荷台搬送ロボットRは、ボデイ1と、ボデイ1に設けられた一対のクローラ装置2(走行装置)と、ボデイ1に設けられてカーゴ100(荷台)を持ち上げるリフタ70と、ボデイ1に設けられカーゴ100のキャスタ102(脚部)を検知可能な走査範囲を有するレーザ距離センサ8と、ボデイ1に設けられクローラ装置2とリフタ70を制御するコントローラ1aと、を備えている。コントローラ1は、レーザ距離センサ8によるカーゴ100のキャスタ102の距離情報に基づき、カーゴ100に対するロボットRの位置を演算し、この演算されたロボット位置情報に基づきクローラ装置2を制御することにより、ロボットRのカーゴ100に対する潜り込みや位置決めを行う。
上記コントローラは、上記ロボットが上記荷台から離間した状態で、上記レーザ距離センサからの情報に基づく上記ロボットの上記荷台に対する位置情報にしたがって上記走行装置を制御することにより、上記ロボットを上記荷台の下に潜り込ませるとともに上記荷台に対する基準位置に位置させることを特徴とする請求項1に記載の荷台搬送用ロボット。
上記コントローラは、上記ロボットが上記荷台に潜り込んだ状態で、上記レーザ距離センサからの情報に基づく上記ロボットの上記荷台に対する位置情報にしたがって上記走行装置を制御することにより、上記ロボットを上記荷台に対する基準位置に位置させることを特徴とする請求項1に記載の荷台搬送用ロボット。
上記コントローラは、上記ロボットを上記荷台に対する基準位置に位置させた後、上記リフト手段を制御することにより上記荷台を持ち上げることを特徴とする請求項2または3に記載の荷台搬送用ロボット。
上記コントローラは、上記第1工程で上記クローラ走行を実行し、上記第3工程で上記ローリング走行を実行し、上記第4工程で上記クローラ走行を実行し、上記第4工程では上記ロボットの中心軸線に対する上記荷台の中心の横ずれに対応した旋回を実行することを特徴とする請求項6に記載の荷台搬送用ロボット。
上記リフト手段は、単一の受けプレートを有し、この受けプレートが下限位置にある状態で、上記ボデイと上記受けプレートとの間に隙間が形成されており、この隙間を上記レーザ距離センサからのレーザ光が通過可能であることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の荷台搬送用ロボット。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の第1実施形態をなすロボット(荷台搬送用ロボット)について図面を参照しながら説明する。
図1、
図2において互いに直交するX方向(第1方向)とY方向(第2方向)を定める。
図1、
図2に示すように、ロボットRは、ボデイ1と、一対のクローラ装置2(走行装置)と、4つのリフタ70からなるリフト手段を備えている。このボデイ1は平面矩形をなしており、ボデイ1には、クローラ装置2、リフタ70等を制御するマイクロコンピュータおよびインターフェイスを含むコントローラ1a(
図2にのみ示す)、送受信器、バッテリ等(いずれも図示せず)が内蔵されている。
【0018】
一対のクローラ装置2は2方向に走行可能であり、それぞれX方向に延びる細長い円筒形状をなすクローラユニット3を有している。一対のクローラユニット3は互いにY方向に離間している。各クローラユニット3は、ボデイ1からY方向に突出する一対のブラケット4により、X方向に延びる第1回転軸線L1を中心として回転可能にボデイ1に支持されている。クローラユニット3がボデイ1の側方に配置されているので、ボデイ1を低くしても、クローラユニット3の径を大きくすることができる。
【0019】
図3に示すように、各クローラ装置2のクローラユニット3は、サポ―ト10と、サポ―ト10に設けられた一対のクローラ部20A,20Bと、サポ―ト10に設けられた一対の接地構造30A,30Bとを有している。
【0020】
上記サポ―ト10は、互いに平行をなしX方向(第1回転軸線L1方向)に延びるとともに第1回転軸線L1を挟んで対峙する一対の細長い支持板11,11と、これら支持板11,11の一端部に回転可能に連結された原動側シャフト12と、支持板11,11の他端部に連結された従動側シャフト13と、支持板11、11の中間部に固定された固定板14とを有している。
【0021】
原動側シャフト12と従動側シャフト13の中心軸線L2,L2’は、上記第1回転軸線L1と直交し互いに平行をなして延びており、それぞれ後述するスプロケットホイール21,22の回転軸線(第2回転軸線)として提供される。
【0022】
上記一対のクローラ部20A,20Bは、第1回転軸線L1を挟んで対向配置されている。これらクローラ部20A,20Bの各々は、第1回転軸線L1方向に離れた原動スプロケットホイール21(ホイール)および従動スプロケットホイール22(ホイール)と、これらスプロケットホイール21,22に掛け渡されたチェーン23(無端条体)と、このチェーン23に等間隔をなして固定された例えばゴムからなる多数の接地部材24とを有している。
【0023】
一方のクローラ部20Aの原動スプロケットホイール21は原動側シャフト12に直接固定されており、他方のクローラ部20Bの原動スプロケットホイール21は、後述の傘歯車42bを介して原動側シャフト12に固定されている。
一対のクローラ部20A,20Bの従動スプロケットホイール22,22は、従動側シャフト13に回転可能に支持されている。
【0024】
上記一対の接地構造30A,30Bの各々は、第1回転軸線L1方向に間隔をおいて配置された複数(本実施形態では5個)の接地板31を有している。これら接地板31は、例えばゴムからなり、支持板11の外面に固定され、支持板11と直角をなして第2回転軸線L2,L2’方向に突出している。
【0025】
図2に示すように、上記一対のクローラ部20A,20Bの接地部材24の外面および上記一対の接地構造30A,30Bの接地板31の外面は、円弧形状をなし、上記スプロケットホイール21,22間において、上記第1回転軸線L1を中心とする仮想円筒面に沿って配置されている。接地板31の外面には、切欠31aが形成されている。
上記接地構造30A,30Bは、クローラユニット3に所定範囲のデッドゾーンを提供している。
【0026】
クローラユニット3は、第1回転軸線L1上に配置された第1回転シャフト41と第2回転シャフト42を介して一対のブラケット4に回転可能に支持されている。
第1回転シャフト41の外端部は一方(
図3における右側)のブラケット4に回転可能に支持されている。第1回転シャフト41の内端部は固定板14に回転可能に支持されている。第1回転シャフト41の内端部には傘歯車42aが固定されており、この傘歯車42aは、原動側シャフト12に固定された傘歯車42bと噛み合っている。第1回転シャフト41はその中間部で上記従動側シャフト13を貫通している。なお、この貫通状態において、第1回転シャフト42の第1回転軸線L1を中心とする回転は許容されている。
【0027】
上記第1回転シャフト41の外端部は、クローラ走行用駆動機構50(クローラ走行用駆動手段)に接続されている。このクローラ走行用駆動機構50は、ブラケット4に固定されたモータ51と、動力伝達機構55を有している。モータ51は正逆回転可能である。動力伝達機構55は、タイミングプーリ55a,55bと、これらタイミングプーリ55a,55bに架け渡されたタイミングベルト55cを有している。一方のタイミングプーリ55aはモータ51の出力軸に固定され、他方のタイミングプーリ55bは第1回転シャフト41に固定されている。
【0028】
モータ51の回転トルクは、動力伝達機構55を経て第1回転シャフト41に伝達され、さらに傘歯車42a,42bを経てクローラ部20Bの原動スプロケットホイール21に伝達され、さらに原動側シャフト12を介してクローラ部20Aの原動スプロケットホイール21にも伝達される。これにより、一対のクローラ部20A,20Bが同時に同方向に同速度で駆動される。
【0029】
上記第2回転シャフト42の外端部は他方(
図3における左側)のブラケット4に回転可能に支持されている。第2回転シャフト42の内端部は原動側シャフト12に連結されている。なお、この連結状態において、原動側シャフト12の第2回転軸線L2を中心とする回転は許容されている。
【0030】
上記第2回転シャフト42の外端部は、ローリング走行用駆動機構60(ローリング走行用駆動手段)に接続されている。このローリング走行用駆動機構60は、ブラケット4に固定されたモータ61と、動力伝達機構65を有している。モータ61は正逆回転可能である。動力伝達機構65は、タイミングプーリ65a,65bと、これらタイミングプーリ65a,65bに架け渡されたタイミングベルト65cを有している。一方のタイミングプーリ65aはモータ61の出力軸に固定され、他方のタイミングプーリ65bは第2回転シャフト42に固定されている。
【0031】
モータ61の回転トルクは、動力伝達機構65を経て第2回転シャフト42に伝達され、さらに、原動側シャフト12を経てサポート10に伝達されるため、クローラユニット3全体が第1回転軸線L1を中心にして回転する(ローリングする)。
【0032】
上記一対のクローラ装置2,2によるロボットRの走行について説明する。各クローラ装置2において、一対のクローラ部20A,20Bが接地された状態で、クローラ走行用駆動機構50のモータ51を駆動させると、前述したようにクローラ部20A,20Bが同方向に同時に回転駆動し、これにより、クローラ装置2はX方向に走行することができる(クローラ走行)。
【0033】
一対のクローラ装置2、2のモータ51,51を同一方向に同一速度で回転することにより、ロボットRはX方向に直進することができる。モータ51,51の回転速度を違えることにより、ロボットRはカーブを描いて走行する(旋回する)こともできる。また、モータ51,51の回転方向を異ならせて同一速度で回転させることにより、ロボットRはその場旋回(超信地旋回)することもできる。
【0034】
クローラ装置2のモータ61を駆動させると、前述したようにクローラユニット5が第1回転軸線L1を中心に回転(ローリング)する。一対のクローラ装置2が同時に同方向に同速度でローリングすることにより、ロボットRはY方向に直進することができる(ローリング走行)。
【0035】
ロボットRは、クローラ走行モードおよびローリング走行モードの一方から他方への切り替えにより、超信地旋回することなく、進行方向を直角に転換することもできる。
【0036】
クローラ装置2のモータ51,61を同時に駆動し、その回転速度、回転方向を制御することにより、ロボットRは任意の斜め方向へも直線的に走行することもできる(斜め走行)。この斜め走行では、クローラユニット3のローリングによってクローラ部20A,20Bの上下部が頻繁に逆転するが、クローラユニット3のデッドゾーンが接地している間(接地構造30の接地板31が接地している間)に、モータ51の回転方向の切り替えが行なわれる。
【0037】
上記クローラ走行では、クローラユニット3がデッドゾーンで着地しておらず、一対のクローラ部20A,20Bのうち少なくとも一方が接地しクローラ部20A,20Bの駆動により走行可能な姿勢にする必要がある。そのため、ローリング走行または斜め走行の終了後に、またはクローラ走行の開始前に、図示しない姿勢検出センサからのクローラユニット3の姿勢情報に基づきローリング駆動機構60を駆動させることにより、上記クローラユニット3が走行可能ゾーンで接地する走行可能姿勢になるように姿勢制御を行うことが好ましい。
【0038】
図1に示すように、前述の4つのリフタ70は、ボデイ1の4隅部にそれぞれ設置されている。
図4に示すように、各リフタ70は互いに独立しており、それぞれが、受台71と、ブラケット72と、ブラケット72に支持されて受台71を昇降させるアクチュエータ73とを有している。ブラケット72は、ボデイ1の上板の下面に固定されている。
【0039】
アクチュエータ73は、ブラケット72に固定されたモータ75と、垂直に延びてブラケット71に上下動可能に支持された昇降ロッド76と、モータ75の回転を減速し昇降ロッド76の上下動に変換する動力伝達機構77とを備えている。昇降ロッド76の上端にはロードセル78(荷重検出手段)を介して上記受台71が取り付けられている。
【0040】
動力伝達機構77は、ブラケット72に回転可能に支持されモータ75の出力軸に減速機構を介して連結されたウオーム77aと、ウオーム77aと噛み合うウオームホイール77bと、ウオームホイール77bと同軸をなすピニオン77cと、昇降ロッド76に形成されピニオン77cと噛み合うラック77dとを有している。
【0041】
リフタ70の受台71は、下限位置にある時に、その上面がボデイ1の上面とほぼ同一平面上にある。受台71の下限位置は、ボデイ1の上面より高くても低くてもよい。受台71の位置(リフト高さ)は、モータ75に接続されたロータリーエンコーダ75aからの情報に基づき演算されるようになっている。
【0042】
コントローラ1aは、4つの受台71が下限位置と上限位置の2つの位置を選択するようにリフタ70のモータ75を制御する。受台71の上限位置と下限位置を、モータ75のロータリーエンコーダ75aの情報を用いて検出する代わりに、リミットスイッチを用いて検出してもよい。
【0043】
図1、
図2に示すように、ボデイ1の上面には、一対のレーザ距離センサ8,8(位置検出手段)がX方向に離間して設置されている。このレーザ距離センサ8は、水平方向に所定の角度範囲Θ、例えば約240°にわたって走査する。なお、このレーザ距離センサ8のレーザ光の仰角は非常に小さいかゼロ(すなわち水平)であり、レーザ距離センサ8,8は、後述するカーゴ100のキャスタ102(脚部)を検知できるようになっている。
【0044】
上記構成のロボットRにより、
図5に示すカーゴ100(荷台)を自動搬送する。
図5には、カーゴ100の底部101のみが示されている。カーゴ100の底部101は平面長方形(矩形)をなし、その4隅部にキャスタ102が取り付けられている。
【0045】
コントローラ1aは、設定されたルートを走行するプログラムにしたがって、一対のクローラ装置2を制御することにより、ロボットRを初期位置から走行させてカーゴ100の下に潜り込ませる。この時、受台71は
図4(A)、
図5に示すように下限位置にある。
【0046】
次にコントローラ1aはロボットRのカーゴ100に対する位置を検出する。すなわち、レーザ距離センサ8,8を駆動し、各レーザ距離センサ8からカーゴ100の4つのキャスタ102までの距離情報を得る。このようにして得られた4つのキャスタ102の距離情報に基づき、ロボットRのカーゴ100に対する現在位置を演算する。この現在位置の情報は、荷台100の中心に対するロボットRの中心の位置、荷台100の向きに対するロボットRの向きの情報を含む。
【0047】
次に、一対のクローラ装置2を制御して、ロボットRを基準位置まで移動させる。この基準位置では、ロボットRの中心がカーゴ100の底部101の中心と一致し、ロボットRの向きがカーゴ100の向きと合致する(具体的には、ボデイ1の4つの辺がカーゴ100の底部101の辺と平行になる)。
なお、レーザ距離センサ8からの距離情報に基づきロボットRの現在位置をリアルタイムで演算しながら、この現在位置を基準位置に近づけるように一対のクローラ装置2を制御してもよい。クローラ装置2の制御では、クローラ走行、ローリング走行、超進地旋回を適宜選択する。
【0048】
次にコントローラ1aは、4つのリフタ70を制御し、
図4(B)、
図6に示すように、受台71を上昇させる。これにより、カーゴ100は持ち上げられ、キャスタ102が床面または地面から浮く。
【0049】
コントローラ1aは、4つのリフタ70の受台71がより一層バランス良く荷重を負担できるような持ち上げ制御を実行することもできる。バランス良く荷重を負担することにより、カーゴ100を安定して持ち上げることができるとともに、安定して搬送することができる。以下、具体的に説明する。
【0050】
コントローラ1aは、4つのリフタ70を駆動してそれらの受台71を上昇させて、カーゴ100を持ち上げる。ロードセル78により検出される荷重に、許容範囲を超える大きな偏りある場合には、4つのリフタ70の受台71を元の下限位置に戻し、4つのリフタ70が負担する荷重の差が許容範囲内に収まる修正位置を演算して、ロボットRを現在の基準位置から演算した修正位置まで移動してカーゴ100の持ち上げ制御を再開する。この基準位置から修正位置までのロボットRの移動時にも、レーザ距離センサ8によるキャスタ102の位置情報が用いられる。
【0051】
上述したようにしてカーゴ100の持ち上げ制御が終了した後、コントローラ1aはクローラ装置2を制御して、カーゴ100を予め設定された目的位置まで搬送する。
搬送終了後に受台71を下降させてカーゴ100を降ろし、クローラ装置2を制御してロボットRをカーゴ100から脱出させる。
【0052】
ロボットRは走行装置として2方向に走行可能なクローラ装置2,2を用いるため、直進性が良く、進行方向の変換を容易に行なえる。
【0053】
コントローラ1aによるロボットRのカーゴ100への潜り込み制御、目的地までのカーゴ100の搬送制御は、例えばライントレース方式で行ってもよい。この場合、ボデイ1の下面に設けられた例えば5つの光学センサの検出情報に基づいて走行制御される。
【0054】
ロボットRの自動走行、自動搬送制御において、レーザ距離センサにより認識された周囲形状をマップマッチングしたり、GPSセンサを用いて、現在の位置、向きを検出しながら、予め設定された経路に沿って走行してもよい。
上記実施形態では、ロボットRの潜り込み状態での位置制御のみならず、ロボットRの荷台100への潜り込み、カーゴ100の持ち上げ、搬送をコントローラ1aによる自動制御で行ったが、これら潜り込み、持ち上げ、搬送の制御をリモートコントローラからの遠隔操作信号をコントローラ1aに送信することにより、遠隔制御してもよい。
【0055】
次に、本発明の第2実施形態について
図7〜
図15を参照しながら説明する。本実施形態のロボットは、
図7に示すようにX方向に細長い矩形をなす平面形状のボデイ1を有しているが、基本構成は第1実施形態と同様であるので各構成部に同番号を付してその詳細な説明を省略する。
【0056】
図7、
図8に示すように、ボデイ1のX方向両端部にはブラケット9を介してレーザ距離センサ8が設けられている。これらレーザ距離センサ8は、水平方向に約240°の走査範囲を有している。
ボデイ1には、その4隅部に対応して4つのリフタ70(リフト手段)が設けられている。
【0057】
第1実施形態と異なり、4つのリフト70は個別の受台71を有さず、その上端が共通の1枚の受けプレート80に連結されている。具体的には
図8に示すように、各リフタ70のロッド76の上端が、固定台79を介して受けプレート80の下面に固定されている。
図7に示すように受けプレート80はX方向に細長い矩形の平板からなり、水平をなしている。
【0058】
4つのリフタ70が下限位置にある時に受けプレート80は、ボデイ1の上面に接近し、4つのリフタ70が上限位置にある時にボデイ1の上面から離れる。
本実施形態では
図8に示すように、受けプレート80が下限位置にある時でもボデイ1と受けプレート80との間に間隙が形成されており、この間隙をレーザ距離センサ8からのレーザ光100が水平に通過可能となっている。そのため、レーザ距離センサ8は受けプレートの上面から突出せずに、広い走査範囲を確保することができる。
【0059】
第1実施形態と同様に、ロボットがカーゴの下に潜り込んだ後で、4つのリフタ70によりカーゴ100(
図5参照)を持ち上げる。本実施形態では、4つのリフタ70に取り付けられた共通の受けプレート80がカーゴ100の底部101に当たり、カーゴ100を持ち上げる。受けプレート80は面積が広く平板状で略水平をなしているので、カーゴ100の底部101の形状が平坦でなく、多数の穴が形成されていたり網状であっても、安定して持ち上げることができる。なお、各リフタ70は常に等しいリフト高さになるように制御される。
【0060】
本実施形態では、ロボットRのカーゴ100への潜り込みが、レーザ距離センサ8からの距離情報に基づいてコントローラ1aにより自動制御される。以下、
図9のフローチャートと
図10〜
図15を参照しながら説明する。
図10には、ロボットRの中心O
Rが示されるとともに、この中心O
Rを通りX方向に延びる中心軸線L
Rが示されている。また、長方形をなすカーゴ100の中心O
Cが示されるとともに、この中心O
Cを通り長辺と直交して延びる中心軸線L
Cが示されている。
【0061】
ロボットRは、リモートコントローラにより遠隔制御されて、
図10の初期位置に到達し、ここで潜り込み制御開始信号を受けてコントローラ1aは
図9の潜り込み制御を開始する。なお、ライントレース方式等によりコントローラ1aがロボットRを設定されたルートに沿って初期位置まで自動走行制御し、その走行制御終了時に潜り込み制御を開始してもよい。
【0062】
上記初期位置は、カーゴ100の保管ヤードの近傍にある。カーゴ100は、所定位置に正確に位置決めされていなくてもよい。例えば初期位置にあるロボットRに対してその中心軸線L
Rから許容範囲内で外れていてもよいし、許容範囲内で傾いていてもよい。なお、ロボットRが初期位置にある時、上記X方向に延びる中心軸線L
Rがカーゴ100の保管ヤードを向くようになっている。
【0063】
最初に、2つのレーザ距離センサ8のうち、カーゴ100を向くレーザ距離センサ8により、カーゴ100を含む領域をレーザ走査し、特徴点を検出する(ステップS1)。レーザ光はカーゴ100のキャスタ102の高さで照射されるので、特徴点にはカーゴ100の4つのキャスタ102が含まれる。
【0064】
次にコントローラ1aは、リフト対象のカーゴ100を特定する(ステップS2)。コントローラ1aは、各カーゴ100における4つのキャスタ102の位置関係を予め記憶しているので、1つまたは複数のカーゴ100のキャスタ102の群を認識でき、他の特徴点(例えば小さな障害物)を排除する。また、認識したカーゴ100が複数ある場合には、ロボットRに最も近いカーゴ100をリフト対象として特定する。
【0065】
第1工程
次に、ロボットRの中心O
Rとカーゴ100の中心O
C間の距離D1が閾距離aに到達したか否かを判断し(ステップS3)、到達するまでクローラ走行を実行し、ロボットRを直進させてカーゴ100に近づける(ステップS4)。そして上記距離D1が閾距離aに達してステップS3で肯定した時に、クローラ走行を停止する(ステップS5)。その結果、ロボットRは
図11に示すように、その中心O
Rがカーゴ100の中心O
Cから閾距離aだけ離間した位置に達する。
【0066】
上述のクローラ走行では、レーザ距離センサ8からの情報を読み込んでリアルタイムにカーゴ100に対するロボットRの位置を把握しながら制御しているが、ロボットRがカーゴ100から上記閾距離aだけ離間した位置に到達するまでのクローラ走行の目標走行距離を最初に算出し、クローラ装置2の走行距離情報(例えばモータ51のロータリーエンコーダ等から算出される走行距離情報)が、上記目標走行距離に達するように、クローラ走行を実行してもよい。
【0067】
第2工程
次に、レーザ距離センサ8からの情報に基づくキャスタ102の位置からロボットRとカーゴ100の間の傾き角度(すなわち、カーゴ100の中心軸線L
Cに対するロボットRの中心軸線L
Rの交差角度)を算出する(ステップS6)。そして、この傾き角度がゼロになるように一対のクローラ装置2を同速度で逆方向に駆動させることにより、ロボットRを超進地旋回させる。より具体的には、ボデイ1に設けた角速度センサからの情報に基づき回転角度を算出し、この回転角度が上記傾き角度に達したら、超進地旋回を停止する。その結果、
図12に示すようにロボットRの向きがカーゴ100の向きと合致する。すなわち、ロボットRの中心軸線L
Rがカーゴ100の中心軸線L
Cと平行になる。
【0068】
上記のように超進地旋回を停止した後で、再びレーザ距離センサ8からの情報に基づくキャスタ102の位置からロボットRとカーゴ100の間の傾き角度を算出し、傾き角度が許容範囲外の場合には上記と同様に超進地旋回を繰り返してもよい。
また、レーザ距離センサ8からの情報を読み込んでリアルタイムにカーゴ100に対するロボットRの傾きを把握しながら上記超進地旋回を実行してもよい。
【0069】
第3工程
次に、カーゴ100に対するロボットRの横ずれ、すなわちカーゴ100の中心軸線L
CとロボットRの中心軸線L
Rとの間の距離D2(
図12参照)を演算し(ステップS8)、この距離D2が閾距離b以内であるか否かを判断する(ステップS9)。この閾距離bは、ローリング走行の際に、接地構造30Aまたは30Bが接地した状態(すなわちデッドゾーンが接地した状態)で走行する距離より若干大きい。
【0070】
ステップS9で否定判断した時には、ロボットRの横移動すなわち、ローリング走行を実行し、
図13に示すように、ロボットRの中心軸線L
Rをカーゴ100の中心軸線L
Cと平行に維持したまま近づける。このローリング走行により、ロボットRはカーゴ100に正対し、潜り込み準備位置に位置する。
【0071】
上記ローリング走行が終了した時点で、クローラユニット3がデッドゾーンで接地している状態を回避し、クローラ部20A,20Bが接地している状態を確保する必要がある。次のクローラ走行を実行するためである。そのため、クローラ部20A,20Bが接地するとともに、ロボットRの中心軸線L
Rとカーゴ100の中心軸線L
Cの間の距離が閾距離b内に収まった時に、ローリング走行を終了する。
【0072】
上述の理由から、ローリング走行が終了した時点で、モータ61のロータリーエンコーダ等の情報に基づき算出された走行距離が上記離間距離D2と一致する場合もあるが、一般的には
図13に示すように、ロボットRの中心軸線L
Rはカーゴ100の中心軸線L
Cに対して閾距離b未満の横ずれを有している。
なお、上記ローリング走行を、レーザ距離センサ8からの情報を読み込んでリアルタイムにカーゴ100に対するロボットRの位置を把握しながら実行してもよい。
【0073】
第4工程
次に、レーザ距離センサ8からの情報を読み込んでリアルタイムにカーゴ100に対するロボットRの位置を把握しながら、ロボットRの中心O
Rがカーゴ100の中心O
Cと一致しているか否かを判断し(ステップS11)、一致するまでクローラ走行を実行する(ステップS12)。このクローラ走行では、中心軸線L
Rがカーゴ100の中心O
Cを通る場合には直進を選択し、中心軸線L
Rが中心O
Cの右側を通る場合には左旋回し、中心軸線L
Rが中心O
Cの左側を通る場合には右旋回する。
【0074】
図14に示すように、ロボットRの中心O
Rがカーゴ100の中心O
Cと一致して、ステップS10で肯定判断した時に、クローラ走行を停止する(ステップS13)。上述のクローラ走行時に左旋回または右旋回すると、ロボットRの向きはカーゴ100の向きと一致せず傾いている。なお、
図14ではロボットRの傾きを誇張しているが、上記旋回が緩やかであるため、実際には数度(例えば最大3°程度)である。
【0075】
第5工程
次に、レーザ距離センサ8からの情報に基づき、上記ロボットRのカーゴ100に対する傾きを算出し、この傾きを解消すべく超進地旋回を実行する(ステップS14)。第5工程ではロボットRがカーゴ100の下に配置されているため、1つのレーザ距離センサ8では4つのキャスタ102を検出できないので、2つのレーザ距離センサ8からの情報が必要である。第5工程の超進地旋回では、第2工程の超進地旋回で述べた他の制御方式を採用することもできる。
【0076】
上記超進地旋回の結果、
図15に示すようにロボットRの向きをカーゴ100の向きに合致させることができ。このようにして、ロボットRをカーゴ100を持ち上げるのに最適な基準位置に配置することができる。
上記潜り込み制御が終了した後、次のリフト制御(ステップS20)に移行する。以後の制御は、第1実施形態と同様であるから説明を省略する。
【0077】
上記第2実施形態において、第1工程でのクローラ走行で旋回を加えてもよい。第5工程は省いてもよい。
上記第2実施形態において、第1、第4工程でローリング走行を実行し、第3工程でクローラ走行を実行してもよい。
【0078】
本発明は上記実施形態に制約されず、種々の形態を採用可能である。リフト手段は、単一のリフタを備えていてもよいし、周方向に間隔をおいて配置された3つまたは5つ以上のリフタを備えていても良い。
【0079】
2方向に走行可能なクローラ装置を用いる場合、クローラ部は、一対のホイールと、このホイールに架け渡されてホイールの外周に摩擦係合またはピン係合されるベルトにより構成してもよい。
接地構造は無くてもよい。この場合、クローラ部の接地部材が占める角度範囲を実施形態より大きくする。
クローラ走行用駆動機構はクローラユニットに内蔵してもよい。
クローラユニットは片持ちで支持してもよい。
【0080】
走行装置としては種々のタイプの走行装置を用いることができる。例えば一般的なクローラ装置をもちいてもよい。
搬送される荷台としては、カーゴの他に台車であってもよい。