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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2019-55624(P2019-55624A)
(43)【公開日】2019年4月11日
(54)【発明の名称】車両の外装構造
(51)【国際特許分類】
   B60Q 1/26 20060101AFI20190315BHJP
   B60Q 1/02 20060101ALN20190315BHJP
   B60Q 1/04 20060101ALN20190315BHJP
【FI】
   B60Q1/26 A
   B60Q1/02 B
   B60Q1/04 A
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
【全頁数】26
(21)【出願番号】特願2017-179825(P2017-179825)
(22)【出願日】2017年9月20日
(71)【出願人】
【識別番号】000003137
【氏名又は名称】マツダ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100067828
【弁理士】
【氏名又は名称】小谷 悦司
(74)【代理人】
【識別番号】100115381
【弁理士】
【氏名又は名称】小谷 昌崇
(72)【発明者】
【氏名】岩尾 典史
(72)【発明者】
【氏名】松井 貴宏
(72)【発明者】
【氏名】槇野 遼馬
【テーマコード(参考)】
3K339
【Fターム(参考)】
3K339AA02
3K339AA16
3K339AA25
3K339BA01
3K339BA03
3K339BA04
3K339BA12
3K339BA13
3K339BA16
3K339BA22
3K339BA23
3K339BA30
3K339CA01
3K339CA12
3K339DA01
3K339EA05
3K339EA07
3K339EA09
3K339GA02
3K339GB02
3K339GB22
3K339HA01
3K339HA02
3K339HA12
3K339KA23
3K339LA03
(57)【要約】
【課題】ターンランプの車幅方向内側の照射を担保しつつ、バンパーフェイシアを立体的に装飾可能な車両の外装構造を提供する。
【解決手段】車両1の前部に配置されたフェイシア基体5と、フェイシア基体5から車両の前方に突出した状態で配置され、車両の前部を装飾する加飾部材9とを備える。加飾部材9は、フェイシア基体5から前方に突出した状態で、フェイシア基体5の車幅方向両端部から車幅方向内側に向かって延びるとともに、着色されることにより車両の一端部を装飾する着色加飾ウイング95と、着色加飾ウイング95内に車幅方向に沿って取り付けられるとともに、着色加飾ウイング95の稜線95aにおいて発光する内側ターンランプ導光体96とを備える。
【選択図】図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両長手方向の一端部に配置されたバンパーフェイシア基体と、
前記バンパーフェイシア基体の少なくとも車幅方向両端部に、前記バンパーフェイシア基体から車両長手方向外側に突出した状態で配置され、前記車両の一端部を装飾する加飾部材とを備え、
前記加飾部材は、前記バンパーフェイシア基体から車両長手方向外側に突出した状態で、前記バンパーフェイシア基体の車幅方向両端部から車幅方向内側に向かって延びるとともに、着色されることにより前記車両の一端部を装飾する着色加飾本体と、
前記着色加飾本体内に車幅方向に沿って取り付けられるとともに、前記着色加飾本体の突出先端部において発光するターンランプ発光体とを備える、車両の外装構造。
【請求項2】
前記バンパーフェイシア基体の車幅方向両端部に設けられたランプ本体を更に備え、
前記バンパーフェイシア基体は、前記車両の前部に配置され、かつ車幅方向中央部であって前記ランプ本体から車幅方向に沿って離間した位置にフロントグリル開口部を有し、
前記着色加飾本体および前記ターンランプ発光体は、前記ランプ本体から前記グリル開口部まで車幅方向に延びる、請求項1に記載の車両の外装構造。
【請求項3】
前記加飾部材は、前記フロントグリル開口部に沿って配置されるグリルフレーム部と、前記グリルフレーム部の車幅方向両端部から車幅方向外側に向かって前記ランプ本体まで延びるウイングフレーム部とを備え、前記ウイングフレーム部に前記ターンランプ発光体が配置されている、請求項2記載の車両の外装構造。
【請求項4】
前記ターンランプ発光体は、車幅方向に沿って延び、一端部から入射された光を車両長手方向外側に向かって照射する導光体であり、
前記ランプ本体は、照射範囲に前記ターンランプ発光体の一端部が配置されているターンランプ光源を備える、請求項2又は請求項3に記載の車両の外装構造。
【請求項5】
前記バンパーフェイシア基体は、前記フロントグリル開口部から車幅方向外側に向かって後方に傾斜する傾斜壁を有し、
前記加飾部材は、前記傾斜壁に沿って配置されている、請求項2ないし請求項4のいずれか1項に記載の車両の外装構造。
【請求項6】
前記着色加飾本体は、前記突出端部において上下に分割され、車幅方向に延びる加飾上部体と、前記加飾上部体に対して、車幅方向に延びる隙間を介して下方に配置された加飾下部体とを備え、
前記ターンランプ発光体は、前記着色加飾本体に対して車両長手方向内側であって、前記隙間に対向して配置されている、請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の車両の外装構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両前部又は後部のバンパーフェイシアを含む外装構造、詳しくはバンパーフェイシア基体と、このバンパーフェイシア基体に設けられ車両前部又は後部を装飾する加飾部材とを備える車両の外装構造に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車等の車両は、一般に車両前部又は後部にバンパーフェイシアを備える。このバンパーフェイシアは、車両前部又は後部のデザインを決定付ける重要な構成部材である。例えば、車両前部に配置されるフロントバンパーフェイシアは、車両前部に配置され車幅方向中央部にフロントグリル開口部が設けられたフェイシア基体と、このフロントグリル開口部に配置されたフロントグリルと、前記フェイシア基体の左右両端部であって前記フロントグリルに近接して配置されたランプユニットとを備え、車両前部のデザインを司る。
【0003】
特許文献1には、フロントグリルに隣接して車幅方向両端部にヘッドランプユニットが設けられたフロントバンパーフェイシアが開示されている。このフロントバンパーフェイシアは、前記ヘッドランプユニットに、ヘッドランプの照射光を導入してこの導入光を上方に照射するヘッドランプガーニッシュが設けられることにより車両前部のデザインを向上させている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−293189号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、近年、フロントバンパーフェイシアは、種々の斬新なデザインが要求されることが多くなっている。
【0006】
しかしながら、ランプユニットに含まれるランプ本体、例えばターンランプについて種々の規制が存し、フロントバンパーフェイシアを斬新にデザインしようにも一定の限界があった。すなわち、ターンランプは、このターンランプが設けられている車幅方向一端部において、車幅方向外側に所定の第1の角度(例えば自動車の進行方向に平行な鉛直面に対し80°)で照射させることが求められているだけでなく、車幅方向内側にも所定の第2の角度(例えば自動車の進行方向に平行な鉛直面に対し45°)で照射させることが求められている。このような規制がない場合であったとしても、ターンランプを車幅方向内側に所定の第2の角度で照射させることは設計上好ましいものである。このため、車両の前部外装構造について、ターンランプを含むランプ本体とフロントグリルとの間に凹凸を設けるにも前記規制があるため凹凸を設け難く、特許文献1に示すようにランプ本体とフロントグリルとが略面一になるように設計することが多くなっているのが実情である。
【0007】
本発明は、上記問題点に鑑み、ターンランプの車幅方向内側の照射を担保しつつ、バンパーフェイシアを立体的に装飾可能な車両の外装構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明に係る車両の外装構造は、車両長手方向の一端部に配置されたバンパーフェイシア基体と、前記バンパーフェイシア基体の少なくとも車幅方向両端部に、前記バンパーフェイシア基体から車両長手方向外側に突出した状態で配置され、前記車両の一端部を装飾する加飾部材とを備え、前記加飾部材は、前記バンパーフェイシア基体から車両長手方向外側に突出した状態で、前記バンパーフェイシア基体の車幅方向両端部から車幅方向内側に向かって延びるとともに、着色されることにより前記車両の一端部を装飾する着色加飾本体と、前記着色加飾本体内に車幅方向に沿って取り付けられるとともに、前記着色加飾本体の突出先端部において発光するターンランプ発光体とを備える。
【0009】
この発明によれば、前記加飾部材によって車両長手方向一端部を立体的に装飾しながらも、当該加飾部材にターンランプとしての機能も併せ持たせることによって、車両長手方向一端部をシンプルに装飾することができるとともに、ターンランプの車幅方向内側の適正な照射も担保することができる。
【0010】
すなわち、前記バンパーフェイシア基体と、前記加飾部材とを備えるので、車両長手方向の一端部のうち、特にターンランプが配置されることが多い車幅方向両端部において、前記加飾部材を前記バンパーフェイシア基体から突出させることによって立体的に装飾することができ、これにより車両のデザインの自由度を向上させることができる。このようにバンパーフェイシア基体に対して車両長手方向外側に突出させた加飾部材を設けた場合には、車幅方向両端部に設けられることが多いターンランプの車幅方向内側への照射に対する障害になる虞がある。しかしながら、この発明によれば、前記加飾部材は、着色されることにより前記車両の一端部を装飾する着色加飾本体と、前記着色加飾本体内に前記の左右方向に沿って取り付けられるとともに、前記着色加飾本体の突出端部において発光するターンランプ発光体とを備えるので、前記着色加飾本体によって前記車両の長手方向一端部を立体的に装飾しながらも、この着色加飾本体内を車幅方向に沿って延びるターンランプ発光体によって前記着色加飾本体の先端部を発光させることができる。このため、前記加飾部材がターンランプの照射の障害になることがなく、ターンランプの車幅方向内側の照射も担保することができる。しかも、前記ターンランプ発光体が前記着色加飾本体内に取り付けられているため、当該ターンランプ発光体を前記着色加飾本体のデザイン中に埋没させることができ、複数の部材の存在を感じさせることなく、この着色加飾本体によって専ら前記車両長手方向の一端部をシンプルに装飾することができる。
【0011】
この発明において、バンパーフェイシア基体は、車両前部又は車両後部のいずれに配置されるものであっても良く、またランプ本体とフロントグリル開口部との位置関係を特に限定するものではないが、前記バンパーフェイシア基体の車幅方向両端部に設けられたランプ本体を更に備え、前記バンパーフェイシア基体は、前記車両の前部に配置され、かつ車幅方向中央部であって前記ランプ本体から車幅方向に沿って離間した位置にフロントグリル開口部を有し、前記着色加飾本体および前記ターンランプ発光体は、前記ランプ本体から前記グリル開口部まで車幅方向に延びるのが好ましい。
【0012】
すなわち、バンパーフェイシア基体が車両前部に配置される場合には、前記のように構成すれば、前記ランプ本体を前記フロントグリル開口部から離間して配置することができ、前記ランプ本体と前記フロントグリル開口部との間に前記着色加飾本体と前記ターンランプ発光体とを設けて、前記ランプ本体と前記フロントグリル開口部との間の装飾性を向上させることができる。これにより、車両の外装構造をより一層、斬新なものとすることができる。
【0013】
この場合において、前記加飾部材の具体的構成は特に限定するものではなく、例えば車幅方向両端部にのみ配置されているものであっても良いが、前記加飾部材は、前記フロントグリル開口部に沿って配置されるグリルフレーム部と、前記グリルフレーム部の車幅方向両端部から車幅方向外側に向かって前記ランプ本体まで延びるウイングフレーム部とを備え、前記ウイングフレーム部に前記ターンランプ発光体が配置されているのが好ましい。
【0014】
このように構成すれば、前記ウイングフレーム部によって、車両前部の車幅方向両端部を装飾するだけでなく、前記グリルフレーム部によって、フロントグリル開口部の周辺を装飾することができ、車両前部を車幅方向に沿って一体的に装飾することができる。また、前記ウイングフレーム部に前記ターンランプ発光体が配置されているので、ターンランプとしての機能をも担保することができる。
【0015】
前記バンパーフェイシア基体がフロントバンパーフェイシア基体である場合において、前記ターンランプ発光体は、LEDランプが列設されるなどそれ自体が光源となるものであっても良いが、前記ターンランプ発光体は、車幅方向に沿って延び、一端部から入射された光を車両長手方向外側に向かって照射する導光体であり、前記ランプ本体は、照射範囲に前記ターンランプ発光体の一端部が配置されているターンランプ光源を備えるのが好ましい。
【0016】
このように構成すれば、各種光源を前記ランプ本体に纏めることができるとともに、前記ターンランプ発光体を単純な構成とすることができる。このため、このターンランプ発光体が埋め込まれている前記加飾部材のレイアウトの自由度を向上させることができる。
【0017】
前記バンパーフェイシア基体がフロントバンパーフェイシア基体である場合において、前記バンパーフェイシア基体の具体的形状を特に限定するものではなく、平面状に形成された先端面の法線ベクトルが車両進行方向に延びるものや、平面視において車両前方に突出する滑らかな円弧状に構成されるものであっても良い。しかしながら、前記バンパーフェイシア基体は、前記フロントグリル開口部から車幅方向外側に向かって後方に傾斜する傾斜壁を有し、前記加飾部材は、前記傾斜壁に沿って配置されているのが好ましい。
【0018】
このように構成すれば、前記傾斜壁によってパンパーフェイシア基体自体をも立体的に構成することができ、車両前部の外装をより一層斬新なものとすることができる。また、特に、前記バンパーフェイシア基体が前記傾斜壁を有する場合であって、この傾斜壁に前記ランプ本体が配置されている場合には、前記ランプ本体が車両長手方向内側(具体的には後方)に退入した位置に配置されることになるため、前記バンパーフェイシア基体から突出する前記加飾部材の前記ターンランプ発光体の存在意義が増すことになる。
【0019】
この発明において、前記着色加飾本体における前記ターンランプ発光体の具体的な位置関係は、前記着色加飾本体内に車幅方向に沿って取り付けられるとともに、前記着色加飾本体の突出先端部において発光するように構成されていれば、特に限定するものではないが、前記着色加飾本体は、前記突出端部において上下に分割され、車幅方向に延びる加飾上部体と、前記加飾上部体に対して、車幅方向に延びる隙間を介して下方に配置された加飾下部体とを備え、前記ターンランプ発光体は、前記着色加飾本体に対して車両長手方向内側であって、前記隙間に対向して配置されているのが好ましい。
【0020】
このように構成すれば、前記着色加飾本体の前記突出端部の端面に、車幅方向に沿って延びる隙間から前記ターンランプ発光体が発光するので、このターンランプ発光体の照射光を車幅方向内側に適切に照射することができる。しかも、前記ターンランプ発光体は、前記着色加飾本体に対して車両長手方向内側であって、前記隙間に対向して配置されているので、外側からは目立たず、前記着色加飾本体のデザインの中に効果的に埋没させることができる。このため、複数の部材の存在を感じさせることがないという観点でシンプルに装飾することができ、より洗練された外装構造とすることができる。
【0021】
なお、前記隙間に透明ないし半透明のカバー部材が嵌め込まれるものであっても良い。この場合には、このカバー部材が曇らないようにカバー部材の内側の気密性を高めるか、或いは同内側の通気性を高める工夫を施すことが求められる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、加飾部材によって車両長手方向一端部を立体的に装飾しながらも、当該加飾部材にターンランプとしての機能も併せ持たせることによって、車両長手方向一端部をシンプルに装飾することができ、しかもターンランプの車幅方向内側の適正な照射も担保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明が適用される車両の前部の一例を示す斜視図である。
図2】前記車両の前部の正面図である。
図3】前記車両の前部の一部拡大平面図である。
図4】前記車両の前部の一部拡大側面図である。
図5】本発明の実施形態に係る車両の外装構造を示す拡大斜視図である。
図6図2のVI−VI線の概略的な断面図である。
図7図6のVII−VII線の概略的な断面図である。
図8図3のVIII−VIII線の概略的な断面図である。
図9図3のIX−IX線の概略的な断面図である。
図10】ランプ本体の概略的な斜視図である。
図11図8におけるウイングフレーム部を拡大して示す断面図である。
図12】本発明が適用される車両の後部の一例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、図面に基づいて、本発明の実施形態につき詳細に説明する。なお、本実施形態の車両1の外装構造は、車両1の前部の構造に基づいて説明するが、本発明の車両の外装構造は、車両の後部構造についても適用することができる。
【0025】
図1及び図2は、本発明が適用される車両の前部の一例を示す斜視図及び正面図である。図3及び図4は、同車両の前部の一部拡大平面図及び一部拡大側面図である。図5は本発明の実施形態に係る車両の外装構造を示す部分拡大斜視図である。
【0026】
なお、各図における「F」,「R」,「Le」,「Ri」,「U」,「L」の各方向は、車両の前後左右上下の各方向を示すものである。車両の前後方向は、車両長手方向に相当し、車両の左右方向は車幅方向に相当し、車両の上下方向は車高方向に相当するものとする。
【0027】
[車両1の前部の構造]
車両1の前部は、図1に示すように、車両長手方向の前端部に配置されたフロントバンパーフェイシア2(以下、単に「フェイシア2」という)と、フェイシア2の上端部に前端部が対峙するボンネット3と、ボンネット3の車幅方向両端縁から車幅方向及び車高方向に延びて車両1の前部側壁を構成するとともにフロントホイールハウス4a(図3参照)を構成するフロントフェンダー4とを備え、左右対称に形成されている。この車両1の前部は、車両1の外装構造体として、車両1の前部のデザインを司る。
【0028】
フェイシア2は、車両1の前壁を構成し、本実施形態では車幅方向中央部から両端部に掛けて後方に傾斜するように構成されている。フェイシア2の具体的構成については後述する。
【0029】
ボンネット3は、図4に示すように、車両1の前部における上壁を構成するものであり、車両1の前方に向かって下方に傾斜して、空力特性を改善するものとなされている。本実施形態では、この傾斜角度が前方に向かうにしたがって大きくなるように設定されている。ボンネット3の前端部は、フェイシア2の上端部に対して前方に突出した状態でフェイシア2の上端部に対峙する。
【0030】
フロントフェンダー4は、車両1の前部における主に側壁を構成するものである。フロントフェンダー4は、図4に示すように、車両1の側壁を構成するフロントフェンダーパネル41と、フロントフェンダーパネル41の車幅方向の内側面に接合され、フロントホイールハウス4a(図3参照)を構成するフロントフェンダーライナ42とを備える。フロントフェンダーライナ42は、フロントホイールハウス4a内に走行風を導入可能に構成されており、本実施形態では、フロントフェンダーライナ42の前部に、上部フェンダ開口部42aと、この上部フェンダ開口部42aの下方に設けられた下部フェンダ開口部42bとが設けられている。これらの開口部42a、42bには、後述するランプダクト88とロアダクト55とが接続されており、これらの各ダクト88,55を通じて走行風が導入される。またこれらの開口部42a、42bは、導入された走行風によってフロントホイールハウス4a内のブレーキ(不図示)を冷却できるように当該ブレーキに対して指向している。一方、フロントフェンダーライナ42の後部には、導入された走行風を排出するために、これらの開口部42a、42bの間の高さ位置に後部フェンダ開口部42cが設けられている。この後部フェンダ開口部42cは、サイドダクト43に接続され、フロントフェンダーパネル41に設けられたサイドロア開口部41aを通じて車両1の側方に連通している。
【0031】
次に、フェイシア2について詳細に説明する。フェイシア2は、図1及び図2に示すように、フロントグリル開口部5a及びロアグリル開口部5bを含み、車両1の前端部分を覆うフェイシア基体5(バンパーフェイシア基体に対応)と、フロントグリル開口部5a及びロアグリル開口部5bにそれぞれ配置されたフロントグリル6及びバンパーグリル7と、フェイシア基体5の車幅方向両端部に設けられた左右一対のランプユニット8と、これらのランプユニット8の間を跨るような態様でフェイシア基体5に沿って配置された加飾部材9と、フェイシア基体5の下端に配置されフェイシア基体5に対して前方に突出するフロントスポイラー10とを備えている。本実施形態では、フロントスポイラー10は、平面視において前方に突出する湾曲形状に構成され、フェイシア基体5と一体に設けることにより、繋ぎ目を削減するものとなされているが、このフロントスポイラー10は、フェイシア基体5と別体に設けられるものであっても良い。
【0032】
〈フェイシア基体5〉
フェイシア基体5は、フェイシア2の主要構成部材であって、車両1の前部外殻を構成している。本実施形態では、フェイシア基体5は、フロントスポイラー10と一体成形されているため、このフロントスポイラー10との間に車幅方向に沿って前記ロアグリル開口部5bが設けられている。
【0033】
具体的には、フェイシア基体5は、図1及び図2に示すように、フロントグリル開口部5aが設けられたセンタフェイス部51と、センタフェイス部51の左右側縁に連続して設けられ車幅方向外側に向かって後方に傾斜する左右の傾斜サイド部52と、各傾斜サイド部52の下端に連続して設けられたダクトルーバー53とを備え、センタフェイス部51及び傾斜サイド部52の下方であって左右のダクトルーバー53の間に跨ってロアグリル開口部5bが設けられている。
【0034】
センタフェイス部51は、車幅方向中央部に配置されるとともに略垂直に立設された壁部であり、その上部が偏平なU字状に切り欠かれることによりフロントグリル開口部5aが形成されている。フロントグリル開口部5aの上方には、ボンネット3の前端部及びフロントフェンダー4の前端部が対峙している。本実施形態では、センタフェイス部51の前面は、僅かに前方に突出して車幅方向に沿って湾曲する曲面として構成されている。
【0035】
傾斜サイド部52は、センタフェイス部51の左側縁または右側縁にセンタフェイス部51と一体に設けられた壁部である。具体的には、傾斜サイド部52は、車幅方向外側に向かって後方に傾斜するサイド壁本体521が設けられ、このサイド壁本体521の上端縁にフロントフェンダー4の前端縁まで連続して滑らかに延びるサイド上部壁522が設けられている。
【0036】
サイド壁本体521は、平板状に構成されており、図3に示すように、その傾斜角度は、特に限定するものではないが、センタフェイス部51(又は車幅方向を含む垂直面)に対して約20°から約60°の範囲内に設定されるのが好ましく、本実施形態では約40°に設定されている。このサイド壁本体521の車幅方向外側端部は後方に屈曲されてフロントホイールハウス4aに臨んでいる。
【0037】
サイド上部壁522は、図5に明示するように、滑らかな曲面によって構成され、車幅方向外側端部は、後方に屈曲してフロントホイールハウス4aに臨んでいる。またサイド上部壁522は、その上端部における車幅方向内側部分、詳細には車幅方向外側端部を残した上端部が大きく車幅方向に沿って切り欠かれてフロントサイド開口部522aが形成されている。このフロントサイド開口部522aに臨むサイド上部壁522の上縁部は、車両後方に屈曲している(図8及び図9参照)。フロントサイド開口部522aは、車幅方向内側部分がフロントグリル開口部5aに連通し、車幅方向外側に向かって上方に傾斜しつつ細長く延び、正面視において精悍な印象を与えるものとされている。このフロントサイド開口部522aの上方にはフロントフェンダー4の前端部が対峙している。
【0038】
ダクトルーバー53は、傾斜サイド部52の下端縁に前方に突出した状態で設けられている。このダクトルーバー53は、図2に示すように、車幅方向に延びるとともに前下がりに配置された天壁53aと、天壁53aの車幅方向外側端縁から下方に延びる側壁53bとを備え、ロアグリル開口部5bに導入される走行風を整流するものである。このロアグリル開口部5bは、前記ロアダクト55を通じてフロントホイールハウス4aに連通する。
【0039】
〈フロントグリル6〉
フロントグリル6は、図1及び図2に示すように、フロントグリル開口部5a及びフロントサイド開口部522aに配置された網状体である。具体的には、フロントグリル6は、フロントグリル開口部5aに嵌め込まれた状態でフェイシア基体5に取り付けられているセンタグリル61と、センタグリル61の車幅方向外側の上端部から車幅方向に沿って延び、フロントサイド開口部522aに嵌め込まれた状態でフェイシア基体5に取り付けられる延出グリル62とを備え、本実施形態ではセンタグリル61と延出グリル62とが一体に設けられている。センタグリル61は、正面視において偏平な略五角形状に構成され、中央にエンブレム63が取り付けられている。延出グリル62は、図5に明示するように、センタグリル61の上端部からフロントサイド開口部522aに沿って正面視斜め上方に向かって延び、ランプユニット8の後述するシリンダヘッドランプ35の車幅方向内側縁部にまで延びている。延出グリル62は、図3に示すように、サイド上部壁522におけるフロントサイド開口部522aの前端縁から後方に退入した位置に、車幅方向外側に向かって後方に傾斜して配置されている。この延出グリル62は、ランプユニット8の前方に配置され、この延出グリル62を通じてランプユニット8に走行風を導入する。
【0040】
〈バンパーグリル7〉
バンパーグリル7は、ロアグリル開口部5bに配置された網状体である。このバンパーグリル7は、車幅方向一端部から他端部まで左右方向に細長く延び、ロアグリル開口部5bに沿って前方に突出する湾曲形状に構成されている。図2に示すように、このバンパーグリル7の左右両端部の前面であって、ダクトルーバー53の下方には、後方に向かって上方に傾斜する上面を有するロア整流板71が取り付けられている。
【0041】
〈ランプユニット8〉
一方、ランプユニット8は、図4及び図5に示すように、フェイシア基体5のフロントサイド開口部522aの後方に配置されている。このランプユニット8は、少なくともヘッドランプ機能とターンランプ機能とを併せ持ち、アウターレンズが省略されたアウターレンズレスのランプユニットとして構成されている。このランプユニット8は左右一対設けられているものの、それぞれ対称形状を有するという点を除いて略同一に構成されているので、ここでは車幅方向左側に配置されたランプユニット8について説明する。
【0042】
図6図2のVI−VI線の概略的な断面図であり、図7図6のVII−VII線の概略的な断面図である。また、図8及び図9は、図3のVIII−VIII線、IX−IX線のそれぞれ概略的な断面図である。
【0043】
具体的には、車幅方向左側に配置されたランプユニット8は、ハウジング81と、ハウジング81内に収容されたランプ本体82とを備え、図1及び図2に示すように、ランプ本体82の前面が、フェイシア基体5のフロントサイド開口部522aから正面視において露出する状態で配置されている。
【0044】
《ハウジング81》
ハウジング81は、前方に開口するとともに、後方に開口する箱状体であり、各開口を通じて内部に収容されたランプ本体82を走行風によって冷却可能に構成されている。ハウジング81の全体形状は、平面視において前端縁が車幅方向外側に向かって後方に傾斜するとともに、上面が後方に向かって上方に傾斜する異形直方体状に構成されている。
【0045】
具体的には、ハウジング81は、図6から図9に示すように、底壁部85と、底壁部85の外周縁から立設され、車両前後各方向に開口する前側及び後側開口部86a、86bを有する周側壁86と、この周側壁86の上端に配置され前方に向かって下方に傾斜する上壁部87と、後側開口部86bに連通するランプダクト88とを備え、前側開口部86aがフェイシア基体5のフロントサイド開口部522aの後方に対向した状態でフェイシア基体5を含む車体に取り付けられている。このハウジング81は、フロントサイド開口部522aを通じて前側開口部86aから走行風を取り入れ、後側開口部86bを通じてランプダクト88に走行風が流通するものとなされ、これによりランプ本体82を冷却する。本実施形態では、ハウジング81は、周側壁86のうち車両1の前方に配置される前壁部が省略され、前方に大きく開口するものとなされ、前側開口部86aの開口面積が後側開口部86bの開口面積よりも大きく設定され、より多くの走行風を取り込み可能に構成されている。
【0046】
底壁部85は、平面視異形方形状に構成されている。この底壁部85は、図7に示すように、正面視において車幅方向外側に向かって僅かに上方に傾斜する傾斜壁として構成されている。
【0047】
周側壁86は、底壁部85の外周縁に沿って立設されている。具体的には、周側壁86は、車幅方向内側に配置される内側壁861(図6で右側に配置される右側壁)と、車幅方向外側に配置される外側壁862(図6で左側に配置される左側壁)と、車両長手方向後側に配置される後側壁863とを備えている。この周側壁86は、上述のように前記前側壁が省略されて車両前方が大きく開口している。
【0048】
内側壁861は、図6及び図7に示すように、車両1の上下方向について、略垂直に延び、車両1の前後方向について、前方に向かって車幅方向内側に傾斜するとともに内側に僅かに湾曲するように延びている。このように内側壁861を前方に向かって車幅方向内側に傾斜させることによって、この内側壁861の内面に突き当たる走行風を車幅方向外側に案内させることができる。これにより、後述するように、ハウジング81内の車幅方向外側の偏った位置に配置されるランプ本体82に、走行風が導かれ易くなるという効果を奏する。
【0049】
また、この内側壁861の前端縁は、フロントグリル6のセンタグリル61の後方に配置され、これにより前側開口部86aがフロントグリル開口部5aに対して車幅方向に隣接している。このように内側壁861が構成されることにより、前側開口部86aの車幅方向の寸法が後側壁863(又は後側開口部86b)の幅寸法よりも大きく設定され、走行風を可及的に多く取り込みできるようになされている。この内側壁861は車両1の前後方向について外側壁862よりも長く設定され、これにより前側開口部86aの開口面が車幅方向外方に向かって後方に傾斜するものとなされている。
【0050】
外側壁862は、図6及び図7に示すように、車両1の上下方向について、略垂直に延び、車両1の前後方向について、前後方向に沿って略真っ直ぐと延び、内側壁861に対して車幅方向に略対向するように配置されている。この外側壁862の前後方向の長さ寸法は、ランプ本体82の長さ寸法に応じて設定され、具体的にはランプ本体82の長さ寸法よりも短くなるように設定されている。
【0051】
後側壁863は、車両1の幅方向について、図6に示すように、内側壁861の後端縁から外側壁862の後端縁まで延び、本実施形態では車幅方向に略沿うように配置されている。この後側壁863は、車両1の上下方向について、図8及び図9に示すように、略垂直に延び、その高さ寸法は、前側開口部86aの高さ寸法よりも大きく設定され、比較的嵩高なランプ本体82の後端部をハウジング81内に収容できるものとなされている。
【0052】
この後側壁863は、前後方向に貫通する後側開口部86bを有する。後側開口部86bは、図7に示すように、正面視において、略矩形状に構成され、本実施形態では後側開口部86bの車幅方向内側縁が外側壁862に近接して配置されている。この後側開口部86bは、正面視において、前側開口部86aと重複するように設けられ、後述するように、この重複範囲にランプ本体82の少なくとも一部が配置されている。
【0053】
上壁部87は、内側、外側、後側の各側壁861〜863の上端に接続され、これらの各側壁861〜863によって囲まれた空間の上方を閉塞している。この上壁部87は、上述のように前方に向かって下方に傾斜して設けられている。詳細には、上壁部87は、図8及び図9に示すように、ボンネット3の傾斜に応じて、前方に向かって下方に湾曲するとともに前下がり状に配置され、全体として前方に向かって下方に傾斜している。このように上壁部87が前下がり状に配置されることによって、ハウジング81内の内部空間が後方に向けて上下方向に拡大し、ランプ本体82が収容し易くなっている。この上部壁87は、図8及び図9に示すように、車幅方向における位置に応じて前下がりの傾斜態様が異なるものとなされ、ランプ本体82に近接するに従って傾斜角度が大きくなるように設定されている。
【0054】
ランプダクト88は、前後端部に接続フランジ88aを有する略筒状に構成されている。このランプダクト88の前端部は、図8及び図9に明示するように、接続フランジ88aにおいてランプユニット8の後側壁863に、後側開口部86bを覆う状態で接合されている。一方、ランプダクト88の後端部は、図8に明示するように、接続フランジ88aにおいてフロントフェンダー4の前記フロントフェンダーライナ42に、その前記上部フェンダ開口部42aを覆う状態で接合されている。
【0055】
《ランプ本体82》
次にランプ本体82について説明する。図10は、ランプ本体82の概略的な斜視図である。本実施形態のランプ本体82は、上述のように、ヘッドランプ機能、ターンランプ機能の両機能を有する。このランプ本体82は、ハウジング81の内部空間における車幅方向外側に偏った位置に配置されている。
【0056】
具体的には、ランプ本体82は、ヘッドランプ、ターンランプなどの各種発光源を有する発光部30と、発光部30の後部における上方に配置された発光補機31と、発光部30と発光補機31との間に介在し発光部30及び発光補機31をハウジング81に取り付けるためのステイ32とを備えている。ランプ本体82は、ステイ32の上下各面に各々発光部30又は発光補機31が固定され、このステイ32がハウジング81の外側壁862の内面に固定されることによってハウジング81内に収容された状態で取り付けられている。このランプ本体82の最大高さ寸法は、図8に明示するように、前側開口部86aの高さ寸法よりも高く、このため、ランプ本体82の上端部、詳しくは少なくとも発光補機31は、上壁部87の直下に配置され、前側開口部86aの上端よりも高い位置に配置されている。
【0057】
発光部30は、ヘッドランプ及びターンランプの光源を有し、ターンランプについてはヘッドランプの車幅方向内側及び外側にそれぞれ配置され、それぞれの光源が設けられている。具体的には、発光部30は、前後方向に延びる円柱状の前記シリンダヘッドランプ35と、シリンダヘッドランプ35の車幅方向外側部に取り付けられた外側ターンランプ光源部36と、シリンダヘッドランプ35の内側部に取り付けられた内側ターンランプ光源部37とを備え、内外ターンランプ光源部36、37から照射された光がそれぞれシリンダヘッドランプ35の車幅方向内外各方向に沿って線状に延びる後述の内外ターンランプ導光体96、39に導かれて前方に向けて線状に発光するものとなされている。
【0058】
シリンダヘッドランプ35は、軸線が前後方向に沿うように配置され前方に開口する円筒状のランプケース350内に、ヘッドランプ光源352が前方に照射可能な状態で収納され、このランプケース350の前方開口がランプレンズ353によって閉塞されて構成されている。このシリンダヘッドランプ35は、後述するAFSアクチュエータ311によって、図7に示すように、垂直方向に軸線を有する回転軸354を中心に左右方向に所定角度範囲内で回動可能に構成されている。ランプケース350は、金属素材によって一体成形されている。このランプケース350は、前部355に対して後部356が拡径しこの前部355と後部356との間を勾配をもって接続する中間スロープ部357が設けられている。このランプケース350に収納されたヘッドランプ光源352は、本実施形態では、LEDによって構成され、具体的には複数の点状光源352aと、複数の環状光源(不図示)とを有する。ランプレンズ353は、ランプケース350の前端に取り付けられ、ヘッドランプ光源352から照射された光を上下左右方向に拡散させる。
【0059】
シリンダヘッドランプ35は、放熱部351を更に有する。この放熱部351は、ランプケース350から突出した状態で一体に設けられ、シリンダヘッドランプ35や、各ターンランプ光源部36,37から発生した熱を空気中に放出するものとなされている。特に、この放熱部351は、ランプケース350の車幅方向内側部分よりも車幅方向外側部分の放熱効率が良好となるように構成されている。
【0060】
具体的には、放熱部351は、ランプケース350の全長に亘って設けられ車幅方向外側に突出する第1外側放熱フィン381と、ランプケース350の中間スロープ部357から後部356に亘って延びるとともに車幅方向外側に放射状に突出する複数枚の第2外側放熱フィン382と、ランプケース350の中間スロープ部357から後部356に亘って延びるとともに車幅方向内側に放射状に突出する複数枚の内側放熱フィン383とを含み、アルミなどの金属素材によってランプケース350と一体に設けられている。
【0061】
第1外側放熱フィン381は、ランプケース350の車幅方向外側における高さ方向略中央位置から車幅方向外側に向かって僅かに上方に傾斜するように突出する。この突出方向については、本実施形態では後述する着色加飾ウイング95の稜線95a(図5参照)の延長線上になるように設定されている。このランプケース350からの突出量は、内側放熱フィン383の突出量よりも大きく設定され、例えば内側放熱フィン383の突出量に対して1.5倍から3倍に設定されている。また、第1外側放熱フィン381は、内側放熱フィン383よりも前後方向に長く延びる板状体として構成され、詳しくは、ランプケース350の先端から後端に亘って設けられている。このため、第1外側放熱フィン381の表面積は、各内側放熱フィン383の表面積に対して大きいものとなされている。
【0062】
この第1外側放熱フィン381の先端面は、図6に示すように、車幅方向外側に向かって後方に傾斜して設けられている。この先端面には、前方に開口する凹部(不図示)がこの先端面に沿って略全長に亘って設けられ、この凹部に外側ターンランプ導光体39が配設されている。
【0063】
この外側ターンランプ導光体39は、微小楕円拡散レンズなどの光拡散構造が後方側に設けられた光ファイバやアクリル棒などの線状導光体として構成され、一端部から入光され、この光を他端部に伝搬させながら前方に発光可能に構成されている。この外側ターンランプ導光体39は、一端部が発光部30の外側ターンランプ光源部36の照射光を受光可能に当該外側ターンランプ光源部36に接続され、第1外側放熱フィン381の外側面に沿って配索されるとともに、先端面に設けられた前記凹部に沿って配索され、他端部がシリンダヘッドランプ35の車幅方向外側に近接した位置に配置されている。
【0064】
放熱部351に戻って、第2外側放熱フィン382は、内側放熱フィン383と突出方向が異なるのみで略同等に構成されている。この第2外側放熱フィン382の枚数は、内側放熱フィン383の枚数と等しく設定されている。このため、第2外側放熱フィン382と内側放熱フィン383との全表面積は略同等であり、本実施形態では、放熱部351は、第1外側放熱フィン381が設けられている分、ランプケース350の外側部分の放熱効率が高くなっている。
【0065】
外側ターンランプ光源部36は、第1外側放熱フィン381の上面における後部に取り付けられ、外側ターンランプ導光体39の一端部に対して光照射可能に接続されている。一方、内側ターンランプ光源部37は、ランプケース350の前部355における車幅方向外側面に取り付けられている。なお、各ターンランプ光源部36,37は、オレンジ色に発光するだけでなく、白色にも発光できるように構成され、ターンランプ機能が発揮されない状態において、ポジションランプ機能として発揮し得るものとなされている。
【0066】
一方、発光補機31は、発光部30に付属する機器であり、本実施形態では、AFSアクチュエータ311と、このAFSアクチュエータ311の上方に設けられたランプ制御部312とを備える。これらのAFSアクチュエータ311及びランプ制御部312は、それぞれ前後方向に延びる放熱フィン311a、312aを有し、放熱性能を担保している。この発光補機31は、ステイ32を介してハウジング81内に取り付けられ、シリンダヘッドランプ35の上方に設けられるために、このハウジング81内に収容された状態では、図9に明示するように、ハウジング81の前側開口部86aの上縁よりも高い位置に配置されている。
【0067】
AFSアクチュエータ311(Adaptive Front−Lighting System actuator)は、シリンダヘッドランプ35の光軸をハンドルの舵角に応じて回動させるものである。具体的には、図7に示すように、AFSアクチュエータ311は、ハンドルの舵角に応じて所定角度の範囲で回動する出力軸311bを有し、この出力軸311bがシリンダヘッドランプ35の上面にその回転軸354と軸線を一致させた状態で取り付けられている。これにより、シリンダヘッドランプ35を回転軸354(又は出力軸311b)周りに回動させるものとなされている。
【0068】
ランプ制御部312は、メインコンピュータに電気的に接続され、ランプユニット8を制御するものであり、具体的には、シリンダヘッドランプ35、内外の各ターンランプ光源部36,37の発光をコントロールするとともに、AFSアクチュエータ311をコントロールする。このランプ制御部312は、内外の各ターンランプ光源部36,37をターンランプとしてオレンジ色に発光させるだけでなく、ポジショニングランプとして白色に発光させることもできるように設定されている。
【0069】
《ハウジング81とランプ本体82の組付》
以上のように構成されたハウジング81にランプ本体82が次のように組み込まれ、ランプユニット8が構成される。
【0070】
すなわち、ランプ本体82は、ハウジング81内の車幅方向外側端部に取り付けられる。具体的には、ランプ本体82は、そのステイ32を介してハウジング81の外側壁862の内面に取り付けられる。
【0071】
この状態では、ランプ本体82のシリンダヘッドランプ35、より詳しくはそのランプケース350は、ハウジング81の前側開口部86aの車幅方向外側に偏った位置であって、前側開口部86aの車幅方向外縁から車幅方向に内側に離間した位置に、前側開口部86aから前端部が一部露出する態様で配置されている。また、このランプケース350に突設された放熱部351は、正面視において、ハウジング81の前側開口部86aと後側開口部86bとの重複範囲に略位置するように配置され、第1外側放熱フィン381の突出方向先端部は前側開口部86aの車幅方向外側縁にまで延びている。
【0072】
一方、ランプ本体82の発光補機31は、前側開口部86aの上縁よりも高い位置に配置され、上記重複範囲から上方に外れた状態になっている。
【0073】
そして、このランプユニット8を次のようにしてフェイシア基体5を含む車体に取り付ける。
【0074】
すなわち、ランプユニット8は、そのハウジング81の前側開口部86aがフェイシア基体5のフロントサイド開口部522aの後方に配置され、ハウジング81がフェイシア基体5を含む車体に取り付けられる。そして、フロントグリル6のセンタグリル61がフロントグリル開口部5aに取り付けられるとともに、延出グリル62がフロントサイド開口部522aに取り付けられ、この延出グリル62の車幅方向外端部がシリンダヘッドランプ35の車幅方向内側縁近傍に配置されている。
【0075】
この状態では、ハウジング81の内側壁861の前端縁は、図6に示すように、フロントグリル開口部5aに隣接して配置され、このためハウジング81の前側開口部86aの車幅方向内側縁もフロントグリル開口部5aに隣接した状態となっている。また、このハウジング81内の偏心位置に配置されたランプ本体82は、フェイシア基体5のフロントグリル開口部5aに対して車幅方向に離間した位置に配置されている。
【0076】
《加飾部材9》
次に、加飾部材9について説明する。
【0077】
加飾部材9は、フェイシア基体5から前方に突出することにより車両1の前部を立体的に装飾するものである。加飾部材9は、図2に示すように、全体として、偏平な逆オメガ状に形成され、左右のランプユニット8のシリンダヘッドランプ35の間に跨った状態でフロントグリル6に取り付けられている。すなわち、この加飾部材9は、シリンダヘッドランプ35と同じ高さ位置において、このシリンダヘッドランプ35とフロントグリル開口b5aとの間を立体的に装飾する。この加飾部材9は、装飾機能に加え、車幅方向両端部がターンランプとしても機能するとともに、ランプユニット8に導入される走行風を整流する気流ガイド部(整流板)としても機能する。
【0078】
具体的には、加飾部材9は、フェイシア基体5のフロントグリル開口部5aの外周縁に沿ってU字状に配置されるグリルフレーム部91と、グリルフレーム部91の上端部であって車幅方向両端部からフェイシア基体5のフロントサイド開口部522a(又は傾斜サイド部52に沿って延びる左右一対のウイングフレーム部92とを備えている。グリルフレーム部91とウイングフレーム部92とは、本実施形態では、同系色に塗装され、全体として統一感があるように仕上げられている。
【0079】
グリルフレーム部91は、図4に示すように、フェイシア基体5から前方に突出した状態で設けられ、具体的には延設方向に直交する断面が前方に突出する略三角形状を呈している。このグリルフレーム部91は、図2に示すように、フロントグリル開口部5aの車幅方向両側縁に沿って延びる一対の縦フレーム部911と、これらの縦フレーム部911の下端部同士を繋ぐ横フレーム部912とを備え、各フレーム部911,912がセンタグリル61とフロントグリル開口部5aの縁部との境界部分を隠蔽するように配置されている。縦フレーム部911は、下方に向かって車幅方向内側に傾倒した状態で配置され、これらの下端同士を繋ぐ横フレーム部912は車幅方向中央位置に向かって下方に傾斜した状態で配置され、グリルフレーム部91の全体として上記したように偏平なU字状を呈している。なお、図4に示すように、横フレーム部912の前端頂部は、縦フレーム部911の前端頂部に対して前方に位置するように構成されている。
【0080】
ウイングフレーム部92は、図8に示すように、縦断面において前方に突出する略三角形状を呈し、ランプユニット8におけるハウジング81の前側開口部86aの前方に配置され、詳しくは、後端部がフロントサイド開口部522a内に位置し、前端頂部がフェイシア基体5から前方に突出した状態で配置されている。
【0081】
具体的には、ウイングフレーム部92は、図3に示すように、フロントグリル6の延出グリル62(又はフロントサイド開口部522a)に沿って設けられ、平面視において、略翼状の形状を呈する。すなわち、ウイングフレーム部92の平面視形状は、図6に明示するように、延出グリル62に沿って斜めに延びる後端縁92aと、この後端縁92aの先端から車幅方向外側に向かって左右方向に延びる前端縁92bと、前端縁92bの車幅方向外端から車幅方向外側に向かって後方に傾斜して短く延びる第1傾斜前端縁92cと、この第1傾斜前端縁92cの車幅方向外端から更に傾斜して第1傾斜前端縁92cよりも長い第2傾斜前端縁92dと、この第2傾斜前端縁92dの車幅方向外端から更に傾斜して第2傾斜前端縁92dよりも短い第3傾斜前端縁92eとを有する異形五角形状に構成されている。これらのウイングフレーム部92の外周縁のうち、前端縁92bはフェイシア基体5のセンタフェイス部51よりも前方に配置され、第1傾斜前端縁92cはフェイシア基体5のサイド壁本体521よりも前方に配置され、第2傾斜前端縁92dはフェイシア基体5のサイド上部壁522よりも前方に配置されている。なお、このウイングフレーム部92の前端縁92bは、同一の高さ位置において、エンブレム63を除き、車両1の最も前方に配置されている。
【0082】
このウイングフレーム部92は、図2に示すように、車幅方向について、フロントグリル開口部5a(詳しくはフロントグリル開口部5aの車幅方向外側における上端部)からランプ本体82のシリンダヘッドランプ35(詳しくはシリンダヘッドランプ35の車幅方向内側縁)にまで延び、フロントグリル開口部5aからランプ本体82まで立体的に装飾する装飾機能に加え、ターンランプとしての機能、及びランプユニット8に導入される走行風を整流する機能をも有する。
【0083】
すなわち、ウイングフレーム部92は、図11に明示するように、金属色などに着色され、前方に突出する略三角形状の外殻を有する着色加飾ウイング95と、この着色加飾ウイング95の前端頂部を結ぶ前記稜線95a(図5参照)に沿って当該着色加飾ウイング95内に設けられた内側ターンランプ導光体96とを備え、着色加飾ウイング95によって走行風を整流可能に構成されるとともに、内側ターンランプ導光体96によってターンランプ光を含めた光を前方に照射可能に構成されている。
【0084】
着色加飾ウイング95は、ウイングフレーム部92の全体形状を主に司る外殻部材であり、本実施形態では合成樹脂素材や金属素材などの硬質素材から構成され、表面が金属色に塗装されることにより着色された非透明体(非透光体)として構成されている。この着色加飾ウイング95は、正面視において車幅方向外方に延びる稜線95aを境に発光隙間95bを介して上下に分割して構成されている。また、着色加飾ウイング95は、図2に示すように、正面視において、車幅方向外側に向かって上方に傾斜するように設けられている。これにより、車幅方向外側部における前記稜線95aは、車幅方向外側に向かって上方に直線状に延び、この稜線95a(図5参照)の延長線上にランプ本体82の第1外側放熱フィン381の先端面が配置されている。言い換えると、この稜線95aの延長線上にランプ本体82の外側ターンランプ導光体39が延びている。これにより、内側ターンランプ導光体96と外側ターンランプ導光体39とは、シリンダヘッドランプ35を挟んでこのシリンダヘッドランプ35の車幅方向内側及び外側に直線状に配置され、統一感のあるデザインに仕上げられている。なお、稜線95aは、着色加飾ウイング95の前端頂部を結ぶ線である。
【0085】
具体的には、図11に示すように、着色加飾ウイング95は、前記分割上部体を構成する上部ウイング部951と、この上部ウイング部951に車幅方向に延びる発光隙間95bを介して下方に配置された下部ウイング部952と、これらの上部ウイング部951及び下部ウイング部952を延出グリル62に取り付けるためのブラケット953とを備え、このブラケット953を介して延出グリル62の前面に取り付けられている。
【0086】
上部ウイング部951は、後方に向かって上方に傾斜して走行風を斜め上方に案内する上部傾斜壁955と、上部傾斜壁955の前端縁から折り返されて後方に向かって延びる上部折返し片956と、上部傾斜壁955の後端部下面に突設されたブラケット取付部957とを備え、上部傾斜壁955の上面で走行風を整流してランプユニット8の内部上方空間に案内するものとなされている。
【0087】
この上部傾斜壁955は、平板上に構成され、後方に向けて上方に傾斜する上面を有する。上部傾斜壁955の前後方向に対する傾斜角度は、走行風がランプユニット8のハウジング81における内部空間の上部に導かれるように設定されている。具体的には、前記傾斜角度は、上部傾斜壁955の上面の延長線がフェイシア基体5のフロントサイド開口部522aの上縁またはこの上縁よりも低い位置を通るように設定されるとともに、ランプユニット8の前側開口部86aの上縁またはこの上縁よりも低い位置を通るように設定されている。好ましくは、前記傾斜角度は、前記延長線がハウジング81の上壁部87と交差するように設定されるのが良い。この傾斜角度は、本実施形態では、上部ウイング部951の全長(延設方向の長さ)に亘って一定に設定されているが、この上部傾斜壁955が延設方向を軸に捩られることなどによって、車幅方向の位置に応じて変更するものであっても良い。このように上部傾斜壁955の傾斜角度を変更する場合でも、上部傾斜壁955の傾斜角度は、延設方向のいずれの箇所においても、走行風をハウジング81内の上部に導けるものであるのが好ましいが、少なくともランプ本体82の近傍においては上部傾斜壁955の延長線が上部壁87と交差するように設定されるのが良い。
【0088】
下部ウイング部952は、後方に向かって下方に傾斜する下部傾斜壁960と、下部傾斜壁960の前端縁から折り返されて後方に向かって延びる下部折返し片961と、下部傾斜壁960の後端部上面に突設されたブラケット取付部962とを備えている。この下部傾斜壁960の前後方向に対する傾斜角度は、車幅方向について変更するものとなされており、車幅方向外側に向かうに従って傾斜角度が小さくなるように設定されている。このため、下部傾斜壁960の車幅方向における外側端部においては、走行風を下方に導く整流板としても機能する。なお、本実施形態では、下部ウイング部952は、グリルフレーム部91と一体に成形されている。
【0089】
この上部ウイング部951及び下部ウイング部952は、それぞれのブラケット取付部957、962の突出ボス957a、962aがブラケット953の各取付孔に強制的に押し込まれることによってブラケット953に取り付けられている。この状態では、上部ウイング部951の上部折返し片956と、下部ウイング部952の下部折返し片961とが発光隙間95bを介して離間配置された状態となっている。この発光隙間95bは、図5に明示するように稜線95aに沿って延び、ウイングフレーム部92の高さ寸法に対して小さい寸法に設定されるのが好ましい。すなわち、発光隙間95bの幅寸法は、1mmから10mmの範囲内に設定されるのが好ましい。この幅寸法が1mmよりも小さいとこの発光隙間95bを通じて十分な光量を発光することができず、一方、前記幅寸法が10mmよりも大きくなると、この発光隙間95bの存在感が増して意匠性が低下する虞がある。この観点から、発光隙間95bの幅寸法は、1mmから5mmの範囲内に設定されるのが更に好ましい。
【0090】
このウイングフレーム部92の内部空間には、内側ターンランプ導光体96が配索されている。具体的には、内側ターンランプ導光体96は、図8に示すように、上部ウイング部951の上部傾斜壁955と、下部ウイング部952の下部傾斜壁960との間であって、各折返し片956,961の後端縁における後方側に配置されている。内側ターンランプ導光体96は、長尺に構成され、可撓性を有し、平面視において、図6に示すように、ウイングフレーム部92の前端頂部(稜線95a)に沿って配索可能に構成されている。
【0091】
この内側ターンランプ導光体96は、図11に示すように、一端部において内側ターンランプ光源部37から受光した光を前方に照射しながら他端部まで伝送する長尺の導光本体96aと、この導光本体96aを収容する発光ハウジング96bと、この発光ハウジング96bの前面に取り付けられたカバーレンズ部96cとを備え、可撓性を有し、着色加飾ウイング95の稜線95aに沿って配設され、長手方向の適所をこの着色加飾ウイング95に取り付けられている。
【0092】
この導光本体96aは、導光性を有するとともに可撓性を有し、屈曲配置させることができるものである。この導光本体96aは、稜線95aに沿って配設された部分が、長手方向に伝達された光を稜線95aに直交する方向であって車両1の前方側に照射可能に構成されており、例えば導光本体96aの後面側が平面状に削られて楕円レンズなどの発光パターンが形成される等、公知の手法によって前方側に照射可能に構成されている。発光ハウジング96bは、図11に示すように、長手方向に直交する断面において、後方側に凹陥し、この凹陥部分に導光本体96aが配置されている。カバーレンズ部96cは、発光ハウジング96bの凹陥部分を前方から覆うように取り付けられ、導光本体96aからの発光を上下及び左右に拡散させるものとなされている。
【0093】
具体的には、この内側ターンランプ導光体96は、図6に示すように、ウイングフレーム部92の各前端縁92b〜92eに沿って配置され、後端部がランプ本体82の内側ターンランプ光源部37の照射位置に配置され、この内側ターンランプ光源部37から照射された光を受光可能に接続されている。すなわち、ウイングフレーム部92は、この内側ターンランプ導光体96によって、着色加飾ウイング95の稜線95aの発光隙間95bから線状に発光するものとなされている。
【0094】
《加飾部材9とフロントグリル6との組付》
以上のように構成された加飾部材9は、フロントグリル6に取り付けられる。具体的には、加飾部材9のグリルフレーム部91は、フロントグリル6のセンタグリル61に取り付けられる。この取付け状態では、グリルフレーム部91は、正面視において、略全長に亘って、センタグリル61とフェイシア基体5のグリル開口部5aの周縁部に跨り、その境界を隠すように配置されている。
【0095】
一方、加飾部材9のウイングフレーム部92は、図8に示すように、ブラケット953の取付ボス部953aがフロントグリル6の延出グリル62の適所に嵌め込まれることにより、延出グリル62に取り付けられている。この取付け状態では、ウイングフレーム部92は、図6に示すように、各前端縁92b〜92eがその高さ位置においてフェイシア基体5に対して前方に略配置され、これらの前端縁92b〜92eにおける発光隙間95bを通じて内側ターンランプ導光体96が発光する。また、このウイングフレーム部92は、ランプユニット8のハウジング81の前側開口部86aの前方に配置され、車両1の走行に伴い走行風がハウジング81の内部空間上方に導かれるようになされている。
【0096】
[作用効果]
以上に説明した本実施形態に係る車両1の外装構造によれば、加飾部材9によって車両1の前部を立体的に装飾しながらも、加飾部材9に内側ターンランプ導光体96を設けてターンランプとしての機能も併せ持たせることができ、このため、車両1の前部をシンプルに装飾することができるとともに、ターンランプの車幅方向内側の適正な照射も担保することができる。具体的には次の作用効果を有する。
【0097】
すなわち、車両1の前部に配置されたフェイシア基体5と、このフェイシア基体5から前方に突出する加飾部材9とを備えるので、車両1の前部を立体的に装飾することができ、これにより車両のデザインの自由度を向上させることができる。
【0098】
しかも、この加飾部材9は、グリルフレーム部91とウイングフレーム部92とを含むので、グリルフレーム部91によってフェイシア基体5のフロントグリル開口部5aの周辺を装飾することができるとともに、ウイングフレーム部92によってフェイシア基体5の車幅方向両端部を装飾することができる。これらのグリルフレーム部91とウイングフレーム部92とが同系色に着色されていることも相俟って、この加飾部材9によって、車両1の前部を車幅方向に沿って一体的に装飾することができ、車両1の前部デザインに統一感を持たせることができる。
【0099】
特にこの車両1の前部における外装構造では、フェイシア基体5がセンタフェイス部51と、このセンタフェイス部51に対して車幅方向外方に向かって後方に傾斜する傾斜サイド部52とを含むので、フェイシア基体5自体も立体的に構成することができる。そして、この立体的に構成されたフェイシア基体5において、フロントグリル開口部5aとランプ本体82のシリンダヘッドランプ35とが離間配置され、ウイングフレーム部92は、このグリル開口部5aからランプ本体82のシリンダヘッドランプ35にまで当該シリンダヘッドランプ35と同等の高さ位置において車幅方向外方に延びるとともに、フェイシア基体5に対して前方に突出して設けられている。このため、ウイングフレーム部92によって、フロントグリル開口部5aとシリンダヘッドランプ35との間を立体的に装飾することができ、これにより車両設計上、斬新なものとすることができる。
【0100】
ところで、上記のように、フェイシア基体5に対して車両前方に突出させたウイングフレーム部92を設けた場合には、例えばシリンダヘッドランプ35の車幅方向外側に配設された外側ターンランプ導光体39の車幅方向内側への照射に対する障害になる虞がある。
【0101】
しかしながら、本実施形態の車両1の外装構造によれば、ウイングフレーム部92は、着色加飾ウイング95と内側ターンランプ導光体96とを含むので、着色加飾ウイング95によってフェイシア2の車幅方向両端部を装飾しながらも、この着色加飾ウイング95の前端部における発光隙間95bから内側ターンランプ導光体96を発光させることができ、ターンランプの車幅方向内側の照射を担保することができる。
【0102】
特に、フェイシア基体5が傾斜サイド部52によって立体的に構成されている場合には、傾斜サイド部52の車幅方向外側に配置されるランプ本体82も車両1の前端縁から後方に退入した位置に配置されることになるため、フェイシア基体5から突出する加飾部材9、具体的にはウイングフレーム部92の内側ターンランプ導光体96の存在意義が増すことになる。
【0103】
また、ウイングフレーム部92の前端縁92b〜92eの左右方向に対する傾斜角度は、車幅方向外側に向かって段階的に大きくなるように設定され、このウイングフレーム部92の各前端縁92b〜92eに沿って内側ターンランプ導光体96が配置され、各所で発光隙間95bを通じて発光する。特に、ウイングフレーム部92の前端縁92bに配設された内側ターンランプ導光体96は、その配設高さ位置において、車両1の略前端縁に位置することになる。このため、車両1の車幅方向内側についてはもちろんのこと、車幅方向外側についても広範な範囲で内側ターンランプ導光体96による発光を視認することができ、ターンランプの視認性を一層良好なものとなっている。
【0104】
すなわち、この内側ターンランプ導光体96によって車幅方向内側に向けて適正に発光させることができ、ターンランプの機能を適切に維持しつつ、その視認性を向上させることができる。
【0105】
さらに、内側ターンランプ導光体96は、着色加飾ウイング95内に取り付けられている。すなわち、この内側ターンランプ導光体96は、着色加飾ウイング95の後方側、具体的には上部ウイング部951と下部ウイング部952の各後方側に、発光隙間95bに対向して配設されており、加えてこの発光隙間95bの幅寸法(高さ寸法)は着色加飾ウイング95の高さ寸法に対して十分に小さく設定されている。このため、内側ターンランプ導光体96の存在を、車両1の外観から一見して認識し難く、この内側ターンランプ導光体96を着色加飾ウイング95のデザイン中に埋没させることができる。従って、加飾部材9において、複数の部材の存在、すなわち着色加飾ウイング95に加えて、内側ターンランプ導光体96の存在を感じさせることなく、この着色加飾ウイング95によって専ら車両前部をシンプルに装飾することができ、洗練されたデザインとすることができる。
【0106】
しかも、内側ターンランプ導光体96は、一端部から入射された光を車両1の前方に向かって照射する導光体であり、これ自体が発光するものではなく、ランプ本体82の内側ターンランプ光源部37からの入射光を発光するものとなされている。このため、ランプ本体82に、シリンダヘッドランプ35だけでなく、内側ターンランプ光源部37だけでなく、外側ターンランプ光源部36までも纏めて配置することができる。これにより、内側ターンランプ光源部37を単純に構成することができ、そのレイアウトの自由度を高めることができる。
【0107】
[変形例]
なお、以上に説明した車両1の外装構造は、本発明の外装構造の一実施形態であり、その具体的構成等については本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。以下、その変形例を説明する。
【0108】
(1)前記実施形態では、車両1の前部の構造に基づいて説明するが、本発明の車両の外装構造は、車両の後部の構造にも適用することができる。具体的には、図12に示すように、車両1の後部における外装構造は、車両1の後部に配置されたリアバンパーフェイシア基体150と、このリアバンパーフェイシア基体150の車幅方向両端部に設けられたランプ本体180と、リアバンパーフェイシア基体150から後方に突出した状態でランプ本体180から車幅方向内側に延び、車両1の後部を装飾する後部加飾部材190とを備えている。後部加飾部材190は、リアバンパーフェイシア基体150から後方に突出した状態で、リアバンパーフェイシア基体150の車幅方向両端部から車幅方向内側に向かって延びるとともに、着色されることにより車両1の後部を装飾する後部着色加飾本体196と、後部着色加飾本体195内に車幅方向に沿って取り付けられるとともに、後部着色加飾本体195の突出先端部において発光するリアターンランプ発光体199とを備えている。
【0109】
このように車両1の後部における外装構造を構成することによっても、加飾部材190によって車両1の後部を立体的に装飾しながらも、当該加飾部材190にターンランプとしての機能も併せ持たせることによって、車両1の後部をシンプルに装飾することができ、しかもリアターンランプ発光体199によって車幅方向内側の適正な照射も担保することができる。
【0110】
(2)前記実施形態では、内側ターンランプ発光体として内側ターンランプ光源部37からの光を伝達し前方に向かって発光する内側ターンランプ導光体96が用いられているが、この内側ターンランプ導光体96に代えて自ら発光する光源体を用いても良い。すなわち、内側ターンランプ発光体として、LEDの点光源を線上に並設したものや、有機ELなどの面光源を帯状に配置したものを用いても良い。このような光源部を設ける場合には、直接発光だけでなく、間接発光としても良い。また、内側ターンランプ発光体として点光源を用いる場合には、この光源を左右方向に拡散する拡散レンズを用いるのが好ましい。
【0111】
また、外側ターンランプ導光体39についても、内側ターンランプ発光体と同様に、導光体に代えて、点光源や面光源などの光源体を用いることもできる。
【0112】
(3)前記実施形態では、加飾部材9として、グリルフレーム部91とウイングフレーム部92とを備えるものを用いているが、グリルフレーム部91は適宜省略することができる。但し、車両1の前部を車幅方向に沿って統一感を持ってデザインすることができるという観点で、加飾部材9についてグリルフレーム部91を含むのが好ましい。
【0113】
また、前記実施形態では、ウイングフレーム部92の平面視形状として略翼状に構成されているが、フェイシア基体5から突設されるものであれば、その具体的形状は特に限定するものではない。ただし、ウイングフレーム部92は、このウイングフレーム部92が設けられる高さ位置において、車両1の最も前側に配置される部分を有するのが好ましい。
【0114】
さらに、前記実施形態では、加飾部材9は、車両長手方向に沿う縦断面が略三角形状を呈しているが、この縦断面形状については、半円状、矩形状、その他の公知の形状を呈するものであっても良い。この場合、内側ターンランプ発光体は、これらの縦断面形状の前端部の内側に配置され、前端頂部から発光可能に構成される。
【0115】
また、内側ターンランプ発光体は、加飾部材の縦断面形状の内側に配設されるものだけでなく、前記実施形態における外側ターンランプ39と同様に、車両長手方向外側に開口する凹部に収納されるものであっても良い。
【0116】
(4)加飾部材9にグリルフレーム部91を含む場合、このグリルフレーム部91に沿ってイルミネーションランプなどのグリル装飾発光体を配設するものであっても良い。グリルフレーム部に前記グリル装飾発光体を含む場合には、車両1の前部を華美に装飾することができる。
【0117】
(5)前記実施形態では、着色加飾ウイング95を含む加飾部材9は、合成樹脂素材や金属素材などの硬質素材から構成され、この素材を塗装することによって着色されているが、加飾部材の着色は公知の手段であればその手法を限定するものではなく、例えば金属素材の素材色そのままを用いても良く、或いは着色剤を添加した合成樹脂材を塗装せずにそのまま用いるものであっても良い。
【0118】
(6)前記実施形態では、着色加飾ウイング95の発光隙間95bは、前方に開放されたものとして構成されているが、この発光隙間95bに透明ないし半透明のカバー部材が嵌め込まれるものであっても良い。この場合には、カバー部材に拡散機能を持たせても良いし、またカバー部材が曇らないようにカバー部材の内側の気密性を高めるか、或いは同内側の通気性を高める工夫を施すことが求められる。
【符号の説明】
【0119】
1 車両
2 フロントバンパーフェイシア
5 フェイシア基体(バンパーフェイシア基体に対応)
5a フロントグリル開口部
51 センタフェイス部
52 傾斜サイド部
8 ランプユニット
82 ランプ本体
37 内側ターンランプ光源部(ターンランプ光源に対応)
9 加飾部材
91 グリルフレーム部
92 ウイングフレーム部
95 着色加飾ウイング(着色加飾本体に対応)
95a 稜線(突出先端部に対応)
95b 発光隙間(隙間に対応)
951 上部ウイング部
952 下部ウイング部
96 内側ターンランプ導光体(ターンランプ発光体に対応)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
【手続補正書】
【提出日】2018年12月18日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両長手方向の一端部に配置されたバンパーフェイシア基体と、
前記バンパーフェイシア基体の少なくとも車幅方向両端部に、前記バンパーフェイシア基体から車両長手方向外側に突出した状態で配置され、前記車両の一端部を装飾する加飾部材とを備え、
前記加飾部材は、車幅方向両端部における同一高さ位置において前記バンパーフェイシア基体から最も車両長手方向外側に突出した部分を含み、前記バンパーフェイシア基体の車幅方向両端部から車幅方向内側に向かって延びるとともに、着色されることにより前記車両の一端部を装飾する着色加飾本体と、
前記着色加飾本体内に車幅方向に沿って取り付けられるとともに、前記着色加飾本体の突出先端部において発光するターンランプ発光体とを備える、車両の外装構造。
【請求項2】
車両の前部に配置されたバンパーフェイシア基体と、
前記バンパーフェイシア基体の少なくとも車幅方向両端部に、前記バンパーフェイシア基体から車両前方に突出した状態で配置され、前記車両の前端部を装飾する加飾部材と、
前記バンパーフェイシア基体の車幅方向両端部に設けられたランプ本体とを備え、
前記バンパーフェイシア基体は、車幅方向中央部であって前記ランプ本体から車幅方向に沿って離間した位置にフロントグリル開口部を有し、
前記加飾部材は、前記バンパーフェイシア基体から車両前方に突出した状態で、前記バンパーフェイシア基体の車幅方向両端部から車幅方向内側に向かって延びるとともに、着色されることにより前記車両の前端部を装飾する着色加飾本体と、
前記着色加飾本体内に車幅方向に沿って取り付けられるとともに、前記着色加飾本体の突出先端部において発光するターンランプ発光体とを備え、
前記着色加飾本体および前記ターンランプ発光体は、前記ランプ本体から前記グリル開口部まで車幅方向に延びる、車両の外装構造。
【請求項3】
前記加飾部材は、前記フロントグリル開口部に沿って配置されるグリルフレーム部と、前記グリルフレーム部の車幅方向両端部から車幅方向外側に向かって前記ランプ本体まで延びるウイングフレーム部とを備え、前記ウイングフレーム部に前記ターンランプ発光体が配置されている、請求項2記載の車両の外装構造。
【請求項4】
前記ターンランプ発光体は、車幅方向に沿って延び、一端部から入射された光を車両長手方向外側に向かって照射する導光体であり、
前記ランプ本体は、照射範囲に前記ターンランプ発光体の一端部が配置されているターンランプ光源を備える、請求項2又は請求項3に記載の車両の外装構造。
【請求項5】
前記バンパーフェイシア基体は、前記フロントグリル開口部から車幅方向外側に向かって後方に傾斜する傾斜壁を有し、
前記加飾部材は、前記傾斜壁に沿って配置されている、請求項2ないし請求項4のいずれか1項に記載の車両の外装構造。
【請求項6】
前記着色加飾本体は、前記突出端部において上下に分割され、車幅方向に延びる加飾上部体と、前記加飾上部体に対して、車幅方向に延びる隙間を介して下方に配置された加飾下部体とを備え、
前記ターンランプ発光体は、前記着色加飾本体に対して車両長手方向内側であって、前記隙間に対向して配置されている、請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の車両の外装構造。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明に係る車両の外装構造は、車両長手方向の一端部に配置されたバンパーフェイシア基体と、前記バンパーフェイシア基体の少なくとも車幅方向両端部に、前記バンパーフェイシア基体から車両長手方向外側に突出した状態で配置され、前記車両の一端部を装飾する加飾部材とを備え、前記加飾部材は、車幅方向両端部における同一高さ位置において前記バンパーフェイシア基体から最も車両長手方向外側に突出した部分を含み、前記バンパーフェイシア基体の車幅方向両端部から車幅方向内側に向かって延びるとともに、着色されることにより前記車両の一端部を装飾する着色加飾本体と、前記着色加飾本体内に車幅方向に沿って取り付けられるとともに、前記着色加飾本体の突出先端部において発光するターンランプ発光体とを備える。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0011】
また、別の発明に係る車両の外装構造は、車両の前部に配置されたバンパーフェイシア基体と、前記バンパーフェイシア基体の少なくとも車幅方向両端部に、前記バンパーフェイシア基体から車両前方に突出した状態で配置され、前記車両の前端部を装飾する加飾部材と、前記バンパーフェイシア基体の車幅方向両端部に設けられたランプ本体とを備え、前記バンパーフェイシア基体は、車幅方向中央部であって前記ランプ本体から車幅方向に沿って離間した位置にフロントグリル開口部を有し、前記加飾部材は、前記バンパーフェイシア基体から車両前方に突出した状態で、前記バンパーフェイシア基体の車幅方向両端部から車幅方向内側に向かって延びるとともに、着色されることにより前記車両の前端部を装飾する着色加飾本体と、前記着色加飾本体内に車幅方向に沿って取り付けられるとともに、前記着色加飾本体の突出先端部において発光するターンランプ発光体とを備え、前記着色加飾本体および前記ターンランプ発光体は、前記ランプ本体から前記グリル開口部まで車幅方向に延びる。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0012】
この別の発明によれば、前記発明の効果に加え、バンパーフェイシア基体が車両前部に配置される場合に、前記のように構成すれば、前記ランプ本体を前記フロントグリル開口部から離間して配置することができ、前記ランプ本体と前記フロントグリル開口部との間に前記着色加飾本体と前記ターンランプ発光体とを設けて、前記ランプ本体と前記フロントグリル開口部との間の装飾性を向上させることができる。これにより、車両の外装構造をより一層、斬新なものとすることができる。