【解決手段】樹脂と、平均粒子径の異なる3種類の充填材を含み、平均粒子径の2番目に大きい充填材の平均粒子径が4μm〜6μmである樹脂組成であって、平均粒子径の1番目に大きい充填材と平均粒子径の2番目に大きい充填材の平均粒子径の比が7〜20であることを特徴とする樹脂組成物。
樹脂と、平均粒子径の異なる3種類の球状タイプの充填材を含み、平均粒子径の2番目に大きい充填材の平均粒子径が4μm〜6μmである樹脂組成であって、平均粒子径の1番目に大きい充填材と平均粒子径の2番目に大きい充填材の平均粒子径の比が7〜20であることを特徴とする樹脂組成物。
樹脂と、平均粒子径の異なる3種類の球状タイプの充填材を含み、平均粒子径の2番目に大きい充填材の平均粒子径が4μm〜6μmである樹脂組成であって、平均粒子径の2番目に大きい充填材と平均粒子径の3番目に大きい充填材の平均粒子径の比が8〜80であることを特徴とする樹脂組成物。
前記樹脂組成物において、平均粒子径の2番目に大きい充填材と平均粒子径の3番目に大きい充填材の平均粒子径の比が13〜60である、請求項3に記載の樹脂組成物。
樹脂と、平均粒子径の異なる3種類の球状タイプの充填材を含み、平均粒子径の2番目に大きい充填材の平均粒子径が4μm〜6μmである樹脂組成であって、平均粒子径の1番目に大きい充填材と平均粒子径の2番目に大きい充填材の平均粒子径の比が7〜20であり、平均粒子径の2番目に大きい充填材と平均粒子径の3番目に大きい充填材の平均粒子径の比が8〜80であることを特徴とする樹脂組成物。
前記樹脂組成物において、平均粒子径の1番目に大きい充填材と平均粒子径の2番目に大きい充填材の平均粒子径の比が10〜15であり、平均粒子径の2番目に大きい充填材と平均粒子径の3番目に大きい充填材の平均粒子径の比が13〜60である、請求項5に記載の樹脂組成物。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、例えば特許文献1では、各充填材の平均粒子径の差が大きく、また、窒化ケイ素と球状熱伝導性粒子の平均粒子径が重なっていたり、体積%の差が少なかったりと、細密充填できず、熱伝導が高まらない問題があった。
【0006】
一方、特許文献2では、エポキシ樹脂と、1〜99nmの平均粒子径を有する第1の無機充填材と、0.1〜100μmの平均粒子径を有する第2の無機充填材とを有する絶縁シートが開示されている。また、引用文献3においては、熱硬化性樹脂と、重量累積粒度分布から求めた平均粒子径が0.2〜100μmの熱伝導性充填材を、全固形分に対して60〜90体積%と、重量累積粒度分布から求めた平均粒子径が1〜100nmのナノ粒子を全固形分に対して0.01〜1体積%とを含む樹脂組成物が開示されている。
【0007】
しかし、このようにナノサイズの粒子を用いる場合、界面熱抵抗の増大により熱伝導性が低下するという問題があった。
【0008】
本発明は以上の課題に着目してなされたものであって、充填材に対する増加効果を許容範囲内として、高充填が得られ、熱伝導性の改善と、耐クラック性が高く、安価な組成物の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、上記目的を解決するために、以下の手段を採用している。
【0010】
すなわち、本発明に係る樹脂組成物は、樹脂と、平均粒子径の異なる3種類の球状タイプの充填材(以下、平均粒子径の最も大きいものから最も小さいものの順に、充填材A、充填材B、充填材Cと呼ぶこともある)を含み、充填材Bの平均粒子径が4μm〜6μmである樹脂組成であって、充填材Aと充填材Bの平均粒子径の比が7〜20であることを特徴とする。
【0011】
このような構成とすれば、充填材Aの粒子同士の隙間に充填材Bが適切に入り込むことができ、更に充填材Aと充填材Bの隙間に充填材Cが入り込むことができるため、充填材が2種類の樹脂組成物と比べて粘度を許容範囲内に収めながら、熱伝導率を高くすることができる。充填材Bの粒子径が4μm未満の場合、平均粒子径の最も大きい充填材Aとの粒子径の差が大きく粘度が高くなり作業性が劣る。充填材Bの平均粒子径が6μmより大きい場合、充填率が下がりまた、熱伝導率が高くならない。
【0012】
粒子径比が7倍より小さい場合は、充填材A、Bの粒子径比が小さくなるため熱伝導率向上の効果が少ない。また20倍よりも大きい場合はより粒子径の小さい充填材Cが多く入り込み増粘効果が大き過ぎて撹拌不良になる。
【0013】
粘度を下げ、より熱伝導率向上の効果を上げるためには、充填材Aと充填材Bの平均粒子径の比を10〜15にすることがより望ましい。
【0014】
また本発明は、上記目的を解決するために、以下の手段をとることもできる。
【0015】
すなわち、本発明に係る樹脂組成物は、樹脂と、平均粒子径の異なる3種類の充填材を含み、充填材Bの平均粒子径が4μm〜6μmである樹脂組成であって、充填材Bと充填材Cの平均粒子径の比が8〜80であることを特徴とする。
【0016】
このような構成とすれば、充填材Bの粒子同士の隙間に充填材Cが適切に入り込むことができ、更にこれらの充填材B、Cが充填材A同士の間に入り込むことができるため、充填材が2種類の樹脂組成物と比べて粘度を許容範囲内に収めながら、熱伝導率を高くすることができる。
【0017】
粒子径比が8倍より小さい場合は、充填材B、Cの粒子径比が小さくなるため熱伝導率向上の効果が少ない。また80倍よりも大きい場合はより粒子径の小さい充填材Cの粒子が多く入り込み増粘効果が大きく撹拌不良になる。
【0018】
粘度を下げ、より熱伝導率向上の効果を上げるためには、充填材Bと充填材Cの平均粒子径の比を13〜60とすることがより望ましい。
【0019】
さらに本発明は、上記目的を解決するために、以下の手段をとることもできる。
【0020】
すなわち、本発明に係る樹脂組成物は、樹脂と、平均粒子径の異なる3種類の充填材を含み、充填材Bの平均粒子径が4μm〜6μmである樹脂組成であって、充填材Aと充填材Bの平均粒子径の比が7〜20であり、充填材Bと充填材Cの平均粒子径の比が8〜80である樹脂組成物。
【0021】
このような構成とすれば、上記の好適な組み合わせによってより粘度を下げ、より熱伝導率を向上できる。
【0022】
特に、より効果的な組み合わせとしては、充填材Aと充填材Bの平均粒子径の比が10〜15であり、充填材Bと充填材Cの平均粒子径の比が13〜60とすることが望ましい。
【発明の効果】
【0023】
本発明は、以上説明した構成であるから、充填材が2種類の樹脂組成物と比べて粘度を許容範囲内に収めながら、熱伝導率を高くすることができる。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の一実施形態を説明する。なお、本明細書において「〜」を用いて示された数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を示す。
【0025】
(樹脂組成物)
本実施形態の樹脂組成物は、樹脂と、重量累積粒度分布から求めた平均粒子径の異なる3種類の充填材(以下、平均粒子径の最も大きいものから最も小さいものの順に、充填材A、充填材B、充填材Cと呼ぶこともある)を含み、充填材Bの平均粒子径、充填材Aと充填材Bの平均粒子径比、充填材Bと充填材Cの平均粒子径比を好ましい状態下に組み合せることによって、粘度を許容範囲内に抑えたまま、充填率を高めて良好な熱伝導率を得ることができるようにしたものである。
【0026】
(樹脂)
この実施形態は、主剤である樹脂に充填材を添加した際の充填材の物理的な粒子径差によって樹脂組成物の粘度や熱伝導率をコントロールしようとするものであるから、主剤である樹脂の種類は基本的に限定されない。
【0027】
(平均粒子径)
ここで、本実施形態における平均粒子径は、レーザー回析式粒度分布測定装置(島津製作所製SALD−2000J)を用いたレーザー回折法により測定される。粒子径分布のうち、分布曲線の面積を2分する位置が平均粒子径として求められる。
【0028】
平均粒子径の異なる2種類の充填材を添加する場合で、平均粒子径の小さい粒子がナノサイズ(1nm〜100nm程度)であるとき、粒子界面の面積が増大することから、界面熱抵抗の増大により熱伝導性が低下するとう問題があった。しかし、本発明では、平均粒子径が異なり、ナノサイズよりも大きな粒子からなる充填材を2種類添加することにより本問題が解決できる。
【0029】
(充填材)
充填材としては、樹脂よりも高い熱伝導性を有すれば特に制限はなく、絶縁性を要求される用途では絶縁性の材質であれば、通常熱伝導性向上のためにフィラーとして用いられるものを適用することができる。特に酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、窒化ホウ素及び酸化マグネシウム、ルチル、チタニア、ベリリア、ドロマイトのうちから選択される一又はこれらの組合せを用いることができる。適切に充填材の一又はこれらの組合せを選ぶことにより、絶縁性および、熱伝導率の向上ができる。充填材には粒子の形状が球状のものをつかう。球状とは、3次元方向に極端に長さの差がないものを言い、好ましいアスペクト比は0.8〜1.0であって、異形な形状や多面体形状等もこれに含まれる。
【0030】
上記、酸化マグネシウムにアミノ系シランカップリング処理をすることにより、耐吸湿性を向上させ、本発明の樹脂組成物の充填材として使用可能となる。
【0031】
(充填率)
また、充填率は(充填材A〜Cの総重量)/(液体成分+充填材A〜Cの総重量)×100[wt%]によって求める。本実施形態では充填率は90〜91[wt%]となった。
【0032】
(熱伝導率)
尚、熱伝導率は熱線法にて測定している(京都電子工業製迅速熱伝導率計を使用)。
【0033】
(粘度)
粘度については単一円筒回転粘度計(芝浦システム製ビストロン)にて測定にて測定する。
【0034】
(充填材Bの平均粒子径)
充填材Bの平均粒子径が4μm〜6μmとする。平均粒子径が4μm未満の場合、平均粒子径の最も小さい充填材との粒子径の差が大きく粘度が高くなり作業性が劣る。平均粒子径が6μmより大きい場合、充填率が下がりまた、熱伝導率が高くならない。
【0035】
(充填材Aと充填材Bの平均粒子径の比)
充填材Aと充填材Bの平均粒子径の比が7より小さい場合は熱伝導率向上の効果がすくない。また20よりも大きい場合はより粒子径の小さい粒子が多く入り込む結果、粘度の上昇が大きく撹拌不良になる。
【0036】
好ましくは、充填材Aと充填材Bの平均粒子径の比が10〜15、とすれば、より熱伝導率向上の効果があり、より粘度の上昇を抑えられる。
【0037】
樹脂組成物を、樹脂と、充填材A〜Cを含み、充填材Bの平均粒子径が4μm〜6μmである樹脂組成であって、充填材Bと充填材Cの平均粒子径の比が8〜80である樹脂組成物とすることもできる。
【0038】
このような構成とすれば、粘度の上昇を許容範囲内に抑えながら、充填材が2種類の樹脂組成物と比べて熱伝導率を高くできる。
【0039】
(充填材Bと充填材Cの平均粒子径の比)
充填材Bと充填材Cの平均粒子径の比が8より小さい場合は熱伝導率向上の効果がすくない。また80よりも大きい場合はより充填材Cの粒子が多く入り込み増粘効果が大きく撹拌不良になる。
【0040】
好ましくは、充填材Bと充填材Cの平均粒子径の比を13〜60とすれば、より熱伝導率向上の効果があり、より粘度の上昇を抑えられる。
【0041】
樹脂組成物を、樹脂と、充填材A〜Cを含み、充填材Bの平均粒子径が4μm〜6μmである樹脂組成であって、充填材Aと充填材Cの平均粒子径の比が7〜20であり、充填材Bと充填材Cの平均粒子径の比が8〜80である樹脂組成物とすることもできる。
【0042】
このような構成とすれば、充填材Bに対する充填材Aの平均粒子径の比及び、充填材Bに対する充填材Cの平均粒子径の比を両方限定したことでより熱伝導率が上がり、より粘度の上昇を抑えられる。
【0043】
(充填材Aと充填材Bの平均粒子径の比及び充填材Bと充填材Cの平均粒子径の比)
充填材Aと充填材Bの平均粒子径の比を7〜20としかつ、充填材Bと充填材Cの平均粒子径の比を8〜80とすれば、熱伝導率が上がり、粘度の上昇を抑えられる。
【0044】
好ましくは、充填材Aと充填材Bの平均粒子径の比を10〜15としかつ、充填材Bと充填材Cの平均粒子径の比を13〜60とすれば、より熱伝導率が上がり、より粘度の上昇を抑えられる。
【0045】
実施例
以下、本発明の実施例及び比較例を、表1〜4を参照しつつ説明する。
【0046】
[実施例1]
(樹脂)
樹脂として、エポキシ樹脂の主剤(株式会社ADEKA製 アデカレジンEP−4005)、硬化剤(日立化成株式会社製 HN−2000)を促進剤(四国化成工業株式会社製 2E4MZ−CN)を配合比(phr)100対40対1で混合したものを用いた。充填材A〜充填材Cについては酸化マグネシウムのものを用いた。充填材Aは宇部マテリアルズ製、充填材Bは昭和電工製、充填材Cはデンカ製である。以上については、他の実施例及び、比較例でも同様である。
【0047】
樹脂、平均粒子径(以下単に粒子径とする)40μmの充填材A(RF−40−AC)、粒子径4μmの充填材B(CB−PO4)と粒子径0.1μmの充填材C(ASF−P10)を重量比で、100対340対480対110の割合で混合し樹脂組成物を得た。樹脂組成物の充填率は90[wt%]であり、90℃における粘度は74[Pa・s]であり、熱伝導率は7.8[W/m・K]であった。
【0048】
また、充填材Aと充填材Bの平均粒子径の比は10であり、充填材Bと充填材Cの平均粒子径の比は40であった。
【0049】
混合比率は、容積が一番小さくなるように一定容積中に充填材A→B→Cの順につめてみて、その時の比率としている。
【0050】
[実施例2]
樹脂、粒子径40μmの充填材A(RF−40−AC)、粒子径4μmの充填材B(CB−PO4)と粒子径0.3μmの充填材C(ASF−P30)を重量比で、100対340対480対110の割合で混合し樹脂組成物を得た。樹脂組成物の充填率は90[wt%]であり、90度おける粘度は73[Pa・s]であり、熱伝導率は7.7[W/m・K]であった。また、充填材Aと充填材Bの平均粒子径の比は10であり、充填材Bと充填材Cの平均粒子径の比は13であった。
【0051】
[実施例3]
樹脂、粒子径60μmの充填材A(RF−60−AC)、粒子径4μmの充填材B(CB−PO4)と粒子径0.1μmの充填材C(ASF−P10)を重量比で、100対330対470対125の割合で混合し樹脂組成物を得た。樹脂組成物の充填率は90[wt%]であり、90度おける粘度は73[Pa・s]であり、熱伝導率は7.8[W/m・K]であった。また、充填材Aと充填材Bの平均粒子径の比は15であり、充填材Bと充填材Cの平均粒子径の比は40であった。
【0052】
[実施例4]
樹脂、粒子径60μmの充填材A(RF−60−AC)、粒子径4μmの充填材B(CB−PO4)と粒子径0.3μmの充填材C(ASF−P30)を重量比で、100対330対470対120の割合で混合し、樹脂組成物を得た。樹脂組成物の充填率は90[wt%]であり、90度おける粘度は70[Pa・s]であり、熱伝導率は7.5[W/m・K]であった。また、充填材Aと充填材Bの平均粒子径の比は15であり、充填材Bと充填材Cの平均粒子径の比は13であった。
【0053】
[実施例5]
樹脂、粒子径60μmの充填材A(RF−60−AC)、粒子径6μmの充填材B(CB−PO6)と粒子径0.1μmの充填材C(ASF−P10)を重量比で、100対330対460対125の割合で混合し、樹脂組成物を得た。樹脂組成物の充填率は90[wt%]であり、90度おける粘度は72[Pa・s]であり、熱伝導率は7.6[W/m・K]であった。また、充填材Aと充填材Bの平均粒子径の比は10であり、充填材Bと充填材Cの平均粒子径の比は60であった。
【0054】
[実施例6]
樹脂、粒子径60μmの充填材A(RF−60−AC)、粒子径6μmの充填材B(CB−PO6)と粒子径0.3μmの充填材C(ASF−P30)を重量比で、100対330対465対120の割合で混合し、樹脂組成物を得た。樹脂組成物の充填率は90[wt%]であり、90度おける粘度は70[Pa・s]であり、熱伝導率は7.3[W/m・K]であった。また、充填材Aと充填材Bの平均粒子径の比は10であり、充填材Bと充填材Cの平均粒子径の比は20であった。
【0055】
[実施例7]
樹脂、粒子径40μmの充填材A(RF−40−AC)、粒子径6μmの充填材B(CB−PO6)と粒子径0.1μmの充填材C(ASF−P10)を重量比で、100対380対440対100の割合で混合し、樹脂組成物を得た。樹脂組成物の充填率は90[wt%]であり、90度おける粘度は72[Pa・s]であり、熱伝導率は6.8[W/m・K]であった。また、充填材Aと充填材Bの平均粒子径の比は7であり、充填材Bと充填材Cの平均粒子径の比は60であった。
【0056】
[実施例8]
樹脂、粒子径40μmの充填材A(RF−40−AC)、粒子径4μmの充填材B(CB−PO4)と粒子径0.05μmの充填材C(ASF−P05)を重量比で、100対340対480対135の割合で混合し、樹脂組成物を得た。樹脂組成物の充填率は91[wt%]であり、90度おける粘度は80[Pa・s]であり、熱伝導率は7.8[W/m・K]であった。また、充填材Aと充填材Bの平均粒子径の比は10であり、充填材Bと充填材Cの平均粒子径の比は80であった。
【0057】
[実施例9]
樹脂、粒子径40μmの充填材A(RF−40−AC)、粒子径4μmの充填材B(CB−PO4)と粒子径0.5μmの充填材C(ASF−P50)を重量比で、100対340対480対100の割合で混合し、樹脂組成物を得た。樹脂組成物の充填率は90[wt%]であり、90度おける粘度は71[Pa・s]であり、熱伝導率は7.0[W/m・K]であった。また、充填材Aと充填材Bの平均粒子径の比は10であり、充填材Bと充填材Cの平均粒子径の比は8であった。
【0058】
[実施例10]
樹脂、粒子径80μmの充填材A(RF−80−AC)、粒子径4μmの充填材B(CB−PO4)と粒子径0.1μmの充填材C(ASF−P10)を重量比で、100対320対470対140の割合で混合し、樹脂組成物を得た。樹脂組成物の充填率は90[wt%]であり、90度おける粘度は78[Pa・s]であり、熱伝導率は7.4[W/m・K]であった。また、充填材Aと充填材Bの平均粒子径の比は20であり、充填材Bと充填材Cの平均粒子径の比は40であった。
【0059】
[比較例1]
樹脂、粒子径40μmの充填材A(RF−40−AC)と粒子径4μmの充填材B(CB−PO4)を重量比で、100対360対470の割合で混合し樹脂組成物を得た。樹脂組成物の充填率は89[wt%]であり、90度おける粘度は51[Pa・s]であり、熱伝導率は5.5[W/m・K]であった。また、充填材Aと充填材Bの平均粒子径の比は10であった。
【0060】
[比較例2]
樹脂、粒子径60μmの充填材A(RF−60−AC)と粒子径6μmの充填材B(CB−PO6)を重量比で、100対340対470の割合で混合し樹脂組成物を得た。樹脂組成物の充填率は89[wt%]であり、90度おける粘度は50[Pa・s]であり、熱伝導率は6.0[W/m・K]であった。また、充填材Aと充填材Bの平均粒子径の比は10であった。
【0061】
[比較例3]
樹脂、粒子径60μmの充填材A(RF−60−AC)と粒子径4μmの充填材B(CB−PO4)を重量比で、100対340対475の割合で混合し樹脂組成物を得た。樹脂組成物の充填率は89[wt%]であり、90度おける粘度は52[Pa・s]であり、熱伝導率は5.7[W/m・K]であった。また、充填材Aと充填材Bの平均粒子径の比は15であった。
【0062】
[比較例4]
樹脂、粒子径40μmの充填材A(RF−40−AC)と粒子径6μmの充填材B(CB−PO6)を重量比で、100対390対440の割合で混合し樹脂組成物を得た。樹脂組成物の充填率は89[wt%]であり、90度おける粘度は51[Pa・s]であり、熱伝導率は5.7[W/m・K]であった。また、充填材Aと充填材Bの平均粒子径の比は7であった。
【0063】
[比較例5]
樹脂、粒子径80μmの充填材A(RF−80−AC)と粒子径4μmの充填材B(CB−PO4)を重量比で、100対330対465の割合で混合し樹脂組成物を得た。樹脂組成物の充填率は89[wt%]であり、90度おける粘度は49[Pa・s]であり、熱伝導率は5.8[W/m・K]であった。また、充填材Aと充填材Bの平均粒子径の比は20であった。
【0064】
[比較例6]
樹脂、粒子径4μmの充填材B(CB−PO4)と粒子径0.5μmの充填材C(ASF−P50)を重量比で、100対850対120の割合で混合し、樹脂組成物を得た。樹脂組成物の充填率は91[wt%]であり、90度おける粘度は61[Pa・s]であり、熱伝導率は5.3[W/m・K]であった。また、充填材Bと充填材Cの平均粒子径の比は8であった。
【0065】
[比較例7]
樹脂、粒子径4μmの充填材B(CB−PO4)と粒子径0.05μmの充填材C(ASF−P05)を重量比で、100対850対85の割合で混合し、樹脂組成物を得た。樹脂組成物の充填率は90[wt%]であり、90度おける粘度は67[Pa・s]であり、熱伝導率は5.0[W/m・K]であった。また、充填材Bと充填材Cの平均粒子径の比は80であった。
【0066】
[比較例8]
樹脂、粒子径4μmの充填材B(CB−PO4)と粒子径0.3μmの充填材C(ASF−P30)を重量比で、100対850対110の割合で混合し、樹脂組成物を得た。樹脂組成物の充填率は91[wt%]であり、90度おける粘度は62[Pa・s]であり、熱伝導率は5.3[W/m・K]であった。また、充填材Bと充填材Cの平均粒子径の比は13であった。
【0067】
[比較例9]
樹脂、粒子径6μmの充填材B(CB−PO6)と粒子径0.1μmの充填材C(ASF−P10)を重量比で、100対835対110の割合で混合し、樹脂組成物を得た。樹脂組成物の充填率は90[wt%]であり、90度おける粘度は63[Pa・s]であり、熱伝導率は5.4[W/m・K]であった。また、充填材Bと充填材Cの平均粒子径の比は60であった。
【0068】
[その他の比較例]
なお、充填材AとCの組合せ、すなわち粒子径大の充填材と粒子径小の充填材の組合せは、現実的に考えにくく量も特定できないため、比較例としては挙がっていない。