特開2019-58632(P2019-58632A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2019-58632(P2019-58632A)
(43)【公開日】2019年4月18日
(54)【発明の名称】保持具
(51)【国際特許分類】
   A47G 29/00 20060101AFI20190322BHJP
   A47G 25/12 20060101ALI20190322BHJP
【FI】
   A47G29/00 F
   A47G29/00 J
   A47G25/12 J
【審査請求】未請求
【請求項の数】38
【出願形態】書面
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2017-201392(P2017-201392)
(22)【出願日】2017年9月27日
(71)【出願人】
【識別番号】515271973
【氏名又は名称】特定非営利活動法人日本障害者アイデア協会
(71)【出願人】
【識別番号】599137404
【氏名又は名称】本郷 隆之
(71)【出願人】
【識別番号】517363997
【氏名又は名称】大沢 芳子
(72)【発明者】
【氏名】大沢 芳子
(72)【発明者】
【氏名】本郷 隆之
(72)【発明者】
【氏名】本郷 希充子
【テーマコード(参考)】
3K099
3K100
【Fターム(参考)】
3K099AA24
3K099BA03
3K099BA12
3K099BA13
3K099CA12
3K099CA18
3K099CA32
3K099EA18
3K100AA01
3K100AA02
3K100AA11
3K100AA18
3K100AB07
3K100AC01
3K100AD05
3K100AD07
3K100AE14
3K100AF01
3K100AF03
3K100AF05
3K100AH22
3K100AH30
3K100AJ03
3K100AJ04
3K100AJ05
(57)【要約】
【課題】 小さな鞄とともに杖などの棒状部材とを容易に保持でき、使用しない時は邪魔にならない場所に容易に収納できる保持具を提供する。
【解決手段】 荷物を保持するための荷物用フックと、荷物の落下を防止するために台に設置する落下防止用フックと、荷物用フックと前記落下防止用フックとの上下関係を逆転させる方向に回転する回転軸と、からなる荷物保持部材と、棒状部材を保持するためのものであって、前記荷物保持部材に回転可能に取り付けられた棒保持部材とからなり、
前記棒保持部材は、前記荷物保持部材に対して垂直になる方向、および、前記荷物保持部材と水平になる方向に回転可能にした荷物保持具である。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
荷物を保持するための荷物用フックと、前記荷物の落下を防止するために台に設置する落下防止用フックと、前記荷物用フックと前記落下防止用フックとの上下関係を逆転させる方向に回転する回転軸と、からなる荷物保持部材と、
棒状部材を保持するためのものであって、前記荷物保持部材に回転可能に取り付けられた棒保持部材とからなり、
前記棒保持部材は、
前記荷物保持部材に対して垂直になる方向、および、前記荷物保持部材と平行になる方向に回転可能である
ことを特徴とする保持具。
【請求項2】
前記棒保持部材は前記荷物保持部材より柔軟な素材で形成されていることを特徴とする請求項1記載の保持具。
【請求項3】
前記落下防止用フックを前記台に設置した場合、前記棒保持部材は、前記落下防止用フックよりも前記台の外側に突出することを特徴とする請求項1記載の保持具。
【請求項4】
前記棒保持部材は、重力で下方に垂れ下がることを防止する垂れ下がり防止手段を備えることを特徴とする請求項1記載の保持具。
【請求項5】
前記回転軸は、
前記荷物保持部材の一部であって、前記荷物用フックの先端部以外および前記落下防止用フックの先端部以外の場所に連結されていることを特徴とする請求項1記載の保持具。
【請求項6】
前記荷物保持部材と前記棒保持部材とを、前記台の下面に保持するための面下保持部材を備えることを特徴とする請求項1記載の保持具。
【請求項7】
前記面下保持部材は、前記荷物保持部材と前記棒保持部材とを、折りたたんだ状態で前記台の縁部の近傍に水平に保持することを特徴とする請求項6記載の保持具。
【請求項8】
前記面下保持部材は、前記落下防止用フックの開口部を前記台の内側方向に向けて前記落下防止用フックを保持することを特徴とする請求項6記載の保持具。
【請求項9】
前記面下保持部材は、前記落下防止用フックを前記台の外側方向に水平に引き出すための引き出し部材を備えることを特徴とする請求項9記載の保持具。
【請求項10】
前記面下保持部材は、引き出された前記落下防止用フックを前記台の内側方向に引き戻すための引き戻し部材を備えることを特徴とする請求項9記載の保持具。
【請求項11】
前記台と前記荷物保持部材とを連結する連結部材を有し、
前記連結部材は、前記落下防止用フックの先端を、前記台の外側まで突出させることが可能な長さを有することを特徴とする請求項9記載の保持具。
【請求項12】
前記回転軸は、
前記落下防止用フックの先端が前記外縁に位置するまで引き出された場合でも、前記回転軸の一部が前記面下保持部材の中に収納される長さを有することを特徴とする請求項9記載の保持具。
【請求項13】
荷物を保持するための荷物用フックと、前記荷物の落下を防止するために台に設置する落下防止用フックとからなる荷物保持部材と、
棒状部材を保持するためのものであって、前記荷物保持部材に回転可能に取り付けられた棒保持部材とからなり、
前記棒保持部材は、
前記荷物保持部材に対して垂直になる方向、および、前記荷物保持部材と平行になる方向に回転可能であることを特徴とする保持具。
【請求項14】
前記棒保持部材は前記荷物保持部材より柔軟な素材で形成されていることを特徴とする請求項13記載の保持具。
【請求項15】
前記落下防止用フックを前記台に設置した場合、
前記棒保持部材は、前記落下防止用フックよりも前記台の外側に突出することを特徴とする請求項13記載の保持具。
【請求項16】
前記棒保持部材は、重力で下方に垂れ下がることを防止する垂れ下がり防止手段を備えることを特徴とする請求項13記載の保持具。
【請求項17】
前記荷物保持部材と前記棒保持部材とを、前記台の下面に水平に保持するための面下保持部材を備えることを特徴とする請求項13記載の保持具。
【請求項18】
前記面下保持部材は、前記荷物保持部材と前記棒保持部材とを、前記台の縁部の近傍に保持することを特徴とする請求項17記載の保持具。
【請求項19】
前記面下保持部材は、前記落下防止用フックの開口部を前記台の内側方向に向けて、前記落下防止用フックを保持することを特徴とする請求項17記載の保持具。
【請求項20】
前記面下保持部材は、前記荷物保持部材と前記台の下面との間に、前記棒保持部材を挿入可能な空間を形成することを特徴とする請求項17記載の保持具。
【請求項21】
前記荷物保持部材または前記棒保持部材は、前記面下保持部材と脱着可能な脱着部材を備えることを特徴とする請求項17記載の保持具。
【請求項22】
前記荷物保持部材および前記棒保持部材を水平にした場合において、
前記着脱部材は、前記荷物保持部材または前記棒保持部材の上部に設けられていることを特徴とする請求項21記載の保持具。
【請求項23】
前記面下保持部材は、
前記荷物保持部材と前記棒保持部材とを、前記台に連結する連結部材を備えることを特徴とする請求項13記載の保持具。
【請求項24】
前記連結部材は、前記荷物用フックの先端部以外および前記落下防止用フックの先端部以外の場所に連結されていることを特徴とする請求項23記載の保持具。
【請求項25】
前記連結部材は、前記落下防止用フックの先端が、前記台の外側に突出可能な長さを有する備えることを特徴とする請求項23記載の保持具。
【請求項26】
前記荷物用フックと前記落下防止用フックとは回転可能に結合しており、
前記荷物用フックと前記荷物用フックと前記棒保持部材とは三重に折りたたむことが可能であることを特徴とする請求項13記載の保持具。
【請求項27】
棒状部材を一方側面から支持する本体部と、
前記棒状部材を他方側面から支持する可動部材とからなり、
前記本体部は、
前記可動部材との接合部と、
前記可動部材との間に空間を形成する第1空間形成部と、
前記棒状部材を保持する際に前記可動部材と接合するための保持用の前記第1着脱部材と、
前記可動部材を収納する際に前記可動部材と接合するための収納用の前記第1着脱部材と、
を有し、
前記可動部材は、
前記本体部との間に空間を形成する第2空間形成部と、
前記第1着脱部材と着脱可能な第2着脱部材と、
を有する、
ことを特徴とする保持具。
【請求項28】
前記第1空間形成部と前記第2空間形成部との間に形成される空間は、立てた状態の杖または傘を収納できる大きさを有することを特徴とする請求項27記載の保持具。
【請求項29】
前記収納用の前記第1着脱部材は、
前記収納用の前記第1着脱部材と前記第2着脱部材とを接合した場合、前記可動部材がほぼ平面部材となる位置に設けられていることを特徴とする請求項27記載の保持具。
【請求項30】
前記本体部は台の外縁に設置されることを特徴とする請求項27記載の保持具。
【請求項31】
前記本体部を、台の下面の内側、または、前記台の外縁近傍に保持する面下保持部材を有することを特徴とする請求項27記載の保持具。
【請求項32】
前記本体部を、前記台の内側方向から、前記台の外側方向に引き出す引き出し部材を有することを特徴とする請求項27記載の保持具。
【請求項33】
前記本体部は、
前記台の縁近傍に設けられた面下保持部材に回転可能に取り付けられ、
前記本体部が台の内側に向かう方向、および、前記本体部が前記台の外側に向かう方向に回転可能であることを特徴とする請求項31記載の保持具。
【請求項34】
前記面下保持部材はその下面に前記第1着脱部材を有し、
前記本体部はその裏側に前記第2着脱部材を有し、
前記面下保持部材に前記第1着脱部材と前記本体部の第2着脱部材とを接合することにより前記本体部は前記台の前記下面の内側に保持されることを特徴とする請求項31記載の保持具。
【請求項35】
前記本体部は、前記本体部が前記台の内側方向および外側方向に揺れることを防止するための本体固定部材に支持されることを特徴とする請求項33記載の保持具。
【請求項36】
荷物を保持するための荷物用フックと、前記荷物の落下を防止するために台に設置する落下防止用フックと、前記荷物用フックと前記落下防止用フックとの上下関係を逆転させる方向に回転する回転軸と、
前記荷物用フックと前記落下防止用フックとを、前記台の下面に水平に保持するための面下保持部材と、
前記荷物用フックと前記落下防止用フックとを前記台の外側に引き出すための引き出し部材とを備えることを特徴とする保持具。
【請求項37】
前記荷物用フックを前記台に設置する際に、
前記荷物用フックまたは前記落下防止用フックを、前記台の外側に突出させ、前記荷物用フックまたは前記落下防止用フックを棒状部材を保持する棒保持部材として機能させるためのストッパーを有することを特徴とする請求項36記載の保持具。
【請求項38】
荷物を保持する荷物用フックと、
棒状部材を保持する棒保持部材と、
前記荷物用フックと前記棒保持部材とを台の下面に保持する面下保持部材と、
からなり、
前記荷物用フックは、
前記面下保持部材に、前記下面と平行になる方向および前記下面に対し垂直になる方向に回転可能に取り付けられ、
前記棒保持部材は、
前記面下保持部材に、前記台の外縁より外側に突出可能に取り付けられ、
前記面下保持部材は、
前記荷物用フックを前記下面と平行にした状態で保持するための荷物用フック保持領域と、
前記荷物用フック保持領域以外であって前記棒保持部材を保持するための棒保持部材保持領域を有することを特徴とする保持具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、杖などの棒状部材や小さな鞄などを机に保持する保持具に関する。
【背景技術】
【0002】
本格的な高齢化社会を迎え、高齢者の数が急増している。高齢者の中には足腰に障害をかかえ、杖をついて歩行する人が多いが、杖を利用する高齢者はいつも杖の置き場所に困っている。
例えば、高齢者は高齢者施設を頻繁に利用するが、高齢者施設に到着して椅子に着席すると、杖を机や椅子に立てかける。しかし、杖を机や椅子に立てかけても、すぐに杖が滑り落ちてしまう。そこで、図11のような杖の保持具81が提供されている。これは机80の外側に向かって開口する開口部82を有するCの字型の部材である。これを机の外縁に固定し、杖83を開口部82に挿入すれば杖を保持できる。
【0003】
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】楽天市場ホームページ、https://item.rakuten.co.jp/careroots/285850/、2017年9月24日検索
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、この保持具80は机81の外側に突出するように固定するため邪魔であり、人や物とぶつかりやすく、すぐに破損してしまうという問題があった。
更に、高齢者は杖とともに小さな鞄を持ち歩くことが多いため、この保持具80に鞄をぶら下げる人もいる。しかしこの保持具は鞄を保持するほどの強度はないので、鞄の重みで保持具が外れてしまうこともあった。
すなわち、杖と小さな鞄を持ち歩く高齢者の行動パターンに合致した保持具は現在まで提供されていないのである。
【0006】
本発明は、このような課題を解決するためのものであり、小さな鞄とともに杖などの棒状部材とを容易に保持でき、使用しない時は邪魔にならない場所に容易に収納できる保持具を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記問題を解決するため、本発明では、以下の保持具が提供される。
(1) 荷物を保持するための荷物用フックと、前記荷物の落下を防止するために台に設置する落下防止用フックと、前記荷物用フックと前記落下防止用フックとの上下関係を逆転させる方向に回転する回転軸と、からなる荷物保持部材と、
棒状部材を保持するためのものであって、前記荷物保持部材に回転可能に取り付けられた棒保持部材とからなり、前記棒保持部材は、前記荷物保持部材に対して垂直になる方向、および、前記荷物保持部材と平行になる方向に回転可能である。
(2) 前記棒保持部材は前記荷物保持部材より柔軟な素材で形成されている。
(3) 前記落下防止用フックを前記台に設置した場合、前記棒保持部材は、前記落下防止用フックよりも前記台の外側に突出する。
(4) 前記棒保持部材は、重力で下方に垂れ下がることを防止する垂れ下がり防止手段を備える。
(5) 前記回転軸は、前記荷物保持部材の一部であって、前記荷物用フックの先端部以外および前記落下防止用フックの先端部以外の場所に連結されている。
(6) 前記荷物保持部材と前記棒保持部材とを、前記台の下面に保持するための面下保持部材を備える。
(7) 前記面下保持部材は、前記荷物保持部材と前記棒保持部材とを、折りたたんだ状態で前記台の縁部の近傍に水平に保持する。
(8) 前記面下保持部材は、前記落下防止用フックの開口部を前記台の内側方向に向けて前記落下防止用フックを保持する。
(9) 前記面下保持部材は、前記落下防止用フックを前記台の外側方向に水平に引き出すための引き出し部材を備える。
(10) 前記面下保持部材は、引き出された前記落下防止用フックを前記台の内側方向に引き戻すための引き戻し部材を備える。
(11) 前記台と前記荷物保持部材とを連結する連結部材を有し、前記連結部材は、前記落下防止用フックの先端を、前記台の外側まで突出させる。
(12) 前記回転軸は、前記落下防止用フックの先端が前記外縁に位置するまで引き出された場合でも、前記回転軸の一部が前記面下保持部材の中に収納される長さを有する。
(13) 荷物を保持するための荷物用フックと、前記荷物の落下を防止するために台に設置する落下防止用フックとからなる荷物保持部材と、棒状部材を保持するためのものであって、前記荷物保持部材に回転可能に取り付けられた棒保持部材とからなり、前記棒保持部材は、前記荷物保持部材に対して垂直になる方向、および、前記荷物保持部材と平行になる方向に回転可能である。
(14) 前記棒保持部材は前記荷物保持部材より柔軟な素材で形成されている。
(15) 前記落下防止用フックを前記台に設置した場合、前記棒保持部材は、前記落下防止用フックよりも前記台の外側に突出する。
(16) 前記棒保持部材は、重力で下方に垂れ下がることを防止する垂れ下がり防止手段を備える。
(17) 前記荷物保持部材と前記棒保持部材とを、前記台の下面に水平に保持するための面下保持部材を備える。
(18) 前記面下保持部材は、前記荷物保持部材と前記棒保持部材とを、前記台の縁部の近傍に保持する。
(19) 前記面下保持部材は、前記落下防止用フックの開口部を前記台の内側方向に向けて、前記落下防止用フックを保持する。
(20) 前記面下保持部材は、前記荷物保持部材と前記台の下面との間に、前記棒保持部材を挿入可能な空間を形成する。
(21) 前記荷物保持部材または前記棒保持部材は、前記面下保持部材と脱着可能な脱着部材を備える。
(22) 前記荷物保持部材および前記棒保持部材を水平にした場合において、前記着脱部材は、前記荷物保持部材または前記棒保持部材の上部に設けられている。
(23) 前記面下保持部材は、前記荷物保持部材と前記棒保持部材とを、前記台に連結する連結部材を備える。
(24) 前記連結部材は、前記荷物用フックの先端部以外および前記落下防止用フックの先端部以外の場所に連結されている。
(25) 前記連結部材は、前記落下防止用フックの先端が、前記台の外側に突出可能な長さを有する備える。
(26) 前記荷物用フックと前記落下防止用フックとは回転可能に結合しており、
前記荷物用フックと前記荷物用フックと前記棒保持部材とは三重に折りたたむことが可能である。
(27) 棒状部材を一方側面から支持する本体部と、前記棒状部材を他方側面から支持する可動部材とからなり、前記本体部は、前記可動部材との接合部と、前記可動部材との間に空間を形成する第1空間形成部と、前記棒状部材を保持する際に前記可動部材と接合するための保持用の前記第1着脱部材と、前記可動部材を収納する際に前記可動部材と接合するための収納用の前記第1着脱部材とを有し、前記可動部材は、前記本体部との間に空間を形成する第2空間形成部と、前記第1着脱部材と着脱可能な第2着脱部材とを有する。
(28) 前記第1空間形成部と前記第2空間形成部との間に形成される空間は、立てた状態の杖または傘を収納できる大きさを有する。
(29) 前記収納用の前記第1着脱部材は、前記収納用の前記第1着脱部材と前記第2着脱部材とを接合した場合、前記可動部材がほぼ平面部材となる位置に設けられている。
(30) 前記本体部は台の外縁に設置される。
(31) 前記本体部を、台の下面の内側、または、前記台の外縁近傍に保持する面下保持部材を有する。
(32) 前記本体部を、前記台の内側方向から、前記台の外側方向に引き出す引き出し部材を有する。
(33) 前記本体部は、前記台の縁近傍に設けられた面下保持部材に回転可能に取り付けられ、前記本体部が台の内側に向かう方向、および、前記本体部が前記台の外側に向かう方向に回転可能である。
(34) 前記面下保持部材はその下面に前記第1着脱部材を有し、前記本体部はその裏側に前記第2着脱部材を有し、前記面下保持部材に前記第1着脱部材と前記本体部の第2着脱部材とを接合することにより前記本体部は前記台の前記下面の内側に保持される。
(35) 前記本体部は、前記本体部が前記台の内側方向および外側方向に揺れることを防止するための本体固定部材に支持される。
(36) 荷物を保持するための荷物用フックと、前記荷物の落下を防止するために台に設置する落下防止用フックと、前記荷物用フックと前記落下防止用フックとの上下関係を逆転させる方向に回転する回転軸と、前記荷物保持部材と前記棒保持部材とを、前記台の下面に水平に保持するための面下保持部材と、前記荷物保持部材を前記台の外側に引き出すための引き出し部材と、を備える。
(37) 前記荷物用フックを前記台に設置する際に、前記荷物用フックまたは前記落下防止用フックを、前記台の外側に突出させ、前記荷物用フックまたは前記落下防止用フックを棒状部材を保持する棒保持部材として機能させるためのストッパーを有する。
(38) 荷物を保持する荷物用フックと、棒状部材を保持する棒保持部材と、前記荷物用フックと前記棒保持部材とを台の下面に保持する面下保持部材とからなり、前記荷物用フックは前記面下保持部材に、前記下面と平行になる方向および前記下面に対し垂直になる方向に回転可能に取り付けられ、前記棒保持部材は、前記面下保持部材に、前記台の外縁より外側に突出可能に取り付けられ、前記面下保持部材は、前記荷物用フックを前記下面と平行にした状態で保持するための荷物用フック保持領域と、前記荷物用フック保持領域以外であって前記棒保持部材を保持するための棒保持部材保持領域を有する。
【発明の効果】
【0008】
(1)本発明を利用すれば、簡単に鞄や杖などを同時に保持でき、高齢者の行動パターンに合致した保持具を提供できる。また、使用しない時は、保持具を折り畳んで平面的に収納できるので、邪魔にならない。
(2)本発明は、荷物保持部材を硬質のワイヤーとしているので、鞄をしっかりと保持できる。また、棒保持部材をそれより柔軟な素材としているので、棒保持部材を指先で自由に変形させて、杖等を巻きつけるようにしっかりと保持できる。
(3)棒保持部材を落下防止用フックより台の外側に突出させれば(落下防止用フックを台に密着させると共に、棒保持部材を台から大きく突出させれば)、落下防止用フックは邪魔にならないと共に、突出量の多い棒保持部材で杖をしっかりと保持できる。
(4)垂れ下がり防止部材を設ければ、棒保持部材を台の下面に水平に保持できるので、棒保持部材が邪魔になることがない。
(5)回転軸や連結部材を荷物用フックの先端部以外の場所に設ければ、荷物用フックが荷物を保持する際に回転軸が邪魔になることがない。また、落下防止用フックの先端部以外の場所に設ければ、、落下防止用フックを台に設置する際に、回転軸が邪魔になることがない。
(6)面下保持部材を使用すれば、荷物保持部材を台の下に収納できるので、荷物保持部材が邪魔になることがない。また、台の縁部近傍に荷物保持部材を保持すれば、使用するときにすぐに手が届き、引き出し幅も最小限にすることができる。
(7)落下防止用フックの開口部を机の奥の方向に向けて収納すれば、落下防止用フックを一旦台の外側に引き出してその後台に引き戻して設置する際、落下防止用フックの向きを変えずに、そのままの向きで台に設置できる。
(8)荷物保持部材を水平に引き出す引き出し部材を設ければ、落下防止用フックを90度回転させるだけで容易に落下防止用フックを台に設置できる。また、引き出し部材や連結部材は少なくとも落下防止用フックの先端を台の外側まで引き出すことができる長さ等を有するので、確実に落下防止用フックを台に設置できる。すなわち、落下防止用フックの先端が台の外縁にぶつかって落下防止用フックを台に設置できないという不都合を回避できる。
(9)落下防止用フックの先端を台の外縁まで引き出しても、回転軸の一部は面下保持部材に収納されているので、引き出した際に回転軸が面下保持部材から外れてしまうという不都合を回避できる。
(10)面下保持部材と荷物保持部材との間に棒保持部材を挿入できる空間を設ければ、その空間に棒保持部材を収納でき、棒保持部材の垂れ下がりを防止できる。
(11)着脱部材を使用すれば、容易に何度でも付けたり剥がしたりを繰り返すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】 実施例1に係る荷物保持具および荷物保持部材を表した図である。
図2】 荷物保持具の動作を表した斜視図である。
図3】 荷物保持具の使用方法を表した図である。
図4】 実施例2に係る荷物保持具を表した図である。
図5】 荷物保持具の使用方法を表した図である。
図6】 実施例3に係る棒の保持具を表した図である。
図7】 実施例4に係る棒の保持具を表した図である。
図8】 本体固定部材を備えた保持具を表したずである。
図9】 実施例5に係る荷物保持具を表した図である。
図10】 実施例6に係る荷物保持具を表した図である。
図11】 従来例の杖の保持具を表した図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例1】
【0010】
本発明の実施例1を図に基づいて説明する。
図1(a)は、荷物保持具1を後述する面下保持部材10に収納した状態を示すの斜視図であり、図1(b)は荷物保持部材1のみを表した斜視図である。
荷物保持具1は、荷物保持部材2と棒保持部材6とからなる。
荷物保持部材2は、鉤状の荷物用フック3と鉤状の落下防止用フック4とからなるS字型のワイヤー(針金)に、支持棒5を取り付けたものである。
荷物用フック3と落下防止用フック4に使用されるワイヤーは硬質素材であり、小さな荷物(鞄)を吊るしても容易には変形しない程度の硬さが好ましい。
荷物用フック3は、先端部3aと、根元部3cと、先端部3aと根元部3cとの間に位置する胴体部3bとからなる(図1(b))。
落下防止用フック4は、先端部4aと、根元部4cと、先端部4aと根元部4cとの間に位置する胴体部4bとからなる(図1(b))。
支持棒5は、落下防止用フック4の根元近辺から後方に伸びる部材であり、荷物用フック3および落下防止用フック4と水平になるように設けられている。なお、支持棒5は、荷物用フック3の先端部3a以外の場所、且つ、落下防止用フック4の先端部4a以外の場所に設ける。すなわち、支持棒5は、荷物用フック3の胴体部3bまたは根元部3bまたは落下防止用フック4の胴体部4bまたは根元部4cに取り付ける。先端部3aに設けると荷物を保持する場所が極めて狭くなり、先端部4aに設けると台21に落下防止用フック4をしっかりと設置できないからである。なお、落下防止用フック4の根元部4cに支持棒5を設けると、保持具1を最小化できる。
【0011】
棒保持部材6は、杖などの棒状部材を保持するためのワイヤーであり、荷物保持部材2に回転可能に取り付けられている。棒保持部材6は、先端部6aと、回転軸6cと、先端部6aと回転軸6c(根元部)との間に位置する胴体部6bとからなる(図1(b))。棒保持部材6は、回転軸6cにより、荷物保持部材2に対して垂直となる方向および荷物保持部材と平行(水平)になる方向に回転可能である。棒保持部材6に使用されるワイヤーは、荷物用フック3や落下防止用フック4よりも柔らかい素材であり、杖などの棒状部材を立てかけても変形しない程度の硬さを有すると共に、人間の指先の力で容易に曲げて変形させることができる程度の硬さが好ましい。
【0012】
円筒7は、内部空間8を有する筒状の部材であり、内部空間8には支持棒5と回転軸6cとが平行に収納され、内部空間8の隙間には充填材9が充填されている。なお、充填材9は、支持棒5を強固に固定する一方、回転軸6cを強固に固定するものではなく、回転軸6cはその軸を中心に回転可能に円筒7に保持されている
【0013】
面下保持部材10は、内部空間11を有する四角い筒状部材である。一辺の長さが円筒7の直径よりやや長く形成され、内部空間11に円筒7を収納する。円筒7は、この面下保持部材10に保持され、面下保持部材10の内壁に沿って長手方向に往復することが可能である。
【0014】
面下保持部材10の後方端部と円筒7の後方端部とは、ゴムやバネなどの伸縮部材や紐などの連結部材12で連結されている。
【0015】
図1(c)(d)のように、面下保持部材10は机20の台21の下面22に取り付けられるものである。取付位置は、机20の外縁23の近傍であり、且つ、荷物保持具1が下面22の外縁から突出しない位置(台21の内側)が好ましい。また、取り付ける方向は、荷物用フック3の開口部が机の外側方向(正面方向)を向き、落下防止用フック4の開口部が机の内側方向(台21の奥の方向/正面とは逆方向)を向くように取り付けるのが好ましい。
なお、連結部材12の長さは、落下防止用フック4の先端が外縁23より外側に突出する長さであると共に、外縁23近傍で止まる長さ(外縁23から大きく離れない長さ)が好ましい。
【0016】
次に荷物保持部材1の動きについて説明する。
図2(a)の上段の図は、荷物保持部材2および保持する円筒7を前方(台21の外側)に引き出した図である。このように荷物保持部材2は前方に水平に引き出すことができる。
図2(a)の中段の図は、引き出した荷物保持部材2を地面に対して垂直になる方向に回転させた斜視図であり、図2(b)上段の図はその正面図である。このように荷物保持部材2は支持棒5と円筒7とが一体となった回転軸を中心に、荷物用フック2と落下防止用フック3の上下関係を逆転させる方向に回転させることができる。
図2(a)の下段の図は、荷物保持部材2を回転させたことに伴い、下方に垂れ下がった棒保持部材6を、地面に対して水平方向(荷物保持部材2に対して垂直になる方向)に回転させた状態を表す斜視図であり、図2(b)下段の図はその正面図である。このように棒保持部材6は回転軸6cを中心に自由に回転させることができる。なお、充填部材8と回転軸6cとは一定の摩擦抵抗があり、その摩擦抵抗により棒保持部材6は任意の角度で止めることができる(垂れ下がり防止手段)。また、棒保持部材の先端6aまたは胴体部6bは、荷物保持部材2よりも机20の外側に突出することが好ましい。
【0017】
次に、荷物保持具1の使用方法を説明する。
図3(a)は、荷物保持具1を机20の台21の下面22に取り付ける方法を示した図である。ここでは面下保持部材10の上面に両面テープ25を貼り、下面22に取り付けることとするが、螺子など他の様々な取付部材・固定部材で取り付けてもよい。なお、取り付け位置や取付方向は前述の通りである。この時点において、荷物保持部材2と棒保持部材6とは折りたたまれた状態で水平に下面22に保持されている(図1(c))。
次に、荷物保持部材2を台21の外側まで引き出す(図5(b))。この際、連結部材12は、落下防止用フック4の先端が台21の外側まで突出することができる長さを有するので、落下防止用フック4の先端が台21の外側まで突出するところまで引き出すことができる。なお、ここでは円筒7と面下保持部材10とが引き出し部材としての役割を果たす。また、円筒7の一部(後方部)は落下防止用フック4の先端が台21の外側まで突出するところまで引き出しても面下保持部材10内に収納される長さを有する。これにより円筒7が面下保持部材10から外れることがなく、引き戻すことが容易となる。
【0018】
次に、引き出した荷物保持部材2を地面に対し垂直になるよう回転させる(図3(c))。
次に、落下防止用フック4を台22の上に設置する(図3(d))。すなわち、引き出した荷物保持部材2を面下保持部材10に戻す。この際、連結部材12をゴムやバネなどの伸縮性のある素材(引き戻し部材)にすれば、荷物保持部材2から手を離すだけで戻るので手間が省けて楽である。
次に、垂れ下がった棒保持部材6を地面に対して水平となるよう、荷物保持部材1に対して垂直となる方向に棒保持部材6を回転させる(図3(e))。
次に、荷物用フック3に鞄30を吊るし、杖31を棒保持部材6と台22の外縁23との間に形成された空間に挿入し杖31を立てかけ、棒保持部材6によって杖31を保持する(図3(f))。
このようにすれば、鞄と杖とを同時に容易に保持できる。
【実施例2】
【0019】
本発明の実施例2を図に基づいて説明する。
図4は本実施例の荷物保持具1の斜視図である。
実施例1では、円筒7を机20に保持する手段として、四角い筒状部材である面下保持部材10を使用していたが、本実施例にでは鉄板40と円筒7の上面に取り付けられた板状の磁石41とが面下保持部材42の役割を果たす。
すなわち、図4(b)(c)のように、机20の台21の下面22の端部23近傍に鉄板40を固定し、鉄板40と円筒7の上面に取り付けられた磁石41とをくっつけることにより、円筒7を机20に保持する。なお、このように保持されている状態において、鉄板40と荷物保持部材2との間には棒保持部材6を収納できる空間が形成される。また、荷物保持具1の保持位置や保持方向は実施例1と同様である。
本実施例では鉄板40と磁石41とが着脱部材としての役割を果たす。
【0021】
面下保持部材42の後方端部と円筒7の後方端部とは、紐やゴム(伸縮部材)などの連結部材43で連結されている。
【0022】
次に、荷物保持具1の使用方法を説明する。
図5は、荷物保持具1を机20の台21の下面22に取り付ける方法および円筒7(荷物保持具1)の保持方法を示した図である。鉄板40の上面を両面テープなどで下面22に固定し、円筒7の上面に取り付けられた磁石41を鉄板40にくっつける(図5(a))。これにより荷物保持具1は下面22に設置される。なお、ここでは鉄板40の上面に両面テープを貼り、面下22に水平に取り付けることとするが、螺子など他の様々な取付部材・固定部材で鉄板40を取り付けてもよい。なお、取り付け位置や取付方向は前述の通りである。
【0023】
次に、荷物保持部材2を台21の外側まで引き出す(図5(b))。この際、落下防止用フック4の先端が台21の外側まで突出するまで引き出す。すなわち、連結部材43は落下防止用フック4の先端が台21の外側まで突出するまでの長さを有する。
次に、引き出した荷物保持部材2を地面に対し垂直になるよう回転させる(図5(c))。
次に、落下防止用フック4を台22の上に設置する(図5(d))。すなわち、引き出した荷物保持部材2を机20の内側方向(奥方向)に戻す。
次に、垂れ下がった棒保持部材6を地面に対して水平となるよう、荷物保持部材1に対して垂直となる方向に棒保持部材6を回転させる(図5(e))。
次に、荷物用フック3に鞄30を吊るし、杖31を棒保持部材6と台22の外縁23との間に形成された空間に挿入し杖31を立てかけ、棒保持部材6によって杖31を保持する(図5(f))。
このようにすれば、鞄と杖とを同時に容易に保持でき、引き出し部材を必要としない点で実施例1よりも製造が容易である。
【実施例3】
【0024】
本発明の実施例3を図に基づいて説明する。
図6は本実施例の棒保持具50の斜視図である。
棒保持具50は、杖などの棒状部材31を一方側面(机20の方向)から支持する本体部51と、棒状部材を他方側面(机20の外側)から支持する可動部材52とからなる。
【0025】
本体部51は、帯状の板材であり、その素材は鉄や樹脂などの硬質の部材が好ましい。
本体部51は可動部材52との接合部53を有する。すなわち、本体部51は左端部近傍で可動部材52と接合している。接合する手段としては接着剤や縫合などの固定手段で固定してもよいし、磁石や面テープ等の着脱可能な手段で接合してもよい。
本体部51は、接合部53の右隣りに可動部材52との間に空間を形成する第1空間形成部54を有する。第1空間形成部54は杖などの棒状部材の直径よりやや長く、50mmから80mm程度が好ましい。
本体部51は、第1空間形成部54の隣に面ファスナーのフック部材55a(密集したフック状の起毛を有する部材)を有する。このフック部材の大きさは任意であるが、ここでは一辺が10mm程度の四角形とする。なお、このフック部材55aが「保持用の第1着脱部材」としての役割を果たす。
本体部51は、フック部材55aの隣に、これと同様のフック部材55bを有する。このフック部材の大きさは任意であるが、は10mm程度の四角形とする。なお、このフック部材55bが「収納用の第1着脱部材」としての役割を果たす。
【0026】
可動部材52は、布や繊維などの柔らかい素材で形成された帯状の部材であり、本体部51よりやや小さく形成されたものである。
可動部材52は、左端部側に本体部51との接合部53を有する。
可動部材52は、接合部53の右隣りに本体部51との間に空間を形成する第2空間形成部56を有する。第2空間形成部56は第1空間形成部54杖の長さにフック部材55aの長さを足した長さ(60mmから90mm程度)が好ましい。
可動部材52は、第2空間形成部56の右隣に面ファスナーのループ部材57(密集したループ状の起毛を有するもので、フック部材55aおよびフック部材55bと繰り返し着脱できる部材)を有する。
【0027】
なお、本体部51は、左端から接合部53、第1空間形成部54、フック部材55a、フック部材55bを有するが、逆方向から(右側から)接合部53、第1空間形成部54、フック部材55a、フック部材55bを有してもよい。また、可動部材52も、左端から接合部53、第2空間形成部56、ループ部材57を有するが、逆方向から(右側から)接合部53、第2空間形成部56、ループ部材57を有してもよい。
【0028】
次に、棒保持具50の使用方法を説明する。
図6(a)は、棒状部材31を保持する前の(収納時の)棒保持具50である。本体部51は台21の外縁23に取り付けられている。
図6(a)の状態では本体部51のフック部材55bと可動部材52のループ部材57とが接合している。本体部51の接合部53からフック部材55bまでの長さと、可動部材52の接合部53からループ部材57までの長さは同一であり、そのため可動部材52は一直線に伸びた平な部材(板状の部材)となる。
図6(b)は、可動部材52の右側を本体部51から離した状態である。可動部材52の右端を指で摘み、手前に引っ張れば容易に可動部材52の端部を本体部51から離すことができる。なお、ここでは面ファスナーを使用しているので、何度も本体部51と可動部材52とを着脱できる。
次に、図9(c)のように杖31を立てた状態で第1空間形成部54と第2空間形成部56との間に挿入し、ループ部材57をフック部材55aに接合する。
これにより杖31を保持することができる。
なお、杖31を取り出す時(使用する時)は、ループ部材57をフック部材55aから剥がし、杖31を取り出し、ループ部材57をフック部材55bに接合して収納する。このように本実施例に係る発明は、保持具を台21の外縁23に平面的に収納すれば、棒保持部材50は邪魔になることがない。
【0029】
なお、ここではフック部材55が第1着脱部材としての役割を果たし、ループ部材57が第2着脱部材としての役割を果たすが、この役割を逆転させ、フック部材55を第2着脱部材として使用し、ループ部材57を第1着脱部材として使用してもよい。また、着脱部材として磁石と鉄の組み合わせや、ボタン(凸部材と凹部材とからなるボタン)など繰り返し着脱可能な他の部材を使用してもよい。
【実施例4】
【0030】
本発明の実施例4を図に基づいて説明する。
実施例4は実施例3の棒保持具50を、机20の下面22に収納するものである。
図7の通り、本体部51を板状の部材(面下保持部材60)に、蝶番のように回転可能に取り付ける。これにより、本体部51は面下保持部材60に対して垂直となる方向および面下保持部材60と重なり合う方向に回転可能となる。
図7(c)のように、本体部51の裏面は面ファスナーの一方部材であるフック部材61を有し、面下保持部材60の下面は面ファスナーの他方部材であるループ部材62を有する。
図7(c)のように、面下保持部材60の上面を、棒保持部材50が正面(机の外側)を向くように机20の下面22の端部23に両面テープ等の固定手段により固定する。
このようにすれば、杖31を保持する時は図7(c)のように棒保持具50を机20の外縁23に出現させることができ、外縁23と保持具50とにより強固に杖31を保持でき、杖31を保持しない時は、図7(d)のように棒保持具50を回転させ、フック部材61とループ部材62とを接合し、机20の下面22に水平に(面下保持部材60と棒保持具50とを畳んで重ねるように)収納することができる。これにより実施例3よりも一層棒保持具50が邪魔になることがない。
【0031】
また、図8のように、本体部51を回転可能に保持する面下保持部材68で本体部51を保持してもよい。この際、本体部51は、本体部51の2点を固定する本体固定部材69(板材69aと板材69bとからなる本体固定部材69)によって支えられる。このようにすれば、杖31を可動部材52で覆う際に、本体部51が台21の内側方向と外側方向に揺れてしまい、覆う動作が困難になることを防止できる。なお、台21の下面22には、面下保持部材68のの内側および外側に第1着脱部材が設けられ、それに対応する板材69aと板材69bには第2着脱部材が設けられている。
【実施例5】
【0032】
本発明の実施例5を図に基づいて説明する。
図9(a)は、実施例1の荷物保持具1から棒保持部材6を取り去ったものである。このように本発明は杖を保持せず、鞄30のみを保持するものであってもよい。
また、図9(b)のように落下防止用フック4(または荷物保持部材2の何れかの位置)にストッパー65を設けてもよい。このストッパー65は、落下防止用フック4から荷物用フック3の方向に向けて伸びるものであり、落下防止用フック4を台21に設置する際に、外縁23と接触することにより荷物保持部材2を縁23の外側に突出させるものである(それ以上荷物保持部材2を台21側に押し込めないようにしたものである)。この突出した部分に杖31を立てかければ杖を保持できる。すなわち、荷物用フック2または落下防止用フック3を棒保持部材として機能させるものである。よって、突出する幅は、少なくとも杖31の半径より大きいことが望ましい。
【実施例6】
【0033】
本発明の実施例6を図に基づいて説明する。
図10は、面下保持部材70に荷物用フック3と棒保持部材6とを取り付けたものである。
面下保持部材70は、台21の下面22の外縁23近傍に取り付けられるものである。
荷物用フック3は、面下保持部材70に回転可能に取り付けられ、台21の下面22と平行(水平)になる方向および下面22に対し垂直になる方向に回転可能である(図10(c))。よって、収納時、荷物用フック3は台20の下面22と水平な状態で保持できるので邪魔にならない。一方、使用時は下面22に対し垂直な状態となり、鞄30を保持できる。なお、面下保持部材70を磁性を帯びた素材であり、荷物用フック6を鉄製とする(ただし、これに限るものではない)。このようにすれば荷物用フック6を水平に保持できる。
【0034】
棒保持部材6は、折り曲げ・湾曲が可能な柔軟な素材である。
収納時、棒保持部材6は面下保持部材70外縁内に収まっており邪魔にならない。一方、使用時は、これを折り曲げまたは湾曲させることにより、面下保持部材70の外側(面下保持部材70を台20の外縁近傍に取り付けた場合、台20の外縁23の外側)に突出させることができ、杖31を立てかけるように保持できる。
面下保持部材70は、荷物用フック6を水平に保持する領域(荷物用フック保持領域72)を有し、荷物用フック保持領域以外の場所に棒保持部材保持領域73を有し、ここに棒保持部材6を保持する。このようにすれば荷物用フック6を水平に保持しても棒保持部材6と接触することがない。
【0035】
上記実施例では、特定の例に基づいて本発明の内容を説明したが、本発明はこれに限るものではない。すなわち、本発明の趣旨に沿うものであれば、異なる位置・角度・大きさ・形状・素材であてもよい。
また、本発明は、杖のみならず傘など他の棒保持部材の保持にも利用できる。
さらに、この保持具を後からつけるのではなく、保持具を予め備えた机を製造販売してもよい。
【符号の説明】
【0036】
1 荷物保持具、2 荷物保持部材、3 荷物用フック、4 落下防止用フック、5 支持棒、6 棒保持部材、7 円筒、8 内部空間、9 充填剤、10 面下保持部材、11 内部空間、12 連結部材、20 机、21 台、22 面下、23 机の端部、25 両面テープ、30 鞄、31 杖、40 鉄板、41 磁石、42 面下保持部材、43 連結部材、50 棒保持具、51 本体部、52 可動部材、53 接合部、54 第1空間形成部、55 フック部材、56 第2空間形成部、57 ループ部材、60 面下保持部材、61 フック部材、62 ループ部材、65 ストッパー、68 面下保持部材、69 本体固定部材、70 面下保持部材、71 荷物用フック保持領域、72 棒保持部材保持領域、80 従来の杖の保持具、81 机、82 開口部、83 杖
図1
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