特開2019-64971(P2019-64971A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2019-64971(P2019-64971A)
(43)【公開日】2019年4月25日
(54)【発明の名称】エアゾール製品
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/02 20060101AFI20190329BHJP
   A61K 8/06 20060101ALI20190329BHJP
   A61K 8/9789 20170101ALI20190329BHJP
   A61K 9/107 20060101ALI20190329BHJP
   A61K 9/12 20060101ALI20190329BHJP
   A61K 47/44 20170101ALI20190329BHJP
【FI】
   A61K8/02
   A61K8/06
   A61K8/9789
   A61K9/107
   A61K9/12
   A61K47/44
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2017-193191(P2017-193191)
(22)【出願日】2017年10月3日
(71)【出願人】
【識別番号】000222129
【氏名又は名称】東洋エアゾール工業株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】504180239
【氏名又は名称】国立大学法人信州大学
(74)【代理人】
【識別番号】100126505
【弁理士】
【氏名又は名称】佐貫 伸一
(74)【代理人】
【識別番号】100096873
【弁理士】
【氏名又は名称】金井 廣泰
(74)【代理人】
【識別番号】100131392
【弁理士】
【氏名又は名称】丹羽 武司
(74)【代理人】
【識別番号】100151596
【弁理士】
【氏名又は名称】下田 俊明
(72)【発明者】
【氏名】中島 康友
(72)【発明者】
【氏名】坪内 誠
(72)【発明者】
【氏名】三木 真也
(72)【発明者】
【氏名】飯塚 よし野
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 杏
(72)【発明者】
【氏名】酒井 俊郎
【テーマコード(参考)】
4C076
4C083
【Fターム(参考)】
4C076AA24
4C076BB31
4C076DD34
4C076DD41
4C076EE53
4C076FF70
4C083AA121
4C083AA122
4C083AC021
4C083AC251
4C083BB13
4C083BB49
4C083DD08
4C083EE06
4C083FF05
(57)【要約】
【課題】本発明は、乳化剤(界面活性剤)を用いずに作製したエマルションが充填されたエアゾール製品を提供する。
【解決手段】油分を含有する油相及び水相を含むエマルション、並びに噴射剤が充填されたエアゾール製品であって、該エマルションが乳化剤を含有しないことを特徴とするエアゾール製品。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
油分を含有する油相及び水相を含むエマルション、並びに噴射剤が充填されたエアゾール製品であって、
該エマルションが乳化剤を含有しないことを特徴とするエアゾール製品。
【請求項2】
前記エマルションは、前記油相が前記水相に分散した水中油型(O/W)エマルションである請求項1に記載のエアゾール製品。
【請求項3】
前記エマルション中の前記油分の含有量が、0.1〜1.0質量%である請求項1又は2に記載のエアゾール製品。
【請求項4】
前記油分が、椿油、アルガン油、大豆油、オリーブ油、ひまし油、ココナッツ油、杏油、ローズヒップ油、スクワラン、ディート、オレイン酸、精油からなる群から選択される少なくとも一つである請求項1〜3のいずれか一項に記載のエアゾール製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、乳化剤を用いずに作製したエマルションが充填されたエアゾール製品に関する。
【背景技術】
【0002】
エマルションは、食品、化粧品や医薬品などに広く用いられており、エマルションの分散化安定のためには乳化剤として界面活性剤を用いることが広く知られている。一方、近年、ナチュラル志向の高まりから、人体への負担を軽減するため、乳化剤(界面活性剤)フリーの製品に対する要求が高まっている。
例えば特許文献1では、分散質が油、分散媒が水である水中油滴型(O/W)エマルションにおいて、エマルションを分散安定化させる水溶性添加剤として界面不活性物質を添加させる技術が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016−165716号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
以上のように、乳化剤(界面活性剤)フリーのエマルションに関する技術が提案されているが、これをエアゾール製品に応用した例は知られていない。
本発明は、乳化剤(界面活性剤)を用いずに作製したエマルションが充填されたエアゾール製品を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、油分を含有する油相及び水相を含むエマルション、並びに噴射剤が充填されたエアゾール製品であって、
該エマルションが乳化剤を含有しないことを特徴とするエアゾール製品に関する。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、乳化剤(界面活性剤)を用いずに作製したエマルションが充填されたエアゾール製品を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】エマルションの液滴の粒径分布を示す図
図2】エマルションの経時変化を示す写真
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明において、数値範囲を示す「○○以上●●以下」及び「○○〜●●」などの記載は、特に断りのない限り、端点である下限及び上限を含む範囲である。
乳化剤あるいは界面活性剤とは、油相と水相の界面に作用し界面張力を低下させる作用を有するものをいう。
本発明は、油分を含有する油相及び水相を含むエマルション、並びに噴射剤が充填されたエアゾール製品であって、
該エマルションが乳化剤を含有しないことを特徴とする。
【0009】
上記のようなエマルションを用いることで、水相のみを充填したエアゾール製品と比較
して、液滴径が小さくなり、噴霧角が広くなることがわかった。そのため、噴霧された霧が柔らかく刺激を緩和することができ、さらに噴霧の際の不快な音も抑制することができる。
液滴径が小さくなり、噴霧角が広くなる理由としては、以下のように考えている。霧は水が細分化され空気中に噴霧されたものである。エマルションのように水中に油滴が介在していると、破断面が多くなり、噴霧の際に霧粒(液滴)が小さくなる。
また、上記のようなエマルションをエアゾール製品に適用することで、使用する際に製品を振とうすることで、容易にエマルションを再分散できることもわかった。
【0010】
以下、本発明に用いることのできる材料などについて説明する。
〈油相〉
油相は、油分を含む。本発明の効果を損なわない限り、油相には顔料、香料及び有効成分などの添加剤を用いてもよい。
エマルションは、油相が水相に分散した水中油型(O/W)エマルションであることが好ましい。エマルション中の油分の含有量は、好ましくは0.1〜1.0質量%であり、より好ましくは0.3〜0.5質量%である。上記範囲であると、液滴の分散性安定性が良好になる。
油分としては、特に制限されず、飽和炭化水素、不飽和炭化水素、高級脂肪酸、低級脂肪酸、アルコール、エステル、エーテル、シリコーンオイル、及び炭化フッ素並びにこれらの二種以上の混合物など、水に不溶な(水と相分離する)ものを広く用いることができる。
具体的には以下のものが挙げられる。
例えば、椿油、アルガン油、大豆油、オリーブ油、ひまし油、ココナッツ油、杏油、パーム油、ゴマ油、ホホバ油、綿実油、なたね油、アマニ油、ローズヒップ油などの植物油。
また、スクワラン、オレイン酸、ディート、紫外線吸収剤、精油など。
好ましくは、椿油、アルガン油、大豆油、オリーブ油、ひまし油、ココナッツ油、杏油、ローズヒップ油、スクワラン、ディート、オレイン酸、精油からなる群から選択される少なくとも一つである。
より好ましくは、椿油、アルガン油、大豆油、オリーブ油、ひまし油、ココナッツ油、杏油などの植物油、スクワランなどである。
これらの油分は、水への溶解性が低く、強固な界面が形成可能であるため、長期にわたって分散安定性が良好になり、好ましい。
【0011】
〈水相〉
水相は、水を含む。本発明の効果を損なわない程度に、香料及び有効成分や酸化防止剤などの添加剤を用いてもよい。
水相には、水に加え、アルコールなど水に混和する(相分離しない)ものを用いることもできる。
例えば、低級アルコール(例えばエタノール等の炭素数1〜3の脂肪族一価アルコール);多価アルコール(例えばグリセリン、プロピレングリコール(PG)、ジプロピレングリコール(DPG)、1,3−ブタンジオールなどのブタンジオール、ポリエチレングリコール(PEG));pH調整剤(例えばクエン酸、乳酸、トリエタノールアミン、KOH、NaOH);防錆剤(例えばアンモニア水、安息香酸アンモニウム、亜硝酸ナトリウム);防腐剤(例えばパラベン類、フェノキシエタノール);尿素;カルシウム、鉄、ナトリウムなどのミネラル等が挙げられる。
【0012】
〈噴射剤〉
エアゾール製品は、噴射剤を含有する。噴射剤は特段限定されず、液化ガスを使用してもよく、圧縮ガスを使用してもよい。好ましくは圧縮ガスであり、亜酸化窒素ガス、窒素
ガス、炭酸ガス又はこれらの混合ガスなどが挙げられる。
【0013】
〈エアゾール製品〉
エアゾール製品に用いるエアゾール容器は、耐圧容器としては公知の種々の容器を利用することができる。また、耐圧容器の種類に応じて、バルブ装置を装着するための構造を適宜選定することができる。
エアゾール製品は、エマルションをエアゾール容器、すなわちエアゾール用バルブ(噴射バルブ)を備えた耐圧容器内に充填することによって製造される。例えば、エマルションを調製し、得られたエマルションと噴射剤とをエアゾール容器に充填することによってエアゾール製品が製造される。耐圧容器内にさらに内容器を設け、噴射剤とエマルションとを内容器により隔離した、いわゆる二重容器を採用してもよい。
エマルションと噴射剤の混合比率は、液化ガスについては質量比(エマルション/噴射剤)で70/30〜35/65程度が好ましい。圧縮ガスの場合は質量比(エマルション/噴射剤)で99.9/0.1〜98/2程度が好ましい。
エアゾール製品の吐出形態は特に制限されないが、本発明の効果の観点からスプレー状、ミスト状であることが好ましい。
【0014】
〈エマルション〉
エマルションの製造方法は特に制限されず、公知の方法を用いることができる。水相と油相とを混合し、例えば、ホモジナイザーや超音波分散機などで分散する方法が挙げられる。
水相に油相を滴下した後、バス型超音波分散機を用いて分散することが好ましい。超音波分散の条件は、10〜60kHz(より好ましくは20〜40kHz)で、1〜10分(より好ましくは4〜6分)程度超音波を照射することが好ましい。温度条件は、4〜60℃(より好ましくは20〜40℃)程度が好ましい。
上記のような方法を採用することで、油滴の粒子径分布が狭く、単峰化するため、長期にわたってエマルションの分散安定性が良好になると考えている。
得られたエマルション中の分散液滴の液滴径は、体積平均粒子径で、好ましくは0.5〜5.0μmであり、より好ましくは1.0〜3.0μmである。
液滴の粒径分布は、HORIBA社製レーザー回折/散乱粒子径分布測定装置で測定することができる。
【実施例】
【0015】
以下、実施例を参照して本発明を具体的に説明する。ただし、本発明は以下の実施例の態様に制限されない。
【0016】
<エマルション1の製造>
超純水99.6質量%に日光ケミカルズ「杏仁油」(日本サーファクタント工業株式会社製)0.4質量%を混合し、300Wのバス型超音波分散機を用いて、温度25℃、周波数28kHz、処理時間5分の条件で超音波分散を行い、エマルション1を得た。得られたエマルション1の液滴径は体積平均粒子径で、2.5μmであった。液滴の粒径分布の測定結果を図1に示す。
得られたエマルション1を40日間静置した。図2に示すように、40日後も安定した分散状態を保っていた。
【0017】
<実施例1:エアゾール製品1の製造>
エマルション1と充填剤(窒素ガス)とを、エマルション1:充填剤=99:1の質量比率で噴射バルブ装置を備えた耐圧容器に充填し、0.7〜0.8MPaに圧力調整(平衡充填)して、エアゾール製品1を得た。噴射の形態は、スプレー状とした。
【0018】
<比較例1:比較用エアゾール製品1の製造>
エマルション1を超純水にした以外は、実施例1と同様にして比較用エアゾール製品を得た。
【0019】
実施例1及び比較例1のエアゾール製品を比較した。
噴射された液滴径をレーザー回折式粒度分布測定装置(スプレーテック:Malvern社)で測定したところ、実施例1:平均64.88μm、比較例1:平均69.42μmであり、エアゾール製品1では非常に微細な液滴を噴射できた。
噴霧角度は、実施例1:75度、比較例1:37度であり、エアゾール製品1は、噴霧角が広くソフトな肌あたりになった。
また、エアゾール製品1は、噴霧の際のスプレー音が明らかに低減していた。
図1
図2