特開2019-66945(P2019-66945A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 藤田 美智雄の特許一覧 ▶ 株式会社バリューHRの特許一覧

<>
  • 特開2019066945-インセンティブ付与還元システム 図000003
  • 特開2019066945-インセンティブ付与還元システム 図000004
  • 特開2019066945-インセンティブ付与還元システム 図000005
  • 特開2019066945-インセンティブ付与還元システム 図000006
  • 特開2019066945-インセンティブ付与還元システム 図000007
  • 特開2019066945-インセンティブ付与還元システム 図000008
  • 特開2019066945-インセンティブ付与還元システム 図000009
  • 特開2019066945-インセンティブ付与還元システム 図000010
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2019-66945(P2019-66945A)
(43)【公開日】2019年4月25日
(54)【発明の名称】インセンティブ付与還元システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/02 20120101AFI20190329BHJP
   G06Q 50/22 20180101ALI20190329BHJP
【FI】
   G06Q30/02 320
   G06Q50/22
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2017-188880(P2017-188880)
(22)【出願日】2017年9月28日
(71)【出願人】
【識別番号】501080619
【氏名又は名称】藤田 美智雄
(71)【出願人】
【識別番号】503378958
【氏名又は名称】株式会社バリューHR
(74)【代理人】
【識別番号】110002022
【氏名又は名称】特許業務法人コスモ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】藤田 美智雄
【テーマコード(参考)】
5L049
5L099
【Fターム(参考)】
5L049BB07
5L099AA15
(57)【要約】
【課題】被保険者に対し、健康管理の意識を向上させることができるインセンティブ付与還元システムを提供する。
【解決手段】インセンティブ付与還元システム500は、健康保険組合に加入するユーザのユーザ端末100と、健康保険組合の保健事業を受託して、保健事業に関するサイトを管理する受託サーバ200と、受託サーバ200に広告を掲載する広告主サーバ300とを備える。ユーザ端末100は、閲覧要求を送出する閲覧要求送出部111と、閲覧要求の許可を受け付ける許可受付部113と、サイトを表示するディスプレイ140と、を備える。受託サーバ200は、サイトの閲覧要求を受け付ける閲覧受付部211と、ポイントを付与するポイント付与部213と、IDごとに合計ポイントを算出する合計ポイント算出部215と、IDごとの合計ポイントをそのユーザ端末100に表示させる表示制御部217とを、を備える。
【選択図】 図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
健康保険組合に加入するユーザのユーザ端末と、前記健康保険組合の保健事業を受託して、前記保健事業に関するサイトを管理する受託サーバと、前記受託サーバに広告を掲載する広告主サーバとを備えるインセンティブ付与還元システムであって、
前記ユーザ端末は、
ネットワークを介して、前記受託サーバの前記保健事業に関するサイトに、閲覧要求を送出する閲覧要求送出部と、
前記ネットワークを介して、前記受託サーバの前記保健事業に関するサイトから、前記閲覧要求の許可を受け付ける許可受付部と、
許可された前記保健事業に関するサイトを表示するディスプレイと、を備え、
前記受託サーバは、
前記ネットワークを介して前記ユーザ端末から、前記保健事業に関するサイトの閲覧要求を受け付ける閲覧受付部と、
前記ユーザ端末により前記保健事業に関するサイトが閲覧され、当該サイトを利用したユーザに関連付けられたユーザ識別情報にポイントを付与するポイント付与部と、
付与された前記ポイントに基づいて、前記ユーザ識別情報ごとに合計ポイントを算出する合計ポイント算出部と、
前記ユーザ識別情報ごとの合計ポイントを、当該ユーザ端末に表示させる表示制御部と、
を備えることを特徴とするインセンティブ付与還元システム。
【請求項2】
前記表示制御部は、
前記保健事業の事業費に対し、前記広告による収入の一部が割り当てられる旨を、前記ユーザ端末に表示する
ことを特徴とする請求項1に記載のインセンティブ付与還元システム。
【請求項3】
前記表示制御部は、
前記広告による収入の一部により、前記受託サーバの企業への委託料が減額される旨を、前記ユーザ端末に表示する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のインセンティブ付与還元システム。
【請求項4】
前記合計ポイント算出部は、
複数の前記ユーザ識別情報の合計ポイントに基づいて、前記ユーザ識別情報の平均合計ポイントを算出し、
前記表示制御部は、
前記ユーザ識別情報ごとの合計ポイントと、前記平均合計ポイントとを対比して、視覚可能に前記ユーザ端末に表示する
ことを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載のインセンティブ付与還元システム。
【請求項5】
前記ポイント付与部は、
前記保健事業の受診情報に、前記ポイントを付与する
ことを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載のインセンティブ付与還元システム。
【請求項6】
前記ポイント付与部は、
歩数に関する情報、又は禁煙に関する情報に、前記ポイントを付与する
ことを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載のインセンティブ付与還元システム。
【請求項7】
前記広告は、
ユーザの健康状態を改善させる内容の広告であって、前記ユーザ識別情報ごとの合計ポイントを適用可能な旨の表示を行う
ことを特徴とする請求項1乃至6の何れかに記載のインセンティブ付与還元システム。
【請求項8】
前記受託サーバは、
複数の前記健康保険組合の保険事業に関するサイトを管理し、
前記ポイント付与部は、
前記健康保険組合ごとに、異なる還元率をポイントとして付与する
ことを特徴とする請求項1乃至7の何れかに記載のインセンティブ付与還元システム。
【請求項9】
前記ポイント付与部は、
特定の広告が選択されるか、又は、特定の保健事業に関するサイトが閲覧されることにより、付与するポイントの比率、又は選択可能な商品を変更する
ことを特徴とする請求項1乃至8の何れかに記載のインセンティブ付与還元システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インセンティブ付与還元システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、多くの健康保険組合では、被保険者に対して様々な健康増進活動が、提案・検討されている。健康保険組合は、健康増進活動を行うに当たり、被保険者に対し、健康意識を向上させる必要がある。被保険者の健康意識が向上することにより、日々の健康状態が維持されて、健康増進活動が活性化される。
【0003】
ここで、健康保険組合によっては、健康意識の向上と健康増進活動の活性化の観点から、様々な健康活動にインセンティブポイントを付与し、被保険者に還元する取り組み(所謂、インセンティブ付与)がなされている。この取り組みでは、被保険者が健康活動を行うことによりポイントが付与され、被保険者はこのポイントを貯めることができる。そして、被保険者は、貯まったポイントを健康関連グッズや健康管理サービスなどに交換することができる。
【0004】
ここで、会員にインセンティブを決定する手段を備えたインセンティブ用システムが、特許文献1に開示されている。特許文献1に記載されたインセンティブ用システムでは、このインセンティブに関する情報と、事務局起源のインセンティブ用原資となる広告収入のための広告情報を、ウエブサイトにて表示するようになっている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2001−290935号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
健康保険組合が取り組む主な目的は、被保険者に対し、健康意識の向上や健康増進活動の活性化である。そのため、被保険者が、楽しくかつ長く続けられる仕組みが必要である。さらに、健康保険組合は、多くの被保険者が容易に参加でき、積極的に自己の健康状態に興味を持ってもらう必要性がある。
【0007】
しかしながら、健康意識や健康増進活動は、通常は、個人それぞれの意識や活動であり、長期的に継続することが難しく、また、日常生活において各個人の認識が薄れてしまうことも想定される。そのため、健康保険組合は、被保険者に対し、健康管理の意識を高めてもらうことが難しかった。
【0008】
本発明の目的は、被保険者に対し、健康管理の意識を向上させることができるインセンティブ付与還元システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係るインセンティブ付与還元システムは、健康保険組合に加入するユーザのユーザ端末と、前記健康保険組合の保健事業を受託して、前記保健事業に関するサイトを管理する受託サーバと、前記受託サーバに広告を掲載する広告主サーバとを備えるインセンティブ付与還元システムであって、前記ユーザ端末は、ネットワークを介して、前記受託サーバの前記保健事業に関するサイトに、閲覧要求を送出する閲覧要求送出部と、前記ネットワークを介して、前記受託サーバの前記保健事業に関するサイトから、前記閲覧要求の許可を受け付ける許可受付部と、許可された前記保健事業に関するサイトを表示するディスプレイと、を備え、前記受託サーバは、前記ネットワークを介して前記ユーザ端末から、前記保健事業に関するサイトの閲覧要求を受け付ける閲覧受付部と、前記ユーザ端末により前記保健事業に関するサイトが閲覧され、当該サイトを利用したユーザに関連付けられたユーザ識別情報にポイントを付与するポイント付与部と、付与された前記ポイントに基づいて、前記ユーザ識別情報ごとに合計ポイントを算出する合計ポイント算出部と、前記ユーザ識別情報ごとの合計ポイントを、当該ユーザ端末に表示させる表示制御部と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、インセンティブ付与還元システムは、被保険者に対し、健康管理の意識を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の実施形態に係るインセンティブ付与還元システムの概略の構成を示した説明図である。
図2】本発明の実施形態に係るインセンティブ付与還元システムにおいて、健康保険組合員がユーザ端末を操作し、受託サーバの健康保険組合のサイトを閲覧し、受託サーバから、ユーザ端末に広告収入や委託料の値引きで還元されるまでの概略動作を示したシーケンス図である。
図3】本発明の実施形態に係るユーザ端末の構成を示したものであり、(a)では、ハードウエア構成を示し、(b)では、処理回路の機能ブロック図を示したものである。
図4】本発明の実施形態に係る受託サーバの構成を示したものであり、(a)では、ハードウエア構成を示し、(b)では、処理回路の機能ブロック図を示したものである。
図5】本発明の実施形態に係る受託サーバが、ユーザ端末を有する健康保険組合員に、ポイントを付与する項目を示したポイント対象項目を示したものである。
図6】本発明の実施形態に係る受託サーバが、健康保険組合員がウォーキングキャンペーンに参加したことにより、健康保険組合員に関連づけられたIDにポイントを付与し、広告による収入の一部が割り当てられる旨を、ユーザ端末に表示する処理を示したフローチャートである。
図7】本発明の実施形態のユーザ端末が、ネットワークを介して受託サーバにデータを入力し、ユーザ端末の健康保険組合員に健康保険組合からポイントが付与されることを示した説明図である。
図8】本発明の実施形態の受託サーバの処理回路の表示制御部が、ユーザ端末のディスプレイに、商品の交換を選択する画面を示すとともに、保健事業の表示と、広告の表示と、広告による収入の一部が割り当てられる旨の表示が、ユーザ端末のディスプレイに表示している表示画面例である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。図1は、本発明の実施形態に係るインセンティブ付与還元システム500の概略の構成を示した説明図である。図1に示すように、インセンティブ付与還元システム500は、ユーザ端末100と、受託サーバ200と、広告主サーバ300と、ネットワーク400と、を備えている。
【0013】
ユーザ端末100は、健康保険組合に加入している健康保険組合員が所有し、操作する情報処理端末である。ユーザ端末100は、健康保険組合員が操作することにより、ネットワーク400を介して、受託サーバ200に接続される。ユーザ端末100は、健康保険組合において複数設けられており、ユーザ端末100、ユーザ端末101・・・ユーザ端末10nのうち、特定する必要がない場合には、ユーザ端末100を用いて説明する。
【0014】
広告主サーバ300は、ネットワーク400を介して受託サーバ200が管理するWebサイト(以下、単にサイトともいう)に、広告を掲載するサーバである。広告主サーバ300は、企業ごとに複数設けられており、広告主サーバ300、広告主サーバ301・・・広告主サーバ30nのうち、特定する必要がない場合には、広告主サーバ300を用いて説明する。
【0015】
受託サーバ200は、健康保険組合の保健事業を受託して、健康保険組合の保健事業に関するサイトを管理するサーバである。受託サーバ200は、健康保険組合のサイトに、受託サーバ200が提供する保険事業を表示するとともに、ネットワーク400を介して広告主サーバ300から、広告主サーバ300の企業の広告を掲載する。
【0016】
ネットワーク400は、接続されている各装置を相互に接続する機能を有している。例えば、ユーザ端末100は、ネットワーク400を介して受託サーバ200に接続され、受託サーバ200に掲載された健康保険組合のサイトを閲覧することができる。また、広告主サーバ300は、ネットワーク400を介して受託サーバ200に接続され、広告を掲載することができる。
【0017】
次に、本発明の実施形態に係るインセンティブ付与還元システム500の全体の概略動作について説明する。図2は、本発明の実施形態に係るインセンティブ付与還元システム500において、健康保険組合員がユーザ端末100を操作し、受託サーバ200の健康保険組合のサイトを閲覧し、受託サーバ200から、ユーザ端末100に広告収入や委託料の値引きで還元されるまでの概略動作を示したシーケンス図である。
【0018】
まず、健康保険組合員は、ユーザ端末100を操作し、ネットワーク400を介して受託サーバ200に接続する。そして、健康保険組合員は、予め健康保険組合から提供された、健康保険組合員を特定するID(user Identification:ユーザ識別情報)とPW(PassWord:パスワード)を用いて、健康保険組合のサイトにログインする(シーケンスST001)。
【0019】
例えば、健康保険組合では、健康保険組合に加入して健康保険組合員となることにより、自動的に入会ポイントが付与されるようになっており、既に3000ポイント付与されている。そのため、健康保険組合員がユーザ端末100によりログインしたサイトで、保有ポイントとして3000ポイントが表示される(シーケンスST003)。
【0020】
広告主サーバ300は、ネットワーク400を介して受託サーバ200にサイトバナーと呼ばれる広告を掲載する(シーケンスST005)。
【0021】
ユーザ端末100は、健康保険組合員の操作により、受託サーバ200が提供する健康保険組合のサイトを閲覧する(シーケンスST007)。本発明の実施形態では、ユーザ端末100は、ネットワーク400を介して受託サーバ200に、データを入力することができる(シーケンスST009)。ここでは、後述する「ウォーキングキャンペーン」の歩数が入力され、受託サーバ200は、健康保険組合員ごとの1日当たりの平均歩数などを算出する。
【0022】
ユーザ端末100は、例えば、受託サーバ200が提供する健康保険組合の「ウォーキングキャンペーン」に参加して、歩数を入力することにより、健康保険組合からポイントが付与される(シーケンスST011)。
【0023】
受託サーバ200は、広告主サーバ300からの広告収入があるため、その広告収入の一部を一定割合に応じたポイントとして、ユーザ端末100の健康保険組合に還元する(シーケンスST013)。また、受託サーバ200は、ユーザ端末100から委託されている保健事業に関し、広告収入の一部を還元し、委託料を割り引くこともできる(シーケンスST015)。
【0024】
このように、本発明の実施形態では、健康保険組合の保健事業を受託する受託サーバ200は、広告主サーバ300から広告収入を得ることにより、その広告収入の一部を健康保険組合の保険事業費に充当し、複数のユーザ端末100を備える健康保険組合に還元することができる。
【0025】
さらに、健康保険組合員の健康管理の意識を向上させるため、本発明の実施形態では、インセンティブ付与還元システム500においてユーザ端末100に、保健事業の事業費に対し、広告による収入の一部が割り当てられる旨を、表示することができる。
【0026】
これにより、本発明の実施形態に係るインセンティブ付与還元システム500は、健康保健組合員に対し、健康意識を向上させることができる。
【0027】
次に、本発明の実施形態に係るユーザ端末100の詳細な構成について説明する。図3は、本発明の実施形態に係るユーザ端末100の構成を示したものであり、図3(a)では、ハードウエア構成を示し、図3(b)では、処理回路110の機能ブロック図を示したものである。
【0028】
図3(a)に示すように、ユーザ端末100は、処理回路110、記憶回路120、入力回路130、ディスプレイ140、通信制御部150、及び内部バス160を備えている。
【0029】
記憶回路120は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)及びHDD(Hard Disk Drive)等を含む記憶装置により構成されている。記憶回路120は、IPL(Initial Program Loading)、BIOS(Basic Input/Output System)及びデータを記憶したり、処理回路110のワークメモリとして使用されたり、又は、データを一時的に記憶する場合に用いられる。HDDは、ユーザ端末100にインストールされたプログラム(アプリケーションプログラムの他、OS(Operating System)等も含まれる)やデータを記憶する記憶装置である。また、健康保険組合員に対するディスプレイ140への情報の表示にグラフィックを多用し、基礎的な操作を入力回路130によって行なうことができるGUI(Graphical User Interface)を、OSに提供することもできる。
【0030】
処理回路110は、プログラムをメモリ(記憶回路120)から読み出し、実行することにより、プログラムに対応する機能を実現するプロセッサである。具体的には、処理回路110(プロセッサ)は、読み出したプログラムを実行することによって、図3(b)に示す、閲覧要求送出部111及び許可受付部113を実現する。
【0031】
処理回路110の閲覧要求送出部111は、ネットワーク400を介して、受託サーバ200の保健事業に関するサイトに、閲覧要求を送出する。処理回路110の許可受付部113は、ネットワーク400を介して、受託サーバ200の保健事業に関するサイトから、閲覧要求の許可を受け付ける。
【0032】
なお、閲覧要求送出部111は、後述する通信制御部150と連携し、ログインするためのIDやパスワードを送信する。
【0033】
入力回路130は、オペレータによって操作が可能なポインティングデバイス(マウスなど)やキーボードなどの入力デバイスからの信号を入力する回路であり、ここでは入力デバイス自体も入力回路130に含まれるものとする。この場合、操作に従った入力信号が、入力回路130から処理回路110に送られる。
【0034】
ディスプレイ140は、液晶ディスプレイやCRT(Cathode Ray Tube)等によって構成される。ディスプレイ140は、受託サーバ200が管理する保健事業に関するサイトの閲覧内容を表示する。
【0035】
通信制御部150は、通信規格に応じた通信制御を行ない、例えば、IEEE802.11シリーズに準拠した無線LAN(Local Area Network)、近距離無線通信又は電話回線等を通じて、ユーザ端末100を、ネットワーク400に接続する機能を有している。また、例えば、RS−232CやRS−422Aなどの通信規格や、USB(Universal Serial Bus)などの標準化された通信プロトコルも用いることができ、本発明の実施形態では、有線接続であっても無線接続であっても適用できる。これにより、通信制御部150は、ユーザ端末100を、ネットワーク400を介して受託サーバ200と接続することができる。
【0036】
内部バス160は、処理回路110によってユーザ端末100が統括制御されるように、各構成要素に接続されている。
【0037】
次に、本発明の実施形態に係る受託サーバ200の詳細な構成について説明する。図4は、本発明の実施形態に係る受託サーバ200の構成を示したものであり、図4(a)では、ハードウエア構成を示し、図4(b)では、処理回路210の機能ブロック図を示したものである。
【0038】
図4(a)に示すように、受託サーバ200は、処理回路210、記憶回路220、入力回路230、ディスプレイ240、通信制御部250、及び内部バス260を備えている。
【0039】
記憶回路220は、ROM、RAM及びHDD等を含む記憶装置により構成されている。記憶回路220は、IPL、BIOS及びデータを記憶したり、処理回路210のワークメモリとして使用されたり、又は、データを一時的に記憶する場合に用いられる。HDDは、受託サーバ200にインストールされたプログラム(アプリケーションプログラムの他、OS等も含まれる)やデータを記憶する記憶装置である。また、オペレータに対するディスプレイ240への情報の表示にグラフィックを多用し、基礎的な操作を入力回路230によって行なうことができるGUI(Graphical User Interface)を、OSに提供することもできる。
【0040】
処理回路210は、プログラムをメモリ(記憶回路220)から読み出し、実行することにより、プログラムに対応する機能を実現するプロセッサである。具体的には、処理回路210(プロセッサ)は、読み出したプログラムを実行することによって、図4(b)に示す、閲覧受付部211、ポイント付与部213、合計ポイント算出部215及び表示制御部217を実現する。
【0041】
処理回路210の閲覧受付部211は、ネットワーク400を介してユーザ端末100から、保健事業に関するサイトの閲覧要求を受け付ける。処理回路210のポイント付与部213は、ユーザ端末100により保健事業に関するサイトが閲覧され、そのサイトを利用した健康保険組合員(ユーザ)に関連付けられたID(ユーザ識別情報)に、ポイントを付与する。処理回路210の合計ポイント算出部215は、付与されたポイントに基づいて、IDごとに合計ポイントを算出する。処理回路210の表示制御部217は、IDごとの合計ポイントを、そのユーザ端末100に表示させる。また、処理回路210の表示制御部217は、保健事業の事業費に対し、広告による収入の一部が割り当てられる旨を、ユーザ端末100に表示する。
【0042】
なお、閲覧受付部211、ポイント付与部213及び表示制御部217は、後述する通信制御部250と連携し、健康保険組合のサイトの閲覧要求、サイトの表示及びデータの入力を実現する。
【0043】
入力回路230は、オペレータによって操作が可能なポインティングデバイス(マウスなど)やキーボードなどの入力デバイスからの信号を入力する回路であり、ここでは入力デバイス自体も入力回路230に含まれるものとする。この場合、操作に従った入力信号が、入力回路230から処理回路210に送られる。
【0044】
ディスプレイ240は、液晶ディスプレイやCRT(Cathode Ray Tube)等によって構成される。ディスプレイ240は、ユーザ端末100に表示される健康保険組合のサイトを表示することができる。
【0045】
通信制御部250は、通信規格に応じた通信制御を行ない、例えば、IEEE802.11シリーズに準拠した無線LAN(Local Area Network)、近距離無線通信又は電話回線等を通じて、受託サーバ200を、ネットワーク400に接続する機能を有している。また、例えば、RS−232CやRS−422Aなどの通信規格や、USB(Universal Serial Bus)などの標準化された通信プロトコルも用いることができ、本実施形態では、有線接続であっても無線接続であっても適用できる。これにより、通信制御部250は、受託サーバ200を、ネットワーク400を介してユーザ端末100や広告主サーバ300と接続することができる。
【0046】
内部バス260は、処理回路210によって受託サーバ200が統括制御されるように、各構成要素に接続されている。
【0047】
本発明の実施形態は、ユーザ端末100により保健事業に関するサイトが閲覧され、受託サーバ200が、そのユーザ端末100を利用した健康保険組合員に関連付けられたIDにポイントを付与するようになっている。以下、本発明の実施形態として、ポイントを付与する態様について説明する。
【0048】
なお、本発明の実施形態では、インセンティブポイントのことをポイントといい、受託サーバ200がユーザ端末100を利用する健康保険組合員のIDにポイントを付与して、そのポイントに応じて商品と交換するサービスを提供するようになっている。
【0049】
図5は、本発明の実施形態に係る受託サーバ200が、ユーザ端末100を有する健康保険組合員に、ポイントを付与する項目を示したポイント対象項目を示したものである。
【0050】
図5に示すように、この健康保険組合では、ユーザ端末100を有する健康保険組合員に、4つの具体例を示しており、「ウォーキングキャンペーン」、「禁煙チャレンジ」、「健康診断受診」及び「生活習慣改善」の項目について、ポイントを付与するようになっている。また、これらのポイント付与の対象は、「被保険者」が対象となっている。ここでは、「ウォーキングキャンペーン」を例に挙げて説明する。
【0051】
(インセンティブ付与還元処理)
本発明の実施形態に係るインセンティブ付与還元システム500において、受託サーバ200が、IDに対してポイントを付与し、保健事業の事業費に対し、広告による収入の一部が割り当てられる旨を、ユーザ端末100に表示する処理について、図6に示すフローチャートを用いて説明する。
【0052】
図6は、本発明の実施形態に係る受託サーバ200が、健康保険組合員が「ウォーキングキャンペーン」に参加したことにより、健康保険組合員に関連づけられたIDにポイントを付与し、広告による収入の一部が割り当てられる旨を、ユーザ端末100に表示する処理を示したフローチャートである。
【0053】
まず、本発明の実施形態に係る受託サーバ200の処理回路210の閲覧受付部211は、ネットワーク400を介してユーザ端末100から、保健事業に関するサイトの閲覧要求を受け付ける(ステップS001)。処理回路210の閲覧受付部211は、ユーザ端末100が保健事業に関するサイトにログインしていない場合は、IDとPWとにより閲覧要求を許可する。
【0054】
次に、処理回路210のポイント付与部213は、ユーザ端末100により保健事業に関するサイトが閲覧され、そのユーザ端末100を利用した健康保険組合員に関連付けられたIDにポイントを付与する(ステップS003)。
【0055】
図7は、本発明の実施形態のユーザ端末100が、ネットワーク400を介して受託サーバ200にデータを入力し(図2のシーケンスST009参照)、ユーザ端末100の健康保険組合員に健康保険組合からポイントが付与されることを示した説明図である。図7では、ユーザ端末100を有する健康保険組合員のX氏が、「ウォーキングキャンペーン」に参加して、1日当たりの平均歩数を入力した結果を示したものである。
【0056】
図7(a)では、平成29年1月度から12月度までの1日当たりの平均歩数が入力されており、歩数に応じてポイントが付与されている。この健康保険組合では、10歩により1ポイント付与することとしており、1月度は、「8,050」歩により、「805」ポイント付与され、2月度は、「8,100」歩により、「810」ポイント付与され、3月度は、「8,200」歩により、「820」ポイント付与されている。
【0057】
4月度は、「8,250」歩により、「825」ポイント付与され、5月度は、「8,150」歩により、「825」ポイント付与され、6月度は、「8,350」歩により「835」ポイント付与され、7月度は、「8,400」歩により、「840」ポイント付与され、8月度は、「8,500」歩により、「850」ポイント付与されている。
【0058】
9月度は、「8,300」歩により、「830」ポイント付与され、10月度は、「8,500」歩により、「850」ポイント付与され、11月度は、「8,600」歩により、「860」ポイント付与され、12月度は、「8,700」歩により、「870」ポイント付与されている。
【0059】
また、処理回路210の合計ポイント算出部215は、付与されたポイントに基づいて、IDごとに合計ポイントを算出するようになっており(図6のステップS005)、処理回路210の表示制御部217は、IDごとの合計ポイントを、そのユーザ端末100に表示させる(ステップS007)。
【0060】
このユーザ端末100を有するX氏は、図7(a)に示すように、合計ポイントとして、「10,010」ポイントを獲得したことを示している。さらに獲得したポイントで商品に交換可能となっており、「スポーツドリンク」、「体重計」、「万歩計(登録商標)」が、選択可能な商品として表示されている。
【0061】
一方、図7(b)では、X氏の1日当たりの平均歩数と、健康保険組合で「ウォーキングキャンペーン」に参加している参加者の1日当たりの平均歩数を示しており、「ウォーキングキャンペーン」に参加している参加者の1日当たりの平均歩数は、X氏の1日当たりの平均歩数よりも高いことを示している。
【0062】
この場合、処理回路210の合計ポイント算出部215は、複数のIDの合計ポイントに基づいて、IDの平均合計ポイントを算出し、処理回路210の表示制御部217は、IDごとの合計ポイントと、平均合計ポイントとを対比して、視覚可能にユーザ端末100のディスプレイ140に表示する。
【0063】
ユーザ端末100を有するX氏は、図7(a)の選択可能な商品において、獲得した合計ポイントを商品に交換する交換ボタンEXを、入力回路130を用いて押下すると、受託サーバ200の処理回路210の表示制御部217は、商品交換画面を表示する。
【0064】
図8は、本発明の実施形態の受託サーバ200の処理回路210の表示制御部217が、ユーザ端末100のディスプレイ140に、商品の交換を選択する画面を示すとともに、保健事業の表示と、広告の表示と、広告による収入の一部が割り当てられる旨の表示が、ユーザ端末100のディスプレイ140に表示された表示画面例である。
【0065】
図8に示すように、本発明の実施形態では、ユーザ端末100のディスプレイ140には、X氏が加入する「S健康保険組合」が表示されており、左側には、X氏の保有ポイント、各種申請、個人情報などの項目が設けられている。
【0066】
ユーザ端末100のディスプレイ140の中央の上段には、商品の交換を示す項目PDが表示されており、「スポーツドリンク」、「体重計」、「万歩計」に保有ポイントを交換できる旨が、ボタン表示されている。また、ディスプレイ140の中央の中段には、通知IFの欄が設けられており、「広告収入の一部が保健事業に適用されている」と表示され、保健事業の事業費に対し、広告による収入の一部が割り当てられる旨が表示されている。また、ディスプレイ140の中央の下段には、保健事業に関する項目HSが表示され、「出産」、「高額医療費」、「けが、病気」、「加入希望」、「退職時」、「紛失時」などの項目が示されている。
【0067】
ユーザ端末100のディスプレイ140の右端には、広告欄ADが設けられており、サイトバナーとして、広告A、広告B、広告Cなどが表示されている。広告Aは、例えば、介護サービスの広告であり、広告Bは、サプリメントの広告であり、広告Cは、飲食物の広告である。
【0068】
以上のような、本発明の実施形態に係るインセンティブ付与還元システム500では、受託サーバ200の処理回路210の閲覧受付部211は、ネットワーク400を介してユーザ端末100から、保健事業に関するサイトの閲覧要求を受け付ける。
【0069】
処理回路210のポイント付与部213は、ユーザ端末100によりにより保健事業に関するサイトが閲覧され、そのサイトを利用した健康保険組合員に関連付けられたIDにポイントを付与する。処理回路210の合計ポイント算出部215は、付与されたポイントに基づいて、IDごとに合計ポイントを算出する。処理回路210の表示制御部217は、IDごとの合計ポイントを、そのユーザ端末100に表示する。
【0070】
これにより、本発明の実施形態によれば、インセンティブ付与還元システム500は、被保険者に対し、健康管理の意識を向上させることができる。
【0071】
また、受託サーバ200は、ユーザ端末100のディスプレイ140に、保健事業の事業費に対し、広告による収入の一部が割り当てられる旨を表示することができる。そして、インセンティブ付与還元システム500では、ユーザ端末100を有する健康保険組合員に対し、ポイントが付与されるとともに、保健事業の事業費に対し、広告による収入の一部が割り当てられる旨の表示をすることができるので、より一層、被保険者である健康保険組合員に対し、健康管理の意識を向上させることができる。
【0072】
以上説明した実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の趣旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0073】
例えば、本発明の実施形態では、図2において、健康保険組合員は、健康保険組合員を特定するIDとPWを用いて、健康保険組合のサイトにログインするようになっていた。IDとPWは、健康保険組合員を特定するものであり、また、受託サーバ200は、複数の健康保険組合を取扱うことができる。また、健康保険組合は、加入する人数の規模や、業種による男女比率が異なることも想定される。
【0074】
そこで、受託サーバ200は、健康保険組合員が加入する健康保険組合ごとに、異なる還元率をポイントとして付与するようにしてもよい。例えば、図6のウォーキングキャンペーンでは、10歩により1ポイント付与するようになっていたが、他の健康保険組合に対しては、1歩により1ポイントに付与するようにしてもよい。
【0075】
また、例えば、本実施形態では、ユーザ端末100のディスプレイ140の通知IFの欄に、「広告による収入の一部が割り当てられる」旨を、表示するようになっていたが、これに限定されるものではない。処理回路210の表示制御部217は、通知IFの欄に、「広告による収入の一部により、受託サーバ200の企業への委託料が減額される」旨を、ユーザ端末100のディスプレイ140に表示するようにしてもよい。すなわち、広告による収入により、一部の費用が還元される旨を特定し、具体的に還元される費用を明記するようにしてもよい。
【0076】
また、本発明の実施形態では、図5のポイント対象項目において、「ウォーキングキャンペーン」に、健康保険組合員の「X」氏が参加した場合について説明したが、これに限定されるものではない。受託サーバ200の処理回路210のポイント付与部213は、ユーザ端末100にポイントを付与する対象を、図5の「健康診断受診」や「生活習慣改善」に基づいて、ポイントを付与するようにしてもよい。
【0077】
この場合、保健事業の受診情報の一例として、健康診断受診、誕生月受診、配偶者受診、特定保健指導の受診などを対象とすることができ、1回の受診につき、例えば、300ポイントを付与することができる。また、生活習慣改善については、健診の結果、受診者の改善度に応じてポイントを付与することができ、また、健康手帳に目標を設定し、その目標を達成した達成者にポイントを付与することもできる。
【0078】
同様に、受託サーバ200の処理回路210のポイント付与部213は、ユーザ端末100にポイントを付与する対象が、「ウォーキングキャンペーン」であったが、これに限定されるものではない。「ウォーキングキャンペーン」は、参加者の歩数に関する情報に対して、ポイントを付与するものであったが、例えば、禁煙に関する情報として、「禁煙チャレンジ」というキャンペーンを実施し、禁煙した本数に対して、任意にポイントを付与するようにしてもよい。
【0079】
また、本発明の実施形態では、図8において、ユーザ端末100のディスプレイ140の右端には、広告欄ADに、広告A、広告B、広告Cなどが表示されていた。本発明の実施形態では、広告欄ADに、例えば、ユーザ端末100を有する健康保険組合員(例えば、X氏)の健康状態を改善させる内容の広告であってもよく、ユーザ端末100ごとの合計ポイントを適用可能な旨の表示を行うようにしてもよい。具体的には、広告Aには、「鍼灸、按摩、マッサージ」を行う治療院の広告であって、X氏が保有する保有ポイントのうち、その「マッサージ」に「5,000」ポイント使用可能などと表示するようにしてもよい。
【0080】
また、受託サーバ200の処理回路210のポイント付与部213は、広告欄ADにおいて特定の広告が選択されるか、又は、特定の保健事業に関するサイトが閲覧されることにより、付与するポイントの比率を変更するようにしてもよい。
【0081】
これにより、付与されるポイントを増加させることができるので、健康保険組合員は、交換する商品の選択肢を広げることができる。また、付与するポイントの比率を変更することに限定されず、特定の広告が選択されるか、又は、特定の保健事業に関するサイトが閲覧されることにより、健康保険組合員が選択可能な商品のグレードを上げるようしてもよい。
【0082】
また、本発明の実施形態では、例えば、図8において、サイドバナーによる広告欄ADにおいて、広告A、広告B、広告Cを表示していたが、広告は、これらに限定されるものではない。例えば、電子メールを使って健康保険組合員が有するユーザ端末100に広告を送信することも含まれ、また、紙媒体による広告も含まれる。
【0083】
また、本発明の実施形態では、健康保険組合は、健康保険組合員の登録者を確保するため、例えば、「スポーツクラブ」と提携し、「スポーツクラブ」の入会特典チケットは、健康保険組合のサイトに入らないと入会できないように、受託サーバ200に設定してもよい。この場合、例えば、「スポーツクラブ」の入会金は、通常「1万円」程度発生するので、ポイントとして「1万円分」付与し、金券として利用できる「サウナクーポン」や、リラクゼーションとして利用できる「足裏マッサージクーポン」などを、さらに追加して発行することができる。
【符号の説明】
【0084】
100 ユーザ端末 101 ユーザ端末
110 処理回路 111 閲覧要求送出部
113 許可受付部 120 記憶回路
130 入力回路 140 ディスプレイ
150 通信制御部 160 内部バス
200 受託サーバ 210 処理回路
211 閲覧受付部 213 ポイント付与部
215 合計ポイント算出部 217 表示制御部
220 記憶回路 230 入力回路
240 ディスプレイ 250 通信制御部
260 内部バス 300 広告主サーバ
301 広告主サーバ 400 ネットワーク
500 インセンティブ付与還元システム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8