特開2019-63942(P2019-63942A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特開2019063942-帯状物切断装置 図000003
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2019-63942(P2019-63942A)
(43)【公開日】2019年4月25日
(54)【発明の名称】帯状物切断装置
(51)【国際特許分類】
   B26D 5/00 20060101AFI20190329BHJP
   D21H 11/14 20060101ALI20190329BHJP
   B26D 7/18 20060101ALI20190329BHJP
   B26D 7/06 20060101ALI20190329BHJP
   B65H 20/24 20060101ALI20190329BHJP
   B26D 1/08 20060101ALN20190329BHJP
【FI】
   B26D5/00 Z
   D21H11/14
   B26D7/18 C
   B26D7/06 Z
   B65H20/24
   B26D1/08
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2017-192332(P2017-192332)
(22)【出願日】2017年10月2日
(71)【出願人】
【識別番号】390002129
【氏名又は名称】デュプロ精工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001298
【氏名又は名称】特許業務法人森本国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】太田 竜一
(72)【発明者】
【氏名】石川 義晃
(72)【発明者】
【氏名】雑賀 理通
【テーマコード(参考)】
3C021
3C027
3F103
4L055
【Fターム(参考)】
3C021DB05
3C021FB02
3C027JJ14
3C027JJ17
3F103AA01
3F103CA02
3F103CA23
3F103EA15
4L055AA11
4L055AC09
(57)【要約】      (修正有)
【課題】帯状物の搬送速度を増加させても、断栽後の枚葉物に後続の帯状物が衝突することを防止できる帯状物切断装置を提供する。
【解決手段】上流搬送部510は、常に設定速度で乾紙101を切断用搬送部520に搬送し、切断用搬送部は、通常制御においては設定速度とほぼ等しい速度で乾紙を切断装置530を通して下流搬送部540に搬送し、切断制御においては乾紙を挟持する状態で乾紙の搬送を停止し、上流搬送部から搬送される乾紙を搬送経路上にループ状に滞留させ、切断制御後には設定速度よりも速い滞留解消速度で乾紙を搬送し、下流搬送部は、通常制御においては設定速度とほぼ等しい速度で乾紙を搬送し、切断制御においては切断用搬送部とともに停止し、切断後には設定速度より速い排出速度で切断後の枚葉物を下流側に搬送し、制御部は、切断制御における切断用搬送部の停止期間および滞留解消速度を上流搬送部の設定速度の増減に基づいて調整する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
帯状物の搬送経路上に上流搬送部と切断用搬送部と切断装置と下流搬送部を配置するとともに、各部を通常制御と切断制御する制御部を備え、
上流搬送部は、通常制御と切断制御の双方で常に設定速度で帯状物を切断用搬送部に搬送し、
切断用搬送部は、通常制御において設定速度とほぼ等しい速度で帯状物を、切断装置を通して下流搬送部に搬送し、切断制御において帯状物を挟持する状態で帯状物の搬送を停止し、上流搬送部から搬送される帯状物を搬送経路上にループ状に滞留させ、切断制御後に設定速度よりも速い滞留解消速度で帯状物を搬送し、
下流搬送部は、通常制御において設定速度とほぼ等しい速度で帯状物を搬送し、切断制御における切断用搬送部とともに停止し、帯状物の切断後に設定速度より速い排出速度で切断後の枚葉物を下流側に搬送し、
制御部は、切断制御における切断用搬送部の停止時間および滞留解消速度を、上流搬送部の設定速度の増減に基づいて調整することを特徴とする帯状物切断装置。
【請求項2】
帯状物の搬送経路上に上流搬送部と切断用搬送部と切断装置と下流搬送部を配置するとともに、各部を通常制御と切断制御する制御部を備え、
上流搬送部は、通常制御と切断制御の双方で常に設定速度で帯状物を切断用搬送部に搬送し、
切断用搬送部は、通常制御において設定速度とほぼ等しい速度で帯状物を、切断装置を通して下流搬送部に搬送し、切断制御において帯状物を挟持する状態で帯状物の搬送を停止し、上流搬送部から搬送される帯状物を搬送経路上にループ状に滞留させ、切断制御後の搬送再開初期、もしくは搬送途中において帯状物に対する挟持状態を解除し、
下流搬送部は、通常制御において設定速度とほぼ等しい速度で帯状物を搬送し、切断制御における切断用搬送部とともに停止し、帯状物の切断後に設定速度より速い排出速度で切断後の枚葉物を下流側に搬送し、
制御部は、切断制御における切断用搬送部の停止時間を、上流搬送部の設定速度の増減に基づいて調整することを特徴とする帯状物切断装置。
【請求項3】
制御部は、切断用搬送部において切断制御後の搬送再開初期に設定速度よりも速い滞留解消速度で帯状物を搬送させ、滞留解消速度を、上流搬送部の設定速度の増減に追従して増減調整することを特徴とする請求項2に記載の帯状物切断装置。
【請求項4】
切断用搬送部は、帯状物を介して対向する一対の搬送ローラを有し、切断制御において双方の搬送ローラ間に帯状物を挟持する状態で停止し、通常制御において双方の搬送ローラ間に帯状物を挟持する状態で搬送し、切断制御後の搬送再開初期、もしくは搬送途中において双方の搬送ローラ間を一旦開放して帯状物に対する挟持状態を解除することを特徴とする請求項2または3に記載の帯状物切断装置。
【請求項5】
切断用搬送部は、一対の搬送ローラの上流側に、上流搬送部から搬送される帯状物を搬送経路上にループ状に滞留させるループ収容空間部と、ループ収容空間部のループ状の帯状物を搬送経路に向けて押圧する押し下げ部を備えたことを特徴とする請求項4に記載の帯状物切断装置。
【請求項6】
上流搬送部は、帯状物を加熱する加熱部を有し、
制御部は、帯状物が加熱部を通過する時間を増減させて帯状物に対する加熱時間を変更し、帯状物が加熱部を通過する時間の増減に伴って設定速度を変更することを特徴とする請求項1から5の何れか1項に記載の帯状物切断装置。
【請求項7】
制御部は、帯状物が加熱部を通過する時間と、加熱部の加熱温度の少なくとも一方を変更設定する入力部を有することを特徴とする請求項6に記載の帯状切断装置。
【請求項8】
帯状物を加熱する加熱部を有し、帯状物が加熱部を通過する時間と、加熱部を加熱温度の少なくとも一方を変更設定する入力部を有することを特徴とする帯状物加熱装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、帯状物切断装置に関し、例えば古紙を再生する古紙再生処理装置等の製紙機において帯状紙を切断する技術に係るものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の技術には、例えば、特許文献1に記載するものがある。これは、古紙再生処理装置の断裁装置であり、抄紙した帯状紙を所定サイズの再生紙に断裁するものである。帯状紙は搬送部によって長手方向に沿って搬送し、カッターにより搬送方向と交差する方向に断裁する。搬送部は、帯状紙の搬送方向においてカッターより上流側に設けられた搬送ローラと、搬送ローラに対向配置され、搬送ローラとの間で帯状紙を挟持する押えローラを備えている。そして、斜行補正手段により押えローラを上昇させて帯状紙を挟持状態から開放して無拘束状態とし、挟持状態下で斜行した帯状紙の進行方向を補正する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第5906547号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載する古紙再生処理装置では、カッターで帯状紙を裁断するときに、カッターの前後位置において、帯状紙をローラ間に挟持して帯状紙の搬送を停止している。この間にも後続の帯状紙は搬送されており、搬送ローラおよび押えローラの上流側において帯状紙にたわみが生じ、帯状紙の張力が弛み、皺が発生する原因となる。
【0005】
このため、カッターによる断裁後に、搬送ローラと押えローラとにより後続のたわんだ帯状紙を素早く搬送して帯状紙の張力の弛みを解消している。また、断裁後の枚葉物も通常の搬送速度よりも速い速度で排出される。
【0006】
古紙再生処理装置は、製紙の各工程を担うヘッドボックス、ワイヤー部、脱水部、ドライヤー部、仕上部等々の複数の処理部をケーシングの内部に納めており、各工程における帯状紙の搬送速度は通常において基本的に同じである。
【0007】
帯状紙の紙厚を薄くする場合には、たとえば、ヘッドボックスから注ぐパルプ懸濁液の単位時間当たりの供給量を変えずに、ワイヤー部の搬送速度を上げることで紙厚の調整を行っている。この場合には、当然にドライヤー部を通過する搬送速度も速くなるが、加熱負荷に応じて加熱温度を調整することで対処している。
【0008】
この結果、帯状紙の紙厚が薄くなるほどに通常の搬送速度が速くなり、搬送速度が増加するほどに断裁時に生じる帯状紙のたわみが大きくなる。このため、断裁後に後続の帯状紙のたわみを解消するためには、搬送ローラと押えローラとにより帯状紙を搬送する速度の増加が必要となる。しかし、この速度が速すぎるとカッターより下流側の搬送経路上に先行する枚葉物に、後続の帯状紙が衝突する事態が生じる。
【0009】
古紙再生処理装置を小型化する場合には、各処理部が近接する構造となる。このため、カッターよりも上流側の搬送経路において帯状紙をたわませるスペースも狭くなる。このため、帯状紙がループ状をなして高くたわむことになり、帯状紙のたわみを解消するうえで課題となる。
【0010】
ループが低い場合には、搬送ローラと押えローラとによる挟持状態を開放して無拘束状態とすると、帯状紙は弾性力によりループを解消して伸直な姿勢を復元し、搬送経路に沿って伸長する。しかし、ループが高くなり過ぎると、伸直な姿勢を復元するための力が弱まり、無拘束状態においてループを解消することが困難となる。
【0011】
本発明は上記した課題を解決するものであり、帯状物の搬送速度を増加させても、断裁後の枚葉物に後続の帯状物が衝突することを防止できる帯状物切断装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するために、本発明の帯状物切断装置は、帯状物の搬送経路上に上流搬送部と切断用搬送部と切断装置と下流搬送部を配置するとともに、各部を通常制御と切断制御する制御部を備え、上流搬送部は、通常制御と切断制御の双方で常に設定速度で帯状物を切断用搬送部に搬送し、切断用搬送部は、通常制御において設定速度とほぼ等しい速度で帯状物を、切断装置を通して下流搬送部に搬送し、切断制御において帯状物を挟持する状態で帯状物の搬送を停止し、上流搬送部から搬送される帯状物を搬送経路上にループ状に滞留させ、切断制御後に設定速度よりも速い滞留解消速度で帯状物を搬送し、下流搬送部は、通常制御において設定速度とほぼ等しい速度で帯状物を搬送し、切断制御における切断用搬送部とともに停止し、帯状物の切断後に設定速度より速い排出速度で切断後の枚葉物を下流側に搬送し、制御部は、切断制御における切断用搬送部の停止時間および滞留解消速度を、上流搬送部の設定速度の増減に基づいて調整することを特徴とする。
【0013】
本発明の帯状物切断装置は、帯状物の搬送経路上に上流搬送部と切断用搬送部と切断装置と下流搬送部を配置するとともに、各部を通常制御と切断制御する制御部を備え、上流搬送部は、通常制御と切断制御の双方で常に設定速度で帯状物を切断用搬送部に搬送し、切断用搬送部は、通常制御において設定速度とほぼ等しい速度で帯状物を、切断装置を通して下流搬送部に搬送し、切断制御において帯状物を挟持する状態で帯状物の搬送を停止し、上流搬送部から搬送される帯状物を搬送経路上にループ状に滞留させ、切断制御後の搬送再開初期、もしくは搬送途中において帯状物に対する挟持状態を解除し、下流搬送部は、通常制御において設定速度とほぼ等しい速度で帯状物を搬送し、切断制御における切断用搬送部とともに停止し、帯状物の切断後に設定速度より速い排出速度で切断後の枚葉物を下流側に搬送し、制御部は、切断制御における切断用搬送部の停止時間を、上流搬送部の設定速度の増減に基づいて調整することを特徴とする。
【0014】
本発明の帯状物切断装置において、制御部は、切断用搬送部において切断制御後の搬送再開初期に設定速度よりも速い滞留解消速度で帯状物を搬送させ、滞留解消速度を、上流搬送部の設定速度の増減に追従して増減調整することを特徴とすることを特徴とする。
【0015】
本発明の帯状物切断装置において、切断用搬送部は、帯状物を介して対向する一対の搬送ローラを有し、切断制御において双方の搬送ローラ間に帯状物を挟持する状態で停止し、通常制御において双方の搬送ローラ間に帯状物を挟持する状態で搬送し、切断制御後の搬送再開初期、もしくは搬送途中において双方の搬送ローラ間を一旦開放して帯状物に対する挟持状態を解除することを特徴とする。
【0016】
本発明の帯状物切断装置において、切断用搬送部は、一対の搬送ローラの上流側に、上流搬送部から搬送される帯状物を搬送経路上にループ状に滞留させるループ収容空間部と、ループ収容空間部のループ状の帯状物を搬送経路に向けて押圧する押し下げ部を備えたことを特徴とする。
【0017】
本発明の帯状物切断装置において、上流搬送部は、帯状物を加熱する加熱部を有し、
制御部は、帯状物が加熱部を通過する時間を増減させて帯状物に対する加熱時間を変更し、帯状物が加熱部を通過する時間の増減に伴って設定速度を変更することを特徴とする。
【0018】
本発明の帯状物切断装置において、制御部は、帯状物が加熱部を通過する時間と、加熱部の加熱温度の少なくとも一方を変更設定する入力部を有することを特徴とする。
【0019】
本発明の帯状物加熱装置は、帯状物を加熱する加熱部を有し、帯状物が加熱部を通過する時間と、加熱部を加熱温度の少なくとも一方を変更設定する入力部を有することを特徴とする帯状物加熱装置。
【発明の効果】
【0020】
以上のように本発明によれば、切断搬送部が切断制御後の搬送再開初期、もしくは搬送途中において帯状物に対する挟持状態を解除することで、上流側の搬送経路上にループ状に滞留する帯状物が切断搬送部を通して下流側に伸長する。
【0021】
制御部が、切断制御における切断用搬送部の停止時間を、上流搬送部の設定速度の増減に基づいて調整することにより、後続の帯状物の搬送を阻害しない位置まで切断後の枚葉物を搬送するのに必要な時間を確保することができ、上流搬送部の設定速度の増加に拘わらず帯状物を適正に搬送して切断することができる。
【0022】
また、滞留解消速度を、上流搬送部の設定速度の増減に基づいて調整することで、上流搬送部の設定速度の増加により上流側の搬送経路上にループ状に滞留する帯状物のたわみが大きくなっても、帯状物の大きなたわみを速やかに解消できる。
【0023】
切断用搬送部が、帯状物を搬送経路上にループ状に滞留させるループ収容空間部に、ループ状の帯状物を搬送経路に向けて押圧する押し下げ部を備えることで、押し下げ部が加える力がループの解消に寄与し、帯状物のループが高くなっても帯状物を速やかに搬送経路上に伸長させることができる。
【0024】
制御部が、帯状物の加熱部を通過する時間を変更設定する入力部を有することで、使用者が意図する加熱度に適宜に調整することができ、利便性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本発明の実施の形態における古紙再生処理装置を示す模式図
図2】同実施の形態における通常制御および切断制御を示すフローチャート図
図3】同実施の形態における加熱時間制御を示すフローチャート図
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1において、製紙機の1種である古紙処理装置1は、帯状の湿紙100を抄紙する抄紙工程をなす抄紙装置2と、帯状物である湿紙100を乾燥させる乾燥工程をなす乾燥装置4と、抄紙工程から出る濾水を貯溜する上部開放の白水貯溜部5と、各部を制御する制御装置(図示省略)を備えている。
【0027】
古紙処理装置1には、抄紙工程と乾燥工程の間に脱水工程を設けるものもあり、脱水工程はフェルトからなる脱水ベルトを備えるものである。さらに、本実施の形態においては、帯状物として、パルプ懸濁液を抄いて得られる湿紙100および乾紙101の帯状物を例に説明するが、帯状物としては繊維に接着剤を添加して帯状に形成した長尺物も本発明における帯状物である。
【0028】
抄紙装置2は、抄紙部20と湿紙分散部6を備えている。抄紙部20は、第1群のローラ21の間に掛け渡された抄紙ワイヤー22と、パルプ懸濁液を抄紙ワイヤー22に供給するヘッドボックス23を有している。抄紙ワイヤー22は、無端軌道状に回動して湿紙形成移送経路22aと復帰経路22bとにわたって走行し、湿紙形成移送経路22aにおいて抄紙ワイヤー22の湿紙形成面上に湿紙100を抄紙し、形成した湿紙100を湿紙形成移送経路22aの終端側で次工程の乾燥装置4に転移させる。抄紙ワイヤー22は金属製又は、合成樹脂製であり、網目状をなして通水性、通気性を有している。
【0029】
抄紙装置2の湿紙分散部6は、濾水が抄紙ワイヤー22から白水貯溜部5へ落下する経路の途中に、装置本体に対して着脱自在に設けられている。湿紙分散部6は、復帰経路22bで抄紙ワイヤー22の湿紙形成面から落下する湿紙100を受け止める。本実施の形態では、湿紙分散部6は、抄紙ワイヤー22から落下する湿紙100を受け止める分散板61を有している。
【0030】
また、抄紙ワイヤー22の無端軌道の内側には、洗浄手段としての洗浄ノズル24を設けており、洗浄ノズル24は復帰経路22bを走行する抄紙ワイヤ22ーの湿紙形成面と相反する裏面に向けて洗浄液を放出する。
【0031】
抄紙装置2は圧搾脱水部25を有している。圧搾脱水部25は、抄紙ワイヤー22と湿紙100を挟持する一対の圧搾脱水ローラ25a、25bを有している。圧搾脱水ローラ25a、25bは、湿紙100を抄紙ワイヤー22に押圧し、湿紙100を圧搾して脱水する。
【0032】
そして、抄紙装置2の次工程として乾燥装置4を配置している。乾燥装置4は、ヒータ等の加熱装置を内蔵して加熱部をなす乾燥ローラ41と、乾燥ローラ41と複数のローラ412の間に掛け渡したカンバスベルト415を有する。また、乾燥ローラ41から帯状物の乾紙101を剥離させるスクレーパ部400が乾燥ローラ41に摺接して配置されている。
【0033】
抄紙部20と乾燥装置4の間には、湿紙転移部301が形成されている。湿紙転移部301は抄紙部20の第1群のローラ21のうちで特定のローラ21aと乾燥装置4の複数のローラ412のうちで特定のローラ412aとの間に形成される。
【0034】
スクレーパ部400より搬送方向下流側における乾紙101の搬送経路上には、上流搬送部510と切断用搬送部520と切断装置530と下流搬送部540を上流側から下流側に順次に配置している。
【0035】
上流搬送部510は、第1搬送ローラ対511、511を有しており、ここでは、乾燥装置4および抄紙装置2も上流搬送部510を構成している。
【0036】
上述したように、本実施の形態においては、帯状物がパルプ懸濁液を抄いて得られる帯状物であるが、繊維に接着剤を添加して帯状に形成した長尺物を帯状物として扱う場合には、上流搬送部が搬送ベルト、押圧ローラ、加熱ローラ等で構成される。すなわち、搬送ベルト上に接着剤等の添加剤を混合した繊維を堆積させて帯状物を形成し、押圧ローラで帯状物を押圧しながら搬送し、加熱ローラで帯状物を加熱しながら搬送する。
【0037】
次に、第1搬送ローラ対511、511は乾紙101を介して上下に対向し、後述する通常制御と切断制御の双方で常に設定速度で乾紙101を下流側の切断用搬送部520に搬送する。通常制御と切断制御は後に詳述する。
【0038】
切断用搬送部520は、第2搬送ローラ対521a、521bを有しており、下方の駆動側の搬送ローラ521bに対して上方の非駆動側の搬送ローラ521aが上下に移動可能に設けられている。
【0039】
また、第2搬送ローラ対521a、521bと第1搬送ローラ対511、511の間の搬送経路上にはループ収容空間部522を設けている。ループ収容空間部522は切断制御時に乾紙101がループ状にたわむための空間である。ループ収容空間部522の上部位置には押し下げ部523を有している。押し下げ部523は上方に向けて凸状に湾曲しており、下端の支軸523aの軸心廻りに上下に揺動自在に設けられている。
【0040】
押し下げ部523は、切断制御時にループ収容空間部522にループ状に滞留する湿紙101に持ち上げられて上方に揺動する。そして、第2搬送ローラ対521a、521bが乾紙101を挟持する状態を開放したときに、押し下げ部523がその自重によりループに下方向に力を加える。
【0041】
第2搬送ローラ対521a、521bの搬送方向下流側には、切断装置530のカッター刃対531、531が乾紙101の搬送経路を介して対向配置されている。
【0042】
下流搬送部540は、カッター刃対531、531から必要十分な距離を隔てた位置に第3搬送ローラ対541、541を有し、さらに搬送方向下流側に第4搬送ローラ対542、542を有しており、第3搬送ローラ対541、541および第4搬送ローラ対542、542は、乾紙101を介して上下に対向配置されている。
【0043】
以下、上記の構成に係る作用を説明する。
(抄紙工程)
抄紙部20では、ヘッドボックス23からパルプ懸濁液を抄紙ワイヤー22に供給して抄紙ワイヤー22の湿紙形成面上に湿紙100を抄紙する。湿紙100は、湿紙転移部301において抄紙部20から乾燥装置4に移る。
【0044】
湿紙転移部301において、抄紙ワイヤー22の湿紙形成面上に抄紙した湿紙100は、抄紙ワイヤー22が特定のローラ21aの外周に沿って反転して湿紙100から離間することで、空間を移動して乾燥装置4の特定のローラ412aで反転するカンバスベルト415に転移する。
(乾燥工程)
乾燥装置4では、湿紙100の転移したカンバスベルト415が乾燥ローラ41へ向けて進行し、カンバスベルト415と乾燥ローラ41の間に湿紙100を挟み、乾燥ローラ41から受ける熱によって湿紙100を乾燥させて乾紙101とする。そして、スクレーパー部400が乾燥ローラ41から乾紙101を剥離させる。
(仕上工程)
乾燥ローラ41から剥離した乾紙101は、上流搬送部510の第1ローラ対511、511によって切断用搬送部520、切断装置530、下流搬送部540に向けて搬送する。以下の工程では制御部が通常制御と切断制御を繰り返す。
(通常制御)
図2に示すように、制御部は、通常制御において、上流搬送部510を設定速度で運転し、切断用搬送部520、下流搬送部510を設定速度とほぼ等しい速度で運転し、乾紙101を搬送する(S1)。ここでは、乾紙101に張力を付与することがないように、切断用搬送部520、下流搬送部510を設定速度よりも遅い速度、例えば設定速度の95%から99.9%程度の速度に調整することが好ましい。
【0045】
次に、搬送する乾紙101の先端縁が、切断用搬送部520のカッター刃対531、531を基点とする設定距離、例えば縦方向A4の長さに相当する距離に到達した否かを判断する(S2)。
(切断制御)
制御部は、乾紙101の搬送距離が設定距離に達した時点で、切断制御を行う。すなわち、切断用搬送部520、下流搬送部540を停止し、第2搬送ローラ対521a、521bと、第3搬送ローラ対541、541と第4搬送ローラ対542、542で乾紙101を挟持して拘束状態とする(S3)。
【0046】
そして、切断装置530を稼働させてカッター刃対531、531で乾紙101を断裁する(S4)。
【0047】
上流搬送部510の第1搬送ローラ対511、511は、通常制御と切断制御の双方で常に設定速度で乾紙101を切断用搬送部520に向けて搬送する。このため、乾紙101は第1搬送ローラ対511、511と第2搬送ローラ対521a、521bの間Lrにおいて搬送経路上に上方に向けて設定高さHrのループ状にたわみ、ループ収容空間部522に滞留する。
【0048】
ループ収容空間部522に滞留する乾紙101のループが押し下げ部523を持ち上げ、押し下げ部523が支軸523aの廻りで上方に揺動する。
【0049】
切断装置530が乾紙101を断裁すると、下流搬送部540は設定速度(抄紙速度)よりも速い排出速度で切断後の乾紙101の枚葉物(切断物)を下流側の受け台(図示省略)に向けて高速搬送する(S5)。
【0050】
この乾紙101が厚紙であるか否かを判断し(S6)、枚葉物の搬送方向後端がカッター刃対531、531の刃先から設定距離Lsetだけ搬送方向下流側に離れているか、否かを判断する。薄紙である場合には、例えば18mm搬送したか、否かを判断し(S7)、厚紙である場合にはたとえば12mm搬送したか、否かを判断する(S8)。
【0051】
この判断は以下の理由による。下流搬送部540が乾紙101の枚葉物を搬送する状態で、切断用搬送部520の第2搬送ローラ対521a、521bの挟持状態を開放すると、ループ収容空間部522に滞留する乾紙101が搬送方向下流側に急速に送られ、ループが解消される。
【0052】
このとき、先行する乾紙101の枚葉物の後端がカッター刃対531、531の刃先から第3搬送ローラ対541、541までの最大距離Lmax中において設定距離Lsetだけ搬送方向下流側に離れていない場合には、後続の乾紙101の帯状物の先端が衝突してジャムが発生する。このため、上述した判断を行う。
【0053】
そして、制御部は、乾紙101の搬送方向後端が上述した12mmもしくは18mm搬送されるまでの間、切断用搬送部520の第2搬送ローラ対521a、521bの挟持状態を維持して乾紙101の帯状物を拘束する。
【0054】
ここで、上流搬送部510の設定速度(抄紙速度)の変更制御について説明する。ヘッドボックス23から抄紙ワイヤー22に供給するパルプ懸濁液の供給量を一定に維持する場合には、抄紙ワイヤー22の設定速度(抄紙速度)を増減することで、湿紙100の厚みを調整する。パルプ懸濁液の供給量を一定に維持することで、湿紙100の品質の安定を確保しつつ厚みの調整を行える。
【0055】
たとえば、パルプ懸濁液の供給量を一定に維持し、抄紙ワイヤー22の設定速度(抄紙速度)を増加させると、湿紙100および乾紙101の厚みが減じて薄くなり、設定速度の増加によって切断制御時に生じる乾紙101のたるみ量が増加する。このため、制御部は、乾紙101の搬送方向後端が上述した18mm搬送されるまでの間、切断用搬送部520の第2搬送ローラ対521a、521bの挟持状態を維持して乾紙101の帯状物を拘束する。
【0056】
抄紙ワイヤー22、乾燥ローラ410、第1搬送ローラ対511、511は、必ずしも同じ速度で湿紙を100を搬送する必要はなく、それぞれ異なる速度で湿紙100を搬送してもよい。これにより、抄紙工程における湿紙100の破損やたるみを防止し、適正に搬送できる。
【0057】
また、パルプ懸濁液の供給量を一定に維持し、抄紙ワイヤー22の設定速度(抄紙速度)を減少させると、湿紙100および乾紙101の厚みが増して厚くなり、設定速度の減少によって切断制御時に生じる乾紙101のたるみ量が減少する。このため、制御部は、乾紙101の搬送方向後端が上述した12mm搬送されるまでの間、切断用搬送部520の第2搬送ローラ対521a、521bの挟持状態を維持して乾紙101の帯状物を拘束する。
【0058】
このため、切断制御における切断用搬送部520の停止時間は、上流搬送部510の設定速度(抄紙速度)の増減に基づいて調整する。
【0059】
制御部は、上流搬送部510の設定速度が速いときは遅いときより、切断制御における切断用搬送部520の停止時間を長くすることができる。この場合、挟持状態を解除したときに、後続の帯状物が先行する切断物の後端に衝突するのを容易に回避できる。挟持状態の解除によりループを解消できる。
【0060】
挟持状態を解除しないときは、衝突を回避できる。その際、滞留解消速度の加速度や最高速度を適正値に調整することで、ループを解消できる。
【0061】
制御部は、上流搬送部510の設定速度が速いときは遅いときより、切断制御における切断用搬送部520の停止時間を短くすることができる。この場合、ループを適正に解消できる。その際、挟持状態を解除する前に切断用搬送部520の搬送を再開し、上流搬送部510の設定速度が遅いときより搬送再開時の搬送速度を遅くすることで、挟持状態を解除したときに衝突する危険性を低減できる。
【0062】
挟持状態を解除しないときは、衝突を回避できる。また、切断用搬送部520による帯状物の搬送再開時の搬送速度を、上流搬送部510の設定速度が遅いときより遅くすることで、衝突する危険をより低減できる。
【0063】
制御部は、上流搬送部510の設定速度が速いときは遅いときより、切断制御における切断用搬送部520の滞留解消速度を速くすることができる。この場合、ループを適正に解消できる。また、停止時間を長くすることで、挟持状態を解除したときの衝突を回避できる。そして、挟持状態を解除しない場合、衝突を解除できる。
【0064】
制御部は、上流搬送部510の設定速度が速いときは遅いときより、切断制御における切断用搬送部520の滞留解消速度を遅くすることができる。この場合、衝突しづらくできる。また、挟持状態を解除することでループを解消できる。
【0065】
そして、挟持状態を解除しないときは、必要により、切断時の停止時間を短くするか、または、切断用搬送部520による帯状物の搬送再開後、滞留解消速度における最高速度に達するまでの時間を短くすることで、ループを解消できる。
【0066】
すなわち、上流搬送部510の設定速度(抄紙速度)が速いほどに、切断用搬送部520の停止中にループ収容空間部522に滞留する乾紙101のループが大きく長くなり、切断用搬送部520の第2搬送ローラ対521a、521bの挟持状態を開放したときに、搬送方向下流側に急速に送られる乾紙101がより遠くまで到達する。
【0067】
このため、切断用搬送部520の停止時間は、上流搬送部510の設定速度(抄紙速度)を増速するほどに長く設定する。
【0068】
また、上流搬送部510の設定速度(抄紙速度)が遅いほどに、切断用搬送部520の停止中にループ収容空間部522に滞留する乾紙101のループが小さく短くなり、切断用搬送部520の第2搬送ローラ対521a、521bの挟持状態を開放したときに、搬送方向下流側に急速に送られる乾紙101が到達する距離が短くなる。
【0069】
このため、切断用搬送部520の停止時間は、上流搬送部510の設定速度(抄紙速度)が減速するほどに短く設定する。切断用搬送部520の停止時間が短くなることで、ループ形成時に、乾紙101が厚くなるほどに生じ易い皺や反り等の発生を抑制できる。
【0070】
次に、先行する乾紙101の枚葉物の後端がカッター刃対531、531の刃先から設定距離Lsetだけ搬送方向下流側に離れたときに、切断制御から通常制御に復帰する。
【0071】
すなわち、切断用搬送部520の第2搬送ローラ対521a、521bの挟持状態を開放する(S9)。この開放は、下方の駆動側の搬送ローラ521bに対して上方の非駆動側の搬送ローラ521aを上方に移動させることで行う。
【0072】
この挟持状態の開放によって、ループ収容空間部522に滞留する乾紙101が搬送方向下流側に急速に送られ、ループが解消される。ループが低い場合には、乾紙101の帯状物は弾性力により短時間のうちにループを解消して伸直な姿勢を復元し、搬送経路に沿って伸長する。
【0073】
ループが高くなり過ぎると、伸直な姿勢を復元するための力が弱まり、無拘束状態においてループを解消することが困難となる。
【0074】
しかし、押し下げ部523が、切断制御時にループ収容空間部522にループ状に滞留する湿紙101で持ち上げられて上方に揺動しており、第2搬送ローラ対521a、521bが乾紙101を挟持する状態を開放したときに、押し下げ部523がその自重によりループに下方向に力を加える。
【0075】
この押し下げ部523が加える力がループの解消に寄与し、乾紙101のループが高くなってもループの帯状物を速やかに搬送経路上に伸長させることができる。また、第2搬送ローラ対521a、521bの挟持状態を開放することで乾紙101の斜行が補正される。
【0076】
次に、第2搬送ローラ対521a、521bを開放する状態が設定した開放時間だけ経過したか、否かを判断する(S10)。
【0077】
経過時間が設定した開放時間を充足する場合には、第2搬送ローラ対521a、521bの挟持状態を再開(S11)する。
【0078】
すなわち、上方の非駆動側の搬送ローラ521aを下方に移動させて、下方の駆動側の搬送ローラ521bと上方の非駆動側の搬送ローラ521aとで乾紙101を挟持して搬送を再開し、帯状物の乾紙101を切断装置530を通して下流搬送部540に向けて搬送経路上に送り出す。
【0079】
このとき、本実施の形態では、切断用搬送部520が切断制御後の搬送再開初期に設定速度よりも速い滞留解消速度で乾紙101を搬送する。この滞留解消速度は、設定速度(抄紙速度)の115%から130%の範囲内で設定する。
【0080】
そして、乾紙101のたるみの有無を判断し(S12)、たるみが解消された時点で、切断用搬送部520の搬送速度を設定速度に復帰させる。
【0081】
制御部は、切断用搬送部520の滞留解消速度を、上流搬送部510の設定速度(抄紙速度)の増減に追従して増減調整する。このため、乾紙101のたるみが速やかに解消される。
【0082】
上流搬送部510の搬送速度が遅いときは、切断用搬送部520の搬送速度も遅くすることで、帯状物に係る張力を調整し、帯状物の破損を防止する。
【0083】
本実施の形態では、第2搬送ローラ対521a、521bの挟持状態の開放は、切断制御後の搬送再開初期に行っている。しかし、挟持状態の開放に先だって第2搬送ローラ対521a、521bの挟持状態を維持する状態で切断用搬送部520による搬送を再開し、その後に搬送途中において帯状物の乾紙101に対する挟持状態を解除することも可能である。
【0084】
また、本実施の形態では、第2搬送ローラ対521a、521bの挟持状態を開放したが、全く開放しないで運転することも可能である。
【0085】
さらに、切断用搬送部520は、第2搬送ローラ対521a、521bが接近離間せず、挟持状態を開放する機構を備えない構成とすることも可能である。この場合には、第2搬送ローラ対521a、521bの回転駆動と回転停止を繰り返す。そして、第2搬送ローラ対521a、521bの回転駆動を再開するタイミング、すなわち、切断装置530による乾紙101の切断後に、切断用搬送部520が湿紙100の搬送を再開するタイミングや切断用搬送部520の搬送速度を、上流搬送部510の搬送速度に応じて調整する。
【0086】
この場合には、第2搬送ローラ対521a、521bの挟持状態の開放によって乾紙101のたるみが一度に解消されることがないので、先行する乾紙101の枚葉物に、後続の乾紙101の帯状物が衝突する事態は発生しない。
【0087】
そのため、制御部は、切断制御における切断用搬送部520の停止時間を、上流搬送部510の設定速度(抄紙速度)の増減に追従して増減調整するとともに、切断用搬送部520の滞留解消速度を、上流搬送部510の設定速度(抄紙速度)の増減に追従して増減調整する。
【0088】
例えば、上流搬送部510の設定速度(抄紙速度)が速くなるほどに、切断用搬送部520の停止時間を短くして、切断制御後の切断用搬送部520の運転再開を早めることで、設定速度(抄紙速度)の増加による乾紙101のたるみ量の増加を抑制し、滞留解消速度を衝突が起こらない程度に速くすることで、乾紙101のたるみを速やかに解消できる。
【0089】
次に、ヘッドボックス23から抄紙ワイヤー22に供給するパルプ懸濁液の供給量を一定に維持し、抄紙ワイヤー22の設定速度(抄紙速度)を増減することで、湿紙100の厚みを調整する場合には、切断装置530を駆動するモータへの供給電流や供給電圧等を調整することで、当該モータの回転速度を調整する。これにより、切断装置530による乾紙101の切断に要する時間を乾紙101の厚みに応じて調整しても良い。特に、上流搬送部510の設定速度を増加させるときに、乾紙101の切断に要する時間を短くすることで、切断制御時の乾紙101のたるみ量の増加を抑制できる。
【0090】
また、抄紙ワイヤー22の設定速度(抄紙速度)を一定に維持し、ヘッドボックス23から抄紙ワイヤー22に供給するパルプ懸濁液の供給量を増減することで、湿紙100の厚みを調整することも可能である。
【0091】
さらに、制御部に、湿紙100が乾燥装置(加熱部)4を通過する加熱時間、または乾燥装置(加熱部)の加熱温度を変更設定する入力部を設けることも可能である。
【0092】
この構成により、使用者が乾紙101に対する加熱が不十分であると判断する場合、あるいは加熱が過剰であると判断する場合に、任意に加熱時間および加熱温度を変更することができる。
【0093】
以下では、使用者が加熱時間を変更するときの制御を図3を参照して説明する。
【0094】
抄紙を開始し、加熱時間を変更する乾燥調整が指示されたか、否かを判断する(S13)。
【0095】
乾燥調整が指示された時には、現在の運転状況が切断制御中であるか、否かを判断する(S14)。
【0096】
切断制御のタイミングを待って、乾燥調整が加熱時間の増加指示か、減少指示かを判断する(S15)。
【0097】
加熱時間の増加指示の場合は、乾燥ローラ41、第1搬送ローラ対511、511、切断用搬送部520および下流搬送部540の搬送速度を減速する(S16)。
【0098】
S16における各部の搬送速度の減速により、上流側の抄紙ワイヤー22との間に速度差が生じ、湿紙100にたるみが形成される。S16における各部の搬送速度の減速が完了するまでの時間を待って(S17)、その後に、ヘッドボックス23の供給量を減少させるとともに、抄紙ワイヤー22の搬送速度を減速する(S18)。
【0099】
抄紙ワイヤー22の搬送速度を確認し(S19)、通常制御に復帰する。
【0100】
加熱時間の減少指示の場合は、ヘッドボックス23の供給量を増加させるとともに、抄紙ワイヤー22の搬送速度を加速する(S20)。
【0101】
S20における抄紙ワイヤー22の搬送速度の加速により、乾燥ローラ41および切断用搬送部520との間に速度差が生じ、湿紙100にたるみが形成される。S20の加速が完了するまでの時間を待って(S21)、その後に、乾燥ローラ41および切断用搬送部520の搬送速度を加速する(S22)。
【0102】
乾燥ローラ41の搬送速度を確認し(S23)、通常制御に復帰する。
【0103】
上述の操作により、湿紙100が乾燥装置4に滞在する時間を増減調整する。また、乾燥装置4の搬送速度の増減に合わせて、ヘッドボックス23から抄紙ワイヤー22へ供給するパルプ懸濁液の供給量を増減することで、乾燥調整の前後において湿紙100の厚さを同等とする。
【0104】
上述した制御部に、湿紙100が乾燥装置(加熱部)4を通過する加熱時間、または乾燥装置(加熱部)の加熱温度を変更設定する入力部を設けることは必ずしも必要ではなく、加熱温度、加熱時間を使用者が設定する機能はなくてもよい。
【0105】
下流搬送部が、帯状物の切断後に設定速度より速い排出速度で枚葉物を搬送することに替えて、帯状物の切断後に設定速度と同じ速度で排出してもよく、あるいは設定速度より遅い速度で排出してもよい。これらの場合には、例えば切断用搬送部520の搬送再開タイミング、挟持状態の解除タイミング、滞留解消速度等を適正に調整することで、先行する枚葉物に後続の帯状物が接触しないようにすることができる。
【符号の説明】
【0106】
1 古紙処理装置
2 抄紙装置
4 乾燥装置
5 白水貯溜部
6 湿紙分散部
20 抄紙部
21 第1群のローラ
21a 特定のローラ
22 抄紙ワイヤー
22a 湿紙形成移送経路
22b 復帰経路
23 ヘッドボックス
24 洗浄ノズル
25 圧搾脱水部
25a、25b 圧搾脱水ローラ
41 乾燥ローラ
61 分散板
100 湿紙
101 乾紙
301 湿紙転移部
400 スクレーパ部
412 ローラ
412a 特定のローラ
415 カンバスベルト
510 上流搬送部
511、511 第1搬送ローラ対
520 切断用搬送部
521a、521b 第2搬送ローラ対
522 ループ収容空間部
523 押し下げ部
523a 支軸
530 切断装置
531、531 カッター刃対
540 下流搬送部
541、541 第3搬送ローラ対
542、542 第4搬送ローラ対
図1
図2
図3