(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2019-54769(P2019-54769A)
(43)【公開日】2019年4月11日
(54)【発明の名称】白髪抑制用食品
(51)【国際特許分類】
A23L 33/10 20160101AFI20190315BHJP
【FI】
A23L33/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【全頁数】5
(21)【出願番号】特願2017-181936(P2017-181936)
(22)【出願日】2017年9月22日
(71)【出願人】
【識別番号】000135324
【氏名又は名称】株式会社ノエビア
(72)【発明者】
【氏名】前田 仁美
【テーマコード(参考)】
4B018
【Fターム(参考)】
4B018MD08
4B018MD18
4B018MD19
4B018MD20
4B018MD32
4B018MD36
4B018MD52
4B018MD69
4B018ME14
4B018MF01
(57)【要約】
【課題】
プラセンタエキスを有効成分として含有する白髪抑制用食品を提供することを課題とする。
【解決手段】
プラセンタエキスを有効成分とする白髪抑制用食品提供する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラセンタエキスを有効成分とする白髪抑制用食品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プラセンタエキスを有効成分として含有する白髪抑制用食品に関する。
【背景技術】
【0002】
プラセンタエキスは、美容、健康又は医薬関連分野において盛んに利用されている。例えば、プラセンタエキス、コラーゲン由来成分及びストレス緩和剤を含有することを特徴とする経口用組成物(特許文献1)、オリゴ糖とプラセンタエキスの組み合わせを特徴とする腸内環境改善組成物(特許文献2)、プラセンタエキスを含有する神経細胞活性化剤(特許文献3)、コラーゲン加水分解物、豚プラセンタエキス、ライチ由来の低分子化ポリフェノール及びアスコルビン酸類を美容成分として含有することを特徴とする健康食品(特許文献4)等が知られている。
【0003】
しかしながら、プラセンタエキスが、白髪を抑制する効果は知られていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−70316号公報
【特許文献2】特開2011−157335号公報
【特許文献3】特開2012−136448号公報
【特許文献4】特開2013−34423号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本願発明は、プラセンタエキスを有効成分として含有する白髪抑制用食品を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
プラセンタエキスを有効成分として含有する白髪抑制用食品を提供することを課題とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明の白髪抑制用食品は、高い白髪抑制効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の食品を1週間飲用することにより、白髪改善効果を発揮することを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下本発明を実施するための形態を説明する。
【0010】
プラセンタエキスを得る胎盤の由来としては、特に起源を問わないが、ヒト、ウシ、ウマ、ブタ、ヒツジ、ヤギ、サケ、ニシン、チョウザメ、バラ、メロンなどが例示される。これらの起源の中でも、商用的な使用の観点から、ブタ由来のものを用いることが好ましい。また、既にプラセンタエキスとして市販されている商品があり、それを使用してもよい。
【0011】
プラセンタエキスの製法の一例としては、ブタの胎盤を、プロテアーゼで処理する方法が挙げられる。当該プロテアーゼとしては、例えば、パパイン、トリプシン、ペプシン、プロメライン、サーモライシン等が挙げられる。これらの中ではパパインがプロテアーゼ処理の効率の点から好ましく用いられる。当該プロテアーゼ処理は、3〜75℃、0.5〜3時間程度反応させることにより進められ、前記プロテアーゼ処理により得られる成分を遠心分離、限外ろ過、珪藻土ろ過や、イオン交換樹脂、逆浸透ろ過、活性炭処理などにより精製することによりプラセンタエキスが得られる。
【0012】
上記のプラセンタエキスは、スプレードライ、凍結乾燥などの慣用の手段により粉末化することもできる。
【0013】
プラセンタエキスの含有量は、1回あたりの摂取量として0.01〜20g、より好ましくは0.1〜10gである。0.01g未満の摂取ではプラセンタエキスの効果が発揮されない場合がある。また20gを超えて摂取しても、その効果に向上が認められない場合があり、非効率的である。
【0014】
本発明の白髪抑制用食品には、コラーゲンペプチドを併用することが好ましい。コラーゲンペプチドとは、動物の骨や皮に多く含まれるたんぱく質であるコラーゲンを加熱・変性させて得られるゼラチンや、それをさらに酸やアルカリあるいは酵素等で加水分解させたコラーゲンペプチドをいう。本発明においてコラーゲンは、由来生物(豚、牛、魚など)や製法(酸処理、アルカリ処理など)に関して特に限定されずに使用することができる。例えば動物としては、牛や豚、鶏などの動物の骨や皮、鮭、マグロ、ティラピア、タラ等の魚の皮、鱗を用いることができる。本発明に用いるコラーゲンペプチドの重量平均分子量は、100〜200000、好ましくは100〜5000、さらに好ましくは500〜5000、最も好ましくは1000〜4000の範囲にある。
【0015】
本発明の白髪抑制用食品には、グルコサミンを併用することが好ましい。本発明に用いるグルコサミンは、グルコースにアミノ基 (−NH
2) が付いたアミノ糖であり、一般に、「関節の動きをなめらかにする」「関節の痛みを改善する」等といわれている化合物であり、グルコサミン若しくは誘導体又はそれらの塩を用いても良い。
【0016】
本発明の白髪抑制用食品には、難消化性デキストリンを併用することが好ましい。難消化性デキストリンは、澱粉の加水分解・熱分解により生成され、ヒトの消化酵素によって分解されない特徴を有する水溶性植物繊維である。
【0017】
本発明の白髪抑制用食品には、アミノ酸を併用することが好ましい。アミノ酸としては特に限定されないが、アラニンとグリシンを併用して用いることが好ましい。
【0018】
本発明の白髪抑制用食品としては、サプリメント、特定保健用食品、栄養機能食品、健康食品、機能性食品、健康補助食品、通常の食品等が挙げられる。
【0019】
食品の形状としては、ジュース、清涼飲料、ドリンク剤、茶等の液状、ビスケット、タブレット、顆粒粉末、粉末、カプセル等の固形、ペースト、ゼリー、スープ、調味料、ドレッシング等の半流動状等が挙げられる。これらの食品は、いずれも当業者に公知の手法を用いて、プラセンタエキスを添加して製造することができる。
【0020】
本発明の白髪抑制用食品の調製に際しては、特別な界面活性剤等の添加物は必須ではないが、必要に応じて他の公知の添加剤、賦形剤その他を加えて適当な剤型へと加工してもよい。例えば液剤であれば、抗酸化剤、着色剤、矯味矯臭剤、界面活性剤、可塑剤、pH調整剤などを混合して常法により、ドライシロップ剤、液剤などの経口物とすることができる。また固形剤であれば、賦形剤、崩壊剤、結合剤、滑沢剤、抗酸化剤、コーティング剤、着色剤、矯味矯臭剤、界面活性剤、可塑剤などを混合して常法により、顆粒剤、散剤、カプセル剤、錠剤などを製造することができる。
【0021】
また、必要に応じてプラセンタエキスの他に各種の生理活性成分を配合することもできる。係る生理活性成分としては、タンパク質及びその加水分解物、ペプチド、ビタミン類、多糖類、オリゴ糖、植物エキス、生薬等が挙げられる。
【実施例】
【0022】
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、これにより本発明の範囲が限定されるものではない。
【0023】
表1に示す処方を用いて公知の手法により、プラセンタエキス含有飲料(以下試験飲料と略す場合があります。)を調製し、使用試験に供した。
【0024】
【表1】
【0025】
[プラセンタエキス]
健常豚から得られた新鮮な胎盤を除血、洗浄された精製組織を用い、酵素処理して得られたプラセンタ抽出エキスを、凍結乾燥したものをプラセンタエキスとして用いた。
【0026】
[使用試験]
使用試験は、事前にプラセンタエキスを主成分とする食品飲料の使用試験であることを開示した後、肌荒れ・肌の老化症状を自覚している、35〜65歳の職業従事女性21名を被験者とした。被験者は、対象21名中11名(対象群)に、一日1回試験飲料を1本7日間連続して飲用させ、残りの10名(非対象群)は、アンケートのみ実施した。なお、使用試験の対象群と非対象群は、平均年齢が同水準になるよう調整した。
【0027】
アンケートは、「白髪が気になる」という質問に対し、下記の評価基準により点数化して回答させ、平均値を算出した。結果を
図1に示した。
[評価基準]
かなりあてはまる 4
よくあてはまる 3
どちらともいえない 2
あまりあてはまらない 1
あてはまらない 0
【0028】
図1に示した通り、プラセンタエキスを含有するドリンクを飲用することにより、白髪が改善することが認められた。