特開2019-59517(P2019-59517A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2019-59517(P2019-59517A)
(43)【公開日】2019年4月18日
(54)【発明の名称】農産物の結束装置
(51)【国際特許分類】
   B65B 27/00 20060101AFI20190322BHJP
【FI】
   B65B27/00 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2017-186869(P2017-186869)
(22)【出願日】2017年9月27日
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成28年度、知の拠点あいち重点研究プロジェクト「次世代ロボット社会形成技術開発プロジェクト・ロボット分野」委託研究、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
(71)【出願人】
【識別番号】000002059
【氏名又は名称】シンフォニアテクノロジー株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】304027349
【氏名又は名称】国立大学法人豊橋技術科学大学
(74)【代理人】
【識別番号】100074332
【弁理士】
【氏名又は名称】藤本 昇
(74)【代理人】
【識別番号】100114432
【弁理士】
【氏名又は名称】中谷 寛昭
(74)【代理人】
【識別番号】100138416
【弁理士】
【氏名又は名称】北田 明
(72)【発明者】
【氏名】坂田 順
(72)【発明者】
【氏名】爪 光男
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 健介
(72)【発明者】
【氏名】三浦 純
(72)【発明者】
【氏名】増沢 広朗
(72)【発明者】
【氏名】三好 孝典
【テーマコード(参考)】
3E052
【Fターム(参考)】
3E052AA06
3E052AA50
3E052BA10
3E052CA06
3E052CA11
3E052CB04
3E052CB05
3E052CB07
3E052FA10
3E052JA12
(57)【要約】      (修正有)
【課題】傷めることなく結束できる農産物の結束装置を提供する。
【解決手段】縦方向に延びる部分を有する複数の農産物1に対して略直交する横方向から繰り出し可能に設けられ、一方の面に粘着面を有する粘着テープ21,31により複数の農産物を結束する構成とし、粘着テープの非粘着面側を下方から支持する粘着テープ支持部4と、所定位置に位置している複数の農産物と粘着テープ支持部とを相対的に上下動させる昇降機構6と、粘着テープ支持部のうち、複数の農産物を結束する位置で粘着テープを支持している粘着テープ支持部を、昇降機構による第1の上下動により粘着テープを支持しないように粘着テープ支持部に開口4Aが形成される開放状態に切り替え、かつ、切り替えた状態において昇降機構による第2の上下動により複数の農産物と当接することにより粘着テープが開口4Aを通して下方へ繰り出されて複数の農産物の周囲に巻き付ける巻付機構7を備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
縦方向に延びる部分を有する複数の農産物に対して略直交する横方向から繰り出し可能に設けられ、一方の面に粘着面を有する粘着テープにより複数の農産物を結束する農産物の結束装置であって、
繰り出される前記粘着テープの非粘着面側を下方から支持する粘着テープ支持部と、
所定位置に位置している複数の農産物と前記粘着テープ支持部とを相対的に上下動させる昇降機構と、
前記粘着テープ支持部のうち、複数の農産物を結束する位置で前記粘着テープを支持している該粘着テープ支持部を、前記昇降機構による第1の上下動により該粘着テープを支持しないように該粘着テープ支持部に開口が形成される開放状態に切り替え、かつ、切り替えた状態において前記昇降機構による第2の上下動により複数の農産物と当接することにより前記粘着テープが前記開口を通して下方へ繰り出されて該粘着テープを複数の農産物の周囲に巻き付ける巻付機構と、を備えていることを特徴とする農産物の結束装置。
【請求項2】
農産物が、葉身部及び葉柄部を有する葉状農産物であり、積み重ねた複数の葉状農産物の葉柄部を前記第2の上下動に先立って拘束する拘束手段を備え、該拘束手段で複数の葉柄部を拘束した状態で該複数の葉柄部に前記粘着テープを前記巻付機構により巻付けることを特徴とする請求項1に記載の農産物の結束装置。
【請求項3】
前記粘着テープ支持部が、横方向において接近及び離間可能に構成され、かつ、接近側に移動付勢される1組の支持部材から構成され、前記巻付機構が、前記昇降機構による第1の上下動に伴い接近側に移動付勢されている前記1組の支持部材を離間させて前記支持しない開放状態に切り替えるカム機構を備えていることを特徴とする請求項1又は2に記載の農産物の結束装置。
【請求項4】
前記粘着テープが左右方向両側から複数の農産物に対して繰り出されるように構成され、左右方向両側から繰り出された粘着テープの先端部同士が複数の農産物を結束する位置で結合されていることを特徴とする請求項1〜3のうちのいずれか1項に記載の農産物の結束装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の農産物に対して略直交する横方向から繰り出し可能に設けられた粘着テープにより複数の農産物を結束する農産物の結束装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、農産物としてのネギの複数を、テープを用いて結束する結束装置が提案されている。この結束装置は、複数のネギの長手方向2箇所を結束する1組の束ね器から構成されている。各束ね器は、粘着テープに巻き戻し抵抗を付与するブレーキ手段を備える粘着テープ取付具と、粘着テープ取付具からのテープを案内するとともにネギを載置する載置台と、案内された粘着テープを切断し、切断した粘着テープの端部を保持する粘着テープ切断保持具と、該粘着テープの端部を折り返して複数のネギに巻き付けるための粘着テープ折り返し具とから構成されている(特許文献1)。
【0003】
前記特許文献1の結束装置では、巻き戻し抵抗を付与するブレーキ手段により粘着テープに弛みがない状態で、粘着テープ切断保持具で切断した粘着テープの端部を粘着テープ折り返し具により折り返しながら、複数のネギに巻き付けて結束する。この構成では、巻き戻し抵抗が付与される粘着テープに引っ張り力が作用しているため、粘着テープをネギに巻き付ける際に、ネギに大きな巻付力が作用してネギを傷めてしまうことがあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平5−294313号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで本発明は、農産物を傷めることなく結束することができる農産物の結束装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の農産物の結束装置は、縦方向に延びる部分を有する複数の農産物に対して略直交する横方向から繰り出し可能に設けられ、一方の面に粘着面を有する粘着テープにより複数の農産物を結束する農産物の結束装置であって、繰り出される前記粘着テープの非粘着面側を下方から支持する粘着テープ支持部と、所定位置に位置している複数の農産物と前記粘着テープ支持部とを相対的に上下動させる昇降機構と、前記粘着テープ支持部のうち、複数の農産物を結束する位置で前記粘着テープを支持している該粘着テープ支持部を、前記昇降機構による第1の上下動により該粘着テープを支持しないように該粘着テープ支持部に開口が形成される開放状態に切り替え、かつ、切り替えた状態において前記昇降機構による第2の上下動により複数の農産物と当接することにより前記粘着テープが前記開口を通して下方へ繰り出されて該粘着テープを複数の農産物の周囲に巻き付ける巻付機構と、を備えていることを特徴としている。
【0007】
本発明によれば、複数の農産物を結束する場合には、まず昇降機構による第1の上下動により粘着テープを支持しないように開口が形成される開放状態に切り替える。続いて、開放状態に切り替えた状態において昇降機構による第2の上下動により複数の農産物と粘着テープとが当接し、粘着テープが開口を通して下方へ繰り出されて、粘着テープを複数の農産物の周囲に巻き付けることができる。この巻き付け時には、農産物に対して粘着テープを巻き付けるように繰り出されるだけなので、農産物を傷めることがない。
【0008】
また、本発明の農産物の結束装置は、農産物が、葉身部及び葉柄部を有する葉状農産物であり、積み重ねた複数の葉状農産物の葉柄部を前記第2の上下動に先立って拘束する拘束手段を備え、該拘束手段で複数の葉柄部を拘束した状態で該複数の葉柄部に前記粘着テープを前記巻付機構により巻付けてもよい。
【0009】
上記のように、拘束手段で複数の葉柄部を拘束することによって、昇降機構による第2の上下動により複数の葉柄部と粘着テープとが当接したときに、粘着テープを開口を通して下方へ確実に繰り出すことができる。
【0010】
また、本発明の農産物の結束装置は、前記粘着テープ支持部が、横方向において接近及び離間可能に構成され、かつ、接近側に移動付勢される1組の支持部材から構成され、前記巻付機構が、前記昇降機構による第1の上下動に伴い接近側に移動付勢されている前記1組の支持部材を離間させて前記支持しない開放状態に切り替えるカム機構を備えていてもよい。
【0011】
上記のように、カム機構により接近側に移動付勢されている1組の支持部材を離間させて支持しない開放状態に切り替えることができるので、1組の支持部材を離間させるための別の駆動機構が不要になり、結束装置の簡素化を図ることができる。
【0012】
また、本発明の農産物の結束装置は、前記粘着テープが左右方向両側から複数の農産物に対して繰り出されるように構成され、左右方向両側から繰り出された粘着テープの先端部同士が複数の農産物を結束する位置で結合されていてもよい。
【0013】
上記のように、粘着テープが左右方向両側から複数の農産物に対して繰り出され、繰り出された粘着テープの先端部同士が結合されていることによって、一方側から粘着テープを繰り出す構成の場合のように繰り出した粘着テープの先端を押える機構を設けることが不要になり、構成を簡素にすることができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、複数の農産物と当接することにより粘着テープが開口を通して下方へ繰り出されて粘着テープを複数の農産物の周囲に巻き付けることによって、農産物を傷めることなく結束することができる農産物の結束装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の農産物の結束装置の正面図であり、粘着テープを左右方向両側から中央に繰り出し、繰り出した粘着テープの先端部同士を貼り合わせた状態を示している。
図2】同結束装置の正面図であり、粘着テープ支持部を所定の下降位置まで下降させた状態を示している。
図3】同結束装置の側面図である。
図4】同結束装置の側面図であり、積み重ねた大葉の葉柄部に拘束手段を初期位置から結束位置まで移動させた状態を示している。
図5】同結束装置に備える拘束手段の正面図を示し、(a)は大葉の葉柄部を拘束する直前の状態を示し、(b)は大葉の葉柄部を拘束した状態を示している。
図6】同結束装置の正面図であり、粘着テープを大葉の葉柄部に巻き付けて結束が完了した状態を示している。
図7】同結束装置の側面図であり、粘着テープを大葉の葉柄部に巻き付けて結束が完了した状態を示している。
図8】同結束装置に備えるカッターの側面図を示し、(a)はソレノイドによりカッターを切断動作させた状態を示し、(b)はカッターを切断動作する直前の状態を示している。
図9】同結束装置の側面図であり、結束した粘着テープを切断した状態を示している。
図10】同結束装置の側面図であり、拘束手段を結束位置から初期位置まで移動させた状態を示している。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明に係る農産物の結束装置の一実施形態を、図面に基づいて説明を行う。なお、ここでは、農産物として、図2及び図3に示す葉身部1A及び葉柄部1Bを有する大葉1(葉状農産物という)を挙げて説明する。
【0017】
図1図3に示すように、複数の大葉1に対して略直交する左右方向(横方向)両側から粘着テープ21,31を繰り出し可能に巻回されている2つのテープロール2,3と、該テープロール2,3から繰り出される粘着テープ21,31の非粘着面側を下方から支持する粘着テープ支持部4と、所定位置に位置している複数の大葉を載置する大葉固定台5と、大葉固定台5に対して粘着テープ支持部4を上下動させる昇降機構6と、粘着テープ支持部4のうち、複数の大葉を結束する位置で粘着テープ21,31を支持している粘着テープ支持部4を、昇降機構6による第1の上下動により粘着テープ21,31を支持しないように粘着テープ支持部4に開口4A(図2参照)が形成される開放状態に切り替え、かつ、切り替えた状態において昇降機構6による第2の上下動により複数の大葉と当接することにより粘着テープ21,31が開口4Aを通して下方へ繰り出されて粘着テープ21,31を複数の農産物の周囲に巻き付ける巻付機構7と、積み重ねた複数の大葉1の葉柄部1Bを第2の上下動に先立って拘束する拘束手段8(図3参照)と、を備えている。
【0018】
テープロール2,3のそれぞれは、粘着テープ21,31を巻き付けて構成されている。また、テープロール2,3から繰り出される粘着テープ21,31の上面は、粘着面を備え、該粘着テープ21,31の下面は、非粘着面になっている。また、左右方向両側から繰り出された粘着テープ21,31の先端部同士が、複数の大葉1の葉柄部1Bを結束する位置で粘着面同士の当接により結合されている。このように、2つの粘着テープ21,31が左右方向両側から左右方向中央に繰り出され、繰り出された粘着テープ21,31の先端部同士が結合されることによって、一方側から粘着テープを繰り出す構成の場合のように繰り出した粘着テープの先端を押える機構を設けることが不要になり、構成を簡素にすることができる。尚、前記粘着テープ21,31の先端部同士が、後述する回転ローラ413,413に挟み込まれて保持されている(図1参照)。
【0019】
粘着テープ支持部4が、左右方向(横方向)において接近及び離間可能に構成され、かつ、接近側にコイルバネ9,9(ゴム等の弾性体でもよい)により移動付勢される1組の支持部材41,41から構成されている。各支持部材41は、左右方向両端に配置された角型の固定部材411と、固定部材411に形成の貫通孔(図示せず)に移動可能に挿入される棒状体412と、棒状体412の固定部材411から離間する側の端部に取り付けられた回転ローラ413と、を備えている。棒状体412,412にコイルバネ9,9が外装されることによって、一対の回転ローラ413,413が互いに当接する左右方向中央側に移動付勢されている。また、固定部材411,411の下端のそれぞれには、下方に延びる下側部材414が取り付けられ、これら下側部材414,414の下端同士が水平姿勢の連結部材415により連結され、これら5つの部材411,411,414,414,415により上方が開放された略U字状の枠部材Wを構成している。この枠部材Wは、図示しないガイド部材により上下動自在に支持されている。また、枠部材Wの連結部材415の下端にボールネジ機構から構成される第1直動アクチュエータ10に備えるネジ軸10Aの先端が連結されており、ネジ軸10Aを上下動させることにより枠部材W及び粘着テープ支持部4を上下動させることができるように構成されている。この第1直動アクチュエータ10が、粘着テープ支持部4を上下動させる昇降機構6を構成している。
【0020】
大葉固定台5は、水平な板状部材から構成され、所定位置に固定されている。大葉固定台5の前端に、大葉固定台5に載置される複数(10枚であるが、図では8枚にしている)の大葉1の葉柄部1Bを集めるための左右一対のガイド部材5A,5A(図5(a)参照)を備えている。ガイド部材5A,5Aは、大葉1の葉柄部1Bを左右中央部に案内すべく、下方側ほど中央に位置する傾斜案内面5a,5aを有する直角三角形状の板状に構成されている。
【0021】
巻付機構7は、図1及び図2に示すように、第1直動アクチュエータ10による第1の上下動に伴い接近側に移動付勢されている1組の支持部材41,41を離間させて支持しない開放状態に切り替えるカム機構11を備えている。このカム機構11は、前記2つの回転ローラ413,413が取り付けられた棒状体412,412から下方に延びる延出部材416,416の下方に取り付けられ、所定間隔をおいて配置される当接用回転ローラ111,111と、これら当接用回転ローラ111,111が当接して、当接用回転ローラ111,111を離間する方向に前記コイルバネ9,9の付勢力に抗して移動させる当接部材112と、を備えている。当接部材112は、先端側ほど先細りに形成された先端部112Aと、先端部112Aにより当接用回転ローラ111,111を離間する方向に移動させてからその離間状態を所定時間(大葉1の葉柄部1Bの周囲に粘着テープ21,31を巻き付けることができる時間)だけ維持するよう、同一幅に構成された本体部112Bと、を備えている。このように、カム機構11により接近側に移動付勢されている1組の支持部材41,41を離間させて支持しない開放状態に切り替えることができるので、1組の支持部材41,41を離間させるための別の駆動機構が不要になり、結束装置の簡素化を図ることができる。
【0022】
拘束手段8は、図3及び図5(a),(b)に示すように、前後方向の軸12を介して開閉揺動自在に取り付けられ、かつ、図示していないバネ(弾性材でもよい)により開放側に付勢されている一対の拘束部材81,81と、一対の拘束部材81,81を閉じ側に操作する拘束用ソレノイド82と、を備えている。拘束用ソレノイド82は、コア部材を収容するハウジング82Aと、通電により電磁吸着作用を発揮して上方へ突出操作されるプランジャー82Bと、を備えている。従って、拘束用ソレノイド82の非通電状態では、バネの付勢力により一対の拘束部材81,81が開放側に付勢され、拘束用ソレノイド82の通電状態では、プランジャー82Bが上方に突出して拘束部材81,81をバネの付勢力に抗して閉じ側に操作して複数の大葉1の葉柄部1Bを拘束する。尚、プランジャー82Bの先端には、一対の拘束部材81,81を閉じ側に操作するための当接部材83が取り付けられている。また、拘束用ソレノイド82は、前記枠部材Wの連結部材415に固定された縦板部材417の側面に取り付けられ、また、前記軸12が縦板部材417の上部に貫通した状態で取り付けられている。
【0023】
また、図3に示すように、枠部材Wの連結部材415の後端に、下方に延びるスカート部418が取り付けられている。このスカート部418にボールネジ機構から構成される第2直動アクチュエータ13に備えるネジ軸13Aの先端が連結され、ネジ軸13Aの前後移動によりスカート部418を含む枠部材Wを前後方向に移動させることができる。この第2直動アクチュエータ13により、前記拘束手段8で拘束する場合に、拘束手段8を複数の大葉1の葉柄部1Bを拘束可能な位置まで移動させることができる。また、拘束後の不要な時は、拘束手段8を拘束位置から待機位置まで移動させることができる。
【0024】
また、図3及び図8(a),(b)に示すように、大葉1の葉柄部1Bに巻き付けられて閉じられた部分の粘着テープ21,31の上側部分を切り離して次の結束作業が行えるように、該粘着テープ21,31の上側部分を切断する切断手段14を備えている。この切断手段14は、粘着テープ21,31を切断するカッター14Aと、カッター14Aを待機位置から突出させて粘着テープ21,31を切断する切断位置へ移動させるカッター駆動用ソレノイド14Bと、を備えている。カッター駆動用ソレノイド14Bは、前記縦板部材417の上端に前方に延びるように連結された水平板部材419上に取り付けられ、カッター駆動用ソレノイド14Bのプランジャー14bの先端にカッター14Aが取り付けられている。
【0025】
上記のように構成された結束装置により複数枚の大葉1の葉柄部1Bを結束する手順について説明する。まず、図1に示すように、左右のテープロール2,3から粘着テープ21,31をそれぞれ繰り出して粘着テープ21,31の先端部同士を複数の大葉を結束する位置で粘着面同士を当接させることにより結合させ、結合させた先端部を回転ローラ413,413間に挟み込んだ状態で保持している。この作業は、人為的に行ってもよいし、ロボットアームを用いて自動的に行ってもよい。この状態から第1直動アクチュエータ10の作動によりネジ軸10Aを下方へ移動させることで1組の支持部材41,41を下降させる(第1の上下動)。これにより、図2に示すように、カム機構11が1組の支持部材41,41を離間させて支持しない開放状態に切り替える。この状態になると、ロボットハンド等を用いて大葉を所定枚数になるまで大葉固定台5に1枚ずつ積み重ねる(又は所定枚数積み重ねた大葉1をロボットハンド等を用いて大葉固定台5に移動して載置する)。
【0026】
図2及び図3に示す大葉1を載置した後は、図4に示すように、第2直動アクチュエータ13の作動により拘束手段8を拘束位置まで移動させる。この移動後に拘束用ソレノイド82への通電により一対の拘束部材81,81を閉じて大葉1の葉柄部1Bを拘束する(図5(b)参照)。この状態から第1直動アクチュエータ10の作動によりネジ軸10Aを前記とは反対の上方へ移動させることで1組の支持部材41,41を上昇させる(第2の上下動)。これにより、拘束された大葉1の葉柄部1Bに粘着テープ21,31の先端部に当接し、粘着テープ21,31が開口4Aを通して下方へ繰り出されて、粘着テープ21,31を大葉1の葉柄部1Bの周囲に巻き付ける。粘着テープ21,31の巻き付けが終了した時点から当接部材112の先端部が徐々に当接用回転ローラ111,111から外れることによって、一対の回転ローラ413,413が閉じる。これにより粘着テープ21,31の粘着面同士が当接して閉じられた状態になる(図6及び図7参照)。
【0027】
結束後は、拘束用ソレノイド82への通電を解除して拘束部材81,81による大葉1の葉柄部1Bの拘束を解除する。この後、図8及び図9に示すように、カッター用ソレノイド14Bを作動させてカッター14Aを突出して粘着面同士が当接して閉じられた部分における粘着テープ21,31の上側部分を切断することによって、大葉1の葉柄部1Bを粘着テープ21,31で結束した状態を保ちつつ、結束した粘着テープ21,31からテープロール側の粘着テープ21,31を切り離すことができる。切断後は、第2直動アクチュエータ13を作動させて拘束手段8を拘束位置から待機位置(図10参照)へ移動させて結束作業を終了する。結束が終了した後は、結束された大葉1を大葉固定台5から人為的又はロボットハンドにより移動させて次の結束作業が行えるよう待機する。
【0028】
前記のように、カッター14Aにより粘着テープ21,31を切断した後は、一対の回転ローラ413,413により粘着テープ21,31の先端部同士を接着した状態で挟んでいるため、次回の結束作業時において粘着テープ21,31を繰り出して先端部同士を接着する等の作業を不要にすることができ、結束作業を連続して行うことができ、作業時間の短縮を図ることができる。
【0029】
尚、本発明に係る農産物の結束装置は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0030】
前記実施形態では、縦方向に延びる葉柄部1Bを有する大葉1を結束する結束装置を説明したが、バラ、菊、ネギ等、棒状(茎状又は枝状)の部分を有する農産物を結束する結束装置であってもよい。
【0031】
また、前記実施形態では、直動アクチュエータとして、ボールネジ機構を示したが、リニアモータ、油圧シリンダ、エアシリンダ等であってもよい。
【0032】
また、前記実施形態では、粘着テープ支持部4を一旦下降させることによって開放状態に切り替え、この切り替えた状態で、粘着テープ支持部4を上昇させることによって、開口4Aを通して繰り出された粘着テープを農産物に巻き付けるように構成したが、粘着テープ支持部4を上昇させることによって開放状態に切り替え、この切り替えた状態で、粘着テープ支持部4を更に上昇させることによって、開口4Aを通して繰り出された粘着テープを農産物に巻き付けるようにしてもよい。実施形態のように粘着テープ支持部4を一旦下降させて上昇させる構成にすることによって、2段階に粘着テープ支持部4を上昇させる構成に比べて、結束装置の上下方向の小型化を図ることができる。
【0033】
また、前記実施形態では、粘着テープを左右方向両側から繰り出す構成としたが、粘着テープを左右方向一方側から繰り出す構成としてもよい。この場合、繰り出した粘着テープの先端を押えておく機構を設けることになる。
【0034】
また、前記実施形態では、粘着テープ支持部4が、横方向において接近及び離間可能に構成され、かつ、接近側に移動付勢される1組の支持部材41,41から構成されているが、粘着テープ支持部4が、移動不能に固定され、大葉1の葉柄部1Bの結束位置に対応する部分に開口が形成された固定支持部と、前記開口を閉じ状態にする又は開放状態にすべく、水平軸芯回りで少なくとも90°を越える角度まで回動させて開口を開放状態にするための開閉自在な可動蓋部と、を備えた構成であってもよい。前記90°を越える角度とは、粘着テープが開放されて形成される開口を通して大葉1の葉柄部1Bの周囲に支障なく巻き付けることができる角度である。
【0035】
また、前記実施形態では、大葉1の葉柄部1Bを拘束する拘束手段8を備えたが、省略してもよい。
【0036】
また、前記実施形態では、拘束手段8を大葉1の葉柄部1Bを拘束できる拘束位置と大葉1の葉柄部1Bから遠ざかる待機位置とに移動可能に構成したが、拘束手段8を大葉1の葉柄部1Bを拘束できる拘束位置に固定された状態で備えていてもよい。この場合、粘着テープ支持部4を2段階で上昇させて粘着テープ21,31を農産物に巻き付ける構成にすることによって、拘束手段8を大葉1の葉柄部1Bを拘束できる拘束位置に固定された状態でも、拘束手段8が邪魔になって結束作業に支障を来すことを回避することができる。
【0037】
また、前記実施形態では、カム機構11を用いて1組の支持部材41,41を離間させる構成としたが、アクチュエータを用いて1組の支持部材41,41を離間させる構成であってもよい。
【0038】
また、前記実施形態では、粘着テープ支持部4を農産物(実施形態では大葉固定台5)に対して上下動させたが、農産物を粘着テープ支持部4に対して上下動させてもよいし、農産物及び粘着テープ支持部4の両者を上下動させてもよい。
【符号の説明】
【0039】
1…大葉(農産物)、1A…葉身部、1B…葉柄部、2,3…テープロール、4…粘着テープ支持部、4A…開口、5…大葉固定台、5A…ガイド部材、5a…傾斜案内面、6…昇降機構、7…巻付機構、8…拘束手段、9…コイルバネ、10…第1直動アクチュエータ(昇降機構)、10A…ネジ軸、11…カム機構、12…軸、13…第2直動アクチュエータ、13A…ネジ軸、14…切断手段、14A…カッター、14B…カッター駆動用ソレノイド、14b…プランジャー、21,31…粘着テープ、41…支持部材、81…拘束部材、82…拘束用ソレノイド、82A…ハウジング、82B…プランジャー、83…当接部材、111…当接用回転ローラ、112…当接部材、112A…先端部、112B…本体部、411…固定部材、412…棒状体、413…回転ローラ、414…下側部材、415…連結部材、416…延出部材、417…縦板部材、418…スカート部、419…水平板部材、W…枠部材
図1
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図10