【課題】センタ装置と、親機及び多段構成の子機とを有し、各子機で生成された監視情報をセンタ装置が親機を介して収集する遠隔監視システムにおいて、通信不良を起こしている子機を検出できるようにする。
【解決手段】センタ装置は、子機の受信レベル、送信レベル、及び同一電文再送回数を保持する通信状況テーブルを子機毎に持つ。受信レベル、送信レベル、及び同一電文再送回数を子機毎に監視し、所定の閾値条件(例えば受信レベル又は送信レベルが閾値未満、同一電文送信回数が閾値以上)に合致する状態が所定期間連続している子機が通信不良を起こしていると判定する。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
〈遠隔監視システムの構成〉
図1は、本発明の実施形態に係る遠隔監視システムの構成を示す図である。
この遠隔監視システムは、例えば、ガスや水道メータの自動検針に用いたものであって、センタ装置1と、各検針装置(メータ等)に設けられた無線端末である2段構成の複数の子機(1段目の4台の子機3−1a〜3−1d、2段目の5台の子機3−2a〜3−2e)と、子機からの検針値をセンタ装置1に中継する無線端末である親機2とからなっている。親機2は例えば携帯電話回線などの公衆通信回線NWを介してセンタ装置1に接続されている。なお、以下の説明では、段毎の子機を区別しないときは子機3−1,3−2とし、各子機を区別しないときは子機3とする。
【0014】
親機2は、特定小電力無線により子機3と通信可能であり、子機3同士も特定小電力無線により通信可能である。また、子機3は、検針値を親機2経由でセンタ装置1に送信しており、多段構成(ここでは2段)とすることによって、より多くの検針値の収集を可能としている。
【0015】
本実施形態では、中継段数の1段目、即ち親機2の直下の段には子機3−1a〜3−1dが接続されている。また、中継段数の2段目では、子機3−1aの直下に子機3−2a及び3−2bが接続され、子機3−1bの直下には子機3−2b及び3−2cが接続され、子機3−1cの直下には子機3−2c及び3−2dが接続され、子機3−1dの直下には子機3−2d及び3−2eが接続されている。2段目の子機3−2a〜3−2eは、その直下に子機が接続されていない末端の子機である。
【0016】
換言すれば、1段目の子機3−1a〜3−1dの直上位の無線端末は親機2である。また、2段目の子機については、子機3−2aの直上位の無線端末は子機3−1a、子機3−2bの直上位の無線端末は子機3−1a及び3−1b、子機3−2cの直上位の無線端末は子機3−1b及び3−1c、子機3−2dの直上位の無線端末は子機3−1c及び3−1d、子機3−2eの直上位の無線端末は子機3−1dである。
【0017】
〈子機の構成〉
図2は、
図1における子機3の概略構成を示すブロック図である。
図示のように、子機3は、制御部31と、それぞれが制御部31に接続された記憶部32、無線送受信部33、外部I/F(インタフェース)部34、表示部35、及び操作入力部36を備えている。無線送受信部33にはアンテナ37が接続されている。
【0018】
制御部31は、例えばマイクロプロセッサ及びその周辺回路等で構成され、子機3全体の制御や演算処理等を行う。
【0019】
記憶部32は、ROMなどの不揮発性メモリ、フラッシュメモリ等の書換え可能な不揮発性メモリ、RAM等の揮発性メモリからなる。そして、ROMには子機3を動作させるために必要な制御プログラムが格納されている。また、RAMには制御部31が実行中の各プログラムや、それらの実行に必要な情報(端末番号、無線チャネル、電界強度、自端末の中継段数、各種テーブルなど)が格納される。また、書換え可能な不揮発性メモリには、各種設定データなどが格納される。ここでは、自端末の受信レベル、送信レベル、及び同一電文再送回数を含む通信状況情報を保持する通信状況テーブル321を図示した。これらの通信状況情報の詳細については後述する。
【0020】
無線送受信部33は、特定小電力無線により、他の子機3や親機2との間で無線通信を行う。外部I/F部34にはガスや水道等のメータ等の外部機器が接続され、定期的或いはセンタ装置1からの要求に応じて、これらの外部機器で検出された検針値を取得する。表示部35は、LED等で構成されており、子機3の動作状態等を表示するユーザI/Fである。操作入力部36は、ボタンやスイッチ等からなり、子機3に対する所定の設定を入力するためのユーザI/Fである。アンテナ37は電波の送受信を行う。
【0021】
〈親機の構成〉
図3は、
図1における親機2の概略構成を示すブロック図である。
親機2は、制御部21と、それぞれが制御部21に接続された記憶部22、無線送受信部23、網制御部24、表示部25、及び操作入力部26を備えている。無線送受信部23にはアンテナ27が接続されている。
【0022】
制御部21は、例えばマイクロプロセッサ及びその周辺回路等で構成され、親機2全体の制御や演算処理等を行う。
【0023】
記憶部22は、ROMなどの不揮発性メモリ、フラッシュメモリ等の書換え可能な不揮発性メモリ、RAM等の揮発性メモリからなる。そして、ROMには親機2を動作させるために必要な制御プログラムなどが格納されている。また、RAMには制御部21が実行中の各プログラムや、それらの実行に必要な情報(端末番号、無線チャネル、電界強度、各種テーブルなど)が格納される。また、書換え可能な不揮発性メモリには、各種設定データなどが格納される。
【0024】
無線送受信部23は、特定小電力無線により、子機3との間で無線通信を行う。網制御部24は、公衆通信回線NWを介してセンタ装置1と通信を行う。
表示部25は、LED等で構成されており、親機2の動作状態等を表示する。操作入力部26は、ボタンやスイッチ等からなり、親機2に対する所定の設定を入力するためのユーザI/Fである。アンテナ27は電波の送受信を行う。なお、子機3と同様、外部I/F部を設け、検針値を取得するように構成することもできる。
【0025】
〈センタ装置の構成〉
図4は、
図1におけるセンタ装置1の概略構成を示すブロック図である。
センタ装置1は、制御部11と、それぞれが制御部11に接続された記憶部12、網制御部13、表示部14、及び操作入力部15を備えている。
【0026】
制御部11は、例えばマイクロプロセッサ及びその周辺回路等で構成され、センタ装置1全体の制御や演算処理等を行う。
【0027】
記憶部12は、ROMなどの不揮発性メモリ、フラッシュメモリやハードディスク等の書換え可能な不揮発性メモリ、RAM等の揮発性メモリからなる。そして、ROMにはセンタ装置1を動作させるために必要な制御プログラムなどが格納されている。また、RAMには制御部11が実行中の各プログラムや、それらの実行に必要な情報が格納される。また、書換え可能な不揮発性メモリには登録した各子機3の端末番号、及び各子機3に接続された外部機器に関する情報等からなる管理データテーブルや、親機2の端末番号など、通信に必要なシステムに関する情報の他、親機2から送信される外部機器のデータ等が格納される。
【0028】
ここでは、子機3の受信レベル、送信レベル、及び同一電文再送回数を含む端末通信状況情報を保持する端末通信状況テーブル121、及び子機3の通信状況を監視して、通信不良となっている子機3を特定するために使用する受信レベル、送信レベル、送受信レベル差、同一電文再送回数、及びセンタ起因の電文連続失敗回数の閾値を保持する監視閾値テーブル122を図示した。ここで、センタ起因の電文連続失敗回数とは、センタ装置1が子機3に対して検針値の通報を要求したり、子機3の制御を行ったりするために、親機2を介して送信した電文の連続失敗回数である。これらの閾値の詳細については後述する。
【0029】
網制御部13は、公衆通信回線NWを介して親機2と通信を行う。
表示部14は、例えば液晶ディスプレイ(LCD)であり、当該システムに関する情報や子機3に接続された外部機器に関する情報、センタ装置1への入力時の操作画面等を表示する。操作入力部15は、各種データや命令等をセンタ装置1に対して外部から入力するキーボードやマウス等の入力手段を有する。
【0030】
〈2段目の子機が保持する通信状況テーブル〉
図5は、2段目の子機3−2が保持する通信状況テーブルのフォーマットの例を示す図である。
【0031】
この通信状況テーブル3211は、2段目の子機3−2が通信相手端末、即ち中継端末となる直上位端末として3台の1段目の子機3−1a,3−1b,3−cを持つ場合の例である。通信状況テーブル3211は、3台の通信相手端末からの電波の受信レベル(ここでは9,9,8)、及び同一電文再送回数(ここでは0)を保持する。
【0032】
〈通信状況テーブルにおける受信レベルの取得〉
図6は、2段目の子機が1段目の子機からの電波の受信レベルを取得する手順及びその手順で取得された受信レベルの例を示す図である。
【0033】
子機3−2は子機3−1aに対して検針値通報電文の送信(手順S1)を行った後、子機3−1aからのACK電文を受信したとき(手順S2)、その受信レベル(ここでは10)を子機3−1aを通信相手端末とした場合の子機3−2の受信レベルとして、通信状況テーブル3211に格納(
図5の状態に上書き)する。
【0034】
〈通信状況テーブルにおける同一電文再送回数の取得〉
図7は、2段目の子機が同一電文を再送する手順及びその手順で保持される同一電文再送回数の例を示す図である。
【0035】
子機3−2は、子機3−1aに対して初回の検針値通報電文の送信(手順S01)の後、子機3−1aからACK電文を受信できなかった。
そこで、子機3−2は、子機3−1bに対して再送1回目の検針値通報電文の送信(手順S11)を行い、通信状況テーブル3211の同一電文再送回数に1を格納した。
【0036】
子機3−1bは、子機3−2に対してACK電文を送信し(手順S12)、その後、直上位端末である親機2に対して検針値通報電文を送信した(手順S13)。親機2はセンタ装置1に検針値通報電文を送信した(手順S14)。
【0037】
センタ装置1は、検針値通報電文を受信すると、記憶部12内の検針値管理テーブル(図示せず)に格納し、親機2に対して検針値取得完了通知電文を送信した(手順S15)。親機2は子機3−1bに検針値取得完了通知電文を送信した(手順S16)。
【0038】
子機3−1bは子機3−2に検針値取得完了通知電文を送信した(手順S17)。しかし、通信不良により子機3−2は検針値取得完了通知電文を受信できなかった。
そこで、子機3−2は、子機3−1cに対して再送2回目の検針値通報電文の送信を行い(手順S21)、通信状況テーブル3211の同一電文再送回数に2を格納した。
【0039】
子機3−1cは、子機3−2にACK電文を送信し(手順S22)、その後、直上位端末である親機2に検針値通報電文を送信した(手順S23)。以後の手順S24〜S26の内容は手順S14〜S16の内容と同様である。
【0040】
次の手順S27の内容も手順S17の内容と同様である。ただし、手順S17では通信不良により子機3−2は検針値取得完了通知電文を受信できなかったのに対し、手順S27では子機3−2は検針値取得完了通知電文を受信できた。そこで、子機3−2は通信状況テーブル3211の同一電文再送回数を0にクリアした。
【0041】
なお、手順S12のACK電文の受信レベルに基づく子機3−1bの受信レベルの更新、手順S22のACK電文の受信レベルに基づく子機3−1cの受信レベルの更新については説明を省略した。また、手順S13〜S16、及び手順S23〜S27のそれぞれに対するACK電文についても説明を省略した。
【0042】
〈センタ装置が保持する端末通信状況テーブル〉
図8は、センタ装置が保持する端末通信状況テーブルの例を示す図である。
【0043】
端末通信状況テーブル121は各端末に対して作成され、保持される。図示は、子機3−2、即ち末端の子機に対する端末通信状況テーブル1211である。この端末通信状況テーブル1211は、子機3−2の上位ルート(直上位端末)である子機3−1a,3−1b,3−1cが通信相手端末のときの送信レベル及び受信レベルを時刻情報に紐付けて保持する送受信レベルテーブル12111,12112,12113、子機3−2の同一電文再送回数を時刻情報に紐付けて保持する同一電文再送回数テーブル12114、及びセンタ起因の電文送信連続失敗回数を最初失敗日時と最終失敗日時に紐付けて保持するセンタ起因電文送信連続失敗回数テーブル12115を備えている。
【0044】
ここで、送受信レベルテーブル12111,12112,12113における受信レベルは、子機3−1a,3−1b,3−1cからの電波の子機3−2における受信レベル、即ち
図5乃至
図7の通信状況テーブル3211に格納された受信レベルに対応するものである。また、送受信レベルテーブル12111,12112,12113における送信レベルは、子機3−2からの電波の子機3−1a,3−1b,3−1cにおける受信レベルとして取得されるレベルである。1段目の子機が追加された場合は、その子機に対する送受信レベルテーブルが追加され、1段目の子機が撤去された場合は、その子機に対する送受信レベルテーブルが消去される。
【0045】
同一電文再送回数テーブル12114に格納された再送回数は、
図5乃至
図7の通信状況テーブル3211に格納された再送回数に対応するものである。この再送回数は子機3−2の中継ルートに関わらず再送した回数の総数となる。
【0046】
センタ起因電文送信連続失敗回数テーブル12115は、センタ装置1が親機2及び1段目の子機3−1を介して2段目の子機3−2に対して検針値の通報を要求したものの、それを連続的に失敗した場合の情報を保持する。ここでは、17年4月1日12時00分に実施した最初の要求から、17年4月20日19時00分に実施した最終の要求まで、連続して10回失敗したことを表している。
【0047】
〈端末通信状況テーブルの作成〉
図9は、親機からセンタ装置に送信される検針値通報電文、及びその電文の受信によりセンタ装置で更新される端末通信状況テーブルの例を示す図である。
【0048】
電文41は、親機2がセンタ装置1に送信する検針値通報電文であり、子機3−2の検針値及び子機3−2の通信状況情報(再送回数=5回目、子機3−2の前回の受信レベル=5、子機3−1cの前回の受信レベル=9)、発信ルート情報(送信レベル)として、子機3−2の送信レベル及び子機3−1cの送信レベルを含む。
【0049】
ここで、子機3−2の前回の受信レベル、子機3−2の送信レベルは、前述したように、それぞれ子機3−2が子機3−1cに送信した検針値通報電文に対するACK電文の子機3−2における受信レベル、子機3−2が子機3−1cに送信した検針値通報電文の子機3−1cにおける受信レベルである。
【0050】
また、子機3−1cの前回の受信レベル、子機3−1cの送信レベルは、それぞれ子機3−1cが親機2に送信した検針値通報電文に対するACK電文の子機3−1cにおける受信レベル、子機3−1cが親機2に送信した検針値通報電文の親機2における受信レベルである。
【0051】
電文41は、17年3月18日15時0分0秒にセンタ装置1で受信された。電文41に含まれている子機3−2の前回の受信レベル(=5)、送信レベル(=5)により、センタ装置1は、子機3−2に対する端末通信状況テーブル1211内の送受信レベルテーブル12113の子機3−1cの受信レベルと送信レベルを追加する。また、電文41に含まれている子機3−1cの前回の受信レベル、送信レベルにより、センタ装置1は、子機3−1cに対する端末通信状況テーブル1212内の送受信レベルテーブル12121の親機2の受信レベルと送信レベルを追加する。
【0052】
〈同一電文再送手順の第1の例〉
図10は、2段目の子機からの検針値の通報が1回目の再送で成功した場合の手順及びその場合の端末通信状況テーブルにおける同一電文再送回数を示す図である。
【0053】
子機3−2は、子機3−1cに対して、初回通報として、手順S101で検針値通報電文を送信した。検針値通報電文は、手順S102で親機2に送信され、手順S103でセンタ装置1に送信された。しかし、センタ装置1は検針値通報電文を受信できなかったため、検針値取得完了通知電文を送信せず、子機3−2は検針値通報取得通知電文を受信できなかった。
【0054】
そこで、子機3−2は、再送1回目として、手順S104で検針値通報電文を送信した。この検針値通報電文は手順S105,106で親機2を介してセンタ装置1に伝達された。この検針値通報電文は、
図9を参照して説明した検針値通報電文41のように、再送回数(ここでは1)を含んでおり、センタ装置1は、保持している子機3−2に対する端末通信状況テーブル1211内の同一電文再送回数テーブル12114に電文の受信時刻と同一電文再送回数を格納し、検針値取得完了通知電文を親機2に送信した(手順S107)。この検針値取得完了通知電文は子機3−1cを経由して子機3−2に伝達された(手順S108,S109)。
【0055】
〈同一電文再送手順の第2の例〉
図11は、2段目の子機からの検針値の通報が4回目の再送で成功した場合の手順及びその場合の端末通信状況テーブルにおける同一電文再送回数を示す図である。
【0056】
この図において、手順S201〜S205の内容は、
図10における手順S104〜S108の内容と同じである。次の手順S206では、手順S109と同様に、子機3−1cは子機3−2に対して、検針値取得完了通知電文を送信した。しかし、子機3−2は検針値取得完了通知電文を受信できなかった。
【0057】
そこで、子機3−2は、再送2回目として、手順S207で検針値通報電文を送信した。検針値通報電文は、手順S208で親機2に送信され、手順S209でセンタ装置1に送信された。しかし、
図10における初回通報時と同様に、センタ装置1は検針値通報電文を受信できなかったため、検針値取得完了通知電文を送信せず、子機3−2は検針値通報取得通知電文を受信できなかった。
【0058】
そこで、子機3−2は、再送3回目として、手順S210で検針値通報電文を送信した。検針値通報電文は、手順S211で親機2に送信され、手順S212でセンタ装置1に送信された。しかし、今回も前回と同様に、センタ装置1は検針値通報電文を受信できなかったため、検針値取得完了通知電文を送信せず、子機3−2は検針値通報取得通知電文を受信できなかった。
【0059】
そこで、子機3−2は、再送4回目として、手順S213で検針値通報電文を送信した。検針値通報電文は手順S214,215で親機2を介してセンタ装置1に伝達された。この検針値通報電文は、
図9を参照して説明した電文41のように、再送回数(ここでは4)を含んでおり、センタ装置1は、保持している子機3−2に対する端末通信状況テーブル1211内の同一電文再送回数テーブル12114に電文の受信時刻と同一電文再送回数を格納(上書き)し、検針値取得完了通知電文を親機2に送信した(手順S216)。この検針値取得完了通知電文は子機3−1cを経由して子機3−2に送信された(手順S217,S218)。
【0060】
〈センタ装置が行う子機の通信状況の監視及び警告表示〉
センタ装置1は、子機毎に端末通信状況テーブル121に保持されている通信状況情報(受信レベル、送信レベル、同一電文再送回数)に基づいて、送信レベル、受信レベル、送受信レベル差、同一電文再送回数を監視する。そして、監視閾値テーブル122に設定され、保持されているそれぞれの閾値と比較し、所定の条件が満たされたときに通信不良と判定し、警告表示を行う。
【0061】
即ち、例えば送信レベル:4未満、受信レベル:4未満、送受信レベル差:5以上、同一電文再送回数:5回以上を閾値条件とする。そして、監視対象情報毎に閾値条件に合致するか否かを判定し、合致した場合、連続監視対象とする。連続監視対象となった子機が、所定期間(日数又は回数。本実施形態では15日以上とする。)連続して閾値条件と合致した場合、センタ装置1の表示部14で警告表示を行う。連続監視対象となっても、次回通信時に閾値条件と合致しなくなった場合は、警告表示は行わず、連続監視対象から外す。以下、送信レベル、受信レベル、送受信レベル差、同一電文再送回数の順に説明する。
【0062】
《送信レベルの閾値監視及び警告表示》
図12は、2段目の子機の送信レベルが閾値条件と合致している状態が所定期間連続している場合にセンタ装置が行う警告表示について説明するための図である。ここで、
図12Aは、センタ装置1が保持する子機3−2に対する端末通信状況テーブル1211内の子機3−1aが通信相手端末のときの送受信レベルテーブル12111を示し、
図12Bは、センタ装置1が行う警告表示141を示す。
【0063】
図12Aに示されているように、送受信レベルテーブル12111では、17年1月10日に送信レベルが3となり、閾値条件と合致したため、連続監視対象となった。次の通信時(5日後の17年1月15日)にも閾値条件に合致し、その次の通信時(16日後の17年1月26日)にも閾値条件と合致している。つまり、子機3−2の送信レベルは、連続監視対象となってから所定期間連続して閾値条件と合致している。
【0064】
そこで、センタ装置1の表示部14は、
図12Bに示されている警告表示141、即ち最終通信時刻である17年1月26日16時、通信不良端末である子機3−2、通信相手端末である子機3−1a、及び通信不良要因である送信レベル閾値未満を表示内容として含む態様の警告表示を行う。
【0065】
《受信レベルの閾値監視及び警告表示》
図13は、2段目の子機の受信レベルが閾値条件と合致している状態が所定期間連続している場合にセンタ装置が行う警告表示について説明するための図である。ここで、
図13Aは、センタ装置1が保持する子機3−2に対する端末通信状況テーブル1211の内の子機3−1bが通信相手端末のときの送受信レベルテーブル12112を示し、
図13Bは、センタ装置1が行う警告表示142を示す。
【0066】
図13Aに示されているように、送受信レベルテーブル12112では、17年2月10日に受信レベルが3となり、閾値条件と合致したため、連続監視対象となった。次の通信時(5日後の17年2月15日)にも閾値条件に合致し、その次の通信時(17日後の17年2月27日)にも閾値条件と合致している。つまり、子機3−2の受信レベルは、連続監視対象となってから所定期間連続して閾値条件と合致している。
【0067】
そこで、センタ装置1の表示部14は、
図13Bに示されている警告表示142、即ち最終通信時刻である17年2月27日17時、通信不良端末である子機3−2、通信相手端末である子機3−1b、及び通信不良要因である受信レベル閾値未満を表示内容として含む態様の警告表示を行う。
【0068】
《送受信レベル差の閾値監視及び警告表示》
図14は、2段目の子機の送受信レベル差が閾値条件と合致している状態が所定期間連続している場合にセンタ装置が行う警告表示について説明するための図である。ここで、
図14Aは、センタ装置1が保持する子機3−2に対する端末通信状況テーブル1211内の子機3−1cが通信相手端末のときの送受信レベルテーブル12113を示し、
図14Bは、センタ装置1が行う警告表示143を示す。
【0069】
図14Aに示されているように、送受信レベルテーブル12113では、17年3月10日に送受信レベル差が6となり、閾値条件と合致したため、連続監視対象となった。次の通信時(5日後の17年3月15日)にも閾値条件に合致し、その次の通信時(18日後の17年3月28日)にも閾値条件と合致している。つまり、子機3−2の送受信レベル差は、連続監視対象となってから所定期間連続して閾値条件と合致している。
【0070】
そこで、センタ装置1の表示部14は、
図14Bに示されている警告表示143、即ち最終通信時刻である17年3月28日18時、通信不良端末である子機3−2、通信相手端末である子機3−1c、及び通信不良要因である送受信レベル差閾値以上を表示内容として含む態様の警告表示を行う。
【0071】
《同一電文再送回数の閾値監視及び警告表示》
図15は、2段目の子機の同一電文再送回数が閾値条件と合致している状態が所定期間連続している場合にセンタ装置が行う警告表示について説明するための図である。ここで、
図15Aは、センタ装置1が保持する子機3−2に対する端末通信状況テーブル1211内の同一電文再送回数テーブル12114を示し、
図15Bは、センタ装置1が行う警告表示144を示す。
【0072】
図15Aに示されているように、同一電文再送回数テーブル12114では、17年4月10日に同一電文再送回数が5回となり、閾値条件と合致したため、連続監視対象となった。次の通信時(5日後の17年4月15日)にも閾値条件に合致し、その次の通信時(19日後の17年4月29日)にも閾値条件と合致している。つまり、子機3−2の同一電文再送回数は、連続監視対象となってから所定期間連続して閾値条件と合致している。
【0073】
そこで、センタ装置1の表示部14は、
図15Bに示されている警告表示144、即ち最終通信時刻である17年4月29日19時、通信不良端末である子機3−2、通信相手端末である子機3−1a,3−1b,3−1c、及び通信不良要因である再送回数閾値以上を表示内容として含む態様の警告表示を行う。
【0074】
〈2段目の子機の検針値の通報手順、その手順で送信される電文、及びセンタ装置の端末通信状況テーブルに保持される情報〉
図16は、2段目の子機が検針値を通報し、センタ装置からの検針値取得完了通知を受信できた場合の手順と、1段目子機との間の通信不良で再送を断念した場合の手順の例を示す図である。
【0075】
子機3−2は、子機3−1a経由で検針値をセンタ装置1に通報するため、子機3−1aに対して検針値通報電文を送信する(手順S301)。このときの子機3−2の通信状況テーブル3211の内容及び上記検針値通報電文の内容を
図17に示す。図示のように、検針値通報電文42には、通信状況テーブル3211内の受信レベルが前回の受信レベルとして付加される。また、同一電文再送回数も付加される。
【0076】
子機3−1aは、子機3−2からの検針値通報電文を受信し、その受信レベル、即ち子機3−2の送信レベル(ここでは10)を一時的に保持し、子機3−2にACK電文を送信する(手順S302)。子機3−2は、ACK電文を受信し、その受信レベル(ここでは7)を通信状況テーブル3211に格納(上書き)する。この格納により更新された通信状況テーブル3211を
図18に示す。
【0077】
子機3−1aは、親機2経由で子機3−2の検針値をセンタ装置1に通報するため、親機2に対して検針値通報電文を送信する(手順S303)。このときの子機3−1aの通信状況テーブル3212の内容及び検針値通報電文の内容を
図19に示す。図示のように、検針値通報電文43は、検針値通報電文42に対して、通信状況テーブル321内の受信レベル(親機2からの電波の受信レベル=9)を前回の子機3−1aの受信レベルとして付加するとともに、検針値通報電文42の受信時(手順S301)に取得し、一時的に保持している子機3−2の送信レベル(ここでは10)を子機3−2の送信レベルとして付加したものである。
【0078】
親機2は、子機3−1aからの検針値通報電文を受信し、その受信レベル、即ち子機3−1aの送信レベル(ここでは10)を一時的に保持し、子機3−1aにACK電文を送信する(手順S304)。子機3−1aは、ACK電文を受信し、その受信レベル(ここでは6)を通信状況テーブル3212に格納(上書き)する。この格納により更新された通信状況テーブル3211を
図20Aに示す。
【0079】
親機2は、公衆通信回線NWを介して子機3−2の検針値を含む検針値通報電文をセンタ装置1に送信する(手順S305)。上記検針値通報電文の内容を
図20Bに示す。図示のように、検針値通報電文44は、検針値通報電文43に対して、親機2の受信レベルがキャリア通信であること、及び検針値通報電文43の受信時(手順S303)に取得し、一時的に保持している子機3−1aの送信レベル(ここでは10)を子機3−1aの送信レベルとして付加したものである。
【0080】
センタ装置1は、親機2から検針値通報電文44を受信し、そこに含まれている子機3−2の送信レベルと受信レベル、子機3−1aの送信レベルと受信レベル、及び子機3−2の同一電文再送回数を端末通信状況テーブル1211に格納する。
【0081】
このとき格納された情報を保持している端末通信状況テーブル1211の内容を
図21に示す。ここで、
図21Aは、子機3−2に対する端末通信状況テーブル1211内の子機3−1aが通信相手端末のときの送受信レベルテーブル12111及び同一電文再送回数テーブル12114であり、
図21Bは、子機3−1aに対する端末通信状況テーブル1212内の親機2が通信相手端末のときの送受信レベルテーブル12121である。
【0082】
センタ装置1は、子機3−2に対して親機2→子機3−1a→子機3−2の通信ルートで検針値通報完了通知電文を送信するため、親機2に対して検針値完了通知電文を送信する(手順S306)。この検針値完了通知電文は、親機2と子機3−1aを経由して子機3−2に伝達される(手順S307,S308)。子機3−2は、検針値完了通知電文を受信すると、
図22Aに示されているように、通信状況テーブル3211内の同一電文再送回数を0にクリアする。
【0083】
しかし、子機3−2が検針値完了通知電文を受信できなかった場合は、子機3−2は5回目の再送も失敗したことから、再送を断念し、
図22Bに示されているように、同一電文再送回数をFFとする。そして、次回の通信時に送信する検針値通報電文内の同一電文再送回数をFFとすることで、今回の検針値の通報を断念したことをセンタ装置1が認識できるようにする。センタ装置1は、この電文を受信した場合、子機3−2を連続監視対象とする。
【0084】
なお、
図16に示されている手順は子機3−1aが中継子機である場合の手順であるが、他の1段目の子機が中継子機である場合も同様の手順を行う。
【0085】
〈センタ装置からの要求に応じた2段目の子機の検針値の通報〉
図23は、センタ装置からの要求に応じて2段目の子機が検針値を通知する際に、2回目の検針値要求の再送でセンタ装置が検針値を取得できた場合の手順、及びセンタ装置の通信状況テーブルにおける電文送信連続失敗回数を示す図である。
【0086】
センタ装置1は、検針値取得対象の子機である子機3−2に対して、親機2→子機3−1a→子機3−2の通信ルートで検針値要求電文を送信した(手順S401〜S403)。しかし、子機3−1aが子機3−2と通信できず、子機3−1a→親機2→センタ装置1の通信ルートでエラー通知電文がセンタ装置1に伝達された(手順S403,S404)。
【0087】
そこで、センタ装置1は、保持している子機3−2に対する端末通信状況テーブル1211内のセンタ起因電文送信連続失敗回数テーブル12115の最初失敗日時及び最終失敗日時として17年4月1日12時0分を、センタ起因の電文送信連続失敗回数として1を格納した。ここで、17年4月1日12時0分はエラー通知の到達時刻である。
【0088】
次にセンタ装置1は、前回と同様、子機3−2に対して、親機2→子機3−1a→子機3−2の通信ルートで検針値要求電文を送信した(手順S411〜S413)。子機3−2は、検針値応答電文を送信したものの、センタ装置1は検針値応答電文を受信できなかった(手順S414〜S416)。
【0089】
そこで、センタ装置1は、保持している子機3−2に対する端末通信状況テーブル1211内のセンタ起因電文送信連続失敗回数テーブル12115の最終失敗日時及び失敗回数を更新(上書き)した。ここで、最終失敗日時の17年4月10日13時0分は検針値要求のタイムアウト時刻である。
【0090】
次にセンタ装置1は、前回と同様、子機3−2に対して、親機2→子機3−1a→子機3−2の通信ルートで検針値要求電文を送信した(手順S421〜S423)。今回は、検針値応答電文がセンタ装置1に伝達された(手順S424〜S426)。
【0091】
そこで、センタ装置1は、保持している子機3−2に対する端末通信状況テーブル1211内のセンタ起因電文送信連続失敗回数テーブル12115の最初失敗日時及び最終失敗日時を消去し、失敗回数を0にクリアすることで、リセットした。
【0092】
〈センタ起因の電文送信連続失敗回数の閾値監視及び警告表示〉
センタ装置1は、保持している子機3−2に対する端末通信状況テーブル1211内のセンタ起因電文送信連続失敗回数テーブル12115のセンタ起因の電文送信連続失敗回数を監視し、1回でも電文送信に失敗した場合は、電文送信先の子機を連続監視対象とする。即ち連続監視対象とするか否かの閾値条件を1回とする。
【0093】
そして、連続監視対象となった子機に対して、所定期間(日数又は回数。本実施形態では15日以上とする。)連続して電文送信に失敗した場合、センタ装置1の表示部14で警告表示を行う。連続監視対象となっても、次回通信時に閾値条件と合致しなくなった場合は、警告表示は行わず、連続監視対象から外す。
【0094】
図24は、センタ起因の電文送信連続失敗回数が閾値条件と合致している状態が所定期間連続している場合にセンタ装置が行う警告表示について説明するための図である。ここで、
図24Aは、センタ起因の電文送信連続失敗回数が閾値条件と合致している状態が所定期間連続している場合のセンタ起因電文送信連続失敗回数テーブル12115を示し、
図24Bは、その場合にセンタ装置1が行う警告表示145を示す。
【0095】
図24Aに示すように、センタ起因の電文送信連続失敗回数は10回に達しており、かつ電文送信に19日間失敗している。そこで、センタ装置1の表示部14は、
図24Bに示されている警告表示145、即ち最終失敗時刻、通信不良端末である子機3−2、通信相手端末である子機3−1a、及び通信不良要因であるセンタ起因の電文送信連続失敗回数を表示内容として含む警告表示を行う。
【0096】
〈2段目の子機に対するセンタ装置からの検針値要求及びそれに応じた検針値応答の手順、その手順で送信される電文、並びに子機とセンタ装置のテーブルに保持される情報〉
【0097】
図25は、センタ装置からの要求に応じて2段目の子機が検針値を通報する手順を示す図である。
【0098】
センタ装置1は、親機2→子機3−1a→子機3−2の着信ルートで子機3−2に検針値要求電文を送信するため、親機2に検針値要求電文を送信する(手順S501)。このとき送信される検針値要求電文51を
図26Aに示す。親機2は、検針値要求電文51を受信すると、子機3−1aに検針値要求電文を送信する(手順S502)。このとき送信される検針値要求電文を
図26Bに示す。検針値要求電文52の内容は検針値要求電文51の内容と同じである。
【0099】
子機3−1aは、親機2から検針値要求電文52を受信すると同時に、その電文の受信レベル(ここでは9)を取得し、通信状況テーブル3212内の通信相手(親機2)の受信レベルを9に更新する。更新された受信レベルを保持する通信状況テーブル3212を
図27Aに示す。
【0100】
子機3−1aは、親機2にACK電文を送信する(手順S503)。親機2は、このACK電文を受信すると、その受信レベル、即ち子機3−1aの送信レベル(ここでは10)を一時的に保持する。
【0101】
子機3−1aは、検針値要求電文を子機3−2に送信する(手順S504)。このとき送信される検針値要求電文の内容を
図27Bに示す。検針値要求電文53の内容は検針値要求電文51及び52の内容と同じである。
【0102】
子機3−2は、検針値要求電文53を受信し、同時にその電文の受信レベルを取得し、通信状況テーブル3211内の子機3−1aの受信レベルを更新する。更新された受信レベルを保持する通信状況テーブル3211を
図28Aに示す。
【0103】
子機3−2は、子機3−1aに対してACK電文を送信する(手順S505)。子機3−1aは、ACK電文を受信し、その受信レベル、即ち子機3−2の送信レベル(ここでは10)を取得して一時的に保持する。
【0104】
子機3−2は、子機3−1a経由でセンタ装置1に検針値の取得結果を通知するため、子機3−1aに検針値応答電文を送信する(手順S506)。この検針値応答電文の内容を
図28Bに示す。図示のように、検針値応答電文54には、手順S504で受信した検針値要求電文53から取得した受信レベル(ここでは10)が付加されている。
【0105】
子機3−1aは、検針値応答電文54を受信し、その受信レベル、即ち子機3−2の送信レベル(ここでは10)を取得し、一時的に保持する。この結果、手順S505で受信したACK電文から取得した子機3−2の送信レベルが更新(上書き)される。
【0106】
子機3−1aは、子機3−2にACK電文を送信する(手順S507)。子機3−2は、ACK電文を受信し、その受信レベル(ここでは7)を取得して、通信状況テーブル3211内の子機3−1aの受信レベルを更新する。更新された受信レベルを保持する通信状況テーブル3211を
図29Aに示す。
【0107】
子機3−1aは、親機2経由でセンタ装置1に子機3−2の検針値を通知するため、親機2に対して検針値応答電文を送信する(手順S508)。このとき送信される検針値応答電文55を
図29Bに示す。図示のように、検針値応答電文55は、検針値応答電文54に対して、手順S502で受信した検針値要求電文52の受信レベル(=9)を子機3−1aの受信レベルとして付加し、手順S506で受信した検針値応答電文54の送信レベル(=10)を子機3−2の今回の送信レベルとして付加したものである。
【0108】
親機2は、子機3−1aからの検針値応答電文55の受信時に、その電文の受信レベル、即ち子機3−1aの送信レベル(ここでは10)を取得し、一時的に保持する。この結果、手順S503で受信したACK電文から取得した子機3−1aの送信レベルが更新(上書き)される。
【0109】
親機2は、子機3−1aに対してACK電文を送信する(手順S509)。子機3−1aは、ACK電文を受信してその受信レベル(ここでは5)を取得し、通信状況テーブル3212内の通信相手(親機2)の受信レベルを更新する。更新された受信レベルを保持する通信状況テーブル3212を
図30Aに示す。
【0110】
親機2は、検針値応答電文をセンタ装置1に送信する(手順S510)。このとき送信される検針値応答電文を
図30Bに示す。図示のように、検針値応答電文56の内容は、検針値応答電文54に対して、手順S508で受信した検針値応答電文55の送信レベル(=10)を子機3−1aの今回の送信レベルとして付加し、親機2の受信レベルとしてキャリア通信を付加したものである。
【0111】
センタ装置1は、検針値応答電文56を受信し、その電文の受信時刻(到達時刻)及びその電文に含まれている送信レベル及び受信レベルを端末通信状況テーブル121に格納する。これらの送信レベル及び受信レベルが格納された端末通信状況テーブル121を
図31に示す。ここで、
図31Aは、子機3−2に対する端末通信状況テーブル1211内の子機3−1aが通信相手端末のときの送受信レベルテーブル12111を示し、
図31Bは、子機3−1aに対する端末通信状況テーブル1212内の親機2が通信相手端末のときの送受信レベルテーブル12121を示す。
【0112】
なお、
図25に示されている手順は子機3−1aが中継子機である場合の手順であるが、他の1段目の子機が中継子機である場合も同様の手順を行う。
【0113】
以上詳細に説明したように、本発明の実施形態に係る遠隔監視システムによれば、下記(1)〜(5)の効果が得られる。
(1)センタ装置1が子機3の送受信レベル、同一電文再送回数を所定期間監視することで、環境要因などの一時的な障害を避けながら通信不良の子機を検出することができる。
(2)子機3が同一電文の再送を断念した際、次回通報時に再送回数を特定の値(例えばFF)とすることで、断念したことがセンタ装置で分かるようにすることができる。また、再送を断念した日時を付加することでいつ頃から通信不良となったか分かる。
(3)センタ装置1で管理している上位端末通信状況を確認し、一部端末との通信不良が見えた場合、特定端末及び特定端末との通信環境を疑うことができ、多くの端末との通信不良が見えた場合、自己端末及び自端末周辺環境を疑うことが可能となる。
(4)センタ装置1が子機3に対して、メータ検針値取得や制御等を行った場合においても、子機3(中継子機含む)が送受信レベルを記憶し、検針値取得結果通知電文や制御結果通知電文等に付加することで、送受信レベルをセンタ装置1に通知することができる。
(5)センタ装置1が子機3に対して電文送信を行った場合においても、センタ起因の電文送信連続失敗回数を記憶するテーブルをセンタ装置1が持つことで、センタ視点の子機監視が可能となる。
【0114】
なお、以上説明した実施形態では、通信状況情報として、受信レベル、送信レベル、同一電文再送回数からなる3種類の情報を用いたが、これらのいずれか1つ又は2つを用いてもよい。また、以上説明した実施形態は監視情報として検針値の通報を行う場合のものであるが、本発明は監視情報としてガス漏れ警報や電池残量低下警報の通報を行う場合についても同様に適用できる。