【課題】ユーザがクレジットカードで支払う場合において、健康保険組合における保健事業の適正な運営に貢献することができる、クレジット手数料配分システム、手数料配分装置、及び手数料配分方法を提供する。
【解決手段】クレジット手数料配分システム700は、クレジットカードの使用により、商品の支払に関する商品支払情報を取得する支払情報取得部311と、取得した商品支払情報から、所定の手数料を算出する第1の算出部313と、算出された手数料から、健康保険組合に還元する還元手数料を算出する第2の算出部315と、算出された還元手数料に関する情報を、健康保険組合の管理サーバに送信する還元手数料送信部317と、を備える。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の実施形態は、健康保険証にクレジットカードの決済機能を付加したカードを、クレジットカードの加盟店で商品の購入に使用した場合において、クレジットカード会社(以下、単にクレジット会社という。)や決済代行業者などに納付されるカード手数料の一部を、所定の割合などで健康保険組合の銀行口座に還元手数料として振り込むものである。
【0015】
例えば、健康保険組合は、独自の業務システムにより資金を管理しており、ネットバンクやインターネット銀行と呼ばれるネットバンキングによって、健康保険組合が管理する業務システムに還元手数料に関する情報が送信されて、健康保険組合の銀行口座に還元手数料が振り込まれる。
【0016】
本発明の実施形態では、健康保険組合の銀行口座に還元手数料が振り込まれることが実現できればよく、自動振込の設定やメールアドレスを用いた振込などにより実現できる。また、健康保険組合が管理する業務システムは、銀行が有する管理サーバにおいて、健康保険組合の銀行口座が管理される場合であっても、その銀行の管理サーバも健康保険組合の業務システムに含むものとする。本発明の実施形態では、健康保険組合の業務システムにおいて還元手数料に関する情報が送信されるサーバを、健保サーバとして説明する。
【0017】
クレジットカードの加盟店は、クレジットカードを発行するクレジット会社や決済代行業者などと契約していればよく、どのような業種であっても本発明の実施形態を適用可能である。例えば、家電量販店、スポーツショップ店、又は飲食店などで適用可能である。また、以下の説明では、商品の支払に関し、一般的な加盟店での使用について説明する。
【0018】
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。
図1は、本発明の実施形態に係るクレジット手数料配分システム700の概略の構成を示した説明図である。
図1に示すように、クレジット手数料配分システム700は、加盟店サーバ100、決済端末200、管理会社サーバ(手数料配分装置)300、クレジット会社サーバ400、健保サーバ(管理サーバ)500、及びネットワーク600を備えている。
【0019】
加盟店サーバ100は、ユーザに対して、商品の支払代金に関する請求を行う店舗などに設けられたサーバである。加盟店は、クレジット会社や決済代行業者と提携しており、本発明の実施形態では、一例として、決済代行業者である管理会社サーバ300と提携している。
【0020】
決済端末200は、加盟店において、クレジットカードの有効性を確認するための信用照会端末(Credit Authorization Terminal)である。換言すれば、決済端末200は、クレジットカードの情報をクレジット会社サーバ400に問い合わせし、与信が設定された場合にクレジットカード決済をする装置である。なお、決済端末200は、加盟店が決済代行業者と契約し、加盟店サーバ100を有する加盟店に設置される。
【0021】
管理会社サーバ300は、加盟店と契約してサービスを提供する会社(例えば、決済代行業者であって、アクワイアラーとも呼ばれる。)に設けられたサーバである。例えば、消費者であるユーザが、加盟店においてクレジットカードを使用して、商品の支払に関する与信の設定依頼を行う。この場合、管理会社サーバ300は、決済端末200から与信の設定依頼の情報を受け付けて、クレジット会社サーバ400に与信の設定依頼の情報を転送する。また、管理会社サーバ300は、クレジット会社サーバ400から与信の判定結果の情報(以下、これを与信結果の情報という。)を取得すると、その与信結果の情報を決済端末200に転送する。
【0022】
クレジット会社サーバ400は、クレジットカードを発行するクレジット会社(例えば、イシュアーとも呼ばれる。)に設けられたクレジットカードを管理するサーバである。クレジット会社サーバ400は、決済端末200及び管理会社サーバ300を介して、ユーザからクレジットカードによる商品の支払について、与信の設定依頼の情報を受け付け、その商品の支払の与信を判定する。その後、クレジット会社サーバ400は、与信結果の情報(商品支払情報)を管理会社サーバ300に送信する。
【0023】
健保サーバ500は、ユーザの医療費を管轄する健康保険組合の管理サーバである。健康保健組合に加盟する被保険者、被扶養者は、それぞれ健康保険証が発行されており、各健康保険証における健康保険事業の保険料を納付する。健保サーバ500を管理する健康保険組合は、その納付される保険料により健康保険事業を運営する。
【0024】
ネットワーク600は、接続されている各装置を相互に接続する機能を有している。例えば、決済端末200は、ネットワーク600を介して、管理会社サーバ300と接続することができる。また、クレジット会社サーバ400は、ネットワーク600を介して、加盟店サーバ100に接続することができる。
【0025】
(クレジット手数料配分システム概略動作)
次に、本発明の実施形態に係るクレジット手数料配分システム700の全体の概略動作について説明する。
図2は、本発明の実施形態に係るクレジット手数料配分システム700において、消費者であるユーザから商品の支払についてクレジットカード決済を依頼され、クレジット会社サーバ400に与信の設定依頼の情報を送信し、健保サーバ500に還元手数料を振り込むまでの概略動作を示したシーケンス図である。
【0026】
まず、ある加盟店において、ユーザに対し、商品の支払代金に関する請求を行う場合を想定する。加盟店に設けられた加盟店サーバ100は、ユーザに対して、ユーザが購入を希望する商品の代金を請求する。ここで、ユーザは、健康保険証情報とクレジットカード決済機能とを有するカードを提出して、その加盟店においてクレジットカード決済を希望する旨を通知する。
【0027】
加盟店の店員は、決済端末200を操作し、ユーザが支払うべき商品の支払代金(商品の税込価格)を入力する。決済端末200は、入力された商品の税込価格について、与信の設定依頼の情報として、ネットワーク600を介して管理会社サーバ300に送信する(シーケンスST001)。
【0028】
管理会社サーバ300は、ネットワーク600を介して、決済端末200から送信された与信の設定依頼の情報を、ネットワーク600を介して、クレジット会社サーバ400に転送する(シーケンスST003)。
【0029】
クレジット会社サーバ400は、管理会社サーバ300を介して、決済端末200から取得した与信の設定依頼の情報について、クレジットカード決済の与信判定を行う(シーケンスST005)。ここで、与信判定とは、クレジットカード決済において、商品の支払代金(商品の税込価格)がそのユーザのクレジット利用における限度額を超えていないか又はユーザの収入と出費の比率は適切か、などの判定を行う。そして、クレジット会社サーバ400は、与信の判定結果の情報(上述した与信結果の情報である。)を管理会社サーバ300に送信する(シーケンスST007)。
【0030】
管理会社サーバ300は、クレジット会社サーバ400から送信された与信結果の情報(商品支払情報)を取得し、ネットワーク600を介して、その与信結果の情報を、決済端末200に転送する(シーケンスST009)。
【0031】
決済端末200は、表示部上に与信結果の情報を表示することができるため、加盟店の店員は、与信結果の情報を目視することができる。加盟店の店員は、クレジットカードの与信が設定された場合は、ユーザが購入を希望する商品の支払についてクレジットカード決済を受け付けることができる。
【0032】
そして、ユーザがクレジットカード決済を実行した場合、後日、クレジット会社サーバ400は、加盟店サーバ100に対して、商品の税込価格からクレジットカードのカード手数料(以下、手数料ともいう。)を差し引いた残りの商品の支払代金を、加盟店サーバ100に商品の代金として振り込む(シーケンスST011)。
【0033】
また、クレジット会社サーバ400は、手数料のうち、管理会社サーバ300に支払うべき手数料を管理会社サーバ300に振り込む(シーケンスST013)。換言すれば、管理会社サーバ300は、商品の税込価格におけるクレジットカード決済による手数料を取得することができる。
【0034】
ここで、本発明の実施形態では、管理会社サーバ300は、取得した手数料から、健康保険組合に還元すべく還元手数料を算出し、その算出した還元手数料を健保サーバ500に振り込むようになっている(シーケンスST015)。この場合、管理会社サーバ300は、算出した還元手数料に関する情報を、健康保険組合の健保サーバ500に送信することにより、健康保険組合の銀行口座に還元手数料を振り込むことができる。
【0035】
このように、本発明の実施形態では、管理会社サーバ300は、ユーザのクレジットカードの使用により、与信結果の情報である商品支払情報を取得して、その取得した商品支払情報から、所定の手数料を算出し、算出された手数料から健康保険組合に還元する還元手数料を算出する。そして、管理会社サーバ300は、算出された還元手数料に関する情報を健康保険組合の健保サーバ500に送信することにより、健康保険組合の銀行口座に還元手数料を振り込むことができる。
【0036】
これにより、本発明の実施形態に係るクレジット手数料配分システム700は、ユーザがクレジットカード決済する場合において、健康保険組合における保健事業の適正な運営に貢献することができる。
【0037】
次に、本発明の実施形態に係る管理会社サーバ300の詳細な構成について説明する。
図3は、本発明の実施形態に係る管理会社サーバ300の構成を示したものであり、
図3(a)は、ハードウエア構成を示し、
図3(b)は、処理回路310の機能ブロック図を示している。
【0038】
図3(a)に示すように、管理会社サーバ300は、処理回路310、記憶回路320、入力回路330、ディスプレイ340、通信制御部350、及び内部バス360を備えている。
【0039】
記憶回路320は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)及びHDD(Hard Disk Drive)等を含む記憶装置により構成されている。記憶回路320は、IPL(Initial Program Loading)、BIOS(Basic Input/Output System)及びデータを記憶したり、処理回路310のワークメモリとして使用されたり、又は、データを一時的に記憶する場合に用いられる。HDDは、管理会社サーバ300にインストールされたプログラム(アプリケーションプログラムの他、OS(Operating System)等も含まれる)やデータを記憶する記憶装置である。また、管理会社サーバ300のオペレータに対するディスプレイ340への情報の表示にグラフィックを多用し、基礎的な操作を入力回路330によって行なうことができるGUI(Graphical User Interface)を、OSに提供することもできる。
【0040】
処理回路310は、プログラムをメモリ(記憶回路320)から読み出し、実行することにより、プログラムに対応する機能を実現するプロセッサである。具体的には、処理回路310(プロセッサ)は、読み出したプログラムを実行することによって、
図3(b)に示す、支払情報取得部311、第1の算出部313、第2の算出部315、及び還元手数料送信部317を実現する。
【0041】
図3(b)に示すように、処理回路310の支払情報取得部311は、クレジット会社が管理するクレジット会社サーバ400から、クレジットカードの使用により、商品の支払に関する商品支払情報を取得する。この場合、処理回路310の支払情報取得部311は、クレジット会社サーバ400から与信結果の情報を取得する。
【0042】
処理回路310の第1の算出部313は、取得した商品支払情報から、所定の手数料を算出する。例えば、処理回路310の第1の算出部313は、商品の支払代金に与信が設定された場合には、商品支払情報における商品の税込価格に所定の手数料率を乗算して、手数料を算出する。
【0043】
処理回路310の第2の算出部315は、算出された手数料から、健康保険組合に還元する還元手数料を算出する。例えば、処理回路310の第2の算出部315は、算出された手数料のうち、クレジット会社サーバ400と、クレジットカードの加盟店を管理する管理会社サーバ300との配分により、管理会社サーバ300の手数料を算出し、管理会社サーバ300の手数料に所定の還元率を乗算した還元手数料を算出する。
【0044】
処理回路310の還元手数料送信部317は、算出された還元手数料に関する情報を、健康保険組合の健保サーバ500に送信する。なお、算出された還元手数料に関する情報には、例えば、還元手数料の金額や振込方法または振込予定日などが含まれる。
【0045】
入力回路330は、オペレータによって操作が可能なポインティングデバイス(マウスなど)やキーボードなどの入力デバイスからの信号を入力する回路であり、ここでは入力デバイス自体も入力回路330に含まれるものとする。この場合、操作に従った入力信号が、入力回路330から処理回路310に送られる。
【0046】
ディスプレイ340は、液晶ディスプレイやCRT(Cathode Ray Tube)等によって構成される。ディスプレイ340は、管理会社サーバ300が管理する手数料や還元手数料を表示することができる。
【0047】
通信制御部350は、通信規格に応じた通信制御を行ない、例えば、IEEE802.11シリーズに準拠した無線LAN(Local Area Network)、近距離無線通信又は電話回線等を通じて、管理会社サーバ300を、ネットワーク600に接続する機能を有している。また、例えば、RS−232CやRS−422Aなどの通信規格や、USB(Universal Serial Bus)などの標準化された通信プロトコルも用いることができ、本発明の実施形態では、有線接続であっても無線接続であっても適用できる。これにより、通信制御部150は、管理会社サーバ300を、ネットワーク600を介して、決済端末200やクレジット会社サーバ400に接続することができる。
【0048】
内部バス360は、処理回路310によって管理会社サーバ300が統括制御されるように、各構成要素に接続されている。
【0049】
(還元手数料振込処理)
次に、本発明の実施形態に係るクレジット手数料配分システム700において、管理会社サーバ300が、カード手数料に相当する手数料と還元手数料とを算出し、健保サーバ500に還元手数料を振り込むまでの処理について、
図4に示すフローチャートを用いて説明する。
【0050】
図4は、本発明の実施形態に係る管理会社サーバ300が、クレジット会社サーバ400から、与信結果の情報である商品支払情報を取得し、手数料と還元手数料とを算出し、健保サーバ500に還元手数料を振り込むまでの処理を示したフローチャートである。
【0051】
まず、本発明の実施形態に係る管理会社サーバ300は、処理回路310の支払情報取得部311が、クレジット会社サーバ400から、ネットワーク600を介して与信結果の情報である商品支払情報を取得する(ステップS001)。
【0052】
処理回路310の第1の算出部313は、取得した商品支払情報から、所定の手数料を算出する(ステップS003)。例えば、処理回路310の第1の算出部313は、商品の支払代金に与信が設定された場合に、商品支払情報における商品の税込価格に所定の手数料率を乗算して、手数料を算出する。
【0053】
処理回路310の第2の算出部315は、算出された手数料から、健康保険組合に還元する還元手数料を算出する(ステップS005)。例えば、処理回路310の第2の算出部315は、算出された手数料のうち、クレジット会社サーバ400と、クレジットカードの加盟店を管理する管理会社サーバ300との配分により、管理会社サーバ300の手数料を算出し、管理会社サーバ300の手数料に所定の還元率を乗算した還元手数料を算出する。
【0054】
図5は、本発明の実施形態に係る処理回路310が、第1の算出部313において、手数料を算出する概念と、第2の算出部315において、還元手数料を算出する概念とを示した説明図である。なお、
図5(a)は、処理回路310の第1の算出部313が、手数料を算出する概念を説明するテーブルを示し、
図5(b)は、処理回路310の第2の算出部315が、還元手数料を算出する概念を説明するテーブルを示している。
【0055】
図5(a)に示すように、処理回路310の第1の算出部313は、取得した与信結果の情報である商品支払情報において、商品の代金に与信が設定された場合の手数料を算出するようになっており、例えば、商品の税込価格を、「10,000円」とし、所定の手数料率を、「5%」とした場合について、説明する。
【0056】
この場合、処理回路310の第1の算出部313は、商品の税込価格の「10,000円」が、クレジット会社に与信の設定依頼した商品の代金に該当するため、「10,000円」に「5%」を乗算した「500円」が、手数料として算出される(ステップS003)。また、加盟店には、商品の税込価格の「10,000円」から手数料「500円」が引かれた「9,500円」が、最終的な商品の代金としてクレジット会社から振り込まれる。
【0057】
次に、
図5(b)に示すように、処理回路310の第2の算出部315は、算出された手数料「500円」から、健康保険組合に還元する還元手数料を算出する。処理回路310の第2の算出部315は、算出された手数料「500円」のうち、クレジット会社サーバ400(クレジット会社)と、加盟店を管理する管理会社サーバ300(決済代行業者)との配分により、管理会社サーバ300の手数料を算出し、その管理会社サーバ300の手数料に所定の還元率を乗算した還元手数料を算出する(ステップS005)。
【0058】
具体的には、
図5(b)に示すように、処理回路310の第2の算出部315は、算出された手数料「500円」のうち、クレジット会社と、管理会社サーバ300との配分により、クレジット会社サーバ400に「300円」が、振り分けられる。また、管理会社サーバ300は、残りの「200円」のうち、クレジットカードにおける所定のブランド使用料として所定の割合で使用料が支払われる設定がされており、例えば、「40円」が、ブランドに対する使用料として差し引かれる。
【0059】
従って、管理会社サーバ300は、「200円」からブランド使用料の「40円」を差し引いた「160円」が管理会社サーバ300の手数料となる。そして、この「160円」に、例えば、健康保険組合への還元率を「50%」とした場合、管理会社サーバ300の手数料の「160円」に「50%」を乗算し、還元手数料「80円」を算出する。一方、手数料の「160円」から還元手数料「80円」を引いた残りの「80円」が、管理会社サーバ300の最終的な手数料となる。
【0060】
また、処理回路310の第2の算出部315は、1回のクレジットカード決済がある度に、商品の税込価格について還元手数料を算出するとともに、この還元手数料を1カ月分合計した合計還元手数料を算出する(ステップS007)。
【0061】
図6は、本発明の実施形態に係る処理回路310の第2の算出部315が、1カ月分の合計還元手数料を算出するときのクレジットカードの取引結果を示した取引テーブルである。また、一例として、加盟店である医療機関において、1カ月分の合計還元手数料を算出した場合について説明する。
【0062】
図6では、ある年の8月のクレジットカード決済の取引結果を示している。具体的には、クレジットのカード番号「P123456」のユーザが、「8月1日」に「診察」を受けたことにより、医療費(商品に相当する。)の支払から「40円」の還元手数料が発生したことを示している。また、クレジットのカード番号「Q234567」のユーザが、「8月3日」に「検査」を受けたことにより、医療費の支払から「160円」の還元手数料が発生したことを示している。また、還元手数料の合計を示す合計還元手数料は、「40円」と「160円」の合計「200円」となっている。
【0063】
さらに、クレジットのカード番号「R345678」のユーザが、「8月10日」に「治療」を受けたことにより、医療費の支払から「120円」の還元手数料が発生したことを示している。また、還元手数料の合計を示す合計還元手数料は、「200円」に「120円」を合計した「320円」となっている。
【0064】
このように、処理回路310の第2の算出部315は、還元手数料を1カ月分合計して合計還元手数料を算出することができるので、処理回路310の還元手数料送信部317は、算出された合計還元手数料に関する情報を健康保険組合の健保サーバ500に1か月単位で送信し、健康保険組合の銀行口座に合計還元手数料を1か月単位で振り込むことができる(ステップS009)。
【0065】
なお、本発明の実施形態では、処理回路310の還元手数料送信部317は、算出された合計還元手数料に関する情報を、健康保険組合の健保サーバ500に1か月単位で送信すればよく、健康保険組合の銀行口座に還元手数料を振込む方法は、自動振込でもメールアドレスを用いた振込であっても、特に限定されるものではない。
【0066】
そして、本発明の実施形態では、処理回路310の還元手数料送信部317によって、1か月分の合計還元手数料に関する情報を健保サーバ500に送信し、合計還元手数料が振り込まれることにより、管理会社サーバ300の還元手数料振込処理を終了する。
【0067】
以上説明したように、本発明の実施形態に係るクレジット手数料配分システム700は、処理回路310の支払情報取得部311が、クレジット会社サーバ400から、クレジットカードの使用により、商品の支払に関する商品支払情報を取得し、処理回路310の第1の算出部313が、取得した商品支払情報から、所定の手数料を算出し、処理回路310の第2の算出部315が、算出された手数料から、健康保険組合に還元する還元手数料を算出する。
【0068】
これにより、本発明の実施形態に係るクレジット手数料配分システム700は、処理回路310の還元手数料送信部317が、算出した還元手数料に関する情報を健康保険組合の健保サーバ500に送信することができるので、健康保険組合の銀行口座に還元手数料を振り込むことができる。
【0069】
従って、本発明の実施形態に係るクレジット手数料配分システム700は、ユーザがクレジットカードで支払う場合において、健康保険組合における保健事業の適正な運営に貢献することができる。
【0070】
以上説明した実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の趣旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0071】
例えば、本発明の実施形態では、処理回路310の第2の算出部315は、還元手数料を1カ月分合計した合計還元手数料を算出し、処理回路310の還元手数料送信部317は、算出した合計還元手数料に関する情報を、健康保険組合の管理サーバに1か月単位で送信するようになっていた。
【0072】
本発明の実施形態は、これに限定されるものではなく、例えば、3か月単位で合計還元手数料を算出するようにしても良く、また、管理会社サーバ300が、加盟店に決済端末200を貸与している場合、その決済端末200の端末設置手数料を回収するタイミングで、還元手数料に関する情報を送信するようにしてもよい。
【0073】
また、例えば、本発明の実施形態に係る管理会社サーバ300の処理回路310は、第1の算出部313における所定の手数料率を、商品支払情報における商品の税込価格の3%から8%に設定することができ、また、第2の算出部315における所定の還元率を、管理会社サーバ300(決済代行業者)の手数料の30%から70%に設定することができる。
【0074】
クレジットカードの一般的な手数料は、3%から8%と想定されるため、現実的な比率を設定することが適切である。一方、所定の還元率については、管理会社サーバ300における手数料の一部を、健保サーバ500の健康保険組合に還元するため、50%を基準として、例えば、健康保険組合員の数や男女比率、年齢層の構成内容により、所定の還元率を任意に設定することができる。
【0075】
また、本発明の実施形態に係るクレジット手数料配分システム700は、商品支払情報に、医療機関において支払う医療費を適用することができる。この場合、例えば、診察による診察費、医療検査による検査費、又は処方箋による薬剤費の何れかを医療費とすることができる。診察費、検査費、又は薬剤費は、何れも医療費に含まれるものであり、還元手数料に関する情報を健保サーバ500に送信することにより、健康保険組合の健康保険事業の運営に相乗的に貢献することができる。
【0076】
また、本発明の実施形態に係る処理回路310の第1の算出部313は、商品支払情報における商品の税込価格に所定の手数料率を乗算して、クレジットカードの手数料を算出するようになっていたが、これに限定されるものではない。例えば、一律して固定された手数料、例えば、300円や500円などを所定の手数料に設定するようにしてもよい。