【解決手段】本発明のクッション材10は、シート状をなし、表側を向く第1面10Aに表側凹凸部15が形成されている。表側凹凸部15の複数の凸部15Tには、裏側に凸となるように湾曲した外周面を有する台座部23の上に表側へ凸となるように椀状に突出した膨出部22を備えた構造の複数の台座付き凸部21が備えられている。台座付き凸部21の膨出部22は、略平坦状の天井部22Tと、天井部22Tから台座部23へとつながる湾曲した側面部22Sとを外面に備える断面視略台形状に形成されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のクッション材では、凸部の頂点部分が狭いため、荷重の受け止めが不安定であるという問題があった。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、荷重を安定して受け止め可能なクッション材の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するためになされた請求項1の発明は、シート状をなして、表側を向く面に凹凸が形成されたクッション材であって、前記表側を向く面に形成された凹凸の複数の凸部には、裏側に凸となるように湾曲した外周面を有する台座部の上に表側へ凸となるように椀状に突出した膨出部を備えてなる複数の台座付き凸部が備えられ、前記台座付き凸部の前記膨出部は、略平坦状の天井部と、前記天井部から前記台座部へとつながる湾曲した側面部とを外面に備える断面視略台形状に形成されているクッション材である。
なお、天井部は、クッション材の厚み方向に垂直な平面であってもよいし、表側に僅かに凸となるように緩やかに湾曲した面であってもよい。
【0007】
請求項2の発明は、請求項1に記載のクッション材において、前記表側を向く面の前記複数の凸部の間に複数の凹条が形成され、前記凹条を幅方向に挟んで隣り合う前記台座付き凸部の間に、前記台座部に挟まれると共に前記凹条を底部とする谷部が形成され、前記谷部の幅方向に切断された前記膨出部の幅は、前記谷部の幅の2倍以上であるクッション材である。
【0008】
請求項3の発明は、請求項2に記載のクッション材において、前記複数の凹条は、凸多角形の網目状に形成されているクッション材である。
【0009】
請求項4の発明は、請求項2又は3の請求項に記載のクッション材において、2枚のシート体を積層してなり、それら2枚のシート体の接合面は共に平坦に形成され、前記台座付き凸部と前記凹条は、表側に配置された前記シート体の表側を向く面に形成され、裏側に配置された前記シート体の裏側を向く面に凹凸が形成されているクッション材である。
【0010】
請求項5の発明は、請求項4に記載のクッション材において、裏側の前記シート体に形成された凹凸は、複数の凹部の間に複数の突条が形成されてなり、裏側のシート体に形成された凹部が表側のシート体に形成された凸部に重ねられ、裏側のシート体に形成された突条が表側のシート体に形成された凹条に重ねられているクッション材である。
【0011】
請求項6の発明は、請求項1乃至5のうち何れか1の請求項に記載のクッション材において、全体がウレタンフォームで構成されて、前記ウレタンフォームのセル面が外面に露出するクッション材である。
【発明の効果】
【0012】
[請求項1,2の発明]
本発明では、クッション材の表側を向く面に、裏側に凸となるように湾曲した外周面を有する台座部の上に表側へ凸となるように椀状に突出した膨出部を備えてなる複数の台座付き凸部が形成されている。そして、その台座付き凸部の膨出部は、略平坦状の天井部と、前記天井部から前記台座部へとつながる湾曲した側面部とを外面に備えて、断面視の形状が略台形状に形成されている。従って、クッション材の厚み方向にかかる荷重を膨出部の天井部及び側面部のうち天井部に近い部分で安定的に受け止めることが可能となる。また、例えば、クッション材を寝具として使用する際、寝返りによって腰や肩からクッション材の厚み方向に対して斜めにかかる荷重は、膨出部の側面部で安定的に受け止めることが可能となる。このように、本発明によれば、従来のクッション材と比較して、荷重を安定して受け止め可能となる。
【0013】
ここで、膨出部をクッション材の厚み方向に投影した面積は、隣り合う台座付き凸部の台座部に挟まれた谷部をクッション材の厚み方向に投影した面積より大きいことが好ましい。具体的には、谷部の幅方向に切断したときの膨出部の幅(即ち、膨出部の中心から膨出部の端部までの距離の2倍)は、谷部の幅(即ち、膨出部から隣り合う膨出部までの距離)の2倍以上であることが好ましい(請求項2の発明)。
【0014】
[請求項3の発明]
本発明によれば、網目状に形成された凹条に沿って空気が流れることで湿気や熱気を逃がし易くなる。また、複数の凹条が凸多角形の網目状に形成されることで、凹条に囲まれる台座付き凸部が平面視凸多角形状となり、台座付き凸部による荷重の受け止めの安定性を向上させることが可能となる。
【0015】
[請求項4,5の発明]
本発明によれば、クッション材の裏面にも凹凸が形成されるので、クッション材の荷重吸収性能を高めることが可能となる。また、本発明では、クッション材が2枚のシート体を積層してなるので、片面に凹凸を有するシート体を2枚用意することで、表側と裏側に凹凸を備えたクッション材を得ることができる。しかも、2枚のシート体の接合面は共に平坦になっているので、2枚のシート体を安定的に貼り合わせることが可能となる。
【0016】
ここで、裏側に配置されたシート体の凹凸は、表側に配置されたシート体の凹凸と同じ形状であってもよいし、異なる形状であってもよいし。ここで、請求項5の発明のように、裏側のシート体の凹凸は、複数の凹部の間に複数の突条が形成されてなり、裏側のシート体の凹部のクッション材の厚み方向の投影が表側のシート体の凸部のクッション材の厚み方向の投影に重ねられ、裏側のシート体の突条のクッション材の厚み方向の投影が表側のシート体の凹条のクッション材の厚み方向の投影に重ねられる構成とすれば、クッション材に複数のブリッジ構造を形成することができ、クッション性能の向上が図られる。
【0017】
[請求項6の発明]
本発明によれば、クッション材の全体がウレタンフォームで構成され、ウレタンフォームのセル面が外面に露出するので、クッション材の通気性が確保されて、クッション材の弾発力の低下が抑えられる。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1に示されるように、本実施形態のクッション材10は、シート状に形成され、表側を向く第1面10Aに表側凹凸部15を有し、裏側を向く第2面10Bに裏側凹凸部16を有している。また、クッション材10の全体は、ウレタンフォームで構成されていて、クッション材10の外面には、ウレタンフォームの個々のセルが裁断されたセル面が露出している。そして、このセル面の露出により、クッション材10の通気性が確保され、クッション材10の弾発力の低下が抑えられている。なお、クッション材10は、例えば、マットレスやソファの座部、背もたれ部等の部位に用いられる。
【0020】
図1,2に示されるように、クッション材10の第1面10Aの外縁部には、矩形枠状に形成された枠状平地部17が形成されていて、表側凹凸部15は、枠状平地部17の内側に形成されている。表側凹凸部15は、複数の凸部15Tの間に複数の凹条15Aが形成されてなる。
【0021】
図2に示されるように、複数の凹条15Aは、正六角形の網目状に形成されて、枠状平地部17につながっている(
図2では、凸部15Tと凹条15Aとの境界線(即ち、凸部15Tの外形線)が灰色で示されている)。そして、複数の凸部15Tには、クッション材10の厚み方向から見た形状が六角形状をなす複数の第1凸部21と、クッション材10の厚み方向から見た形状が六角形の一部の形状をなす複数の第2凸部25と、が備えられている。なお、複数の第2凸部25は、枠状平地部17に隣接し、複数の第1凸部21は、複数の第2凸部25よりもクッション材10の第1面10Aの中央側に配置される。すなわち、第1シート体12の表側の第1面10Aは、平板状で厚みが一定の基部28の表側の面のうち露出した部分である凹条15A及び枠状平地部17と、基部28の表側の面上に配置された第1凸部21及び第2凸部22の外面とから構成される。そして、第1凸部21は、後述するように、変曲点P1を境界とする膨出部22と台座部23とで構成されている。
【0022】
図3には、凹条15Aの幅方向に切断された第1凸部21の断面が示されている。同図に示されるように、第1凸部21は、裏側に凸となるように凹状に湾曲した外周面を有する台座部23の上に表側へ凸となるように椀状に突出した膨出部22を備えた構造になっている。膨出部22と台座部23の境界は、第1凸部21の外面において曲率の符号が変化する変曲点P1を構成する。そして、凹条15Aを幅方向に挟む2つの第1凸部21の台座部23と凹条15Aとによって、凹条15Aを谷底とする谷部24が形成されている。すなわち、谷部24は、谷底である凹状15Aと、凹条15Aの幅方向につながる台座部23の外周面と、凹条15A及び台座部23の外周面に囲まれた内側の断面視略台形状の空間により構成される。なお、谷部24の谷底は略平坦に形成されている。
【0023】
図3に示されるように、台座部23の外面は、台座部23の上部へ向かうにつれて勾配が急となるように湾曲して膨出部22の外面に連続してつながっている。また、膨出部22の断面形状は略台形状になっていて、略平坦状に形成された天井部22Tと、天井部22Tから台座部23へとつながる湾曲した側面部22Sと、を外面に有している。側面部22Sは、変曲点P1において最大傾斜となっており、天井部22Tへ向かうに従って勾配が徐々に緩くなるように形成されて天井部22Tになだらかに連続する。なお、天井部22Tは、クッション材10の厚み方向と直交する面に略平行であればよく、クッション材10の厚み方向に垂直であってもよいし、表側に僅かに凸となるように緩やかに湾曲していてもよい。天井部22Tが湾曲する場合、第1凸部21の先端側へ向かうにつれて天井部22Tが縮径する度合いが、側面部22Sが縮径する度合いよりも大きいことが好ましい。このとき、天井部22Tの水平方向の長さ(クッション材10の厚み方向と直交する方向の長さ)は、膨出部22の幅L1よりも短く、かつ、天井部22Tの突出長さ(クッション材10の厚み方向の長さ)の4倍以上であることが好ましい。
【0024】
膨出部22の幅L1は、谷部24の幅L2より広くなっている。具体的には、膨出部22の幅L1は、谷部24の幅L2の2倍以上になっていて、
図3の例では、約5倍である。また、
図4に示されるように、膨出部22の高さH1は、谷部24の深さD1以上になっていて、
図4の例では、約3倍である。なお、ここで、膨出部22の幅L1は、膨出部22を挟む変曲点P1同士(
図3では、膨出部22の左右の側面部22Sの下端に位置する変曲点P1同士)の間の間隔で定義され、谷部24の幅L2は、谷部24を挟む変曲点P1同士(
図3では、隣り合う2つの第1凸部21の台座部23の外面における上端に位置する変曲点P1同士)の間の間隔で定義される。即ち、膨出部22の幅L1は、膨出部22の中心から膨出部22の端部である変曲点P1までの距離の2倍であり、谷部24の幅L2は、膨出部22から隣り合う膨出部22までの距離である。また、膨出部22の高さH1は、変曲点P1から天井部22Tまでの間隔で定義され、谷部24の深さD1は、変曲点P1から谷部24の谷底までの間隔で定義される。
【0025】
図5には、凹条15Aの幅方向に切断された第2凸部25の断面が示されている。同図に示されるように、第2凸部25は、第1凸部21と同様に、裏側に凸となるように湾曲した外周面を有する台座部27の上に表側へ凸となるように椀状に突出する膨出部26を備えた構造になっている。台座部27の外周面は、枠状平地部17から離れるに従って勾配が急になるように形成されて、膨出部26の外面になだらかに連続する。なお、後に説明するが、クッション材10の表側部分を構成する第1シート体12において、枠状平地部17を形成する部分の厚みと凹条15ATを形成する部分の厚みは同じになっていて、枠状平地部17と凹条15Aは、同一平面内に配置される。
【0026】
第2凸部25の膨出部26は、第1凸部21の膨出部22と同様に、天井部が略平坦になった断面略台形状に形成されてもよいし、天井部が平坦部を有さずに僅かに湾曲したドーム状に形成されてもよい。
図5には、断面略台形状をなす膨出部26が示されている。
【0027】
図1、5に示されるように、クッション材10の第2面10Bの外縁部には、矩形枠状に形成された枠状平地部18が形成されていて、裏側凹凸部16は、クッション材10の第2面10Bにおいて枠状平地部18よりも内側(即ち、第2面10Bの中央側)に形成されている。裏側凹凸部16は、表側凹凸部15の凹凸を反転させた形状になっていて、複数の凹部16Aの間に複数の突条16Tが形成されてなる。
【0028】
複数の突条16Tは、第1面10Aの複数の凹条15Aと同様に、正六角形の網目状に形成され、凹部16Aの周囲を取り囲むように環状(多角環状)に配置され、枠状平地部18につながっている。以下、環状(多角環状)に形成された第2シート体13の複数の突条16Tを、適宜、突条16T環という。複数の凹部16Aには、平面形状が六角形状をなす複数の第1凹部31と、平面形状が六角形の一部の形状をなす複数の第2凹部35と、が備えられている。複数の第2凹部35は、枠状平地部18に隣接し、複数の第1凹部31は、複数の第2凹部35よりもクッション材10の第2面10Bの中央側に配置される。そして、第2面10Bの突条16Tのクッション材10の厚み方向の投影が第1面10Aの凹条15Aのクッション材10の厚み方向の投影に重ねられ、第2面10Bの第1凹部31のクッション材10の厚み方向の投影が第1面10Aの第1凸部21のクッション材10の厚み方向の投影に重ねられ、第2面10Bの第2凹部35のクッション材10の厚み方向の投影が第1面10Aの第2凸部25のクッション材10の厚み方向の投影に重ねられている。
【0029】
図3に示されるように、第1凹部31は、裏側に凸となるように湾曲した内周面を有する拡口部33の奥に表側へ凸となるように椀状に陥没した陥没部32を備えた構造になっている。陥没部32と拡口部33の境界は、第1凹部31の内面において曲率の符号が変化する変曲点P2を構成する。
【0030】
図3に示されるように、第1凹部31の内面形状は、第1凸部21の外面形状に略一致している。具体的には、第1凹部31の内面のうち拡口部33の内面は、第1凹部31の奥側へ向かうにつれて勾配が急となるように湾曲して陥没部32の内面に連続してつながっている。また、陥没部32の断面形状は略逆台形状になっている。具体的には、陥没部32は、略平坦状の底部32Bと、底部32Bから拡口部33へとつながる湾曲した側面部32Sとを内面に有する。側面部32Sは、底部32Bへ向かうにつれて勾配が緩くなるように形成されて底部32Bになだらかに連続する。なお、陥没部32の底部32Bは完全な平坦に形成されてもよいし、表側に凸となるように僅かに湾曲して形成されていてもよい。
【0031】
また、
図5には、突条16Tの幅方向に切断された第2凹部35の断面が示されている。同図に示されるように、第2凹部35は、第1凹部31と同様に、裏側へ凸となるように湾曲した内周面を有する拡口部37の奥に表側へ凸となるように椀状に陥没した陥没部36を備えた構造になっている。拡口部37の内面は、枠状平地部18から離れるに従って勾配が急になるように形成されて、陥没部36の内面になだらかに連続する。なお、後に説明するが、クッション材10の裏側部分を構成する第2シート体13において、枠状平地部18を形成する部分の厚みと突条16Tの頂点部を形成する部分の厚みは同じになっていて、枠状平地部18と突条16Tの頂点部は、同一平面内に配置される。これにより、第1シート体の荷重が、第2シート体の裏面を構成する環状(多角環状)の突条16Tと枠状平地部18とによって支えられる。
【0032】
第2凹部35の陥没部36は、第1凹部31の陥没部32と同様に底部が略平坦になった断面略逆台形状に形成されてもよいし、底部が平坦部を有さずに僅かに湾曲した逆ドーム状に形成されてもよい。
図5には、断面略逆台形状をなす陥没部36が示されている。
【0033】
図1,3に示されるように、本実施形態のクッション材10は、2枚のシート体、即ち、第1シート体12と第2シート体13が積層されてなる。第1シート体12は、クッション材10の表側に配置され、第2シート体13は、クッション材10の裏側に配置される。そして、第1シート体12の表側を向く面に、表側凹凸部15が形成され、第2シート体13の裏側を向く面に裏側凹凸部16が形成されている。
【0034】
なお、詳細には、第1シート体12は、平板状で厚みが一定の基部28の表側を向く面から複数の突部15Tが突出してなる。そして、基部28の表側を向く面が、凹条15Aと枠状平地部17を構成する。従って、第1シート体12のうち凹条15Aが形成された部分の厚みと枠状平地部17が形成された部分の厚みは同じになっている。また、第2シート体13は、平板状で厚みが一定の基部29の裏側を向く面に複数の凹部16Aが形成されてなる。そして、基部29の裏側を向く面が、突条16Tの頂点部と枠状平地部18とを構成する。従って、第2シート体13のうち突条16Tが形成された部分の厚みと枠状平地部18が形成された部分の厚みは同じになっている。
【0035】
第1シート体12と第2シート体13の接合面、即ち、第1シート体12の裏側を向く面と第2シート体13の表側を向く面は共に、平坦に形成されていて、第1シート体12と第2シート体13は、接着剤によって貼り合わされている。なお、第1シート体12と第2シート体13は共に、ウレタンフォームの個々のセルが裁断されたセル面が外面全体に露出した構造になっている。
【0036】
次に、クッション材10の作用効果について説明する。本実施形態のクッション材10では、クッション材10のうち表側を向く第1面10Aに形成された第1凸部21が、裏側に凸となるように湾曲した外周面を有する台座部23の上に表側へ凸となるように椀状に突出した膨出部22を備えてなる。そして、膨出部22が、略平坦状の天井部22Tと、天井部22Tから台座部23へとつながる湾曲した側面部22Sとを外面に備える断面視略台形状に形成されている。従って、クッション材10の厚み方向にかかる荷重を膨出部22の天井部22T及び側面部22Sのうち天井部22Tに近い部分で安定的に受け止めることが可能となる。また、クッション材10が、例えばクッションやマットレスとして使用される際に、腰、肩、腕又は臀部等の曲面からクッション材10の厚み方向に対して斜めにかかる荷重は、膨出部22の側面部22Sで安定的に受け止めることが可能となる。このように、本実施形態のクッション材10によれば、従来のクッション材と比較して、荷重を安定して受け止め可能となる。
【0037】
また、表側凹凸部15を形成する凹条15Aが網目状に形成されることで、凹条15Aに沿って空気を流すことが可能となり、クッション材10の湿気や熱気を逃がし易くなる。しかも、複数の凹条15Aが凸多角形の網目状に形成されることで、凹条15Aに囲まれる第1凸部21が平面視凸多角形状となり、第1凸部21による荷重の受け止めの安定性を向上させることが可能となる。
【0038】
また、本実施形態では、クッション材10のうち裏側を向く第2面10Bにも凹凸が形成されており、かつ、第1シート体12の膨出部22で受けた荷重を、第2シート体13の裏面に形成された環状(多角環状)の突条16Tによって、放射状、環状に分散し支えるので、クッション材10の荷重吸収性能を高めることが可能となる。しかも、裏側の第2シート体13の凹凸は、複数の凹部16Aの間に複数の突条16Tが環状(多角環状)に形成されてなり、第2シート体13の凹部16Aのクッション材10の厚み方向の投影が第1シート体12の凸部15Tのクッション材10の厚み方向の投影に重ねられ、第2シート体13の突条16Tのクッション材10の厚み方向の投影が第1シート体12の凹条15Aのクッション材10の厚み方向の投影に重ねられる。これにより、第2シート13の各膨出部22の厚み方向の投影と重なる部分の周囲に位置し、かつ、環状(多角環状)に形成された第2シート体13の突条16T環によって、環状(多角環状)の底部を有した複数のブリッジ構造をクッション材10に形成することができ、第1シート体12の膨出部22の中心である天井部22Tで受けた荷重が、突条16Tへと放射状、環状(網状)に分散し、伝達するので、荷重の沈み見込み量が調整可能となり、クッション材10のクッション性能の向上が図られる。
【0039】
また、クッション材10は、第1シート体12と第2シート体13を積層してなるので、片面に凹凸を有するシート体を2枚用意することで、表側と裏側に凹凸を備えたクッション材10を容易に得ることができる。さらに、第1シート体12と第2シート体13の接合面は共に平坦になっているので、第1シート体12と第2シート体13を安定的に貼り合わせることが可能となる。
【0040】
なお、本実施形態では、第1凸部21が本発明の「台座付き凸部」に相当し、第1シート体12が本発明の「表側に配置されたシート体」に相当し、第2シート体13が「裏側に配置されたシート体」に相当する。
【0041】
[他の実施形態]
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、例えば、以下に説明するような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
【0042】
(1)上記実施形態において、クッション材10の第2面10Bが裏側凹凸部16を有さずに、フラットに形成されてもよい。
【0043】
(2)上記実施形態において、クッション材10が第2シート体13を備えず第1シート体12のみから構成されてもよい。このとき、第1シート体12の裏側の面は平坦に形成されていてもよいし、凹凸が形成されていてもよい。
【0044】
(3)第1シート体12と第2シート体13の硬さは、同じであってもよいし、異なっていてもよい。
【0045】
(4)上記実施形態では、複数の第1凸部21は、全て同じ形状、同じ大きさであったが、形状や大きさが異なった複数種類の第1凸部21を備えてもよい。
【0046】
(5)第1凸部21の平面形状は、三角形、四角形、五角形、八角形等のような凸多角形であってもよいし、星形や歯車形のような凹多角形でもよいし、円形や楕円形であってもよい。第1凸部21の平面形状が正六角形、正方形又は正三角形であれば、第1面10Aに第1凸部21を効率よく配置させることができるので、第1凸部21の単位面積当たりの数を増やすことができ、荷重の受け止めの安定性を向上させることが可能となる。なお、第1凸部21の平面形状が三角形又は五角形である場合、第1凸部21の断面形状が、幅方向で非対称となっていてもよい。
図7(A),(B)には、第1凸部21の平面形状が三角形である場合の例が示されている。
【0047】
(6)凹条15Aの幅は一定であってもよいし、一定でなくてもよい。例えば、凹条15Aは、長手方向の中間部が幅広になった中膨れ形状であってもよいし、長手方向の中間部が幅狭になったくびれ形状であってもよい。
【0048】
(7)複数の凹条15Aは、全て同じ形状、同じ大きさであってもよいし、形状や大きさが異なった複数種類の凹条15Aを備えていてもよい。
【0049】
(8)クッション材10の第1面10Aの隣り合う凸部15Tの間に、凹条15Aが形成されなくてもよく、隣り合う凸部15Tの間に凹条15Aよりも幅広な平坦部が形成されてもよい。
【0050】
(9)クッション材10の第1面10Aの凸部15Tが、第2凸部25を備えずに、第1凸部21のみから構成されてもよい。
【0051】
(10)クッション材10は枠状平地部17及び枠状平地部18を備えていなくてもよい。例えば、上記実施形態のクッション材10のうち枠状平地部17よりも内側を矩形状に切断したものをクッション材としてもよいし、クッション材10のうち第2凸部25よりも内側を矩形状に切断したものをクッション材として用いてもよい。なお、クッション材10は、枠状平地部17を備えずに枠状平地部18のみを備えてもよいし、枠状平地部18を備えずに枠状平地部17のみを備えてもよい。
【0052】
(11)クッション材10の第2面10Bの裏側凹凸部16は、表側凹凸部15の凹凸を反転させた形状になっていなくてもよく、例えば、
図6(A)に示されるように、裏側凹凸部16が、断面視で正弦波状であってもよい。
【0053】
(12)上記実施形態では、クッション材10が表側の凹凸に、位置及び形状が対応する凹凸を裏側に有し、第1シート体12の膨出部22で受けた荷重を、その各膨出部22の厚み方向の投影の周囲に位置し、環状(多角環状)に形成された第2シート体13の突条16T環によって荷重を受けるブリッジ構造を有していたが、上記のようなクッション材10における表側の凹凸と裏側の凹凸とを同調させたブリッジ構造を有していなくてもよい。その一例として、
図6(B)に示されように、第2面10Bの突条16Tを、クッション材10の厚み方向の投影がちょうど凹条15Aと重なる位置から凹条15Aの幅方向に第1凸部21の幅の半分ほどずれるように配置し、第1凹部31を、クッション材10の厚み方向の投影がちょうど第1凸部21と重なる位置から凹条15Aの幅方向に第1凸部21の幅の半分ほどずれるように配置してもよい。このような配置により、第1シート体12の膨出部22で受けた荷重を、凹条15Aの厚み方向の投影と重なる位置から位相をずらした複数の突条16Tによって受けることができる。すなわち、第1シート体12の膨出部22の厚み方向の投影と重なる部分の周囲に隣接して位置する、環状(多角環状)に形成された複数の突条16T環からなる突条16T環群に荷重を分散して受けることができる。また、別の例として、第1面10Aの凹条15Aの幅を、第2面10Bの突条16Tの幅と異ならせてもよいし、第1面10Aの第1凸部21の幅を、第2面10Bの第1凹部31の幅と異ならせてもよい。