【解決手段】第1のくさびボルトおよび筐体へと連結された第1のくさびであって、前記第1のくさびが角度付けした側部および直線状の側部を有し、前記第1のくさびの前記角度付けした側部が前記モータプレートの傾斜付き側部と摺接し、前記直線状が顎部と摺接する、前記第1のくさびと、前記筐体へと取り付けられた第1のレールであって、前記モータプレートが前記第1のレールの表面と摺接する、前記第1のレールとを含み、前記第1のくさびボルトを締結することにより、前記第1のくさびの前記角度付けされた側部が前記モータプレートの前記傾斜付き側部に対してスライドし、前記モータプレートを前記第1のくさびボルトから離れるように移動させる、モータ駆動アセンブリ。
前記モータプレート中のスロットを通じて伸長するロックダウンボルトであって、前記モータプレートが前記第1のベルト上を所望の位置までスライドし、かつ前記ロックダウンボルトが前記モータプレートを前記所望の位置で前記第1のレールに対して堅固が固定する、前記ロックダウンボルト、
をさらに含む、請求項1に記載のモータ駆動アセンブリ。
アイドラー滑車プレートへと取り付けられたアイドラー滑車であって、前記アイドラー滑車プレートが前記モータ駆動アセンブリの筐体の表面と摺接する、前記アイドラー滑車と;
第2のくさびボルトおよび前記筐体へと連結された第2のくさびであって、前記第2のくさびが角度付けした側部および直線状の側部を有し、前記第2のくさびの前記角度付けした側部が前記アイドラー滑車プレートの傾斜付き側部と摺接し、
前記直線状が顎部と摺接する、前記第2のくさびと;
をさらに含み、
前記第2のくさびボルトを締結して前記第2のくさびの前記角度付けされた側部を前記アイドラー滑車プレートの前記傾斜付き側部に対してスライドするようにし、前記アイドラー滑車および前記アイドラー滑車プレートを前記第2のくさびボルトから離れるように移動させ、モータプレートはモータ駆動アセンブリの筐体の表面に固定されている、
請求項1に記載のモータ駆動アセンブリ。
前記アイドラー滑車プレート中のスロットを通じて伸長するロックダウンボルトであって、前記ロックダウンボルトが前記スロット中へと移動して前記アイドラー滑車プレートが前記第1のプレート状の位置へと移動し、前記アイドラー滑車プレートが前記ロックダウンボルトによって前記第1のレールへと堅固に固定される、前記ロックダウンボルトをさらに含む、
請求項7に記載のモータ駆動アセンブリ。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明は、ロボット位置決めデバイスと対象とする。
図1〜
図3を参照すると、ロボット位置決めデバイス101の実施形態の上面図が
図1に示され、位置決めデバイス101の正面図が
図2に示され、位置決めデバイス101の側面図が
図3に示される。位置決めデバイス101は、パンシャフト125上に取り付けられ、チルトシャフト105の両側の端部に堅固に連結された第1のペイロード134および/または第2のペイロード136を備え得る。第1のペイロード134および第2のペイロード136は、ほとんどの任意の種類の装置であり得る(例えば、アーム、カメラ、レーザポインタ、レーザ照準器、レーザレンジファインダー、レーザ出力トランシーバー、スポットライト、カバート照明、ラウドスピーカ、アンテナ、レーダー、センサー、低殺傷力兵器、高殺傷力兵器、およびマルチセンサーパッケージ中に取り付けられたこのようなデバイスの任意の組み合わせ)。位置決めデバイス101は、パンシャフト125の周囲で回転することができ、チルトシャフト105は、位置決めデバイス101内で回転して、方位角および仰角においてペイロード134,136を回転させることができる。位置決めデバイス101は、ハウジング111および上部カバー113を備える。ハウジング111および上部カバー113は、位置決めデバイス101およびチルトシャフト105の回転を制御する内部電子機器および機械システムを包囲してこれらを保護する。制御信号を機械システムに送信することにより、第1のペイロード134および第2のペイロード136を固定または可動であり得るパンシャフト125に相対する任意の角度位置まで回転させることができる。
【0020】
図5〜
図9および
図11〜
図16は、ハウジングと、取り付けられているかまたは一体化されているペイロードとを方位角に関して回転可能に移動させるためのパンデバイスの実施形態を示す。
図17および
図19〜
図22も、取り付けられているかまたは一体化されているペイロードを仰角に関して回転させるための完全なデバイスとして機能することが可能なチルトアセンブリの実施形態の立面図を示す。これらのパンデバイスおよびチルトデバイスの中間に破線を引くことにより、複合2軸デバイス中への対をより明確に示す。ハウジングの上部は、各パンデバイスの実施形態において分割され、各チルトデバイスの下部の実施形態のハウジングも同様であり、単軸パンの実施形態を単軸チルトの実施形態とモジュールとして組み合わせて、ペイロードのパンおよびチルト双方を可能にする複合二重軸デバイスをより明確に示す。
図10、
図18および
図23〜
図35は、様々なパンデバイスの実施形態をチルトデバイス実施形態と組み合わせて二重軸パン/チルト位置決めデバイスを実現する集合体を示す。
図36〜
図46は、全てのデバイスの実施形態に共通する軸受の実施形態を示す。
図47は、動的回転シャフトのシールを示す。
図48〜
図60は、ギア追跡されかつ万力ロックされた調節可能なモータマウントにより、位置決めデバイスおよび他のベルト、ケーブルおよび鎖駆動機械の衝撃および振動公差を増加させる様子を示す。
図61〜
図64は、位置決めデバイスまたは他のポータブルデバイスを高速取り付けしかつ取付プラットフォームから取り外すためのトグルクランプ取付装置を示す。
【0021】
図5を参照すると、パンデバイスの実施形態の正面断面図が図示されている。ハウジング111は、固定パンシャフト125の周囲を回転して、ハウジング111に直接取り付けられているかまたは内部に取り付けられているペイロードの方位角を変化させる。ハウジング111がパン軸受127を介して固定シャフト125の周囲を回転する様子を
図41中により詳細に示し、より詳細に後述する。
【0022】
パン軸受フランジ129とパンシャフト125上の凹状の内側環状表面との間に連結されたパン軸受127により、位置決めデバイスをパンシャフト125の上部に取り付けることができる。パン軸受127は、内輪133と、外輪137と、これらのリング間の複数の軸受135とを備える。複数の軸受135により、外輪137が内輪133の周囲を平滑に回転することができる。パン軸受フランジ129は、ハウジング111の下部およびパン軸受127の内輪133に堅固に連結され得る。パン軸受の外輪137は、パンシャフト125の上部に堅固に連結され得る。パン軸受127の外輪137に設けられた取付穴により、外輪が締結具によりシャフト125に堅固に取り付けられる。
【0023】
パンシャフト125中に形成されたねじ山への損傷を回避するため、高強度のねじ山付きインサート(例えば、KeensertまたはHelicoil)をパンシャフト取付穴パターン中に埋設することにより、ねじ山強度を大幅に向上させることができる。軸受内輪133は、フランジ129を介して軸受をハウジング111に取り付けるための取付穴も備え得る。一実施形態において、パン軸受フランジ129は、複数のねじ、ボルトまたは他の取り外し可能な締結機構により、ハウジング111およびパン軸受127の内輪133に堅固に連結され得る。ハウジング111のフロアポスト中に形成されたねじ山への損傷を回避するため、高強度のねじ山付きインサート(例えば、KeensertまたはHelicoil)をハウジング中に埋設することにより、ねじ山強度を大幅に向上させることができる。複数のねじ、ボルトまたは
図12および
図14に示すような他の締結具により、内輪133をハウジング111の下部に直接堅固に取り付けすることも可能であり、ハウジングフロア中の穴パターンもねじ山付きインサートによって補強することができる。
図12を参照すると、外輪の平面表面168は極めて平坦であり得、パンシャフトフランジ229の下部を極めて平坦かつ平行にすることができ、内輪133の平面表面166を極めて平坦にし、ハウジング211のフロア上の環状ボスに平行にすることができ、れらの平坦かつ平行な接合の結果、パンシャフト325が軸受穴167およびハウジング211に対して極めて同心状に回転する。
【0024】
パン軸受127アセンブリにより、位置決めデバイスがパンシャフト325の周囲を回転することができる。外輪137の円周に含まれ得る歯は、より詳細に後述する駆動機構と係合しえる。歯プロファイルは、外輪137の円周上に直接歯切りしてもよいし、
図5に示すようにパンシャフト125の円周中に直接歯切りしてもよいし、あるいは、滑車ストックのリングを外輪137の周囲またはパンシャフト125の周囲に堅固に取付して、一体型シャフトギアを生成してもよい。一実施形態において、歯プロファイルは、シャフト125中に直接歯切りされ、ベルト106がギア歯とかみ合うことにより、トルクがシャフト125へと付与されて、回転動きが生成される。パンベルト106の内面および外輪137の外面は、ベルトがパンベルト106と外輪137との間において同期したときにスリップを回避するための対応する歯(「ラチェット」と呼ばれる)を備え得る。パン駆動機構の動きを高精度制御することにより、ハウジング111を任意の所望の方位角位置まで高い精度で回転させることができる。
【0025】
図23を参照すると、内部電源118は、電子機器およびモータ構成要素を制御するための電力を提供することができる。電力および制御信号は、コネクタ141を介して位置決めデバイス中に進入し得、パンシャフト125中の広範な空間中に封入された電子機器とインターフェースをとり得る。これらの電力およびデータ信号をパン軸受127のボア167を通じて送ることにより、ハウジング111中へさらにルートすることができる。シャフト回転に起因してワイヤの過度のたわみまたはレセプタクルから外れるほどワイヤを強く引くことを回避するため、スリップリング140をボア167中に配置し、スリップリングブラケット180によって固定シャフト125に堅固に取り付けすることができる。シャフト125およびハウジング111中に封入された構成要素を、動的シャフトシール152と、任意の貫通周囲およびハウジング111の接合縁部間の静的シールとにより環境から保護することができる。空気弁150およびコネクタ141はいずれとも、外部壁部を貫通する箇所における漏れを回避するための静的シールを有し得、空気弁150により、シールされたハウジング111を清浄な汚染物を含まないガスによりパージおよび加圧することができる。
【0026】
図6を参照すると、パンベルト106は、外側軸受リング137の円周中に直接切り込まれたベルトプロファイルと噛み合って、
図37〜
図39に示すようなギア式軸受を生成する。あるいは、歯切りされる滑車ストックの別個のリングを
図40および
図41に示すような非ギア式軸受の外輪137の周囲に圧入または他の場合に堅固に取り付けることにより、同様にギア式軸受を得ることができる。パンベルト106の内面および外輪137の外面は、パンベルト106と外輪137との間のスリップを回避するための対応する歯を備え得る。
図6を貫通する水平破線は、
図7〜
図9中の3つの異なる上図および下図を示す。
図9は、
図6の断面を示す図である。
図7を参照すると、ハウジング111の上面図は、図の下部において前側部122を方向付け、パンデバイスの後側部124が図の上部に示される。ハウジング111のフロア中の8個の分割ポストは、パン軸受フランジ129をハウジング中にボルト留めする様態を示す。パンシャフト125は、下側からハウジング111を貫通し、パン軸受127の外輪137の締結のためにボルト穴395のパターンを備え得る。高い精度で配置された穴396中に圧入されたアライメントピン138により、外輪137をパンシャフト125上に高い精度で配置して、ハウジングフロア中のボア中央を通じてシャフトを高い精度でアライメントさせることができる。シャフト125内のシェルフに堅固に取り付けられ得るスリップリングブラケット180により、スリップリング140をシャフト125へ固定することができるし、あるいは、スリップリング140のフランジを直接このシェルフ中に締結してもよい。
図8中の図まで上方移動させて、パンシャフトギア外輪137は、パンシャフト125上に取り付けられる。軸受の類似の平面図が
図36中に示され、各リングが複数の様々な取付穴395、アライメントピン穴396、中央ボア167および軸受シール160を備え得ることを示す。
図9を参照すると、パン軸受フランジ129は、パンギア内輪133に堅固に取り付けられ、パンギア127をパン軸受フランジ129上に高い精度で配置するためのアライメントピン138を備え得る。フランジ中に切り込みを設けることにより、取付穴395中の締結具およびアライメント穴396中のアライメントピン138への器具のアクセスが可能になる。シャフト125を手動で回転させることにより、各締結具およびアクセス切り込みの下側のピンの位置決めが可能になる。また、これらの切り込みにより、ベルト106の取付および張力付与のためのアクセスも可能になる。シャフトギア127の回転軸に平行な回転軸を有する第2のモータギア104をモータによって駆動して、ギア歯の直接噛合を介してまたは図示のようなベルト106を介してトルクをシャフト125へ転送することができる。パンギア104の上方のパンモータ102(図示せず)を、ハウジング111に堅固に連結することができる。電力が付与されると、パンモータ102のロータが回転し、その結果、パンギア104が回転して、パンベルト106が移動し、その結果、外輪137がハウジング111に連結された内輪133に対して回転する。パンモータ102はハウジング111に対して固定されているため、パンモータ102が動くと、ハウジング111がパンシャフト125の周囲を回転する。パンモータ102の動きを制御することにより、位置決めデバイス101および第1のペイロード134および第2のペイロード136(
図1〜
図4に図示)を任意の所望の回転位置まで高い精度で回転させることができる。図中の破線は、
図6の断面がとられる基本となるデータムおよび方向を示す。
【0027】
図10を参照すると、パン軸受フランジ129は、ハウジング111と一体化される。パンモータギア104を、パンモータブラケット282に取り付けられたパンモータ102から駆動することができる。パンモータブラケット282は、ハウジング111のフロアと一体化されたレール上に設けられる。図示の実施形態において、パンモータブラケット282(
図9中に図示していないモータブラケット)がパンフランジ129上に取り付けられた
図9に示す実施形態と異なり、ブラケット282およびパンモータアセンブリは、パン軸受フランジ129から独立した構造である。モータ取付機能をパンシャフトギア取付機能から分離することにより、製造アセンブリおよび修復段階における柔軟性が増し、その結果、これらの狭い空間中における部品取付または取り外しの順序および手順が最適化される。一体型シャフトフランジ129およびブラケット282を分離することにより、ベルト106を取り付けおよび張力を付与する際の作業空間もさらに得られる。ハウジング後側部124に向かって、チルトモータブラケット115は、第2のモータ112およびモータギア114をハウジング111中の一体型フランジに取り付けて、2軸実施形態の開始を導入する。チルトモータ112をハウジング111の一体型フランジ中の切込みの上方に懸下させ、その下側にねじ山付きポストまたはねじ山付きインサートを設けて、電子機器または他のアクセサリをハウジング111のフロアに取り付ける。
図59を参照すると、類似の実施形態の平面図が図示されており、一体型パン軸受フランジ129および別個のモータマウントプレート282,115が設けられているが、くさび670をねじ671によって駆動することにより、モータマウントプレートを適切なベルト張力のためにゆっくりと徐々に位置決めおよび保持する。
図60は、
図59のチルトモータアセンブリの断面部分側面図を示し、これにより、くさび670は、ねじ671を調整することにより、チルト軸からラジアル方向に離れる方向にチルトモータブラケット115を押圧する。
図48を参照すると、パンモータ実施形態の正面断面図が図示されている。このパンモータは、
図10および
図59のハウジングと組み合わせることができるが、くさびの代わりに線形のギアベルト張力付与システムを備える。高精度駆動におけるギア式およびくさび型モータマウントの必要性について、後でより詳細に述べる。
図11を参照すると、パンスルーシャフト425が、パンシャフト125に堅固に取り付けられる。完全二重軸パンスルーシャフトデバイスの実施形態を
図34および
図35中に図示し、パンおよびチルトアクションの任意の動きから自由にペイロードを取り付けることが可能になる。
図12〜
図16は、パンデバイスのさらなる実施形態を示す。
図12を参照すると、上記した実施形態のパン軸受フランジ129を通じてではなく、パンシャフトギア127をハウジング211のフロアへ直接取り付ける。パンシャフト325は、パンシャフトギアボア167を通過できるように、図示のようにパンシャフト125よりも幅狭でなくてはならない。ハウジング211のフロア中のボアは、ハウジング111よりも幅狭にすることができ、パンギアボア167と同様に幅狭にすることができ、これにより、動的シャフトシール152の小型化およびハウジング211の小型化が可能になる。パンシャフト325は、ハウジング211の下側から取り付けられ、パンシャフトフランジ229によりギア式外輪137がシャフト325に堅固に取り付けられる。
図14を参照すると、パンギア127は、内輪133をハウジング211のフロア中へ直接ボルト留めするが、パンシャフト225を上側から取り付けることにより、(
図12の別個に取り付けられたパンシャフトフランジ229ではなく)高強度の一体型パンシャフトフランジ229が可能となる。パンシャフト225の基部は、基部への取り付けのための一体型ねじ山またはねじ山付きインサートを備え得る(例えば、KeensertまたはHelicoil)。あるいは、基部プレートアダプタ291を取り付けることにより、設計により強制的に幅狭にされていたパンシャフト225の基部を幅広にして、パンギアボア167中を通過できるようにしてもよい。動的シャフトシール152は、制限された開口を破片直撃およびエアブラスト衝撃から遮蔽することを必要とするため、取り外し可能なシールグランドシールド155をハウジング211の下側に取り付けることができる。図中の線15,16は、
図7〜
図10中の上図および下図において参照された
図6と同様に
図14の上図および下図を示す。
図15を参照すると、ハウジング211のフロア中の環状ボスはボルト留め円を備え、ボルト465により内輪133が取り付けられ、アライメントピン138のためのアライメントピン穴を含み得、これにより、パンギア127の内輪133を高い精度で配置する。パンギアが取り付けられると、パンシャフト225は、ハウジング211のフロア中の穴を貫通することにより取り付けられ、上方から落下し、スリップリング140は、中空のパンシャフト225中に封入される。
図16を参照すると、パンシャフト225の上部は、パンギア外輪137(
図14に図示)中に締結された一体型フランジを含み、ハウジング211中の幅狭ボア中のパンシャフトを高い精度で位置決めするためのアライメントピン138を備え得る。パンモータマウント182は、
図10中に同様に示すように、フロアおよびハウジング211の壁部に取り付けられて、モータ102をパンシャフトフランジ225から独立して取り付ける。チルトモータ支持プレート183も、パンシャフト225から独立して、アセンブリプロセスにおける柔軟性を提供する。
図16中に示す破線は、
図14を(前側部222から後側部224に向かって)二等分した正面断面図を示す。
図15〜
図16は、その平面図の上方にある。
【0028】
よって、ここまでの図示される各実施形態は、シャフトが外輪に取り付けられている状態で、ターンテーブル軸受の内輪またはスルーリングをハウジングに取り付けるための詳細な方法を有する。
図13を参照すると、反対側のリングの取り付け方法が図示されており、パン軸受外輪137は、ハウジング211のフロア中へ直接締結され、内輪133は、パンシャフト225のフランジ229に堅固に取り付けられる。外輪137は固定されているため、ギアとして機能することができない。そのため、フランジ229は、アクセス可能な滑車直径中へ直接歯切りされたベルトプロファイルを持つ必要があるか、または、歯切りリングをパンシャフトフランジ229の縁部に圧入または他の場合に取り付けることにより、シャフト225の回転のために必要なトルクをパンベルト106から付与することができる。垂直方向に小型のアセンブリの場合、フランジ229をパン軸受127上にアーチ状に伸ばし、外輪137の上に覆いかぶさるようにし、覆いかぶさる部位の円周上にギア式滑車表面を備えてもよい。この実施形態の場合、負荷取り扱い能力がさらに増加するという利点があり、ターンテーブル軸受による取り外し可能性も得られる。これだけでも、従来技術における頻繁な軸受け破壊に頼らざるを得ないことを鑑みれば大きな利点であるが、ギア式軸受の実施形態よりもコスト効果は低くなる場合があり、幅狭のパンシャフトは、幅広のパンシャフト実施形態の管状剛性を欠いている場合があり、ギア式軸受のようには、ベルトをモータおよびシャフトギア間においてアライメントできない可能性を含む。
【0029】
図5〜
図16は、従来技術において典型的な複数対の圧入軸受ではなく、取付穴が付加されたターンテーブル軸受を介してシャーシまたはハウジングに対して回転するシャフトの様々な実施形態を示す。外輪137をシャフトに取り付けることができ、内輪133がハウジングに取り付けられ、またはその逆も可能であり、シャフトは、ハウジングをいずれかの方向から取り付けるように設計され得る。どのリングをどの表面に取り付けるかという設計選択と、シャフトをどの端部から挿入するかという設計選択とについて、多負荷に対応可能なターンテーブル軸受の全ての利点を有する様々な実施形態が可能である。しかし、特定の実施形態の選択は、任意ではない。各構成において、物理的強度、剛性、振動抵抗、複雑性、コスト、および組み立ておよび修理の容易性におけるコストおよび利点があり、各図について述べた後、その特性をより詳細に開示する。
【0030】
図17および
図19〜
図22は、
図5〜
図16に示したパンデバイスの実施形態が提示したものと同様のチルト位置決めデバイスを示す。チルトデバイスは、同じ種類のターンテーブル軸受を有するため、構成要素およびマウント配列が方位角パンデバイスと極めて類似しているが、直角な方向においてシフトしている。
【0031】
図17を参照すると、仰角またはチルト位置決めデバイスは、チルトシャフト105をハウジング111内において回転させるための駆動機構を備え得る。チルトシャフト105は、ハウジング111の2つの側部を貫通する。すなわち、チルトシャフト105は、ハウジング111を通って延在し得、第1の側部121および第2の側部123を通じてハウジング111から退出し得る。パン軸受フランジ129と同じ機能を行うために、チルトシャフトフランジ241は、チルトシャフトギア131の内輪133をハウジング111の壁部121に堅固に連結させる。チルトシャフトギア131は、内輪133、外輪137および内輪133と外輪137との間の複数の軸受135間において連結することができる。複数の軸受135により、外輪137が内輪133の周囲で平滑に回転することができる。チルトシャフトフランジ107は、ハウジング111の第1の側部121の近隣のチルトシャフト105の片側に堅固に連結することができる。チルトシャフトフランジ107は、外輪137に堅固に連結することができ、内輪133は、ハウジング111の第1の側部121に堅固に連結された第2のチルトシャフトフランジ241に堅固に連結することができる。内輪133は、複数のねじ山付き取付穴を有し得、フランジ241は、対応する貫通穴を同じパターンで備え得る。ボルト465または他の取り外し可能な締結具をフランジ241中の取付穴を通じて配置し、内輪133中のねじ山付き穴中へきつく締結することができる。チルトシャフトフランジ107は、複数のねじ山付き取付穴を有し得、チルト軸受131の外輪137は、対応する貫通穴を備え得る。ボルト465を外輪137の取付穴内に配置し、チルトシャフトフランジ107中のねじ山付き穴内にきつく締結することができる。チルトシャフト107中のこれらのねじ山付き穴を、ねじ山付きインサート(例えば、KeensertまたはHelicoil)によって補強することができる。位置決めデバイス中の全てのねじ山付き締結具と同様に、ねじ山ロック化合物を締結具へ付加して、振動に起因するゆるみを低減することができる。外輪137は、チルトシャフトフランジ107に取り付けられる。外輪137の円周は、駆動機構と係合し得る歯を含み得る。この駆動機構は、ベルト、別のギアまたは他のアクチュエータであり得、(より詳細に後述する)チルトモータに連結される。
【0032】
図18を参照すると、チルトモータ112およびチルトモータギア114は、ハウジング111に堅固に連結され得る。電力が付与されると、チルトモータ112のロータが回転し、その結果チルトギア114が回転し、チルトベルト116が移動し、その結果、チルトシャフトギア131の外輪137がハウジング111に連結された内輪133に対して回転する。チルトモータ112はハウジング111に固定されているため、チルトモータ112の動きに起因して、チルトシャフト105がハウジング111内において回転し、ペイロード134,136(
図1〜
図4に示す)がハウジング111に対して仰角においてチルトする。チルトモータ112および取り付けられた駆動機構の動きを制御することにより、第1のペイロード134および第2のペイロード136を任意の所望の仰角角度まで高い精度で回転させることができる。
【0033】
チルトシャフトを上記のパンデバイスに関連付けるために、
図6を示すページを90°だけ時計回りに回転させ、このを
図17と比較する。
図6中のフランジ129により、パンシャフトギア127の内輪133をハウジング111へと取り付ける。同様に、
図17中のフランジ241により、チルトシャフトギア131を内輪133を介してハウジング111に取り付ける。双方の実施形態において、外輪137が各シャフトに取り付けられるが、
図17中のチルトシャフト105は、シャフトの直径をギアマウント表面の左側で段階的に低減させることにより、フランジ107が得られる。一方、
図6のパンシャフト125は、大型のシャフト直径を維持する。
図17中のチルトシャフト105を制限することにより、ハウジング側部121内部のボアをシャフトシール152およびシールシールド155と共に低減することができる。シャフトの直径をフランジ107上のマウント表面の左側で段階的に低減させることにより、チルトシャフト105のサイズおよび重量を低減させる。チルトシャフト105の左端部を基部の代わりにペイロードに取り付けることが可能であるため、幅広のパンシャフト125によって可能となる管状剛性が不要となる。シャフト直径を変更することにより、デバイス実施形態をサイズ、重量、剛性、およびシャフト/ペイロード間インターフェース形状に合わせて個別調整することが可能になる。シャフトをハウジング111内に取り付ける様態を鑑みて、さらなる性能測量を最適化することができる。
【0034】
図17〜
図23を参照すると、チルトシャフト105は、ユニボディ構造の2つの壁部を貫通し、2つのピースに分割されることにより、シャフトピースの一体型シャフトフランジ107との取り付けが可能となる。一体型シャフトフランジ107は、別個に取り付けられたシャフトフランジよりも高強度であり得る。チルトシャフト105の左側部は、内部から取り付けられ、ハウジング111の外側121を貫通する。チルトシャフト105の右側部は、パンシャフト125に類似する幅広の段付きシャフトであり、外部から挿入して、壁側部123を通じて進入する必要がある。
図18を参照すると、上下図に示す小型のデバイスは、内部空間が大きく無駄になっていないため、シャフトピースおよびその取り付け手順の選択において、サイズ、重量および剛性を性能に合わせて最適化するだけでなく、技術者にとって物理的に実行可能な内容を考慮する必要がある。
【0035】
図1〜
図4を参照すると、チルトシャフト105の目的は、ペイロードを所望の仰角角度まで回転させることであり得る。第1のペイロード134をチルトシャフト105の一端に取り付けることができ、第2のペイロード136をチルトシャフト105反対側の端部に取り付けることができる。ペイロード134は、ページ領域において移動部分のみを示すために、他の図の大半では省略されている。1つのみのペイロードが望ましい場合、シャフトエンドキャップをチルトシャフト105の端部にボルト留めすることにより、シャフト端部をシールおよび保護することができる。
【0036】
ペイロードは、ハウジング111と一体化させることができる。そのため、ペイロードおよびハウジング111を連結させ、パンシャフト125に対して方位角において共に回転させることができる。
図29を参照すると、カバー113を上方に拡張させることにより、ペイロードデバイスに十分適合させるようにハウジング211内の中空容積を拡張させる。
【0037】
図19を参照すると、側部121,123内部の軸受取付ボスは、高精度ボアを用いたアンダーカットであり、金属ストック中への研磨が困難および高コストとなり得るが、これらの特徴は、鋳造または成形構造において問題とならない(例えば、鋳造金属、射出成形エンジニアリングプラスチック、またはグラファイトファイバー複合材料)。ハウジング壁121,123が外方抜き勾配を持たないかまたは内部において密集している実施形態では、一体型シャフトマウントがアセンブリ組み立ておよび分解において障害となり得る。
図22を参照すると、取り外し可能な円形ブラケット128をチルトシャフト105の周囲でチルト軸受131の内輪133とハウジング111の第1の側部121との間において配置することができる。内輪133の締結具は、ブラケット128中の穴を通って延在し得、ハウジング111の第1の側部121中のねじ穴またはねじ山付きインサート内へねじ形成され得る。ブラケット128は、動的シール152を収容するボアを含み得る。第2の取り外し可能なチルトシャフトブラケット145は、ラジアル軸受144を壁側部213に対して取り付け得る。ラジアル軸受外輪は、ブラケット145中の高精度ボア中にきつく圧入することができ、軸受144の内輪とシャフト105との間の緩く一致し、はずれる圧入を備え得る。チルト軸受131は高い負荷能力を有するが、軸受144は、シャフトのたわみを制限し、かつ安全因子としてチルト軸受131の負荷能力を補間することができる。締結具は、ブラケット145中の穴を通って延在し得、ハウジング111の第2の側部123中のねじ穴またはねじ山付きインサート中へねじ形成され得る。ブラケット128,145はいずれも、軸受131,144をアライメントさせるための高精度アライメントピン138を有し得、これにより、シャフトのミスアライメントに起因する意図しない事前負荷が低減する。成形構造においては、ハウジング壁およびフロア中のボアの公差および表面仕上げと、軸受取付穴および高精度軸受アライメントピン138の公差とに関連する問題またはコストがあり得るため、ブラケット128,145を成形プロセス時に壁中に永久埋設される固体インサートとすることができる。
【0038】
図19を参照すると、ターンテーブル軸受131は4点接触溝、二重角度軸受要素または
図42〜
図46に示すようなローラ軸受形状の高複合負荷能力を備えた場合、シャフト上の唯一の軸受として負荷を十分に扱うことができる。
図42を参照すると、ターンテーブル軸受の実施形態の転がり軸受要素の拡大図が図示されている。玉軸受135は、リング133,137の縁部中の溝部393間を回転する。これらの溝部は、4点399において玉135と接触するゴシックアーチ軌道であり得る。潤滑剤により玉および軌道を充填して摩擦を低減し、熱を消散させ、腐食を回避することができる。この潤滑剤を導電性にすることにより、玉上のアーク放電を低減し、リング133,137間のインピーダンスを低減して、ファラデー箱をより良好を発生させることができる。軸受は、玉を分離するためのセパレータリング162を含み得る。ノッチ397をリング中に切り込むことにより、面シール部を保持し、汚染から保護することができる。
図43を参照すると、2行の玉をスタックして、負荷能力を増加させる。これは、逆並列の二重角度軸受であり、各玉は2点399と接触する。内輪133を2つのピース233に分割して、外輪137が厚いまま、外部ギアプロファイルを受容することが可能な単一のリングを組み立てることができる。面シール部160は、堅固にシールド161によって支持することができる。重量低減のため、玉235を窒化ケイ素とすることができる。セパレータリング162の代わりに、窒化ケイ素玉235を若干より小型のスチールスペーサ玉135と交互に設けてもよい。しかし、窒化ケイ素ローラの場合、衝撃負荷に対する負荷能力が低く、非導電性である。
図44を参照すると、玉135は、点399において対面二重角度方向で溝と接触し得る。一対のセパレータリング162により、玉135の間隔を空けることができる。分割内輪233を共に締結することにより、軸受の組み立ておよび事前負荷を行うことができ、あるいは、他のプレッサーフランジを用いてもよい。
図45を参照すると、円筒ローラ軸受335の列を玉の代わりに用いることができる。ローラは、負荷の組み合わせを扱うように、角度を以て設けることができる。
図46を参照すると、3行の円筒ローラ335を組み合わせて、位置決めデバイス101の大型かつ高重量の実施形態において極めて高剛性および負荷能力の3行交差のローラ軸受を形成することができる。外輪237を分割することにより、組み立てが可能になる。
【0039】
4点角度の接触ターンテーブル軸受131をより大型の二重角度またはローラ軸受に更新する必要無くチルトシャフトアセンブリの負荷能力を増加させるために、第2の軸受144を側部123上に堅固に取り付けして、チルト軸受131に発生するモーメントおよびラジアル負荷を限定することができる。
図20を参照すると、ブッシングまたは軸受144をチルトシャフト105とハウジング111の第2の側部123との間に配置することができる。この構成により、チルトシャフト105がハウジングに対して平滑に回転することが可能になる。軸受144はラジアル軸受であり得、チルトシャフト105の周囲で緩やかな取付または軽い圧入を有し、これにより、軸方向負荷および一定のモーメント負荷がより高能力のターンテーブル軸受131へ付与される。この軸受は、外部または内部から圧入され得る。
図21を参照すると、このラジアル軸受は、永久圧入された軸受144ではなく、取り外し可能なフランジが取り付けられた軸受143であり得る。
図22を参照すると、ラジアル軸受144がブラケット145中へ圧入される。軸受に不具合が生じた場合、ハウジング111の研磨に関連してアンダーカットが高コストまたは不可能となった場合、および通常は
図22に示すシャフトマウント128,145によって妨害される組み立て手順において必要となり得る場合、この軸受アセンブリを除去および廃棄することができる。
図21を参照すると、チルトギア131を外部から取り付けることもでき、ボルトは外部から側部121のハウジング111を貫通する。
【0040】
図17を参照すると、記載のチルトポジショナのチルトシャフトは、スリップリング140または類似のスルーボアスリップリングを含み得、これらの実施態様をパンデバイスから予測することができる。双方の壁を貫通するシャフトにより、ペイロード134,136とハウジング111の内部との間のワイヤハーネスルーティングを保護する必要がある。シャフトの移動範囲は、ワイヤが重要曲げ半径まで曲がる事態またはレセプタクルから外れるほど強く引かれる事態を回避できるように制限する必要がある。チルトシャフトの移動範囲を制限するために、チルトシャフト取付フランジ241は、鍵穴を備え得る。下側側部728は幅広穴を有し得、上側側部628は、厚いくさびまたは鍵を備え得る。チルトシャフト105の隣接するシャフト直径は、対応するかみ合い形状を有し得、これにより、上側側部190は小型直径を有し、下側側部191は幅広直径または鍵を備え得る。穴728およびシャフト直径190により、突出する鍵628,191が相互に回転してさらなる動きを物理的に妨害するまで、回転のためのクリアランスが得られる。他の実施形態において、別の妨害を用いることも可能である。
図22を参照すると、チルトシャフトフランジ107は、ロッド状の機械停止部108を備える。通常の動き範囲下において、突起108は、シャフトマウントブラケット128上を滑走することができる。ブラケットの反対側の端部が隆起し、シャフト停止部108が長すぎて、隆起鍵上を通過できないようにする。停止部108の位置は、ブラケット128の浅い隆起領域と一致して、規定された回転角度範囲内における動きを通過させるかまたは妨害する。
図19を参照すると、ハウジングカバー113の下側は、突起109を備え得る。1つまたは2つのチルトシャフトフランジ停止部108が
図22から反対方向において内側に突出し得るが、本図においてはチルトシャフト105によって被覆される。突起108がカバー停止部109と衝突することにより、過度の回転が回避される。これら3つの開示の方法により、360度未満の移動範囲が得られるが、より複雑な浮遊機械停止部によりおり広範囲(例えば、540度)またはさらに調節可能な硬質停止部も可能である。
【0041】
機械停止部が相互に衝突する前に角度位置を感知するために、側部123に取り付けられた位置センサー146により、チルトシャフト105に固に取り付けられたフランジ147中の特徴を読み取ることができる。センサー146は、磁気センサーまたはフランジ147に取り付けられたリードスイッチ感知磁石取り付けられたであり得、これらの磁石をパターン化することにより、シャフト方向のインクリメントまたは絶対的符号化が可能となる。センサー146は光学デバイスであってもよく、フランジにおいてビームを通過させるかまたは反射させて、基準位置を検出する。フランジ147をパターン化して、読取りヘッド146の出力を光学的に符号化されたインクリメントまたは絶対的位置とする。フランジ147をチルトシャフト105と共に調節することにより、フランジ特徴を基準読取りヘッド点と高い精度で角度的にアライメントさせることができる。チルトシャフト105は、各連結において鍵溝およびアライメントピン138を利用することにより、読取りヘッド146のために極めて一貫した角度アライメントおよび高精度の位置読み出しを達成することができる。
図36を参照すると、各ターンテーブル軸受リングは、少なくとも2つの高精度アライメント穴396を備え得る。
図23を参照すると、壁側部121は、高い精度で配置されたアライメントピン穴をアライメントピン138(図示せず)と共に備える。これらのアライメントピン138は、チルトギア131の内輪133の高精度アライメント穴396とアライメントする。チルトシャフトフランジ107も、外輪137中のアライメントピンまたは穴と係合するアライメントピンまたは穴を用いて、外輪およびチルトシャフトを高い精度で配置する。チルトシャフト軸受131,144間の高精度アライメントにより、チルトシャフト105の回転を極めて平滑かつ同心状にすることができ、ハウジング壁を通過する狭い穴内に入り込むことがなくなる。軸受およびシャフトにおけるさらなるアライメント誤差および不正確を修正するために、シャフト連結器188は、シャフトのミスアライメントを補正することができ、位置感知のためのフランジ147を備え得る。パンシャフトは、読取りヘッドをハウジングへ(例えば、パン軸受フランジ129上へ)取り付けることにより、角度位置の読み出しを同様に達成することができ、符号化器ホイールは、スリップリングブラケット180に取り付けられるかまたはスリップリング140のフランジ上に取り付けられる。一実施形態において、ターンテーブル軸受131は、アライメントピン穴と、ピン穴に挿入されたピンとを有し、これにより、各リングをハウジング壁およびチルトシャフトフランジ107内に高い精度で配置する。ペイロードを高精度かつ反復可能に標的化するために、高精度アライメントピン138、鍵溝およびシャフト連結器により、シャフト構成要素間の相互のアライメントを保持することができる。角度位置の較正および読みだしにセンサーを用いているが、機械停止部を用いて、回転の制限および位置較正を行うことができる。
【0042】
チルトデバイスの実施形態において、駆動構成要素および高感度の電子機器を環境から保護する必要がある。
図17を参照すると、カバー113を複数のねじ、ボルト、または他の締結具によりハウジング111の上部に取り付けることができる。ハウジング111のかみ合いフランジ中の対応する取付穴パターンを埋設されたねじ山付きインサートとすることにより、ねじ山強度が向上する。ハウジング111のこの上部フランジ中の溝部は、静的シール156を有し得、これにより、カバーおよびハウジング111の接合縁部における漏洩を回避する。過蓋咬合型のレッジ(「蛇行経路1」とも呼ばれる)をカバー上に設けることにより、光、水ジェットおよび電気的脅威が直接シール156に到達する事態が回避される。一実施形態において、動的回転シャフトシール(「動的シール」)152をチルトシャフト105とチルト軸受131の内輪133との間に配置することができる。この動的シール152により、気密シールの破壊なくシャフトを回転させることが可能となる。チルトシャフト105の右側部を動的シールとすることにより、包括的シールソリューションを得ることも可能である。
図47を参照すると、シール152は、不規則なシャフト振動、流体圧力の高インパルス(例えば、震とう性爆発)下の接触を維持するためのバネ252を備え得、バネは、小規模シャフトのミスアライメントから不均一な圧力が付与されている場合において接触を維持し得る。シール152の右側部をヒールと呼び、圧力下におけるさらなる剛性のために長さ方向において延在し得る。高外部圧力下において、ヒールの基部は、ハウジング111幅狭の穴とチルトシャフト105との間を突出し得る(押出ギャップとして知られる)。これにより、シール部は、シャフトとのアライメントがとれている状態から外される。長尺ヒールにより一定の突出が制限され、より硬質の材料の同時突出352を設けることにより、シールが押出ギャップを通って突出する事態がさらに回避される。動的シールは繊細である場合が多いため、全実施形態中のシャフト125,225,325,425の端部と同様にシャフト105の端部を面取りまたは丸めることができ、これにより、シール152の表面のえぐれを回避する。
図21を参照すると、ボルトヘッドおよび側部121上の穴は、環境からの漏れの源となるため、ボルト中に個々のシールが含まれている場合でも、外部シールを必要とする。しかし、シャフトシール152は、締結具の上部およびこの壁中のカウンターボアを適切にシールすることができない。ブラケット154は、動的シャフトシール152のための適切なシールグランドを提供することができ、バックアップ静的シール156により、動的シール152中の汚染物の通過を回避することができる。シールグランドシールド155を壁121の外部に取り付けることにより、開口部を捕獲された水および破片を逃がすような状態で十分に幅広に開口させたまま、ガス圧力波および汚染物噴射がシールグランド中に進入する事態を回避することができる。
図22を参照すると、シャフトシールは、ハウジング111中のチルトシャフトマウントブラケット128,145と一体化されている。汚染物質がシール部を通過する事態を回避するため、各ブラケットは、バックアップ静的シール156を備え得る。
図5を参照すると、シャフトと別の部品として、またはシャフトに直接作製された空気弁150を設けることにより、任意の封入されたシールデバイスの実施形態またはペイロードのパージおよび加圧を行うことができる。
【0043】
図22を参照すると、壁側部123に取り付けられた電源118(チルトシャフト105の下側において視認することが可能)により、調整された電力を提供することができる。チルトシャフトの下側において、チルトモータ112も視認することができる。このモータは、調節可能なチルトモータブラケット115へと取り付けられる。チルトモータブラケット115は、パン軸受フランジ129を介してハウジング111内へ締結される。
図18を参照すると、実施形態の上記の平面図が図示されており、明確にするために、ハウジングカバー113を省略している。
図18は、
図9のパンデバイスに類似しているが、チルトシャフト105の駆動機構を備える。チルトシャフト105の駆動機構は、チルトモータ112、チルトモータギア114およびチルトベルト116を備える。チルトモータ112は、ハウジング111に連結され、ハウジングの第4の側部124とチルトシャフト105との間に配置される。チルトモータギア114は、チルトモータ112に連結され、チルトベルト116を駆動する。チルトベルト116は、チルト軸受131の外輪137を包囲する。チルトモータ112およびパンモータ102は、ハウジング111内のチルトシャフト105の両側に取り付けることができ、その結果、構成要素の重量配分のバランスのとれた位置決めデバイスが得られる。チルトモータ112は、チルトモータブラケット115に堅固に取り付けられる。ブラケットに備えられたスロットにより、一定範囲の調節を通じて張力がチルトベルト116へ付与される。後述する別の実施形態において、チルトモータが取り付けられ、ラチェット型またはくさび型機構によって張力を付与される。ラチェット型機構は、振動および衝撃下において破壊する可能性がブラケット115よりも低い。チルトベルト116に張力が付与された後、チルトモータブラケット115は、パン軸受フランジ129またはハウジングに堅固に取り付けられた類似の構造の上へ締結される。チルトモータ112は、ロータシャフトに取り付けられたチルトモータギア114を有し、チルトベルト116は、チルトモータギア114およびチルトシャフトギア131の周囲に巻回される。チルトベルト116の内面および外輪137の外面およびチルトモータギア114は対応する歯を有するため、チルトベルト116、外輪137およびチルトモータギア114の外面間のスリップが回避される。モータが作動すると、チルトモータギア114はチルトベルト116を駆動し、その結果外輪137が回転し、その結果チルトシャフト105がチルトシャフトフランジ107を介して回転する。ベルトがギアから外れる事態を回避するために、シャフトギア127,131ならびにモータギア114,104にフランジを設けて、ベルト106,116を保持することができる。あるいは、
図23を参照すると、特徴をギアに隣接させることにより、フランジとして機能させることができる。例えば、チルトシャフトフランジ107の直径をチルトシャフトギア131よりも若干大きめにすることにより、内部壁側部121をチルトシャフトギア131に近接させてベルト116の外方移動を回避しつつ、ベルト116の内側移動を保持するフランジとして機能させることができる。同様に、パンシャフト125の上部の直径をパンシャフトギア127よりも若干大きめにすることにより、パンベルト106を保持することができる。パン軸受フランジ129の下側は、ベルト106の上方移動を遮断するための低い屋根として機能させることができる。ベルト116,106は、ベルトをセンタリングする傾向のあるピーク付き歯を備えたベルトであってもよく、ベルトは、中央からの移動に抵抗するパターンとして織られた引張部材を備え得る。
【0044】
図23は、パン軸およびチルト軸の中央において断面をスライスした場合の、完全な2軸パン/チルト位置決めデバイスの前断面を示す。単軸パンのみのデバイスおよびチルトのみのデバイスの様々な実施形態を理解してきたが、この二重軸デバイス101は、
図6のパンデバイスおよび
図19のチルトデバイスの複合物として理解することができる。破線が、
図24〜
図28中の様々な上下平面図に向かって描かれている。破線は、水平断面のスライスを取り出すのではなく、図面中の直線的ではない経路を通ることで、注目する特徴を分離している。
図7〜
図19および
図15〜
図16の真の上断面図と異なり、
図24〜
図28の上下平面図は断面ではなく、断面ハッチングを有していない。すなわち、
図23中の水平破線上方の構成要素は、本発明の特許請求の範囲に最も関連が深い特徴を明確にするために、省略していることが多い。
【0045】
図24を参照すると、部分的に組み立てられたデバイス101が図示されている。非断面ハウジング111を上方からみた様子が図示されており、カバー113を省略して、内部構成要素全てを図示している。これらの図は、デバイス101の様々な作製段階において組み立て担当技術者が目にするであろう様子を図示している。1つの主要ハウジング111が図示されており、フロアの特徴が露出されている。
図7〜
図10の断面上面図と異なり、壁側部121,123上のチルト軸受131,144の取付ボスにより、ハウジング111の寸法を最小化して小型の位置決めデバイスを得る場合において、組み立ての障害を提供することができることが分かる。ハウジング111の上部には、大型フランジがあり、溝部が静的シール156によって充填され、多くのねじ山付き穴をシール溝部の外部に設けることにより、カバー113に一貫しかつ均等な高圧力を付与して、気密環境シールおよび低インピーダンス電気シールド接合を提供することができる。
【0046】
図25中において、
図24と同じ実施形態の図が図示されているが、
図25は若干高い位置の図であり、
図8の非断面図である。
図8は、デバイスが部分的に組み立てられた様子を示し、
図8の断面図では不明確な箇所を示している。パンギア127はパンシャフト125上に配置され、スリップリング140はスリップリングブラケット180によって支持される。周囲で、パン軸受フランジ129のための、8個のねじ山付きポストが、ハウジング111中へ締結される。
【0047】
図26を参照すると、さらなる組み立て状態のデバイスの非断面図から分かるように、チルトシャフト軸受マウントの除去ならびに締結具および外輪137のアライメントピン138へのアクセスのために、パン軸受フランジ129中に切り込みが必要である。パン軸受フランジ129は、パンシャフトアセンブリを主要筐体構造111へアンカー固定する堅固に部材として視認可能である。パン軸受フランジ129中の切り込みを用いて、パンターンテーブル軸受外輪137のボルトパターンへアクセスし、パンベルト106の取付および調節し、フランジの重量を低減することができる。
【0048】
図27を参照すると、パンモータ102が電源118と共に取り付けられる。
図28を参照すると、ハウジングカバー113を除いて完全に組み立てられた状態のデバイス101の図が図示されている。チルトシャフト105をパンシャフト125の上方に直角に配置することにより、動き効率を低下させるモーメント負荷を低減することができる。このような非効率が有る場合、最大の許容可能なペイロード重量および回転可能な速度が低下する。ここで、正面断面図中においてはチルトシャフト105の後ろ側において視認できなかったチルトシャフト機械停止部108がここで視認可能となる。この図において、新規の構成要素である中央電子コントローラ574が導入されている。中央電子コントローラ574は、モータを制御することと、ペイロードデバイス制御すること、センサーデータ(例えば、ビデオ)を処理および符号化すること、位置センサーを監視すること、モータを作動させて基部中の感知された動きを中和させて、ペイロードを積極的に安定化させること、電源118を監視すること、内部環境センサー(例えば、湿度、温度およびガス圧力)を監視すること、
図4に示すようなHID575または外部コントローラ573によって生成されたユーザからのコマンドを処理すること、デバイスを内蔵AIと共に自律的に作動させること、または埋設コンピュータ間において共通する任意の他のタスクを行うこと、を行うための埋設された処理プラットフォームであり得る。コントローラ574は、内部コントローラブラケット173によってハウジング111へと取り付けられる。コントローラ574の側部とブラケット173との間の熱パッドまたはコンパウンドにより、電子機器からの熱がブラケット173中へと伝導し、その後ハウジング111の壁中へと伝導する。熱パイプをコントローラ上の高発熱構成要素とハウジング111またはカバー113との間に取り付けることにより、発熱をより直接敵かつ効率的に放散させることができる。ハウジング111およびカバー113の外面にフィンまたはピンを設けることにより、熱を空気中に放散させることができる。
【0049】
図29を参照すると、別の2軸位置決めデバイス201が図示される。このデバイスは、
図14のパンデバイスおよび
図20のチルトデバイスの複合物としてみなすことができる。
図30を参照すると、第3の二重軸実施形態は、
図14のパンデバイスおよび
図22のチルトデバイスの組み合わせによって得られる。
図30は、
図31〜
図33中の上下平面図を通じて詳細に説明する。上側構成要素に起因して、構成要素および内部に埋設された重要な特徴が見えなくなっているため、
図31〜
図33においては、完全な位置決めデバイス内における様々な深さにおける特徴に注目して図示している。
図33中のチルト軸105に沿った水平破線は、
図30の図の切断面を示す。
図31を参照すると、ハウジング311が図示されている。ハウジング311は、一体型チルトシャフトマウントを含まず、壁を垂直方向に直線状にすることができる。
図30を参照すると、パン軸受127を上方から取り付け、内輪133がハウジング311の底部中の穴周囲の環状ボス中にボルト留めされる様子が同様に
図31に示される。パンシャフト225が上方から挿入され、フランジ229が外輪137中にボルト留めされる。
図32を参照すると、パンベルト106により、パンシャフトギア127の外輪137の周囲を包囲することができる。パンモータ支持プレート182をハウジング311に堅固に取り付けることにより、マウントパンモータ102および調節可能なモータマウントを取り付けるためのレベルプラットフォームが得られ、第2のプラットフォーム183をハウジング311に取り付けて、チルトモータブラケット115を介してチルトモータを固定することができる。モータ支持プレート182,183は、パンモータギア104の周囲をパンベルト106で包囲し、重量を最小化するためにアクセスするための切り込みを備え得る。
図33を参照すると、ハウジングカバー113を除いたデバイス301の完全な上面図が図示される。
【0050】
図34を参照すると、二重軸位置決めデバイス401がパンスルーシャフトと共に図示される。パンシャフト125が屋根413を通って延在しているため、チルトシャフト105をクリアランスのためにパン軸からシフトさせる必要がある。パンスルーシャフトは単一のシャフトであるかまたは第2のシャフト425であり得、パンシャフト125に堅固に取り付けられるかまたはパンシャフト125の中心を通過して取付基部中へ直接ボルト留めされる。チルトシャフトアセンブリと同様に、第2の軸受144をパンシャフトギア127と反対側の屋根上において用いて、(パンシャフトギア127の軸受の損傷の原因となり得る)偏心運動、ラジアル負荷およびモーメント負荷を制限する。この図には示されていないが、
図23のチルトシャフトに示すように、シャフト連結器188は、パンシャフトピース125,425とインターフェースをとり得る。チルトアセンブリを図のデータムの後ろ側に移動させているため、チルトモータサブアセンブリが図示されている。チルトモータ112およびそのチルトモータギア114は、チルトベルト116と係合して、チルトシャフトギア131を回転させることができる。パンスルーシャフト425の上方に、固定ペイロードデバイス434が取り付けられる。固定デバイスは一般的には、レーダー、アンテナ、または回転しない固定広角度カメラである。主要ハウジングカバー413は固定シャフト425の周囲で回転するため、動的シャフトシール152をペイロードハウジング434の下側に設け、下方に方向付けることにより、(上部カバー413の濡れまたは飛散の原因となり得る)雨水または他の流体の侵入を回避する。パンスルーシャフトフランジ429により、ペイロード434がパンスルーシャフト425に堅固に取り付けられ、アライメントピンまたは鍵溝を用いて、ペイロードの方位角をパンシャフト125および取付基部と厳密にアライメントさせることができる。ハウジングカバー713は、カバー113について述べたようなかみ合いフランジおよび静的シールを含む。ペイロード434は、調整されたガスで内部をパージおよび加圧するための空気弁150を備え得る。
図35を参照すると、デバイス401の上面図において、チルトシャフト105をパン軸から外されている様子が図示されている。明確にするために、カバー413および上ペイロード434を省略している。また、チルトシャフト105は、
図23のチルトシャフト構成に示すようなシャフト連結器188も備え得る。
【0051】
ベルトにおいては、ベルトの取付、張力付与および取り外しのために1つ以上の滑車またはアイドラーを調節可能とすることが必要となる。従来技術の場合、シャフトギアが固定されており、モータおよびモータギアをシャフトギアに近接または離隔するようにスライドさせ、締結具をモータ調節プレート内のスロット内において移動させる。
図10を参照すると、モータマウントブラケット115,282により、モータギア104,114の位置を調節して、そのベルトに張力を付与し、その後、スロットの側部上のボルトヘッドの摩擦により、ブラケットを所定位置にロックする。このボルトヘッド摩擦は、高衝撃および振動下のモータブラケットの位置を維持するには不十分である場合がある。
図48〜
図50に示される線形のギアトラックおよび歯止めにより、(ボルトが緩んでモータマウント282を所定位置に保持することができなくなった場合に)ベルト張力を維持することが可能なモータマウントを段階的に進行させることができる。
図49を参照すると、上面図において図示される歯止め680を肩ねじ684によりハウジングのフロア中に締結することができる。歯止めの先端を、調節可能なパンモータマウント282に堅固に取り付けられた線形のギアトラック685の歯溝部中に取り付けることができる。モータマウント282が前壁122に向かって前方に進行すると、パンモータギア104により、パンシャフトギア127への中心距離が増加する。歯止め680中のシェルフとおよび障害ピン682との間に制限されたトーションバネ682により付与される一定の力により、歯止め680の先端が線形のギア685の溝部中へ駆動される。
図50を参照すると、歯止めおよびギアアセンブリの下側面図に示すロックピン681により、適切なベルト張力に到達した後に歯止め680を所定位置に保持することを支援することができる。
【0052】
図51〜
図60を参照すると、別のモータマウント保持装置は、CNC機械加工用のワーク保持用万力に適用されるねじ込みくさび技術を用いる。
図60を参照すると、チルトモータマウントブラケット115は、傾斜付き側部を備え得る。ねじ671を回すことによりくさび670を下降させると、この傾斜付き側部が押圧される。
図51〜
図53を参照すると、小型のワーク保持用万力の上面図、側面図および正面図が図示されている。ねじ671によってくさび670が下降すると、この万力により顎部673が押し出される。別個のピースを共に保持するために、バネまたはエラストマーリング674をガイド675中に設けることにより、ワークピースを万力から取り出す必要がある場合において、顎部およびくさびを共に牽引することができる。位置決めデバイスは、このような特徴を必要としない。この理由は、張力付与を工場において1回または2回だけ行えばよく、メンテナンスはほとんど不要だからである。
図54〜57を参照すると、標準的な万力の双方向の動きとは対照的に、1方向に、調整可能構成要素を直線移動およびロックするように変更された万力の上面図、側部断面図および正面図が図示されている。
図56を参照すると、くさび670の右側部を直線状とすることができ、右顎部673を変位させる横方向力を付与しない。
図58および
図59を参照すると、パン軸受フランジ129は、直線状の壁付きバックスタップを備え得、これにより、くさびを支持しつつ、くさび670が固定パン軸受フランジ129内に押圧される事態を回避する。この理由は、張力付与ベルトは、モータマウントプレート282,115の変位に耐えるからである。これらのねじ671が回転すると、モータマウントプレートがゆっくりと進行して、張力がベルトに付与されて、非永久的スレッドロッカーによりねじ671を所定位置に保持して、振動および衝撃時において常にベルト張力を維持することができる。
【0053】
図61〜
図64を参照すると、パンシャフト125に設けられた特徴は、取付用固定具605と噛合する。取付用固定具605は、手動トグルクランプによって高速にロックおよび解放され得る。
図61を参照すると、位置決めデバイス101のパンシャフト125は、3本の脚部(すなわち、右後脚部615、左後脚部625、および前中央脚部635)上に設けられ得る。
図63を参照すると、脚部を取付用プレート605上に設けることができる。取付用プレート605は、基部(例えば、三脚602)へ取り付けられる。パンシャフトをマウント内にしっかりと取り付けるために、パンシャフト125を右方向においてマウントプレート側部606から離れる方向に牽引することができ、ロッド603は、マウントプレート605中のスロープ608を上方にスライドすることができ、最終的にくさび604によって止められる。
図61を参照すると、フック付きトグル点612が、前脚部635上に堅固に取り付けられる。
図62を参照すると、トグルクランプ617のラッチ613は、アンカー612と係合して、クランプ617のハンドルが閉口およびロック位置へ牽引されると、パンシャフトをロックくさび604中へ牽引する。ドローストロークがロックされると、電気コネクタ141が外部ケーブルとかみ合い得る。位置決めデバイスを高速解放するために、クランプ617のハンドルを上方に牽引することができ、その結果、パンシャフト125がくさびから押し出されてコネクタ141が切断され、その後、ラッチ613をトグル点アンカー612から上昇させることができ、これにより、位置決めデバイスをマウント605から取り外すことができる。
【0054】
本発明の位置決めシステム設計の詳細
本発明の位置決めデバイスは、モバイルプラットフォームおよび固定プラットフォーム双方に取り付けられたデバイスである。固定プラットフォームは一般的には、テイルCCTVポール、建造物中へ永久取り付けされたブラケット、またはロボット組立ライン中の固定具である。このような固定プラットフォーム中に取り付けられたデバイスは典型的には半永久的取付であり、メンテナンスの実行またはデバイスの交換時のみに取り外される。車両上のタイヤと同様に、これらの取付は、典型的には長期間であり、確実でなくてはならず、実行するのが困難かつ面倒である。また、デバイスをマウント上に配置し、破壊物と接触しないよう高い位置に設け、高安全ボルトに、ねじ山ロックコンパウンドを使用するため、取り外しがさらに煩雑になる。
【0055】
モバイルプラットフォームは、有人または無人の車両であり得る(例えば、パトカー、飛行機、ATV、ボート、またはロボット哨兵)。モバイルプラットフォームは、人間または動物である場合もある。位置決めデバイスのコンセプトは、需要が増大しているのに技術が追いついていない現状に適用するため、室外ポジショナ照準ペイロードデバイス(例えば、カメラおよびレーザ)を備えた室内および室外のロボットデバイスにおける問題を解決することである。モバイル展開される位置決めデバイスおよびロボットは、機械衝撃(例えば、地面への落下)ならびに天候および電磁障害を受けた際に故障する可能性が高い。新規な軸受および伝動機構を用いることにより、これらの脅威に対して特に強いため、本位置決めデバイスは、この室外モバイル空間において最も市場に食い込むことが予測される。
【0056】
ユーザは、小型のポータブル装置(例えば、位置決めデバイス)に対し、装置のモバイル取付プラットフォームに対する取付および取り外しを迅速かつ容易に行うことが可能な能力を求めている。国境巡視部隊の場合、隊員は、位置決めデバイスが夜視ペイロードを備えた屋根またはマスト上部に取り付けられたオフロード車両を砂漠上において走行させる。隊員が任務開始のための偵察用隠れ場所に到達すると、隊員は、位置決めデバイスを車両から取り外した後、被覆された隠し位置に配置された三脚へ取り付ける必要が出てくる。本位置決めデバイスおよびマウントは、安定した同じ高さの反動フリーのプラットフォームをペイロードに提供するための協働特徴を持つ必要がある。位置決めデバイスによって標的が発見されると、隊員は、位置決めデバイスを三脚から迅速に取り外して、車両上に再度取り付けて、追跡を開始する必要がある。隊員が攻撃を受けた場合、このような高速かつ容易な取り外しおよび取り付けプロセスは命を救う特徴となり得、また装置を救う特徴となり得る。この理由は、慌てて退避するために本デバイスを投げ出して逃げる必要が無いからである。国境巡視隊員が前哨基地へ戻ると、小型の、ポータブル位置決めデバイスを車両から迅速かつ容易に取り外して、保存ロッカー中に保存することができる。この保存ロッカーは、泥棒、破壊物、環境有害物への露出から保護される。
【0057】
従来技術では、ボルトおよび/または溝部内舌部型のインターフェースをマウントモバイル装置に対して主に用いていた。映画「クリスマスストーリー」を観ると、その中のワンシーンにおいて、主要な登場人物がパンクしたタイヤの交換を手伝っており、夜間の緩い締結具の使用または困難な条件における問題を予測する。照明をふんだんに利用できない場合、オペレータが締結具をマウント上に配置することができず、このプロセスにおいて締結具または器具を誤配置する可能性もある。隠れた状況では、懐中電灯を用いることができないため、オペレータが取付および取り外し作業で唯一頼れるのは、触覚および空間関係のみである。締結具も、さらなる欠陥となる。この理由は、取付および取り外しを頻繁に行う場合、器具、ボルトヘッドおよびねじ山がつぶれる可能性があるからである。ストレスの多い状況(例えば、戦闘、手術、ロボット組立ライン上におけるタイトな製造スケジュール)においては、人間のオペレータは、器具を操作するための繊細な運動技能を持っておらず、複雑な取付/取り外し手順を記憶および実行する認識能力も持っていない。低温天候においても、繊細な運動技能が失われ得、その場合、オペレータは手袋を着用するため、小型器具および複雑なかみ合い形状の操作が困難となる。
【0058】
従来技術の位置決めデバイスおよびポータブルペイロードデバイスのいくつかの例の場合、モバイルマウント設計におけるボルトはほとんど不可能であるが、これらの解法のうちほとんどの場合、繊細な運動技能に依存するボルト留め方法の代わりに別の繊細な運動技能に依存するかみ合い特徴を用いており、また、多くは未だに小型特徴(例えば、玉ロック固定ピン)を備える。小型固定ピンは玉ロックピンであり得、バネ付加型の玉軸受は、ピンのシャフト中に凹状に設けられ、別の種類の固定ピンは、バネ付加型プランジャーを備える。いずれの場合も、かみ合い構造中のかみ合い穴が玉またはピンとアライメントすると、玉またはプランジャーピンが所定位置においてアライメントおよびスナップされる。アライメント穴とピンとのアライメントが高精度ではない場合、これらの特徴は係合およびロックするのが困難である。破片(例えば、泥および氷)がある場合、バネ作用が止まる可能性がある。ピンロック作用に起因して、隠れ場所の作業に不適切なパチンという音が発生する場合もある。セキュリティ特徴、アライメントされた位置決めデバイスおよび取り付用固定具中の穴を介して挿入するストラップ上の単純なピンまたはねじドライバとすることができる。従来技術の一例(「http://www.youtube.com/watch?v=kWuvyTB6OxQ」のURLで観ることができる)において、モバイル監視トレーラーは、高速マウントシステムを備える。この高速マウントシステムは、取り付けられたマウントプレートを備えた小型の位置決めデバイスと、監視トレーラーのマストに堅固に取り付けられたかみ合いシェルフと、ストラップ上の直線状固定ピンと、電気ケーブルとを備える。本位置決めデバイスは、ボルトによって固定構造に取り付けられるように設計されるが、これを実施することによりボルトがアクセサリ基部プレート中に設けられる。このプレートおよびトレーラー上のシェルフは、溝部中の舌部のかみ合いを有し、これにより、位置決めデバイス基部プレートがシェルフ上のガイド中にスライドすることが可能になる。基部プレートが溝部に沿って後方スライドする事態を回避するために、単純な固定ピンを、基部プレートおよびシェルフ上のアライメント穴を通じて落下させる。次に、電力および制御のためのケーブルを位置決めデバイスに接続する。オペレータは、この設計に満足しない場合がある。取付用プレートが標準的位置決めデバイスに固定されているため、重量増加の原因となる。この場合、高速切断が不要な固定取付のためのモバイルマウントの使用が不要なモジュール性は得られるものの、取り付け形状を位置決めデバイスの固定シャフトと一体化した設計と比較して高重量となる。溝部中の舌部は、上記した困難な状況においては理想的ではない場合がある。かみ合いインターフェースは、舌部および溝部間において近密に取り付けられているため、オペレータは、舌部を注意深く溝部付き固定具中にアライメントさせた後、プレートを前方にスライドさせる必要がある。溝部付き固定具上に破片および氷がある場合、かみ合いプレートの障害となり得、このデバイスの分野において頻繁に発生するように位置決めデバイスが落下し、精度かみ合い舌部が屈曲した場合において、これらの近密インターフェースをとるトラックは相互運用することができない可能性がある。
【0059】
図63を参照すると、取付および取り外しを迅速かつ容易に行うことが必要な装置のための、堅固におよび反動フリーの取付装置601が図示されている。この設計により提供されるかみ合い手順は、器具が不要であり、数ステップで済み、また繊細な運動技能はほとんど不要である。位置決めデバイスの固定シャフト125上の様々な特徴は、固定またはモバイルプラットフォーム602上にあるかまたは取り付けられた取付用固定具に取り付けて堅固に噛合させることができる。図示した実施形態において、プラットフォームは、三脚であり得る。
図61を参照すると、パンシャフト125の基部は、3本の脚部615,625,635を備え得る。2本の脚部615,625の間で、ロッドまたはくさび603であるかみ合いロッド(「ロッド」)が設けられ得る。このロッドは、別個のピースであり得、ねじ山付きであり、2本の脚部615,625の間に堅固に取り付けられる。あるいは、ロッド603を脚部615,625間の一体型の特徴とするかまたは脚部615,625と一体化してもよい。
図63を参照すると、ロッド603は、かみ合い取付用プレート605(「取付用プレート」)中のかみ合いノッチ604(「ノッチ」)と噛合する。かみ合い取付用プレート605は、取付基部プラットフォーム602に取り付けられるかまたは一体化され得る。位置決めデバイス101をインストーラーによってグリップし、後脚部615,625ならびにロッド603は、取付用プレートの端部606と接触し得る。取付用プレート605は、直立のガイドポスト607をこの端部606において備え得る。これらのガイドポスト607は、角度付けされ、面取りされて、脚部615,625ならびにロッド603を受容、誘導、漏斗状に収束またはアライメントさせて、オペレータが取付用プレート605の上で位置決めデバイスをスライドする際に所望の位置へ移動させる。このような漏斗特徴により、オペレータによる不正確な配置(例えば、ストレス環境下における粗大運動技術のみの使用、手袋の着用、視認性の低下)に対応し、修正することができる。アライメント後、位置決めデバイス101をオペレータに向かって牽引し、側部606から離れる方向に移動させ、漏斗特徴607により3脚部を継続的に誘導およびアライメントするため、溝部中の舌部の場合に必要な微細な相互作用は不要である。その後、ロッド603は取付用プレート605中の上方スロープ608と接触して、パンシャフト125が後脚部615,625から上昇する。このスロープ608は、曲線状であってもよいし、あるいは、方向において逆転してVまたはU字型のくさび604(「くさび」)を形成してもよく、これにより、ロッドおよび取り付けられた位置決めデバイス101がさらに移動する事態を回避する。このくさび604の上側部609は、ロッド603とのかみ合い領域上に張り出し、くさびを破片および天候から遮蔽する屋根として機能する障害である。ロッドおよびくさび表面は、直線状で、平坦な表面となるように高い精度で製造して、パンシャフト125および取付用プレート605の高精度アライメントを維持することができ、これにより、位置決めデバイスは同一高さのプラットフォームを持つことができる。取付用プレートまたはパンシャフトに含まれ得る1つまたは複数の水準器611により、位置決めデバイス101のための水平基部が得られ、位置決めデバイスは、センサーを含み得る(例えば、取付誤差を検出するデジタル埋設コンパス)。パンシャフト125上の第3の前脚部635は、取付用プレート605の上方へ水平に取り付けられるように、後脚部615,625と同じ長さである。あるいは、この前脚部635は、くさびの下スロープ608によりロッド603が上昇する垂直高さの差に等しい大きさだけ、その他の脚部よりも長くしてもよい。パンシャフト125の基部をユーザの牽引作業方向に近接または離隔する方向において傾斜させることにより、脚部高さ、ロッド位置およびくさびサイズを最適化してもよい。ロッド603を近密にくさび604内に設けることにより、位置決めデバイス101は2軸中に拘束されるが、位置決めデバイス101が押圧または牽引される軸においては拘束されず、さらに、さらなるロック機構なしに、所定位置に堅固に保持もされない。
【0060】
位置決めデバイスを牽引し、所定位置にロックするために、手動のトグルクランプを用いることができる。トグルクランプは、数百ポンドのクランプ力を有し得、位置決めデバイスが落下し、またはオフロード車両上で激しく揺れても所定位置にしっかりと保持するだけでなく、単純な器具が不要な設計であり、作業ステップは数個のみであり、取付または取り外し時において繊細な運動技能はほとんど不要である。この点については、欧州特許第1169235B1号(「Toggle−clamp for fastener」)中に詳述されている。振動、位置逆転、中央クランプの僅かな欠乏および他の可変条件に適したトグルクランプに関しては、米国特許第5,165,148号(「Toggle Clamp with Locking Mechanism」)および欧州特許第1967324B1号(「Universal locking mechanism for a clamp」)中に記載がある。
図64を参照すると、トグルクランプを取付面に堅固に取り付けすることができ、装置上のアンカー点へ伸長可能なフック、ラッチ、投げ縄、または磁石613(「ラッチ」)を含み得る。クランプをロック位置まで牽引することにより、装置をラッチによってアンカーまで牽引する。完全伸長されると、クランプは、クランプが不注意で解放される事態を回避するための安全機構を備え得る。
【0061】
図61および
図62を参照すると、図示した実施形態において、トグルクランプ装置は、アンカー612を備える。アンカー612は、パンシャフト125に堅固に取り付けられ得る。ねじ山、ねじ山付きインサートまたは他の締結点が標準的取付手順としてシャフト125上に設けられる。トグルクランプ617は、取付用プレート605に堅固に取り付けられ得る。ユーザがクランプを押し開くと、フック型ラッチ613が伸長して、アンカー612と係合し得る。トグルクランプ617を完全に引き出せば、十分に、ロッド603をくさび604のスロープ608を上方に牽引することができ、ロッドおよびくさび間の緩やかな取付または遊びを引き起こすこと無く、ロッドをくさび内にしっかりと保持することができる。
図64を参照すると、トグルクランプ617に含まれ得る親指パドル618により、フック613を片手で位置決めすることが可能になり、これにより、オペレータの他方の手でロッド603をくさび604中の所定位置に引き込みおよび保持することができる。トグルクランプ617はまた、安全レバー619を備え得る。安全レバー619により、衝撃、振動またはオペレータ誤差に起因してクランプ617が意図に反して開口位置へ移動する事態が回避される。取付用プレート605中の漏斗ガイドポスト607およびくさび構造604は、厚くかつ高強度の特徴であり得、溝部中の舌部ガイドと対照的に、へこみに耐えることができる。ロッドのかみ合い面は、2つの後脚部615,625間に保持されたパンシャフト125の下側において一定に遮蔽され得る。複雑な取付形状が露出して落下により損傷を受けることがほとんどなく、破片がかみ合い特徴中に入る可能性も低い。
【0062】
図63を参照すると、さらなる向上として、オペレータは、プッシュプル型電気コネクタプラグ142を取付用プレート605と一体化させることにより取付および取り外し手順ステップをなくすことができる。コネクタ142は、パンシャフト125中のかみ合いプッシュプルコネクタレセプタクル141とかみ合わせることができる。パンシャフト脚部615,625,635、パンシャフトスロープ608ならびにかみ合いコネクタ141,142の取付面フランジ622のサイズおよび角度は、ユーザがトグルクランプ617を引き出す作業によりコネクタが噛合するようなサイズおよび角度にされる。フック613の長さ、ドローストローク、アンカー612とクランプとの間の分離、およびくさび604の形状を高い精度で調整することにより、クランプ617のフルストロークがコネクタ141,142の完全かみ合いならびにロッド603のくさび604中への完全かみ合いを行う。ロッド、くさびまたは双方を変形可能なコーティングでコーティングすることができる(例えば、エラストマー)。その結果、ピンおよびソケットのアライメントにおいてコネクタ141,142が一定の遊びおよび公差を有する制約の一部を緩和しつつ、ロッドおよびくさび間のグリップが得られる。
【0063】
位置決めデバイス101などのモバイル装置は、オペレータにとって搬送および取り扱いを行う際に重くかつ面倒である場合がある。疲労およびグリップ面の不在に起因して、装置が地面に落下し、損傷を受ける場合がある。従来技術の場合、引き出し型ハンドルをペイロードまたは位置決めデバイスへ締結して、ユーザが搬送できるようにしていたが、堅固にハンドルは邪魔になり、重量増加の原因となる。また、従来技術の場合、アイボルトが位置決めデバイスへ取り付けられており、オペレータが指を伸ばして搬送できるようにされているが、指によってまたは手袋を着用した指の場合は大きすぎてボルトのアイ部分を通ることができない場合があり、スチールボルトによって重量が増加し、大型のアイボルトのねじ山に対してねじ穴が大きくなり得る。高性能監視装置の軍用ユーザによく知られている搬送システムとして、ライフルスリングがある。1つのこのようなスリングシステムにおいては、高速接続/高速切断「QC/QD」ハードウェアを用いて、スリングの取り付けおよび取り外しを数秒で行う(米国特許出願公開第2012/0174458A1号「Detachable Swivel and Associated Mount」に記載)。銃器以外の物体を搬送するために、類似のライフルスリングを個別調整することができる(例えば、米国特許第6932254B2号「Sling for carrying objects」に記載)。記載のスリング製造業者によって提供される別の搬送アクセサリとして、ユニバーサルワイヤループストラップがある(「http://www.blueforcegear.com/universal−wire−loop/」のURLで確認できる)。これらは全て軽量であり、可撓性でありなおかつ取り外し可能な搬送システムであり、位置決めデバイスの搬送をより容易にし、落下に起因する損傷にも強い。
【0064】
図63を参照すると、位置決めデバイス101は、搬送ハンドル、ストラップまたはスリングを取り付けるためのねじ山付き穴またはポスト614を備え得る。一実施形態において、パンシャフト125上の2つのポスト614により、ライフルスリングのための標準的QC/QDハードウェアを受容することができる。別の実施形態において、パンシャフト125上の平滑な穴またはポストが、ロープまたはワイヤのループ(例えば、ユニバーサルワイヤループ上のもの)を受容することができる。
【0065】
電子システムの詳細な説明に移り、
図4を参照すると、位置決めデバイス101のブロック図が図示される。位置決めデバイス101を用いてペイロードデバイス134,136を位置決めするために、電源571から電力を電気構成要素(例えば、ハウジング111内のパンモータ102およびチルトモータ112)へと提供することができる。電源571はまた、多くの実施形態において電力を外部コントローラ573へ提供することができる。電源571は、電池、発電機、送電網への接続または他の任意の適切な電源であり得る。よって、電源571は、ACまたはDC入力を有し得、出力電気をACまたはDC電圧として提供することができる。一実施形態において、位置決めデバイス101は、パンモータ102、チルトモータ112または位置決めデバイス101上または内部に取り付けられた他の任意の電気デバイスへ調整された電力を提供するための内部絶縁AC/DCまたはDC/DC変換器118を備え得る。電源571の電圧構成および変換器118の電圧構成の選択は、様々な要素に基づいて決定され得る(例えば、モータの互換性、ケーブル伸長における伝達損失、および電源(グリッド対電池))。外部電源571は一般的にはCCTV電源であり、米国においては110−220VACの電気入力に基づいて動作し、電源571がイーサネット(登録商標)経由で給電されるインジェクタである場合、電気出力として24−28VAC、12−28VDCまたは57VDCまで生成する。電源571の出力は、短尺ケーブルの場合はDC出力を選択することができ、長尺ケーブルの場合はACを選択して、伝達損失を最小化することができる。内部変換器118は、モータのネーティブACまたはDC動作を支持できるように、調整されたACまたはDC出力を供給するように選択される。内部変換器118の入力は、電源571からの出力に基づいたACまたはDCとして選択され得る。
【0066】
位置決めデバイス101はまた、コントローラ573およびHID575と通信して、デバイス134,136の位置を制御することができる。オペレータは、制御コマンドをHID575へ入力することができる。コマンド信号がコントローラ573へ送信されると、コントローラ573は、コマンド信号をパンモータおよびチルトモータのための個々の制御信号に変換する。ユーザはまた、デバイス制御信号をHID575へ入力する。これらのデバイス制御信号がコントローラ573へ送信されると、コントローラ573は、制御信号をペイロードデバイス134,136に送信する。いくつかのペイロードデバイス134,136(例えば、カメラ、距離測定デバイス、音声監視デバイスおよび他の機構)から出力信号を得ることができる。ペイロードデバイス134,136からの出力信号を、コントローラ573およびユHID575に送信することができる。一実施形態において、HID575は、コントローラ573から遠隔位置にあり得る。これらの実施形態において、コントローラ573およびHID575はそれぞれ、有線または無線通信のためのトランシーバを備え得る。コントローラ573は、外部処理モジュールの一例であり得、典型的にはビデオ処理および符号化、ハードドライブへのビデオ記録、移動物体の自動追跡、ジャイロ安定化、制御プロトコル翻訳、および(RS232/422から光ファイバーまたはRF無線への変換、であり得る)メディア変換を行う。モータの駆動、シャフト位置の感知、ビデオチャンネルの切り換え、環境センサー(例えば、温度)の監視、様々なサードパーティCCTV制御からのプロトコルの翻訳を行うように、さらなる内部コントローラ574をハウジング111中に収容することができる。コントローラ574の高度な実施態様において、外部コントローラ573のタスク全てをとることができる。
【0067】
図36を参照すると、本発明の位置決めデバイスのコア技術は軸受システム設計であり、より小型、より軽量、より単純、より低価、より信頼性のある製品をこの軸受プラットフォームの周囲に構築することを可能にする。記載した位置決めデバイスの実施形態は、ペイロードをパンする軸受を備え得、ペイロードをチルトするための軸受を備え得る。4点接触ターンテーブル軸受391は、ロバストな負荷取り扱い能力を有し得、回転シャフトを支持する唯一の軸受として受容可能に作動することができる。メンテナンス兵站部から離隔位置にあるデバイスの場合または信頼性が最重要である展開(例えば、戦闘および救出)におけるデバイスの場合、第2の支持軸受またはブッシングをシャフトへ付加することができる。
図17を参照すると、ペイロード136は、チルトシャフトギア131からの距離であり、高モーメント負荷を誘発し得る。チルトシャフト105中に同心性が無い場合またはミスアライメントがある場合、シャフト105が壁123中の穴に進入する箇所においてシャフト105が研磨される可能性につながる。また、シャフトがたわんだ場合、漏洩が発生するほど、側部123上の動的シャフトシール152が変形し得る。第2の軸受またはブッシング144を壁側部123中に付加することにより、シャフトたわみを制限することができる。チルトシャフト105の軸受144は、ラジアル軸受であり得、外輪がハウジング側部123上の穴中へ近密に圧入される。近密圧入部は締まりばめであり、より軟質の取付面材料が恒久的取付のためにラジアル軸受軌道のスチールを包囲する。軸受配置穴を高精度表面と共に作製することができる。高精度表面は、数千分の一インチ以下の寸法誤差で仕上げられており、これにより、加圧取付時に何トンもの力がかかる状況下でサイズ不足の穴によって軸受スチールが反った後に静的負荷として残留する、という可能性が低減する。場合によっては、製造またはアセンブリ欠陥が発生し得、圧入取付において軸受144が穴と同一面上に来ない場合があり、その結果、シャフトの均等な同心動きが失われる。このような不均等な配置に起因して、ミスアライメント誤差が発生し得、その結果、シャフト上の負荷も不均等になり、対の軸受または他のシャフト構成要素へ損傷が発生する。取付時または取付後において圧入軸受が不適切に配置または損傷される場合があり、システムが意図したとおりに機能しなくなる可能性がある。高精度取付面は締まりばめを生成するように変形されているため、軸受を再配置する2度目の機会は無い。表面上に新規軸受を圧入することもできないため、損傷を受けた軸受が圧入されたシャーシまたはシャフトは全て、軸受と共に廃棄する必要があり、結果として非常にコストがかかる。取付プロセスは、加熱または数トンの力の付与も含まれ得、付与が不適切な場合、供給される前の段階であっても軸受損傷に繋がり得る。工場出荷時において製品中の圧入軸受が完全な状態であったとしても、展開後のデバイスにおいて衝撃、振動または汚染物質が発生し得、軸受の恒久的損傷または破損に繋がり得る。損傷を与えるシャフト負荷がラジアル軸受144へ伝わるのを抑制するために、内輪においてチルトシャフト105との緩い圧入を設けて、シャフトを取り外し可能とすることにより、損傷の原因となる軸方向負荷がラジアル軸受に付与されないようにする。緩く一致し、または外れる圧入は、取付穴またはシャフト上の変形をほとんど引き起こさないが、ボンドほど堅固にではない。緩い圧入の場合、軸方向負荷を軸受中へ伝達しないため、この軸受144は、ラジアルおよびモーメント負荷に合わせて最適化された転がり要素および軌道を用いることができる(例えば、ラジアル玉軸受)。
図30を参照すると、軸受144は、外輪がシャフトマウントブラケット145上に取り付けられた軸受であり得、近密圧入を備え得る。ブラケット145は、軸受144と適切に適合するように精度公差および表面仕上げが施された穴と共に作製することができる。軸受144が不適切に圧入された場合、軸受144およびブラケット145をハウジング111中へ取り付ける前に廃棄することができる。サービス中に軸受に損傷が発生した場合、緩い圧入により、チルトシャフト105を内輪上においてスライドさせることができ、また、壁側部323中へのアンカー固定に用いられる締結具およびアライメントピン138(図示せず)を取り外すことにより、ブラケット145を壁側部123から取り外すことができる。
図21を参照すると、ラジアル軸受143の外輪は、一体型フランジを備える。一体型フランジは、フランジ状軸受143をハウジング側部123上の穴中に堅固に取り付けるための取付穴を備え得る。この一体型軸受は、非フランジ型軸受144を別個のブラケット145中に取り付ける場合よりも簡単かつ低コストである。フランジおよび取付穴を締結具と共に用いた場合、壁側部323が複雑になり、圧入軸受ほどの高負荷能力およびアライメントを持つことができなくなるが、フランジ状軸受143を取り外すことが可能であるため、高一体型のモノコックハウジング111が永久圧入軸受144の損傷に起因して廃棄される事態を回避することができる。
【0068】
高精度位置決めデバイスにおいては、転がり要素および軌道に微小な損傷が起きた場合でも、受容不可能な摩擦およびトルク不一致に繋がり得る。広範に展開される従来技術の例において、複数対のシールラジアル軸受(例えば、軸受144)、おそらくは深い溝部のラジアルコンラッド軸受が用いられており、これらの位置決め製品において、野外のモバイルロボットに関連する環境脅威および雑な取り扱い下において頻繁に損傷が発生していることがいくつかの顧客から報告されている。軍事用監視ジンバルの別の購入者によれば、既存のパン/チルト位置決めデバイスの場合、軍事用人員および車両における雑な搬送および取り扱い後に早期に故障および損傷が軸受に繰り返し発生するとの苦情が近年出ている。この故障のメカニズムは、複雑に組み合わされたモーメントおよびスラスト負荷由来のベアリング損傷である。圧入は恒久的であるため、損傷した軸受に取り付けられたハウジングパネルおよびシャフトの大型アセンブリを軸受と共に交換する必要があり、その結果、製造業者または防衛兵站部にとって高価かつ手間のかかる修理が必要となり、かつユーザにとって長期間のサービス機能停止となる。
【0069】
軸受へ付与される負荷ベクトルは、ラジアル、軸方向、モーメント、これら3つの組み合わせに分類することができ、一方向または双方向に付与することができる。負荷能力を特定の用途に合わせて個別調整するための様々な軸受設計が存在する。選択プロセスにおける重要な弁別子として、転がり要素形状がある。接触軸受は典型的には、球状または円筒転がり要素を備える。一般的に、球状の方が円筒形よりもより高精度であり、より低コストである。テーパー状および交差したローラ軸受の方が機械的に重いことが分かっているが、極めて高負荷能力が必要な場合、玉軸受の方が、平滑な高精度ロボット(例えば、位置決めデバイス101)により適している。ラジアル玉軸受(例えば、軸受144中の玉135)は、高ラジアル負荷を扱うように最適化されるが、その他の種類の負荷を扱うのに最適な選択肢ではない。深溝型コンラッドラジアル軸受は、軸方向負荷取り扱い特徴を備えるが、第2のコンラッド軸受をシャフトのさらに下方に設けなければ、モーメントまたは複合負荷をうまく扱うことができない。また、深溝型コンラッド配置構成の玉セパレータケージは、玉数を多くできないため、同じ軸受サイズの他の配置構成と比較して負荷能力が低くなる。角度接触軸受は、深溝型ラジアルよりもモーメントおよび軸方向負荷をより良好に扱うが、ラジアル負荷または双方向のスラストを扱うように装備されていないため、一般的な単一の角度軸受およびラジアル軸受の組み合わせの場合でも、装置は双方向の軸方向負荷に対して脆弱である。ロボット(例えば、位置決めデバイス101)は、大きな衝撃および振動を任意の方向において受け得るため、負荷ベクトルの網羅範囲において隙間は無い。よりオールラウンドな選択肢として、4点接触軸受がある。この理由は、4点接触軸受は、各負荷方向、複合負荷および双方向の負荷を、モーメントおよびスラスト負荷に対する特に高い抵抗により、うまく扱うからである。
図42を参照すると、転がり要素および軌道の詳細な図が図示されており、軸受391の図において、内輪133および外輪137中に形成された溝部393内において玉軸受135が転がる様子が図示されている。溝部393の形状は、軸受135から凹状になっており、これにより、溝部の縁部399のみが玉軸受135と物理的接触している。図示の種類の溝部は、ゴシックアーチ軌道である。軸受要素は、単一行の4点接触玉であり得、接触角度は30度であり得る。一実施形態において、軸受391の溝部393は、ゴシックアーチ型軌道であり得、玉135上において4点接触している。この構成は4点接触軸受として公知であり、ラジアル、軸方向、モーメントおよび複合負荷に対して軸受支持を提供する。4点ゴシックアーチ構成は、円筒状のローラ軸受よりも剛性および静的負荷能力が低い場合があるが、長距離監視プラットフォームおよびロボットアームにより実施される、良好であり、順調である、ゆっくりとした動きの追跡および照準合わせに重要である、ラジアル状の動的負荷が低い場合、開始トルクおよび作動摩擦力が低い。チルトシャフト105と支持軸受144との間においては緩い圧入が望ましいため、軸受144においては軸方向負荷はほとんど発生せず、これにより、発生する可能性の高い負荷に合わせて最適化されるラジアル軸受として軸受144が選択される。軸受144は薄い軸受であり得、これにより、サイズおよび重量が最小化されるが、この点で予想されるラジアルおよびモーメント負荷を考慮してサイズを決めなければならない。
【0070】
高精度位置決め用途では、位置インデキシングの高い再現性を維持するために、極めて高剛性の軸受が必要であり、さらに、位置インデキシングのゆっくりかつ繊細な動きには、低トルク牽引での駆動が有益である。4点接触玉配置構成において単一行の転がり要素を小型のサイズおよび最小限の重量と共に得るための、より高剛性およびより低トルクが必要な用途において、単一行の交差ローラ軸受が最適な代替物である。平坦マウント軸受の一般的な実施態様において、交差ローラ軸受は、直角な数行の円筒ローラを玉の代わりに用いて、高重量の産業機械などの用途において、極めて高い負荷能力を達成する。
図45を参照すると、外部ギア式のターンテーブル軸受391の実施形態は、単列の円筒状のローラ軸受335を介してお互いに滑動する外輪137および内輪133を含む。「V」状の溝393内に回転軸が交互に配向されているため、、このローラ要素の位置決めにより、ターンテーブル軸受391がスラスト負荷、ラジアル負荷、およびモーメント負荷のすべての組み合わせを許容できる。玉とおおよそ同一寸法の円筒状のローラは、玉単独よりも負荷輸送能力が大きいが、4点配向におけるすべての玉が、いったん全ての方向を扱うように共に作用するが、1方向のみ負荷を輸送する各ローラのために、玉軸受を用いた4点接触の設計と比較して、交差ローラの配向は、モーメントおよびスラストの能力が低下する。このモーメントおよびスラストに関する欠点は、ローラ要素のより大きな接触面および幾何学形状により得られる剛性(stiffness)および剛性(rigidity)におけるゲインによりオフセットされ、ならびに回転トルクの牽引性能におけるゲインは、各ローラが各方向の代わりに単一方向のみ負荷を伝送するよう方向付けられるため達成される。本発明のデバイスで実施されるように、約12インチ以下のターンテーブル軸受は、ほとんど軸受要素を有らず、したがって、交差ローラにわたる4点設計の回転トルクの損失により明らかに影響を受けるものではない。また、小さなターンテーブル軸受のサイズは、4点構成の剛性定格の低下が累積して大型長距離位置決めデバイスに必要な精度および再現性を許容できないほど悪化させる、という事態を防ぐ。
【0071】
他の欠点から、交差ローラは、ターンテーブル軸受の外側の直径が4インチ以上である実施形態により適したものといえる。円筒状のローラは、高重量であり、玉軸受よりも占有する空間が常に大きく、円筒ローラは一般的には球状玉よりも低精度であることが多く、より高価であり、組み立てられた軸受は、所与の外径に対して小さな中央穴167を有する。ターンテーブル軸受391の中央は円筒開口167であり得、他の構成要素を開口167(例えば、配線ハーネスおよびスリップリング)を通じて配置することを可能にするが、小型の位置決めデバイス101の実施形態において、小型の玉要素の代わりに嵩高な円筒ローラ要素および軌道を用いる場合、この開口は大幅に制約される。
【0072】
交差ローラ配置などの円筒状ローラ軸受の採用を阻む別の要因として、多くの平坦マウントおよび交差ローラ軸受のツーピース外輪の場合、円周の周囲に継ぎ目が残るため、外径とのギアリングの可能性が否定され得る。二等分部双方の歯は、中間において隙間を有し、歯二等分部が十分にアライメントしない場合がある。恐らくは、分割リングのうち片方の二等分部が、他方の二等分部上にオーバーハングし得る。圧入により分割リングへ事前負荷がかかるため、別個の滑車を双方のリング上に圧入することは不可能である場合が多い。
図46を参照すると、外輪237が分割され、一体型歯車装置を不可能とする場合がある。さらに、高負荷能力を有する円筒状ローラ軸受は、定格の負荷能力を達成するためのさらなるプレッサーフランジおよびバットレス穴を大抵必要とし、重量、サイズ、費用、および複雑性が増加することとなる。
図37を参照すると、玉軸受配置構成(例えば、ゴシックアーチの4点接触軸受)は、より小型かつより軽量のパッケージにおいては、従来技術において用いられるテーパー型または交差型ローラ軸受の場合よりもより平滑な動きを実行しつつ、より低価である。取付穴395により、圧入に関連する有害物質が回避され、リング分割無しで玉を付加することができる。
【0073】
図46を参照すると、ターンテーブル軸受391は、3つの負荷方向のそれぞれにおいて円筒状ローラ335の列を配向する多ローラ構成を有する。この3つのローラ軸受がすべての負荷に対応することができるが、小型の位置決め装置にとっては扱いにくく、重く、費用がかかるが、位置決めデバイス101のスケールアップした実施形態の適切な負荷操作および剛性にとっては必要であってもよい。最近、軸受製造業者は、小さな円筒状ローラでの二列のローラ軸受を発表した。この最も小さな直径は約12インチである。このような軸受は、長距離ペイロードを目的とする大きな位置決めデバイスにより必要とされる高剛性、低トルク、および非常に高い負荷能力を有することができる。
【0074】
4点接触ターンテーブル軸受391に代わる第3の適切な代替物は、統合型超二重角度接触軸受および軌道アセンブリである。この外部の軌道は分割されておらず、外部のギアプロファイルを軌道状に歯切りでき、または別々の滑車リングを強固に軌道周辺に取り付けることができる。また、外部軌道を広げて、取付け穴およびアライメント用の穴を備えた外輪を作製できる。
図43を参照すると、ターンテーブル軸受391は、取付け穴を備えた外輪137を有し、かつ、外周上に外部ギアプロファイルを有することができる。内輪237を分割して、プレッサーフランジまたは締結具により共に保持され、かつ予め負荷が与えられるリングである、アセンブリを許容する。位置決めデバイス101で使用すると考えられるすべての軸受と同様に、玉および軌道を、面シール160によって汚染から保護でき、かつ、強固なシールド161を用いて自由な状態な軸受の剛性を高めるためにさらに保護できる。追加的な列の玉は、トルクの牽引および重量を追加することとなる。そのため、玉235は、窒化ケイ素などのより軽い物質から構成できる。窒化ケイ素の玉は、鉄の玉よりも軽く、油を塗布する代わりに油で軽く処理して、油の使用を限界まで抑えた条件下で残存力を高めることができる。窒化ケイ素の玉は、非常に硬く、鉄の玉のように軌道に従うものではなく、より小さな接触楕円を有する。このような接触低下があると、摩擦および開始トルクを減らして、シャフトをより細かく良好に動かすことができるが、単列の4点配置構成において衝撃負荷能力がおよそ30%低下し得るという欠陥が発生する。高衝撃環境において、1列の軸受391の実施形態の選択肢は少ないものの、二重列にすることにより、この脆弱性を解消することができる。二重軸受391の使用により、窒化ケイ素玉235を若干小型のスチールスペーサ玉135と交互に設けることにより、玉セパレータ162およびセパレータリングに関連する粒子脱落を無くすことができる。しかし、スチール玉へ事前負荷を付与することはできない。
図44を参照すると、分割内輪233は、一体型締結具を備える。これらの一体型締結具は、玉を充填し、リングを事前負荷によって玉135と組み立てる。リング233は、軸受を締結具によって表面に取り付けるための別の穴パターンを備え得る。外輪137は、ワンピースリングであり得、外部ギアプロファイルを備え得る。玉135は、スチール玉であり得、Delrin、真ちゅうまたは類似の低摩擦材料製のセパレータリング162によって分離されることができる。2列の玉は、各玉と点399における軌道との間において2つの接触点を備え得る。
図44中の二重軸受391の接触点は、対面型の超二重角度型接触軸受を示し、
図43中の二重軸受391の接触点は、逆並列の超二重角度型接触軸受を示す。
【0075】
軸受の組み合わせにより回転シャフトの信頼性を向上させるために用いられた既存の技術においては、異なる軸受を組み合わせて、圧入レベルを変動させる。異なる組み合わせの軸受を回転シャフト上に載せる際、負荷を最良に扱うように装備された軸受へ誘導するために、各軌道上の圧入を近密にまたは緩やかに調節することができる。例えば、シャフト設計における次善の決定として、双方の軸受(多くは双方のラジアル軸受)をシャフト上に近密圧入することがある。シャフト長さの熱膨張および収縮に起因して、意図しない軸方向事前負荷が中程度の温度変動において発生する場合がある。極端な温度における膨張および収縮に起因して、玉または軌道が永続的に変形し得る。この軸方向負荷の危険性を低減するためには、より微細な機械加工公差および製品の動作負荷の軽減が必要になる。あるいは、軸受のうちの1つにおいてシャフト上に緩い圧入または滑合を設けて、軸方向負荷(例えば、衝撃または熱膨張)に起因して、シャフトが緩く取り付けられた軸受軌道からシャフトがスリップするようにしてもよい。
図17において、ラジアル軸受144は、チルトシャフト105上に緩い圧入を有し得、あるいは、チルトシャフト105に沿って伝わる軸方向負荷の全てまたはほとんどをチルト軸受131の4点接触構造によって取り扱ってもよい。角度およびラジアル軸受をシャフト上において組み合わせて各強度を用いて複合負荷を扱うことが可能である(例えば、緩く圧入されたラジアル軸受がラジアル負荷を取り扱っている間に軸方向およびモーメント負荷を扱う近密圧入された角度軸受)が、この両者間の負荷分担は、デバイスが経験するであろう全負荷が確実に残存するように設計された単軸受を用いる場合のように、簡単または低コストではない場合がある。近密に圧入された軸受の場合、特に不適切な取付から外れる場合もあり、この無効な軸受に起因して、第2の軸受が単独で扱うには不適切な負荷に第2の軸受が晒される場合がある。
【0076】
チルトシャフト軸受131は、チルトシャフト105上に発生する大きな負荷を高い信頼性で扱うことができる。4点接触軸受は、予測可能な負荷全てを単独で扱うことが可能であるため、ラジアル軸受144は不要になり得る。シャフトが確実にゆがみ、さらなる設計安全因子が所望される場合、軸受144を軽量の小型の薄いラジアル軸受とすることができ、シャフト105上に緩い圧入を設けることにより、ほとんどの負荷を有能なターンテーブル軸受131へと誘導することができる。このラジアル軸受は、非同心シャフトのぐらつきを制限することにより、ラジアル負荷を扱うことができ、また、シャフト105のモーメントアーム長さを、負荷が4点接触ターンテーブル軸受のモーメント負荷能力を上回らないように制限することができる。シャフトがハウジングの第2の側部を貫通する実施形態(例えば、チルトシャフト105がハウジング側部123を貫通するかまたは
図34のパンスルーシャフト425がカバー413を貫通する実施形態)において、軸受またはブッシングをシャフト周囲に取り付けて、第2の壁を通じてシャフトの動きを平滑かつ制約された動きとすることができる。
【0077】
ターンテーブル軸受391により、様々な設計目標を満たすための様々なシャフト形状を支持するための異なる取り付け構成が促進される。
図36を参照すると、ターンテーブル軸受391の上記の詳細な図が図示される。
図37〜
図41を参照すると、ターンテーブル軸受391の断面側面図が図示されている。
図42〜
図46は、ターンテーブル軸受の軌道の実施形態の詳細な図の一部である。ほとんどの接触軸受と同様に、
図36〜
図41のターンテーブル軸受は、軸受軌道137,133を備える。軸受軌道137,133は、転がり要素(例えば、玉軸受135)を介して相互に回転する。ほとんどの軸受と異なり、軌道137,133は、通常よりも大きな割合で拡張され、これにより、グランド166,168中の平面の取り付けランド166,168および穴395を備え、軌道を平面シャフトおよびハウジング表面上に締結する。
【0078】
異なる取付構成を促進するため、内輪133および外輪137の平面表面166,168の高さをオフセットさせることができる。例えば、ターンテーブル軸受391を物体(例えば、位置決めデバイスハウジング111)の平面表面に堅固に取り付けする際、内輪133または外輪137の一部を平面表面に堅固に取り付けすることができる。ターンテーブル軸受391のうち取り付けられていない部分は、固定リングに対して移動することができ、自由に回転できるはずである。回転リングの表面を、自由回転のために隣接する固定リングに対して凹状とすることができる。また、リング平面表面を同じ高さにした場合、平坦取付面にボルト留めされていないリングの接触および押しつけにつながる。平坦な平面取付面からのクリアランスのため、回転リングと固定リングとの間には、若干の高さの差がある。
図41に示すように、一実施形態において、内輪133は、外輪137の隣接表面168よりも若干高い平面表面166を有するため、垂直クリアランスが両リング間に発生する。外輪137の表面168は、下側の平面構造に堅固に取り付けすることができ、その場合も内輪133は自由回転可能であり、またその逆も成り立つ。これらの特徴により、ターンテーブル軸受391が大型平面構造に取り付けられた際に内輪133または外輪137が自由回転することも、可能になる。
図5を参照すると、
図41に示すパンターンテーブル軸受127は、パン軸受フランジ129の平坦な下側と隆起内輪133と共に接触し、若干下側のリング137は、パン軸受フランジ129の下側に上側平面表面168をこすることなく回転することができる。他の実施形態において、内輪133の表面166は、外輪137の平面表面168よりも低くすることができる。
図40を参照すると、内輪および外輪は、締結具および転がり要素の負荷を扱うための最小厚さの高強度の材料であり得る。オフセットを軸受に設ける代わりに、取付面に隆起環状ボスを設けることにより、1つのリングをオフセットさせて、取付面から自由に回転させることができる。
図6を参照すると、内輪133は最小の厚さであり、外輪137は、ベルトに適した厚さを維持する。パン軸受フランジ129の下側の環状ボスは、軸受内部において下方に突出して、上側平面表面166に到達する。軸受リング厚さを蓄積して
図41のようにオフセットが得られるようにする代わりに、このような材料が高重量のスチールの場合、より軽量の材料(例えば、アルミニウム)の取付面により、軸受平面表面に出会うように内側方向に突出することにより、スチールと代替することができ、その結果、位置決めデバイス101の合計重量が低減する。
【0079】
図6〜
図12および
図14〜
図16において、パン軸受127はターンテーブル軸受であり、ハウジングに堅固に連結された内輪133と、パンシャフトに堅固に連結された外輪137と共に構成される。同様に、
図17〜
図22のチルトデバイスの実施形態において、チルトシャフトギア131は、チルトシャフト105と強固に連結した外輪137およびハウジング壁に強固に連結した内輪133を備えたターンテーブル軸受である。
図17は、シャフト直径サイズ設定における柔軟性を示す。このような柔軟性は、各リングをフランジに取り付けることによって得られる。すなわち、チルトシャフトフランジ107の直径を極めて幅狭とすることにより、壁側部121中の穴を最小化することができ、あるいは、パンシャフト125のように極めて幅広にすることもできる。
図13は例外であり、いずれかのリングをパンシャフトに連結することが可能であることを示す。しかし、このような実施形態であっても、包括的な負荷取り扱いの拡大および圧入無しの簡単な取付が可能であるため、従来技術よりも大幅な向上が得られるが、シャフトギアとして自由に旋回する二重目的を果たす外輪によって可能となる一体化およびコンパクト化というさらなる利点は得られない。シャフトフランジ229は、外輪にオーバーハングするギア式滑車を有することにより、シャフトを垂直方向にコンパクト化しているが、ベルトおよび滑車の動きにおいてミスアライメントの増加および同心性の低下が発生する可能性がギア式軸受よりも高くなる。
【0080】
圧入軸受は、軸受およびシャフト構成要素をアライメントさせる高精度ボアおよびシャフト内に取り付けられる。これらの軸受上の高精度肩部は高価であり、また、近密公差および高品質表面仕上げを取り付けられた穴上に生成するのもコストがかかる。これは、フランジ付き軸受を下方にボルト留めする場合よりも高価な取付であるが、全シャフト構成要素をアライメントさせるには有効な方法である。本発明の分野は、軸受が損傷した際に、1つ以上の取り外し可能なレースを介した取付構造を修復できる利点を目的とする。取付穴付きの軸受は、取り外し可能な締結具を使用し、通常、平坦な面に取り付けられ、技術的に平坦マウント軸受として知られる。ターンテーブル軸受391は、取付穴395を備え得る。一実施形態において、取付穴395の一部または全ての内径はねじ山付きであり得る。ねじ、ボルトまたは他の適切な締結具を取付穴395を通じて配置して、ターンテーブル軸受391を他の位置決めデバイス構成要素へ固定することができる。ターンテーブル軸受の内輪133および外輪137は、取付穴395を備え得る。取付穴395により、ターンテーブル軸受391をねじボルトまたは他の締結具により他の物体に堅固に連結することができる。取付穴395により、(多くの交差ローラおよび平坦マウント軸受の場合に必要となり得る)軸受391の取付のためのプレッサーフランジおよび穴を設ける必要性も無くなる。
【0081】
シャフトのアライメントは、ペイロードの高精度の照準合わせに重要であり、そのため、シャフトのさらなる特徴として、回転位置感知装置の取り付けがある。この位置センサーを用いてモータの駆動を協調させて、ペイロードの所望の回転配向を実行することができる。また、単純なバイナリフラグによってリミットスイッチをトリップして、過度の回転を回避することができる。特定の角度を超える回転を機械的に回避する硬質停止部を備えるデバイスにおいて、このようなリミットスイッチによってモータまたはブレーキを起動させて、シャフト停止部がシャーシ停止部にバタンと衝突する事態を回避する。スリップリングを含まないシャフトの場合、ケーブルをシャフトに取り付けるかまたはシャフト内に進入させ、過度の回転に起因して、ワイヤの過度のたわみまたはさらにはソケットからのワイヤの引き抜きに繋がり得る。この回転位置感知装置は、シャフトに堅固に取り付けられたディスクまたは突出特徴を備え得、読取りヘッドにより、シャフトと共に回転するディスクまたは特徴の位置を感知する。この特徴は電機子であり得、事前設定位置を通過する際に読取りヘッド内の光線を遮断する。あるいは、磁石を電機子中に埋設することにより、リードセンサーまたは他の磁気センサーを起動してもよい。ケーブルが電機子の近隣にある場合、アームにケーブルが引っかかってケーブルが切断される危険性またはケーブルが引っかかってケーブルがソケットから抜ける危険性がある。この場合、突出アームの代わりに連続ディスクを用いることができる。このディスクは、読取りヘッドとアライメントした所定の基準位置において穴を有し得、これにより、光学読取りヘッドのビームを妨害するかまたは通過させる。ディスクはまた、磁気読取りヘッドをトリガするための堅固に取り付けられた磁石も1つ以上備え得る。より高度な位置センサーを挙げると、インクリメント符号化器および絶対符号化器がある。インクリメント符号化器は典型的には、パターン状ディスクであり、規則的に間隔を空けられた線または特徴により、光線を通過させるかまたは遮断し、または同様に磁界を発生させる。絶対符号化器は、符号化パターン中にさらなる詳細を有し、電子機器によって読取りヘッドを処理して、位置を知ることができ、バイナリフラグおよびインクリメント符号化器に必要な起動較正ルーチンは不要である。
【0082】
図17を参照すると、上記したのは、単純な機械的硬質停止部をチルトシャフトおよびチルトシャフト取付フランジ241と一体化することにより、フランジ表面628によりチルトシャフト鍵191を妨害する様子である。
図22に示す改変例において、チルトシャフトフランジピン108がシャフト取付ブラケット128によって妨害される。
図23中の別の実施形態において、ピン108は、チルトシャフトフランジ107の反対側の側部上に設けられ、カバー113の下側上の特徴109に衝突する。これらの停止部内にシャフトが高速回転すると、これらの停止部に損傷が生じ得るため、警告センサーをシャフトと統合することにより、シャフト回転位置を監視する。読取りヘッド146をハウジング111上に高い精度で配置することにより、チルトシャフトフランジ147上の特徴を読み出す。フランジ147は、堅固に取り付けにしてもよいしあるいは取り外しにしてもよく、鍵溝または(ディスクと真のシャフト位置との間の任意のアライメント誤差を低減するための)他のアライメント特徴を備え得る。シャフトマウント128,145が取り外し可能なブラケットである場合、ドウェルピン138により、シャフトと読取りヘッドとの間の真の回転読み出しの維持を支援することができる。同様に、チルトシャフト105の連結接合におけるドウェルピンまたは鍵溝により、フランジ147とチルトシャフトピン108のの機械停止部および屋根停止部109との間の近密な回転関係を保持することができる。ターンテーブル軸受131の穴396中のアライメントピン138によっても、ディスク147の角度アライメントを支援することができ、これにより、ディスク147はセンサー146の読み出しスロットに対して平行なままとなる。センサーおよび近密にアライメントされたシャフトを用いることにより、コントローラ573またはモータ中の一体型モータ制御電子機器は、シャフト回転角度を感知し、制動を開始して、機械停止部中への衝突を回避する。
【0083】
ターンテーブル軸受(例えば、391)の利点として、同一筐体中の複合軸受およびギアとして機能する点がある。軸受は典型的には、内側穴および外側円周を介してシャフトとハウジングとの間に取り付けられるが、取付穴を付加した場合、これらの表面が自由になる。従来技術においては、圧入または締結により、複数対の軸受に加えてギアまたは滑車がシャフト上に設けられ、その結果、背の高いシャフトがいくつかの高精度の段階的直径と共に設けられる。外側円周をシャーシまたはシャフト中に圧入しなくてよいため、ギア式リングを軸受外部周囲に圧入することができ、これにより、ギアまたは滑車を軸受外に形成することができる。ギア式リングの場合、極めて平行に取り付けないと、連結された駆動ギアまたはベルトを損傷する可能性がある。このような誤差の原因および別個のリングによるコスト増加を回避するために、平坦取付ターンテーブル軸受の外側円周中へギア歯を直接ホブすることにより、軸受およびギア/滑車の両方の機能を果たす単一のパッケージが得られる。このような統合により、信頼性およびサービス性が向上しつつ、システム複雑性、サイズ、重量およびコストが低減する。一体型のギア式取付穴を含む軸受は、スルーリング軸受の形態をとってきたが、軸受391の形態ではなかった。
【0084】
スルーリング軸受は、スプールまたはウォームギアによるギア式駆動のみに主に用いられてきた。この理由は、典型的な用途は、大型の高重量の、固定位置であるため、反動発生の可能性が低かったからである。新規の種類のスルーリングは常に小型であり、使用用途を挙げると、ソーラートラッカーおよび科学的ターンテーブル(よって「ターンテーブル軸受」)があるが、これらの軸受は今でも主にギア駆動の高重量のものであり、低デューティ動作において静的に展開される。これとは対照的に、本位置決めシステムは、さらなる構成要素統合を通じた小型化を目指す、常に小型のデバイスに関連する。本発明の位置決めデバイス中のターンテーブル軸受の直径は、約2.5インチ〜約12インチであり得る。しかし、より高負荷の実施形態においては、より大型のスルー軸受またはターンテーブル軸受(例えば、直径24インチ以上のもの)を用いることができる。モバイル用の小型用途において反動がほとんどゼロでありかつ歯の破断または噛み込みが無い場合、同期ベルト駆動型のターンテーブル軸受により、従来技術において用いられる軸受組み合わせの場合よりも、頑丈かつ小型の駆動をより高い動的複合負荷能力と共に得ることができる。また、ベルト付き外輪により、ギアを取り付けるかまたはシャフト中に直接切り込む際の別個のシャフトギアおよびシャフトを設ける複雑性も不要となる。小型のターンテーブル軸受を一体型滑車と共に用いるため、従来技術の場合よりも、システムコスト、複雑性、サイズ、および重量が低下する。また、本発明の位置決めデバイスにスケーラブル設計を導入することにより、より小型のまたはより大型の位置決めデバイスを生成することができ、対応してより小型またはより大型のペイロード能力も得られる。ペイロードのサイズおよび重量が増加した場合、この重量増加に対応するために、ベルトまたは歯の幅および歯プロファイルも増加させる必要がある。その結果、より厚い外輪ギア式表面が得られ、恐らくはより大型のギア直径が得られることにより、ギア減速比が増加する。ターンテーブルおよびベルトのスケールアップと共に、軸受負荷の取り扱い形状も単一行別形から2行および3行の別形へ変化して、より大きなペイロードおよびより大きなハウジングのさらなる重量を扱うだけでなく、転がり形状においても、より大きなペイロードにおいてトルク低下または剛性増加が必要かを考慮する必要がある(例えば、角度動きが極めて小さな照準長距離カメラの場合)。そのため、4点接触構成は、最小の位置決めデバイスにおいて最良の選択であり、それほどの高動的負荷はかからないが剛性が必要な場合には次善の選択として、単一行の交差ローラ軸受があり、負荷取り扱いおよび精度よりもサイズおよびコストが懸念されない場合においては、超二重角度型軸受が選択される構成となる。
【0085】
図42〜46に例示または記載の軸受構成のいずれかを選択することにより、位置決めデバイスの利点および向上を任意の直径軸受について達成することができる。様々なペイロード(すなわち、異なる負荷環境、コスト、重量、または他の要素の最適化についての顧客選好)に起因して、特定の種類の軸受を特定範囲の直径へ割り当てるための変数が多すぎる結果となる。そのため、一般的な推薦および最適を特定することができる。より重要な考慮事項として、選択された軸受構成が全種類の負荷を少なくとも中程度まで自身で扱う点がある。これにより、単一軸受を一対の軸受または、中間の連結器を備えた共有シャフト上で独立して作用する一対の軸受の代わりに用いることが可能となり、コストおよび複雑性が低下し、また、補完的に組み合わされた軸受の故障時における双方の軸受の最終的不具合も回避される。単一のターンテーブル軸受を補強するために低プロファイルの薄い軸受またはブッシングを付加することができるが、シャフト上に緩めに取り付けることで分解が可能となっているため、大型ターンテーブル軸受だけでも、いくつかの従来技術の軸受設計の場合よりも高い信頼性で全負荷ベクトルを扱ってもよい。
【0086】
ターンテーブル駆動の別の利点として、ギア回転を一貫して同心的に行うことが可能である点がある。軸受取付と同様に、圧入時において滑車またはギアがシャフト上に十分に平坦に配置されない場合があり、滑車が軸受軌道上に圧入され、この軸受アセンブリがその後シャフト上に圧入された際、この誤差は2倍になり得る。このミスアライメントに起因して、適切なベルト追跡、ギア噛み合いおよびペイロードの精度目的のためにバランスのとれた同心回転が所望される回転経路においてぐらつきまたはぶら下がりが発生する。このような不均一な動きが発生した場合、ギアまたはベルト歯のかみ合いのミスアライメント、不均一なベルト張力および不均一なトルク出力の原因となり得る。高精度を目指す用途においては、モータからの微小な入力に多対しても、駆動シャフトにおける出力を予測可能、反復可能かつ一貫させる必要がある。ターンテーブル軸受を平坦取付し、ギア歯を外輪上にホブすることにより、駆動の同心動きが圧入によって台無しになることが無くなり、より一貫した効率的な動きが可能となる。
【0087】
一実施形態において、パン軸受およびチルト軸受は、小型のスルーリング軸受またはターンテーブル軸受であり得る。ターンテーブル軸受391は、高い精度で製造され、内輪133と外輪137との間の遊びは、通常の軸受よりも固有に小さい。ターンテーブル軸受は、複雑性が低く、より低コストであり、より小型であり、より低重量の代替物であり、同様に遊びが小さな軸受組み合わせおよび交差ローラ軸受の代わりに用いられる。
【0088】
一実施形態において、本発明の目的は、5kmを超える標的を位置決めデバイスから視認および追跡することである。高事前負荷型軸受により、このレベルの精度を達成することができる。高事前負荷により振動が低減し、その結果、デバイスの照準(例えば、長距離におけるレーザおよびビデオカメラ)が向上し、ビデオのぼやけが回避される。本発明はまた、監視標的が自分が標的になっていることに気づくことが無いよう、極めて静音でなければならず、また、高事前負荷軸受により、可聴ノイズ出力も低減する。軸受への事前負荷により、永久スラスト負荷が導入されて、内部構成要素間のクリアランスから発生する変形または遊びが低減する。事前負荷の増加により、構造剛性と、負荷下における変位の傾向と、回転精度増加の利点が得られる。また、事前負荷により、逃げ、振動、玉軸受横滑りおよび可聴ノイズの低減の利点が得られる。しかしながら、より高い事前負荷は、長距離追跡などの微細な動きにおいて使用するモータインパルスを最小限にするための低い感度をもたらすブレーキフリートルクを増大させる。位置決めデバイスのチルトシャフトおよびハウジングは、1回転/秒まで回転することができる。この速度において、プロトタイプ軸受の可聴ノイズは、シールされた筐体を通じては聴こえないと予測されるごく僅かな高周波音である。本発明の位置決めデバイスの低速および低デューティサイクルの場合、軸受の連続動作からの熱が発生せず、低速であるため、ペイロードデバイス中へ有意な振動が発生することも予測されない。これらの理由のため、高事前負荷またはさらに中程度の事前負荷よりも、ブレーキフリートルクの追加によるコストがより重要である可能性が高い。
【0089】
軸受が事前負荷下に配置された場合、軸受において一定の弾性変形が発生する。事前負荷の1つの測定方法として、弾性変形を通じた方法がある。例えば、一実施形態において、パン軸受およびチルト軸受の場合の事前負荷弾性変形は、約0.0001〜0.0006インチであり得る。正方向の事前負荷により、(軸受の早期故障の原因となり得る)偽表面局所腐食の発生を回避することができる。パンおよびチルト軸受事前負荷は、軸受製造業者によって決定され、製造前に要望に添って調節することができる。一実施形態において、使用される玉軸受のサイズを変更することにより、事前負荷を実行することができる。事前負荷は、小型玉の軸受を付加し、玉と内輪および/または外輪間との間のクリアランスを測定することにより、決定することができる。その後、これらの小型玉を除去し、より大きな玉と交換して、所望の軸受事前負荷を得ることができる。玉の直径は、0.0001インチ以下の均一なインクリメントである。よって、適切な玉直径を軸受に挿入して、所望の事前負荷を得ることができる。事前負荷を変更する必要がある場合、玉を軸受から除去し、異なるサイズの玉と交換すればよい。
【0090】
低事前負荷により、チルトシャフトおよびパンシャフト上のトルク牽引を低減することができ、これにより、牽引に起因する任意の位置誤差を引き起こすことなく、極めて微細な動きを行うことが可能になる。他の実施形態において、チルト軸受またはパン軸受中においてぐらつきまたは遊びがみられる場合、より高い事前負荷値のボール軸受との交換が必要になり得る。ぐらつきまたは遊びは、レーザを使用して測定することができる。事前負荷の定量化のための別の手段として、歪みを用いた手段がある。歪みは、基準長さに対するボディ中の粒子間の変位を示す変形の正規化された尺度である。
【0091】
好適な実施形態において、軸受は、軸受の大きなパーセンテージ補完を備え得る。しかし、より大きな補完の軸受の場合、内輪および/または外輪中に形成されたノッチの付加が必要となり得る。内輪および外輪内のノッチをアライメントさせることにより、軸受の内輪および外輪の溝部中に玉を配置することが可能になる。このノッチ付加は、より低パーセンテージ補完軸受においては不要であり得る。例えば、50%までの補完の軸受は、ノッチ付加無しで組み立てることができる。しかし、67%補完の軸受の場合、軸受中に玉を取り付けるためにノッチ付加が必要となり得、また、玉追加により、より高い負荷能力を有する。一実施形態において、軸受の玉および内側および外輪を硬質金属(例えば、薄い高密度クロム(TDC))によってメッキすることにより、硬質接触表面を玉と内側および外輪による4点接触との間に得ることができる。
【0092】
軸受内に、軸受周囲における玉の均等な分散を保持するための玉セパレータを内側と外輪との間に設けてもよい。一実施形態において、セパレータは、Delrinまたは他の任意の類似の潤滑材料によって構成され得る。セパレータ材料による回転抵抗の差は大きくないが、単一の連続セパレータを軸受にアライメントするピッチで設けた場合、セグメント化されたセパレータに開口端部を設けた場合よりも、転がり抵抗は低下する。軸受中の回転抵抗のうち約90%は、4点接触設計および軸受の事前負荷から発生するものであり得るため、セパレータによる回転牽引への影響はほとんどない。滑らかであり、精確な位置決めデバイスに影響する重大な設計の課題は、知覚レベル未満のシャフトのミスアライメントの除去である。シャフトのミスアライメントの種類は、回転、軸、平行性、および角度が挙げられる。回転シャフトのミスアライメントは、ペイロード136と異なる仰角に位置決めされるペイロード134をもたらす。軸方向のミスアライメントにより、シャフトが軸受取付点間において静的に押圧または牽引(圧縮または張力)される結果、軸方向の事前負荷が近密圧入軸受などの構造上に付加される。深溝型ラジアル(コンラッド軸受とも呼ばれる)を従来技術のシャフトに組み合わせた場合、軸方向の事前負荷が不適切であると、軸受のラジアル負荷能力が大幅に低下し得る。平行方向のミスアライメントは、シャフトの同心性が低い場合または一対の軸受取付穴が完全に直線状ではない場合(すなわち、1つの穴が軸から外れている場合)に発生し得る。その結果、ラジアル方向の事前負荷が発生し得、回転の非一貫性、ラジアル負荷の低下および負荷能力の組み合わせが発生し得る。角度のミスアライメントが発生する場合としては、圧入が近密かまたは緩いかにかかわらず、軸受取付穴またはかみ合いシャフト端部が完全に平行ではない場合がある。その結果、モーメント事前負荷が発生し、また、モーメント負荷および軸受の複合的負荷能力が低下し得る。軸方向アライメント、平行アライメント、および角度アライメントの欠陥は、意図された設計パラメータからはずれてシャフト軸受を事前負荷することにより、軸受摩擦の増加、出発トルクの増加、一致しない速度、位置決めの精度および再現性、高振動環境における偽ブリネリングの増加、最大速度の低下、および負荷能力の低下、ベルトおよびギアの不適切なメッシュ、および不正確な回転位置の検知をもたらす悪い変化が発生する。
【0093】
ミスアライメントは、複数の方法においてシャフトアセンブリに導入される。シャフトが2つのバルクヘッドを貫通する場合、入口点を出口とアライメントさせる必要がある場合が多い。軸受を各バルクヘッドに取り付けて、シャフトを2点以上において支持することが多く、これらの軸受間のアライメントが合っていない場合、軸受の損傷が発生し得る。コンポジット整形またはプラスチック硬化などの作製技術、および、フライス削り用工具ではアクセスできない内部特徴を有する小型の実施形態においては、設計パラメータ内における軸受マウントの最終位置を制御できない場合がある。また、複数のピースおよび取付点を備えたシャフトは誤差が重なり、設置する際に誤りが生じるリスクが増大する。また、ミスアライメントは、シャフト、軸受、フランジ、またはハウジングの損傷または変形によっても発生し得る。
【0094】
設計段階で導入される可能性のある複数のミスアライメントの原因が存在する。回転シャフトは、段階的直径、フランジ、ギアまたは(軸受穴またはバルクヘッドを通じた取付を阻む)他の特徴を有する場合が多い。この点については、様々なシャフトピースの取付方向を説明することにより既述した。このことにより、シャフトを複数のアセンブリピースに分割することが必要であるが各ピースの境界面は、シャフトをミスアライメントする不完全性をもたらす。位置決めデバイスに対するより困難な課題のうちの1つは、取付可能/取り外し可能なフランジを備えた単一の管上シャフトを統合することである。一実施形態では、チルトシャフト105は、ハウジングの側部の1つを介し、取り外し可能な回転センサーフランジ147を介し、取り外し可能なチルトシャフトフランジ107を介し、かつ、ハウジングの第2の側部を介して通過するシャフトであり、各シャフト端に取り付けられたペイロード間の回転アライメントを完全にすることができる。ターンテーブル軸受にシャフトを連結する大きなフランジ107は、この処理により、完全にワンピースのシャフトとなることを防ぐことが必要である。このチルトシャフトは、高い度合のアライメントおよび強度を備えた取り外し可能なフランジ107を取り付けるための追加的な構造を必要とする。また、このシャフトは、各リップシール、穴、ベアリング、および取り外し可能なフランジ107,147を通過するために、直径において複数の段階を有していなければならない。強固なシャフトはまた、軸受間のミスアライメントを補正するものではなく、軸受を強固に設置するために高価な器具および成形加工を必要とし、したがって、二分するシャフトに関しては有益ではない可能性がある。すべてのピースの直径、これらの設置順序、および事前負荷の補正がないことにより、シャフトは、シャーシ/ハウジングへの組立てのために、アセンブリを2つ以上の部分にラジアルに分割することが好ましい。これら2つのシャフトの接面は、ミスアライメントを誘導する。
【0095】
一体型シャフトのようには複数の軸受をシャフト上に単一回の加圧で圧入できない場合、別個のシャフトピースが必要になる場合が多い。シャフトピースの締結は、ボルト、セットねじ、インラインピンまたは一体型クランプハブによって行われることが多い。ペイロードが確実に同一角度を向くよう、シャフトピースを角度を以てアライメントさせる必要がある場合、セットねじ、ピン138および鍵溝が用いられる。これらのさらなるかみ合い構造により、シャフトのサイズ、重量、複雑性およびコストが増加する。組み立てられたシャフトピースは、単一の材料ピースから作製されたシャフトほどの高強度にはならない場合がある。すなわち、ボルトおよび鍵溝が、(通常であればワンピースシャフトを通じて伝達される)トルクおよび衝撃負荷に起因して故障する。シャフトをより多くのピースに分割した場合、、ピースの公差および同心性の低減のために慎重な取り扱いおよび費用を行った場合でも、角度、軸方向、および平行ミスアライメントが増加する。このように複雑性が増加した場合、設計誤差およびアセンブリ誤差の可能性も高まる。アセンブリ技術者の間違い(例えば、ボルトへの不十分なトルク付加)または高振動環境に起因して、接続の緩みまたはシャフト不具合が発生し得る。
【0096】
ミスアライメントの問題を軽減するには、通常は全シャフトおよびシャーシ部分の機械加工公差の低減、おそらくはより微細な玉グレードへのアップグレードおよびアセンブリプロセスへの時間および費用が必要となるため、多大なコストがかかり得る。これらの高価な手段をとる前に、本発明の装置のシャフトは、インラインアライメントピン、クランプ、鍵溝、およびシャフトの端の接面でのミスアライメントを低減するためのシャフト連結器含むことができる。
図30を参照すると、チルトシャフト取付け部128および145は、側部321および323にアライメントピン138または他のかみ合わせ機構を含むことができる。チルトシャフト105のシャフトピースをアライメントするために、中心のクランプは、シャフト端とかみあい、回転可能にアライメントするためのセットねじ、インラインピン138、または鍵溝を含むことができる。
図33を参照すると、チルトシャフト105の端は、一方のシャフト端が、ボルトによって締結された他方のシャフトのかみ合い端部上を包含および制限するクランプ構造と一致する。また、セットねじを使用して、より大きなシャフト端を介して貫通することができ、より小さなシャフト端に圧入することができるが、これは弱い連結であり、自己ロック式のセットねじさえも、大きな振動および衝撃の負荷によりゆるくなる可能性がある。インラインピンおよび鍵溝は、重い衝撃負荷下での軸方向の移動を妨げない可能性がある。
【0097】
シャフトの接面に加えて、軸受は、完全に固定する際にアライメントされるものではなく、結果として相互に事前負荷される。軸受をボルト留めしただけの場合、取付面が十分に平坦でない場合の角度のミスアライメント、取付面深さおよび軸受断面が軸方向に制御されてい場合の軸方向ミスアライメント、または、取付穴パターンが軸からずれている場合の平行度のミスアライメントが生じる可能性がぬぐいきれない。これらのさらなるミスアライメントの原因を軽減するため、ハウジングおよびシャフトフランジの軸受ランドおよび取付面により平坦性および寸法公差を増加させることができ、アライメントピン138のための高精度に配置された穴により、平行ミスアライメントを低減することができる。しかしながら、これらの改良を行うためには、コストがかかる。
図39を参照すると、平面取付面166,168を極めて平坦にすることにより角度のミスアライメントを制限する必要があり、アライメントピン穴396により、軸受の高精度配置を可能にして、平行ミスアライメントを制限する。シャフトは長細型であり、軸受マウント点は別個に成長するため、公差を低減して、ミスアライメントを設計パラメータ内に抑える必要がある。
【0098】
小型の実施形態においては短尺シャフトを用いるため、容認できないミスアライメントは発生しないものの、高性能位置決め用途においてより大型の実施形態を用いた場合、影響が発生し得る。ターンテーブル軸受ランド166,168上の制御された平面公差を通じて、小型の実施形態のための適切なアライメントを達成することができる。これらのターンテーブル軸受ランド166,168は、取付面および穴の平坦性がアライメントピンおよび鍵溝と共に同様に制御される。シャフトマウント点間の距離が大きくなるほど、より高精度の公差が必要となる。コストおよび性能に重大な影響があるため、シャフトのミスアライメントを軽減するための効果および費用が保証される。成形加工およびアセンブリにおける過度のコストを回避するため、シャフト連結器を中間部として用いて、シャフトピースを噛み合わせることができる。たわみを備えた連結器は、軽い衝撃および減衰する振動を吸収しながら、ミスアライメントを中和するよう変形する。
【0099】
シャフト連結器は、直接シャフトかみ合いによって達成可能な強度よりも高強度のリンクにより、2つのシャフト端部を噛み合わせる。2つのアルミニウムシャフト端部に単純な形状を設けることによりコストを低減することができる一方、連結器により複雑なかみ合い特徴を設けることができる(例えば、クランプ、ボルト、アライメントピンおよびセットねじ)。連結器を構成する材料は、シャフトよりも高強度である(例えば、アルミニウムシャフトの連結のためのスチール)。その結果、クランプ、鍵溝および他の応力取り扱い特徴の壁を薄肉化することにより、アセンブリの量を低減することができる。多くのシャフト連結器は、シャフトのミスアライメントという重大な問題を軽減する特徴も有する。
【0100】
本発明のデバイスに統合される好適な種類のシャフト連結器は、予想される種類の各ミスアライメントを補正しなければならず、中空の穴を介してワイヤを通過できなければならず、かつ、2つのシャフトに電気的に接合するために導電性でなければならない、中空の穴、高度のミスアライメント耐性、および電気導電性を備えたシャフト連結器は、ビームタイプ(「らせん型」連結器とも呼ばれる)がある。このタイプにおいて用いられる一体型屈曲部において、中央部分の材料をらせん状に切断して、らせん型コイルを得る。これは、単一ピースでありるが、多くの他の種類においては、別個のゴム可撓性ディスクが挟まれることにより、電気的に絶縁される。肉薄コイル構造は、堅固にでありながら一定のバネ作用も持つため、数度の角度のミスアライメントを受容およびオフセットさせ、平行および軸方向ミスアライメントにおいて数千分のインチをオフセットさせる。このらせん型構造をより可撓性に構成することにより、より緩い機械加工公差およびアセンブリ精度を許容することができるが、その場合、剛性、トルク能力、軸負荷能力、および疲労強度が相応に低下する。本発明のデバイスの場合、シャフトに取り付けられたペイロードは、相互に回転的に正確にアライメントし続けなければならず、機械加工公差は過度のコスト無く合理的に±0.001〜0.002インチに収めることができる。一定の堅固に屈曲部により、予測される小ミスアライメントを吸収することができ、肉薄コイルに関連する疲労故障の危険性の増加も無い。
【0101】
このような連結器は、2つの軸受間のミスアライメントが発生し得るチルト実施形態またはパンスルー−シャフトの実施形態において有用である。
図23を参照すると、らせん型シャフト連結器188は、チルトシャフトピース186,187と噛合する。チルトシャフトピースの端部に鍵溝を設けて、連結器中の鍵とアライメントさせて、シャフトピース間の回転アライメントを維持することができる。連結器の各端部におけるクランプにより、各シャフトの端部周囲を締結して、トルクを転送することができる。連結器クランプ間にバネ状ベローズを設けることができる。バネ状ベローズは、撓むことにより、シャフト186,187中の数度のミスアライメントの静的負荷を吸収することができる。このベローズは、チルトシャフトに沿った振動移動を減衰させることができる。連結器およびその一体型屈曲部は、堅固なシャフトに対して比較的繊細であり、屈曲部は、所与のシャフトアセンブリにおいて最も脆弱なリンクであり得る(特に、ベローズまたは軸方向衝撃の負荷の疲労たわみからのもの)。そのため、屈曲部は、最も早期に不具合が出る可能性がある構成要素である。理想的には、連結器188のサイズは、負荷閾値において故障するようなサイズにするとよい。この負荷閾値を少しでも下回ると、取り付けられた軸受に損傷が発生する。連結器188は、例えば倒壊ゾーン、犠牲リンクまたは機械ヒューズなどのように機能して、軸受およびシャフトを損傷から分離する。このような連結器は、シャフト保護のために疲労寿命の調整および破壊点の設計を行うための、7075−T6アルミニウム、硬化スチール、ベリリウム、または他の高強度材料であり得る。連結器はボルト留めする小型部材であり、一般的に廉価であるが、軸受およびカスタムシャフトは比較的高価であり、位置決めデバイスの分解および修理のために時間およびコストがかかる。そのため、シャフト連結器の使用により、システム性能が増大し、構成要素コストは低減するか相応であり、より廉価な修理を通じて、製品の寿命にわたってさらなるコスト節減が可能となる。
【0102】
本デバイスの適用が、柔軟に連結する、低度の軸方向負荷能力を受け入れることができない場合、ラジアル軸受144は、
図40のギア調節されていないターンテーブル軸受などの軸方向負荷を吸収する軸受と交換できる。すなわち、このような二重型ターンテーブルシャフトは、負荷を共有しないが、ミスアライメントのために補正するために、中間にらせん状の連結器を安全に含むことができる。2重4点型軸受は、駆動摩擦を増加させ、摩擦力および添加した開始トルクが許容可能でない場合、強固なインライン連結器を使用しなければならず、このことにより、限定したミスアライメントを修正する。
【0103】
シャフト連結器の一般的ではない改変として、角度位置感知のためのフランジがある。このフランジは、マーキング、磁石または(ハウジングに取り付けられた読取りヘッドによる読み出しが可能な)他の特徴を備え得る。この特徴により、シャフトへ締結された別個のフランジまたは符号化器ホイール(例えば、
図22中のチルトシャフト位置ディスク147)の場合よりも、特徴の真の位置を向上させることができる。また、このような統合により、コスト、複雑性、取付の労力が低減し、信頼性が増大する。
【0104】
位置決めデバイスは、機械的な駆動を介してシャフトを回転するモータを介してペイロードを回転する。パン/チルトにおいて用いられる最も一般的な駆動は、ウォームギア駆動であり、ギア式のターンテーブル軸受およびスルーリングは、ほぼ排他的にギア式のスプールギア用のギアである。本発明の実施形態は、モータロータ上のギアボックス、モータロータに取り付けられたスプールギアまたはターンテーブル軸受を駆動するウォームギアを採用することができるが、ギア式駆動の場合、モバイル配備装置の振動および衝撃下において、反動および歯損傷が発生する。このような環境においては、ベルト駆動を採用すると好適である。
【0105】
位置精度、精度および反復可能性は、近年のギア駆動およびベルト駆動において求められてきた主な最適化であるが、ポジショナのモバイル展開により、加速および他の摂動(例えば、車両が道路のくぼみ上を走行するには、安定したプラットフォームの場合よりもより多くのトルクを用いてシャフト位置を安定させる必要がある)があることが判明した。そのため、モバイルポジショナは、外部加速を考慮して、ボート、車両、飛行機または他のモバイルプラットフォーム上における移動、動作のために、負荷能力を低下させる必要がある。従来技術の場合、製品の公称トルク能力を現場での動作において低下させることにより、加速による影響を認識する。本発明は、固執されてきた無頓着な高重量のギア駆動設計分野において新規のベルト駆動位置決めを提供する。このような新規のベルト駆動位置決めの提供は、より高いトルク対重量比の提供、トルク対体積比の提供、歩行に耐えるベルトの提供、位置登録用途においてかつてないトルクを提供する歯プロファイル、ベルト保持特徴、低摩擦伝動機構、湿気および破片による軸受の腐食および滑車表面上への沈降を回避する環境シール、シャフトを外部の動的加速に対して安定させるための高速応答を有するモータにより、可能となる。
【0106】
従来技術のベルトの駆動は、ラチェットからの位置損失に弱いと見なされていたため、ベルトがトラックから外れた場合に現場での修理が必要となり、位置登録および高トルクをいずれとも必要とする駆動には不適切であった。ベルト技術における近年の進歩により、幅およびピッチが同じベルトにおいて、トルク能力は倍加している。例えば、標準的な曲線歯プロファイルは、従来技術のベルト駆動位置決め装置に共通する台形状歯よりもはるかに高いトルク能力を備え得るが、高精度位置決めには適していないまたは最適でない場合がある。そのため、本発明の位置決めデバイスにおいては、標準的な曲線歯よりも台形歯プロファイルの方が適している。しかし、他の実施形態において、変更された曲線歯プロファイルの場合、台形および標準的曲線双方において性能の利点がある。変更された曲線歯は、台形プロファイルのトルク能力を倍加させることができ、高いトルク能力のために位置精度がわずかに犠牲になっている点において特徴付けることができる。また、変更された曲線歯は、標準的曲線歯と比較して大幅に向上した位置登録痕跡を提供する。これらのベルト特性により、ベルト伸長による位置誤差および反動がほぼ回避される(例えば、米国特許第7,824,284号「Power Transmission Belt And Cord Adhesive System And Adhesion Method」および米国特許出願公開第2011/0005675Al号(名称)「Power Transmission Belt And Cord Adhesive System And Adhesion Method」)に開示)。本明細書中、同文献の双方を参照により援用する。
【0107】
繊維ガラスまたは炭素を張力繊維としてベルト内において用いた場合、ベルトの伸展が低下し、時間および動作とともに、ベルト張力が円周と継続して一貫する。適切に張力付与されたベルトにより、トルク能力が維持され、ラチェット型が回避され、ベルトの埃汚染が回避され、また、捻り巻きが無いため、極めて高精度のモータ入力が可能となり、その結果、極めて高精度のパンまたはチルトシャフトの動きが可能となる。また、繊維コードを用いたベルト構造方法により、コード中に捩りが導入されるため、ベルトがトラックから外れる可能性が低くなる。最も同期型のベルトは、「S」字型の時計回りおよび「Z」字型の反時計回りに捩られたコードと共に作製されて、滑車フランジ上へのベルト追跡力が最小化される。
【0108】
これらのベルトは平坦であり、軸受およびパンモータギアおよびチルトモータギアの外径のベルトおよびかみ合い溝部上において成形歯を備え得る。歯を軸受およびモータギアと正方向に係合させることにより、平滑な転がりを低摩擦で得ることができる。この正方向の係合により、高精度のシャフト同期と、滑りおよび速度損失の回避と、ほとんどの鎖駆動よりも高速における同期動作とが可能になる。同期ベルト駆動は、摩擦デバイスではない。これは、正方向の係合駆動であり、ベルト歯と滑車溝部とのかみ合いに依存する。同期ベルトの出力伝送効率は、最大98%であり、この効率が維持される。スリップ無しの特性により、電源と被駆動ユニットとの間の高精度同期が可能となる。同期ベルト駆動は、インデキシング、位置決めまたは一定の速度比が必要となる用途において極めて有用である。ベルトは、ギアまたは鎖駆動よりも動作音がより静かであり、より廉価であり、より高効率であり、また軽量でもあることを含む多くの利点を有する。また、タイミングベルトの場合、タイミング鎖またはギアの場合に不可欠な潤滑が不要である。位置決めデバイスのベルトは、軸受またはモータギアの外径上の対応する台形または曲線歯と係合する台形歯または変更された曲線プロファイル歯を備え得る。
【0109】
図35を参照すると、位置決めデバイスの実施形態401の平面図において、チルトベルト116がチルトモータ114およびチルトシャフトギア131双方を包囲している様子が図示されている。チルトベルト116の内面およびチルトシャフトギア131の外面は、チルトベルト116およびチルトシャフトギア131間の滑りを回避するための対応する歯を備え得る。
図34を参照すると、デバイス401の前断面図において、チルトベルト116の断面が図示されており、他の開示の前断面においては視認できないチルトモータおよびチルト滑車の露出された正面図が図示されている。チルトベルト116の内面およびチルトモータギア114の外面は、チルトベルト116とモータギア114との間の滑りを回避するために、対応する歯を備え得る。パンシャフトは、同じ構成要素配置構成を有し得、パンモータ102のパンモータギア104は、パンベルト106によりパン軸受127の外輪137に連結される。パンベルト106の内面および外輪137の外面は、パンベルト106および外輪137間の滑りを回避するために、対応する歯を備え得る。
【0110】
特許請求の範囲中に記載される位置決めデバイスなどの位置登録デバイスにおいては、高精度かつ反復可能な張力をベルト、ケーブルまたは鎖連結へ付加して、位置登録用途に必要な精度で動作させる必要がある。連結部に過度な張力が発生した場合、ベルト中の引張鉄筋に損傷が発生し得、摩耗が増加し、歯せん断が発生し得る。また、過度の張力付与に起因して、他の駆動構成要素(例えば、軸受、シャフトおよびモータ)上への負荷も過度になり得る。軸受上において回転するモータロータが限られたラジアル負荷能力を有する場合、過度の張力に起因してロータアセンブリがたわみ得、偏心回転およびトルクの不一致に繋がり得る。張力不足の場合、ベルト包囲の低下、係合歯の減少、トルク能力の低下、歯としてのベルトのラチェットの溝部からの滑り落ちに繋がり得る。ラチェットによりベルト歯が摩耗し、システムがモータおよびシャフト回転位置を追跡できなくなる。
【0111】
ベルト、ケーブルまたはローラーチェーンを取り付けて張力を付与するためには、従来技術の場合、モータをプレートへ取り付ける。これらのプレートは、ベルトに張力を付与した後にロックするように、調節される。典型的には、モータマウントプレートに設けられたスロットは、位置決めデバイスシャーシ中のねじ山付き穴とアライメントされる。このようなスロットのサイズは、プレートおよびモータがラジアル方向においてシャフト滑車に向かって移動してベルトを包囲した後、ラジアル方向に滑車から離れる方向に移動してゆるみを除去するようなサイズにされる。
【0112】
調節およびロックダウン方法において、システムの調節可能入力または出力シャフトへ力が直接付与される。。。バネ付加型滑車/アイドラー方法と同様に、適切な張力付与のために、ベクトル力分析が推奨される。同様に、旋回点の周囲で調節を行う場合、発生モーメントを必ず計算してください。シャフトへの負荷の付与は、様々な方法で行うことができる。2つの一般的に使用される方法として、静的重量またはバネスケールを調節可能シャフトへ取り付ける。駆動を設定した後、音張力方法は、ベルト張力を決定する一般的な方法である。。。この方法においては、単一範囲のベルトの「プラッキング」によって発生する音波を用いる。プラッキング範囲の中間においてマイクロフォンをベルトの真上に保持して、周波数を測定する。取り付けられた張力が変化すると、周波数も変化する。既知の取り付けられた負荷をベルトへ付与することにより、周波数を張力へ相関付けるグラフが得られる。周波数値が決定されると、ベルト張力を適切な値に調節することができる。(ベルト製造業者の精度タイミングベルトの技術マニュアルより)
【0113】
従来技術においては、技術者がモータを手動で調節可能プレート上に締結する必要があるため、一般的には張力の不一致が発生し、その結果、同一モデルの製品間において動きおよびトルク能力の不一致が発生する。工具を開発することにより、より一貫したたわみを発生させることが可能であるものの、取り外し可能な工具が近密パッキングされたハウジング内に適合しない場合があり、また、デバイスが工場から出荷された後に工具が張力損失に対処できない場合もある。モータマウントプレートは、保持位置へボルト留めされ、ボルトヘッドの摩擦のみで、張力付与されたベルト/鎖がモータをけん引する事態が回避される。位置決めデバイスの使用の高衝撃および振動環境において、これらのボルトが緩むかまたは単に故障して、スライドを回避できないおそれがある。非弾性張力ストランド(例えば、繊維ガラス)を用いたより新規のベルトの場合、フル張力における伸長は、小型ロボット中のベルト長さのわずか0.1〜0.2%である。そのため、小さな滑りであっても、駆動のベルトおよびトルク能力のグリップが大幅に低下し得る。
【0114】
当該分野においてベルトの位置決めおよび位置の維持を行うための1つの選択肢としてカムプッシャーがあるが、この非可撓性の変位機構の場合、製造不一致、取付誤差に耐えることができず、係合時においてモーメント負荷がモータプレート内に発生し得る。ベルトへの別の張力付与の方法として、調節可能なアイドラー滑車および固定モータの組み合わせがある。アイドラー滑車を手動で配置して、ベルトを既知の十分な距離だけ調節に撓ませて、その後、所定位置にロックすることができる。外部のアイドラー滑車により、モータ駆動滑車におけるベルトたわみを増加させることができ、これによりトルク能力が増加するが、この滑車に起因して、体積、重量、複雑性およびコストが駆動設計において増加する。このアイドラーによる解決法の場合、調節可能なモータプレートの手動締結に起因して同様に精度低下および不一致が発生し得、また、アイドラーマウントも、位置保持のためのボルトヘッド摩擦に依存しているため、不具合が発生し得る。振動に起因してボルトねじ山が緩み得るが、衝撃がボルトヘッド摩擦を超える可能性が高い。トーション部材(例えば、バネ)を用いて、変更可能な大きさの一定の力を付与して、アイドラーのたわみを変化させることができる。デバイスに衝撃が発生した場合、バネは、ボルトヘッドの緩みの原因となり得るベルト衝撃を吸収し、減衰させることができる。しかし、この可変張力に起因して、衝撃時にトルクおよび位置決めの速度が変化し得る。高精度位置決めデバイスの場合、全条件下において動作を維持するために、高衝撃イベント時において一貫したトルクが必要になる。
【0115】
図48を参照すると、ベルト駆動の正面断面図においては、調節およびロックダウンモータアセンブリをギアトラックアセンブリによって向上させることにより、ベルトへ徐々に張力を付与し、衝撃および振動下において張力を保持する。パンモータ102は、スライドするモータマウントプレート282に堅固に取り付けられる。プレートは、プレート、シェルフまたはハウジング111のフロアに堅固に取り付けられたレールスタンドオフ669上において調節可能にスライドすることができる。ハウジングレール669およびモータプレート282の厚さは、モータギア104を平行にシャフトギア127へアライメントするようなサイズにされ、ベルト106によりギア間の出力転送が行われる。ハウジングレール669は、モータプレート282をロックするための少なくとも2つの取付点を備え得る(例えば、ねじ山付きインサート)。モータプレートは、締結具を部分的にレール669中にねじ込むために、ねじ山付きマウント点と重複するスロットを備え得る。その後、モータプレートは、スロットの制約内において調節される。スロットを含むモータマウントプレート282上のねじにより、ヨー、ピッチ、ロールおよびYおよびZ平行移動が制約される。X方向においてわずか1度の自由が残留しているため、これに沿って組立て技術者がレートを移動させてベルトに張力を与える。
図49を参照すると、モータ調節プレート282がラジアル方向において回転シャフトから離れる方向に移動すると、モータマウントプレート282に堅固に取り付けられた線形のギアトラック685は、ハウジング111に堅固に取り付けられた歯止め680と係合し得、またその逆も成り立つ。ハウジング内へ締結された肩ねじ684は、トーションバネ682および歯止め680を備え得る。歯止めおよびバネは、肩ねじの周囲で回転する。一実施形態において、肩ねじ684は、18〜8のステンレススチールの高精度スロット付き肩ねじであり、1/8インチの肩直径および3/8インチの肩長さを有し、4〜40のねじ山を有する。トーションバネ682により歯止め680が押圧されると、一定の力が付与されて、歯止めの先端がギアトラック685と接触する状態が保持される。ギアトラックが歯止めを通過すると、歯止めがギアトラック中の歯に噛み込んで、反対側の方向における移動を回避する。ギア歯を角度付けすることにより、歯止め680を上において1方向において滑走させて、他方の方向においてロックさせる。歯止めがクリックされる度に、モータマウント282は、ベルト106上への張力を別個にインクリメントする。上記したベルトの場合、弾性変形はごく僅かであるため、ギアおよび歯止めの係合は動き範囲は幅狭であり得、ギアトラック685の歯および歯止め680の先端を極めて微細にして、ベルト106の張力において極めて微細なインクリメントを得ることができる。技術者は、個別のインクリメントにより、極めて反復可能な張力をベルト106中において達成することができる。線形のギア685の微細歯および歯止め680への損傷を回避するために、これらの特徴の材料は、チタン、ツールスチール、または他の極めて硬質の耐摩耗性の材料であり得る。測定器具(例えば、音張力測定器)を用いて、適切な張力を確認することができる。人間がモータプレート282を手で保持する必要は無い。すなわち、数回の測定を行い、相応の調節を行った後、締結具を完全に締結して、モータ102を所定位置にロックする。次に、ギアトラックアセンブリおよびボルトヘッドを協働させて、高振動および衝撃において張力を維持する。ギア685および歯止め680を係合解除するために、突出特徴である歯止めロックピン681があり得る。歯止めロックピン681は突出しているため、歯止めロックピン681を引くことにより、歯止め680をギアトラックから離れる方向に移動させることもできるし、あるいは、歯止め中に穴を設けて、器具を挿入し、歯止めをギア685から引き抜くことも可能である。この特徴681により、歯止め680を解放して、ベルト106をゆるめることができる。
【0116】
図59を参照すると、調節可能なモータマウントの別の実施形態において、ねじ671を回転させて、くさび670をハウジングとチルトモータマウントプレート115との間で駆動することができ、類似のねじくさび配置構成がパンモータアセンブリに用いられる。1990年5月1日に公開の表題が「Rotary−pallet system」である米国特許第4921378号において、固定具および金属ストックを高い精度でCNC機械加工するように高精度かつ確実にクランプするように調節されたくさびの配置構成が記載されている。
図51〜53を参照すると、くさび万力がある。ねじ671が締結されると、くさび670が顎部673間において駆動されて顎部673をずらす。
図52を参照すると、くさび670を左側部および右側部上において角度付けして、一対の顎部673を均等に変位させる。これは、ねじ671のためのねじ山付き穴を2つの部品間の中間点において高い精度で配置することができるCNCジグにおいて有効である。しかし、ベルトへの張力付与を予測することはできない。1つの顎部673が固定表面と接触した後に他の顎部と接触した場合において、ボルト671を続けてねじ留めすると、第1の頸部が固定表面に押圧されて、モーメント負荷がねじ山中に発生し得る。
図56を参照すると、くさび670の左側を角度付けして、左顎部673のみが左側に変位するようにし、第2の顎部は角度付けしない。くさびの右側部は垂直であるため、側方の力を付与するくさび作用は無い。左顎部673が表面と接触した場合、側方において負荷が右側に発生するが、右顎部673は、ボルト671のねじ山上への力を均等にするバックスタップとして機能する。この右頸部は、万力に対する強固な取付点とすることができる。顎部を半永久的な場所にアンカー固定するために、顎部は、締結具のための穴を備え得る。
図54〜67を参照すると、頸部673は、頸部を固定する一対の締結具を含むことができる。下側のプロファイル顎部アンカーは、アライメントピン、ダブテール、溝部中の舌部または他の鍵であり得る。位置決めデバイスにおいて用いられる全締結具と同様に、ねじ671は、ねじ山ロックコンパウンドを備え得る。このねじ山ロックコンパウンドは、現場における緩みを回避するために付与され、好適には非永久的処方により、誤差修正およびメンテナンスを可能にする。
【0117】
図58を参照すると、角度付き顎部673を、パン軸受フランジ129およびモータマウントプレート115,282と一体化させる。
図60を参照すると、位置決めデバイス101の部分側面断面において図示されるチルトアセンブリにおいて、ボルト671を回すと、くさび670が下降し得る。チルトモータマウント115上のかみ合いスロープ頸部673により、くさび力そのものは下向きだが、モータがラジアル方向においてチルト軸から離れる方向にスライドする。パン軸受フランジ129と隣接する頸部673は、チルトモータマウントの対向する力に起因してボルト671に側方負荷が発生することおよびねじ山のミスアライメントが発生することを回避するバックスタップとして機能することができる。ボルトが締結されると、チルトモータマウント115および取り付けられたチルトモータ112はチルト軸から離れる方向に移動して、チルトベルト116のゆるみを徐々に取り去る。非永久的なねじ山ロックコンパウンドをモータマウントねじおよびくさびボルト671へ付与した後、張力付与を行って、衝撃および振動に起因する固定位置からの解放を回避する。
図59を参照すると、顎部673は、モータ102および取り付けられたマウントプレート282を制限するパンベルト106の張力にと対向しながら、くさび670は、パン軸受フランジ上の接合を介してハウジング111と接触することができる。ねじ671が締結されている際、くさび670は、顎部673およびパン軸受フランジ129の接合点の間で駆動される。顎部が拡張すると、モータマウントプレート282がラジアル方向に変位する。万力顎部673の端部は、ハウジングおよびモータマウントプレート282をグリップするための粗いギザギザの表面を備えることができる。上記のモータ調節特徴のうち1つ以上を用いて、現場におけるおおまかなサービスの間中、張力付与された伝動機構を備える位置決めデバイスを高い精度で張力付与し、この張力を保持することができる。
【0118】
屋外および工業的環境におけるロボット工学的かつ電子的動作を行う場所は、ほこりや湿度の侵入により、故障する可能性を有する。
図30を参照すると、ハウジング111動的シール152内の内部構成要素を保護するために、静的シール156および空気弁150を用いて、内部構成要素を外部環境から分離することができる。シールおよび内部加圧によって提供される空気および液体流体障壁により、ガス、流体および固体汚染物質(例えば、埃)のハウジング111内への進入または残留を回避することができる。
【0119】
ハウジング111内に固体の汚染物質(「埃」)がある場合、電子機器が損傷し、光学デバイスの障害となり、位置決め駆動機構の平滑な動きのつまりが発生し得る。埃に起因して摩擦が増加し得、回転機構のための走行および破壊フリートルクが増加し、最終的に駆動機構不具合に繋がり得る。これらの埃粒子は、動く構成要素(例えば、モータおよび軸受)中の潤滑剤を妨害し得、これらの潤滑剤を乾燥させて、高粘性の不快な粗い状態になる。その結果、グリースの熱転送能力が低下し得、高精度の移動部分においてホットスポットおよび熱膨張につながる。これらの粒子により、小さなスピードバンプが平滑な滑走動きが必要となる軸受要素間に発生し、その結果、軸受要素の高精度研磨表面が摩耗する。これらの望ましくない影響は、振動増大、スリップスティック振動、およびトルク牽引として位置決めデバイス301において観察される。
【0120】
本発明の目的は、封入された構成要素の全てを環境的脅威から保護することであるが、軸受391,144は、流体、ガスおよび埃からの第2の防衛線として面シールを備え得る。
図42を参照すると、軸受391の玉135および軌道を、面シール160によって被覆および保護することができる。面シール160は、汚染物質からの保護のための主要シールとして軌道上に取り付けることができる。面シール160の内径および外径は、内輪133および外輪137内に形成された溝部397内において適合およびスライド可能なものであり、面シール160を平面(すなわち、内輪133および外輪137の表面)に対して凹状にしてもよい。これらの面シール160により、軸受135を流体、ガスおよび埃への露出からさらに保護することができる。シールされた筐体により適切な保護が得られるが、面シール160により、出荷および組み立て時において軸受を保護することもできる。面シール160は、様々な材料によって構成することができる(例えば、Buna−Nニトリル、黒色ゴムまたはポリテトラフルオロエチレン(「PTFE」)。PTFEの場合、潤滑特性により、軸受を広範な化学物質および過酷な環境において生存させることができ、従来技術の高静摩擦駆動に関連する過度な牽引およびスリップスティック振動も発生しない。
【0121】
かみ合いスプールまたはウォームギアの歯上に埃がある場合、同様に摩耗、振動および摩擦トルク損失に繋がり、さらには歯上の摩耗増大により、駆動における反動増大につながる。ベルト駆動においては、ベルトおよび滑車の歯上の埃により機械グリップが低下し、その結果、ベルトラチェット/スリップの発生前に達成可能であったトルク出力が低下する。また、埃によって内部電子構成要素が被覆または分離される場合もあり、その結果、過度の加熱および不具合につながる。位置決めデバイスは、埃によって被覆された場合に適切に動作することができない光学符号化器およびリミットスイッチも備え得る。ハウジングと一体化された光学ペイロードの場合も、光学表面上に堆積した埃に弱いため、画像品質またはレーザ伝送効率が低下する。
【0122】
図23を参照すると、水没、雨濡れ、湿気の多い空気などの作用を介して、流体および凝縮ガス(「湿気」)がハウジング111中に侵入する。あるいは、封入された回路基板内に封入されたエッチャントをガス処理した場合、電子機器の短絡に繋がり得、光学表面上に凝縮し、金属を腐食させ、かびが発生し、また回転機構に損傷が発生し得る。重量および強度の最適化のために様々な材料が相互に接触しているデバイス(例えば、炭素繊維およびチタンまたはアルミニウムおよびスチール)の場合、湿気は特に問題になる。これらの材料の組み合わせ間において、高ガルバニック電位が発生する。この理由は、湿気の存在がガルバニック腐食を媒介するからである。締結具中に腐食が発生した場合、接合の固着が発生し得、装置の修理の妨げとなり、ボルトが折れた場合、永久損傷となり、長期間の修理が必要になる。本位置決めデバイスにおいては、ねじ山付き締結具(例えば、KeensertおよびHelicoil)を埋設することにより、締結具接合部における腐食の影響を低減するが、他の構成要素は弱いままとなる。軸受構成要素内に設けられた高研磨精度の表面積は、湿気に起因する腐食に対して極めて脆弱である。腐食に起因して動きが固着されると、平滑な表面中に穴が開き、その結果、回転構成要素の振動が増大する。腐食に起因する材料損失に起因して、軸受の負荷能力も低下する。ベルト歯上に湿気があると、かみ合いギアとの機械グリップが低下し得る。水によっても短絡が発生し、内部電子機器が腐食し、凝縮が光学符号化器、リミットスイッチと干渉し、ハウジング111と一体化されたペイロードの光学レンズを曇らせる。
【0123】
従来技術においては、シャフトとハウジングとの隙間を密閉するために円形の静的シールが用いられてきたが、これらのエラストマーリングの場合、双方の表面を密閉するのではないため、エラストマーがすぐに摩耗し、リングコイルが溝部から突出するため、軽い流体およびガス圧力でさえもシールによって食い止めることができなくなる。位置決めデバイス101に含まれる1つ以上のシャフトは、間欠的な動的回転移動を行い、お動的回転シャフトシール152を用いて、環境からの適切な保護を達成する。
【0124】
動的シール152を移動部分間に取り付けることにより、埃および湿気の侵入を制限することができる。例えば、動的シール152をハウジング111とパンシャフト125との間に取り付けることもできるし、あるいは動的シール152をチルトシャフト105およびハウジング111の周囲に取り付けることもできる。パンシャフト125の上部は、ハウジング111の凹状領域内にはめ込まれ、シール152は、ハウジング111の下部の近隣のパンシャフト125の周囲に設けられる。シール152も、ハウジング111の第1の側部121および第2の側部123双方のちょうど内部のチルトシャフト105の周囲に設けることができる。
【0125】
図5、
図6、
図11、
図23および
図34において、パンシャフト125は実質的に同じであり得、シール152も同じであるかまたは実質的に同じである。
図5において、シール152は、ハウジング111の下部において凹状領域内に設けられ、シャフト125内のより大きな直径ステップにより、シールグランドへの入口を幅狭とすることにより、シール152を破片による直撃および爆発インパルスから保護する。
図12〜
図14において、小直径のパンシャフト225を用い、シール152は、シャフト225との接触を維持するために直径が制限されている点以外は、より大きな直径パンシャフト125上において用いられるものと同じである。
図13において、パンシャフト225は、シールグランド入口を保護するためのステップまたはフランジを持たないが、環状フランジ155をグランドの入口へ取り付けて、シールドを得ることができる。同様に、
図22を参照すると、ハウジング上の第2の側部123上のシール152は、ラジアル方向に拡張されて
図23のより大きな直径のチルトシャフト105をシールする点以外は、
図23中のシール152と同じである。シール152と接触しているチルトシャフト105の直径を同じサイズにすることにより、コスト削減および在庫効率を実現することができ、その結果、同一のシール152が得られ、単一の部品番号をシール152に用いることができる。
【0126】
外部環境からの埃および湿気は、高い力(例えば、ハリケーンの風、圧力洗浄器の噴射、砂嵐または爆発)下においてハウジング111に侵入し得る場合が多い。
図47を参照すると、動的回転シャフトシールがシールグランド中において図示される。動的シール152は、雰囲気体積に対向するシールの開口部およびハウジングの内部に対向する閉鎖部と共に「C字型」形状を有する。この構成において、ハリケーンの風または戦場における爆発などにより雰囲気圧力が内部圧力を上回った場合、雰囲気圧力により、シール152の直径が拡張する傾向になる。これとは対照的に、内部圧力が雰囲気圧力を上回ると、静的シールが突出するかまたはハウジングが爆発する前に、シール152が圧縮されて内部ガスが逃げ得る。位置決めデバイス101が低圧力(例えば、爆発波の谷)に晒された場合または高高度にある航空機に取り付けられた場合、動的シール152が「)(」のような配置の二重シールとなり得る。二重シールは、内向きの「C」字型シールを備え、ハウジング内の圧力を保持する。一実施形態において、シール152の内部容積をバネまたは他の機械デバイス252で負荷を与えることができる。バネまたは他の機械デバイス252は、内径方向の内方力をシャフト上に付与して、シール152のシールを向上させる。しかし、シール152上に力が付与されると、回転摩擦およびスリップスティック振動につながる。回転摩擦は、パンシャフト125またはチルトシャフト105に位置決め誤差が発生しないように抑制する必要がある。シール152は、PTFEリップシール、Oリング、ガスケット、シールまたは(ハウジング内におけるガスおよび粒子の出入りを防止する)他の機構であり得る。
【0127】
図30を参照すると、ハウジング311は、静的シールも備え得る。静的シールは、Oリング、ガスケット、シールまたは(ハウジング111内におけるガスおよび粒子の出入りを防止する)他の機構であり得る。静的シール156をかみ合い部分の接合縁部間に取り付けることにより、環境有害物質の通過を防止する。一般的な静的シールは、エラストマーのガス浸透性、化学物質への露出、風化、摩耗、溝部内のトーションコイル、締結具のゆるみまたは剛性不足のグランド壁の屈曲に起因する圧縮損失を通じて不具合を発生し得る。設計誤差が有る場合も、シール不具合に繋がり得る(例えば、厚さおよび剛性が不十分な接合縁部、不十分な平坦性、または、表面仕上げにおいてガス分子が溝部のシール接触ゾーンを通過する微細亀裂を通じて漏洩する場合)。静的シールは密閉された堆積中において不具合発生ポイントとなるため、位置決めデバイスの本発明の特徴は、簡単なモノコックハウジングであり、継ぎ目長さを低減することにより、静的シール不具合ポイントを低減する。図示の実施形態において、デバイス筐体301は、上部カバー313および主要ハウジングピース311を持つだけでよい。そのため、ハウジングシェル311のための静的シールを設けるのは、上部カバー313だけでよい。位置決めデバイス301は、少なくとも6つの静的Oリングシールを用い得る(例えば、第1のシールをハウジング311と上部のカバー113との間に設け、第2のシールをパンシャフト中の空気加圧弁150のフランジのために設け、第3のシールを、加圧バルブのバルブ段階にわたるキャップのために設け、第4のシールをパンシャフト上の電気コネクタ141に設け、バックアップのOリングシールをチルトシャフト105のシャフトマウントブラケット128,145上に設ける)。シャフトマウント内にバックアップのOリングを設けることにより、ガス漏れがリップシールに衝突して外方に膨張する事態を回避することができ、また、ハウジングの内壁と壁中にボルト留めされたシャフトマウントブラケットとの間をガスが通過する事態を回避することができる。鋳造または成形構造により、チルトシャフトマウントブラケット128,145の壁内への一体化または埋設をフライス削り作製の場合よりも容易に行うことが可能になる。このような鋳造または成形ハウジングは、外部動的シールグランド(例えば、グランドをシールするパンシャフト225)を用いて、内部バックアップOリングをマウント上に設ける必要性を無くすこともできる。パンシャフトに直接空気バルブを機械加工することにより、空気バルブのフランジシールを除去する。これにより、静的な侵入経路を3つのOリングのみに限定することができるため、さらにシール性能が向上する。
図29を参照すると、デバイス201においては、動的シールがハウジングの外部に設けられているため、ブラケット中のバックアップOリングは不要である。他の実施形態において、静的シールは、ガスケット、エラストマーリングまたは他の任意の適切なシール機構であり得る。この設計により、位置決めデバイスの構造およびシールが簡潔になり、また、ハウジング構成要素の接続をより多く必要とする他の設計の場合よりも、環境脅威により強いハウジング211が得られる。
【0128】
加圧汚染物質の外部力および保護されている内部中への爆発による侵入に対処するために、ハウジング211の加圧を調整されたガスで空気弁150を通じて行うことができる。内部ガスの正方向の圧力により、反対向きの力を発生させて、(シールシステムの不具合の原因になり得る)動的シール152および静的シール156を突出させようとする外部圧力を無効化することができる。シャフトシール152および静的シール156は、調整されたガスを内部に保持し、ハウジング211の外部の雰囲気ガスおよび粒子を保持する。位置決めデバイス201が低圧力環境下において展開する場合、内部加圧を制約するためには、二重動的シールが好適である。動的または静的シールにおいて欠陥があり、漏れが発生しやすい場合は、正方向の内部圧力に起因して、汚染物質を運び込む外部空気が侵入する前に、調整された内部ガスが漏れ出る。陸地基部の展開において、ハウジングを約16〜20psiの絶対値まで加圧し、好適な実施形態において、内部ガスは漏れない。他の実施形態において、ハウジング211内のより高い圧力があっても、シールが二重でありかつ/またはバネ付加によりシールをシャフトへ物理的に押しつけた場合は、ガス漏れは発生しない。その場合、トルク引き摺りが増加するという欠陥がある。シール152を潤滑剤で被覆することにより、チルトシャフト105およびパンシャフト125が平滑にシール152に対して回転し、シール152は損傷しない。動的シール152を潤滑材料によって構成してもよい(例えば、こすれにより落下して移動接触領域を自己潤滑する、摩耗最適化されたPTFEポリマー混合物)。
【0129】
埃および湿気は、組み立ておよびルーチンメンテナンス時にもハウジング211中に侵入し得る。完全組み立てされたユニットをシールするためにカバー113が締結された場合に筐体中に封入される気団に加えて、内部デバイスおよび構成要素中の材料中には、湿気が潜伏している。湿気は、回路基板の層(例えば、モータ電子機器、任意の内蔵ペイロード、内部DC/DC変換器118、封入されたコントローラ574、または他の電子システム)間に捕獲されている場合がある。回路基板、プラスチック、ワイヤ、および他の構成要素からの潜伏している湿気は、筐体111中に封入された気団中の湿度を上回る場合も有り、そのため、乾燥した空気をユニットに充填するだけでは、受容可能な製品寿命を保障できる程度に十分に湿気を除去することができない。クリーンルームにおけるアセンブリ環境があれば、工場フロアにおける一定の汚染を回避することができるが、そのためには高コストがかかり、現場のサービスにおいては実際的ではない。好適には、ハウジング211をパージした後、シールされたユニットをガスで加圧し、パージおよび加圧ガスは、乾燥した不活性ガス(例えば、窒素)であり得る。パージおよび充填は、パンシャフト125上に配置された空気弁150を通じて行ってもよいし、あるいは、空気弁をハウジング211またはカバー113上に配置してもよいが、その場合、弁の質量がパンモータにとって重荷となる欠陥が発生し、弁を固定パンシャフト基部上に設けた場合は発生しないさらなる回転質量も発生する。パージプロセス(例えば、窒素リッチなパージを用いたBrownell方法)を用いて、封入された空気からの湿気および構成要素の材料(例えば、基板層間に捕らわれている回路基板エッチャント)中に潜在する湿気を抽出することができる。筐体211内にシールされた残りの調整されたガスは、多くの利点を有する。すなわち、埃などの粒子状汚染物質がはるかに少なく、腐食の可能性が低く、凝縮および光学曇りを回避するために露点が低く、静電気も低い。ガスを加圧して、静的シール156および動的シール152のシール性能を向上させることができる。
【0130】
埃および湿気に加えて、外部環境中の電磁危害がハウジング211に侵入して、封入された電子機器を妨害または破壊し、機械構成要素を溶融または蒸発させ得、あるいはサービス技術者を感電死させ得る。危害を挙げると、停電、稲妻、静電放電、電磁パルス、海軍船上における消磁放電、およびエネルギー放射(例えば、レーダーおよびエネルギー兵器の方向付け)がある。ハウジング内に封入された電子も、EMI/RFIの危険な発生源となり得、継ぎ目および貫通から逃げて、外部装置(例えば、通信トランシーバ)と干渉する。この内部エネルギーによりハウジングシェルピースが活性化されると、ハウジングシェルピースは、電気的に接続されていなくても、ダイポールアンテナとして放射する。電磁エネルギーの侵入および放射を軽減するために用いられる戦略を一般化すると、ハウジングピース間の電気接合部における継ぎ目および貫通の最小化となるが、これらの設計ガイドラインは、製造のための設計最適化のいくつかの一般的な慣習、すなわち、人間の手および器具によるアクセスを容易にしてデバイスの組み立ておよび修理を迅速に行えるように小型機械を多くの部品に分解されるようにする、という慣習に反する。従来技術では、一般的には3つ以上の部品で多くの継ぎ目、貫通部を有して組み立てられ、アンテナからの放射も存在していたのに対し、本発明のデバイスは、簡単なハウジング211およびカバー113を包含して2部品シェルを提供することにより、この問題に対処する。一方、妥協することなく、構成要素が一体化され、ターンテーブル軸受131,127において圧入を用いないため、アセンブリおよびメンテナンスへのアクセスできる。継ぎ目長さ合計を最小化することにより、異なるシェルピース中のシールドをより容易に電気連結することができる。シールドは、導電性材料または導電性材料のメッシュによって構成され得る。構成要素の接合面におけるシール間の電気接続においては、導電性静的シールを用いることができる(例えば、エラストマーOリングを金属粒子またはカーボンナノチューブでドープしたもの)。内部構成要素を導電性材料またはメッシュのハウジングで包囲することにより、内部電気および電子構成要素を静電界および非静電界から保護する「ファラデー箱」を形成することができる。このシールドにより、位置決めデバイスにおいて稲妻、無線波および電磁放射が発生した場合に、外部デバイスを位置決めデバイス201から発生するEMIから保護しつつ、内部構成要素を保護することができる。この高レベルのシールドは従来技術においては非一般的であるが、標準(例えば、ML−STD−461G)を介した新規の公認の防衛および国防装置においては必須の要件になっている。
【0131】
埃、湿気および電磁エネルギーは位置決めデバイスにとって極めて危険であるため、入口数を最小限にした筐体が提案されており、必要な継ぎ目および開口は、動的シール152および静的シール156によって密閉される。
図23において、ハウジング111は.連続したシェルであり、カバー113および1つまたは2つの穴のみをチルトシャフト105のために備える。位置決めデバイスは、継ぎ目の合計長さを最小限にしたハウジング111を備え得る。簡単な形態において、ハウジング111は、下部と、4つの側部121,122,123,124とを有する。これらは全て、単一の材料ピースから作製されている。パンシャフト125は、ハウジング111の下部の穴を通って延在し得、チルトシャフトは、ハウジング111の側部中の穴を通って延在し得る。全ての内部構成要素を、上開口およびシャフト穴を通じて取り付けることができる。このようなモノコック構造により、ハウジング111に必要な静的シールの数および合計長さが最小化され、その結果、環境危害および放射電磁ノイズが漏れ得る点が低減する。筐体において漏れ点が少数である場合、加圧およびパージがより有効である。その場合、加圧ユニットが正方向の内部圧力がやむなく漏れる前までにより長期間にわたって動作することが予測される。構成要素数を最小化することにより、位置決めシステム101のハウジング111をより高強度とすることができ、また、ハウジング111を環境脅威が出入りし得る継ぎ目およびシールをより少数にすることができる。この設計により、位置決めデバイスの構造およびシールが簡単になり、ハウジング111をより接続部分の多いハウジング構成要素を必要とする他の設計よりもロバストなものとすることができる。
【0132】
一体化された簡単なハウジングの本発明の位置決めデバイスによる別の利点として、機械振動、衝撃および衝撃に対するハウジング111の耐性を向上させることができる点がある。一実施形態において、第1の側部121、第2の側部123、第3の側部122および第4の側部124は全て、同一の材料ピースまたは単一の連続構造から作製される。位置決めデバイスが備え得るモノコック構造において、ハウジング111により、外面および負荷軸受構造が得られる。共に締結された様々なピースによって構築された筐体の場合、かみ合いピース間のチャンネル振動が効率的にならず、接合面における間接的な負荷経路および内部衝撃波反射に起因する予測不可能な共鳴を設定し得る。かみ合い接合においては、締結具周囲の疲労不具合および締結具の緩みも発生し得る。機械衝撃および衝撃を任意の接触点(例えば、ペイロード)からキネティックシンク中へ導いて、衝撃を発散させる必要があり、また、キネティック経路を最小化し、予測可能な衝撃負荷を扱うように設計された構成要素を通じて誘導する必要がある。複数のピースから作製された筐体の場合、高衝撃負荷下において接合部に変形または亀裂が発生し得る。デバイスは、キネティックシンク中に発散させるかまたは取付先の基部構造へ誘導するのではなく、エネルギーの大部分を吸収しようとする。モノコックハウジングは、シャフトターンテーブル軸受が取り付けられた単一の外側シェルピースを有するため、衝撃負荷は短いキネティック経路を介して高強度のハウジングシェル中に放散されるかまたは取付基部中へ誘導される。複合材料、プラスチックまたはベリリウム合金によって構築されたハウジングの場合、衝撃および振動の減衰において優れており、可鍛性材料(例えば、アルミニウム)中に発生する永久変形を発生させない。このモノコックハウジング111の設計により、アセンブリにおいて重大な問題が発生し得、取付穴付きのターンテーブル軸受無しでは組み立てることができない場合があり、障害の無い下方の取付が、垂直または外方抜き勾配の内壁、取り外し可能なチルトシャフトマウントおよび良好に協働する組み立て手順によって可能となる。
図10を参照すると、パン軸受フランジ129をハウジング111のフロア内に一体化することにより、組み立て手順を注意深く決定する限り、さらに高レベルの一体化および構造剛性が得られる。位置決めデバイス101は、一体型ハウジング111を先に開示した衝撃および振動に強いモータマウントと組み合わせた場合において、特に衝撃および振動に強くなる。
【0133】
簡単なハウジングによるさらに別の有用な利点として、フライス削り金属構造による製造から容易に鋳造または成形構造へシフトすることが可能である点がある。本発明の分野において、アルミニウムストックから作製された部品に対して先ずフライス削り/機械加工を行った後、ボディシェルピースの金属鋳造、プラスチック成形または複合繊維成形を行って、単価を大幅に低下させることが一般的である。フライス削りピースの場合、単価が高いが、現在進行中のR&Dによれば、部品そのものの以外の損失無く、変更を行うことができる。鋳造および成形の欠点として、モールド、ダイおよび工具が極めて高価なフロントロード型の投資であり、工具によって対応できない変更が発生した場合、この投資が無駄になり得る点がある。鋳造金属部品は、低温フライス削りビレットおよび熱処理ビレットよりも構造的に弱く、鋳造または成形部品の場合、高精度の表面仕上げ、特徴およびねじ山形成のために第2の機械加工または処理が必要となる。フライス削りから成形構造へシフトする際のさらなる問題として、部品設計の変更がある。すなわち、モールドダイの固着を回避するために、設計の特徴を壁中の外方の抜き勾配角度を含むように変更する必要がある。また、小型の角部半径を拡張する必要もあり、アンダーカットが不可能である場合もあり、コンポジット中の不適切な積層またはプラスチック構造における硬化ゆがみを回避するために、壁厚さを調整する必要もある。鋳造または成形構造へのシフトは、複数のボディピースからなる製品においてはより困難である。この理由は、複数のモールドおよび工具セットを同時に作製しなければならず、公差の蓄積に起因して、部品が良好に噛み合わなくなる場合があるからである。大量生産における競合力を得るためには、鋳造および成形部品のコスト節約が必要となるステップとなるが、これは、複数のボディピースによって構成された従来技術においては極めて困難であり、高コストでもある。鋳造または成形すべき部品数を一体化によって低減できる場合、モールドおよび関連する第2の機械加工および処理がより少数となり、部品数低減により信頼性が増加し、公差累積が低下する。
【0134】
アルファまたはベータプロトタイプ発表段階ではなくコンセプト化段階において鋳造または成形へシフトすることにより、ツーピースハウジングボディの利点が最大化される。ハウジングに対してツーピースしかないため、比較可能な多ピース設計の場合よりも、モールドおよび工具の数が低減する。その結果、開発を支える販売前の早期段階における資金分配も少額になる。よって、大型ビレットの機械加工からのシフトを製品寿命サイクルよりも早く開始することができる。ツーピースしかないため、ボルト穴およびかみ合いフランジの高精度アライメントを阻む原因となる反りおよび公差累積の危険性が低下する。ポジショナハウジング111は、ポスト機械に対してかみ合いフランジが1つしかなく、ボディシェルを締結するためのねじ山も少数である。取付穴付きのターンテーブルリングの使用と、いくつかの実施形態における取り外し可能なシャフトマウントの使用とにより、高精度ボアおよび肩の鋳造金属ピースの壁中への第2の機械加工が不要になる。チルトシャフト105は、チルトシャフト105とパンシャフト基部125との間の負荷移動のためにより直接的なキネティック経路を有するため、ボディシェルピース111は、優れた構造部材である。すなわち、ハウジングとなるだけでなく、金属ストックの熱処理および低温フライス削りによる強化が不要な壁により、豊富な負荷軸受能力を継続的に提供する。モールドダイにおいては、成形部分からダイを除去するために抜き勾配角度および最小化されたアンダーカットが必要になるため、ハウジング111は、設計の大幅な変更無く、フライス削り構造および成形構造双方に対応することができる。
図30を参照すると、ハウジング311は、外方抜き勾配の内壁または垂直な内壁を有し得、外方外部壁部抜き勾配を有し得、取り外し可能なシャフトマウント128,145を有し得、これにより、ダイ成形および成形プロセスを容易化する。
図29において、チルトシャフトマウントは、ハウジング壁の一体型の特徴であり得るが、モールドダイの作用を妨害してはならず、他の内部構成要素の取付も妨害してはならない。さらにより高レベルの部品統合が行われる場合、パン軸受フランジ129をハウジングフロアと一体化する
図10のハウジング111のように、機械加工プロトタイプフェーズを回避または短期化する代わりに、フル製造における従来の鋳造に近いステップである鋳造金属高速プロトタイプを開発すると、経済およびデバイス性能において利点がある。モノコックハウジングの採用が、ターンテーブル軸受伝動機構によって可能となり、良好に組み立てられた組み立て手順により、極めて有用な利点が性能、コストおよび製造時間において得られ、販売用の完成品において実現される。
【0135】
特定の実施形態を参照すると本発明のシステムについて述べてきたが、これらの実施形態において、本発明のシステムの範囲から逸脱することなく、追加、削除および変更が可能であることが理解される。要求を満たす装置および方法についての記載において、様々な構成要素が含まれているが、様々な他の構成において、これらの構成要素および記載の構成を変更し、再配置することが可能であることが深く理解される。
【0136】
本願は以下の発明をも包含する。
(1)
位置決めデバイスであって、
中空の中央容積を有するハウジングと、
第1の平面取り付けターンテーブル軸受であって、第1の内輪と、第1の外輪と、前記第1の内輪および前記第1の外輪間の第1の複数の軸受とを備え、前記第1の内輪は、前記ハウジングの下部に強固に連結され、前記第1の外輪は、マウントに強固に連結される、第1の平面取り付けターンテーブル軸受と、
前記第1の外輪を回転する、前記ハウジングに強固に連結した第1のモータと、
前記第1のモータおよび前記第1の平面取り付けターンテーブル軸受の前記第1の外輪に連結した第1のギアであって、前記第1のモータによる前記第1のギアの回転が、前記第1の外輪および前記マウンティングに対する前記第1の内輪の回転を引き起こす、第1のギアと、
第2の平面取り付けターンテーブル軸受であって、第2の内輪と、第2の外輪と、前記第2の内輪および前記第2の外輪の間に第2の複数の軸受とを備え、前記第2の内輪が前記ハウジングに強固に連結される、第2の平面取り付けターンテーブル軸受と、
前記ハウジングの第1の側部を通って延在する第2のシャフトであって、前記第2の外輪に強固に連結するシャフトと、
前記ハウジングに強固に連結する第2のモータと、
前記第2のモータおよび前記第2の平面取り付けターンテーブル軸受の前記第2の外輪に連結した第2のギアであって、前記第2のモータによる前記第2のギアの回転が、前記第2のモータおよび前記ハウジングに対する前記第2のシャフトの回転を引き起こす、第2のギアと
を含む、位置決めデバイス。
(2)
前記第1の外輪および前記第1のギア周囲で張力をかけた状態で取り付けられた歯を有する第1のベルト、ケーブル、または鎖連結と、
前記第2の外輪および前記第2のギア周囲で張力をかけた状態で取り付けられた歯を有する第2のベルト、ケーブル、または鎖連結と
を備える、(1)に記載の位置決めデバイス。
(3)
前記ハウジングおよび前記第2のシャフトの間に取り付けられた第3の平面取り付けターンテーブル軸受をさらに含む、(1)に記載の位置決めデバイス。
(4)
前記第2のシャフトは、前記ハウジングの前記第1の側部の反対側の前記ハウジングの第2の側部を通って延在する、(3)に記載の位置決めデバイス。
(5)
前記第2のシャフトを包囲する第2のシャフトフランジと、
前記第2のシャフトに堅固に連結された前記第2のシャフトフランジの内側ラジアル部分と、
前記第2の外輪に堅固に連結された前記第2のシャフトフランジの外側ラジアル部分と、
をさらに備える、(1)に記載の位置決めデバイス。
(6)
前記第2のシャフトを包囲する第2の軸受フランジと、
前記ハウジングに堅固に連結された前記第2の軸受フランジの外側ラジアル部分と、
前記第2の内輪に堅固に連結された前記第2の軸受フランジの内側ラジアル部分と
をさらに備える、(1)に記載の位置決めデバイス。
(7)
前記マウントはシャフトである、(1)に記載の位置決めデバイス。
(8)
前記シャフトを包囲するシャフトフランジと、
前記第1の外輪に強固に連結された前記シャフトフランジの外側ラジアル部分と、
前記シャフトに堅固に連結された前記シャフトフランジの内側ラジアル部分と
をさらに備える、(7)に記載の位置決めデバイス。
(9)
第1の軸受フランジ、前記ハウジングに堅固に連結された前記第1の軸受フランジの外側ラジアル部分、および前記第1の内輪に堅固に連結された前記第1の軸受フランジの内側ラジアル部分をさらに備える、(1)に記載の位置決めデバイス。
(10)
前記第1の平面取り付けターンテーブル軸受および前記第2の平面取り付けターンテーブル軸受は、0.001〜0.00005インチの弾性変形まで事前負荷される、(1)に記載の位置決めデバイス。
(11)
前記第1のモータおよび第1の制御電子機器を備える第1のシャフトアクチュエータをさらに備える、(1)に記載の位置決めデバイス。
(12)
前記第2のモータおよび第2の制御電子機器を備える第2のシャフトアクチュエータをさらに備える、(11)に記載の位置決めデバイス。
(13)
前記内輪または前記外輪は、1つ以上のアライメント穴を備え、前記第1の平面取り付けターンテーブル軸受または前記第2の平面取り付けターンテーブル軸受を前記ハウジングと高い精度でアライメントさせるために、アライメントピンを前記1つ以上のアライメント穴内に設ける、(1)に記載の位置決めデバイス。
(14)
位置決めデバイスであって、
中空の中央容積を有するハウジングと、
平面取り付けターンテーブル軸受であって、内輪と、外輪と、前記内輪および前記外輪の間に第1の複数の軸受とを備え、前記内輪が前記ハウジングと強固に連結する、平面取り付けターンテーブル軸受と、
前記ハウジングの第1の側部を通して延在するシャフトであって、前記外輪に強固に連結するシャフトと、
前記ハウジングに強固に連結するモータと、
前記モータおよび前記平面取り付けターンテーブル軸受の前記外輪に連結したギアであって、前記モータにより前記ギアの回転が、前記モータおよび前記ハウジングに対する前記シャフトの回転を引き起こすギアと
を備える、位置決めデバイス。
(15)
前記外輪および前記ギアの周囲に張力をかけた状態で取り付けられた歯を有するベルト、ケーブル、または鎖連結をさらに備える、(14)に記載の位置決めデバイス。
(16)
前記ハウジングおよび前記シャフトの間に取り付けられた第2の平面取り付けターンテーブル軸受をさらに備える、(14)に記載の位置決めデバイス。
(17)
前記シャフトが、前記ハウジングの前記第1の側部と反対側の前記ハウジングの前記第2の側部を通して延在する、(16)に記載の位置決めデバイス。
(18)
前記シャフトを包囲するシャフトフランジと、前記シャフトに強固に連結する前記シャフトフランジの内側ラジアル部分と、前記外輪に強固に連結する前記シャフトフランジの外側ラジアル部分とをさらに備える、(14)に記載の位置決めデバイス。
(19)
前記シャフトを包囲する軸受フランジと、前記ハウジングに強固に連結する前記軸受フランジの外側ラジアル部分と、前記内輪に強固に連結する軸受フランジの内側ラジアル部分とをさらに備える、(14)に記載の位置決めデバイス。
(20)
前記平面取り付けターンテーブル軸受が、0.001〜0.00005インチの弾性変形まで事前負荷される、(14)に記載の位置決めデバイス。
(21)
前記モータおよび前記制御電子機器を含むシャフトアクチュエータをさらに備える、(14)に記載の位置決めデバイス。
(22)
前記内輪または前記外輪は、1つ以上のアライメント穴を備え、前記第1の平面取り付けターンテーブル軸受を前記ハウジングと高い精度でアライメントさせるために、アライメントピンを前記1つ以上のアライメント穴内に設ける、(14)に記載の位置決めデバイス。
(23)
位置決めデバイスであって、
中空の中央容積を有するハウジングと、
平面取り付けターンテーブル軸受であって、内輪と、外輪と、前記内輪および前記外輪の間に第1の複数の軸受とを有し、前記外輪が、複数の締結具で前記ハウジングの側部に強固に連結し、前記内輪がシャフトに強固に連結する、平面取り付けターンテーブル軸受と、
前記内輪を回転する、前記ハウジングに強固に連結するモータと、
前記モータおよび前記ターンテーブル軸受の前記内輪に連結するギアであって、前記モータによる前記ギアの回転が、前記外輪および前記ハウジングに対する前記内輪の回転を引き起こす、ギアと
を備える、
位置決めデバイス。
(24)
前記内輪および前記ギアの周囲で張力をかけた状態で取り付けた歯を有するベルト、ケーブル、または鎖連結をさらに備える、(23)に記載の位置決めデバイス。
(25)
前記シャフトを包囲するシャフトフランジと、前記内輪に強固に連結した前記シャフトフランジの外側ラジアル部分と、前記シャフトに強固に連結した前記シャフトフランジの内側ラジアル部分とをさらに備える、(23)に記載の位置決めデバイス。
(26)
軸受フランジと、前記ハウジングに強固に連結した前記軸受フランジの外側ラジアル部分と、前記内輪に強固に連結した前記軸受フランジの内側ラジアル部分と
をさらに備える、(23)に記載の位置決めデバイス。
(27)
前記軸受が、0.001〜0.00005インチの弾性変形まで事前負荷される、(23)に記載の位置決めデバイス。
(28)
前記モータおよび制御電子機器を備えるシャフトアクチュエータをさらに備える、(23)に記載の位置決めデバイス。