【解決手段】第1の巻線と第2の巻線を有するステータとロータとシャフトを備え、3以上の相を有するモータのシャフト方向一方側に設けられ、モータを制御する回路基板であって、外部電源から電流が供給される電源端子接続部と、それに供給された電流から第1の巻線に供給される電流を生成する第1のモータ回路と、それから第1の巻線に電流を供給する第1のモータ端子接続部と、電源端子接続部に供給された電流から第2の巻線に供給される電流を生成する第2のモータ回路と、それから第2の巻線に電流を供給する第2のモータ端子接続部と、第1領域と第2領域を有し、第1領域と第2領域との境界線の一方の端部の側では電源端子接続部が第1領域または第2領域に配置され、境界線の他方の端部の側に第1のモータ端子接続部と第2のモータ端子接続部が配置される、回路基板。
少なくとも第1の巻線と第2の巻線とを有するステータと、前記ステータに対して相対回転可能に設けられるロータと、前記ロータと共に回転するシャフトとを備え、3以上の相を有するモータのシャフト方向の一方の側に設けられ、前記モータを制御する回路基板であって、
前記回路基板は、
外部電源から電流が供給される電源端子接続部と、
前記電源端子接続部に供給された電流から前記第1の巻線に供給される電流を生成する第1のモータ回路と、
前記第1のモータ回路によって生成された電流を前記第1の巻線に供給する第1のモータ端子接続部と、
前記電源端子接続部に供給された電流から前記第2の巻線に供給される電流を生成する第2のモータ回路と、
前記第2のモータ回路によって生成された電流を前記第2の巻線に供給する第2のモータ端子接続部と、
を有し、
前記回路基板は、
前記第1のモータ回路および前記第1のモータ端子接続部が配置される第1領域と、
前記第2のモータ回路および前記第2のモータ端子接続部が配置される第2領域と、
を有し、
前記第1領域と前記第2領域との境界線の一方の端部の側では、前記電源端子接続部が前記第1領域または前記第2領域に配置され、
前記境界線の他方の端部の側には、前記第1のモータ端子接続部および前記第2のモータ端子接続部が配置される、
回路基板。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の電動パワーステアリング装置は、2系統のインバータと、これにそれぞれ対応する2系統のモータ巻線とを有する。2系統のインバータを配置する回路基板において、配線長の相間ばらつきを低減しているが、1系統通電時において配線長の相間ばらつきの課題がある。また、各相の電流遮断回路については明記されていない。
したがって本発明の目的は、電源から各系統、各相のモータ端子接続部までの電流経路長の差を低減可能な回路基板、且つ、各系統、各相に各相の電流遮断回路等を有することが可能な回路基板、および、これを用いたモータ駆動装置、電動パワーステアリング装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
少なくとも第1の巻線と第2の巻線とを有するステータと、前記ステータに対して相対回転可能に設けられるロータと、前記ロータと共に回転するシャフトとを備え、3以上の相を有するモータのシャフト方向の一方の側に設けられ、前記モータを制御する回路基板は、外部電源から電流が供給される電源端子接続部と、前記電源端子接続部に供給された電流から前記第1の巻線に供給される電流を生成する第1のモータ回路と、前記第1のモータ回路によって生成された電流を前記第1の巻線に供給する第1のモータ端子接続部と、前記電源端子接続部に供給された電流から前記第2の巻線に供給される電流を生成する第2のモータ回路と、前記第2のモータ回路によって生成された電流を前記第2の巻線に供給する第2のモータ端子接続部と、を有し、前記回路基板は、前記第1のモータ回路および前記第1のモータ端子接続部が配置される第1領域と、前記第2のモータ回路および前記第2のモータ端子接続部が配置される第2領域と、を有し、前記第1領域と前記第2領域との境界線の一方の端部の側では、前記電源端子接続部が前記第1領域または前記第2領域に配置され、前記境界線の他方の端部の側には、前記第1のモータ端子接続部および前記第2のモータ端子接続部が配置される。
【0007】
回路基板は、電源端子接続部の側からモータ端子接続部の側までの間の面積を、モータ回路の実装部分として広く確保できることが可能になる。
【0008】
上記の回路基板では、前記第1のモータ回路は、スイッチング回路を少なくとも有し、前記スイッチング回路は、少なくとも3個の高電位側スイッチング素子と、少なくとも3個の低電位側スイッチング素子と、を備え、前記高電位側スイッチング素子と前記低電位側スイッチング素子とは、前記電源端子接続部と前記第1のモータ端子接続部との間に配置され、前記高電位側スイッチング素子と前記低電位側スイッチング素子と前記電源端子接続部と前記第1のモータ端子接続部とは、前記電源端子接続部、前記高電位側スイッチング素子、前記低電位側スイッチング素子、前記第1のモータ端子接続部の順に配列されてもよい。
【0009】
上記の回路基板では、前記第1のモータ回路は、モータ電流遮断回路をさらに有し、前記モータ電流遮断回路は、少なくとも3個の電流遮断用スイッチング素子を備え、前記電流遮断用スイッチング素子は、前記電源端子接続部と前記第1のモータ端子接続部との間に配置され、前記電流遮断用スイッチング素子と前記高電位側スイッチング素子と前記低電位側スイッチング素子と前記電源端子接続部と前記第1のモータ端子接続部とは、前記電源端子接続部、前記高電位側スイッチング素子、前記低電位側スイッチング素子、前記電流遮断用スイッチング素子、前記第1のモータ端子接続部の順に配列されてもよい。
【0010】
上記の回路基板では、前記第1のモータ回路は、電流検出回路をさらに有し、前記電流検出回路は、電流検出素子を備え、前記電流検出素子は、前記電源端子接続部と前記第1のモータ端子接続部との間に配置され、前記電流検出素子と前記高電位側スイッチング素子と前記低電位側スイッチング素子と前記電源端子接続部と前記第1のモータ端子接続部とは、前記電源端子接続部、前記高電位側スイッチング素子、前記低電位側スイッチング素子、前記電流検出素子、前記第1のモータ端子接続部の順に配列されてもよい。
【0011】
上記の回路基板では、前記第1のモータ回路は、電流検出回路をさらに有し、前記電流検出回路は、電流検出素子を備え、前記電流検出素子は、前記電源端子接続部と前記第1のモータ端子接続部との間に配置され、前記電流検出素子と前記電流遮断用スイッチング素子と前記高電位側スイッチング素子と前記低電位側スイッチング素子と前記電源端子接続部と前記第1のモータ端子接続部とは、前記電源端子接続部、前記高電位側スイッチング素子、前記低電位側スイッチング素子、前記電流検出素子、前記電流遮断用スイッチング素子、前記第1のモータ端子接続部の順に配列されてもよい。
【0012】
回路基板では、モータ回路に、回路の素子として、スイッチング回路、電流検出回路、モータ電流遮断回路を配置でき、冗長化にともなって増える多くの素子を有することが可能になる。
【0013】
上記の回路基板では、前記少なくとも3個の高電位側スイッチング素子は、前記境界線が延びる方向である第1方向に直交する第2方向に沿って配列され、前記少なくとも3個の低電位側スイッチング素子は、前記第2方向に沿って配列されてもよい。
【0014】
上記の回路基板では、前記少なくとも3個の電流遮断用スイッチング素子は、前記境界線が延びる方向である第1方向に直交する第2方向に沿って配列されてもよい。
【0015】
上記の回路基板では、前記電流検出回路は、少なくとも3個の前記電流検出素子を備え、少なくとも3個の前記電流検出素子は、前記境界線が延びる方向である第1方向に直交する第2方向に沿って配列されてもよい。
【0016】
回路基板では、モータ回路に、回路の素子として、スイッチング回路、電流検出回路、モータ電流遮断回路を規則正しく並べて配置できるので、電源端子接続部からモータ端子接続部までの配線長のばらつきを低減でき電流経路長のばらつきを低減できる。結果として、インピーダンスのばらつきを低減可能になる。
【0017】
上記の回路基板は、GND端子接続部をさらに有し、前記電源端子接続部または前記GND端子接続部は、前記第1領域と前記第2領域とに跨って配置されてもよい。
【0018】
上記の回路基板は、GND端子接続部をさらに有し、前記電源端子接続部および前記GND端子接続部の一方は、前記第1領域および前記第2領域の一方に配置され、前記電源端子接続部および前記GND端子接続部の他方は、前記第1領域および前記第2領域の他方に配置されてもよい。
【0019】
上記の回路基板は、前記電源端子接続部を複数有し、前記GND端子接続部を複数有してもよい。
【0020】
上記の回路基板は、第1信号端子接続部と、第2信号端子接続部とをさらに有し、前記第1信号端子接続部および前記第2信号端子接続部の一方は、前記第1領域および前記第2領域の一方に配置され、前記第1信号端子接続部および前記第2信号端子接続部の他方は、前記第1領域および前記第2領域の他方に配置され、前記第1信号端子接続部と前記第2信号端子接続部とは、前記境界線を隔てて対向してもよい。
【0021】
モータ駆動装置は、上記の回路基板と、少なくとも前記第1のモータ回路および前記第2のモータ回路を制御する演算装置と、を備えてもよい。
【0022】
運転者のハンドル操作を補助する電動パワーステアリング装置は、ハンドル操作によるトルクを検出するトルクセンサと、上記のモータ駆動装置と、前記モータ駆動装置により駆動される前記モータと、を備えてもよい。
電動パワーステアリング装置の回路基板において、モータ回路に、回路の素子として、スイッチング回路、電流検出回路、モータ電流遮断回路を規則正しく並べて配置する場合には、インピーダンスのばらつきの低減によって、電動パワーステアリング装置のモータのトルクリップルを低減させることができる。
また、トルクリップルを低減させることができるため、運転者がハンドルを介して感じるトルク脈動の違和感を軽減することが可能となる。
【発明の効果】
【0023】
以上のように本開示の例示的な実施形態によれば、電源から各系統、各相のモータ端子接続部までの電流経路長の差を低減可能な回路基板、且つ、各系統、各相に各相の遮断回路等を有する事が可能な回路基板、および、これを用いたモータ駆動装置、電動パワーステアリング装置を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、回路基板、モータ駆動装置および電動パワーステアリング装置の例について、図面を参照しながら説明する。
【0026】
<電動パワーステアリング装置の構成>
図1に、電動パワーステアリング装置の概要図を示す。電動パワーステアリング装置1は、自動車等の輸送機器において、運転者のハンドル操作を補助する装置である。本実施形態の電動パワーステアリング装置1は、トルクセンサ94、モータ200、およびモータ駆動装置300を有する。
【0027】
トルクセンサ94は、ステアリングシャフト92に取り付けられている。運転者がステアリングホイール(以下「ハンドル」ともいう)91を操作してステアリングシャフト92を回転させると、トルクセンサ94は、ステアリングシャフト92にかかるトルクを検出する。つまり、トルクセンサ94は、ハンドル操作によるトルクを検出する。トルクセンサ94の検出信号であるトルク信号は、トルクセンサ94からモータ駆動装置300へ出力される。モータ駆動装置300は、トルクセンサ94から入力されるトルク信号に基づいて、モータ200を駆動させる。なお、モータ駆動装置300は、トルク信号だけではなく、他の情報(例えば車速など)を併せて参照していてもよい。
【0028】
モータ駆動装置300は、電力供給源400から得られる電力を利用して、モータ200に駆動電流を供給する。モータ200から生じる駆動力は、ギアボックス500を介して車輪93に伝達される。これにより、車輪93の舵角が変化する。このように、電動パワーステアリング装置1は、ステアリングシャフト92のトルクを、モータ200により増幅させて、車輪93の舵角を変化させる。したがって、運転者は、軽い力でステアリングホイール91を操作することができる。
【0029】
<モータ駆動装置の構成>
続いて、上記の電動パワーステアリング装置1に用いられるモータ駆動装置300の構成について説明する。
図2は、モータ駆動装置300の構成を示したブロック図である。
図2に示すように、このモータ駆動装置300は、マイクロコントローラ等の演算装置31を有する電気回路により構成される。モータ駆動装置300は、トルクセンサ94、モータ200、および電力供給源400(
図1参照)と、電気的に接続されている。
【0030】
本実施形態では、電動パワーステアリング装置1のモータ200に、三相同期ブラシレスモータが用いられている。モータ200の駆動時には、モータ駆動装置300からモータ200内の複数のコイル21A,21Bに、U相、V相、およびW相の各電流が供給される。そうすると、コイル21A,21Bを有するステータ200Aと、マグネットを有するロータ200Bとの間に、回転磁界が発生する。その結果、モータ200のステータ200Aに対してロータ200Bが回転する。
【0031】
また、
図2に示すように、本実施形態のモータ200は、U相、V相、およびW相のコイルで構成されるコイル群を、2組有する。以下では、これらの2組のコイル群を、それぞれ、第1コイル群22Aおよび第2コイル群22Bと称する。第1コイル群22Aの3つのコイル21Aおよび第2コイル群22Bの3つのコイル21Bは、それぞれ、スター結線により接続されている。ただし、第1コイル群22Aおよび第2コイル群22Bは、それぞれ、デルタ結線により接続されていてもよい。
【0032】
モータ駆動装置300は、第1コイル群22Aと第2コイル群22Bとに対して、個別に駆動電流を供給する。すなわち、このモータ駆動装置300は、第1コイル群22Aに対して駆動電流を供給する第1制御系統60Aと、第2コイル群22Bに対して駆動電流を供給する第2制御系統60Bとを有する。
【0033】
第1インバータ駆動回路63Aは、第1インバータ64Aを動作させるための電気回路である。第1インバータ駆動回路63Aは、演算装置31から出力される駆動指示73Aに従って、第1インバータ64Aの6つの第1スイッチング素子68Aに、それぞれパルス波であるPWM信号74Aを供給する。各第1スイッチング素子68Aに供給されるPWM信号74Aは、駆動指示73Aにより指定されたデューティ比を有する。
【0034】
第1インバータ64Aは、PWM信号74Aに基づいて駆動電流75Aを生成する電力変換器である。
図2に示すように、第1インバータ64Aは、6つの第1スイッチング素子68Aを有する。第1スイッチング素子68Aには、例えば、FETなどのトランジスタが用いられる。
図2の例では、電源電圧V1と接地電圧V0との間において、直列に接続された2つの第1スイッチング素子68Aが、並列に3組設けられている。
【0035】
第1コイル群22Aの3つのコイル21Aの各々の一端は、中性点23Aにおいて互いに接続されている。また、3つのコイル21Aの各々の他端は、第1インバータ64Aの3組の第1スイッチング素子68Aの各々の+側の第1スイッチング素子68Aと−側の第1スイッチング素子68Aとの間に、接続されている。6つの第1スイッチング素子68Aが、PWM信号74Aによってオンオフされると、それらのオンオフ状態に応じて、第1インバータ64Aから第1コイル群22Aの各相のコイル21Aへ、駆動電流75Aが供給される。
【0036】
また、
図2に示すように、第1インバータ64Aは、3つの第1シャント抵抗69Aを有する。3つの第1シャント抵抗69Aは、3組の第1スイッチング素子68Aの各々の−側の第1スイッチング素子68Aと、接地電圧V0との間に、介挿されている。第1コイル群22Aへの駆動電流75Aの供給時には、第1コイル群22Aから第1インバータ64Aへ帰還する各相の電流が、3つの第1シャント抵抗69Aにそれぞれ流れる。
【0037】
第1モータ電流遮断回路65Aは、第1インバータ64Aと第1コイル群22Aとの間の3相の各電流の経路上に設けられている。第1モータ電流遮断回路65Aには、例えばメカリレーまたはFETが用いられる。第1モータ電流遮断回路65Aは、演算装置31からの信号に基づいて、電流の経路を、相ごとに通電状態と遮断状態との間で切り替えることができる。
【0038】
第1電流計測回路66Aは、第1シャント抵抗69Aに流れる電流を計測するための電気回路である。第1電流計測回路66Aは、3つの第1シャント抵抗69Aの両端の電位差を計測することによって、各第1シャント抵抗69Aに流れる電流(シャント電流)を示す検出信号76Aを生成する。生成された検出信号76Aは、第1電流計測回路66Aから演算装置31へ送られる。
【0039】
第2制御系統60Bは、第1制御系統60Aと同等の構成を有する。すなわち、
図2に示すように、第2制御系統60Bは、第2インバータ駆動回路63B、第2インバータ64B、第2モータ電流遮断回路65B、および第2電流計測回路66Bを有する。第2制御系統60Bは、これらの各部を動作させることによって、第2コイル群22Bに駆動電流75Bを供給する。なお、第2制御系統60B内の各部の詳細な動作については、上述した第1制御系統60Aと同様であるため、重複説明を省略する。
図2では、第2制御系統60B内の各部間で授受される信号に、第1制御系統60Aの各部間の駆動指示73A、PWM信号74A、駆動電流75A、検出信号76Aに対応する符号73B〜76Bを付している。
【0040】
図3は、上記の電動パワーステアリング装置1に用いられるモータ駆動装置300とモータ200の分解斜視図である。
図3に示すように、モータ駆動装置300は、少なくとも、電力供給源400を接続する外部電源コネクタ14C、外部信号を接続する第1外部信号コネクタ12C1、および第2外部信号コネクタ12C2と一体に成形された樹脂ケース10と、少なくとも演算装置31を実装した制御基板30と、少なくとも第1インバータ64Aと第2インバータ64Bを実装したパワー基板(回路基板)60とを有し、樹脂ケース10が、制御基板30とパワー基板60を覆い、モータ200のシャフト方向の反出力側である一方の面を塞いでいる。樹脂ケース10の開口部と、モータ200のシャフト方向の半出力側とは、接着剤等で封止するのが好ましい。封止されることで防水性のモータ駆動装置300とすることが可能となる。なお、樹脂ケース10には、フィルタを有した呼吸穴15を設けるのが好ましい。呼吸穴15を設けることで温度変化によるモータ駆動装置300内の圧力変化を抑制することが可能となる。また、制御基板30、および、パワー基板60は、それぞれプリント実装基板であることが好ましい。プリント実装基板を用いることで、アルミなどの金属基板に比べてコスト低減が可能である。
【0041】
電力供給源400は、外部電源コネクタ14C内に配置される外部電源端子34PTおよび外部GND端子34GTに接続される。外部電源端子34PTおよび外部GND端子34GTは、第1外部信号端子32S1、第2外部信号端子32S2と共に、外部信号ターミナルモジュール32として樹脂でインサート成形されている。外部信号ターミナルモジュール32は、制御基板30を挟み、第1信号ターミナルモジュール62A、および第2信号ターミナルモジュール62Bに複数の固定部材で固定される。複数の固定部材とは、例えば複数のネジである。第1外部信号端子32S1、第2外部信号端子32S2の制御基板30側の端部は、制御基板30に半田付けされて電気的に接続される。外部電源端子34PTおよび外部GND端子34GTの制御基板30側の端部は、それぞれ、電源端子61PTおよびGND端子61GTに半田付けされ、電気的に接続される。なお、接続は溶接であっても良く、外部電源端子34PTと電源端子61PTとを一体形成としても良いし、外部GND端子34GTとGND端子61GTとを一体形成としても良い。なお、第1外部信号端子32S1、第2外部信号端子32S2の信号としては、例えば、トルクセンサ信号や、CAN通信の信号である。
【0042】
制御基板30には、少なくとも1つの演算装置31(
図3には図示しない)が実装されている。実装時は、半田リフローによる表面実装が好ましい。演算装置31は、例えばCPUであり、複数個のCPUであっても良い。演算装置31の複数の信号は、それぞれ、制御基板30に形成される回路パターンに接続され、第1信号端子接続部32CA、および第2信号端子接続部32CBに通じている。制御基板30の第1信号端子接続部32CA、および第2信号端子接続部32CBには、複数の第1信号端子62TA、および第2信号端子62TBの制御基板30側の一端が、パワー基板60の側からプレスフィットされ、電気的に接続される。なお、接続は半田付けでも良い。
【0043】
制御基板30は、外部信号ターミナルモジュール32と第1信号ターミナルモジュール62A、および第2信号ターミナルモジュール62Bとの間に挟み込まれて、複数の固定部材で共に固定されている。
【0044】
パワー基板60には、少なくとも第1インバータ64Aと第2インバータ64Bが実装されている。複数の第1信号端子62TA、および第2信号端子62TBは、それぞれ、第1信号ターミナルモジュール62A、および第2信号ターミナルモジュール62Bとして樹脂でインサート成形されている。第1信号ターミナルモジュール62A、および第2信号ターミナルモジュール62Bの複数の信号端子のパワー基板60側の他端は、パワー基板第1信号端子接続部62CA、およびパワー基板第2信号端子接続部62CBにプレスフィットされ、電気的に接続される。なお、接続は半田付けでも良い。また、パワー基板60は、第1信号ターミナルモジュール62A、および第2信号ターミナルモジュール62Bと複数の固定部材で固定される。複数の固定部材とは、例えば複数のネジである。制御基板30とパワー基板60が、第1信号端子62TA、および第2信号端子62TBで電気的に接続されていることで、演算装置31の信号が、第1インバータ64Aおよび第2インバータ64Bを制御することができる。また、演算装置31はパワー基板60に配置しても良い。第1インバータ64Aの6つの第1スイッチング素子68A、第2インバータ64Bの6つの第2スイッチング素子68B、第1電流検出回路としての第1シャント抵抗69A、第2電流検出回路としての第2シャント抵抗69B、第1モータ電流遮断回路65A、第2モータ電流遮断回路65B、およびその他の実装部品は、パワー基板60の実装時に半田リフローによる表面実装が好ましい。なお、その他の実装部品、例えば、ノイズ除去のためのコンデンサやコイル、電源遮断や電源逆接時の保護のためのスイッチング素子やリレー、およびCPUへ供給する電圧を生成する電源ICなども、パワー基板60の実装時にハンダリフローによる表面実装されるのが好ましい。
【0045】
パワー基板60は、複数の固定部材によりモータ200のシャフト方向の反出力側である一方の面に固定される。複数の固定部材とは、例えば複数のネジである。
【0046】
電源端子61PTおよびGND端子61GTから供給された電源は、ノイズ除去のためのコンデンサ等により整流され、第1領域、第2領域に接続される。
【0047】
図4は、上記のモータ駆動装置300に用いられるパワー基板(回路基板)60の概要図である。
図4に示すように、パワー基板60は、少なくとも、基板の境界線C1−C2の一方側に配置される第1領域60RAと、他方側に配置される第2領域60RBとを有する。境界線C1−C2は、パワー基板60の一方(
図4の下側)の端部から、電源端子接続部61PCとGND端子接続部61GCとの間、および、第1のモータ端子接続部67CAと第2のモータ端子接続部67CBとの間を通って、パワー基板60の他方(
図4の上側)の端部まで延びている。境界線C1−C2が延びる方向を第1方向と称し、第1方向に直交する方向を第2方向と称する。第1領域60RAには、第1のモータ回路60MAと、第1のモータ端子接続部67CAとが配置される。第2領域60RBには、第2のモータ回路60MBと、第2のモータ端子接続部67CBとが配置される。境界線C1−C2の一方の端部の側(
図4の下側)では、電源端子接続部61PCが第1領域60RAに配置され、GND端子接続部61GCが第2領域60RBに配置される。境界線C1−C2の他方の端部の側(
図4の上側)では、第1のモータ端子接続部67CAが第1領域60RAに配置され、第2のモータ端子接続部67CBが第2領域60RBに配置される。
【0048】
本実施形態では、パワー基板60は、電源端子接続部61PCまたはGND端子接続部61GCの側から、第1のモータ端子接続部67CAまたは第2のモータ端子接続部67CBの側までの間の面積を、第1のモータ回路60MAおよび第2のモータ回路60MBの実装部分として広く確保することが可能になる。
【0049】
第1のモータ回路60MAは、複数の第1スイッチング素子68Aを備える第1スイッチング回路を少なくとも有する。第1スイッチング回路は、第1スイッチング素子68Aとして、少なくとも3個の高電位側スイッチング素子68HAと、少なくとも3個の低電位側スイッチング素子68LAを備える。第1領域60RAには、第1方向に、電源端子接続部61PCまたはGND端子接続部61GCの側から、第1スイッチング回路と第1のモータ端子接続部67CAとが、第1スイッチング回路、第1のモータ端子接続部67CAの順で配列される。つまり、第1スイッチング回路では、第1方向に、電源端子接続部61PCまたはGND端子接続部61GCの側から、少なくとも3個の高電位側スイッチング素子68HAと、少なくとも3個の低電位側スイッチング素子68LAとが、少なくとも3個の高電位側スイッチング素子68HA、少なくとも3個の低電位側スイッチング素子68LAの順で配列されている。
【0050】
それぞれの第1スイッチング素子68Aには、例えば、MOS−FETなどのトランジスタが用いられる。または、IGBT等の素子を用いても良い。
【0051】
また、第1のモータ回路60MAは、第1モータ電流遮断回路65Aを有する。第1モータ電流遮断回路65Aは、少なくとも3個の電流遮断用スイッチング素子を備える。第1領域60RAには、第1方向に、電源端子接続部61PCまたはGND端子接続部61GCの側から、第1スイッチング回路と第1モータ電流遮断回路65Aと第1のモータ端子接続部67CAとが、第1スイッチング回路、第1モータ電流遮断回路65A、第1のモータ端子接続部67CAの順で配列される。
【0052】
電流遮断用スイッチング素子には、例えば、MOS−FETなどのトランジスタが用いられる。または、メカリレー等を用いても良い。
【0053】
また、第1のモータ回路60MAは、第1電流検出回路として機能する第1シャント抵抗69Aを有する。第1電流検出回路は、少なくとも3個の電流検出素子としての第1シャント抵抗69Aを備える。第1領域60RAには、第1方向に、電源端子接続部61PCまたはGND端子接続部61GCの側から、第1スイッチング回路と第1電流検出回路と第1モータ電流遮断回路65Aと第1のモータ端子接続部67CAとが、第1スイッチング回路、第1電流検出回路、第1モータ電流遮断回路65A、第1のモータ端子接続部67CAの順で配列される。
【0054】
電流検出素子として、第1シャント抵抗69Aを用いる代わりに、電流センサ等の素子を用いても良い。
第1電流検出回路が、電流検出素子を1個のみ有していてもよい。
【0055】
パワー基板60では、第1のモータ回路60MAに、少なくとも3相の回路の素子として、第1スイッチング回路(第1スイッチング素子68A)、第1電流検出回路(第1シャント抵抗69A)、第1モータ電流遮断回路65Aを配置でき、冗長化にともなって増える多くの素子を有することが可能になる。
【0056】
なお、第2領域60RBの配置については、上述した第1領域60RAと同様であるため、重複説明を省略する。
図4では、第2領域60RBの各部の符号に、第1領域60RAの各部の符号の末尾Aに対応する符号の末尾Bを付している。
第2領域60RBの第2電流検出回路が、電流検出素子を1個のみ有していてもよい。
【0057】
第1のモータ回路60MAでは、少なくとも3個の高電位側スイッチング素子68HAが、第2方向に沿って配列され、少なくとも3個の低電位側スイッチング素子68LAが、第2方向に沿って配列されている。
【0058】
また、第1のモータ回路60MAでは、第1モータ電流遮断回路65Aを構成する少なくとも3個の電流遮断用スイッチング素子が、第2方向に沿って配列されている。
【0059】
また、第1のモータ回路60MAでは、少なくとも3個の電流検出素子としての第1シャント抵抗69Aが、第2方向に沿って配列されている。
【0060】
第1のモータ回路60MAでは、U相電流経路60UAと、V相電流経路60VAと、W相電流経路60WAとが、第1方向に平行に延びている。同様に、第2のモータ回路60MBでは、U相電流経路60UBと、V相電流経路60VBと、W相電流経路60WBとが、第1方向に平行に延びている。
【0061】
パワー基板60では、第1のモータ回路60MAに、少なくとも3相の回路の素子として、第1スイッチング回路(第1スイッチング素子68A)、第1電流検出回路(第1シャント抵抗69A)、第1モータ電流遮断回路65Aを規則正しく並べて配置できるので、電源端子接続部61PCから第1のモータ端子接続部67CAまでの各相の配線長のばらつきを低減でき、各相の電流経路長のばらつきを低減できる。結果として、インピーダンスのばらつきを低減可能になる。また、インピーダンスのばらつきの低減によって、電動パワーステアリング装置1のモータ200のトルクリップルを低減することができる。
また、トルクリップルを低減させることができるため、運転者がハンドルを介して感じるトルク脈動の違和感を軽減することが可能となる。
【0062】
なお、第2のモータ回路60MBについては、上述した第1のモータ回路60MAと同様であるため、重複説明を省略する。
図4では、第2のモータ回路60MBの各部の符号に、第1のモータ回路60MAの各部の符号の末尾Aに対応する符号の末尾Bを付している。
【0063】
電源端子接続部61PCには、電源端子61PTが半田付けされて電気的に接続される。同様にGND端子接続部61GCには、GND端子61GTが半田付けされて電気的に接続される。電源端子接続部61PCまたはGND端子接続部61GCは、第1領域60RAと第2領域60RBとに跨って配置されても良い。
【0064】
図4に示すように、電源端子接続部61PCが第1領域60RAに配置され、GND端子接続部61GCが第2領域RBに配置されても良い。
【0065】
回路基板60に、電源端子接続部61PCを複数設け、GND端子接続部61GCを複数設けてもよい。このように構成することによって、回路基板60に対して、電力供給源400からのみならず、他の電力供給源からも電源を供給可能になり、電源供給経路を冗長にすることができる。
【0066】
電源端子接続部61PCおよびGND端子接続部61GCは、第1領域60RA内の第1のモータ回路60MAおよび第1のモータ端子接続部67CAに接続されると共に、第2領域60RB内の第2のモータ回路60MBおよび第2のモータ端子接続部67CBに接続されている。
【0067】
パワー基板(回路基板)60は、パワー基板第1信号端子接続部62CA(
図3参照)と、パワー基板第2信号端子接続部62CB(
図3参照)とをさらに有する。第1領域60RAには、パワー基板第1信号端子接続部62CAが配置される。第2領域60RBには、パワー基板第2信号端子接続部62CBが配置される。パワー基板第1信号端子接続部62CAとパワー基板第2信号端子接続部62CBとは、境界線C1−C2(
図4参照)を隔てて対向している。
【0068】
パワー基板第1信号端子接続部62CAは、第1領域60RAのうちの境界線C1−C2の反対側の部分(つまり、パワー基板60の中心部ではなく端部)に配置される。パワー基板第2信号端子接続部62CBは、第2領域60RBのうちの境界線C1−C2の反対側の部分に配置される。また、パワー基板第1信号端子接続部62CAに接続される第1信号ターミナルモジュール62Aと、パワー基板第2信号端子接続部62CBに接続される第2信号ターミナルモジュール62Bとが、パワー基板60と制御基板30との固定を兼ねる。この構成では、パワー基板60と制御基板30との間の信号を取り回すことが可能となるので、部品を削減することができる。
【0069】
また、第1信号ターミナルモジュール62Aと、第2信号ターミナルモジュール62Bとが、同じ構造を有する部品であるため、コストの低減効果を得ることができる。
【0070】
また、第1信号端子62TAは第1のモータ回路60MAの信号端子である。第2信号端子62TBは第2のモータ回路60MBの信号端子である。各信号端子とすることで、制御基板30の演算装置31からの信号は、第1信号端子62TAを介して第1のモータ回路60MAに供給され、第2信号端子62TBを介して第2のモータ回路60MBに供給される。すなわち、第1信号端子62TAおよび第2信号端子62TBを設けることによって、制御基板30の演算装置31から第1のモータ回路60MAおよび第2のモータ回路60MBに配線を引き易くなる。つまり、第1領域60RAと第2領域60RBとの境界線C1−C2を跨ぐ配線を減らすことができるので、境界線C1−C2の近傍に他の部品を配置することが可能になる。
【0071】
第1のモータ端子接続部67CAには、U相モータ端子接続部67UCAと、V相モータ端子接続部67VCAと、W相モータ端子接続部67WCAとが含まれる。第1のモータ端子接続部67CAには、モータ200の第1コイル群22Aの3つのコイル21Aの各々の他端が半田付けされて電気的に接続される。同様に第2のモータ端子接続部67CBには、U相モータ端子接続部67UCBと、V相モータ端子接続部67VCBと、W相モータ端子接続部67WCBとが含まれる。第2のモータ端子接続部67CBには、モータ200の第2コイル群22Bの3つのコイル21Bの各々の他端が半田付けされて電気的に接続される。
【0072】
図5Aは、
図4のパワー基板60のX1−X2断面図である。
図5Aに示すように、パワー基板60の上面には、高電位側スイッチング素子68HBと、低電位側スイッチング素子68LBと、第2シャント抵抗69Bと、第2モータ電流遮断回路65Bとが配置される。
【0073】
スイッチング損失による発熱で、高電位側スイッチング素子68HBと、低電位側スイッチング素子68LBは高温になるため、パワー基板60には、パワー基板60の下面へ放熱する放熱経路60Jが設けられる。放熱経路60Jは、例えば、銅インレイ、スルーホールなどである。パワー基板60の下面は、モータ200のアルミ板26(
図3参照)に接続される。パワー基板60の下面とアルミ板26との間には、絶縁性の放熱部材を配置する。放熱部材としては、例えば、放熱コンパウンドでもよく、放熱シートでも良い。スイッチング損失による発熱は、アルミ板26を通じて、モータ200から放熱される。パワー基板60の第2シャント抵抗69Bと、第2モータ電流遮断回路65Bが配置される部位にも放熱経路を配置しても良い。また、第2のモータ回路60MBだけではなく、第1のモータ回路60MA側にも同様な放熱経路を配置しても良い。
【0074】
図5Bは、
図4のパワー基板60のX1−X2断面図の他の実施例を示す。
図5Bに示すように、高電位側スイッチング素子68HBと、低電位側スイッチング素子68LBと、第2シャント抵抗69Bと、第2モータ電流遮断回路65Bとが、パワー基板60の下面に配置される。
【0075】
スイッチング損失による発熱により、高電位側スイッチング素子68HBと、低電位側スイッチング素子68LBは高温になる。高電位側スイッチング素子68HBおよび低電位側スイッチング素子68LBの背面(基板実装面の反対側の面)と、モータ200のアルミ板26とが接続される。高電位側スイッチング素子68HBおよび低電位側スイッチング素子68LBと、アルミ板26との間には、絶縁性の放熱部材を配置する。放熱部材としては、例えば、放熱コンパウンドでもよく、放熱シートでも良い。スイッチング損失による発熱は、アルミ板26を通じて、モータ200から放熱される。パワー基板60の第2シャント抵抗69Bと、第2モータ電流遮断回路65Bが配置される部位にも放熱部材を配置しても良い。また、第2のモータ回路60MBだけではなく、第1のモータ回路60MA側にも同様な放熱部材を配置しても良い。
【0076】
図6は、
図3に示すモータ200の内部構造を説明するための図である。モータ200は、ステータ200Aと、ステータ200Aに対して相対回転可能に設けられるロータ200Bと、ロータ200Bと共に回転するシャフト200Cとを有する。
図3および
図4に示すパワー基板60は、モータ200のシャフト方向の一方の側(
図6の上側)に設けられ、モータ200を制御する。ステータ200Aは、少なくとも第1の巻線200A1と第2の巻線とを有する。
図6に示す断面内には、第1の巻線200A1のみが示されているが、第2の巻線は、
図6に示す断面とは異なる断面であって、モータ200の中心軸線を含む断面内に存在する。その断面を図示すると、
図6に示す断面図とほぼ同様の断面図になる。
第1の巻線200A1には、パワー基板60の第1のモータ回路60MAによって生成された電流が、第1のモータ端子接続部67CAを介して供給される。第2の巻線には、パワー基板60の第2のモータ回路60MBによって生成された電流が、第2のモータ端子接続部67CBを介して供給される。
【0077】
図4に示すように、パワー基板60は、電力供給源400(
図1参照)から電流が供給される電源端子接続部61PCと、電源端子接続部61PCに供給された電流からステータ200Aに供給される電流を生成するモータ回路(第1のモータ回路60MA、第2のモータ回路60MB)と、モータ回路によって生成された電流をステータ200Aに供給するモータ端子接続部(第1のモータ端子接続部67CA、第2のモータ端子接続部67CB)とを有する。電源端子接続部61PCとモータ端子接続部(第1のモータ端子接続部67CA、第2のモータ端子接続部67CB)とは、回路基板60の端部に配置される。電源端子接続部61PCは、回路基板60の中心部を隔ててモータ端子接続部(第1のモータ端子接続部67CA、第2のモータ端子接続部67CB)と対向する。
【0078】
図4に示すように、モータ回路(第1のモータ回路60MA、第2のモータ回路60MB)は、スイッチング素子を含む回路であるスイッチング回路(第1スイッチング素子68Aを含む回路、第2スイッチング素子68Bを含む回路)を少なくとも有する。第1スイッチング素子68Aを含む回路は、3個の高電位側スイッチング素子68HAと、3個の低電位側スイッチング素子68LAとを備える。第2スイッチング素子68Bを含む回路は、3個の高電位側スイッチング素子68HBと、3個の低電位側スイッチング素子68LBとを備える。
【0079】
図4に示すように、高電位側スイッチング素子68HAと低電位側スイッチング素子68LAとは、電源端子接続部61PCと第1のモータ端子接続部67CAとの間に配置される。高電位側スイッチング素子68HAと低電位側スイッチング素子68LAと電源端子接続部61PCと第1のモータ端子接続部67CAとは、電源端子接続部61PC、高電位側スイッチング素子68HA、低電位側スイッチング素子68LA、第1のモータ端子接続部67CAの順に配列される。
【0080】
図4に示すように、高電位側スイッチング素子68HBと低電位側スイッチング素子68LBとは、電源端子接続部61PCと第2のモータ端子接続部67CBとの間に配置される。高電位側スイッチング素子68HBと低電位側スイッチング素子68LBと電源端子接続部61PCと第2のモータ端子接続部67CBとは、電源端子接続部61PC、高電位側スイッチング素子68HB、低電位側スイッチング素子68LB、第2のモータ端子接続部67CBの順に配列される。
【0081】
図4に示すように、モータ回路(第1のモータ回路60MA、第2のモータ回路60MB)は、モータ電流遮断回路(第1モータ電流遮断回路65A、第2モータ電流遮断回路65B)をさらに有する。
【0082】
図4に示すように、第1モータ電流遮断回路65Aは、3個の電流遮断用スイッチング素子を備える。それらの電流遮断用スイッチング素子は、電源端子接続部61PCと第1のモータ端子接続部67CAとの間に配置される。第1モータ電流遮断回路65Aに含まれる電流遮断用スイッチング素子と、高電位側スイッチング素子68HAと、低電位側スイッチング素子68LAと、電源端子接続部61PCと、第1のモータ端子接続部67CAとは、電源端子接続部61PC、高電位側スイッチング素子68HA、低電位側スイッチング素子68LA、電流遮断用スイッチング素子、第1のモータ端子接続部67CAの順に配列される。
【0083】
図4に示すように、第2モータ電流遮断回路65Bは、3個の電流遮断用スイッチング素子を備える。それらの電流遮断用スイッチング素子は、電源端子接続部61PCと第2のモータ端子接続部67CBとの間に配置される。第2モータ電流遮断回路65Bに含まれる電流遮断用スイッチング素子と、高電位側スイッチング素子68HBと、低電位側スイッチング素子68LBと、電源端子接続部61PCと、第2のモータ端子接続部67CBとは、電源端子接続部61PC、高電位側スイッチング素子68HB、低電位側スイッチング素子68LB、電流遮断用スイッチング素子、第2のモータ端子接続部67CBの順に配列される。
【0084】
モータ回路(第1のモータ回路60MA、第2のモータ回路60MB)は、電流検出回路(第1電流検出回路、第2電流検出回路)をさらに有する。
【0085】
図4に示すように、第1電流検出回路は、3個の電流検出素子としての第1シャント抵抗69Aを備える。電流検出素子としての第1シャント抵抗69Aは、電源端子接続部61PCと第1のモータ端子接続部67CAとの間に配置される。電流検出素子としての第1シャント抵抗69Aと、第1モータ電流遮断回路65Aの電流遮断用スイッチング素子と、高電位側スイッチング素子68HAと、低電位側スイッチング素子68LAと、電源端子接続部61PCと、第1のモータ端子接続部67CAとは、電源端子接続部61PC、高電位側スイッチング素子68HA、低電位側スイッチング素子68LA、電流検出素子としての第1シャント抵抗69A、第1モータ電流遮断回路65Aの電流遮断用スイッチング素子、第1のモータ端子接続部67CAの順に配列される。
【0086】
図4に示すように、第2電流検出回路は、3個の電流検出素子としての第2シャント抵抗69Bを備える。電流検出素子としての第2シャント抵抗69Bは、電源端子接続部61PCと第2のモータ端子接続部67CBとの間に配置される。電流検出素子としての第2シャント抵抗69Bと、第2モータ電流遮断回路65Bの電流遮断用スイッチング素子と、高電位側スイッチング素子68HBと、低電位側スイッチング素子68LBと、電源端子接続部61PCと、第2のモータ端子接続部67CBとは、電源端子接続部61PC、高電位側スイッチング素子68HB、低電位側スイッチング素子68LB、電流検出素子としての第2シャント抵抗69B、第2モータ電流遮断回路65Bの電流遮断用スイッチング素子、第2のモータ端子接続部67CBの順に配列される。