層がストッパー層として機能するため、レーザー加工により硬性部610のみが除去されることができる。したがって、レーザー加工された部分には軟性部620のみが残り、基板600が撓み可能もしくは曲げ可能に構成される。
【0150】
一方、フレキシブル銅張積層板を用いて基板600の最外側面に軟性部620を形成する場合、軟性部620に印刷回路基板720との連結のための回路を設計することができる。
【0151】
したがって、印刷回路基板720との連結のための回路を、硬性部610の他に軟性部620にも形成することができるため、設計自由度が高くなることができる。
【0152】
以上の実施形態のように、本発明の一実施形態によるカメラモジュールは、カメラモジュールを小型化させながらも十分な駆動力を確保し、且つレンズ鏡筒の高精度な位置測定が可能である。
【0153】
以上、本発明による実施形態を基準として本発明の構成と特徴を説明したが、本発明はこれに限定されず、本発明の思想と範囲内で多様な変更または変形が可能であることは、本発明が属する技術分野の当業者に明らかである。したがって、このような変更または変形は、添付の特許請求の範囲に属するということを明らかにしておく。