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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2019-58611(P2019-58611A)
(43)【公開日】2019年4月18日
(54)【発明の名称】洗車機玩具
(51)【国際特許分類】
   A63H 17/44 20060101AFI20190322BHJP
   A63H 33/30 20060101ALI20190322BHJP
【FI】
   A63H17/44
   A63H33/30 G
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2017-187907(P2017-187907)
(22)【出願日】2017年9月28日
(71)【出願人】
【識別番号】000003584
【氏名又は名称】株式会社タカラトミー
(74)【代理人】
【識別番号】110001254
【氏名又は名称】特許業務法人光陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大井 崇司
(72)【発明者】
【氏名】市川 隆司
【テーマコード(参考)】
2C150
【Fターム(参考)】
2C150CA06
2C150CA08
2C150CA18
2C150CA27
2C150DA06
2C150EA02
2C150EG26
2C150FD08
(57)【要約】
【課題】実際の洗車に近い情景を表現できる洗車機玩具を提供すること。
【解決手段】洗車部40に設置された玩具車両1を見通せる箇所に配置され、ペアガラス状に面同士を対峙させて近接して配置した2枚の透明板54a,54bから構成され、2枚の透明板54a,54bの間に第1の水路が形成された仕切り板と、仕切り板を含んで構成され、仕切り板の下方に位置し前記第1の水路に連通し水を貯留する水貯留部、及び、水貯留部に連通し前記第1の水路の上方位置まで延在する第2の水路と、が設けられた水タンク54とを備え、水タンク54内に設置された羽根車61を、磁力により非接触で連結される駆動部94により回転させて前記第1の水路に水を噴射させるようにした。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
玩具車両が設置される洗車部と、
前記洗車部に設置された前記玩具車両を見通せる箇所に配置され、ペアガラス状に面同士を対峙させて近接して配置した2枚の透明板から構成され、前記2枚の透明板の間に第1の水路が形成された仕切り板と、
前記仕切り板を含んで構成され、前記仕切り板の下方に位置し前記第1の水路に連通し水を貯留する水貯留部と、前記水貯留部に連通し前記第1の水路の上方位置まで延在する第2の水路と、が設けられた水タンクと、
前記水タンクの内部に設置され、前記水貯留部の水を前記第2の水路を通して前記第1の水路の上方位置まで送り込む羽根車と、
前記水タンクの内部に設置され、前記第1の水路の上方位置で前記第2の水路から前記第1の水路に向けて水を噴射させる水噴射部と、
前記水タンクの外方に設置され、前記羽根車を回転させる駆動部と、を備え、
前記羽根車又は前記駆動部の一方には磁石が設けられ、前記羽根車又は前記駆動部の他方には前記水タンクの壁を間に挟んで前記羽根車又は前記駆動部の一方に非接触で磁力によって連結される磁性体が設けられていることを特徴とする洗車機玩具。
【請求項2】
前記水タンクは扁平状に形成され、前記洗車部に対して着脱可能に構成されていることを特徴とする請求項1に記載の洗車機玩具。
【請求項3】
前記2枚の透明板のうちの一方の透明板は、前記水噴射部から噴射される水を途中で受止め、当該一方の透明板の上を流下させるように構成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の洗車機玩具。
【請求項4】
前記駆動部は、前記洗車部の床下に設けられていることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の洗車機玩具。
【請求項5】
前記第2の水路は前記仕切り板の不透明の枠で被覆される箇所に形成されていることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の洗車機玩具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗車機玩具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、洗車機玩具として、洗車部と、洗車部に設置された玩具車両を当該玩具車両の幅方向一側から見通せる開口と、洗車部内で玩具車両が前進した際に当該玩具車両に接触して回転動作する洗車ブラシ模型と、を備えたものがある(例えば、特許文献1参照)
この洗車機玩具によれば、洗車部において玩具車両を前進移動させると洗車ブラシ模型が玩具車両に接触して回転動作することにより、実際の洗車の情景を表現している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実公昭61−36312号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、実際の洗車機においては、洗車対象である自動車等の車両に水を噴射させながらの洗車を行っている。
これに対して、上記特許文献1に記載の洗車機玩具では、水を使用せずに洗車ブラシ模型を回転動作させるだけであるので、実際の洗車とはかけ離れ、物足りないものとなっていた。
本発明は、実際の洗車に近い情景を表現できる洗車機玩具を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1の手段は、
玩具車両が設置される洗車部と、
前記洗車部に設置された前記玩具車両を見通せる箇所に配置され、ペアガラス状に面同士を対峙させて近接して配置した2枚の透明板から構成され、前記2枚の透明板の間に第1の水路が形成された仕切り板と、
前記仕切り板を含んで構成され、前記仕切り板の下方に位置し前記第1の水路に連通し水を貯留する水貯留部と、前記水貯留部に連通し前記第1の水路の上方位置まで延在する第2の水路と、が設けられた水タンクと、
前記水タンクの内部に設置され、前記水貯留部の水を前記第2の水路を通して前記第1の水路の上方位置まで送り込む羽根車と、
前記水タンクの内部に設置され、前記第1の水路の上方位置で前記第2の水路から前記第1の水路に向けて水を噴射させる水噴射部と、
前記水タンクの外方に設置され、前記羽根車を回転させる駆動部と、を備え、
前記羽根車又は前記駆動部の一方には磁石が設けられ、前記羽根車又は前記駆動部の他方には前記水タンクの壁を間に挟んで前記羽根車又は前記駆動部の一方に非接触で磁力によって連結される磁性体が設けられていることを特徴とする。
【0006】
第2の手段は、第1の手段であって、前記水タンクは扁平状に形成され、前記洗車部に対して着脱可能に構成されていることを特徴とする。
【0007】
第3の手段は、第1の手段又は第2の手段であって、前記2枚の透明板のうちの一方の透明板は、前記水噴射部から噴射される水を途中で受け止めて当該一方の透明板に沿って流下させるように構成されていることを特徴とする。
【0008】
第4の手段は、第1の手段〜第3の手段のいずれか一の手段であって、前記駆動部は、前記洗車部の床下に設けられていることを特徴とする。
【0009】
第5の手段は、第1の手段〜第4の手段のいずれか一の手段であって、前記第2の水路は前記仕切り板の不透明の枠で被覆される箇所に形成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
第1の手段によれば、透明な仕切り板を介して洗車対象となる玩具車両が見通せるとともに、2枚の透明板の間の第1の水路には水が噴射され、正面側からそれらが重なって見えるので、玩具車両に水を噴射させているかのような感覚を生じさせる。
また一方で、玩具車両に水を直接に掛けないので、玩具車両が濡れることがなく、周辺が水浸しになるのも防止される。
【0011】
第2の手段によれば、水タンクを取り外すことができるので、水の交換等が簡単に行えることになる。
【0012】
第3の手段によれば、実際の車に水が当たった際に生じるしぶきや、車の表面に沿って流下する水の流れを効果的に表現することができる。
【0013】
第4の手段によれば、駆動部が洗車部の床下に設けられているため、洗車部をコンパクトに構成できることになる。
【0014】
第5の手段によれば、第2の水路が枠に隠れるので、意匠的にも好ましいものとなる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の実施形態に係る洗車機玩具の斜視図である。
図2図1の洗車機玩具の水タンク及び窓枠を取り除いた状態の斜視図である。
図3図1の洗車機玩具の洗車ブラシ模型の取付け構造を示した斜視図である。
図4図1の洗車機玩具の洗車ブラシ模型とブラシ操作ツマミとの組付け構造を示した斜視図である。
図5図1の洗車機玩具の窓枠を裏面側から見た状態の斜視図である。
図6図1の洗車機玩具の水タンクと窓枠との組付け構造の図である。
図7図1の洗車機玩具の水タンクの前側ケース片と後側ケース片とを分解した状態の斜視図である。
図8図1の洗車機玩具の水タンクの後側ケース片の正面図である。
図9図1の洗車機玩具の溝ブロックの斜視図である。
図10図1の洗車機玩具の駆動部と水タンクの平面図である。
図11図1の洗車機玩具の駆動部の斜視図である。
図12図1の洗車機玩具の羽根車を裏面側から見た状態の斜視図である。
図13図1の洗車機玩具の制御構成を示したブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1は本発明の実施形態である洗車機玩具の斜視図である。
この洗車機玩具100は、入口部10と、洗車部40と、出口部70とを備えている。
【0017】
(入口部10)
このうち入口部10の敷地は平面視で長方形となっている。この入口部10の敷地の縁には、敷地を区画する縁石や植栽に模した界標模型11が一体的に設けられている。また、入口部10の敷地にはベンチ模型13や自動販売機模型14、集金・コース選択機模型15が一体的に設けられている。また、入口部10の敷地には玩具車両1の待機のための駐車エリア16が設けられている。また、入口部10の敷地にはゲート17が設けられている。そして、ゲート17や駐車エリア16への外部からの進入口は上りスロープとなっている。また、入口部10には洗車部40に向けて上りの入口スロープ18が形成されている。そして、ゲート17から進入して来た玩具車両1や駐車エリア16からの玩具車両1は入口スロープ18を上って洗車部40に入る。
【0018】
(洗車部40)
図2は、洗車機玩具100の水タンク及び窓枠を取り除いた状態の斜視図である。
洗車部40は、柱、後壁及び天井で直方体の箱状に形成された洗車室41を備えている。洗車室41はトンネル状に形成され、入口部10寄りに入口側開口42aが、出口部70寄りに出口側開口42bがそれぞれ形成され、玩具車両1が入口側開口42a側から入り出口側開口42bから出て行くようになっている。
また、洗車室41は入口部10よりも高床となっており、洗車室41の床は入口側が上りスロープ41a、中央が平坦部41b、出口側が下りスロープ41cとなっている。平坦部41bには溝41dが形成され、この溝41dによって玩具車両1を停止させておくことができる。入口側の上りスロープ41aは上記スロープ18に連なり、出口側のスロープ41cは後述の出口スロープ71に連なっている。さらに、洗車室41の内部には、洗車室41に設置される玩具車両1の幅方向両側外方にそれぞれ洗車ブラシ模型44が1つずつ設置されている。2つの洗車ブラシ模型44,44は同じ構造となっているので、特に断らない限り、1つだけを説明し他の説明は省略する。
【0019】
図3は、洗車ブラシ模型44の取付け構造を示した斜視図である。
この洗車ブラシ模型44は、弾性体で横断面が花冠状で全体として柱状に形成されている。この洗車ブラシ模型44は中心軸が上下方向に延在するように縦置きされ、同じく上下方向に延在する軸45に固定されている。
各軸45の上端部は、洗車部40の天井板46に形成された別々のスリット46aを通され、洗車室41の屋根裏まで延びている。ここで、各スリット46aは洗車部40の入口側開口42a側から出口側開口側42bに向けて延在している。一方、軸45の上端部にはピニオン47が固定されている。一方、天井板46上面には、スリット46aの脇に当該スリット46aに沿って延びるラック48が形成され、このラック48に上記ピニオン47が噛合している。これにより、洗車ブラシ模型44がスリット46aに沿って移動したとき、ピニオン47がラック48に対して転動し、洗車ブラシ模型44が回転する。
図4は、洗車ブラシ模型とそれを操作するブラシ操作ツマミとの組付け構造を示した斜視図である。
同図に示すように、2つの軸45の上端は、平面視で短冊状の1つの連結板50の端部に係合している。連結板50の上面は、長手方向の中央部が盛り上がっており、この盛り上がり部分の上には舌片状のブラシ操作ツマミ51が立設されている。このブラシ操作ツマミ51の上端部は、図1に示すように、洗車室21の屋根のスリット52から突出し、遊戯者が手で操作可能となっている。遊戯者は、ブラシ操作ツマミ51をスリット52に沿って操作することによって2つの洗車ブラシ模型44,44を回転させながら移動させることができる。
【0020】
図5は、窓枠を裏面側から見た状態の斜視図、図6は、水タンクと窓枠との組付け構造を示した図である。
洗車室41の正面側には開口41eが設けられ、その開口41eの前側(正面側)には、当該開口41aと略同じ大きさを持つ長方形の開口53aを有する不透明の窓枠53が設けられている。この窓枠53の開口53aからは洗車室41の内部を見通せるようになっている。この窓枠53には、水タンク54が下方から嵌め込まれる。嵌め込まれた状態では、水タンク54の上半部が開口41e,53aを閉塞する。水タンク54のうちで開口41e,53aを閉塞する部分は窓板(仕切り板)を構成している。そして、窓枠53に嵌め込まれた水タンク54の下半部は水貯留部を構成し、洗車室41の孔65a(図2参照)に上方から差し込まれるようになっている。この差込みによって、窓枠53と水タンク54は洗車部40に取り付けられる。一方、窓枠53と水タンク54とは水タンク54を孔65aから抜き出すことによって洗車部40から簡単に取り外すことができる。
【0021】
続いて、水タンク54について説明する。
図7は、前側ケース片と後側ケース片とを分解した状態の斜視図である。
水タンク54は扁平で、正面視で略直角台形状に形成されている。すなわち、正面視で、水タンク54の上半部は長方形、下半部は略三角形に形成されている。さらに詳しくは、水タンク54は、正面視で、右辺が上下方向、上辺が左右方向、左辺の上半部が上下方向、左辺の下半部が下方に行くに従って右辺に近づく方向にそれぞれ延在している。そして、左辺と右辺とが会合する下端の角部は丸められている。
【0022】
この水タンク54は、透明の前側ケース片54aと同じく透明の後側ケース片54bとで外郭が形成されている。前側ケース片54aと後側ケース片54bとは正面視で同じ形をしている。そして、前側ケース片54aの縁は後側ケース片54b側に立ち上がり、逆に、後側ケース片54bの縁は前側ケース片54a側に立ち上がっている。そして、この前側ケース片54aと後側ケース片54bとは、縁同士を互いに付き合わせた状態でウェルダー加工により溶着されている。
【0023】
前側ケース片54aの上半部内面には、上半部の3つの縁よりも当該前側ケース54aの中心寄りに当該3つの縁に沿って延びるコ字状の仕切り壁540が形成されている。なお、この仕切り壁540の上辺の正面視左端の上には前側ケース片54aの上縁に結合される小さな仕切り壁541が設けられている。
一方、後側ケース片54bの上半部内面には下方に行くに従って表側ケース片54aに向けて近づくように傾斜する平面を有する膨出部542が設けられている。この膨出部542は上記仕切り壁540によって区画された領域と略同じ大きさで、仕切り壁540の内側に嵌まり合う。この膨出部542の傾斜する平面は、後述するノズル548a〜548e(図9参照)の下方に拡がっており、ノズル548a〜548eから噴射する水を途中で受け止め、受け止めた水を当該平面に伝わらせて流下させる働きをする。噴射する水は、当該平面に衝突して飛び散るしぶきを形成する一方で、当該平面の上でまとまって適度な大きさの水の流れを形成する。これによって、実際の車両に水が当たった際に生じるしぶきや、車体の表面に沿って流下する水の流れを効果的に表現することができる。なお、ここでは後側ケース片54bに膨出部542を設けたが、前側ケース片54a側に、ノズル548a〜548eの下方に拡がる傾斜面を設けてもよい。この場合、前側ケース片54a又は後側ケース片54bの少なくとも一方を傾斜させ、その傾斜部分(傾斜面)がノズル548a〜548eの下方に拡がるようにしてもよい。
【0024】
図8は、水タンクの後側ケース片の正面図、図9は溝ブロックの斜視図である。
後側ケース片54bの膨出部542の正面視右側には上記仕切り壁540の右辺部が嵌まるスリット543が形成された仕切り壁544が形成されている。また、膨出部542の直ぐ上には棚板545が形成されている。そして、この棚板545の上にはコ字状の溝546を有する溝ブロック547が設置されている。この溝ブロック547の溝546は右端が開口し、左端は閉鎖されている。また、溝ブロック547の底部には左右方向に所定間隔で孔が空けられており、この孔部分にはノズル548a〜548eが設けられている。このノズル548a〜548eは水噴射部を構成している。
【0025】
また、後側ケース片54bには吸込み口60a(図8参照)及び吐出し口60b(図9参照)が形成された羽根室60が設けられている。羽根室60には軸61dを中心に回転動作する羽根車61が設けられている。羽根室60の吐出し口60bは正面視で仕切り壁540の右辺部及び仕切り壁544よりも右側に開口しており、羽根室60から吐き出された水は仕切り壁544に沿って上昇し、溝ブロック547まで導かれる。そして、溝ブロック547まで導かれた水はノズル548a〜548eから噴射される。なお、仕切り壁544及び溝ブロック547は水貯留部の水を第1の水路の上方まで導くための第2の水路を画成している。
【0026】
また、図8に示すように、後側ケース片54bには水の注入口62aが設けられている。この注入口62aは着脱可能な栓63(図6参照)によって閉塞されている。なお、符号62bは線63を保持するための凹部である。
【0027】
また、図2に示すように、洗車部40には前方に延出する延出部65が設けられている。また、延出部65は、操作盤を構成し、上面には左方から電源ツマミ66a、シャワーボタン66b、シャンプーボタン66c、ワックスボタン66d及び高圧ジェットボタン66eがこの順に設けられている。
【0028】
さらに、洗車部40の床下には電源(図示せず)が配置されている。電源としては、特に限定はされないが、乾電池が用いられている。乾電池は、洗車部40の裏側の蓋(図示せず)を開くことによって洗車機玩具100に装着されるようになっている。
【0029】
図10は駆動部と水タンクの平面図、図11は駆動部の斜視図である。
洗車部40の床下にはモータ80が横置き状態で設置されている。すなわち、モータ80は、出力軸が前方(正面側)に向くように設置されている。この出力軸にはピニオン81aが固定されている。また、ピニオン81aの隣には、上記出力軸に平行に他の軸81bが設置されている。この軸81bの後端部には上記ピニオン81aに噛合する歯車81cが固定されている。また、軸81bの前端部には回転体81dが固定されている。この回転体81dの前端面には、図12に示すように、偏心位置に3つの磁石82a〜82cが設けられている。3つの磁石の向きは前方がN極又はS極で揃うようにされている。
図12は、羽根車を裏面側から見た状態の斜視図である。
羽根車61の偏心位置には、上記3つの磁石82a〜82cに対応する位置に他の3つの磁石61a〜61cが設けられている。3つの磁石82a〜82cと3つの磁石61a〜61cとは1対1で対応して設けられている。そして、3つの磁石61a〜61cの向きは後方が上記3つの磁石82a〜82cの前側の極と異磁極となるように設定されている。
なお、モータ80、ピニオン81a、軸81b、歯車81c及び回転体81dは駆動部94を構成している。そして、駆動部と羽根車61とが水タンク54の壁を挟んで磁力によって非接触状態で連結されている。
また、上記では、回転体81dに磁石82a〜82cを設け、羽根車61にも磁石61a〜61cを設けたが、いずれか一方は鉄等の磁石以外の磁性体であってもよい。
【0030】
(制御構成)
図13は、洗車機玩具100の制御構成を示したブロック図である。
実施形態の洗車機玩具100は、制御部90と,入力部91と、記憶部92と、音出力部93と、駆動部94とを備えている。
制御部90は記憶部92に記憶されたプログラム及びデータに基づいて各部を統括制御するとともに、各部を個別的に制御する。
入力部91は、電源ツマミ66a、ボタン66b〜66eのそれぞれに1対1で対応して設けられたスイッチを含んで構成されている。
記憶部92は本実施形態の洗車機玩具100を動作させるためのプログラムやデータを記憶している。
音出力部93は、記憶部92に記憶されたプログラム及びデータに基づいて動作する制御部90によって駆動制御される。
駆動部94は、記憶部92に記憶されたプログラム及びデータに基づいて動作する制御部90によって駆動制御される。
【0031】
(出口部70)
出口部70は下りスロープ71によって構成されている。この下りスロープ71は洗車後の玩具車両1を外部に排出するためのものである。
【0032】
(動作)
電源ツマミ66aを操作すると洗車機玩具100が起動される。
シャワーボタン66bを押すと、制御部90は、シャワーを開始する旨のアナウンスを音出力部93から出力させ、シャワーボタン66bを押している間だけ、駆動部94を作動させて水を噴出させるとともに、「ジャー」という音を音出力部93から出力させる。シャワーボタン66bから手を離してしばらくすると、制御部90は、乾燥を始める旨のアナウンスと、「ゴー」という乾燥音を音出力部93から出力させて洗車終了となる。
シャンプーボタン66cを押すと、制御部90は、シャンプーを開始する旨のアナウンスを音出力部93から出力させ、駆動部94を断続的に作動させて、シャンプーをイメージさせる断続的なパターンで水を噴射させるとともに、「プクプクプク」という音を音出力部93から出力させる。そして、一定時間経過後、制御部90は、乾燥を始める旨のアナウンスと、「ゴー」という乾燥音を音出力部93から出力させて洗車終了となる。
ワックスボタン66dを押すと、制御部90は、ワックスを開始する旨のアナウンスを音出力部93から出力させ、駆動部94を断続的に作動させて、コーティング剤をかける様をイメージさせる断続的なパターンで水を噴射させるとともに、「シャー」という音を音出力部93から出力させる。そして、一定時間経過後、制御部90は、乾燥を始める旨のアナウンスと、「ゴー」という乾燥音を音出力部93から出力させて洗車終了となる。
高圧ジェットボタン66eを押すと、制御部90は、高圧ジェット洗浄を開始する旨のアナウンスを音出力部93から出力させ、駆動部94を作動させて、威勢良く水を噴射させるとともに、「ゴゴゴー」という音を音出力部93から出力させる。そして、一定時間経過後、制御部90は、乾燥を始める旨のアナウンスと、「ゴー」という乾燥音を音出力部93から出力させて洗車終了となる。
また、ブラシ操作ツマミ51を操作すると、2つの洗車ブラシ模型44、44が回転動作しながら左右方向に移動する。この洗車ブラシ模型44、44も窓枠53を介して見通すことができる。
【0033】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、かかる実施形態に限定されず、その発明の要旨を変更しない範囲で、種々の変形が可能であることは言うまでもない。
例えば、洗車室41の入口側の柱に洗車室41の使用状態を後続の玩具車両1に知らせる緑と赤の2つの信号を設けて、使用状態に応じてそれらを選択的に点灯させることもできる。
また、車両玩具は自動車玩具に限らず、列車玩具であってもよい。
【符号の説明】
【0034】
1 玩具車両
40 洗車部
41 洗車室
44 洗車ブラシ模型
54 水タンク
61 羽根車
94 駆動部
100 洗車機玩具
548a〜548e ノズル
61a〜61c 磁石
82a〜82c 磁石
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13