【解決手段】本発明の物理量検出装置20は、流量センサ205と電子部品が樹脂で封止されているチップパッケージ208と、チップパッケージ208が実装される回路基板207を備えている。そして、チップパッケージ208は、その一部が回路基板207の端部から側方に突出した状態で回路基板207の基板面に固定されており、回路基板207は、基板面上の位置でかつチップパッケージ208よりも突出方向と反対の方向に偏倚した位置に、チップパッケージ207の幅よりも広い平坦な余白領域Sを有する。
前記余白領域は、複数の前記回路基板を前記チップパッケージの突出方向に複数並べた状態で、隣接する他の回路基板に実装されているチップパッケージの突出部分を載置可能な大きさを有していることを特徴とする請求項1に記載の物理量検出装置。
前記副通路は、前記計測部の先端部で前記主通路内における前記被計測気体の流れ方向上流側に向かって入口が対向配置され、該入口よりも前記主通路内における前記被計測気体の流れ方向下流側で前記被計測気体の流れ方向下流側に向かって出口が対向配置され、前記入口から前記計測部の基端部側に向かって延在し、該計測部の基端部側で折り返されて前記計測部の先端部側に向かって延在して前記出口につながる経路を有することを特徴とする請求項6に記載の物理量検出装置。
前記副通路は、前記入口から前記主通路内における前記被計測気体の流れ方向に沿って延在し、前記被計測気体の流れ方向下流側に向かって対向配置される第1出口までつながる第1副通路と、
前記第1副通路の途中で分岐して、前記計測部の基端部側に向かって延在し、該計測部の基端部側で折り返されて前記計測部の先端部側に向かって延在し、該入口よりも前記主通路内における前記被計測気体の流れ方向下流側で前記被計測気体の流れ方向下流側に向かって対向配置される第2出口につながる第2副通路を有することを特徴とする請求項7に記載の物理量検出装置。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に説明する、発明を実施するための形態(以下、実施例)は、実際の製品として要望されている種々の課題を解決しており、特に車両の吸入空気の物理量を検出する検出装置として使用するために望ましい色々な課題を解決し、種々の効果を奏している。下記実施例が解決している色々な課題の内の一つが、上述した発明が解決しようとする課題の欄に記載した内容であり、また下記実施例が奏する種々の効果のうちの1つが、発明の効果の欄に記載された効果である。下記実施例が解決している色々な課題について、さらに下記実施例により奏される種々の効果について、下記実施例の説明の中で述べる。従って、下記実施例の中で述べる、実施例が解決している課題や効果は、発明が解決しようとする課題の欄や発明の効果の欄の内容以外の内容についても記載されている。
【0010】
以下の実施例で、同一の参照符号は、図番が異なっていても同一の構成を示しており、同じ作用効果を成す。既に説明済みの構成について、図に参照符号のみを付し、説明を省略する場合がある。
【0011】
図1は、電子燃料噴射方式の内燃機関制御システム1に、本発明に係る物理量検出装置を使用した一実施例を示す、システム図である。エンジンシリンダ11とエンジンピストン12を備える内燃機関10の動作に基づき、吸入空気が被計測気体2としてエアクリーナ21から吸入され、主通路22である例えば吸気ボディと、スロットルボディ23と、吸気マニホールド24を介してエンジンシリンダ11の燃焼室に導かれる。燃焼室に導かれる吸入空気である被計測気体2の物理量は、本発明に係る物理量検出装置20で検出され、その検出された物理量に基づいて燃料噴射弁14より燃料が供給され、被計測気体2と共に混合気の状態で燃焼室に導かれる。なお、本実施例では、燃料噴射弁14は内燃機関の吸気ポートに設けられ、吸気ポートに噴射された燃料が被計測気体2と共に混合気を成形し、吸気弁15を介して燃焼室に導かれ、燃焼して機械エネルギを発生する。
【0012】
燃焼室に導かれた燃料および空気は、燃料と空気の混合状態を成しており、点火プラグ13の火花着火により、爆発的に燃焼し、機械エネルギを発生する。燃焼後の気体は排気弁16から排気管に導かれ、排気ガス3として排気管から車外に排出される。前記燃焼室に導かれる吸入空気である被計測気体2の流量は、アクセルペダルの操作に基づいてその開度が変化するスロットルバルブ25により制御される。前記燃焼室に導かれる吸入空気の流量に基づいて燃料供給量が制御され、運転者はスロットルバルブ25の開度を制御して前記燃焼室に導かれる吸入空気の流量を制御することにより、内燃機関が発生する機械エネルギを制御することができる。
【0013】
<内燃機関制御システムの制御の概要>
エアクリーナ21から取り込まれ主通路22を流れる吸入空気である被計測気体2の流量、温度、湿度、圧力などの物理量が物理量検出装置20により検出され、物理量検出装置20から吸入空気の物理量を表す電気信号が制御装置4に入力される。また、スロットルバルブ25の開度を計測するスロットル角度センサ26の出力が制御装置4に入力され、さらに内燃機関のエンジンピストン12や吸気弁15や排気弁16の位置や状態、さらに内燃機関の回転速度を計測するために、回転角度センサ17の出力が、制御装置4に入力される。排気ガス3の状態から燃料量と空気量との混合比の状態を計測するために、酸素センサ28の出力が制御装置4に入力される。
【0014】
制御装置4は、物理量検出装置20の出力である吸入空気の物理量と、回転角度センサ146の出力に基づき計測された内燃機関の回転速度とに基づいて、燃料噴射量や点火時期を演算する。これら演算結果に基づいて、燃料噴射弁14から供給される燃料量、また点火プラグ13により点火される点火時期が制御される。燃料供給量や点火時期は、実際にはさらに物理量検出装置20で検出される温度やスロットル角度の変化状態、エンジン回転速度の変化状態、酸素センサ28で計測された空燃比の状態に基づいて、きめ細かく制御されている。制御装置4は、さらに内燃機関のアイドル運転状態において、スロットルバルブ132をバイパスする空気量をアイドルエアコントロールバルブ27により制御し、アイドル運転状態での内燃機関の回転速度を制御する。
【0015】
内燃機関の主要な制御量である燃料供給量や点火時期はいずれも物理量検出装置20の出力を主パラメータとして演算される。従って、物理量検出装置20の検出精度の向上や、経時変化の抑制、信頼性の向上が、車両の制御精度の向上や信頼性の確保に関して重要である。
【0016】
特に近年、車両の省燃費に関する要望が非常に高く、また排気ガス浄化に関する要望が非常に高い。これらの要望に応えるには、物理量検出装置20により検出される吸入空気2の物理量の検出精度の向上が極めて重要である。また、物理量検出装置20が高い信頼性を維持していることも大切である。
物理量検出装置20が搭載される車両は、温度や湿度の変化が大きい環境で使用される。物理量検出装置20は、その使用環境における温度や湿度の変化への対応や、塵埃や汚染物質などへの対応も、考慮されていることが望ましい。
【0017】
また、物理量検出装置20は、内燃機関からの発熱の影響を受ける吸気管に装着される。このため、内燃機関の発熱が主通路22である吸気管を介して物理量検出装置20に伝わる。物理量検出装置20は、被計測気体と熱伝達を行うことにより被計測気体の流量を検出するので、外部からの熱の影響をできるだけ抑制することが重要である。
【0018】
車に搭載される物理量検出装置20は、以下で説明するように、単に発明が解決しようとする課題の欄に記載された課題を解決し、発明の効果の欄に記載された効果を奏するのみでなく、以下で説明するように、上述した色々な課題を十分に考慮し、製品として求められている色々な課題を解決し、色々な効果を奏している。物理量検出装置20が解決する具体的な課題や奏する具体的な効果は、以下の実施例の記載の中で説明する。
【0019】
<物理量検出装置の外観構造>
図2Aから
図2Fは、物理量検出装置の外観を示す図である。なお、以下の説明では、主通路の中心軸に沿って被計測気体が流れるものとする。
物理量検出装置20は、主通路22の通路壁に設けられた取り付け孔から主通路22の内部に挿入されて利用される。物理量検出装置20は、ハウジング201と、ハウジング201に取り付けられるカバー202とを備えている。ハウジング201は、合成樹脂製材料を射出成形することによって構成されており、カバー202は、例えばアルミニウム合金などの導電性材料からなる板状部材によって構成されている。カバー202は、薄い板状に形成されて、広い平坦な冷却面を有している。
【0020】
ハウジング201は、物理量検出装置20を主通路22である吸気ボディに固定するためのフランジ211と、フランジ211から突出して外部機器との電気的な接続を行うために吸気ボディから外部に露出するコネクタ212と、フランジ211から主通路22の中心に向かって突出するように延びる計測部213を有している。
【0021】
計測部213は、フランジ211から主通路22の中心方向に向かって延びる薄くて長い形状を成し、幅広な正面221と背面222、及び幅狭な一対の側面223、224を有している。計測部213は、物理量検出装置20を主通路22に取り付けた状態で、主通路22の内壁から主通路22の通路中心に向かって突出する。そして、正面221と背面222が主通路22の中心軸に沿って平行に配置され、計測部213の幅狭な側面223、224のうち計測部213の短手方向一方側の側面223が主通路22の上流側に対向配置され、計測部213の短手方向他方側の側面224が主通路22の下流側に対向配置される。
【0022】
計測部213は、
図2Fに示すように、計測部213の正面221が、短手方向に沿って一方側の側面223から他方側の側面224まで平坦であるのに対し、計測部213の背面222は、角部が面取りされており、かつ、短手方向中間位置から他方側の側面224まで移行するにしたがって正面に漸次接近する方向に傾斜しており、断面形状がいわゆる流線型となっている。したがって、主通路22の上流から流れてきた被計測気体2を正面221及び背面222に沿って円滑に下流に導くことができ、被計測気体2に対する流体抵抗を小さくすることができる。
【0023】
計測部213の先端部は、計測部213の下面が段差状に形成されており、物理量検出装置20を主通路22に取り付けた状態で、主通路22の上流側に配置される一方側の下面226と、主通路22の下流側に配置される他方側の下面227とを有し、一方側の下面226よりも他方側の下面227の方がさらに突出し、一方側の下面226と他方側の下面227との間を結ぶ段差面228が主通路22の上流側に向かって対向配置されるようになっている。そして、計測部213の段差面228には、吸入空気などの被計測気体2の一部を計測部213内の副通路に取り込むための入口231が開口して設けられている。そして、計測部213の短手方向他方側の側面224でかつ段差面228に対向する位置には、計測部213内の副通路に取り込んだ被計測気体2を主通路22に戻すための第1出口232及び第2出口233が開口して設けられている。
つまり、計測部213は、主通路22における被計測気体2の流れ方向上流側に向かって対向配置される第1壁部(一方側の側面223)と、第1壁部よりも計測部213の先端部側でかつ主通路22における被計測気体2の流れ方向下流側の位置において被計測気体2の流れ方向上流側に向かって対向配置されて副通路の入口231が開口する第2壁部(段差面228)とを有する。
【0024】
物理量検出装置20は、副通路の入口231が、フランジ211から主通路22の中心方向に向かって延びる計測部213の先端部に設けられているので、主通路22の内壁面近傍ではなく、内壁面から離れた中央部に近い部分の気体を副通路に取り込むことができる。このため、物理量検出装置20は、主通路22の内壁面から離れた部分の気体の流量を測定することができ、熱などの影響による計測精度の低下を抑制できる。
【0025】
主通路22の内壁面近傍では、主通路22の温度の影響を受け易く、気体の本来の温度に対して被計測気体2の温度が異なる状態となり、主通路22内の主気体の平均的な状態と異なることになる。特に主通路22がエンジンの吸気ボディである場合は、エンジンからの熱の影響を受け、高温に維持されていることが多い。このため主通路22の内壁面近傍の気体は、主通路22の本来の気温に対して高いことが多く、計測精度を低下させる要因となる。また、主通路22の内壁面近傍では流体抵抗が大きく、主通路22の平均的な流速に比べ、流速が低くなる。このため、主通路22の内壁面近傍の気体を被計測気体2として副通路に取り込むと、主通路22の平均的な流速に対する流速の低下が計測誤差につながる恐れがある。
【0026】
物理量検出装置20は、フランジ211から主通路22の中央に向かって延びる薄くて長い計測部213の先端部に入口231が設けられているので、内壁面近傍の流速低下に関係する計測誤差を低減できる。また、物理量検出装置20は、フランジ211から主通路22の中央に向かって伸びる計測部213の先端部に入口231が設けられているだけでなく、副通路の第1出口232及び第2出口233も計測部213の先端部に設けられているので、さらに計測誤差を低減することができる。
【0027】
物理量検出装置20は、計測部213が主通路22の外壁から中央に向かう軸に沿って長く伸びる形状を成しているが、側面223、224の幅は、
図2Cおよび
図2Dに示すように、狭い形状を成している。これにより、物理量検出装置20は、被計測気体2に対しては流体抵抗を小さい値に抑えることができる。
【0028】
<温度検出部の構造>
物理量検出装置20は、
図2Bに示すように、計測部213の先端部に、温度検出部である吸気温度センサ203が設けられている。吸気温度センサ203は、計測部213の外に露出して設けられている。具体的には、被計測気体2の流れ方向において、計測部213の一方側の側面よりも下流側の位置でかつ計測部213の段差面228よりも上流側の位置に配置されている。計測部213の段差面228には、副通路の入口231が開口して設けられており、吸気温度センサ203は、副通路の入口231よりも上流側に配置されている。
【0029】
吸気温度センサ203は、計測部213の外に露出して設けられており、副通路の入口231よりも上流側に配置されているので、吸気温度センサ203を計測部213の副通路内に配置した場合と比較して、副通路内に設けられている流量センサ205の流量計測に影響を与えるおそれがない。
【0030】
吸気温度センサ203は、円柱状のセンサ本体203aと、センサ本体203aの軸方向両端部から互いに離間する方向に向かって突出する一対のリード203bとを有するアキシャルリード部品によって構成されている。吸気温度センサ203は、計測部213内の回路基板207にリード203bを介して実装されており、計測部213の一方側の下面226から一対のリード203bが突出して、計測部213の段差面228に対向する位置にセンサ本体203aが配置されている。吸気温度センサ203は、計測部213の一方側の下面226に沿って平行でかつ被計測気体2の流れ方向に沿う向きとなるように配置されている。
【0031】
吸気温度センサ203は、一対のリード203bによってセンサ本体203aが支持された状態で計測部213の外に露出しているため、計測部213には、吸気温度センサ203を保護するためのプロテクタ202aが設けられている。プロテクタ202aは、計測部213の下面から突出して吸気温度センサ203よりも計測部213の正面側に対向配置されている。本実施例では、カバー202の一部を計測部213の下面よりも突出させることによって構成されている。吸気温度センサ203は、計測部213の外に露出しているので、そのままでは例えば物理量検出装置20の搬送時や物理量検出装置20を主通路22に取り付ける作業時に他の物体と接触させて、その検出性能に影響を与えてしまうおそれがある。物理量検出装置20は、プロテクタ202aを計測部213の正面側において吸気温度センサ203に対向配置させているので、搬送時や作業時等において吸気温度センサ203が他の物体に直接接触するのを未然に防ぐことができる。
【0032】
プロテクタ202aの突出長さは任意に選択できる。例えば、吸気温度センサ203が計測部213の一方側の下面226から大きく離間した位置に配置されている場合には、少なくとも吸気温度センサ203と同じ位置までプロテクタ202aの先端が配置されるように、その突出長さが設定される。また、吸気温度センサ203が計測部213の一方側の下面226近傍位置に配置されている場合には、下面226から大きく離間した位置に配置されている場合と比較して、他の物体に接触する可能性も低くなるので、プロテクタを設けなくてもよい。
【0033】
計測部213は、主通路22における被計測気体2の流れ方向上流側に向かって対向配置される一方側の側面223(第1壁部)と、一方側の側面223よりも計測部213の先端部側でかつ主通路22における被計測気体2の流れ方向下流側の位置において被計測気体2の流れ方向上流側に向かって対向配置されて副通路の入口231が開口する段差面228(第2壁部)とを有している。そして、吸気温度センサ203は、一方側の側面223よりも主通路22における被計測気体2の流れ方向下流側でかつ段差面228(第2壁部)に開口する副通路の入口231よりも主通路22における被計測気体2の流れ方向上流側の位置に配置されている。したがって、主通路22を流れる被計測気体2が計測部213の短手方向一方側の側面223に衝突すると、計測部213の段差面228に向かって流れ込む剥離流が発生する。剥離流は、計測部213の一方側の側面223よりも下流側でかつ計測部213の段差面228よりも上流側の位置に配置されている吸気温度センサ203に当たる被計測気体2の流れを増速させることができる。
【0034】
図3は、物理量検出装置周辺の被計測気体の流速を測定したものである。測定結果によれば、計測部213の一方側の側面223よりも上流側のポイント(8)〜(14)では、流速が0.5m/s以下であったのに対し、計測部213の一方側の側面223よりも下流側でかつ計測部213の段差面228よりも上流側のポイント(1)〜(7)では、流速が0.6m/s以上であり、計測部213の一方側の側面223よりも下流側でかつ計測部213の段差面228よりも上流側の位置の方が、計測部213の一方側の側面223の上流側の位置よりも流速が高くなっている。これは、被計測気体2が計測部213の一方側の側面223に衝突して生じた剥離流が、計測部213の一方側の側面223よりも下流側でかつ計測部213の段差面228よりも上流側の位置における被計測気体2の流れを増速させたことによるものと推測される。
【0035】
本実施形態の物理量検出装置20によれば、吸気温度センサ203が、計測部213の一方側の側面223よりも上流側の位置ではなく、計測部213の一方側の側面223よりも下流側でかつ計測部213の段差面228よりも上流側の位置に配置されるので、吸気温度センサ203に対して、上流から真っ直ぐ流れてくる被計測気体2と、それに加えて剥離流も当てることができる。したがって、吸気温度センサ203の放熱性を向上させることができる。
【0036】
<フランジの構造>
物理量検出装置20の計測部213は、主通路22に設けられた取り付け孔から内部に挿入され、物理量検出装置20のフランジ211が主通路22に当接され、ねじで主通路22に固定される。フランジ211は、所定の板厚からなる平面視略矩形状を有しており、
図2E及び
図2Fに示すように、対角線上の角部には固定穴部241が対をなして設けられている。固定穴部241は、フランジ211を貫通する貫通孔242を有している。フランジ211は、固定穴部241の貫通孔242に、不図示の固定ネジが挿通されて主通路22のネジ穴に螺入されることにより主通路22に固定される。
【0037】
図2Eに示すように、フランジ211の上面には複数のリブが設けられている。リブは、固定穴部241とコネクタ212との間を直線的に接続する第1リブ243と、固定穴部241の貫通孔242の周囲を囲む断面テーパ状の第2リブ244と、フランジ211の外周部に沿って設けられている第3リブ245と、フランジ211の対角線上でかつ第1リブ243に交差する方向に延在する第4リブ246とを有している。
【0038】
第1リブ243は、主通路22へのねじ固定力が作用する固定穴部241と、立体形状により剛性が比較的高いコネクタ212との間に亘って直線的に設けられているので、フランジ補強効果が高い。したがって、第1リブ243を有していないものと比較して、フランジ211の厚さを薄くすることができ、ハウジング全体の軽量化を図ることができ、また、ハウジング201の成形時にフランジ211を構成する樹脂の収縮の影響を低減することができる。
【0039】
図4Aは、
図2EのIIA−IIA線断面図、
図4Bは、本実施形態のフランジにおける樹脂成形時における樹脂の流れを説明する図、
図5Aは、比較例における
図4Aに相当する図、
図5Bは、比較例のフランジにおける樹脂成形時の樹脂の流れを説明する図である。
【0040】
ハウジング201は、成形型内に樹脂を射出成形することにより製造され、樹脂成形時にフランジ211の部分では貫通孔242の周囲を回り込むように成形型内を樹脂Pが流れる。例えば
図5Aに示すように、固定穴部241の貫通孔242の周囲の肉厚が均一の場合、樹脂Pの流れの制御が難しく、
図5Bに示すように、貫通孔242の部分で二股に分かれて貫通孔242の両側から樹脂Pがそれぞれ流れ込むときに、幅方向中央部分が先頭となって進み、かかる幅方向中央部分で互いが最初に合流し、貫通孔242に接近する方向と貫通孔242から離間する方向に向かって漸次合流が進むように形成される。したがって、合流部分において樹脂Pの合流が不充分で脆弱なウェルド(樹脂合流部)が発生するおそれがあり、金属ブッシュを未使用の場合には、耐久性が低く、クラックが発生する可能性があった。
【0041】
これに対し、本実施形態では、
図4Aに示すように、断面テーパ状の第2リブ244を貫通孔242の周囲に設けている。第2リブ244は、
図4Bに示すように、貫通孔242の部分で二股に分かれて貫通孔242の両側から樹脂Pがそれぞれ流れ込むときに、流れ込む樹脂Pの幅方向貫通孔近傍部分を先頭として、かかる部分で最初に合流させ、貫通孔242から離間する方向にのみ向かって合流が進むように、樹脂Pの流れを制御する。したがって、合流部分において樹脂Pを十分に合流させることができ、脆弱なウェルドの発生を防ぐことができる。
【0042】
第1リブ243は、一対の固定穴部241を結ぶ対角線上に沿って直線状に設けられており、第4リブ246は、他方の対角線上に沿って並ぶように設けられている。第1リブ243は、第4リブ246と比較して比較的幅太に形成されており、剛性が高くなっている。第3リブ245には、フランジ211の一辺毎に切り欠きが設けられており、フランジ211の上面でかつ第1リブ243と第3リブ245によって囲まれた領域に液体が溜まるのを防ぐようになっている。
【0043】
コネクタ212は、
図2Eに示すように、その内部に4本の外部端子247と補正用端子248が設けられている。外部端子247は、物理量検出装置20の計測結果である流量や温度などの物理量を出力するための端子および物理量検出装置20が動作するための直流電力を供給するための電源端子である。補正用端子248は、生産された物理量検出装置20の計測を行い、それぞれの物理量検出装置20に関する補正値を求めて、物理量検出装置20内部のメモリに補正値を記憶するのに使用する端子であり、その後の物理量検出装置20の計測動作では上述のメモリに記憶された補正値を表す補正データが使用され、この補正用端子248は使用されない。従って、外部端子247が他の外部機器との接続において、補正用端子248が邪魔にならないように、補正用端子248は、外部端子247とは異なる形状をしている。この実施例では外部端子247より補正用端子248が短い形状をしており、外部端子247に接続される外部機器への接続端子がコネクタ212に挿入されても、接続の障害にならないようになっている。
【0044】
<ハウジングの構造>
図6Aは、カバーが取り外された状態のハウジングの正面図、
図6Bは、
図6AのVIB−VIB線断面図である。なお、
図6A及び
図6Bでは、回路基板を封止しているホットメルトを省略している。
【0045】
ハウジング201には、計測部213内に副通路234を形成するための副通路溝250と、回路基板207を収容するための回路室235が設けられている。回路室235と副通路溝250は、計測部213の正面に凹設されており、計測部213の短手方向一方側と他方側に分かれて配置されている。回路室235は、主通路22における被計測気体2の流れ方向上流側の位置に配置され、副通路234は、回路室235よりも主通路22における被計測気体2の流れ方向下流側の位置に配置される。
【0046】
ハウジング201には、主通路124を流れる被計測気体2の流量を計測するための流量センサを備えるチップパッケージ208が回路基板207に実装された状態で収容されている。チップパッケージ208は、チップパッケージ208の一部が回路基板207の端部から側方に突出した状態で回路基板207の基板面に固定されている。チップパッケージ208は、副通路234と回路室235との間に亘って配置されている。
【0047】
副通路溝250は、カバー202との協働により副通路234を形成する。副通路234は、計測部の突出方向(長手方向)に沿って延在して設けられている。副通路234を形成する副通路溝250は、第1副通路溝251と、第1副通路溝251の途中で分岐する第2副通路溝252とを有している。第1副通路溝251は、計測部213の段差面228に開口する入口231と、計測部213の他方側の側面でかつ段差面228に対向する位置に開口する第1出口232との間に亘って、計測部213の短手方向に沿って延在するように形成されている。入口231は、主通路22における被計測気体2の流れ方向上流側に向かって対向配置されている。第1副通路溝251は、主通路22内を流れる被計測気体2を入口231から取り込み、その取り込んだ被計測気体2を第1出口232から主通路22に戻す第1副通路を構成する。第1副通路は、入口231から主通路22内における被計測気体2の流れ方向に沿って延在し、第1出口232までつながる。
【0048】
第2副通路溝252は、第1副通路溝251の途中位置で分岐して計測部213の長手方向に沿って計測部213の基端部側(フランジ側)に向かって延在する。そして、計測部213の基端部で計測部213の短手方向他方側に向かって折れ曲がり、Uターンして再び計測部213の長手方向に沿って計測部213の先端部に向かって延在する。そして、第1出口232の手前で計測部213の短手方向他方側に向かって折曲され、計測部213の他方側の側面224に開口する第2出口233に連続するように設けられている。第2出口233は、主通路22における被計測気体2の流れ方向下流側に向かって対向配置される。第2出口233は、第1出口232とほぼ同等若しくは若干大きい開口面積を有しており、第1出口232よりも計測部213の長手方向基端部側に隣接した位置に形成されている。
【0049】
第2副通路溝252は、第1副通路から分岐されて流れ込んだ被計測気体2を通過させて第2出口233から主通路22に戻す第2副通路を構成する。第2副通路は、計測部213の長手方向に沿って往復する経路を有する。つまり、第2副通路は、第1副通路の途中で分岐して、計測部213の基端部側に向かって延在し、計測部213の基端部側で折り返されて計測部213の先端部側に向かって延在し、入口231よりも主通路22内における被計測気体2の流れ方向下流側で被計測気体2の流れ方向下流側に向かって対向配置される第2出口233につながる経路を有する。第2副通路溝252は、その途中位置に流量センサ205が配置されている。第2副通路溝252は、第2副通路の通路長さをより長く確保することができ、主通路内に脈動が生じた場合に、流量センサ205への影響を小さくすることができる。
【0050】
上記構成によれば、計測部213の延びる方向に沿って副通路234を形成することができ、副通路234の長さを十分に長く確保できる。これにより、物理量検出装置20は、十分な長さの副通路234を備えることができる。したがって、物理量検出装置20は、流体抵抗を小さい値に抑えられると共に高い精度で被計測気体30の物理量を計測することが可能である。
【0051】
第1副通路溝251は、入口231から第1出口232まで計測部213の短手方向に沿って延在して設けられているので、入口231から第1副通路内に侵入した塵埃などの異物をそのまま第1出口232から排出させることができ、異物が第2副通路に侵入するのを防ぎ、第2副通路内の流量センサ205に影響を与えるのを防ぐことができる。
【0052】
第1副通路溝251の入口231と第1出口232は、入口231の方が第1出口232よりも大きな開口面積を有している。入口231の開口面積を第1出口232よりも大きくすることによって、第1副通路に流入した被計測気体2を、第1副通路の途中で分岐している第2副通路にも確実に導くことができる。
【0053】
第1副通路溝251の入口231には、長手方向中央位置に突起部253が設けられている。突起部253は、入口231の大きさを長手方向に2等分して、それぞれの開口面積を第1出口232及び第2出口233よりも小さくしている。突起部253は、入口231から第1副通路に侵入可能な異物の大きさを第1出口232及び第2出口233よりも小さいものだけに規制し、異物によって第1出口232や第2出口233が塞がれるのを防ぐことができる。
【0054】
<各センサの配置位置>
図6Aに示すように、回路室235は、計測部213の短手方向一方側に設けられており、回路基板207が収容されている。回路基板207は、計測部の長手方向に沿って延在する長方形状を有しており、その表面には、チップパッケージ208と、圧力センサ204と、温湿度センサ206が実装されている。
【0055】
チップパッケージ208は、回路基板207に実装されている。チップパッケージ208には、流量センサ205と、流量センサ205を駆動する電子部品であるLSIとが実装されている。チップパッケージ208は、第2副通路溝252内に流量センサ205が配置されるように、回路基板207の長手方向中央位置で回路基板207から短手方向他方側にチップパッケージ208の一部が突出した状態で実装されている。
【0056】
圧力センサ204は、チップパッケージ208よりも回路基板207の長手方向基端部側に実装されており、温湿度センサ206は、チップパッケージ208よりも回路基板207の長手方向先端側に実装されている。そして、回路基板207の表面には、吸気温度センサ203のリードが接続されている。吸気温度センサ203は、温湿度センサ206よりも回路基板207の長手方向先端側の位置にリード203bが接続され、センサ本体203aが回路基板207から長手方向にはみ出して計測部213の外部に露出した位置に配置されるように実装されている。
【0057】
計測部213には、その長手方向に沿って基端部側から先端部側に向かって(計測部213の突出方向に向かって)、(1)圧力センサ204、(2)流量センサ205、(3)温湿度センサ206、(4)吸気温度センサ203が順番に配置されている。(1)圧力センサ204は、被計測気体2の圧力を検出し、流量センサ205は、被計測気体2の流量を検出する。温湿度センサ206は、被計測気体2の湿度を検出し、吸気温度センサは、被計測気体の温度を検出する。
【0058】
図7Aは、各センサの許容温度誤差を示した数値グラフである。
図7Aの数値グラフによれば、(1)圧力センサ204は、温度誤差の許容範囲が−25℃から50℃の間であり、各センサの中で最も広く、熱影響が小さい。そして、(2)流量センサ205は、高温側への許容範囲が広く、高温側で熱影響が小さい。一方、(3)温湿度センサ206は、低温側への許容範囲が広く、低温側で熱影響が小さい。そして、(4)吸気温度センサ203は、許容範囲が基準温度25℃を含む近傍のみであり、温度の許容範囲が各センサの中で最も狭く、熱影響が大きい。
【0059】
物理量検出装置20は、例えば自動車のエンジンルーム内に配置される。エンジンルーム内の温度は、60℃から100℃であり、主通路22を通過する被計測気体2の温度は平均25℃である。したがって、物理量検出装置20には、フランジ211側からエンジンルーム内の熱が伝達され、その温度分布は、フランジ211側から計測部213の先端部側に向かって移行するにしたがって漸次温度が低くなる。
【0060】
したがって、本実施形態の計測部213では、最も熱影響が小さい(1)圧力センサ204を基端側に配置し、次に高温側で熱影響が小さい(2)流量センサ205を(1)圧力センサ204よりも計測部213の先端部側に配置する。そして、次に低温側で熱影響が小さい(3)温湿度センサ206を(2)流量センサ205よりも計測部213の先端部側に配置に配置し、最も熱影響を受けやすい(4)吸気温度センサ203を計測部213の先端部に配置する構成とした。
図7Bは、エンジンルーム内における各センサの温度変化を示したグラフである。
図7Bに示すように、各センサの配置順に応じた温度分布となっている。
【0061】
本実施形態によれば、回路基板207を計測部213の長手方向に沿って延在するように配置しているので、フランジ211からの熱伝導距離を主通路22の中心軸近傍まで確保できる。そして、(1)〜(4)の各センサを、計測部213の基端部から先端部に向かって熱影響の小さい順に並べて配置しているので、各センサのセンサ性能を確保することができる。また、回路基板207を、計測部213の短手方向一方側に配置することで空気への熱伝導率を促進させることができる。
【0062】
<回路室内のシール構造>
図8Aは、カバーが取り外されたハウジングの正面図、
図8Bは、回路基板207の正面図、
図8Cは、
図8BのVIIIC−VIIIC線断面図である。
【0063】
回路基板207は、
図8Aから
図8Eに示すように、ホットメルト接着剤209が塗布されて、回路基板207と各センサとの導通部が保護されている。各センサのセンサ面は、ホットメルト接着剤209に覆われずに露出しており、センシング機能は失われない。ホットメルト接着剤209は、例えば弾性変形可能な弾力性を有する熱可塑性樹脂材料により構成されており、加熱軟化された状態で回路基板207に塗布される。
【0064】
回路室は、
図8Aにハッチングで示される部分が接着剤によってカバーに接着され、接着剤とホットメルト接着剤209によって回路基板207の正面側が3つの部屋R1、R2、R3に気密的に仕切られるようになっている。具体的には、ハウジング201に一体成形されたコネクタターミナル214と回路基板207の接続端子部とが接続される第1室R1と、圧力センサ204とチップパッケージ208の一部が収容される第2室R2と、温湿度センサ206が収容されかつ吸気温度センサ203のリード203bが挿通される第3室R3が形成される。
【0065】
第1室R1は、正面側がカバー202によって封止されており、計測部213の外側から隔離された密閉空間となっている。したがって、コネクタターミナル214と接続端子との接続部分が、被計測気体2に含まれているガスと接触して腐食するのを防ぐことができる。第2室R2は、カバー202との間の隙間を介して第2副通路252と連通しており、圧力センサ204による圧力の計測が可能になっている。第3室R3は、計測部213の下面226に開口する吸気温度センサ用のリード挿通穴216を介して計測部213の外側と連通しており、温湿度センサ206による温湿度の計測が可能になっている。
【0066】
<ハウジング単体の構造>
図9Aは、カバーと基板が取り外されたハウジングの正面図、
図9Bは、
図9AのIXB−IXB線断面図、
図9Cは、
図9AのIXC−IXC線断面図である。
【0067】
ハウジング201は、
図9Aに示すように、回路室235の底面にリブ237が設けられている。リブ237は、計測部の長手方向に沿って延在する複数の縦リブと、計測部213の短手方向に沿って延在する複数の横リブを有しており、格子状に設けられている。
【0068】
ハウジング201は、計測部213にリブ237を設けることによって、厚みを厚くすることなく高い剛性を得ることができる。ハウジング201は、フランジ211と計測部213とで厚さが大きく異なり、射出成形後の熱収縮率の差異が大きく、フランジ211と比較して厚みの薄い計測部213が変形しやすい。したがって、回路室235の底面に平面状に広がる格子状のリブ237を設けることで熱収縮時の計測部213のゆがみを抑えることができる。
【0069】
ハウジング201は、計測部213の外壁ではなく、回路室235の底面にリブ237を設けている。リブ237を計測部213の外壁に設けた場合、主通路22を通過する被計測気体2の流れに影響を与えるおそれがある。また、例えば片面実装の回路基板207を収容することを前提として回路室235の深さを設定していた場合、両面実装の回路基板207を収容するように仕様が変更になったときに、回路室235の深さを増大させなければならないが、計測部213の外壁にリブが設けられていると、回路室235の深さを増大させた分だけリブが突出し、計測部213の厚みが大きくなる。したがって、片面実装の場合と両面実装の場合で、計測部213の厚みが異なることとなり、検出精度に影響を与えるおそれがある。
【0070】
これに対し、本実施例では、回路室235の底面にリブ237を設けているので、主通路22を通過する被計測気体2の流れに影響を与えるのを防ぎ、被計測気体2を円滑に流すことができる。そして、回路室235内のリブ237の高さを変更するだけで回路室235の底面の深さを変更でき、回路基板207が片面実装と両面実装のいずれであるかにかかわらず計測部の厚みを変更する必要がない。
【0071】
ハウジング201には、コネクタターミナル214が一体成形されている。コネクタターミナル214は、基端がコネクタ212内の外部端子に接続されており、先端が回路室235内に突出して設けられている。コネクタターミナル214は、
図9Cに示すように、先端が幅方向に弾性変形可能な端子(ニードルアイ)を有しており、回路基板207を回路室235に配置することによって、端部を回路基板207のスルーホール261に圧入して電気的な接続をするプレスフィット構造となっている。
【0072】
そして、回路室235の底面には、回路基板207を位置決め支持するための溝穴238が凹設されている。回路基板207には、対応する位置に、凸部209aが設けられている。凸部209aは、ホットメルト接着剤209の一部を突出させることによって構成されている。回路基板207は、弾性変形可能な弾力性を有しているホットメルト接着剤209により構成された凸部209aを溝穴238に嵌合させることによって、ハウジング201からの振動伝達が抑制された状態で回路室235内に支持される。
【0073】
<カバーの構造>
カバー202は、例えばアルミニウム合金やステンレス合金などの金属製の導電性材料によって構成されている。カバー202は、計測部213の正面を覆う平板形状を有しており、接着剤によって計測部213に固定される。カバー202は、計測部213の回路室235を覆い、また、計測部213の副通路溝250との協働により副通路を構成する。カバー202は、所定のコネクタターミナル214との間に導電性の中間部材を介在させることによってグランドに電気的に接続されており、除電機能を有している。
【0075】
回路基板207は、計測部213の長手方向に沿って延在する長方形を有している。回路基板207の長手方向一方端部には、ハウジング201のコネクタターミナル214が圧入されるスルーホール261が設けられている。そして、スルーホール261に隣接する位置に、圧力センサ204が設けられている。圧力センサ204は、
図10Aに示すように1個でもよく、また、複数を並べて配置してもよい。
【0076】
回路基板207の長手方向中央位置には、チップパッケージ208が固定されている。チップパッケージ208は、回路基板207の端部から一部が突出してはみ出すように実装されている。具体的には、チップパッケージ208は、回路基板207の長手方向中央位置で短手方向一方側に偏倚した位置に基端部が固定されており、回路基板207から短手方向に沿って突出した位置に先端部が配置されている。チップパッケージ208の先端部には、流量センサ205が設けられており、第2副通路溝252内に配置されるようになっている。回路基板207は、回路基板207の基板面上の位置でかつチップパッケージ208よりもチップパッケージ208の突出方向とは反対の方向に偏倚した位置に、チップパッケージ208の幅よりも広い平坦な余白領域Sを有している。余白領域Sは、チップパッケージ208よりも短手方向他方側の位置に設けられており、回路部品が配置されておらず基板面が露出している。余白領域Sは、回路配線を有するが、回路部品が未実装の領域である。
【0077】
本実施例では、
図11Aに示すように、チップパッケージ208を回路基板207にはみ出し実装することにより、
図12に示す比較例のように、チップパッケージ208全体が回路基板207の表面に収まるように実装した場合と比較して、回路基板207の大きさを小さくすることができる。
図12に示す比較例の場合、回路基板207の破線Bで囲まれる部分は、副通路内に配置されるため、部品の実装が不可能であり、無駄なスペースとなる。これに対し、本実施例の回路基板207は、はみ出し実装により、比較例から約30%の大きさ部分を省略することができ、回路基板207の小型化を図ることができる。
【0078】
また、回路基板207のチップパッケージ208よりも短手方向他方側の領域に、余白領域Sを設けているので、
図11Aに示すように、基板シートKの上の各回路基板207にチップパッケージ208を実装する際に、隣接する他の回路基板207の余白領域Sの上に、回路基板207から突出したチップパッケージ208の先端部を載せることができる。つまり、余白領域Sは、複数の回路基板207をチップパッケージ208の突出方向に複数並べた状態で、隣接する他の回路基板207に実装されているチップパッケージ208の突出部分を載置可能な大きさを有している。したがって、
図12に示す比較例のように、チップパッケージ208全体が回路基板207の表面に収まるように実装した比較例と比較して、同一サイズの基板シートKでより多くの数の回路基板207を作ることができ、回路基板207の取り数を向上させることができ、生産性を上げることができる。
【0079】
吸気温度センサ203は、
図10Aに示すように、回路基板207の長手方向他方端部から長手方向に沿って突出して配置されている。回路基板207の長手方向他方端部には、吸気温度センサ203の一対のリード203bがそれぞれ挿通されるスルーホール262が設けられている。吸気温度センサ203の一対のリード203bは、各端部がそれぞれスルーホール262に挿入されており、回路基板207の表面に沿うように折曲されて、回路基板207の長手方向他方端部から平行に突出している。一対のリード203bに対向する回路基板207の基板面には、ハンダ用のパッド263が設けられており、リードにハンダ付けされている。そして、回路基板207から所定距離だけ離れた位置にセンサ本体203aを支持している。
【0080】
吸気温度センサ203は、
図11Aに示すように、基板シートKの上の各回路基板207に実装される際に、一対のリード203bの先端がスルーホール262に挿入され、各リード203bが回路基板207の基板面に沿うように配置される。そして、センサ本体203aが、
図11B及び
図11Cに示すように、基板シートKのフレーム枠K1に予め設けられている位置決め穴K2に入り込むように配置される。したがって、吸気温度センサ203は、回路基板207に対して正しい姿勢で正しい位置に位置決めされ、安定して支持された状態でハンダ付けされ、回路基板207に対する取付誤差を少なくすることができる。
【0081】
<チップパッケージ208の構成>
図13Aは、チップパッケージの正面図、
図13Bは、チップパッケージの背面図、
図13Cは、チップパッケージの左側面図、
図13Dは、チップパッケージの右側面図、
図13Eは、チップパッケージの下面図、
図14は、回路部品が未実装である回路基板の正面図である。
【0082】
チップパッケージ208は、LSIと流量センサ205をリードフレームの上に搭載し、熱硬化性樹脂で封止することによって構成されている。チップパッケージ208は、略平板形状に樹脂成形されたパッケージ本体271を有している。パッケージ本体271は、長方形を有しており、計測部213の短手方向に沿って延在し、パッケージ本体271の長手方向一方側の基端部が回路室235に配置され、パッケージ本体271の長手方向他方側の先端部が第2副通路溝252内に配置される。
【0083】
パッケージ本体271の基端部には複数本の接続端子272が突出して設けられている。チップパッケージ208は、これら複数の接続端子272を回路基板207のパッド264にハンダ付けすることにより回路基板207に固定される。
【0084】
パッケージ本体271の先端部には流量センサ205が設けられている。流量センサ205は、第2副通路内に露出して配置されている。流量センサ205は、パッケージ本体271の表面に凹設された通路溝273内に設けられている。通路溝273は、第2副通路溝252内で第2副通路溝252に沿って延在するように、パッケージ本体271の短手方向に沿って短手方向一方側の端部から短手方向他方側の端部までの全幅に亘って形成されている。流量センサ205は、ダイヤフラム構造を有しており、パッケージ本体271のダイヤフラム裏面側には閉塞された空間室が形成されている。空間室は、パッケージ本体271の内部に形成された換気通路を介して、パッケージ本体271の基端部の表面に開口する換気口274と連結されている。
【0085】
パッケージ本体271の基端部の裏面には、回路基板207に位置決めするための位置決め凸部275が設けられている。位置決め凸部275は、パッケージ本体271の短手方向に離れた位置に対をなして設けられている。回路基板207には、パッケージ本体271の位置決め凸部275が挿入される位置決め穴265が設けられている。チップパッケージ208は、パッケージ本体271の位置決め凸部275を回路基板207の位置決め穴265に挿入することによって回路基板207に対する位置決めを行うことができる。
【0086】
また、パッケージ本体271の裏面には、チップパッケージ208を基板シートKの回路基板207に取り付ける際に、パッケージ本体271の回路基板207に対する姿勢を決めるための突起部276が設けられている。突起部は、
図13Bに示すように、基端部の四隅と、先端部の短手方向中央の位置に設けられている。
【0087】
基端部側の突起部276は、回路基板207の基板面に当接して回路基板207の上にパッケージ本体271を支持し、先端部側の突起部276は、
図11Aに示すように、隣接する他の回路基板207の余白領域Sの上に支持する。突起部276は、半球形状を有しており、回路基板207の基板面の凹凸や傾きに対して点接触して、パッケージ本体271を適切に支持することができる。
【0088】
チップパッケージ208は、パッケージ本体271の基端部が回路基板207の上に配置され、パッケージ本体271の先端部が回路基板207から側方に突出した位置に配置されるので、バランスが悪く、先端部側が回路基板207の裏面側に下がり、基端部側が回路基板207の表面から浮き上がるように傾くおそれがある。
【0089】
本実施例では、パッケージ本体271の裏面に突起部276を設けて、パッケージ本体271の先端部と基端部を、それぞれ回路基板207の上と、隣接する他の回路基板207の上の両方に載せて支持しているので、パッケージ本体271の傾きを防ぐことができる。したがって、接続端子272を回路基板207のパッド264にハンダ付けすることによって、回路基板207に対してチップパッケージ208を正しい姿勢状態で固定することができる。
【0090】
以上、本発明の実施形態について詳述したが、本発明は、前記の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の精神を逸脱しない範囲で、種々の設計変更を行うことができるものである。例えば、前記した実施の形態は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。さらに、各実施形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。