(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2019-59306(P2019-59306A)
(43)【公開日】2019年4月18日
(54)【発明の名称】自転車用スタンドおよび駐輪場
(51)【国際特許分類】
B62H 3/10 20060101AFI20190322BHJP
E04H 6/02 20060101ALI20190322BHJP
【FI】
B62H3/10
E04H6/02 H
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
【全頁数】24
(21)【出願番号】特願2017-184580(P2017-184580)
(22)【出願日】2017年9月26日
(11)【特許番号】特許第6436597号(P6436597)
(45)【特許公報発行日】2018年12月12日
(71)【出願人】
【識別番号】517166608
【氏名又は名称】吉田 優
(74)【代理人】
【識別番号】100120640
【弁理士】
【氏名又は名称】森 幸一
(72)【発明者】
【氏名】吉田 優
(57)【要約】
【課題】極めて簡単な操作で容易に自転車をセットすることができる自転車用スタンドおよび駐輪場を提供する。
【解決手段】自転車用スタンドは、支柱と、この支柱にこの支柱に対して昇降可能に取り付けられた、自転車のボトムブラケットシェルを下方から支持する支持体と、支持体を上昇させたとき、この支持体とともにボトムブラケットシェルを互いに異なる3方向から拘束して水平方向および垂直方向に拘束する拘束部材とを有する。自転車用スタンドは、支持体を上昇させ、ボトムブラケットシェルを水平方向および垂直方向に拘束したとき、自転車の後輪または前輪が宙に浮く高さを有する。駐輪場では、この自転車用スタンドを地面等の設置面上に1つまたは複数設置する。
【選択図】
図1C
【特許請求の範囲】
【請求項1】
支柱と、
上記支柱に上記支柱に対して昇降可能に取り付けられた、自転車のボトムブラケットシェルを下方から支持する支持体と、
上記支持体を上昇させたとき、上記支持体とともに上記ボトムブラケットシェルを互いに異なる3方向から拘束して水平方向および垂直方向に拘束する拘束部材とを有し、
上記支持体を上昇させ、上記ボトムブラケットシェルを水平方向および垂直方向に拘束したとき、上記自転車の後輪または前輪が宙に浮く高さを有する自転車用スタンド。
【請求項2】
上記支持体を昇降させる昇降機構を有し、上記支持体は上記昇降機構を介して上記支柱と連結されている請求項1記載の自転車用スタンド。
【請求項3】
上記昇降機構は足で操作することが可能に構成されている請求項2記載の自転車用スタンド。
【請求項4】
上記昇降機構は足でレバーを回し、または、ペダルを踏むことにより操作することが可能に構成されている請求項3記載の自転車用スタンド。
【請求項5】
上記昇降機構は、カム機構、リンク機構、歯車機構、ベルト機構、チェーン機構またはガススプリング機構である請求項2〜4のいずれか一項記載の自転車用スタンド。
【請求項6】
上記昇降機構は、上記支持体の下端に接したカムと、このカムに取り付けられたレバーとを有する請求項2記載の自転車用スタンド。
【請求項7】
上記支持体は上記ボトムブラケットシェルをその長手方向の中央部以外の部分で支持するように構成されている請求項1〜6のいずれか一項記載の自転車用スタンド。
【請求項8】
上記ボトムブラケットシェルの下面にワイヤーガイドが設けられており、上記支持体は上記ボトムブラケットシェルを上記ワイヤーガイド以外の部分で支持するように構成されている請求項1〜7のいずれか一項記載の自転車用スタンド。
【請求項9】
上記支持体および上記拘束部材は、上記支持体および上記拘束部材に取り付けられたローラーにより上記ボトムブラケットシェルを拘束する請求項1〜8のいずれか一項記載の自転車用スタンド。
【請求項10】
自転車のボトムブラケットシェルを下方から支持する支持部を有する支柱と、
上記支柱に上記支柱に対して昇降可能に取り付けられた、上記ボトムブラケットシェルを少なくとも垂直方向に拘束する拘束部材とを有し、
上記支持部により上記ボトムブラケットシェルを支持したとき、上記自転車の後輪または前輪が宙に浮く高さを有し、
上記拘束部材を下降させたとき、上記支持部とともに上記ボトムブラケットシェルを水平方向および垂直方向に拘束する自転車用スタンドである。
【請求項11】
自転車のボトムブラケットシェルを下方から支持するとともに水平方向および垂直方向に拘束するボトムブラケットシェル収容部およびこのボトムブラケットシェル収容部の下端に連なり、このボトムブラケットシェル収容部に向かって上側に傾斜した傾斜部を上部に有する支柱と、
上記ボトムブラケットシェル収容部の内周面または上記ボトムブラケットシェル収容部の前方に設けられ、上記ボトムブラケットシェルを上記ボトムブラケットシェル収容部に収容したとき、上記ボトムブラケットシェルを水平方向に拘束する拘束部材とを有し、
上記ボトムブラケットシェル収容部に上記ボトムブラケットシェルを収容したとき、上記自転車の後輪または前輪が宙に浮く高さを有する自転車用スタンド。
【請求項12】
1つまたは複数の自転車用スタンドが設置された駐輪場であって、
少なくとも1つの上記自転車用スタンドが、
支柱と、
上記支柱に上記支柱に対して昇降可能に取り付けられた、自転車のボトムブラケットシェルを下方から支持する支持体と、
上記支持体を上昇させたとき、上記支持体とともに上記ボトムブラケットシェルを互いに異なる3方向から拘束して水平方向および垂直方向に拘束する拘束部材とを有し、
上記支持体を上昇させ、上記ボトムブラケットシェルを水平方向および垂直方向に拘束したとき、上記自転車の後輪または前輪が宙に浮く高さを有する自転車用スタンド
または
自転車のボトムブラケットシェルを下方から支持する支持部を有する支柱と、
上記支柱に上記支柱に対して昇降可能に取り付けられた、上記ボトムブラケットシェルを少なくとも垂直方向に拘束する拘束部材とを有し、
上記支持部により上記ボトムブラケットシェルを支持したとき、上記自転車の後輪または前輪が宙に浮く高さを有し、
上記拘束部材を下降させたとき、上記支持部とともに上記ボトムブラケットシェルを水平方向および垂直方向に拘束する自転車用スタンド
または
自転車のボトムブラケットシェルを下方から支持するとともに水平方向および垂直方向に拘束するボトムブラケットシェル収容部およびこのボトムブラケットシェル収容部の下端に連なり、このボトムブラケットシェル収容部に向かって上側に傾斜した傾斜部を上部に有する支柱と、
上記ボトムブラケットシェル収容部の内周面または上記ボトムブラケットシェル収容部の前方に設けられ、上記ボトムブラケットシェルを上記ボトムブラケットシェル収容部に収容したとき、上記ボトムブラケットシェルを水平方向に拘束する拘束部材とを有し、
上記ボトムブラケットシェル収容部に上記ボトムブラケットシェルを収容したとき、上記自転車の後輪または前輪が宙に浮く高さを有する自転車用スタンド
である駐輪場。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は自転車用スタンドおよび駐輪場に関し、特に、車両本体に自立タイプの自転車用スタンドが付属していない自転車、例えばスポーツタイプの自転車を起立状態でセットするのに好適なものである。
【背景技術】
【0002】
従来、車両本体に自立タイプの自転車用スタンドが付属していない自転車、主としてスポーツタイプの自転車(例えば、ロードバイク、マウンテンバイク、シクロクロス、BMX)を起立状態でセットするための自転車用スタンドが多数知られており、販売されている(例えば、特許文献1〜3参照。)。しかしながら、これらの自転車用スタンドは、スペースを広く取ってしまう、自転車をセットする過程において手間がかかる、チェ−ンやギア周りの掃除時に邪魔になってしまう、自転車をセットした状態でクランクを回すことができない、車輪を外せない、車輪に負荷がかかる、といった問題があった。また、部屋の床や壁にビス等で固定するタイプの自転車用スタンドもあるが、設置場所を変えることができない、賃貸物件では使用できない、といった問題があった。
【0003】
一方、設置面に接触する棒状部材とこの棒状部材の中央に垂直に立てられた棒状部材とにより構成された逆T字状の第1部材と、設置面に接触する棒状部材とこの棒状部材の中央に互いに垂直にかつ互いに平行に立てられた2本の板状部材とにより構成された逆T字状の第2部材とを有し、第1部材の中央の棒状部材の一端を第2部材の中央の2本の板状部材の一端の間に挟み込み、これらに軸を通して互いに回転可能に連結し、かつその一端に近い部分で左右2本の連結棒により互いに回転可能に連結するとともに、第2部材の中央の2本の板状部材の一端の上に自転車のボトムブラケットシェルを載せるためのボトムブラケットシェル受けを有する自転車用スタンドが市販されている(例えば、非特許文献1参照。)。この自転車用スタンドでは、最初、第1部材および第2部材を束ねている付属のテープをほどいた後、第1部材および第2部材を前後にいっぱいに広げて設置面に設置する。次に、ボトムブラケットシェル受けに自転車のボトムブラケットシェルを載せるとともに、このボトムブラケットシェル受けが設けられた第2部材の根元に回転可能に連結された前輪受けを伸ばす。次に、前輪受けで自転車の前輪タイヤを挟み込んで自転車を安定させる。続いて、付属のテープを自転車のダウンチューブに向けて伸ばし、左右2本の連結棒の一端とダウンチューブとをそのテープで縛って固定する。こうして、自転車用スタンドに自転車をセットする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2013−95220号公報
【特許文献2】特開2010−111369号公報
【特許文献3】特開2014−34234号公報
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】[平成29年4月24日検索]、インターネット〈URL:http://www.minoura.jp/data/storage/single/cam1-j.pdf)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、非特許文献1に記載の自転車用スタンドは、自転車をセットするまでに多くの操作が必要であり、セットに多くの手間がかかるという欠点がある。
【0007】
そこで、この発明が解決しようとする課題は、極めて簡単な操作で容易に自転車をセットすることができる自転車用スタンドおよび駐輪場を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、この発明は、
支柱と、
上記支柱に上記支柱に対して昇降可能に取り付けられた、自転車のボトムブラケットシェルを下方から支持する支持体と、
上記支持体を上昇させたとき、上記支持体とともに上記ボトムブラケットシェルを互いに異なる3方向から拘束して水平方向および垂直方向に拘束する拘束部材とを有し、
上記支持体を上昇させ、上記ボトムブラケットシェルを水平方向および垂直方向に拘束したとき、上記自転車の後輪または前輪が宙に浮く高さを有する自転車用スタンドである。
【0009】
自転車用スタンドは、典型的には、支持体を昇降させる昇降機構を有し、この支持体はこの昇降機構を介して支柱と連結されている。昇降機構は、典型的には足で操作することが可能に構成され、例えば、足でレバーを回し、または、ペダルを踏むことにより操作することが可能に構成される。この場合、足でレバーを回したり、ペダルを足で踏んだりすることにより、昇降機構が作動し、支持体を昇降させる。昇降機構は、従来公知のものを用いることができ、必要に応じて選ばれるが、例えば、カム機構、リンク機構、歯車機構、ベルト機構、チェーン機構、ガススプリング機構などである。具体的には、カム機構は、例えば、支柱にこの支柱に対して回転可能に取り付けられ、支持体、例えば棒状の支持体の下端に接したカムとこのカムに取り付けられたレバーとを含み、このレバーを回転させることでカムを回転させ、それによって支持体を昇降させる。リンク機構は、複数のリンクにより構成され、例えば、一端のリンクをその途中の1点の周りに回転可能に支柱に取り付け、他端のリンクを昇降運動が可能なように支柱に対して取り付け、一端のリンクを足で回したり、踏んだりして回転させることにより他端のリンクを昇降させ、それによって支持体を昇降させる。歯車機構は、例えば、支柱にこの支柱に対して回転可能に取り付けたピニオンギアを支柱に固定されたラックと噛み合わせ、ピニオンギアにレバーを取り付け、レバーを回転させてピニオンギアを回転させることによりラックを昇降させ、それによって支持体を昇降させる。ベルト機構は、例えば、支柱にこの支柱に対して回転可能に取り付けられた一対のベルト車の間にベルトを掛け、一方のベルト車の軸にレバーを取り付け、他方のベルト車にはこのベルト車の回転を昇降運動に変換する変換機構(例えば、ピニオンギアとラックとを組み合わせたもの)を取り付け、レバーを回転させて一方のベルト車を回転させることによりこの回転運動を他方のベルト車に伝達し、このベルト車の回転を変換機構により昇降運動に変換し、支持体を昇降させる。チェーン機構は、例えば、支柱にこの支柱に対して回転可能に取り付けられた複数の歯車の間にチェーンを掛け、一端の歯車の軸にレバーを取り付け、他端の歯車にはこの歯車の回転を昇降運動に変換する変換機構(例えば、ピニオンギアとラックとを組み合わせたもの)を取り付け、レバーを回転させて一端の歯車を回転させることによりこの回転運動を他端の歯車に伝達し、この歯車の回転を変換機構により昇降運動に変換し、支持体を昇降させる。ガススプリング機構は、レバーの操作により支持体を昇降させる。
【0010】
支持体は、例えば、ボトムブラケットシェルをその長手方向の中央部以外の部分で支持するように構成される。例えば、自転車用スタンドにセットする自転車がボトムブラケットシェルの下面にワイヤーガイドが設けられているものである場合には、支持体は、ボトムブラケットシェルをワイヤーガイド以外の部分で支持するように構成される。支持体は、ボトムブラケットシェルを安定に支持することができる限り、ボトムブラケットシェルを1つまたは複数の面(曲面または平面)で支持するものであっても、複数の線状部材または点状部材により複数箇所で支持するものであってもよい。
【0011】
例えば、支持体および拘束部材は、これらの支持体および拘束部材に取り付けられたローラーによりボトムブラケットシェルを拘束するようにしてもよい。
【0012】
この自転車用スタンドは、必要に応じて、複数の部品に分けた状態で持ち運び可能に構成してもよい。この場合、自転車の設置場所でこれらの部品を用いて自転車用スタンドを組み立てることができる。また、この自転車用スタンドは、必要に応じて、自転車に取り付け可能に構成してもよい。この場合、自転車用スタンドをそのまま自転車に取り付けてもよいが、自転車用スタンドを例えば円筒形等のケースに収納し、このケースを自転車に取り付けてもよい。
【0013】
また、この発明は、
自転車のボトムブラケットシェルを下方から支持する支持部を有する支柱と、
上記支柱に上記支柱に対して昇降可能に取り付けられた、上記ボトムブラケットシェルを少なくとも垂直方向に拘束する拘束部材とを有し、
上記支持部により上記ボトムブラケットシェルを支持したとき、上記自転車の後輪または前輪が宙に浮く高さを有し、
上記拘束部材を下降させたとき、上記支持部とともに上記ボトムブラケットシェルを水平方向および垂直方向に拘束する自転車用スタンドである。
【0014】
支持部は、例えば、支柱の上部に上方を向いて設けられた湾曲部からなり、この湾曲部によりボトムブラケットシェルをその長手方向の中央部以外の部分で受ける。
【0015】
支柱に対して拘束部材を昇降させる昇降機構については、既に説明した上記の発明における昇降機構と同様である。
【0016】
また、この発明は、
自転車のボトムブラケットシェルを下方から支持するとともに水平方向および垂直方向に拘束するボトムブラケットシェル収容部およびこのボトムブラケットシェル収容部の下端に連なり、このボトムブラケットシェル収容部に向かって上側に傾斜した傾斜部を上部に有する支柱と、
上記ボトムブラケットシェル収容部の内周面または上記ボトムブラケットシェル収容部の前方に設けられ、上記ボトムブラケットシェルを上記ボトムブラケットシェル収容部に収容したとき、上記ボトムブラケットシェルを水平方向に拘束する拘束部材とを有し、
上記ボトムブラケットシェル収容部に上記ボトムブラケットシェルを収容したとき、上記自転車の後輪または前輪が宙に浮く高さを有する自転車用スタンドである。
【0017】
また、この発明は、
1つまたは複数の自転車用スタンドが設置された駐輪場であって、
少なくとも1つの上記自転車用スタンドが、
支柱と、
上記支柱に上記支柱に対して昇降可能に取り付けられた、自転車のボトムブラケットシェルを下方から支持する支持体と、
上記支持体を上昇させたとき、上記支持体とともに上記ボトムブラケットシェルを互いに異なる3方向から拘束して水平方向および垂直方向に拘束する拘束部材とを有し、
上記支持体を上昇させ、上記ボトムブラケットシェルを水平方向および垂直方向に拘束したとき、上記自転車の後輪または前輪が宙に浮く高さを有する自転車用スタンド
または
自転車のボトムブラケットシェルを下方から支持する支持部を有する支柱と、
上記支柱に上記支柱に対して昇降可能に取り付けられた、上記ボトムブラケットシェルを少なくとも垂直方向に拘束する拘束部材とを有し、
上記支持部により上記ボトムブラケットシェルを支持したとき、上記自転車の後輪または前輪が宙に浮く高さを有し、
上記拘束部材を下降させたとき、上記支持部とともに上記ボトムブラケットシェルを水平方向および垂直方向に拘束する自転車用スタンド
または
自転車のボトムブラケットシェルを下方から支持するとともに水平方向および垂直方向に拘束するボトムブラケットシェル収容部およびこのボトムブラケットシェル収容部の下端に連なり、このボトムブラケットシェル収容部に向かって上側に傾斜した傾斜部を上部に有する支柱と、
上記ボトムブラケットシェル収容部の内周面または上記ボトムブラケットシェル収容部の前方に設けられ、上記ボトムブラケットシェルを上記ボトムブラケットシェル収容部に収容したとき、上記ボトムブラケットシェルを水平方向に拘束する拘束部材とを有し、
上記ボトムブラケットシェル収容部に上記ボトムブラケットシェルを収容したとき、上記自転車の後輪または前輪が宙に浮く高さを有する自転車用スタンド
である駐輪場である。
【0018】
この駐輪場の発明においては、その性質に反しない限り、上記の自転車用スタンドの発明に関連して説明したことが成立する。
【発明の効果】
【0019】
この発明によれば、極めて簡単な操作で容易に自転車をセットすることができる自転車用スタンドおよび駐輪場を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1A】この発明の第1の実施の形態による自転車用スタンドのスタンバイ状態を示す正面図である。
【
図1B】この発明の第1の実施の形態による自転車用スタンドのスタンバイ状態を示す背面図である。
【
図1C】この発明の第1の実施の形態による自転車用スタンドのスタンバイ状態を示す左側面図である。
【
図1D】この発明の第1の実施の形態による自転車用スタンドのスタンバイ状態を示す右側面図である。
【
図1E】この発明の第1の実施の形態による自転車用スタンドのスタンバイ状態を示す平面図である。
【
図2A】この発明の第1の実施の形態による自転車用スタンドのセット状態を示す正面図である。
【
図2B】この発明の第1の実施の形態による自転車用スタンドのセット状態を示す背面図である。
【
図2C】この発明の第1の実施の形態による自転車用スタンドのセット状態を示す左側面図である。
【
図2D】この発明の第1の実施の形態による自転車用スタンドのセット状態を示す右側面図である。
【
図2E】この発明の第1の実施の形態による自転車用スタンドのセット状態を示す平面図である。
【
図3】この発明の第1の実施の形態による自転車用スタンドに自転車をセットする方法を示す側面図である。
【
図4】この発明の第1の実施の形態による自転車用スタンドに自転車をセットする方法を示す側面図である。
【
図5A】この発明の第2の実施の形態による自転車用スタンドのスタンバイ状態を示す正面図である。
【
図5B】この発明の第2の実施の形態による自転車用スタンドのスタンバイ状態を示す背面図である。
【
図5C】この発明の第2の実施の形態による自転車用スタンドのスタンバイ状態を示す左側面図である。
【
図5D】この発明の第2の実施の形態による自転車用スタンドのスタンバイ状態を示す右側面図である。
【
図5E】この発明の第2の実施の形態による自転車用スタンドのスタンバイ状態を示す平面図である。
【
図6A】この発明の第2の実施の形態による自転車用スタンドのセット状態を示す正面図である。
【
図6B】この発明の第2の実施の形態による自転車用スタンドのセット状態を示す背面図である。
【
図6C】この発明の第2の実施の形態による自転車用スタンドのセット状態を示す左側面図である。
【
図6D】この発明の第2の実施の形態による自転車用スタンドのセット状態を示す右側面図である。
【
図6E】この発明の第2の実施の形態による自転車用スタンドのセット状態を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、発明を実施するための形態(以下、実施の形態という。)について説明する。
〈1.第1の実施の形態〉
[自転車用スタンド]
図1A、
図1B、
図1C、
図1Dおよび
図1Eは第1の実施の形態による自転車用スタンドのスタンバイ状態(自転車をセットすることができる状態)を示し、
図1Aは正面図、
図1Bは背面図、
図1Cは左側面図、
図1Dは右側面図、
図1Eは平面図である。
【0022】
図1A、
図1B、
図1C、
図1Dおよび
図1Eに示すように、この自転車用スタンドは、基台10と、この基台10上に垂直にかつ互いに平行に立設された2本の板状の支柱20、30とを有する。
【0023】
支柱20、30の前側の上半分の部分の間には、側面から見た時に基台10に垂直方向に延びるボトムブラケットシェル支持体40が支柱20、30に対して昇降自在に設けられている。ボトムブラケットシェル支持体40は、支柱20、30に平行な左右二つの直線部40a、40bと支柱20、30に垂直、従って基台10に平行な直線部40cとからなり、正面から見た時に全体としてほぼU字形状を有する。支柱20の内面には、基台10に垂直方向に延びる2本のガイド部材51、52が間にボトムブラケットシェル支持体40の直線部40aを挟むように取り付けられている。同様に、支柱30の内面には、基台10に垂直方向に延びる2本のガイド部材53、54が間にボトムブラケットシェル支持体40の直線部40bを挟むように、しかもガイド部材51、52と対向して取り付けられている。ボトムブラケットシェル支持体40の直線部40a、40bの上端面には基台10に垂直方向にそれぞれ溝41a、41bが設けられている。ボトムブラケットシェル支持体40の直線部40aおよび溝41aを貫通して軸42が基台10に平行に通されており、溝41aの内部において、この軸42の中央部にローラー43がこの軸42の周りに回転可能に取り付けられている。同様に、ボトムブラケットシェル支持体40の直線部40bおよび溝41bを貫通して軸44が基台10に平行に通されており、溝41bの内部において、この軸44の中央部にローラー45がこの軸44の周りに回転可能に取り付けられている。ローラー43、45の材質は、ボトムブラケットシェルを押し上げるのに必要な機械的強度が得られる限り特に限定されず必要に応じて選ばれるが、ボトムブラケットシェルと接触したときに傷を付けないようにするために、好適には、プラスチックや木などである。あるいは、ローラー43、45は、金属性のローラーの外周面をプラスチックや木などにより構成したものであってもよい。
【0024】
支柱20、30の間に、ボトムブラケットシェル支持体40の直線部40cの少し下方の高さの位置に基台10に平行に軸60が取り付けられている。軸60の両端部は、支柱20、30の内面に設けられた穴(図示せず)に回転可能に収容されている。この軸60の中央部に偏心カム65が取り付けられている。偏心カム65は、軸60の中心軸と軸60の中心軸から最も離れた端とを通る直線と、軸60の中心軸と軸60の中心軸から最も近い端とを通る直線とが直交しており、これらの直線に関して対称な形状を有する。スタンバイ状態では、偏心カム65は、軸60の中心軸と軸60の中心軸から最も離れた端とを通る直線がほぼ基台10に平行になっており、軸60の中心軸と軸60の中心軸から最も近い端とを通る直線は基台10に垂直になっている。そして、ボトムブラケットシェル支持体40の直線部40cの半円柱面状に湾曲した下面の最下端が偏心カム65の最上端と接触している。偏心カム65には後方の斜め上の方向に延びる直線状のレバー70が取り付けられている。レバー70を軸60の周りに回転させて偏心カム65を回転させることにより、直線部40cの下面が偏心カム65に接触しているボトムブラケットシェル支持体40を昇降させることができるようになっている。
【0025】
一方、支柱20、30の後側の上部には、基台10に垂直に四角形の断面形状を有する穴81、82がそれぞれ設けられている。穴81、82には、それぞれ逆L字状のボトムブラケットシェル拘束部材91、92の、基台10に垂直な長辺部91a、92aの下部が挿入されている。ボトムブラケットシェル拘束部材91、92は穴81、82と同じく四角形の断面形状を有する角管からなる。ボトムブラケットシェル拘束部材91、92は穴81、82の内部を昇降させることができるようになっている。ボトムブラケットシェル拘束部材91、92は、支柱20、30の後面に設けられた雌ねじ21、31にねじ込まれた雄ねじ22、32を先端部がボトムブラケットシェル拘束部材91、92の長辺部91a、92aに当たるまで回すことにより穴81、82に対して固定することができるようになっている。雄ねじ22、32を緩め、ボトムブラケットシェル拘束部材91、92を昇降させることにより、ボトムブラケットシェル拘束部材91、92の高さを調節することができる。ボトムブラケットシェル拘束部材91、92の短辺部91b、92bの先端部は先端から所定の距離の範囲に亘って角管の上面および下面が除去され、両側面だけが残された状態となっている。そして、この短辺部91b、92bの先端部の両側面を貫通して基台10に平行にそれぞれ軸93、94が通されており、これらの軸93、94の中央部にこれらの軸93、94の周りに回転可能にローラー95、96が取り付けられている。ボトムブラケットシェル拘束部材91、92の長辺部91a、92aの途中の部分は角管の前面および後面が除去され、両側面だけが残された状態となっている。そして、長辺部91a、92aのこの部分の両側面を貫通して基台10に平行にそれぞれ軸97、98が通されており、これらの軸97、98の中央部にこれらの軸97、98の周りに回転可能にローラー99、100がそれぞれ取り付けられている。ローラー95、96、99、100の材質はローラー43、45と同様である。ローラー95、96、99、100およびローラー43、45の位置および直径は、ローラー95、96、99、100とローラー43、45とに囲まれた空間が、この自転車用スタンドにセットする自転車のボトムブラケットシェルより大きくなるように選ばれている。
図1Cおよび
図1Dにボトムブラケットシェルを一点鎖線で示す。
【0026】
基台10は、この自転車用スタンドを設置面(地面、部屋の床面等)に載せた時に安定なものであれば、基本的にはどのような形状および大きさであってもよく、必要に応じて選ばれるが、一例を挙げると、長方形または正方形の平板からなり、少なくとも10cm×10cmの大きさを有し、一般的には30cm×30cm以下の大きさを有する。基台10の材質は、この自転車用スタンドに載せられる自転車の重量に耐えられる十分な機械的強度を有するものが選ばれ、例えば、鉄鋼、アルミニウム合金、木材等が選ばれる。必要に応じて、設置面上でのこの自転車用スタンドの滑りを防止するために、基台10の裏面に滑り止めを設けてもよい。例えば、基台10の裏面にラバーなどを張り付けることにより自転車用スタンドの滑りを防止することができる。自転車用スタンドを設置面に固定して使用する場合には、ボルトなどにより基台10を設置面に固定してもよいし、容易に剥がすことができる粘着性シートを用いて設置面に接着してもよい。
【0027】
支柱20、30の横断面の形状は基本的にはどのような形状であってもよく、必要に応じて選ばれるが、ここでは細長い四角形の例が示されている。支柱20、30の横断面の形状あるいは大きさは支柱20、30の長手方向に一定であっても一定でなくてもよいが、ここでは、支柱20、30の横断面の大きさが基台10から離れるに従って減少する例が示されている。この例では、支柱20、30の後側の部分に比べて前側の部分の高さが低くなっており、また、この低くなっている部分の前方の角部は面取りされている。支柱20、30の材質は、この自転車用スタンドに載せられる自転車の重量に耐えられる十分な機械的強度を有するものが選ばれ、例えば、鉄鋼、アルミニウム合金、木材等が選ばれる。基台10の底面から、ボトムブラケットシェル支持体40が最下位の位置にある時のローラー43、45の上端までの高さは、この自転車用スタンドを設置面に置いた時にそのボトムブラケットシェルの下面の最下位の位置がローラー43、45の上端とほぼ一致するように選ばれる。
【0028】
支柱20、30と基台10とは互いに一体に形成してもよいし、基台10と支柱20、30とを別々に形成し、これらを互いに固定してもよい。基台10に対する支柱20、30の固定には種々の方法を用いることができる。例えば、支柱20、30の下部に底面に垂直な雌ねじを形成し、支柱20、30に対応する部分の基台10にこれらの雌ねじに対応してこれらの雌ねじの直径よりも少し大きい貫通孔を形成し、基台10の裏面から雄ねじを差し込み、支柱20、30の下部の雌ねじにねじ込むことによりねじ止めする。
【0029】
支柱20、30は、必要に応じて、補強のために、例えば、基台10から任意の高さの1箇所または複数箇所で基台10に平行な固定軸により互いに固定して、全体として梯子状の形状を有するようにしてもよい。
【0031】
図2A、
図2B、
図2C、
図2Dおよび
図2Eに示すように、このセット状態では、レバー70が最初、後方の斜め上の方向を向いていた状態から斜め下の方向を向いた状態になっている。これに応じて、偏心カム65は軸60の周りに回転して偏心カム65の軸60の中心から最も離れた部分に近い部分が上方を向いてボトムブラケットシェル支持体40の直線部40cを上方に押し上げている。この状態では、自転車のボトムブラケットシェルがボトムブラケットシェル拘束部材91、92のローラー95、96、99、100に接して水平方向および垂直方向に拘束される。
【0032】
[自転車用スタンドの使用方法]
図3に示すように、まず、この自転車用スタンド100を設置面、例えば地面や室内の床面等に基台10を下にして設置する。自転車用スタンド100は
図1A、
図1B、
図1C、
図1Dおよび
図1Eに示すスタンバイ状態にしておく。
【0033】
次に、セットしようとする自転車200を設置面上で移動し、ボトムブラケットシェル201を自転車用スタンド100の正面側からボトムブラケットシェル支持体40の上端部のローラー43、46の上を滑らせながらこれらのローラー43、45とボトムブラケットシェル拘束部材91、92のローラー95、96、99、100とにより囲まれた空間に収容する。次に、レバー70の先端部を足で押して下方に回転させ、
図2Cおよび
図2Dに示すように偏心カム65を軸60の周りに回転させることによりボトムブラケットシェル支持体40を上昇させ、ローラー43、45をボトムブラケットシェル201の下面に接触させて斜め後方に押し上げ、ボトムブラケットシェル201をローラー95、96、99、100に接触させる。こうすることで、ボトムブラケットシェル201は、ボトムブラケットシェル支持体40のローラー43、45により支持されるとともに、これらのローラー43、45とボトムブラケットシェル拘束部材91、92のローラー95、96、99、100とにより3方向から拘束され、従って水平方向および垂直方向に拘束された状態となる。
【0034】
こうして、
図4に示すように、ボトムブラケットシェル201が水平方向および垂直方向に拘束された状態で自転車200が自転車用スタンド100にセットされる。水平方向で見た時、ボトムブラケットシェル201は自転車200の重心から約10cm後方に位置しているが、ボトムブラケットシェル201を自転車用スタンド100で支持することにより、自転車200の全体の重量の約8割以上が自転車用スタンド100にかかる。例えば、総重量が9.5kgの自転車200をそのまま床面に置いた場合は、前輪荷重は4.6kg、後輪荷重は4.8kgであるのに対し、自転車用スタンド100に同じ自転車200をセットした場合には、前輪荷重は1.2kg、後輪荷重は0kgであり、自転車用スタンド100にかかる重量は8.3kgである。このセット状態では、自転車200の後輪に荷重はかからず、後輪は持ち上がって床面から浮いた状態となる。このため、この状態で後輪を容易に外すことができる。また、前輪にかかる荷重も小さいため、前輪を外すことも容易である。さらに、前輪と後輪の片方ずつであれば、ホイールの着脱が可能である。自転車200によっては、後部に籠等の付属物が取り付けられていることがあるが、その付属物がある程度重いと後輪荷重が増える結果、前輪が持ち上がって床面から浮いた状態となることもある。この状態では前輪を容易に外すことができる。
【0035】
自転車200を自転車用スタンド100から取り外す場合は、レバー70の先端部を足で上に押して上方に回転させ、偏心カム65を軸60の周りに回転させてボトムブラケットシェル支持体40をスタンバイ状態の位置に戻し、ボトムブラケットシェル201が接触した状態でローラー43、45をスタンバイ状態の位置に戻戻す。この後、ボトムブラケットシェル201が、ボトムブラケットシェル支持体40のローラー43、45とボトムブラケットシェル拘束部材91、92のローラー95、96、99、100とにより囲まれた空間の外に出るように自転車200を水平方向に移動させる。
【0036】
この第1の実施の形態によれば、極めて簡単な操作で容易に、しかも後輪あるいは前輪が宙に浮いた状態で自転車をセットすることができる自転車用スタンドを実現することができる。また、この自転車用スタンドは、スペースが小さくて済み、チェ−ンやギアの周りのスペースを確保することができるためそれらの掃除を簡単に行うことができ、自転車をセットした状態でクランクを容易に回すことができ、後輪や前輪を容易に外すことができ、車輪にかかる負荷も小さくすることができる、といった種々の利点を有する。さらに、この自転車用スタンドは、部屋の床や壁にビス等で固定する必要がなく、単に設置面に置くだけで良いため、設置場所を容易に変えることができ、賃貸物件の部屋でも使用することができるという利点も有する。
【0038】
図5A、
図5B、
図5C、
図5Dおよび
図5Eに示すように、この自転車用スタンドは、基台310と、この基台310上に垂直にかつ互いに平行に立設された2本の板状の支柱320、330とを有する。支柱320、330は、必要に応じて、補強のために、例えば、基台10から任意の高さの1箇所または複数箇所で基台10に平行な固定軸(図示せず)により互いに固定して、全体として梯子状の形状を有するようにしてもよい。
【0039】
支柱320、330の上部の前側の部分には後方に向かうにつれて高さが高くなるように基台310に対して傾斜した傾斜部321、331が支柱320、330の幅方向の途中まで設けられており、その後、一旦、基台310に平行になっている。そして、この基台310に平行な部分に連なって、自転車のボトムブラケットシェルを収容することができる大きさを有するボトムブラケットシェル支持部322、332が設けられている。傾斜部321、331の前側の端の基台310の底面からの高さは、自転車用スタンドにセットする自転車のボトムブラケットシェルの最下端とほぼ同一または最下端より少し低くなるように選ばれている。
図5Cおよび
図5Dにボトムブラケットシェルを一点鎖線で示す。好適には、傾斜部321、331の上をボトムブラケットシェルがスムーズに移動することができるように、傾斜部321、331の傾斜面に一つまたは複数のローラーを設け、そのローラーの上を転がしながらボトムブラケットシェルを移動させるようにしてもよい。ボトムブラケットシェル支持部322、332の最下端の高さは傾斜部321、331の直ぐ後の平行部の高さより少しだけ低くなっており、従ってボトムブラケットシェル支持部322、332は少し窪んでいる。従って、自転車のボトムブラケットシェルがボトムブラケットシェル支持部322、332に移動しときには、ボトムブラケットシェルはボトムブラケットシェル支持部322、332の窪んだ部分に入り込み、水平方向に移動することなく安定に支持される。ボトムブラケットシェル支持部322、332はボトムブラケットシェル支持部322、332の上部の支柱320、330はボトムブラケットシェル支持部322、332の上に迫り出した庇状の形状を有している。ボトムブラケットシェル支持部322、332とボトムブラケットシェル支持部322、332の上に迫り出した庇状の部分とに囲まれた空間がボトムブラケットシェル収容部となる。
【0040】
支柱320、330の上部のボトムブラケットシェル支持部322、332に隣接する部分には破線で示す輪郭を有する空洞部323、333が設けられている。これらの空洞部323、333の内部にそれぞれボトムブラケットシェル拘束部材340、350が収容されている。これらのボトムブラケットシェル拘束部材340、350は一端に前方を向いた鉤340a、350aの付いた円弧状の形状を有する。スタンバイ状態では、鉤340a、350aはボトムブラケットシェル支持部322、332の奥の円柱面よりほぼ全体が突出した状態になっている。これらのボトムブラケットシェル拘束部材340、350は、ボトムブラケットシェル支持部322、332に隣接する部分の支柱320、330を貫通して取り付けられた軸360、370の周りに回転可能になっている。この場合、軸360、370の中心からボトムブラケットシェル拘束部材340、350の鉤340a、350aと反対側の端部までの距離は、軸360、370の中心からボトムブラケットシェル拘束部材340、350の鉤340a、350aの根元の部分までの距離に比べて十分に大きく、例えば2倍以上に取られており、ボトムブラケットシェル拘束部材340、350の鉤340a、350aの前面がボトムブラケットシェル支持部322、332の奥側に押された時、それにより移動した距離に比べて、ボトムブラケットシェル拘束部材340、350の鉤340a、350aの反対側の端部が傾斜部321、331から突出する距離が十分に大きく、例えば2倍以上になり、ボトムブラケットシェルをボトムブラケットシェル拘束部材340、350により水平方向に拘束することができるようになっている。
【0041】
基台310、支柱320、330などについては、第1の実施の形態と同様である。
【0043】
図6A、
図6B、
図6C、
図6Dおよび
図6Eに示すように、このセット状態では、ボトムブラケットシェル拘束部材340、350の鉤340a、350aが後方に移動し、それによってボトムブラケットシェル拘束部材340、350が軸360、370の周りに回転してボトムブラケットシェル拘束部材340、350の鉤340a、350aと反対側の端部が傾斜部321、331から十分な高さまで突出する。また、ボトムブラケットシェルはボトムブラケットシェル支持部322、332の窪んだ部分に入り込み、安定に支持される。
【0044】
[自転車用スタンドの使用方法]
第1の実施の形態と同様に、まず、この自転車用スタンド100を設置面、例えば地面や室内の床面等に基台310を下にして設置する。自転車用スタンド100は
図5A、
図5B、
図5C、
図5Dおよび
図5Eに示すスタンバイ状態にしておく。
【0045】
次に、セットしようとする自転車200を設置面上で移動し、ボトムブラケットシェル201を自転車用スタンド100の正面側から傾斜部321、331上を登らせてボトムブラケットシェル支持部322、332に収容する。このとき、ボトムブラケットシェル拘束部材340、350の鉤340a、350aが奥側に押され、それによってボトムブラケットシェル拘束部材340、350が軸360、370の周りに回転し、ボトムブラケットシェル拘束部材340、350の鉤340a、350aと反対側の端部が傾斜部321、331から突出する。こうすることで、ボトムブラケットシェル201は、ボトムブラケットシェル支持部322、332により垂直方向に支持および拘束され、ボトムブラケットシェル拘束部材340、350により水平方向に拘束された状態となる。
【0046】
こうして、ボトムブラケットシェル201が水平方向および垂直方向に拘束された状態で自転車200が自転車用スタンド100にセットされる。
【0047】
自転車200を自転車用スタンド100から取り外す場合は、自転車200を自転車用スタンド100から離す方向に移動させる。このとき、ボトムブラケットシェル201によりボトムブラケットシェル拘束部材340、350の鉤340a、350aと反対側の端部が手前に押され、それによってボトムブラケットシェル拘束部材340、350が軸360、370の周りに回転し、ボトムブラケットシェル拘束部材340、350の鉤340a、350aと反対側の端部が傾斜部321、331の下方に移動する。自転車200をさらに移動させると、ボトムブラケットシェル201は傾斜部321、331を滑り降り、遂には支柱320、330から離れる。
【0048】
この第2の実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様な利点を得ることができる。
【0049】
〈3.第3の実施の形態〉
[自転車用スタンド]
第1の実施の形態においては、支持体40を偏心カム65の回転により支柱20、30に対して昇降自在に構成し、ボトムブラケットシェル拘束部材91、92を支柱20、30に固定しているが、第3の実施の形態による自転車用スタンドにおいては、ボトムブラケットシェル拘束部材91、92を支柱20、30に固定せず、ボトムブラケットシェル拘束部材91、92の下部にボトムブラケットシェル支持体40を一体化させた構造とし、ボトムブラケットシェル拘束部材91、92がボトムブラケットシェル支持体40と同様に支柱20、30に対して昇降自在となるように構成し、さらに、支柱20、30の上部にボトムブラケットシェルを下方から支持する支持部、例えば湾曲部を設ける。また、第1の実施の形態と異なり、スタンバイ状態では、偏心カム65は、軸60の中心軸と軸60の中心軸から最も離れた端とを通る直線が基台10に垂直になっており、軸60の中心軸と軸60の中心軸から最も近い端とを通る直線は基台10に平行になっている。そして、スタンバイ状態では、ボトムブラケットシェル拘束部材91、92がボトムブラケットシェルを拘束可能な位置より上に上昇しており、セット状態では、ボトムブラケットシェル拘束部材91、92がボトムブラケットシェルを拘束可能な位置に下降する。
【0050】
[自転車用スタンドの使用方法]
まず、この自転車用スタンド100を設置面、例えば地面や室内の床面等に基台10を下にして設置する。自転車用スタンド100はスタンバイ状態にしておく。
【0051】
次に、セットしようとする自転車200を設置面上で移動し、ボトムブラケットシェル201を自転車用スタンド100の正面側から支柱20、30の上部の支持部に載せる。次に、レバー70の先端部を足で押して下方に回転させ、偏心カム65を軸60の周りに回転させることによりボトムブラケットシェル拘束部材91、92を下降させ、ボトムブラケットシェル201にローラー95、96、99、100を接触させる。こうすることで、ボトムブラケットシェル201は、支柱20、30の上部の支持部により支持されるとともに、支持部とボトムブラケットシェル拘束部材91、92のローラー95、96、99、100とにより3方向から拘束され、従って水平方向および垂直方向に拘束された状態となる。
【0052】
こうして、ボトムブラケットシェル201が水平方向および垂直方向に拘束された状態で自転車200が自転車用スタンド100にセットされる。
【0053】
自転車200を自転車用スタンド100から取り外す場合は、レバー70の先端部を足で上に押して上方に回転させ、偏心カム65を軸60の周りに回転させてボトムブラケットシェル支持体40をスタンバイ状態の位置に戻す。この後、ボトムブラケットシェル201が支柱20、30の支持部から離れるように自転車200を水平方向に移動させる。
【0054】
この第3の実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様な利点を得ることができる。
【0055】
〈4.第4の実施の形態〉
[自転車用スタンド]
第2の実施の形態においては、円弧状のボトムブラケットシェル拘束部材340、350を用い、これらのボトムブラケットシェル拘束部材340、350を軸360、370の周りに回転させることによりスタンバイ状態とセット状態とを切り替えているが、第4の実施の形態による自転車用スタンドにおいては、直線状のボトムブラケットシェル拘束部材340、350を用い、これらのボトムブラケットシェル拘束部材340、350の昇降によりスタンバイ状態とセット状態とを切り替えることが、第2の実施の形態と異なる。すなわち、第4の実施の形態においては、傾斜部321、323の後部の位置に上下方向に延びる直線状のボトムブラケットシェル拘束部材340、350を支柱320、330の空洞323、333に収容された状態で昇降運動だけが可能な状態で設ける。ボトムブラケットシェル拘束部材340、350の下面は、空洞323、333の内部に支柱320、330に対して上下方向に伸縮可能に設けられたコイルスプリング(図示せず)の上端と接触している。スタンバイ状態およびセット状態において、ボトムブラケットシェル拘束部材340、350の上部は、傾斜部321、323から、ボトムブラケットシェルを水平方向に拘束することができる高さまで突出している。ボトムブラケットシェル拘束部材340、350の上部は、好適には、側面から見た時に山形になるように形成される。
【0056】
[自転車用スタンドの使用方法]
まず、この自転車用スタンド100を設置面、例えば地面や室内の床面等に基台310を下にして設置する。自転車用スタンド100はスタンバイ状態にしておく。
【0057】
次に、セットしようとする自転車200を設置面上で移動し、ボトムブラケットシェル201を自転車用スタンド100の正面側から傾斜部321、331上を登らせ、ボトムブラケットシェル201によりボトムブラケットシェル拘束部材340、350を傾斜部321、331の下に押し下げた後、ボトムブラケットシェル支持部322、332に収容する。ボトムブラケットシェル201がボトムブラケットシェル拘束部材340、350を通過した時点でボトムブラケットシェル拘束部材340、350はコイルスプリングの力で元の位置に復帰し、ボトムブラケットシェル拘束部材340、350の上部が傾斜部321、331から突出する。以上により、ボトムブラケットシェル201は、ボトムブラケットシェル支持部322、332により垂直方向に支持および拘束され、ボトムブラケットシェル拘束部材340、350により水平方向に拘束された状態となる。
【0058】
こうして、ボトムブラケットシェル201が水平方向および垂直方向に拘束された状態で自転車200が自転車用スタンド100にセットされる。
【0059】
自転車200を自転車用スタンド100から取り外す場合は、自転車200を自転車用スタンド100から離す方向に移動させる。このとき、ボトムブラケットシェル201が当たることによりボトムブラケットシェル拘束部材340、350が押し下げられ、ボトムブラケットシェル201が傾斜部321、331を滑り降りる。ボトムブラケットシェル201が通過した後、ボトムブラケットシェル拘束部材340、350は元の位置に復帰する。自転車200をさらに移動させると、ボトムブラケットシェル201は支柱320、330から離れる。
【0060】
この第4の実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様な利点を得ることができる。
【0061】
以上、この発明の実施の形態および実施例について具体的に説明したが、この発明は、上述の実施の形態および実施例に限定されるものではなく、この発明の技術的思想に基づく各種の変形が可能である。
【0062】
例えば、上述の実施の形態および実施例において挙げた数値、形状、構造、材質等はあくまでも例に過ぎず、必要に応じてこれらと異なる数値、形状、構造、材質等を用いてもよい。
【0063】
また、例えば、必要に応じて、上述の第1〜第3および第5の実施の形態による自転車用スタンドにおいて、基台10、310、610、2010に車輪を取り付けることにより、自転車用スタンドを設置面上で車輪によって移動させることができるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0064】
10、310…基台、20、30、320、330…支柱、40…ボトムブラケットシェル支持体、43、45、95、96、99、100…ローラー、60…軸、65…偏心カム、70…レバー、91、92、340、350…ボトムブラケットシェル拘束部材、100…自転車用スタンド、200…自転車、201…ボトムブラケットシェル、321、331…傾斜部、322、332…ボトムブラケットシェル支持部
【手続補正書】
【提出日】2018年8月16日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基台と、
上記基台上に立設された支柱と、
上記支柱に上記支柱に対して上記基台に垂直方向に昇降可能に取り付けられた、自転車のボトムブラケットシェルを下方から支持する支持体と、
上記支柱と上記支持体とを連結するように設けられた、足で操作することにより上記支持体を上記支柱に対して昇降させる昇降機構と、
上記支柱の上部に固定され、上記支持体を上記基台に垂直方向に上昇させたとき、上記支持体とともに上記ボトムブラケットシェルを互いに異なる3方向から拘束して水平方向および垂直方向に拘束する拘束部材とを有し、
上記支持体を上昇させ、上記ボトムブラケットシェルを水平方向および垂直方向に拘束したとき、上記自転車の後輪または前輪が宙に浮く高さを有し、
使用する際には、設置面に上記基台を下にして設置し、上記支持体を上記昇降機構により下降させてスタンバイ状態とし、セットしようとする自転車を上記設置面上で移動し、上記自転車のボトムブラケットシェルを正面側から上記支持体と上記拘束部材とにより囲まれた空間に収容し、上記昇降機構を足で操作することにより上記支持体を上昇させることにより上記ボトムブラケットシェルを水平方向および垂直方向に拘束し、上記自転車を取り外す場合は、上記昇降機構を足で操作することにより上記支持体を下降させてスタンバイ状態の位置に戻した後、上記ボトムブラケットシェルが上記支持体と上記拘束部材とにより囲まれた空間の外に出るように上記自転車を上記設置面上で移動させる自転車用スタンド。
【請求項2】
上記昇降機構は足でレバーを回し、または、ペダルを踏むことにより操作することが可能に構成されている請求項1記載の自転車用スタンド。
【請求項3】
上記昇降機構は、カム機構、リンク機構、歯車機構、ベルト機構、チェーン機構またはガススプリング機構である請求項1または2記載の自転車用スタンド。
【請求項4】
上記昇降機構は、上記支持体の下端に接したカムと、このカムに取り付けられたレバーとを有する請求項1記載の自転車用スタンド。
【請求項5】
上記支持体および上記拘束部材は、上記支持体および上記拘束部材に取り付けられたローラーにより上記ボトムブラケットシェルを拘束する請求項1〜4のいずれか一項記載の自転車用スタンド。
【請求項6】
基台と、
上記基台上に立設され、自転車のボトムブラケットシェルを下方から支持する支持部を上部に有する支柱と、
上記支柱に上記支柱に対して上記基台に垂直方向に昇降可能に取り付けられた、上記ボトムブラケットシェルを少なくとも垂直方向に拘束する拘束部材と、
上記支柱と上記拘束部材とを連結するように設けられた、足で操作することにより上記拘束部材を上記支柱に対して昇降させる昇降機構とを有し、
上記支持部により上記ボトムブラケットシェルを支持したとき、上記自転車の後輪または前輪が宙に浮く高さを有し、
上記拘束部材を下降させたとき、上記支持部とともに上記ボトムブラケットシェルを水平方向および垂直方向に拘束し、
使用する際には、設置面に上記基台を下にして設置し、上記拘束部材を上記昇降機構により上昇させてスタンバイ状態とし、セットしようとする自転車を上記設置面上で移動し、上記自転車のボトムブラケットシェルを正面側から上記支柱の上記支持部と上記拘束部材とにより囲まれた空間に収容して上記支持部により支持し、上記昇降機構を足で操作することにより上記拘束部材を下降させることにより上記ボトムブラケットシェルを水平方向および垂直方向に拘束し、上記自転車を取り外す場合は、上記昇降機構を足で操作することにより上記拘束部材を上昇させてスタンバイ状態の位置に戻した後、上記ボトムブラケットシェルが上記支柱の上記支持部と上記拘束部材とにより囲まれた空間の外に出るように上記自転車を上記設置面上で移動させる自転車用スタンド。
【請求項7】
基台と、
上記基台上に立設され、自転車のボトムブラケットシェルを下方から支持するとともに水平方向および垂直方向に拘束するボトムブラケットシェル収容部およびこのボトムブラケットシェル収容部の下端に連なり、このボトムブラケットシェル収容部に向かって上側に傾斜した傾斜部を上部に有する支柱と、
上記ボトムブラケットシェル収容部の内周面または上記ボトムブラケットシェル収容部の前方に設けられ、上記ボトムブラケットシェルを上記ボトムブラケットシェル収容部に収容したとき、上記ボトムブラケットシェルを水平方向に拘束する拘束部材とを有し、
上記ボトムブラケットシェル収容部に上記ボトムブラケットシェルを収容したとき、上記自転車の後輪または前輪が宙に浮く高さを有し、
使用する際には、設置面に上記基台を下にして設置し、セットしようとする自転車を上記設置面上で移動し、上記自転車のボトムブラケットシェルを正面側から上記傾斜部上を登らせて上記ボトムブラケットシェル収容部に収容し、上記ボトムブラケットシェル収容部により上記ボトムブラケットシェルを水平方向および垂直方向に拘束するとともに、上記拘束部材により上記ボトムブラケットシェルを水平方向に拘束し、上記自転車を取り外す場合は、上記自転車を上記設置面上でセットする時と逆の方向に移動し、上記拘束部材による上記ボトムブラケットシェルの拘束を解除し、上記ボトムブラケットシェルを上記傾斜部上を滑り降ろす自転車用スタンド。
【請求項8】
1つまたは複数の自転車用スタンドが設置された駐輪場であって、
少なくとも1つの上記自転車用スタンドが、
基台と、
上記基台上に立設された支柱と、
上記支柱に上記支柱に対して上記基台に垂直方向に昇降可能に取り付けられた、自転車のボトムブラケットシェルを下方から支持する支持体と、
上記支柱と上記支持体とを連結するように設けられた、足で操作することにより上記支持体を上記支柱に対して昇降させる昇降機構と、
上記支柱の上部に固定され、上記支持体を上記基台に垂直方向に上昇させたとき、上記支持体とともに上記ボトムブラケットシェルを互いに異なる3方向から拘束して水平方向および垂直方向に拘束する拘束部材とを有し、
上記支持体を上昇させ、上記ボトムブラケットシェルを水平方向および垂直方向に拘束したとき、上記自転車の後輪または前輪が宙に浮く高さを有し、
使用する際には、設置面に上記基台を下にして設置し、上記支持体を上記昇降機構により下降させてスタンバイ状態とし、セットしようとする自転車を上記設置面上で移動し、上記自転車のボトムブラケットシェルを正面側から上記支持体と上記拘束部材とにより囲まれた空間に収容し、上記昇降機構を足で操作することにより上記支持体を上昇させることにより上記ボトムブラケットシェルを水平方向および垂直方向に拘束し、上記自転車を取り外す場合は、上記昇降機構を足で操作することにより上記支持体を下降させてスタンバイ状態の位置に戻した後、上記ボトムブラケットシェルが上記支持体と上記拘束部材とにより囲まれた空間の外に出るように上記自転車を上記設置面上で移動させる自転車用スタンド
である駐輪場。
【請求項9】
1つまたは複数の自転車用スタンドが設置された駐輪場であって、
少なくとも1つの上記自転車用スタンドが、
基台と、
上記基台上に立設され、自転車のボトムブラケットシェルを下方から支持する支持部を上部に有する支柱と、
上記支柱に上記支柱に対して上記基台に垂直方向に昇降可能に取り付けられた、上記ボトムブラケットシェルを少なくとも垂直方向に拘束する拘束部材と、
上記支柱と上記拘束部材とを連結するように設けられた、足で操作することにより上記拘束部材を上記支柱に対して昇降させる昇降機構とを有し、
上記支持部により上記ボトムブラケットシェルを支持したとき、上記自転車の後輪または前輪が宙に浮く高さを有し、
上記拘束部材を下降させたとき、上記支持部とともに上記ボトムブラケットシェルを水平方向および垂直方向に拘束し、
使用する際には、設置面に上記基台を下にして設置し、上記拘束部材を上記昇降機構により上昇させてスタンバイ状態とし、セットしようとする自転車を上記設置面上で移動し、上記自転車のボトムブラケットシェルを正面側から上記支柱の上記支持部と上記拘束部材とにより囲まれた空間に収容して上記支持部により支持し、上記昇降機構を足で操作することにより上記拘束部材を下降させることにより上記ボトムブラケットシェルを水平方向および垂直方向に拘束し、上記自転車を取り外す場合は、上記昇降機構を足で操作することにより上記拘束部材を上昇させてスタンバイ状態の位置に戻した後、上記ボトムブラケットシェルが上記支柱の上記支持部と上記拘束部材とにより囲まれた空間の外に出るように上記自転車を上記設置面上で移動させる自転車用スタンド
である駐輪場。
【請求項10】
1つまたは複数の自転車用スタンドが設置された駐輪場であって、
少なくとも1つの上記自転車用スタンドが、
基台と、
上記基台上に立設され、自転車のボトムブラケットシェルを下方から支持するとともに水平方向および垂直方向に拘束するボトムブラケットシェル収容部およびこのボトムブラケットシェル収容部の下端に連なり、このボトムブラケットシェル収容部に向かって上側に傾斜した傾斜部を上部に有する支柱と、
上記ボトムブラケットシェル収容部の内周面または上記ボトムブラケットシェル収容部の前方に設けられ、上記ボトムブラケットシェルを上記ボトムブラケットシェル収容部に収容したとき、上記ボトムブラケットシェルを水平方向に拘束する拘束部材とを有し、
上記ボトムブラケットシェル収容部に上記ボトムブラケットシェルを収容したとき、上記自転車の後輪または前輪が宙に浮く高さを有し、
使用する際には、設置面に上記基台を下にして設置し、セットしようとする自転車を上記設置面上で移動し、上記自転車のボトムブラケットシェルを正面側から上記傾斜部上を登らせて上記ボトムブラケットシェル収容部に収容し、上記ボトムブラケットシェル収容部により上記ボトムブラケットシェルを水平方向および垂直方向に拘束するとともに、上記拘束部材により上記ボトムブラケットシェルを水平方向に拘束し、上記自転車を取り外す場合は、上記自転車を上記設置面上でセットする時と逆の方向に移動し、上記拘束部材による上記ボトムブラケットシェルの拘束を解除し、上記ボトムブラケットシェルを上記傾斜部上を滑り降ろす自転車用スタンド
である駐輪場。